JP4077810B2 - 超音波診断装置 - Google Patents

超音波診断装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4077810B2
JP4077810B2 JP2004147066A JP2004147066A JP4077810B2 JP 4077810 B2 JP4077810 B2 JP 4077810B2 JP 2004147066 A JP2004147066 A JP 2004147066A JP 2004147066 A JP2004147066 A JP 2004147066A JP 4077810 B2 JP4077810 B2 JP 4077810B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ultrasonic
data
circuit
image
diagnostic apparatus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004147066A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004230194A (ja
Inventor
知直 川島
知弘 鯖田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Corp filed Critical Olympus Corp
Priority to JP2004147066A priority Critical patent/JP4077810B2/ja
Publication of JP2004230194A publication Critical patent/JP2004230194A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4077810B2 publication Critical patent/JP4077810B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Ultra Sonic Daignosis Equipment (AREA)

Description

本発明は、超音波診断装置に関し、特に、3次元画像処理を行う超音波診断装置に関する。
腫瘍の体内組織の中における位置や広がり、血流の走行や形状、あるいは腫瘍の血流への浸潤程度や血流に沿った広がりを観察することは、その患者の病状の進行具合や転移の診断、術式決定、予後予測をする上で医学的に重要である。その際に、腫瘍を含んだ組織や、血流及び血流を含んだ組織を超音波3次元画像により診断したり、あるいは複数方向の超音波断層像で診断することが臨床上有用である。体外から超音波を照射する体外式超音波診断の分野では、特開平6−254097号または特開2000−242766号のような関連の技術が知られている。
一方、近年、超音波内視鏡をはじめ種々の超音波プローブにより、脂肪等による減衰等の影響の少ない体腔内管腔から、超音波を体腔内探部臓器へ照射する体腔内超音波診断の技術がある。その分野においても、消化管腫瘍の浸潤診断、食道静脈瘤の観察、消化管腫瘍周囲の血流の観察を行う際に、腫瘍を含んだ組織や血流および血流を含んだ組織を超音波3次元画像により診断したり、複数方向の超音波断層像により診断することの有用性が知られている。この関連の技術として、特開2001−161693号、特開平6−261900号または特開平11−113913号のような関連の技術が知られている。
特開2001−161693に開示されている超音波診断装置は、機械式ラジアル走査と機械式リニア走査とを組み合わせたスパイラル走査を行う。このスパイラル走査を行うことにより、超音波診断装置は、超音波3次元画像表示のためのデータを取得し、観察方向の異なるラジアル画像とリニア画像とを同時に表示するDPR表示(Dual Plane Reconstruction表示)を行ったり、超音波3次元画像を表示する。
特開平6−261900及び特開平11−113913に開示されている超音波診断装置は、機械式ラジアル走査を行う超音波プローブ(超音波内視鏡を含む)と位置検出器とを組み合わせて構成されている。そして、その超音波診断装置は、位置検出器からの超音波走査平面の位置及び配向に関する情報を基に、超音波3次元画像表示のためのデータを取得し、超音波3次元画像を構築する。
また、従来よりドップラーデータを取得する超音波内視鏡として電子リニア走査型あるいは電子コンベックス走査型の超音波内視鏡等、挿入軸に沿って設けられた超音波振動子アレイにより、挿入軸に平行な断層像を得る超音波内視鏡を用い、この内視鏡を挿入軸を中心に回転させることで超音波3次元画像データを取得する超音波診断装置が知られている。
しかし、体腔内超音波診断分野において腫瘍を含んだ組織を超音波3次元画像で表示したり、複数方向の超音波断層像で表示する際、上述した技術には次に述べる問題がある。
特開2001−161693号に開示されている超音波診断装置は、体腔内に挿入する可撓性のある細長の超音波プローブを用い、その先端に超音波振動子を、その根元にモータを設けている。そして、超音波振動子とモータとを可撓性のあるフレキシブルシャフトでつなぎ、超音波振動子のラジアル走査のための回転駆動をフレキシブルシャフトを通じて行う構成である。
そのため、モータ角度検出器が検出する回転角度と先端の超音波振動子の実際の回転角度との間にずれが生じ、さらにこのずれがフレキシブルシャフトの湾曲形状によるため時間的に一様になることがなかった。その結果、取得される画像データには常に実際の形状との相違が発生し、超音波3次元画像や複数方向の超音波断層像には歪みが発生するという問題があった。
特開平6−261900及び特開平11−113913に開示されている超音波診断装置は、超音波振動子の駆動方法が上述した特開2001−161693号に開示の方法と同じである。従って、やはり取得される画像データには常に実際の形状との相違が発生し、超音波3次元画像や複数方向の超音波断層像には歪みが発生するという問題があった。
また、特開平6−261900号及び特開平11−113913号に開示されている超音波診断装置には次の問題もある。例えば、位置検出器により検出した超音波断層像内の12時方向等、特定方向を指すデータを用いて、超音波3次元画像や複数方向の超音波断層像を構築させる場合、位置検出器がフレキシブルシャフトではなく超音波プローブの挿入部の外側に設けられているため、位置検出器が検出する超音波走査平面の配向と、モータ角度検出器が検出する回転角度との間で相違が発生する。その配向と回転角度の相違は、フレキシブルシャフトの湾曲形状によって生じるものである。従って、超音波3次元画像や複数方向の超音波断層像において、一層大きな歪みが発生するという問題があった。
さらに、特開平6−261900及び特開平11−113913に開示されている超音波診断装置は、機械式ラジアル走査を行う超音波プローブ(超音波内視鏡を含む)と例えば磁場による位置検出器とを組み合わせ、位置検出器からの超音波走査平面の位置と配向の情報を基に超音波3次元画像データを取得する構成であった。そのため、挿入部内部のフレキシブルシャフトや超音波振動子の回転による金属部分の配置の変化に起因して、磁場が擾乱されてしまう場合があった。その結果、位置検出器から得られる位置や配向のデータの精度が低下して、超音波3次元画像や複数方向の超音波断層像には一層大きな歪みが発生するという問題があった。
