以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
まず、図1に基づき、本発明の第1の実施の形態に係わる超音波診断装置1の全体構成について説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係わる超音波診断装置1と全体構成を概略的に示した図である。
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態の超音波診断装置1は、体腔内超音波プローブとしての、挿入軸方向に対して垂直な面内を挿入軸を中心に放射状に走査するラジアル走査型超音波内視鏡(以下、単に超音波内視鏡)2と、磁場を用いて超音波内視鏡2の挿入形状及び断層面の位置と方向とを検出する断面層位置方向検出手段としての位置方向検出部3と、超音波断層像と、被検体8に対する超音波断層像の位置と方向や、超音波断層像の大きさがわかるような補助像,ボディマーク,スケールとを生成し、これらを同時もしくは切り替えて表示するためのビデオ信号を生成する超音波画像処理部4と、超音波画像処理部4から出力されたビデオ信号を表示する表示手段としてのモニタ5と、モニタ5に表示する画像の条件を入力する、マウスとキーボードとからなる表示設定変更手段としての操作装置6とを備えている。
超音波内視鏡2は、被検体8に挿入される内視鏡挿入部9と、この内視鏡挿入部9の後端に設けられ、把持操作される内視鏡操作部10とに大別される。超音波内視鏡2の内視鏡挿入部9は被検体8内における胃、食道、大腸のように湾曲の多い体腔内管路の中に挿入されることから、可撓性のある材質で構成されている。
具体的には、内視鏡挿入部9は、図2に示すように、先端に設けられて硬質の先端部11と、この先端部11の基端部に設けられ、湾曲自在の湾曲部12と、この湾曲部12の基端部から内視鏡操作部10の先端部までの長尺で可撓性を有する可撓部13とから構成される。図2は、超音波内視鏡2の構成を説明する概略構成図である。この湾曲部12は内視鏡操作部10に設けた湾曲ノブ14を回動する操作を行うことにより、内視鏡挿入部9内に挿通された図示しないワイヤが進退移動し、自由な湾曲方向等に湾曲して、先端部11の方向をユーザは遠隔制御できるようにしている。
内視鏡挿入部9の先端部11には、円柱を斜めに切り欠いたようにして形成した斜面部に、照明窓15と光学観察窓16とが形成され、光学的に観察する手段を形成している。照明窓15の内側には内視鏡挿入部9等を挿通された図示しないライトガイドが挿通され、図示しない外部の光源装置からの照明光を伝送して、この照明窓から照明光を出射し、体腔内を照明する。
そして、光学観察窓16に取り付けた対物光学系により体腔内の照明された部位の光学像を結像し、その光学像をイメージガイドにより伝送し、内視鏡操作部10の後端に設けた図示しない接眼部を介して光学的に観察できるようにしている。なお、対物光学系の結像位置にCCDなどの撮像素子を配置したものでは、その撮像素子で撮像された信号は外部のビデオプロセッサに接続され、映像信号に変換されて図示しないモニタに表示される。
また、先端部11には、超音波を送受してラジアル走査を行う超音波振動子18が設けられている。例えば、超音波振動子18は、内視鏡挿入部9の軸に垂直な断層面23の面内で超音波ビーム24を放射状に出射する。超音波振動子18は、内視鏡挿入部9を挿通された図示しない信号線と接続され、この信号線は外部に延出された信号線となり、超音波画像処理部4の超音波画像作成回路42と接続される。そして、この信号線により超音波振動子18に送信駆動信号を印加したり、超音波振動子18で受信して電気信号に変換した超音波エコー信号を超音波画像作成回路42に送ったりする。
また、本実施の形態では、内視鏡挿入部9の挿入形状を検出できるように、内視鏡挿入部9の軸方向に所定の間隔をおいて挿入形状検出用送信コイル(以下、単に送信コイル)31が複数設けられている。各送信コイル31は、1軸の回りに導線が巻かれたソレノイドコイルであり、そのコイルが巻かれている向きは例えば内視鏡挿入部9の軸に平行となるように設けている。そして、内視鏡挿入部9が被検体8に挿入されている時には、その内視鏡挿入部9と一体となって動くように内視鏡挿入部9内に固定されている。
また、先端部11の内部には、断層面23の位置及び方向を検出するための断層面位置方向検出用送信コイル(以下、位置方向検出用送信コイル)32が取り付けられている。この位置方向検出用送信コイル32は、直交する2軸の回りに導線が巻かれた2つのソレノイドコイルが一体となった構造である。ここでは、直交するコイルの2軸が、それぞれ、超音波断層像におけるデフォルトの12時方向とデフォルトの3時方向とに一致するように構成している。
上記送信コイル31及び位置方向検出用送信コイル32は、内視鏡挿入部9内に挿通された信号線と接続され、これらの信号線は内視鏡操作部10内部で束ねられてケーブル33となり、位置方向検出部3と接続される。
