JP4700434B2 - 超音波診断装置 - Google Patents
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特開2004−113629号公報:特に明確な開示がない。
術者が解剖学的に一致させるための点に探触子を順次接触させたので、この点は被検者の体表以外、特に体内深部には取ることができない。加えて、超音波診断装置が多く用いられる腹部の体表には、解剖学的に特徴のある客観的な点が少ない。そのため、異種の画像データから記録された点と、術者が探触子を接触させた被検者の体表の点との間の解剖学的な一致度には、術者の認識による差が生じる。例えば接触点として骨盤の端を例にとってみても、術者によって、端の認識には5cm前後の差があり、探触子を接触させる点には術者による差が生じる。結局、異種の画像データから超音波診断装置に予め記録された骨盤の端と実際の接触点とは正確に一致しない。
術者は「探触子の原点」の位置を探触子の外見から認識できず、また探触子も無限小の点にはならない。そのため、異種の画像データから記録された点と、術者が探触子を接触させた被検者の体表の点との間の解剖学的な一致度には、探触子の接触の仕方による差が生じる。例えば、探触子の外装のうちで探触子の原点から遠い点を、被検者の体表の点に接触させてしまった場合には、前者の点と後者の点とは、原点から接触点までの距離だけ不ー致が生じてしまう。
本発明の装置によれば、異種の画像データから超音波診断装置に予め記録された点と、この点に解剖学的に一致すると考えられる被検者の点とを解剖学的に正確に一致させることが可能となる。
本発明によれば、腹腔動脈分岐のような血管分岐を体内深部の特徴点として指定する際には、より分かりやすく、正確に指定することが可能となる。
前記位置取得手段は、図1又は図24における位置検出プローブ530に対応する。
[第1の実施の形態]
[構成]
図1は本発明の第1の実施の形態の超音波診断装置の構成を示している。なお、この実施の形態により本発明は限定されないことは勿論である。
姿勢検出プレート520は、巻線軸が単軸のコイルからなるプレートコイル520a,520b,520cの3個を内蔵している。ここで、姿勢検出プレート520に固定した直交座標軸O”−x”y”z”とその正規直交基底(各軸方向の単位ベクトル)i”、j”、k”を図3のように定義する。3個のプレートコイルのうち2個はその巻線軸がi”方向、1個はその巻線軸がj”方向を向けられて固定されている。ここで、姿勢検出プレート520の基準位置Lを3個のプレートコイルの重心に定義する。姿勢検出プレート520は基準位置Lが被検者の肋骨の剣状突起の位置に重なるよう、付属のベルトを用いて、図3の体表接触面BSで被検者に接触して固定される。
図1の各矢印線は以下の通りの信号、データの流れを示す。
第1:点線は光学像に関わる信号・データの流れ、
第2:破線は超音波断層像に関わる信号・データの流れ、
第3:実線は位置に関わる信号・データの流れ、
第4:一点鎖線は参照画像データやそれを加工して作成されたデータの流れ、
第5:太線は3次元ガイド画像データ(後述)と超音波断層像データ(後述)とを合成した最終的な表示画面に関わる信号・データの流れ、
第6:曲線はそれ以外の制御に関わる信号・データの流れ。
術者が走査制御キー726を押すと、制御回路670はラジアル走査のオン/オフ制御を指令するための走査制御信号を超音波観測装置400へ出力する。超音波観測装置400は走査制御信号を受けてモータ231に回転のオン/オフを制御する回転制御信号を出力する。モータ231は回転制御信号を受けて超音波振動子214を回転させる。超音波振動子214は、体腔内で回転しながら、超音波の送信と反射波の受信とを繰り返して、各反射波を電気的な超音波信号に変換する。すなわち、超音波振動子214は可撓部220、硬性部210の挿入軸とは垂直な平面内で放射状に超音波の送受信を行う、所謂ラジアル走査を実施する。ロータリーエンコーダ232はモータ231の回転軸の角度を回転角度信号として超音波観測装置400へ出力する。
位置配向算出装置500は、送信アンテナ510の図示しない送信コイルを時分割で複数回励磁する。送信アンテナ510は、受信コイル532を構成する巻線軸の異なる3個のコイル、姿勢検出プレート520の3個のプレートコイル、のために計6回に分けて、空間に交番磁場を張る。受信コイル532を構成する巻線軸の異なる3個のコイル、3個のプレートコイルは、交番磁場を検出し、検出した磁場を位置電気信号に変換して位置配向算出装置500へ出力する。
ここで、本第1の実施の形態では、原点Oを送信アンテナ510上に定義して、術者が被検者を検査する実際の空間上に直交座標軸O−xyzとその正規直交基底(各軸方向の単位ベクトル)i、j、kを図6のように定義する。そして、位置・配向データの内容を時間tの関数として以下に定義する。位置・配向データを時間tの関数として定義したのは、受信コイル532、姿勢検出プレート520は空間上を動くため、その位置と配向の内容も時間tにより変化するからである。なお、位置配向算出装置500はVc(t)とVb(t)の長さをあらかじめ単位長に規格化して出力する。
受信コイル532の第1の巻線軸方向を示す方向単位ベクトルVc(t)の直交座標軸O−xyzにおける各方向成分
受信コイル532の第2の巻線軸方向を示す方向単位ベクトルVb(t)の直交座標軸O−xyzにおける各方向成分
姿勢検出プレート520の基準位置L(t)の位置ベクトルOL(t)の直交座標軸O−xyzにおける各方向成分
姿勢検出プレート520の配向を示す3×3の回転行列T(t)
ここで、T(t)は図6の直交座標軸O−xyzに対する姿勢検出プレート520の配向を示す回転行列である。
また、一般に、T(t)は所謂オイラー角θ、φ、ψを用い、z軸め周りの角度ψの回転、y軸の周りの角度φの回転、x軸の周りの角度θの回転をこの順序で、直交座標軸O−xyzに対して施したとき、姿勢検出プレート520上に仮想的に固定された直交座標軸O”−x”y”z”と一致することを想定した行列であり下式でも表現される。被検者は時間とともに体位を変えるため、θ、φ、ψはいずれも時間tの関数である。