また、ドップラーデータを取得する超音波内視鏡である電子リニア走査型の超音波内視鏡等を用いる超音波診断装置の場合は、3次元スキャンを行う際に先端の超音波振動子アレイが挿入軸を中心に回転させるために、術者は患者の口から超音波内視鏡を挿入した状態で、1から2mもある超音波内視鏡を捻ることにより空間的なエコーデータを得る必要があった。そのため、3次元データをムラなく均一に取得するための操作が非常に難しく、この装置による3次元画像データの取得は実用には至っていない。
さらにまた、体腔内超音波診断分野において血流を含んだ組織を、超音波3次元画像により表示したり、複数方向の超音波断層像により表示する際、上述した従来の技術には、次のような問題がある。
特開2001−161693号、特開平6−261900号及び特開平11−113913号に開示されている超音波診断装置は、機械走査を行う構成であるため、そもそもドップラーデータを取得し血流および血流を含んだ組織情報を得ることができなかった。
電子リニア走査型、電子コンベックス走査型超音波内視鏡等、挿入軸に平行な断層像を得る超音波内視鏡を用いた超音波診断装置は、電子走査を行う構成であるためにドップラー効果を用いて血流情報を得ることができる。しかし、上述したように3次元データをムラなく均一に取得するための操作が非常に難しく、この装置での3次元画像データの取得は実用には至っていない。
そこで、本発明は、体腔内超音波診断分野において腫瘍を含んだ組織を超音波3次元画像により表示、あるいは複数方向の超音波断層像により表示する際、歪みのない良好な画像データを簡単な操作で取得することができる超音波診断装置を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、体腔内超音波分野において、血流および血流を含んだ組織を超音波3次元画像により表示、あるいは複数方向の超音波断層像で表示する際、ドップラー効果を用いた血流情報を簡単な操作で取得することができる超音波診断装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の超音波診断装置は、音波プローブから被検部の超音波エコー信号を取得し、該超音波エコー信号から超音波断層像データを構築する超音波診断装置において、前記超音波プローブは、複数の超音波振動子を有し、該複数の超音波振動子より超音波を送受信して平面内を超音波で電子走査する電子走査式超音波プローブであって、磁場を空間に発生する磁場送信手段と、発生した前記磁場を受信する磁場受信手段とを有し、前記磁場送信手段または前記磁場受信手段のうちいずれか一方が前記超音波振動子に対して所定の位置に固定され、当該所定の位置に固定された前記磁場送信手段または前記磁場受信手段のうちいずれか一方が前記電子走査式超音波プローブの用手的な移動に伴って前記超音波振動子と一体的に移動することで、当該電子走査式超音波プローブの電子走査の走査平面の位置及び配向を検出する検出手段と、前記電子走査式超音波プローブを用手的に移動することで繰り返し実施される電子走査により連続的に得られる複数の前記超音波断層像データに基づいて被検部の超音波3次元画像を作成する3次元画像処理手段と、前記3次元画像処理手段により用手的な前記移動によってあらかじめ作成された前記超音波3次元画像と、前記移動の後で電子走査された新たな走査平面の位置もしくは配向を示す図とを合成して3次元ガイド画像を作成する合成手段と、前記新たな走査平面での超音波断層像データから作成される超音波断層像と前記3次元ガイド画像とを同一画面に表示する表示手段と、を具備したことを特徴とする。
本発明の第2の超音波診断装置は、上記第1の超音波診断装置において、前記エコー信号のドップラー効果を基に前記被検部の血流のカラーデータを作成するドップラー信号処理手段を更に有し、前記3次元画像処理手段は前記カラーデータに基づいて前記血流の超音波3次元画像を作成することを特徴とする。
本発明の第3の超音波診断装置は、上記第1または第2の超音波診断装置において、前記合成手段が、前記検出手段から逐次出力されるデータの変化に基づき、前記合成の状態を逐次変化させたことを特徴とする。
本発明の第4の超音波診断装置は、上記第1乃至第3の超音波診断装置において、前記位置もしくは配向を示す図が面状の模式図であることを特徴とする。
本発明の第5の超音波診断装置は、上記第4の超音波診断装置において、前記模式図が超音波断層像データを重畳していることを特徴とする。
本発明の第6の超音波診断装置は、上記第1乃至第3の超音波診断装置において、前記位置もしくは配向を示す図が血流走行上に重畳される線であることを特徴とする。
本発明によれば、体腔内超音波分野において腫瘍を含んだ組織を超音波3次元画像で表示する際、歪みのない良好な画像データを取得することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(第一の実施の形態)
図1から図9は、本発明の第一の実施の形態を示す図である。図1は、第一の実施の形態に係る超音波診断装置の全体構成を説明するための図である。図2は、第一の実施の形態に係る電子ラジアル走査式超音波内視鏡の構成を説明するための図である。図3は、第一の実施の形態に係る送受信回路のブロック図である。図4は、第一の実施の形態に係るデータ記録の処理の流れの例を示すフローチャートである。図5は、第一の実施の形態に係る3次元画像作成の処理の流れの例を示すフローチャートである。図6は、第一の実施の形態に係るキューブデータ作成回路の作用を説明するための図である。図7は、第一の実施の形態に係るモニタ画面の表示例を示す図である。図8は、第一の実施の形態に係る各座標系の関係を説明するための図である。図9は、第一の実施の形態に係るモニタ画面の表示例の変形例を示す図である。
まず図1に基づき、全体の構成を説明する。
図1に示すように、本実施形態の超音波診断装置1は、電子ラジアル走査式超音波内視鏡2と、位置配向検出部3と、超音波処理部4と、キーボード5と、モニタ6を有する。
なお、図において、太い点線の矢印は、3次元画像に関わる信号あるいはデータの流れを示し、太い実線の矢印は、原画像に関わる信号あるいはデータの流れを示し、細い点線の矢印は、位置、方向に関わる信号あるいはデータの流れを示し、細い実線の矢印は、制御信号等その他の信号あるいはデータの流れを示す。
電子ラジアル走査式超音波内視鏡2は、その先端に、環状の超音波振動子アレイ11と磁場を送信する送信コイル12と備え、操作部13を操作することによって、挿入軸に垂直な断面に超音波ビームを旋回させることにより走査、すなわちいわゆる電子ラジアル走査を行う。位置配向検出部3は、空間に固定された向きの異なる複数の受信コイル21を備え、その受信コイル21が磁場を検出する際に出力する電流に基づいて電子ラジアル走査式超音波内視鏡2の走査面の位置と配向とを遠隔的に検出する。超音波処理部4は、超音波内視鏡2からの超音波エコー信号と、位置配向検出部3からの位置及び配向のデータとを処理して所望の3次元画像を構築する。キーボード5は、後述する走査制御キー22と3次元キー(以下、3Dキーと略す。)23を備え、超音波処理部4を外部からコントロールする。モニタ6は、3次元画像を表示する。
また、超音波処理部4は、超音波信号処理回路24と、同期書込回路25と、ハードディスク(以下、単にHDDと略記する。)26と、画像処理回路27と、表示回路28と、制御回路29とを含む。
超音波信号処理回路24は、超音波エコー信号を基に超音波断層像の画像データを作成する。同期書込回路25は、画像データと、位置及び配向データとを同期して関連付けてHDDへの書き込み制御を行う。画像処理回路27は、3次元画像を構築する。表示回路28は、構築された3次元画像の画像データをモニタ6に表示できるようなアナログビデオ信号へ変換し、出力する。制御回路29は、超音波処理部4内の各回路を制御するための各種制御信号を出力する。