図1に示すように位置方向検出部3には、送信コイル31及び位置方向検出用コイル32にコイル励起信号を送信するコイル駆動回路35と、送信コイル31及び位置方向検出用コイル32が空間的に張る磁場を検出するために、例えば導線が巻かれている向きが互いに異なる複数個の受信用コイル(以下、受信コイル群)37と、受信コイル群37が検出した磁場に基づき送信コイル31及び位置方向検出用コイル32の位置と方向とを算出する位置方向算出回路36とが設けられている。なお、受信コイル群37は空間的に固定されている。
また、図1に示すように超音波画像処理部4には、補助像作成手段としての補助像作成回路41と、超音波画像作成回路42と、被検体方向指標作成手段としてのボディマーク作成回路43と、寸法指標作成手段としてのスケール作成回路44と、混合回路45と、メモリ46と、表示回路47とが設けられている。
補助像作成回路41は、位置方向算出回路36で算出された送信コイル31及び位置方向検出用コイル32の位置と方向とから、補助像を作成する回路である。超音波画像作成回路42は、超音波画像作成回路42内の図示しない送信回路から、パルス状の送信駆動信号を超音波振動子18に送信する。また、超音波振動子18から超音波エコー信号を受信し、ユーザによって操作装置6から設定された各種条件に基づき、超音波断層像の画像データを作成し、混合回路45に出力する。ボディマーク作成回路43と、スケール作成回路44とは、ユーザによって操作装置6から設定された各種条件に基づき、ボディマークの画像データとスケールの画像データとをそれぞれ作成し、混合回路45に出力する。
混合回路45は、補助像作成回路41と、超音波画像作成回路42と、ボディマーク作成回路43と、スケール作成回路44とからそれぞれ出力される画像データを、同一画面に表示するために混合し、表示回路47へ出力する回路である。表示回路47は、混合回路45からの混合出力をビデオ信号に変換し、モニタ5に出力する回路である。メモリ46は、ユーザによって操作装置6から設定された各種条件が書き込まれ、必要に応じてこれらの各種条件を超音波画像作成回路42,ボディマーク作成回路43,スケール作成回路44へ出力したり、補助像作成回路41,超音波画像作成回路42で作成された画像データなどを保存したりする。
モニタ5には、表示回路47から出力されたビデオ信号を基に、例えば図3に示すように、超音波断層像53,補助像54,被検体方向指標としてのボディマーク58,寸法指標としてのスケール59が表示される。図3は、モニタ5の表示画面を説明する図である。
次に、上述のように構成された超音波診断装置1の作用ついて説明する。まず、操作装置6から条件を設定することができる、超音波断層像53や補助像54などの表示に関する項目について、図3〜図7を用いて説明する。図4は、モニタ5に表示する超音波断層像の回転角度を説明する図、図5は、モニタ5に表示する超音波断層像の表示範囲のスクロールを説明する図、図6は、モニタ5に表示する超音波断層像の左右反転を説明する図、図7は、被検体方向を説明する図である。
操作装置6から設定可能な表示に関する項目は、以下の項目A〜項目Gの7項目である。
[項目A]超音波断層像表示スペース51に表示させる超音波断層像53の1辺、被検体内での実際の長さ(以下、表示レンジと示す)。図3におけるA−A´の線分に対応する、実際の長さを設定する。
[項目B]ラジアル走査中心位置60を中心として、デフォルトの方向から超音波断層像53を回転させる角度(以下、回転角度と示す)。図4の矢印Bで示す方向に、超音波断層像53を回転させる角度を設定する。
[項目C]超音波断層像表示スペース51に表示させる超音波断層像53の表示範囲を平行移動させる方向と距離(以下、スクロール値と示す)。例えば、図5の矢印Cの先が指す位置が超音波断層像表示スペース51の中心にくるように表示範囲をスクロールさせる場合、矢印Cの方向と長さ(距離)とを設定する。
[項目D]超音波断層像表示スペース51に表示させる超音波断層像53を左右反転させるか否か(以下、左右反転の有無と示す)。例えば、図6におけるD−D´線を軸として、超音波断層像53を左右反転させて表示させるか否かを設定する。
[項目E]三次元空間に存在する補助像54を、二次元空間であるモニタ5に投影して表示させるときの視点方向(以下、補助像の視点方向と示す)。
[項目F]補助像54の表示倍率。
[項目G]受信コイル群37に固定された座標における、被検体8の足側から頭側の方向及び被検体8の背側から腹側の方向(以下、被検体方向と示す)。図7に示すように、受信コイル群37により設定されるx−y−zの三次元固定座標において、被検体8の足側から頭側への方向ベクトルV1と、披検体8の背側から腹側への方向ベクトルV2とを、互いに直交するように設定する。
これらの項目の設定条件は、ユーザによって操作装置6から入力される度に、メモリ46に書き込まれる。メモリ46に書き込まれた設定条件は、次のように超音波画像処理部4の他の回路へ入力される。すなわち、回転角度,表示レンジ,スクロール値,左右反転の有無,補助像の視点方向,及び補助像の表示倍率の6項目は、メモリ46から補助像作成回路41に同時に入力される。また、回転角度,表示レンジ,スクロール値,及び左右反転の有無の4項目は、メモリ46から超音波画像作成回路42に同時に入力される。更に、補助像の視点方向,及び被検体方向の2項目は、メモリ46からボディマーク作成回路43に同時に入力される。また、補助像の表示倍率の1項目はメモリ46からスケール作成回路44に入力される。