超音波画像処理装置600内の3次元ガイド画像作成回路630、混合回路650、参照画像記憶部610、表示回路660は制御回路670からの指令により制御される。制御の詳細は超音波画像処理装置600の詳細な作用とともに後述する。
図8を参照して、関心器官抽出処理の詳細を説明する。本第1の実施の形態では関心器官として、膵臓、大動脈、上腸間膜静脈、十二指腸を抽出する処理を例にあげて説明する。
術者は表示切換キーβを押す。表示回路660のスイッチ661は入力端子βに切り換わる。
(S−1−2)
制御回路670は表示回路660に参照画像記憶部610から参照画像データを読み出させる。制御回路670は初回は1番の参照画像データを読み出させる。
表示回路660は参照画像データをアナログビデオ信号に変換し、アナログビデオ信号を表示装置700に出力する。表示装置700は参照画像を表示する。
術者は表示装置700の表示画面上で参照画像に関心器官が写っているかどうかを確認する。ここで、関心器官が写っていれば処理は(S−1−6)へ、写っていなければ処理は(S−1−5)ヘジャンプする。
術者はキーボード720上の所定のキーを押すか画面上のメニューをマウス710でクリックし、表示するべき参照画像データを他の参照画像データに選択し直す。本第1の実施の形態では、例えば術者は次の番号の参照画像データを選択するよう指示する。この後、制御回路670は処理を(S−1−2)ヘジャンプさせ、処理を繰り返す。
術者は表示装置700の表示画面上に写っている関心器官を指定する。この様子を図9に示す。図9ではn番の参照画像データに対応する参照画像が表示されている。表示画面上には、参照画像が体軸に垂直な人体の横断面全体がほぼ入る大きさで、画素ごとに器官別に色分けされて表示されている。図9では膵臓は水色、大動脈は赤、上腸間膜静脈は紫、十二指腸は黄で表示されている。また、表示画面上には、マウス710で動かすことのできるカーソルが表示されている。術者は、関心のある膵臓、大動脈、上腸間膜静脈、十二指腸の上に、順次カーソルを移動させ、それぞれの上で関心器官指定キー721を押す。
抽出回路620は1番からN番までの全ての参照画像データにわたり、指定された関心器官に対応する画素を抽出する。例えば、(S−1−6)で膵臓、大動脈、上腸間膜静脈、十二指腸が関心器官として指定されていれば、全ての参照画像データにわたり水色、赤、紫、黄の画素が抽出される。
(S−1−8)
抽出回路620は、ボクセル空間VXSの全てのボクセルVXにデータを割り当てるよう、参照画像データごとに抽出されたデータを補間する。この補間された画素のデータをまとめて、抽出データと呼ぶ。
抽出回路620は、抽出データをボリュームメモリ640内のボクセル空間VXSへ書き出す。この際、抽出回路620は、抽出データを各々の画素の直交座標軸O’−x’y’z’上の座標に対応したアドレスを持つボクセル空間VXSのボクセルVXヘ書き出す。ここで、抽出回路620は(S−1−7)で抽出した画素に対応するボクセルVXにはその画素の着色されたデータを、(S−1−7)で抽出した画素の間に相当するボクセルVXにはその画素を補間したデータを、それ以外のボクセルVXには0(透明)を割り当て、ボクセル空間VXSの全てのボクセルVXにデータを割り当てて稠密なデータを構築する。
図11を参照して、参照点指定処理の詳細を説明する。本第1の実施の形態では参照点として、剣状突起、十二指腸乳頭(総胆管の十二指腸への出口)、噴門(胃の入口)、幽門(胃の出口)、血管分岐を指定する処理を例にあげて説明する。血管分岐は、以下、本第1の実施の形態では腹腔動脈が総肝動脈と脾動脈とに分かれる分岐点(以下、腹腔動脈分岐)を例にとる。この腹腔動脈分岐に相当する領域は、被検者によらず「骨盤右端」などより小さい。さらに、短い腹腔動脈が大動脈とすぐつながっているため、被検者の体位によらず比較的動かない一定の位置に存在する。この分岐点は膵臓の背面すぐの体内深部に存在し、胃、十二指腸などの消化管には露出していない。
図8の(S−1−1)〜(S−1−3)と同じである。
(S−2−4)
術者は表示装置700の表示画面上で参照画像に参照点が写っているかどうかを確認する。ここで、参照点が写っていれば処理は(S−2−6)へ、写っていなければ処理は(S−2−5)ヘジャンプする。
(S−2−5)
図8の(S−1−5)と同じである。
術者は表示装置700の表示画面上に写っている参照点を指定する。この様子を図12に示す。図12ではm番の参照画像データに対応する参照画像が表示されている。表示画面上には、参照画像が体軸に垂直な人体の横断面全体がほぼ入る大きさで、画素ごとに器官別に色分けされて表示されている。図12では剣状突起が表示されている。また、表示画面上には、マウス710で動かすことのできるカーソルが表示されている。術者は、参照点として関心のある点(剣状突起)の上にカーソルを移動させ、その上で参照点指定キー722を押す。
抽出回路620は指定された参照点の位置ベクトルの直交座標軸O’−x’y’z’における方向成分をボリュームメモリ640に書き出す。
(S−2−8)
制御回路670は、5つの参照点の指定が終了している場合には参照点指定処理を終了させ、それ以外の場合には処理を(S−2−2)ヘジャンプさせ、処理を繰り返す。
直交座標軸O’−x’y’z’における各方向成分が上記の通り定義できたため、下式が成り立つ。
(S−3)体腔表面特徴点指定処理の説明
図13を参照して、体腔表面特徴点指定処理の詳細を説明する。以下に説明する「特徴点」P0、P1、P2、P3は、「参照点」P0’、P1’、P2’、P3’に解剖学的に対応する、被検者の体腔表面上もしくは体内深部の実際の点である。本第1の実施の形態では特徴点として、参照点のうち剣状突起を除く十二指腸乳頭、噴門、幽門、腹腔動脈分岐を指定する処理を例にあげて説明する。