また、超音波信号処理回路24は、送受信回路31と、Bモード処理回路32と、デジタルスキャンコンバータ(以下、単にDSC(B)と略す。)33と、ドップラー処理回路34と、デジタルスキャンコンバータ(以下、単にDSC(D)と略す。)35と、カラーフローマッピング処理を行なうマッピング回路36とを含む。
送受信回路31は、超音波振動子アレイ11が送受するために一本の超音波ビームを形成し、得られた超音波エコー信号から作成した受信ビーム信号を後段のBモード処理回路32とドップラー処理回路34の両方へ出力する。さらに、送受信回路31は、ラジアル走査の際の超音波ビームの回転角度情報を回転角度データとして後段のDSC(B)33とDSC(D)35へ出力する。Bモード処理回路32は、受信ビーム信号に対数増幅、包落線検波、A/D変換等の公知の処理を施して超音波信号をデジタルのエコーデータに変換して出力する。DSC(B)33は、極座標系のエコーデータをモニタ6に出力できるような直交座標系に変換して出力する。ドップラー処理回路34は、受信ビーム信号に位相検波、A/D変換、MTIフィルタ(MTI:ムービングターゲットインジケータ)、自己相関等の公知の処理を施すことによってドップラー効果を利用して組織の移動成分すなわち血流成分を抽出し、超音波断層像内における血流の位置に着色するためのカラーデータを作成して出力する。なお、MTIフィルタは、心拍、ぜん動等の様々な要因による低速の動きに基づく不要成分をカットするものである。DSC(D)35は、極座標系のカラーデータをモニタ6に出力できるよう直交座標系に変換して出力する。マッピング回路36は、DSC(B)33が出力する超音波断層像の画像データ上の血流部分に、DSC(D)35が出力するカラーデータを重畳して、カラーデータを含む画像データを出力する。
また、画像処理回路27は、キューブデータ作成回路41と、カラー部抽出回路42と、3次元画像構築回路43を含む。キューブデータ作成回路41は、HDD6に書き込まれた画像データと、位置及び配向データとを読み出し3次元的な格子状のアドレス空間を持つボクセルデータすなわちキューブデータCDを作成する。カラー部抽出回路42は、キューブデータCDから着色された部分を抽出する。3次元画像構築回路43は、抽出された着色部分のデータに基づいて3次元画像を構築し、3次元画像データを出力する。
図2に示すように、本実施の形態の電子ラジアル走査式超音波内視鏡2は、大別すると内視鏡操作部13と内視鏡挿入部14とに大別される。内視鏡挿入部14は、胃、食道、大腸のように湾曲の多い体腔内管腔の中に挿入されることから、可撓性のある材質で構成されている。内視鏡操作部13には湾曲操作を行うための湾曲ノブ15が設けられている。ユーザは、この湾曲ノブ15を回転させることにより内視鏡挿入部14に備えられたワイヤ(図示せず)の進退を生じさせて、内視鏡挿入部14を湾曲させて先端の向きを変化させることができる。
さらに、内視鏡挿入部14の先端には送信コイル51、管腔内を照明する照明窓52、観察する光学観察窓53と、多数の短冊状の超音波振動子54を内視鏡挿入部14の先端の周囲に環状に配列された超音波振動子アレイ55が設けられている。より具体的には、挿入部14の先端部の挿入軸の所定の位置に、その挿入軸を中心として環状に、複数の超音波振動子54が設けられている。超音波振動子アレイ55の各超音波振動子54には、信号線56が接続され、その信号線56が超音波処理部4へ接続されている。各超音波振動子54を駆動するためのパルス状の送信駆動電圧と、超音波振動子54からの超音波エコー信号とがこの信号線56を介して送受される。そして、後述するように、複数の超音波振動子によって超音波を送受信して、挿入軸に垂直な平面において超音波の電子ラジアル走査が行えるようになっている。
なお、送信コイル51は複数の方向に巻かれた複数のソレイドコイルの複合体からなり、励起されることで空間に異方性の磁場を張る、すなわち互いに異なる方向を持つ複数の磁場を発生させることができる。
図3に示すように、本実施の形態の送受信回路31は、送信駆動電圧発生回路61と、送信遅延回路62と、送信切換回路63と、受信切換回路64と、増幅回路65と、受信遅延回路66と、加算回路67と、送受信コントローラ68とを含む。
送信駆動電圧発生回路61は、パルス状の送信駆動電圧を発生する。送信遅延回路62は、送信駆動電圧に対して信号線毎に異なった遅延をかけて出力する。送信切換回路63は、超音波の送信ビームの形成に関与する超音波振動子54を複数個毎に順次選択して送信駆動電圧を出力する。受信切換回路64は、送信ビームの形成に関与した複数の超音波振動子54からの超音波エコー信号を順次選択して後段の増幅回路65に出力する。増幅回路65は、受信切換回路64からの各超音波エコー信号を増幅する。受信遅延回路66は、増幅された各超音波エコー信号を送信遅延回路62での送信駆動電圧に対する遅延と同様に遅延をかけて出力する。加算回路67は、遅延のかかった各超音波エコー信号を加算して1本の音線に相当する受信ビーム信号を形成し出力する。送受信コントローラ68は、超音波信号処理回路24内の各回路を制御するための切換制御信号と、後述する回転角度データを出力する。
次に、動作を説明する。
(1)原画像に係わる信号およびデータ(カラーデータを重畳された超音波断層像の画像データを作成するために必要な信号およびデータ)が同期書込回路に出力されるまでの説明。
まず、送受信回路31の作用を説明する。
送信駆動電圧発生回路61で発生した送信駆動電圧は、送信遅延回路62において適当な遅延をかけられ、送信切換回路63により選択された複数の超音波振動子54に供給される。このとき、送信遅延回路62は、送受信コントローラ68からの切換制御信号により連続して配列された複数の超音波振動子54を選択する。また、送信遅延回路62は、配列の中央の超音波振動子54の送信駆動電圧には大きな遅延を、超音波振動子54が配列の中央から離れるにつれ送信駆動電圧に小さな遅延をかける。これらの超音波振動子54はそれぞれ送信駆動電圧を電気音響変換により超音波に変換するが、この遅延により各超音波は1本の送信ビームを形成する。送受信コントローラ68が切換制御信号を介して、順次、超音波ビームが図2の矢印RSの向き(ラジアル走査の向き)に旋回するよう送信切換回路63に超音波振動子54を選択させることで、超音波内視鏡2の挿入軸に垂直な断面を走査する、いわゆるラジアル走査を行うことができる。
超音波振動子アレイ55は、超音波を送受波しつつラジアル走査して走査面の超音波エコーを電気信号に変換し、超音波エコー信号として送受信回路31内の受信切換回路64へ供給する。受信切換回路64は送受信コントローラ68からの切換制御信号により送信切換回路63で選択されたのと同じ複数の超音波振動子54を選択し、選択された超音波振動子54からの各超音波エコー信号を増幅回路65に出力する。各超音波エコー信号は増幅回路65において増幅され、受信遅延回路66で適当な遅延をかけられ、加算回路67で加算されることにより、超音波の1本の受信ビーム信号を形成する。受信ビーム信号はBモード処理回路32とドップラー処理回路34とへ出力される。
送受信コントローラ68は、どの超音波振動子を切り換えさせるかの情報を基に切換制御信号を、送信切換回路63及び受信切換回路64に出力する一方、超音波振動子アレイ55によるラジアル走査の回転角度を回転角度データとしてDSC(B)33とDSC(D)35とへ出力する。
次に、送受信回路31の後段の回路の作用を説明する。
Bモード処理回路32は、受信ビーム信号に対して対数増幅、包落線検波、A/D変換等の公知の処理を施して、超音波信号をデジタルのエコーデータに変換する。
DSC(B)33は、回転角度データに基づいて極座標系のエコーデータをモニタ6に出力できるような直交座標系に変換して、超音波断層像の画像データを作成し、マッピング回路36へ出力する。