次に、超音波断層像53に関わる信号及びデータについて説明する。超音波画像作成回42は、超音波画像作成回路42内の図示しない送信回路からパルス状の送信駆動信号を超音波振動子18に送信する。
そして、被検体8の体腔内に挿入された超音波振動子18は、送信駆動信号を電気音響変換して超音波に変換し、超音波を送受波しながらラジアル走査して断層面23の超音波エコーを電気信号に変換し、超音波エコー信号として超音波画像作成42回路に出力する。
超音波画像作成回路42は、得られた超音波エコー信号に対して、包絡線検波、対数増幅、A/D変換等、公知の各種処理を施し、ユーザによって操作装置6から設定され、メモリ46を介して入力された、回転角度,表示レンジ,スクロール値,及び左右反転の有無の諸条件を基に、超音波断層像53の画像データを作成し、混合回路45に出力する。超音波断層像53の画像データは、混合回路45から表示回路47を経てモニタ5に出力され、モニタ5には図3に示すような超音波断層像53がラジアル走査の度に更新されつつ表示される。
次に、モニタ5の補助像表示スペース52に表示させる、位置方向の情報と補助像54とに関わる信号及びデータについて説明する。位置方向検出部3内のコイル駆動回路35は、送信コイル31と位置方向検出用送信コイル32とに交流信号であるコイル励起信号を出力する。
このコイル励起信号の周波数は、送信コイル31毎に異なるものとされている。また、位置方向検出用送信コイル32では、導線が巻かれている方向別に異なる周波数に設定されている。このようにして、被検体8に挿入される内視鏡挿入部9の周囲には、各送信コイル31及び位置方向検出用送信コイル32により、異なる周波数で励起された交番磁場が張られる。
一方、位置方向検出部3に設けられた受信コイル群37は、送信コイル31等により励起された磁場を受信し、電気信号である磁場検出信号を位置方向検出部3の位置方向算出回路36に出力する。
位置方向算出回路36は磁場検出信号を周波数分解することで、送信コイル31各々間での周波数の違い、及び位置方向検出用送信コイル32における導線の巻かれている方向の違いも分解し、それらのデータを受信コイル群37に固定された座標上の位置方向データとして表現し、超音波画像処理部4の補助像作成回路41に出力する。位置方向算出回路36では上記の作用が周期的に繰り返されており、位置方向データは常に更新されつつ補助像作成回路41に出力される。
補助像作成回路41では、以下の(1)〜(9)の手順に従って各種処理が行われ、補助像54が作成される。なお、手順(1)〜手順(6)は、図2に示すような、受信コイル群37に固定された座標空間上で処理が行われる。
(1)挿入形状の算出:
位置方向算出回路36から入力された送信コイル31の位置データ及び、位置方向検出用コイル32の位置データを、超音波内視鏡2の先端から順に線分あるいはスプライン曲線で結び、挿入形状55を生成する。
(2)モニタ5に表示される超音波断層像53の12時方向の算出:
位置方向算出回路36から入力された位置方向検出用コイル32の2つのコイルの方向データ及び、メモリ46より入力された回転角度に基づき、補助像54に表示する12時方向を算出する。
(3)モニタ5に表示される超音波断層像53の3時方向の算出:
位置方向算出回路36から入力された位置方向検出用コイル32の2つのコイルの方向データと、メモリ46より入力された回転角度と、メモリ46より入力された左右反転の有無とに基づき、補助像54に表示する3時方向を算出する。
(4)モニタ5に表示される超音波断層像53の中心位置の算出:
位置方向算出回路36から入力された位置方向検出用コイル32の位置データと、メモリ46より入力されたスクロール値と、手順(2)で算出された超音波断層像53の12時方向と、手順(3)で算出された超音波断層像53の3時方向とに基づき、補助像54に表示する断層面マーカ56の中心位置を算出する。
(5)モニタ5に表示される超音波断層像53の範囲を示す断層面マーカ56の作成:
手順(4)で算出されたモニタ5に表示される超音波断層像の中心位置と、手順(2)で算出された超音波断層像53の12時方向と、メモリ46より入力された表示レンジとに基づき、正方形の超音波断層像53の向きにあわせた、正方形の断層面マーカ56を作成する。
(6)12時方向マーカ56a及び3時方向マーカ56bの作成:
手順(4)で算出された、補助像54に表示する断層面マーカ56の中心位置から、手順(2)で算出された超音波断層像53の12時方向と、手順(3)で算出された超音波断層像53の3時方向とに、異なる色で三角錐の矢印マーカを作成し、それぞれ12時方向マーカ56a及び3時方向マーカ56bとする。
(7)補助像の平面への投影:
手順(1)で作成された挿入形状55と、手順(5)で作成された断層面マーカ56と、12時方向マーカ56aと、3時方向マーカ56bとを、メモリ46より入力された補助像の視点方向から平面に投影し、補助像54を作成する。
(8)補助像54の表示倍率の変更:
手順(7)で作成された補助像54から、メモリ46より入力された補助像の倍率に対応する部分を、補助像の表示範囲として切り取る。
(9)画像データの出力:
手順(8)で切り取られた補助像54の画像データを、混合回路45へ出力する。
なお、これらの一連の手順は繰り返し実行され、補助像54は順次更新されて混合回路45へ出力される。
補助像54のほかに、モニタ5の補助像表示スペース52に表示させる情報として、ボディマーク58とスケール59とがある。これらの作成方法について、次に説明する。
ボディマーク58は、ボディマーク作成回路43で作成される。ボディマーク作成回路43は、図8に示すように、立体ボディマークのデータを持っている。図8は、立体ボディマークを説明する概略図である。図8に示すように、背側と腹側の違いを明確にするため、立体ボディマークの背側には陰影が施されている。まず、メモリ46より入力された被検体方向に基づき、三次元空間における立体ボディマークの方向を決定する。続いて、メモリ46より入力された補助像の視点方向から立体ボディマークを平面に投影し、ボディマーク58の二次元画像データを作成する。最後に、作成したボディマーク58の二次元画像データを混合回路45へ出力する。なお、これらの一連の手順は繰り返し実行されており、被検体方向や補助像の視点方向が変更される都度、ボディマーク58の二次元画像データは更新されて混合回路45へ出力される。
スケール59は、スケール作成回路44で作成される。スケール作成回路44では、メモリ46より入力された補助像の表示倍率に基づき、スケール59の表示倍率を決定し、スケール59の画像データを混合回路45へ出力する。スケール作成回路44においても、スケール59の画像データ生成処理は繰り返し実行されており、補助像の表示倍率が変更される都度、スケール59の画像データは更新されて混合回路45へ出力される。
混合回路45では、各回路から受信した画像データを、モニタ5に図3に示すようなレイアウトで配置されるように混合する。すなわち、超音波画像作成回路42から受信した超音波断層像53の画像データが右側に、補助像作成回路41から受信した補助像54の画像データが左側に配置されるように、これらの画像データを並べる。更に、ボディマーク作成回路43から受信したボディマーク58の画像データが補助像54の右下に、スケール作成回路44から受信したスケール59の画像データが補助像54の下に配置されるように、超音波断層像53及び補助像54の画像データと重畳して表示回路47へ出力する。混合回路45も、上述した作用を繰り返し実行している。
表示回路47は、混合回路45より受信した画像データを逐次ビデオ信号に変換し、モニタ5に出力する。モニタ5は、表示回路47より入力されたビデオ信号を基に、図3に示すようなレイアウトで、超音波断層像53と補助像54とボディマーク58とスケール59とを表示する。
本実施の形態の超音波診断装置1は、上述のように、被検体8の体腔内に挿入された内視鏡挿入部9から出力される信号を逐次処理し、超音波断層像53や補助像54などの画像を生成してリアルタイムでモニタ5に表示するだけでなく、これらの画像を保存したり、保存した画像をモニタ5に表示したりすることもできる。以下に、画像の保存と読み込みの作用について説明する。
まず、画像の保存について説明する。ユーザなどによって、操作装置6であるキーボードまたはマウスから保存の指示がなされると、補助像作成回路41は、その時点での送信コイル31の位置方向データと、位置方向検出用送信コイル32の位置方向データとをメモリ46に出力する。これと同時に、超音波画像作成回路42は、その時点での超音波断層像53をメモリ46に出力する。メモリ46では、送信コイル31の位置方向データと位置方向検出用送信コイル32の位置方向データと超音波断層像53とが、その時点でメモリ46に格納されている、表示レンジ,回転角度,スクロール値,左右反転の有無,及び被検体方向の各項目の設定値と関連付けて保存される。
次に、画像の読み込みについて説明する。ユーザなどによって、操作装置6であるキーボードまたはマウスから読み込みの指示がなされると、メモリ46に保存されている送信コイル31の位置方向データと、位置方向検出用送信コイル32の位置方向データと、超音波断層像53と、これらと関連付けて保存されている、表示レンジ,回転角度,スクロール値,左右反転の有無,及び被検体方向の各項目の設定値とが、超音波画像処理部4の各回路へ出力される。また、被検体の視点方向と、補助像の倍率との設定値は、その時点での設定値が、超音波画像処理部4の各回路へ出力される。
超音波画像作成回路42では、メモリ46から受信した超音波断層像53に対し、同じくメモリ46から受信した、回転角度,表示レンジ,スクロール値,及び左右反転の有無の諸条件を基に、モニタ5に表示させる超音波断層像53の画像データを作成し、混合回路45に出力する。