従って、以下で説明する(S−3)体腔表面特徴点指定処理のフローの中では、被検者の体腔表面上の特徴点P0の十二指腸乳頭、特徴点P1の噴門、特徴点P2の幽門を指定する処理のみ説明する。
術者は表示切換キーαを押す。表示回路660のスイッチ661は入力端子αに切り換わる。
(S−3−2)
表示回路660は光学観察装置300からの光学像データをアナログビデオ信号に変換し、アナログビデオ信号を表示装置700に出力する。表示装置700は光学像を表示する。
術者は硬性部210と可撓部220を被検者の体腔へ挿入し、光学像を観察しながら特徴点を探し、硬性部210を特徴点(十二指腸乳頭)近傍へ移動する。
術者は光学像を観察しながら、位置検出プローブ530を鉗子口201から挿入し、突出口202から突出させる。そして、術者は、光学像視野下で位置検出プローブ530の先端を特徴点(十二指腸乳頭)に接触させる。
この様子を図14に示す。図14は光学像の表示画面を示している。図14では表示画面に光学像が表示されている。光学像には十二指腸乳頭と位置検出プローブ530とが写っている。術者は光学像を見ながら、位置検出プローブ530の先端を十二指腸乳頭に接触させる。
術者は体腔表面特徴点指定キー723を押す。この時刻をt0と定義する。
(S−3−6)
3次元ガイド画像作成回路630は位置配向算出装置500から位置・配向データを取り込む。
3次元ガイド画像作成回路630は位置・配向データより位置検出プローブ530先端の受信コイル532の位置C(t0)の位置ベクトルOC(t0)の直交座標軸O−xyzにおける各方向成分を取得する。
このとき、3次元ガイド画像作成回路630は位置配向算出装置500から同時に再び姿勢検出プレート520の基準位置L(t0)の位置ベクトルOL(t0)の直交座標軸O−xyzにおける各方向成分を取得する。
さらに、3次元ガイド画像作成回路630は位置配向算出装置500から同時に姿勢検出プレート520の基準点L(t0)の配向を示す回転行列T(t0)とを取得する。
位置ベクトルOL(t0)と回転行列T(t0)とは被検者の体位の変化による、特徴点P0の位置の変化を補正するときに用いる。
3次元ガイド画像作成回路630はこの時刻t0でのOP0(t0)、OL(t0)の直交座標軸O−xyzにおける各方向成分と、回転行列T(t0)とをボリュームメモリ640に書き出す。
(S−3−8)
制御回路670は、このステップまでに術者からの特徴点指定中止キー725ヘの入力がある場合には体腔表面特徴点指定処理を終了させる。それ以外の場合には処理を(S−3−3)ヘジャンプさせ、(S−3−3)〜(S−3−7)までの処理を繰り返す。
繰り返しの2目目では以下の通りである。
術者は硬性部210と可撓部220を被検者の体腔へ挿入し、光学像を観察しながら特徴点を探し、硬性部210を特徴点(噴門)近傍へ移動する。
(S−3−4)’
術者は光学像を観察しながら、位置検出プローブ530を鉗子口201から挿入し、突出口202から突出させる。そして、術者は、光学像視野下で位置検出プローブ530の先端を特徴点(噴門)に接触させる。
(S−3−5)’
術者は体腔表面特徴点指定キー723を押す。この時刻をt1と定義する。
3次元ガイド画像作成回路630は位置配向算出装置500から位置・配向データを取り込む。
3次元ガイド画像作成回路630は位置・配向データより位置検出プローブ530先端の受信コイル532の位置C(t1)の位置ベクトルOC(t1)の直交座標軸O−xyzにおける各方向成分を取得する。
十二指腸乳頭の位置P1の位置ベクトルOP1(t1)とその直交座標軸O−xyzにおける各方向成分xp1(t1)、yp1(t1)、zp1(t1)は、OP1(t1)がOC(t1)と同じであるから下式で表現できる。
このとき、3次元ガイド画像作成回路630は位置配向算出装置500から同時に再び姿勢検出プレート520の基準位置L(t1)の位置ベクトOL(t1)の直交座標軸O−xyzにおける各方向成分を取得する。
さらに、3次元ガイド画像作成回路630は位置配向算出装置500から同時に姿勢検出プレート520の基準点L(t1)の配向を示す回転行列T(t1)とを取得する。
位置ベクトルOL(t1)と回転行列T(t1)とは被検者の体位の変化による、特徴点P1の位置の変化を補正するときに用いる。
(S−3−7)’
3次元ガイド画像作成回路630はこの時刻t1でのOP1(t1)、OL(t1)の直交座標軸O−xyzにおける各方向成分と、回転行列T(t1)とをボリュームメモリ640に書き出す。
繰り返しの3回目では以下の通りである。
術者は硬性部210と可撓部220を被検者の体腔へ挿入し、光学像を観察しながら特徴点を探し、硬性部210を特徴点(幽門)近傍へ移動する。
(S−3−4)”
術者は光学像を観察しながら、位置検出プローブ530を鉗子口201から挿入し、突出口202から突出させる。そして、術者は、光学像視野下で位置検出プローブ530の先端を特徴点(幽門)に接触させる。
(S−3−5)”
術者は体腔表面特徴点指定キー723を押す。この時刻をt2と定義する。
3次元ガイド画像作成回路630は位置配向算出装置500から位置・配向データを取り込む。
3次元ガイド画像作成回路630は位置・配向データより位置検出プローブ530先端の受信コイル532の位置C(t2)の位置ベクトルOC(t2)の直交座標軸O−xyzにおける各方向成分を取得する。
十二指腸乳頭の位置P2の位置ベクトルOP2(t2)とその直交座標軸O−xyzにおける各方向成分xp2(t2)、yp2(t2)、zp2(t2)は、OP2(t2)がOC(t2)と同じであるから下式で表現できる。
このとき、3次元ガイド画像作成回路630は位置配向算出装置500から同時に再び姿勢検出プレート520の基準位置L(t2)の位置ベクトルOL(t2)の直交座標軸O−xyzにおける各方向成分を取得する。
さらに、3次元ガイド画像作成回路630は位置配向算出装置500から同時に姿勢検出プレート520の基準点L(t2)の配向を示す回転行列T(t2)とを取得する。