ドップラー処理回路34は、受信ビーム信号に位相検波、A/D変換、MTIフィルタ(MTI:ムービングターゲットインジケータ)、自己相関等の公知の処理を施すことによって、ドップラー効果を利用して組織の移動成分すなわち血流成分を抽出し、超音波断層像内における血流の位置に着色するためのカラーデータを作成し、出力する。このとき、カラーデータは血流部分を速度に対応した色相とされる。
DSC(D)35は、回転角度データに基づいて極座標系のカラーデータをモニタ6に出力できるような直交座標系に変換して、血流成分のデータを作成し、マッピング回路36へ出力する。
マッピング回路36は、DSC(B)33が出力する超音波断層像の画像データ上の血流部分に、DSC(D)35が出力するカラーデータを重畳し、カラーデータが重畳された超音波断層像の画像データを同期書込回路25へ出力する。
(2)位置及び配向に関わる信号およびデータ(以下、位置・配向データともいう。)が同期書込回路25に出力されるまでの説明。
位置配向検出部3は、超音波内視鏡2の先端部に取り付けられた送信コイル12へ交流信号であるコイル励起信号を出力する。このコイル励起信号の周波数は、送信コイル12の各ソレノイドコイルの導線が巻かれている方向別に周波数が異なるものとする。このようにして、被検体と内視鏡挿入部14の先端の間には各ソレノイドコイルの各方向別に異なる周波数で励起した交番磁場を発生させる。
各受信コイル21は、磁場によって発生した電流を位置配向検出部3に出力する。
位置配向検出部3は、電流を電圧に変換し、さらに周波数分解することで、磁場を基に送信コイル12の各ソレノイドコイルの導線の巻かれている方向の違いも分解し、受信コイル21の固定された座標系で表現される送信コイル12の位置・配向データを算出し、超音波処理部4内の同期書込回路25へ出力する。
位置及び配向のデータは、次のように算出される。
位置及び配向データ:
送信コイル12の位置:(Dx,Dy,Dz)
送信コイル12の配向:(ψ,θ,φ)[オイラー角]
(3)同期書込回路25に出力されたデータに基づいて3次元画像が表示されるまでの説明。
同期書込回路25は、画像データと位置・配向データとを同期して関連づけてHDD26へ書き込む。
キューブデータ作成回路41は、HDD26に書き込まれた画像データと位置・配向データとを読み出し、3次元格子状のアドレスを持つキューブデータCDを作成し、カラー部抽出回路42へ出力する。このキューブデータCDとその作成の方法は、(4)−2で後述する。
カラー部抽出回路42は、キューブデータCDから着色された部分を抽出し、キューブデータ内の他の部分の画像データを「0」、すなわち表示しないデータに置き換える。そして、このように処理したキューブデータCDを3次元画像構築回路43へ出力する。
3次元画像構築回路43は、抽出された部分から3次元画像を構築し、その画像データを表示回路28へ出力する。
表示回路28は、3次元画像の画像データをモニタ6に表示できるようなアナログビデオ信号へ変換し、モニタ6に出力する。モニタ6は3次元画像を表示する。
(4)ユーザによる実使用に即した説明
(4)−1 原画像に関わる信号およびデータと位置・方向に関わるデータのHDD26への記録について、図4に基づいて説明する。
図4の処理は、ユーザが、キーボード5上に設けられた走査制御キー22を押すことによって開始され、制御回路29によって制御される。
走査制御キー22が押されたことが制御回路29によって検出されると、制御回路29は、ラジアル走査処理を実行する。超音波振動子アレイ11は、制御回路29からの命令により超音波ビームのラジアル走査を行う(S11。(以下、ステップをSと略す))。
ラジアル走査が実行されると、送信コイル12からの磁場信号を受信コイル21が受信し、位置配向検出部3は、走査面の位置と配向を検出し位置・配向データを作成する(S12)。同時に、超音波信号処理回路24は、カラーデータを重畳した超音波断層像の画像データを作成する(S13)。
続いて、同期書込回路25は、位置・配向データと、カラーデータを重畳した超音波断層像の画像データとを同期して関連付けてHDD26へ記録する(S14)。
次に、ユーザにより再度走査制御キー22が押されたかが判断される(S15)。ユーザが再度走査制御キー22を押した場合は、YESとなって、次の処理S16へ進む。それ以外の場合は、S11の処理へジャンプし、上述した処理を繰り返す。
S16では、制御回路29は、ラジアル走査を停止するための命令(コマンド)を出力し、超音波振動子アレイ11は、制御回路29からの命令により超音波ビームのラジアル走査を停止する。
ここで、ユーザがラジアル走査式超音波内視鏡2を手を使って進退させたり、湾曲ノブ15を用いたりして走査面を変化させていくと、上記の一連の処理が繰り返されるので、超音波断層像の画像データは、位置・配向データと関連付けられ、3次元画像を構築するのに必要な分だけ連続してHDD26に記録されることになる。
(4)−2 HDD26への取り込まれたデータからの3次元画像作成について
図5に基づいて説明する。
図5の処理は、ユーザが、キーボード上に設けられた3Dキー23を押すことによって開始され、制御回路29によって制御される。
3Dキー23が押されたことが制御回路29によって検出されると、キューブデータ作成回路41は、制御回路29からの命令により、図6に示すようにHDD26に保存された超音波断層像の画像データと位置・配向データとを読み出す(S21)。キューブデータ作成回路41は、位置・配向データに基づいて、3次元的な格子状のアドレスを持ったメモリ空間に、1枚1枚のカラーデータが重畳された超音波断層像の画像データを埋め込んでいく。この埋め込んでいく方法は後述する。こうして、図6に示すようなキューブデータCDを作成する(S22)。このとき、キューブデータ作成回路41は、超音波断層像が互いに平行とは限らないため、重複した部分は平均を取り、疎の部分には補間を行うことによって、データの密度を一定にする。
次に、カラー部抽出回路42は、キューブデータCDから着色された部分(血流部分)を抽出し、キューブデータ内の他の部分の画像データを「0」、すなわち表示しないデータに置き換える(S23)。
3次元画像構築回路43は、座標変換、陰面消去、陰影付け等、公知の3次元画像処理を行い、抽出された部分から図7に示すような血流の走行を表現する3次元画像を構築する(S24)。
表示回路28は、3次元画像の画像データをモニタ6に表示できるようなアナログビデオ信号へ変換し、出力する(S25)。その結果、モニタ6は、図7に示すような血流の走行を表現する3次元画像を表示する。モニタ6の画面71に、大血管72と、小血管73が表示される。
(4)−3 キューブデータの作成方法の詳細説明(図5:S21の補足)。
ユーザは、内視鏡の先端を手を使って動かしつつ、超音波断層像を連続して取得することによって、3次元格子状のアドレスを持つキューブデータCDを作成する。しかし、そのためには空間内で連続的に撮像された各超音波断層像中の各位置が、キューブデータ作成回路41が取得できるデータを用い、空間に固定された座標系での座標として表現される必要がある。以下に、その方法について説明する。
受信コイル21は空間に固定されており、送信コイル12は内視鏡2の先端付近に固定されている。このとき、図8に示すような、受信コイル21に対して固定された直交座標系O−xyzと、送信コイル12に固定された直交座標系O’−x’y’z’とを導入する。なお、キューブデータCDのアドレスは直交座標系O−xyzでの座標で表現させるものとする。
原点、座標軸の取り方、単位ベクトルは表1の通りである。
Figure 0004077810