補助像作成回路41では、メモリ46から受信した送信コイル31及び位置方向検出用送信コイル32の位置方向データと、同じくメモリ46から受信した、回転角度,左右反転の有無,スクロール値,被検体の視点方向,及び補助像の倍率の各項目の設定値とを用い、上述した補助像54生成の手順(1)〜手順(9)と同様の手順で補助像54の画像データを作成し、混合回路45へ出力する。ボディマーク作成回路43では、メモリ46から受信した、被検体方向と被検体の視点方向との設定値を用い、ボディマーク58の二次元画像データを作成して混合回路45へ出力する。スケール作成回路44では、メモリ46から受信した補助像の表示倍率を用い、スケール59の表示倍率を決定し、スケール59の画像データを混合回路45へ出力する。
混合回路45では、補助像作成回路41で作成された補助像54の画像データ、ボディマーク作成回路43で作成されたボディマーク58の画像データ、スケール作成回路44で作成されたスケール59の画像データ、及び、メモリ46から読み出されて超音波画像作成回路42で作成された超音波断層像53が合成されて画像データが作成され、表示回路47へ出力される。表示回路47では、受信した画像データがビデオ信号に変換され、モニタ5に出力される。モニタ5には図3に示すようなレイアウトで、超音波断層像53と補助像54とボディマーク58とスケール59とが表示される。
なお、メモリ46から読み出した画像を表示する際に、ユーザは、操作装置6であるキーボードまたはマウスを用い、被検体の視点方向と補助像の倍率とを変更することができる。被検体の視点方向と補助像の倍率とが操作装置6から入力されてメモリ46に書き込まれると、メモリ46は直ちにこれらの設定値を超音波画像処理部4の各回路へ出力する。超音波画像処理部4の各回路では、受信した被検体の視点方向と補助像の倍率とに基づき、画像が再作成されて混合回路45へ出力され、表示回路47を介してモニタ5に変更後の画像が表示される。
このように、本実施の形態の超音波診断装置1では、超音波断層像53と共に、補助像54とボディマーク58とスケール59とがモニタ5に表示されているため、超音波内視鏡2を被検体8の体腔内で移動させる際、どの方向にどれだけ移動させたかを定量的に認識することができる。そのため、病変の挿入軸方向の長さを定量的に計測することができる。また、超音波画像処理部4の各回路は画像作成処理を常時繰り返し実行しており、超音波断層像53の回転角度,表示レンジ,スクロール値,及び左右反転の有無の設定値が変更された場合にも、変更後の設定値に基づき画像が逐次作成されるため、補助像54中の断層面マーカ56,12時方向マーカ56a,3時方向マーカ56bが、超音波断層像53と常に一致する。従って、被検体8の体腔内における超音波断層像53の位置,大きさ,方向をわかりやすく表示することができる。
また、本実施の形態の超音波診断装置1では、補助像54と共にスケール59をモニタ5に表示することで、補助像54の実際の大きさをわかりやすく表示することができる。このため、ユーザは、モニタ5に表示されている挿入形状55が、内視鏡挿入部9の全体を示しているのか、拡大された先端部のみを示しているのかを容易に認識することができる。
更に、本実施の形態の超音波診断装置1では、観察中の超音波断層像53と、送信コイル31及び位置方向検出用送信コイル32の位置方向データとを、その時点でメモリ46に格納されている、表示レンジ,回転角度,スクロール値,左右反転の有無,及び被検体方向の各項目の設定値と関連付けて保存したり、保存した画像を読み出してモニタ5に表示したりする機能が設けられている。このため、保存した超音波断層像53においても、被検体8の体腔内における超音波断層像53の位置や方向を、モニタ5で容易に確認することができる。また、保存した超音波断層像53をモニタ5に表示する際、補助像54を表示する視点や表示倍率の設定値を変更しながら、超音波断層像53を様々な角度から確認することができるため、観察性が向上する。
更に、本実施の形態の超音波診断装置1では、補助像54と共にボディマーク58をモニタ5に表示することで、被検体8に対する超音波断層像53と超音波内視鏡2との位置,方向をわかりやすく表示することができる。
また、補助像54を表示する視点や表示倍率をユーザが自由に変更でき、補助像54を表示する視点に合わせてボディマーク56も変更され、また、補助像54の表示倍率に合わせてスケール59も変更される。このため、本来三次元空間にある挿入形状55と断層面マーカ56を、二次元画像として表示した場合に視認性を向上させることができる。また、補助像54中の12時方向マーカ56aと3時方向マーカ56bとを三角錐で立体的に表示しているため、視認性がより向上する。
なお、上述した本実施の形態では補助像表示スペース52に補助像54とボディマーク58とスケール59とを各1個ずつしか表示していないが、各2個ずつ並べて表示してもよい。このような構成にすることで、異なる視点から見た補助像54を同一画面上に表示することができ、観察性がより向上する。
また、本実施の形態では補助像54の断層面マーカ56において、12時方向マーカ56aと3時方向マーカ56bとを用い、それぞれのマーカによって超音波断層像53の12時方向と3時方向を示したが、超音波断層像53の表裏と角度が一意に決まるマーカであれば、これに限定されるものではない。例えば、12時方向と超音波断層像53の視線方向を指し示す2つのマーカを用いてもよく、四角形の超音波断層像53であれば、1時方向など一方方向を指し示すマーカのみを用いてもよい。また、断層像マーカの表裏の色を変えることで、超音波断層像の表裏を示してもよい。