位置ベクトルOL(t2)と回転行列T(t2)とは被検者の体位の変化による、特徴点P2の位置の変化を補正するときに用いる。
(S−3−7)”
3次元ガイド画像作成回路630はこの時刻t2でのOP2(t2)、OL(t2)の直交座標軸O−xyzにおける各方向成分と、回転行列T(t2)とをボリュームメモリ640に書き出す。
図15を参照して、体内深部特徴点指定処理の詳細を説明する。参照点P3’と特徴点P3は腹腔動脈分岐であるから、特徴点P3は被検者の体内深部の点である。
(S−4−1)
術者は位置検出プローブ530の鉗子口マーカ534と鉗子口201の開口面との位置を一致させる。このとき、位置検出プローブ530の先端の位置と突出口202の開口面の位置とがー致し、受信コイル532が超音波振動子214のラジアル走査の回転中心のごく近傍となる。
さらに術者は位置検出プローブ530の12時方向マーカ535と操作部230の鉗子口201周囲に設けられた12時方向マーカ536との位置が一致するまで位置検出プローブ530を回転させる。このとき、図2のベクトルVcが図1のベクトルVと、図2のベクトルVaが図1のベクトルV3と、図2のベクトルVbが図1のベクトルV12と、それぞれ一致する。
このように固定することで、位置・配向データの内容は以下のように解釈される。
受信コイル532の第1の巻線軸方向を示す方向単位ベクトルVcが図1のベクトルVと一致するため、Vc(t)は超音波振動子214のラジアル走査面の法線方向、すなわち超音波断層像データの法線方向を示すベクトルVと考えて実使用上差し支えない。
以下、VとV12とを時間の関数V(t)、V12(t)とし、Vc(t)をV(t)に、Vb(t)をV12(t)に置き換えて説明する。
術者は表示切換キーγを押す。表示回路660のスイッチ661は入力端子γに切り換わる。
(S−4−3)
術者は走査制御キー726を押す。超音波振動子214はラジアル走査を開始する。
(S−4−4)
表示回路660は超音波観測装置400からの超音波断層像データをアナログビデオ信号に変換し、超音波断層像を表示装置700に出力する。表示装置700は超音波断層像を表示する。
術者は超音波断層像を観察しながら可撓部220、硬性部210を動かし、向きを変えて特徴点(腹腔動脈分岐)を探し、特徴点を超音波断層像上に描出する。
この様子を図16に示す。図16は超音波断層像の表示画面を示している。図16では表示画面に超音波断層像がカーソルを重畳されて表示されている。超音波断層像には大動脈、腹腔動脈、総肝動脈、脾動脈が写っている。腹腔動脈分岐は腹腔動脈が総肝動脈と脾動脈とへ枝分かれする部分である。図16では説明の都合上、腹腔動脈分岐は点線の仮想円で示されている。腹腔動脈分岐は実際の被検者の体内では直径1〜2cm程度の円内に収まる領域である。
術者はマウス710を用いて、図16の点線矢印で示すようにカーソルを動かし、腹腔動脈分岐の部分を指し示す。
図17に、このときの超音波断層像の表示画面を示している。術者がカーソルで指し示した画面中心からのアドレスを(−Q1,−Q2)で示している。アドレスは、縦は12時方向、横は3時方向が正である。
そして、術者は体内深部特徴点指定キー724を押す。この時刻をt3と定義する。
(S−4−7)
3次元ガイド画像作成回路630は位置配向算出装置500から位置・配向データを取り込む。具体的には以下のデータである。
受信コイル532の第1の巻線軸方向を示す方向ベクトルV(t3)の直交座標軸O−xyzにおける各方向成分
受信コイル532の第2の巻線軸方向を示す方向ベクトルV12(t3)の直交座標軸O−xyzにおける各方向成分
姿勢検出プレート520の基準位置L(t3)の位置ベクトルOL(t3)の直交座標軸O−xyzにおける各方向成分
姿勢検出プレート520の配向を示す3×3の回転行列T(t3)
OC(t3)、V(t3)、V12(t3)を取り込むのは、後述する通り、特徴点P3の位置ベクトルOP3(t3)とその直交座標軸O−xyzにおける各方向成分xp3(t3)、yp3(t3)、zp3(t3)を計算するためである。
(S−4−8)
3次元ガイド画像作成回路630はアドレス(−Q1,−Q2)を用いて、この時刻t3での特徴点P3の位置ベクトルOP3(t3)を算出する。
超音波振動子214の回転中心位置、すなわち超音波断層像の中心は点C(t3)で、その位置ベクトルはOC(t3)である。
特徴点P3の位置ベクトルOP3(t3)は図17より下式で求められる。
OC(t3)、V(t3)、V12(t3)はいずれも直交座標軸O−xyzにおける各方向成分で表現できるので、腹腔動脈分岐の位置P3の位置ベクトルOP3(t3)の直交座標軸O−xyzにおける各方向成分xp3(t3)、yp3(t3)、zp3(t3)は上式から求めることができる。OP3(t3)とその直交座標軸O−xyzにおける各方向成分xp3(t3)、yp3(t3)、zp3(t3)とは以下の関係がある。
(S−4−9)
3次元ガイド画像作成回路630はこの時刻t3でのOP3(t3)、OL(t3)の直交座標軸O−xyzにおける各方向成分と、回転行列T(t3)とをボリュームメモリ640に書き出す。
(S−4−10)
制御回路670は、このステップまでに術者からの特徴点指定中止キー725ヘの入力がある場合には体内深部特徴点指定処理を終了させる。それ以外の場合には処理を(S−4−5)ヘジャンプさせ、(S−4−5)〜(S−4−9)までの処理を繰り返す。
図18を参照して、3次元ガイド画像作成・表示処理の詳細を説明する。
(S−5−1)
(S−4−1)と同じである。
(S−5−2)、
術者は表示切換キーδを押す。表示回路660のスイッチ661は入力端子δに切り換わる。
3次元ガイド画像作成回路630はボリュームメモリ640から5つの参照点L’、P0’、P1’、P2’、P3’の位置ベクトルの直交座標軸O’−x’y’z’における各方向成分を読み出す。そして、3次元ガイド画像作成回路630はボリュームメモリ640から4つの特徴点P0、P1、P2、P3の位置ベクトルの直交座標軸O−xyzにおける各方向成分と、回転行列とを読み出す。