ここで、図8の超音波断層像78上の任意の1点をA(例えば、血流79の一部)とし、キューブデータ作成回路41がHDD26から得られる既知のデータを用い、点Aの座標を空間に固定された受信コイル21の直交座標系O−xyzで表現する方法を説明する。
既知のデータは、点Aの画像内での位置(横a、縦b)、及び、位置配向検出部3が出力する送信コイル12の位置O’の直交座標系O−xyzでの位置データ(Dx、Dy、Dz)と走査面の配向データ(ψ、θ、φ)[オイラー角]である。そのため、上記表現のためには点Aの位置を、これら既知のデータを用い、直交座標系O−xyzの単位ベクトル(i,j,k)(ここで、i、j、kはベクトルを示す)の一次結合として表現できれば良い。
今、以下の関係が成り立つ。
式1
Figure 0004077810
式2
Figure 0004077810
式3
Figure 0004077810
式2、式3を式1に代入すると以下の式を得る。
式4
Figure 0004077810
式4より、(i’,j’,k’)(ここで、i’、j’、k’はベクトルを示す)が既知の量を用い(i,j,k)(ここで、i、j、kはベクトルを示す)で表現されれば良いことになる。オイラー角(ψ、θ、φ)から定義される回転行列Tx(ψ)、Ty(θ)、Tz(φ)を用いると、次の式5のように表すことができる。
式5
Figure 0004077810
ここで、回転行列は、次の式6から式8で定義される。
式6
Figure 0004077810
式7
Figure 0004077810
式8
Figure 0004077810
式6から式8を式5に代入し、ここから得られるi’(ここで、i’はベクトルを示す)とj’(ここで、j’はベクトルを示す)を式4に代入することによって、点Aの位置r(ここで、rはベクトルを示す)を、既知のデータa、b、Dx、Dy、Dz、ψ、θ、φを用い、O−xyz座標系の単位ベクトル(i,j,k)(ここで、i、j、kはベクトルを示す)の一次結合として表現できる。即ち、超音波断層像上の任意の点Aは空間上に固定された座標系で表現できたことになる。
このようにして、キューブデータ作成回路41は、超音波断層像上の各点の座標(a,b)と、位置・配向データ(Dx、Dy、Dz)、(ψ、θ、φ)を式4、式5に代入し、各点の画像データをキューブデータの空間に埋め、重複部分の平均化、疎の部分の補間を実行していくことで、キューブデータを作成することができる。
以上のように、本実施の形態によれば、本願の第1の目的と第2の目的とが達せられた。
また、画像データと位置・配向データとを関連づけてHDD26に記録するよう構成したので、検査後のレビュー時に3次元画像を構築するようなことも可能である。
次に、変形例について説明する。
カラーデータを使わず、図9のように、白黒の超音波断層像だけでこのような断面74や体腔内臓器表面75を組み合わせて表現するような3次元画像やその他の種類の3次元画像を構築しても良い。図9において、76は、腫瘍を示す。従って、従来の機械式ラジアル走査型超音波内視鏡やコルベックス走査型超音波内視鏡よりも簡単に、フレキシブルシャフトのねじれに起因する歪みのない3次元画像を観察することができる。
また、同期書込回路25が、カラーデータを重畳した超音波断層像の画像データをHDD26に記録し、カラー部抽出回路42がカラーデータのみを抽出したが、本実施の形態のように血流走行のみの3次元画像を表示する際には最初からカラーデータのみをHDD26に記録させるようにしても良い。
さらに、送信コイル12と受信コイル21の位置を逆にして、送信コイル12を空間に固定し、受信コイル21をラジアル走査式超音波内視鏡2の内視鏡挿入部先端に設けても良い。その場合はキューブデータのアドレスは直交座標系O’−x’y’z’での座標で表現させるものとする。
さらにまた、位置配向検出部3が配向に関して出力するデータとして、オイラー角ψ、θ、φの3つの角度を表現するデータとしたが、これは送信コイル12を構成する各ソレノイドコイルの導線が巻かれている軸の方向等、他の形態のデータでも良い。
(第二の実施の形態)
図10から図14は、本発明の第二の実施の形態を示す。図10は、本発明の第二の実施の形態に係わる超音波診断装置の全体構成を説明するための図である。図11は、第二の実施の形態に係わる超音波診断装置の動作の流れを示すフローチャートである。図12は、第二の実施の形態に係わるモニタ画面の例を示す図である。図13は、第二の実施の形態に係わる全体構成の変形例を説明するための図である。図14は、第二の実施の形態に係わるモニタ画面の変形例を示す図である。
図10に示すように、本実施の形態の超音波診断装置1は、連動して切り換わる2個の切換器81、82(通常は端子A側がON)と、ミキサ回路83とが、超音波処理部4に設けられている。また、画像処理回路27内のカラー部抽出回路42と3次元画像構築回路43との間に断面重畳回路84を設けた。さらに、キーボードに切換制御キー85を設けた。この切換制御キー85は、ユーザがそのキーを押す度に切換器81、82を端子Aと端子Bとの間で一方からもう一方への切り換えを行う。
その他の構成は、第1の実施形態と同様であるので、同じ構成のものは、同一の符号を付して説明は省略する。
なお、図において、太い点線の矢印は、3次元画像に関わる信号あるいはデータの流れを示し、太い実線の矢印は、原画像に関わる信号あるいはデータの流れを示し、細い点線の矢印は、位置、方向に関わる信号あるいはデータの流れを示し、細い実線の矢印は、制御信号等その他の信号あるいはデータの流れを示し、白抜きの太い矢印は、図12で表現される画像の信号あるいはデータを示す。
次に、本実施の形態の作用について説明する。
切換器81、82がA側に切り換わっているときは、断面重畳回路84には位置・配向データが入力されないため、断面重畳回路84は入力されたキューブデータCDをそのまま3次元画像構築回路43に出力する。そのため、第1の実施形態と同様の作用を行う。
第1の実施形態と異なる作用について図11に基き以下に説明する。
まず、ユーザは、走査制御キー22を押すことによって、超音波処理部4は、第1の実施の形態のS11からS15と同様に、データをHDD26に記録する(S31)。なお、このとき切換器81、82は端子A側に切り換えられている。
次に、ユーザは第1の実施形態と同様に3Dキー23を押すことによって、キューブデータ作成回路41とカラー部抽出回路42は第1の実施形態のS21からS23と同様の処理を行う(S32)。
そして、切換制御キー85が押されたか否かが判断される(S33)。S33で、NOの場合、すなわち、切換制御キー85が押されていない場合、何の処理もしない。S33でYESの場合、すなわち、切換制御キー85が押されると、S34の処理に移行する。S34では、切換器81、82が端子A側から端子B側にスイッチを切り換える。
さらに、ユーザによって、走査制御キー22が押されたか否かが判断される(S35)。S35でNOの場合、すなわち、走査制御キー22が押されていない場合、何も処理はしない。S35でYESの場合、すなわち走査制御キー22が押されると、S36の処理へ移行する。
S36では、超音波振動子アレイ11は、制御回路29からの命令により再び超音波ビームのラジアル走査を行い、S37の処理へ移行する。
S37では、断面重畳回路84が、逐次入力される位置・配向データに基づいて電子ラジアル走査式超音波内視鏡2の走査面を、リアルタイムで板状の模式図としてキューブデータCDの空間に書き込む。このときの走査面の書込み方法は後述する。
続いて、S38で、3次元画像構築回路43が、キューブデータの中に抽出された血流部分と板状の模式図のデータに基づいて、血流の走行上に走査面の模式図を重ねた状態の3次元画像(以下、ガイド画像ともいう。)を構築する。この処理はリアルタイムで行われる。