更に、本実施の形態では補助像54として、挿入形状55と、断層面マーカ56と、超音波断層像53の12時方向を示す12時方向マーカ56aと、超音波断層像53の3時方向を示す3時方向マーカ56bとを表示しているが、体腔内の光学像の視線方向や光学像の12時方向を表示してもよい。このような構成にすることで、超音波断層像53を回転させ、光学像と超音波画像との方向の関係が変わったときにも、光学像の方向が容易に判断できる。また、このような構成にすることで、超音波断層像53を回転させ、光学像と超音波画像の方向の関係が変わった状態で超音波内視鏡2の湾曲部12を湾曲させる場合に、どの方向に湾曲させるべきか、容易に判断できる。
また、本実施の形態では、保存した超音波断層像53をモニタ5に表示させる場合、モニタ5には、読み出した超音波断層像53と、超音波断層像53と同時に保存された送信コイル31及び位置方向検出用送信コイル32の位置方向データ、表示レンジ,回転角度,スクロール値,左右反転の有無,及び被検体方向の各項目の設定値を用いて作成された補助像54とが表示されるが、これに加えてリアルタイムで観察中の超音波断層像53´と補助像54´とを同一画面に表示してもよい。
例えば、図9に示すように、超音波断層像表示スペース51を2つ設け、読み込んだ超音波断層像53とリアルタイムで観察中の超音波断層像53´とをそれぞれのスペース51に並べて表示し、補助像表示スペース52にはリアルタイムで観察中の超音波断層像53´に対応する補助像54´と、読み込んだ超音波断層像53に対応する補助像54とを重畳して表示してもよい。図9は、本実施の形態の変形例におけるモニタ5の表示画面を説明する図である。この場合、読み込んだ超音波断層像53に対応する補助像54を半透明で表示させるなど、リアルタイムで観察中の超音波断層像53´に対応する補助像54´と識別可能かつ比較容易な表示方法を用いることが好ましい。
このような構成にすることで、再度同じ超音波断層像53を確認したい場合に、容易に同じ挿入形状55にすることができ、効率的に同じ超音波断層像53を描出することができ、検査時間の短縮につながる。また、挿入形状55の変化による超音波断層像53の変化もわかりやすく、検査の効率も向上する。例えば、事前に保存しておいた膵頭部を観察する時の典型的な挿入形状55と比較しながら検査を行うことで、超音波断層像53で容易に膵頭部を描出できる。
また、図10に示すように、超音波断層像53上に点や線などの図形を描画して関心領域53cを設定したときに、補助像54の断層面マーカ56上の対応する位置に、超音波断層像53上で設定した関心領域53cと同様の点や線を、関心領域マーカ56cとして表示してもよい。図10は、本実施の形態の別の変形例におけるモニタ5の表示画面を説明する図である。更に、超音波断層像53を保存したり読み込んだりする場合に、補助像54の関心領域53cの位置も保存したり読み込んだりすることができるようにしてもよい。このような構成にすることで、超音波断層像53上で関心領域53cを設定して保存し、異なる角度からその関心領域53cの超音波断層像53を描出したいときに、補助像54の断層面マーカ56上に設定された関心領域マーカ56cを読み込むことで、目標がわかりやすく、容易に関心領域53cの超音波断層像53を描出できる。
また、本実施の形態では補助像54の挿入形状55として、位置方向算出回路36から入力された送信コイル31の位置データ及び、位置方向検出用コイル32の位置データを、超音波内視鏡2の先端から順に線分あるいはスプライン曲線で結んだものが表示されているが、例えば、図11に示すように、挿入形状55に所定の間隔で目盛りをつけて表示してもよい。図11は、本実施の形態の更に別の変形例におけるモニタ5の表示画面を説明する図である。挿入形状55に目盛りが付与されていることで、超音波内視鏡2を被検体8の体腔内で移動させる際、どの方向にどれだけ移動させたかを定量的に認識することが、より容易になる。
また、本実施の形態では超音波内視鏡2をラジアル走査型超音波内視鏡としたが、これはセクタ走査やリニア走査など他の走査でもよい。
更に、本実施の形態では位置方向検出用送信コイル32と送信コイル31とを超音波内視鏡2に内蔵させる構成にしたが、中空のチューブによりトンネル構造を形成した鉗子チャンネルを超音波内視鏡2本体の長手方向に沿って設置し、この鉗子チャンネルに着脱自在な検出用カテーテル内に、位置方向検出用送信コイル32と送信コイル31とを内蔵した構成としてもよい。
また、本実施の形態では位置方向検出用送信コイル32と送信コイル31とから発生した磁場を、受信コイル群37で受信する構成としたが、磁場の送信(発生)と受信(検出)の関係を逆にした構成としてもよい。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態を図12を用いて説明する。図12は、本発明の第2の実施の形態に係わる超音波診断装置1Aの全体構成を概略的に示した図である。上述した第1の実施の形態では、操作装置6を用いてユーザが被検体方向を設定したが、本実施の形態では、被検体8の所定の位置に固定された体方向検出用送信コイル32Aから発生する磁場を検出することで、被検体方向を検出する。