(S−5−4)
術者は走査制御キー726を押す。超音波振動子214はラジアル走査を開始する。ラジアル走査に応じて、混合回路650には超音波観測装置400から逐次超音波断層像データが入力する。
超音波振動子214が1回のラジアル走査をして超音波観測装置400が超音波断層像データを作成し、超音波断層像データが超音波観測装置400から混合回路650に入力するたびに、制御回路670は3次元ガイド画像作成回路630に指令を出す。
3次元ガイド画像作成回路630はこの指令により位置配向算出装置500から位置・配向データを取り込む。この時刻をtsと定義する。
受信コイル532の第1の巻線軸方向を示す方向ベクトルV(ts)の直交座標軸O−xyzにおける各方向成分
受信コイル532の第2の巻線軸方向を示す方向ベクトルV12(ts)の直交座標軸O−xyzにおける各方向成分
姿勢検出プレート520の基準位置L(ts)の位置ベクトルOL(ts)の直交座標軸O−xyzにおける各方向成分
姿勢検出プレート520の配向を示す3×3の回転行列T(ts)
OC(ts)、V(ts)、V12(ts)を取得するのは、後述する通り、3次元ガイド画像作成回路630が常にラジアル走査面の位置と方向を正しく補正するためである。
(S−5−6)
3次元ガイド画像作成回路630は時刻tsにおける特徴点P0、P1、P2、P3の位置を、被検者の体位変化を考慮して正しく補正し算出する。このとき、被検者の体は伸縮したり歪んだりすることがなく、L(剣状突起)、P0、P1、P2、P3の互いの位置関係は時間的に不変と仮定する。
以下、時刻tsにおける特徴点P0の位置の算出方法を例にとり具体的に説明する。
(S−5−5)において、時刻tsでのOL(ts)の直交座標軸O−xyzにおける各方向成分と、回転行列T(ts)とは同時に3次元画像作成回路により取得されている。
従って、時刻t0からtsまでの被検者の体位変化は、OL(t0)の直交座標軸O−xyzにおける各方向成分とOL(ts)の直交座標軸O−xyzにおける各方向成分との変化、及び、回転行列T(t0)と回転行列T(ts)との変化とから算出することができる。
時刻tsにおける特徴点P1、P2、P3の位置の算出方法も同様である。結局、以下の値が被検者の体位変化を考慮して正しく補正され算出される。
OP1(ts)の直交座標軸O−xyzにおける各方向成分xp1(ts)、yp1(ts)、zp1(ts)
OP2(ts)の直交座標軸O−xyzにおける各方向成分xp2(ts)、yp2(ts)、zp2(ts)
OP3(ts)の直交座標軸O−xyzにおける各方向成分xp3(ts)、yp3(ts)、zp3(ts)
(S−5−7)
以下、図19及び図20を参照して説明する。図19は特徴点とラジアル走査面631を示している。図20は参照点と超音波断層像マーカ632を示している。
以下、(1)超音波断層像データの平面上の任意点と超音波断層像マーカ632上の点との対応関係、(2)超音波断層像マーカ632の位置と配向として、その中心位置、法線方向、12時方向の算出方法の原理について説明する。
3次元ガイド画像作成回路630はこの原理の説明で最終的に得られる(33)式と(34)式とより中心位置C’(ts)の位置ベクトルO’C’(ts)とその直交座標軸O’−x’y’z’における各方向成分を、(40)式もしくは、(44)式と(45)式とで超音波断層像マーカ632の12時方向ベクトルV12’(ts)とその直交座標軸O’−x’y’z’における各方向成分を、(57)式と(58)式とで超音波断層像マーカ632の法線方向ベクトルV’(ts)とその直交座標軸O’−x’y’z’における各方向成分を算出する。
点R(ts)を直交座標軸O−xyz上にあるラジアル走査面631上の任意点とする。点P0と点R(ts)との間の位置ベクトルP0R(ts)は適当な実数a、b、cをとって下式の通り表現することができる。なお、下式ではベクトルを全て時間の関数にして扱っている。
一方、参照画像データ上の参照点P0’、P1’、P2’、P3’は、各々特徴点P0、P1、P2、P3に解剖学的に同じ位置として対応づけられている。さらに、人体の解剖学的な構造が人によらず凡そ同じであると考えられる。そのため、点R(ts)が特徴点を頂点とする三角錐P0P1P2P3に対して特定の位置にあるとすると、参照画像データ上の参照点を頂点とする三角錐P0’P1’P2’P3’に対して同等の位置にある点R’(ts)は点R(ts)と解剖学的に同じ器官、もしくは同じ組織上の点に相当すると仮定することができる。この仮定の下では、(17)式のa、b、cを使って下式のように同様に表現できる直交座標軸O’−x’y’z’上にある点R’(ts)こそが点R(ts)の解剖学的な対応点と言える。
ここで、点R(ts)の位置ベクトルOR(ts)の直交座標軸O−xyzにおける各方向成分をxR(ts)、yR(ts)、zR(ts)と定義し、点R’(ts)の位置ベクトルO’R’(ts)の直交座標軸O’−x’y’z’における各方向成分をxR’(ts)、yR’(ts)、zR’(ts)と定義すると、下式が成り立つ。
以下では、これまでに出てきた式を基に、直交座標軸O−xyz上にあるラジアル走査面上の任意点R(ts)の解剖学的な対応点R’(ts)の位置ベクトルO’R’とその直交座標軸O’−x’y’z’における各方向成分xR’(ts)、yR’(ts)、zR’(ts)とを求める。
まず、(17)式より、下式が成り立つ。
(21)式に(19)式と、(S−5−6)で算出したOP0(ts)、OP1(ts)、OP2(ts)、OP3(ts)の直交座標軸O−xyzにおける各方向成分(xp0(ts)、yp0(ts)、zp0(ts))と、(xp1(ts)、yp1(ts)、zp1(ts))と、(xp2(ts)、yp2(ts)、zp2(ts))と、(xp3(ts)、yp3(ts)、zp3(ts))とを代入して、下式が成り立つ。