S39では、ミキサ回路83は、ガイド画像を左側に、超音波断層像を右側に混合して、図12に示すような画面を作成する。
S40では、表示回路28が、ミキサ回路83で混合された画面の画像データをモニタ6に表示できるようなアナログビデオ信号へ変換し、モニタ6に出力する。そして、S41において、モニタ6は、図12に示したようにガイド画像を左側に、超音波断層像を右側に表示する。
S41では、ユーザが再度走査制御キー22を押したか否かが判断される。S41でYESの場合、すなわち、走査制御キー22が押された場合は、制御回路29の命令により超音波ビームのラジアル走査が終了し、次の処理(S42)へ進む。それ以外の場合は、すなわちS41でNO場合は、S36の処理へ移行し、それ以降の処理を繰り返す。
S42では、超音波振動子アレイ11は、制御回路29からの命令により超音波ビームのラジアル走査を停止する。S43では、切換器81、82は、端子Bから端子Aに切り換わる。
ここで、S31からS43までの一連の動作を、ユーザは内視鏡挿入部14を被検体に挿入したままで行うものとする。図12のモニタ画面86の左側のガイド画像87には超音波の走査面(断層像の位置と配向を示す)を表す模式図88が図示され、右側にはその走査面で得られた模式図と対応した超音波断層像89が現れる。図12において、90は血流Aを示し、91は、血流Bを示し、92は、着色表示された血流Aを示し、93は、着色表示された血流Bを示す。94は、腫瘍を示し、95は、浸潤方向を示す。さらに、左側の模式図88自体は、位置配向検出部3が逐次出力する位置・配向データにより超音波内視鏡2の先端の移動に合わせて(連動して)、矢印96で示す方向において3次元画像内を移動する。すなわち、位置配向検出部3から逐次出力されるデータの変化に応じて、模式図と3次元画像の合成状態が逐次変化する。また、右側の超音波断層像も対応して変化する。この動作はリアルタイムで行われる。
S37のキューブデータCDへの走査面の書込み方法の詳細は次の通りである。
超音波断層像は長方形であり、走査面の模式図はキューブデータの中では直交座標系O’−x’y’z’の単位ベクトルi’方向(ここで、i’はベクトルを示す)とj’方向(ここで、j’はベクトルを示す))を各辺とする平行四辺形として表現できる。従って、断面重畳回路84は逐次入力する位置・配向データを、上述した式5に代入し、i’、j’(ここで、i’、j’はベクトルを示す)が直交座標系O−xyzの単位ベクトルi、j、k(ここで、i、j、kはベクトルを示す)の一次結合として表現できるので、これを用いてこの平行四辺形の模式図をキューブデータの空間に簡単に書き込むことができる。
その他の作用は、第1の実施の形態と同様である。
以上のように、本実施の形態によれば、内視鏡挿入部を動かしつつ、右側の超音波断層像で腫瘍等の病変と血流とが一番近い位置を選び、その超音波断層像を観察することで血管に対する浸潤程度を診断しやすい。
走査面がガイド画像の中でリアルタイムに図示されるため、超音波振動子アレイが血流に対してどのような面で走査しているかわかりやすいため病変を描出しやすい。腫瘍等の病変の血流に近づく方向への深達度や、血流に沿った方向に沿った進展度の見落しも少なくなる。これは転移等、予後の予測に有用である。
また、血流を3次元表示したガイド画像と超音波断層像とが対比しやすいため、体積計測等での比較よりも病変のどこが縮小したのか、病変内の組織学的な違いによる治癒効果がわかりやすい。その他の効果は、第1の実施の形態と同様である。
次に、変形例について説明する。
模式図を単なる平行四辺形として説明したが、図13に示すように切換器81、82からの画像データ出力をミキサ回路83と断面重畳回路84とに並列に出力した構成とすることによって、単なる平行四辺形の模式図ではなく、図14に示すように超音波断層像の画像データを平行四辺形に重畳したものを模式図として用いても良い。このように構成することで、腫瘍等の病変と血流との位置関係が一層わかりやすくなる。図13において、太い点線の矢印は、3次元画像に関わる信号あるいはデータの流れを示し、太い実線の矢印は、原画像に関わる信号あるいはデータの流れを示し、細い点線の矢印は、位置、方向に関わる信号あるいはデータの流れを示し、細い実線の矢印は、制御信号等その他の信号あるいはデータの流れを示し、白抜きの太い矢印は、図14で表現される画像の信号あるいはデータを示す。
なお、模式図を平行四辺形として説明したが、模式図として、後述する図17で説明するような線を用いても良い。
(第三の実施の形態)
図15から図17は、本発明の第三の実施の形態を示す。図15は、本発明の第三の実施の形態に係わる超音波診断装置の全体構成を説明するための図である。図16は、第三の実施の形態に係わる超音波診断装置の動作の流れを示すフローチャートである。図17は、第三の実施の形態に係わるモニタ画面の表示例を示す図である。
図15に示すように、本実施の形態の超音波診断装置1には、超音波処理部4に読出回路101が設けられ、外部にトラックボール102が設けられている。制御回路29はトラックボール102の出力に基づいて断層位置指定信号を読出回路101へ出力する。また、読出回路101は、断層位置指定信号に基づいて画像データと位置・配向データとをHDD26から検索、読み出して、画像データをミキサ回路83へ、位置・配向データを断層位置重畳回路103へ出力する。
その他の構成は、第一および第2の実施の形態と同様であり、同一の構成要素について同一の符号を付して説明は省略する。
なお、図において、太い点線の矢印は、3次元画像に関わる信号あるいはデータの流れを示し、太い実線の矢印は、原画像に関わる信号あるいはデータの流れを示し、細い点線の矢印は、位置、方向に関わる信号あるいはデータの流れを示し、細い実線の矢印は、制御信号等その他の信号あるいはデータの流れを示し、白抜きの太い矢印は、図17で表現される画像の信号あるいはデータを示す。
次に、本実施の形態の作用について説明する。
本実施形態の作用は、術者による被検体の検査中と検査後のレビューに大別される。
(1)検査中の作用
第2の実施の形態と同様であるので省略する。
(2)検査後の作用
図16に基づき検査後の作用を説明する。3次元画像を構築するのに必要な超音波断層像の画像データは検査中にあらかじめHDD26に記録されているものとする。
ユーザが3Dキー23を押すことによって、図16の処理が開始される。まず、S51において、キューブデータ作成回路41とカラー部抽出回路42とは第1の実施の形態のS21からS23と同様の処理を行う(S51)。次に、S52において、断層位置重畳回路103は、キューブデータ内における抽出された血流部分に図17の左側のガイド画像87に示されるように、超音波断層像が得られた走査面を示す線(以下、断層位置指定カーソル)111を重畳する。なお、処理の始めでは重畳される位置は血流部分のどの位置でも良いものとする。
次に、S53において、3次元画像構築回路43は、断層位置指定カーソル111が重畳されたガイド画像87を構築する。そして、断層位置指定カーソル111が重畳されたガイド画像87がミキサ回路83、表示回路28を経て、モニタ6に表示される(S54)。なお、処理の始めでは超音波断層像89はまだモニタ画面86には表示されないものとする。
ユーザは、ガイド画像87上の断層位置指定カーソル111を見ながらトラックボール102を動かす。S55において、トラックボール102が動かされたか否かを検出する。
S55でNOの場合、すなわち、トラックボール102が動かされない場合は、何の処理も実行しない。S55でYESの場合、すなわち、トラックボール102が動かされた場合は、S56の処理へ移行する。制御回路29は、トラックボール102の出力に基づいて断層位置指定カーソル111がモニタ画面86上のどの方向へどれくらいの距離を移動すべきか、その情報を読出回路101へ断層位置指定信号として出力する(S56)。