超音波診断装置1Aの全体構成は、体方向検出用送信コイル32Aが追加された点を除き、第1の実施の形態と同一であるため、ここでは、体方向検出用送信コイル32Aの構成についてのみ説明し、同じ構成要素については同じ符号を付して説明は省略する。
図12に示すように、体方向検出用送信コイル32Aは、異なる軸を持つ2つのソレノイドコイルで構成されており、例えば臍の直上など被検体8の予め決められた位置に、固定ベルト32Bで予め決められた向きに固定して装着される。体方向検出用送信コイル32Aは、内視鏡挿入部9内に挿通された信号線と接続され、位置方向検出部3のコイル駆動回路35と接続される。
次に、上述のように構成された超音波診断装置1の作用ついて説明する。超音波診断装置1Aの作用は、位置方向の情報及び補助像に関わる信号及びデータに関する作用において、被検体方向を検出する作用が加わった点を除き、第1の実施の形態と同一であるため、ここでは、被検体方向を検出する作用についてのみ説明し、同じ作用については説明を省略する。
位置方向検出部3内のコイル駆動回路35は、送信コイル31と位置方向検出用送信コイル32と共に、体方向検出用送信コイル32Aにも交流信号であるコイル励起信号を出力する。このコイル励起信号の周波数は、各送信コイル毎に異なる周波数が設定されている。また、位置方向検出用送信コイル32と体方向検出用送信コイル32Aとは、導線が巻かれている方向別に異なる周波数に設定されている。このようにして、被検体8に挿入される内視鏡挿入部9の周囲には、各コイルによりそれぞれ異なる周波数で励起された交番磁場が張られる。
一方、位置方向検出部3に設けた受信コイル群37は、各送信コイル31等により励起された磁場を受信し、電気信号である磁場検出信号を位置方向検出部3の位置方向算出回路36に出力する。
位置方向算出回路36は磁場検出信号を周波数分解することで、送信コイル31各々間での周波数の違いを分解する。また位置方向検出用送信コイル32及び体方向検出用送信コイル32Aにおける導線の巻かれている方向の違いも分解する。そして、送信コイル31と位置方向検出用送信コイル32とのデータを位置方向データとして、超音波画像処理部4の補助像作成回路41に出力し、体方向検出用送信コイル32Aのデータを被検体方向データとして、超音波画像処理部4のボディマーク作成回路43へ出力する。ボディマーク作成回路43では、位置方向検出部3より入力された被検体方向データより、三次元空間での立体ボディマークの方向を決定する。その後、メモリ46より入力された補助像の視点方向から立体ボディマークを平面に投影し、ボディマーク58の画像データを作成し、混合回路47へ出力する。その他の作用は第1の実施の形態と同じである。
このように、本実施の形態の超音波診断装置1Aでは、被検体8の所定の位置に固定された体方向検出用送信コイル32Aから発生する磁場を検出することで、被検体方向を検出するため、被検体8の体の向きを操作装置6から入力する必要がなくなり、操作性が向上する。
また、体方向検出用送信コイル32Aから、被検体8の体の向きを常時検出することができるため、観察中に被検体8の体の向きが変化した場合にも、変化に追従してボディマーク58の位置が自動的に変更されるため、より正確な位置を表示することができる。その他の効果は第1の実施の形態と同じである。
なお、補助像表示スペース52に補助像54とボディマーク58とスケール59とを各2個ずつ並べて表示するなど、第1の実施の形態において説明した変形例を、本実施の形態においても適用することができる。
以上の実施の形態から、次の付記項に記載の点に特徴がある。
(付記項1)体腔内に挿入され先端に超音波振動子を備えた超音波プローブから出力する超音波エコー信号を基に超音波断層像を構築する超音波診断装置において、前記超音波断層像の位置と方向とを検出する断層面位置方向検出手段と、前記超音波断層像の前記位置と前記方向とを示す補助像を作成する補助像作成手段と、前記補助像と前記超音波断層像とを表示する表示手段とを備え、前記補助像作成手段が前記超音波断層像の表示設定の変更に応じて前記補助像を更新し、前記表示手段が前記超音波断層像と更新された前記補助像とを表示することを特徴とする、超音波診断装置。
(付記項2)前記超音波プローブの挿入形状を検出する挿入形状検出手段を更に備え、前記補助像作成手段が、前記超音波断層像の前記位置と前記方向とを示す断層面マーカと、前記挿入形状とを合成して前記補助像を作成することを特徴とする、付記項1に記載の超音波診断装置。
(付記項1及び付記項2の効果)補助像中に表示される断層面マーカの形状,位置,方向が、表示されている超音波断層像の形状,位置,方向と常に一致するように表示されるため、超音波走査面の変更無しで、超音波断層像の表示を変更した場合にも、断層面マーカの位置が変更され、超音波断層像の体腔内での位置が正確に認識できる。