ここで、以降の式を簡単に表現するために3×3行列Q(ts)を下式で定義する。
[数16]
(23)式を(22)式に代入して
[数17]
故に下式が成り立つ。ここでQ(ts)−1はQ(ts)の逆行列を意味する。
一方、(18)式からも(21)式と同様な式が導かれる。
[数19]
(21)式に(19)式と、(S−5−6)で算出したOP0(ts)、OP1(ts)、OP2(ts)、OP3(ts)の直交座標軸O−xyzにおける各方向成分とを代入して(22)式が導かれたのと同様に、(26)式に(7)〜(10)式と(20)式とを代入して下式が成り立つ。
(25)式で、a、b、cが求まっているから、これを(29)式へ代入して、下式を得る。
[数23]
故に、下式を得る
[数24]
こうして、(20)式と(31)式とで直交座標軸O−xyz上にあるラジアル走査面631上の任意点R(ts)の解剖学的な対応点R’(ts)の位置ベクトルO’R’(ts)とその直交座標軸O’−x’y’z’における各方向成分xR’(ts)、yR’(ts)、zR’(ts)とを求めることができた。つまり、ラジアル走査面631上の任意点R(ts)に対し、3次元ガイド画像作成回路630が(S−5−3)でボリュームメモリ640から読み出した5つの参照点と4特徴点の位置ベクトルの方向成分と回転行列とを用い、(20)式と(31)式とで計算できる点R’(ts)の集合こそが超音波断層像マーカ632なのである。
(31)式で直交座標軸O−xyz上にあるラジアル走査面631上の任意点R(ts)と、直交座標軸O’−x’y’z’上にある解剖学的な対応点R’(ts)との対応関係を求めることができた。
以下、超音波断層像マーカ632の中心位置C’(ts)、法線方向ベクトルV’(ts)、12時方向ベクトルV12’(ts)の算出方法について、それぞれ述べる。
受信コイル532の位置C(ts)の解剖学上の対応点をC’(ts)とする。点C(ts)は超音波振動子214の回転中心であるため、結局ラジアル走査面631の中心である。故に、点C’(ts)は超音波断層像マーカ632の中心である。
ラジアル走査面631上で、平面の中心C(ts)から12時方向へ単位距離にある点をR12(ts)とする。点R12(ts)は図示されていない。点R12(ts)の解剖学上の対応点を点R12’(ts)とする。
OR12(ts)の直交座標軸O−xyzにおける各方向成分をxR12(ts)、yR12(ts)、zR12(ts)とすれば下式が成り立つ。
O’R12’(ts)の直交座標軸O’−x’y’z’における各方向成分をxR12’(ts)、yR12’(ts)、zR12’(ts)とすれば下式が成り立つ。
[数29]
(31)式では点R(ts)がラジアル走査面631上の任意点であったため、点R(ts)を点R12(ts)、点R’(ts)を点R12’(ts)と考えれば(31)式より以下の式を得る。
[数31]
(39)式より、O’R12’(ts)−O’C’(ts)の方向が超音波断層像マーカ632の12時方向ベクトルV12’(ts)の方向であり、12時方向ベクトルV12’(ts)を求めるにはこれを単位長に規格化すれば良い。すなわち、下式が成り立つ。
(33)式と(34)式とでO’C’(ts)が、(36)式と(37)式とでO’R12’(ts)が既に求められているため、(40)式でV12’(ts)が求められたことになる。
ここで、より明快にV12’(ts)を求める方法を述べておく。
因みに、(34)式と(37)式とを両辺差し引くと、下式が成り立つ。この左辺はO’R12’(ts)−O’C’(ts)の直交座標軸O’−x’y’z’における各方向成分である。右辺の{ }の中はOR12(ts)−OC(ts)の直交座標軸O−xyzにおける各方向成分である。
さらに右辺の{ }の中は、(39)式よりV12(ts)の直交座標軸O−xyzにおける各方向成分であり、3次元ガイド画像作成回路630は位置配向算出装置500からこの各方向成分を(S−5−5)で取得している。V12(ts)の直交座標軸O−xyzにおける各方向成分をxv12(ts)、yv12(ts)、zv12(ts)とすれば、(41)式より下式を得る。
[数34]
結局、これを(40)式のように規格化して、超音波断層像マーカ632の12時方向ベクトルV12’(ts)が求められる。なお、こでV12’(ts)の直交座標軸O’−x’y’z’における各方向成分をxv12’(ts)、yv12’(ts)、zv12’(ts)とする。
(2)−3:超音波断層像マーカ632の法線方向ベクトルV’(ts)の算出
超音波断層像マーカ632の法線方向ベクトルをV’(ts)とすると、V’(ts)は結局、超音波断層像マーカ632上の如何なるベクトルとも直交すれば良い。
点R1’(ts)の直交座標軸O’−x’y’z’における各方向成分をxR1’(ts)、yR1’(ts)、zR1’(ts)、点R2’(ts)の直交座標軸O’−x’y’z’における各方向成分をxR2’(ts)、yR2’(ts)、zR2’(ts)とする。このとき下式が成り立つ。
[数37]
(31)式より点R1(ts)と点R1’(ts)、点R2(ts)と点R2’(ts)には下式の関係がある。
両辺に左からQ(ts)Q’−1(ts)をかけると下式が成り立つ。
[数40]
ここでラジアル走査面631の法線方向ベクトルV(ts)の直交座標軸O−xyzにおける各方向成分をxv(ts)、yv(ts)、zv(ts)とすれば下式を得る。
[数41]
ここで、V(ts)はラジアル走査面631の法線方向ベクトルだから、点R2(ts)を始点としR1(ts)を終点とするベクトルR2R1(ts)とは直交する。従って、下式が成り立つ。
右辺の{ }の中に(53)式を代入して、下式を得る。
[数43]
ここで、V’(ts)の直交座標軸O’−x’y’z’における各方向成分をxv’(ts)、yv’(ts)、zv’(ts)とすれば下式を得る。
[数44]
さらに各方向成分を以下のように定義する。
このように定義して、(56)式に代入すると下式が得られる。
[数46]
すなわち、下式が得られる。