続出回路101は、断層位置指定信号により指定される断層位置指定カーソル111の位置に一致、もしくは近い位置・配向データをHDD26から検索し、位置・配向データとそれに関連付けられた超音波断層像の画像データとを読み出す(S57)。断層位置重畳回路103は、古い断層位置指定カーソルに代えて、キューブデータ内における抽出された血統部分にこの位置配向データを基に新たな断層位置指定カーソルを重畳する(S58)。3次元画像構築回路43は、断層位置指定カーソル111が重畳されたガイド画像87を構築する(S59)。
そして、ミキサ回路83は、ガイド画像87の画像データと、断層位置指定カーソル111に対応する位置・配向データに関連付けられた超音波断層像89の画像データとを混合する(S60)。古い断層位置指定カーソルが重畳されたガイド画像に代わる新しい断層位置指定カーソルが重畳されたガイド画像と、それに対応する超音波断層像とが、ミキサ回路83と表示回路28を経て、モニタ6に表示される(S61)。S62において、ユーザが再度3Dキーを押したか否かが判断され、YESの場合は、制御回路29の命令により処理を終了する。それ以外の場合は、S55へジャンプし、以降の処理を繰り返す。
従って、ユーザがトラックボール102を用い、例えば、矢印112で示す方向にカーソル111を動かすことによって、モニタ画面左側のガイド画像87上で観察したい位置に、カーソル位置を動かしていくと、右側の超音波断層像89がカーソルの動きに対応して順次変化、更新されていくことになる。この様子は図17に示される通りである。その他の作用は、第2の実施形態と同様である。
以上のように、本実施の形態によれば、ユーザがトラックボールを用い、モニタ画面左側のガイド画像上で観察したい位置にカーソル位置を動かしていくと、右側の超音波断層像がカーソルの動きに対応して順次変化、更新されていくよう構成したので、腫瘍等の病変が血流に沿ってどのように広がっているかわかりやすく、進展度診断がし易い。また、HDDに記録された画像データ、位置・配向データに基づいて処理を実行したので、検査後の症例レビューの際にもわかりやすく診断ができる。その他の効果は、第2の実施の形態と同様である。
次に、変形例について説明する。
上述した本実施の形態では、読出回路101は、断層位置指定カーソル111の位置に一致、もしくは近い位置・配向データをHDD26から検索し、位置・配向データとそれに関連付けられた超音波断層像89の画像データとを読み出すよう構成した。しかし、読出回路101を任意断層像作成回路に置き換えることによって、HDD26に記録された画像データから血流方向に垂直な断面の超音波断層像を新たに作成するようにしても良い。通常、血管への浸潤診断は血管に対し病変部の近い遠いを診断するものなので、血流に垂直な断面での超音波断層像で診断することが好ましい。従って、このように構成することで、血管の走行に対し斜めの断面での超音波断層像でなく、垂直な断面での超音波断層像で良好に観察をすることができる。さらにこのような場合には断層位置指定カーソル111の代わりに、図12の様な平行四辺形の模式図を用い、トラックボール102でこの模式図を移動させる構成にすると、超音波断層像と血流との位置関係が一層わかりやすくすることができる。
(第四の実施の形態)
図18および図20は、本発明の第四の実施の形態を示す。図18は、本発明の第四の実施の形態に係わる超音波診断装置の全体構成を説明するための図である。図19は、第四の実施の形態に係わる超音波診断装置の動作の流れを示すフローチャートである。図20は、第四の実施の形態に係わるモニタ画面の表示例を示す図である。
図18に示すように、本実施の形態の超音波診断装置1は、外部にトラックボール102を設けている。また、第1の実施の形態のカラー部抽出回路42と3次元画像構築回路43に代えて、互いに方向の異なる複数の超音波断層像を構築する複数断層像構築回路121が設けられている。さらに、キーボード5上の3Dキー23の代わりにDPRキー122を設けている。制御回路29はトラックボール102の出力に基づいて断層位置指定信号を作成し、複数断層像構築回路121へ出力する。
その他の構成は、第1の実施の形態と同様であるので、同一の構成要素については同一の符号を付し、説明は省略する。
なお、図において、太い点線の矢印は、3次元画像に関わる信号あるいはデータの流れを示し、太い実線の矢印は、原画像に関わる信号あるいはデータの流れを示し、細い点線の矢印は、位置、方向に関わる信号あるいはデータの流れを示し、細い実線の矢印は、制御信号等その他の信号あるいはデータの流れを示す。
次に、本実施の形態の作用について説明する。
本実施の形態の作用は、トラックボール102、制御回路29、複数断層像構築回路121の作用を除き、第1の実施の形態と同様である。
第1の実施の形態と異なる作用について図19に基づき以下に説明する。
3次元画像を構築するのに必要な超音波断層像の画像データは、第1の実施の形態のS11からS16と同様の方法であらかじめHDD26に記録されているものとする。
ユーザは、キーボード5上に設けられたDPRキー122を押すことによって、図19の処理が開始する。
DPRキー122が押されると、キューブデータ作成回路41は、第1の実施の形態のS21からS22と同様の処理を行い、キューブデータCDを作成する(S71)。複数断層像構築回路121は、制御回路29からの命令により、図6に示すキューブデータCDのx軸に垂直な平面とy軸に垂直な平面の画像データを抽出する(S72)。以下、x軸に垂直な平面の画像データで構成される超音波断層像を超音波断層像P(131)、y軸に垂直な平面の画像データで構成される超音波断層像を超音波断層像Q(132)と呼ぶことにする。なお、超音波断層像P(131)と超音波断層像Q(132)の平面の位置はデフオルトでは図6に示すキューブデ−タの中心、すなわちx=L/2、y=D/2に設定されているものとする。
次に、複数断層像構築回路121は、超音波断層像P(131)上に平面Pと平面Qとの交線を重畳する(S73)。以下では、超音波断層像P(131)上に重畳されたカットラインをカットラインP(133)と呼ぶことにする。複数断層像構築回路121は、超音波断層像Q(132)上に平面Pと平面Qとの交線を重畳する(S74)。以下では、超音波断層像Q(132)上に重畳されたカットラインをカットラインQ(134)と呼ぶことにする。
S75では、複数断層像構築回路121は、方向の異なる複数の超音波断層像、すなわち超音波断層像P(131)と超音波断層像Q(132)とを並べた画像データを表示回路28に出力する。表示回路28は、複数の断層像の画像データをモニタ6に表示できるようなアナログビデオ信号へ変換し、出力する(S76)。モニタ6は、図20に示した血流135を着色して表現する複数断層像を表示する(S77)。
ユーザは、トラックボール102を動かすと、トラックボール102が動かされたことが検出され、S78でYESとなって、S79の処理へ移行する。トラックボール102が動かされないと、何の処理も実行されない。S79では、制御回路29は、トラックボール102の出力に基づいて、モニタ画面86上のどの方向へどれくらいの距離を移動すべきかの情報を、断層位置指定信号として複数断層像構築回路121へ出力する。次に、複数断層像構築回路121は、制御回路29からの命令に含まれる断層位置指定信号に基づいて、再び、x軸に垂直な超音波断層像P(131)とy軸に垂直な超音波断層像Q(132)を抽出する(S80)。超音波断層像P(131)と超音波断層像Q(132)の平面の位置は断層位置指定信号の内容から新たに決められる(S80)。そして、S81において、ユーザが再度DPRキー122を押したか否かが判断され、押したことが検出されると、YESとなって、制御回路29の命令に従って処理を終了する。それ以外の場合は、S73の処理へジャンプし、処理を繰り返す。