(付記項3)体腔内に挿入され先端に超音波振動子を備えた超音波プローブから出力する超音波エコー信号を基に超音波断層像を構築する超音波診断装置において、前記超音波断層像の位置と方向とを検出する断層面位置方向検出手段と、前記超音波断層像の前記位置と前記方向とを示す補助像を作成する補助像作成手段と、前記補助像の実際の寸法を示す指標と前記補助像と前記超音波断層像とを表示する表示手段とを備えたことを特徴とする超音波診断装置。
(付記項3の効果)超音波プローブを体腔内で移動させる際、どの方向にどれだけ移動させたかを定量的に認識することができる。これにより、関心領域の大きさを定量的に観測することができる。
(付記項4)前記補助像を拡大縮小する補助像倍率変更手段を更に備え、前記補助像を拡大縮小する倍率に応じて前記寸法を示す指標の倍率も同時に切替わることを特徴とする、付記項3に記載の超音波診断装置。
(付記項4の効果)付記項3の効果に加え、補助像と共に寸法を示す指標の倍率も変化するため、様々な大きさの対象物を正確に計測することが可能である。
(付記項5)前記超音波プローブの挿入形状を検出する挿入形状検出手段を更に備え、前記補助像作成手段が、前記超音波断層像の前記位置と前記方向とを示す断層面マーカと前記挿入形状とを合成して、前記補助像を作成することを特徴とする、付記項3に記載の超音波診断装置。
(付記項6)前記補助像中の前記挿入形状に、前記寸法を示す指標を表示したことを特徴とする、付記項5に記載の超音波診断装置。
(付記項5及び付記項6の効果)付記項3の効果に加え、補助像と共に、スケールが表示されるため、どれだけのスケールの補助像なのか、たとえば超音波プローブの先端のみの拡大像なのか、手元側まで含めた全体像なのかわかりやすい。
(付記項7)体腔内に挿入され先端に超音波振動子を備えた超音波プローブから出力する超音波エコー信号を基に超音波断層像を構築する超音波診断装置において、前記超音波プローブの挿入形状を検出する挿入形状検出手段と、前記超音波断層面の位置と方向とを検出する断層面位置方向検出手段と、前記超音波断層像の前記位置と前記方向とを示す断層面マーカと前記挿入形状とを合成して補助像を作成する補助像作成手段と、前記挿入形状と前記超音波断層面の前記位置と前記方位とを前記超音波断層像と関連付けて保存する保存手段と、保存した前記挿入形状と前記超音波断層面の前記位置と前記方位とから再度前記補助像を作成する読込手段とを備えたことを特徴とする、超音波診断装置。
(付記項7の効果)保存・読込機能を設けてあるため、超音波プローブでの検査終了後にも、取得した超音波断層像の体腔内での位置や方向を確認することができ、解剖学的な資料と対比しての確認など詳細な検討ができる。また、経過観察などで、再度同じ超音波断層像を確認したい場合にも、以前の補助像を見ながら、同様の挿入形状にすることにより、容易に同じ超音波断層像を描出することができ、検査の効率が上がる。
(付記項8)前記読込手段により作成された前記補助像を、前記補助像作成手段により作成された前記補助像に合成して表示することを特徴とする、付記項7に記載の超音波診断装置。
(付記項8の効果)付記項7の効果に加え、読込した補助像を現状の補助像と合成して表示する構成としているため、関心領域を角度や位置を変えて診断したい時などに、挿入形状や断層面位置の変化による超音波断層像の変化もわかりやすく、関心領域周辺部の組織の位置関係が理解しやすい。また、再度同じ超音波断層像を確認したい場合に、容易に同じ挿入形状にすることができ、効率的に同じ超音波断層像を描出することができ、検査時間の短縮につながる。
(付記項9)体腔内に挿入され先端に超音波振動子を備えた超音波プローブから出力する超音波エコー信号を基に超音波断層像を構築する超音波診断装置において、前記超音波プローブの挿入形状を検出する挿入形状検出手段と、前記超音波断層像の位置と方向とを検出する断層面位置方向検出手段と、前記超音波断層像の前記位置と前記方向とを示す断層面マーカと前記挿入形状とを合成して補助像を作成する補助像作成手段と、被検体の向きを示す指標と前記補助像と前記超音波断層像とを表示する表示手段とを備えたことを特徴とする、超音波診断装置。
(付記項10)前記被検体の向きを入力する体位入力手段を更に備えたことを特徴とする、付記項9に記載の超音波診断装置。
(付記項9及び付記項10の効果)補助像と共にボディマークが表示されるため、超音波断層像の体腔内での位置が正確に認識できる。
(付記項11)前記被検体の向きを検出する体位検出手段を更に設けたこと
を特徴とする、付記項9に記載の超音波診断装置。
(付記項11の効果)付記項9及び付記項10の効果に加え、被検体の向きを常に検出しているため、被検体が動いた場合にも、正確にボディマークを表示させることができ、超音波断層像の体腔内での位置がより正確に認識できる。
1…超音波診断装置、2…超音波内視鏡、3…位置方向検出部、4…超音波画像処理部、5…モニタ、6…操作装置、8…被検体、9…内視鏡挿入部、10…内視鏡操作部、18…超音波振動子、31…送信コイル、32…位置方向検出用送信コイル、35…コイル駆動回路、36…位置方向算出回路、37…受信コイル群、41…補助像作成回路、42…超音波画像作成回路、43…ボディマーク作成回路、44…スケール作成回路、45…混合回路、46…メモリ、47…表示回路、