[数47]
(60)式は結局、V’(ts)が超音波断層像マーカ632上の任意の2点を結ぶベクトルに常に直交するということを意味しているから、(57)式、(58)式で与えられるV’(ts)は超音波断層像マーカ632の法線方向ベクトルである。このようにして(57)式と(58)式とで超音波断層像マーカ632の法線方向ベクトルV’(ts)が求められた。
3次元ガイド画像作成回路630は(S−5−7)で求めた超音波断層像マーカ632の位置と配向(中心位置、法線方向、12時方向)とを基に、図21に示す12時方向マーカ633を付した平行四辺形の超音波断層像マーカ632を作成する。そして、3次元ガイド画像作成回路630は、超音波断層像マーカ632をその位置と配向とを基にして、ボリュームメモリ640内のボクセル空間VXSの対応するボクセルVXヘ書き出す。ボクセル空間VXS内には既に抽出回路620が抽出して補間した抽出データが書き出されているので、超音波断層像マーカ632と抽出データとは合成されたデータ(以下、合成データ)となる。図22に合成データを示す。
(S−5−9)
3次元ガイド画像作成回路630は、ボリュームメモリ640内のボクセル空間VXSから合成データを読み出す。3次元ガイド画像作成回路630は、読み出した直後、ボクセル空間VXSから超音波断層像マーカ632を消去しておく。
(S−5−10)
3次元ガイド画像作成回路630は、合成データを基に、陰面消去、陰影付加、視線変換に伴う座標変換等の公知の3次元画像処理を加え、3次元ガイド画像データを作成する。そして、3次元ガイド画像作成回路630は、3次元ガイド画像データを混合回路650へ出力する。
混合回路650は、超音波観測装置400から入力する超音波断層像データと、3次元ガイド画像作成回路630から入力する3次元ガイド画像データとを並べて、混合データとして表示回路660へ出力する。表示回路660は混合データをアナログビデオ信号に変換し、表示装置700に出力する。図23は3次元ガイド画像701と超音波断層像702を並べて表示した表示例を示している。表示装置700は図23に示すように、超音波断層像702と、3次元ガイド画像701とを並べて表示する。3次元ガイド画像701上で表現される各器官は、もともと参照画像データで器官別に色分けされた色で表示される。図23の3次元ガイド画像701上において膵臓は水色、大動脈は赤、上腸間膜静脈は紫、十二指腸は黄で表示されている。矢印Aは超音波断層像マーカ632がラジアル走査面631の移動に連動して移動することを表している。
制御回路670は、(S−5−5)から(S−5−11)の間、術者が再び走査制御キーを押すか否かを確認している。
術者が再び走査制御キー726を押した場合には、ここで上記の処理を終了させ、ラジアル走査の制御オフ(OFF)を指令するための走査制御信号を超音波観測装置400へ出力する。超音波観測装置400は走査制御信号を受けてモータ231に回転をオフに制御する回転制御信号を出力する。モータ231は回転制御信号を受けて超音波振動子214の回転を停止させる。
術者が術者が再び走査制御キー726を押していなかった場合には、処理は(S−5−5)ヘジャンプする。
本第1の実施の形態によれば、超音波観測装置400が作成した超音波断層像702上で、術者がキーボード720とマウス710とを用いて腹腔動脈分岐の位置を入力し、3次元ガイド画像作成回路630が腹腔動脈分岐の位置を位置・配向データに基づき算出するよう構成したため、「骨盤の端」などより小さい腹腔動脈分岐を特徴点に選ぶことができ、異種の画像データから超音波診断装置100に予め記録された点と、この点に解剖学的に一致すると考えられる被検者の点とを被検者によらずに解剖学的に正確に一致させることができる。さらに、腹腔動脈分岐は短い腹腔動脈が大動脈と直ぐにつながっており、被検者の体位によらず比較的動かない一定の位置に存在するため、上記一致をー層正確にすることができる。さらに、腹腔動脈分岐は超音波断層像702の描出が膵臓等より比較的容易で術者の習熟度によらないので、こういった体内深部の点をガイド画像を作成するための特徴点として採用することには合理性がある。
本第1の実施の形態では、体腔表面の参照点、特徴点として十二指腸乳頭、噴門、幽門の3点を、体内深部の参照点、特徴点として腹腔動脈分岐の1点を例にとったが、参照点と特徴点との例はこれに限らない。例えば、体腔表面の参照点、特徴点として十二指腸乳頭と幽門との2点と、体内深部の参照点、特徴点として腹腔動脈分岐と他の脈管分岐(例えば胆管と主膵管との合流部)との2点との計4点を指定しても良い。このときには、体腔表面特徴点指定処理の(S−3−3)〜(S−3−7)の処理を2回、体内深部特徴点指定処理の(S−4−5)〜(S−4−9)の処理を2回繰り返すことになる。
また、本第1の実施の形態では、術者が参照点をマウス710、キーボード720からの指示を通じて設定できるよう構成、作用させたが、あらかじめ検査の関心領域やプロトコールが決まっていれば、工場出荷時等に数種類の参照点のセットをデフォルトで参照画像記憶部に記憶させておき、マウス710、キーボード720から制御回路を介した術者からの指示により特徴点取得前に参照画像記憶部610から適切なセットを読み出すよう構成、作用させても良い。
また、本第1の実施の形態では、超音波断層像マーカ632をその中心位置、法線方向、12時方向を求めて、それを基に超音波断層像マーカ632を求めるよう構成、作用させた。しかし、超音波断層像データの4隅の点をそれぞれ変換式(31)で解剖学的に対応させた4つの対応点を求め、それを基に超音波断層像マーカ632を求めるよう構成、作用させても良い。また、3次元ガイド画像701の大きさを、超音波断層像データの4隅の点から決めるのではなく、3次元ガイド画像701の大きさを、表示サイズおよび表示倍率を勘定にいれて、予め術者がキーボード720から大きさを数値で入力するか、マウス710で画面上の大きさメニューを選択することで指定しても良い。
また、本第1の実施の形態では、原点Oを受信コイル532の特定の位置に設定するよう構成したが、受信コイル532と位置関係の変わらない他の場所に設定するよう構成しても良い。
また、本第1の実施の形態では、参照画像データを画素ごとに器官別に分類後、色分けで属性を変えて得た画像データとしたが、属性として色に限らず、輝度値や他の態様でも良い。
また、本第1の実施の形態では、3次元ガイド画像701上の各器官を、器官別に色分けして表示されるよう構成したが、色分けの態様に限らず、輝度、明度、彩度等、他の態様でも良い。
<構成>
図24は本発明の第2の実施の形態の超音波診断装置の構成を示す図である。
本第2の実施形態の超音波診断装置100Aでは、図1に示す第1の実施の形態の超音波診断装置100とは以下の点が異なる。
第1の実施の形態では、超音波内視鏡200の可撓部220にフレキシブルシャフト221、操作部230にモータ231、ロータリーエンコーダ232とを設けたが、本第2の実施形態ではそれらを設けずに超音波内視鏡200Aとして電子ラジアル走査型の超音波内視鏡を用いている。図24に示す通り、本第2の実施形態の超音波内視鏡200Aの硬性部210Aには超音波振動子を短冊状に細かく切断し、挿入軸の周囲に環状のアレイとして配列させている(以下、超音波振動子アレイ215)。超音波振動子アレイ215を構成する各超音波振動子はそれぞれ信号線を介して操作部230A経由で超音波観測装置400Aと接続している。
その他の構成は第1の実施の形態と同じである。
本第2の実施形態は第1の実施の形態とは超音波断層像702を取得する作用、特にラジアル走査と血流検出との作用が異なる。以下、異なる個所のみ説明する。
第1の実施の形態では、超音波観測装置400Aが超音波断層像データの12時方向を超音波内視鏡に対してどの方向に向けて超音波断層像データを作成するかは、ロータリーエンコーダ232からの回転角度信号により決定していたが、本第2の実施形態では、超音波観測装置400Aが超音波ビームの形成に関与する複数の超音波振動子を選択し直し、再び励起信号を送信するため、超音波観測装置400Aが12時方向としてどの超音波振動子を選択するかで決定することになる。
超音波観測装置400Aは、超音波振動子アレイ215の1回の電子ラジアル走査に対し、可撓部220Aの挿入軸に垂直な1枚のデジタルの超音波断層像データを作成する。この際、超音波観測装置400Aは、超音波断層像データの血流部分に着色データを重畳する。超音波観測装置400Aは、この超音波断層像データを、超音波画像処理装置600内の混合回路650と表示回路660のスイッチ661の入力端子γとへ出力する。
その他の作用は第1の実施の形態と同じである。
本第2の実施形態では、CFM回路410が血流を検出し、超音波観測装置400Aが超音波断層像データの血流部分に着色データを重畳し、術者がキーボード720とマウス710とを用いて血管が着色された超音波断層像702上で腹腔動脈分岐の位置を入力し、3次元ガイド画像作成回路630が腹腔動脈分岐の位置を位置・配向データに基づき算出するよう構成したため、腹腔動脈分岐のような血管分岐を体内深部の特徴点として指定する際にはよりわかりやすく、正確に指定することができる。
本第2の実施形態では、超音波内視鏡200Aの可撓部220A先端において超音波振動子を短冊状に細かく切断し、可撓部220Aの周囲に環状のアレイとして配列させたが、超音波振動子アレイ215は360°全周に設けても、それより欠けても良い。例えば270°や180°のように可撓部220Aの周囲の一部に設けても良い。
その他の変形例は第1の実施の形態と同じである。
200,200A…超音波内視鏡
214…超音波振動子
215…超音波振動子アレイ
400,400A…超音波観測装置(超音波断層像作成手段)
410…CFM回路(血流検出手段)
500…位置配向算出装置(検出手段)
520…姿勢検出プレート
530…位置検出プローブ(位置取得手段)
610…参照画像記憶部(参照画像データ保持手段)
630…3次元ガイド画像作成回路(ガイド画像作成手段)
660…表示回路
700…表示装置
710…マウス(指定手段)
720…キーボード(指定手段)
723…体腔表面特徴点指定キー
724…体内深部特徴点指定キー
Claims (3)
- 生体内に超音波を送受して得られる超音波信号により超音波断層像を作成する超音波断層像作成手段と、
前記超音波断層像の位置もしくは配向を検出する検出手段と、
前記生体に特徴点を指定する指定手段と、
参照画像データを保持する参照画像データ保持手段と、
前記指定手段が指定した特徴点と、前記参照画像データ上に設定された参照点との、解剖学上の位置を照合し、前記検出手段により検出された位置もしくは配向と、前記照合の結果とに基づき、前記超音波断層像の解剖学的な位置もしくは配向をガイドするガイド画像を作成するガイド画像作成手段とを具備し、
前記指定手段が、前記超音波断層像作成手段が作成した超音波断層像上で前記特徴点を指定し、
前記ガイド画像作成手段が、前記指定手段が指定した前記特徴点の前記超音波断層像上での位置と、前記検出手段が検出した前記超音波断層像の位置もしくは配向とを基に前記特徴点の前記生体内での位置を算出したことを特徴とする超音波診断装置。 - 前記超音波断層像作成手段が、血流を検出する血流検出手段を備え、
前記超音波断層像作成手段が、血流が態様を変えて重畳された超音波断層像を作成し、
前記指定手段が、前記血流が重畳された超音波断層像上に前記特徴点を指定したこと、
を特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。 - 前記指定手段が、生体の体腔表面に直接接触して前記特徴点とは別の特徴点の位置を得る位置取得手段を備えたこと、
を特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
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