従って、トラックボール102を用い、例えば超音波断層像P上で血流135を確認し、その部位にカットライン133を合わせると、右側にそのカットライン133の位置に対応した超音波断層像Q(132)が表示され、血流135の走行を2つの方向から観察することができる。その他の作用は、第1の実施の形態と同様である。
以上のように、本実施の形態では、図20に示すように、モニタ画面86に方向の異なる複数の超音波断層像P(131)、Q(132)を同時に並べて表示するよう構成している。そのため、例えば食道静脈瘤のような症例では、ユーザが食道に挿入した内視鏡挿入部をゆっくり引くことにより、食道に沿って流れる静脈の走行が超音波断層像P(131)か超音波断層像Q(132)の上にわかりやすく表示され易い。図20では、電子ラジアル走査式超音波内視鏡2を受信コイル21の固定された直交座標系のx軸方向に沿って引いたときの状態を表現しているが、このときには超音波断層像Pが内視鏡挿入軸に垂直な断層像、超音波断層像Qは平行な断層像に相当する。この方法により従来の超音波内視鏡では表現しにくい血流の走行をカラーデータにより着色して表示することができ、さらに、例えば血流の瘤の状態や血流バイパスの走行の判断が重要な食道静脈瘤の診断には有用である。その他の効果は、第1の実施の形態と同様である。
次に、変形例について説明する。
本実施形態では、直交する2つの超音波断層像を画面に表示するいわゆるDPR表示の形態について説明したが、これはもっと多数の超音波断層像を画面に表示するMPR表示(Multi Plane Reconstruction)でもよい。また、超音波断層像は、症例や状況に応じ直交しなくとも良い。
なお、以上説明した構成から、次の付記に示す構成に特徴がある。
[付記項]
(1)体腔内に挿入される超音波プローブから被検部の超音波エコー信号を取得する超音波診断装置において、
挿入軸の所定の位置に、該挿入軸を中心として環状に設けられた複数の超音波振動子を有し、該複数の超音波振動子より超音波を送受信して前記挿入軸に垂直な平面で超音波の電子ラジアル走査を行う電子ラジアル超音波プローブと、
前記電子ラジアル超音波プローブの電子ラジアル走査により連続的に得られるエコー信号による超音波断層像データに基づいて、ボクセルデータを作成するボクセルデータ作成手段と、
を備えたことを特徴とする超音波診断装置。
(2)付記項(1)に記載の超音波診断装置において、
前記電子ラジアル超音波プローブの電子ラジアル走査の走査平面の位置または配向を検出する検出手段をさらに有し、
前記ボクセルデータ作成手段は、前記位置または配向のデータに基づいて超音波3次元画像を作成する3次元画像処理手段を設けたことを特徴とする超音波診断装置。
(3)付記項(1),付記項(2)に記載の超音波診断装置において、
前記連続的に得られるエコー信号のドップラー効果を基に前記被検部の血流のカラーデータを作成するドップラー信号処理手段を更に有し、
前記ボクセルデータ作成手段は、前記カラーデータに基づいて前記血流の超音波3次元画像を作成する3次元画像処理手段を設けたことを特徴とする超音波診断装置。
(4)付記項(3)に記載の超音波診断装置において、
前記エコー信号より超音波診断像を作成する断層像処理手段と、
血流走行の前記超音波3次元画像と、前記超音波断層像の位置もしくは配向を示す図とを合成して3次元ガイド画像を作成する合成手段と、
前記断層像処理手段が作成した前記超音波断層像と前記合成手段が作成した3次元ガイド画像とを同一画面に表示する表示手段と、
を設けたことを特徴とする超音波診断装置。
(5)付記項(4)に記載の超音波診断装置において、
前記合成手段が、前記検出手段から逐次出力されるデータの変化に基づき、前記合成の状態を逐次変化させたことを特徴とする超音波診断装置。
(6)付記項(4)、付記項(5)に記載の超音波診断装置において、
前記位置もしくは配向を示す図が面状の模式図であることを特徴とする超音波診断装置。
(7)付記項(6)に記載の超音波診断装置において、
前記模式図が超音波断層像データを重畳していることを特徴とする超音波診断装置。
(8)付記項(4)、付記項(5)に記載の超音波診断装置において、
前記位置もしくは配向を示す図が血流走行上に重畳される線であることを特徴とする超音波診断装置。
(9)体腔内に挿入される超音波プローブから被検部の超音波エコー信号を取得する超音波診断装置において、
挿入軸の所定の位置に、該挿入軸を中心として環状に設けられた複数の超音波振動子を有し、該複数の超音波振動子より超音波を送受信して前記挿入軸に垂直な平面で超音波の電子ラジアル走査を行う電子ラジアル超音波プローブと、
前記超音波プローブのラジアル走査により連続的に得られるエコー信号による超音波断層像データに基づいて、互いに異なる向きの複数の超音波断層像を作成する複数断層像処理手段と、
を備えたことを特徴とする超音波診断装置。
(10)付記項(9)に記載の超音波診断装置において、
前記電子ラジアル超音波プローブの走査平面の位置もしくは配向を検出する検出手段をさらに有し、
前記複数断層像処理手段は、前記位置もしく前記配向に基づいて互いに方向の異なる複数の超音波断層像を作成することを特徴とする超音波診断装置。
(11)付記項(9),付記項(10)に記載の超音波診断装置において、
前記電子ラジアル超音波内視鏡からのエコー信号のドップラー効果を利用して血流のカラーデータを作成するドップラー信号処理手段を設け、
前記複数断層像処理手段は、前記カラーデータが重畳された互いに方向の異なる複数の超音波断層像を作成することを特徴とする超音波診断装置。
(12)付記項(2)ないし付記項(8)及び付記項(10)ないし付記項(11)のいずれかに記載の超音波診断装置において、
前記検出手段が磁場により遠隔的に走査平面の位置もしくは配向を検出することを特徴とする超音波診断装置。
(13)付記項(1)ないし付記項(12)に記載の超音波診断装置において、
前記電子ラジアル超音波プローブがその先端に光学観察窓を設けた電子ラジアル超音波内視鏡であることを特徴とする超音波診断装置。
上記付記項(1)の効果は、次の通りである。
超音波診断装置は、挿入軸の所定の位置に、挿入軸を中心として環状に設けられた複数の超音波振動子を有し複数の超音波振動子より超音波を送受信して挿入軸に垂直な平面で超音波の電子ラジアル走査を行う電子ラジアル超音波プローブと、電子ラジアル超音波プローブの電子ラジアル走査により連続的に得られるエコー信号による超音波断層像データに基づいてボクセルデータを作成するボクセルデータ作成手段とを備えるように構成したため、超音波3次元画像や複数方向の超音波断層像をボクセルデータから簡単に構築することができる。
上記の付記項(2)の効果は次の通りである。
超音波プローブは、複数の超音波振動子を挿入軸の周囲に環状に設け、挿入軸に垂直な平面で超音波の電子ラジアル走査を行う電子ラジアル超音波プローブからなり、電子ラジアル走査により連続して取得される超音波断層像データを基に超音波3次元画像を作成する3次元画像処理手段を設けるよう構成したため、体腔内超音波分野において腫瘍を含んだ組織を超音波3次元画像で表示する際、歪みのない良好な画像データを簡単な操作で取得することができる。
上記の付記項(3)の効果は次の通りである。
電子ラジアル超音波内視鏡からのエコー信号のドップラー効果を利用して血流のカラーデータを作成するドップラー信号処理手段を設け、3次元画像処理手段がカラーデータを基に血流の超音波3次元画像を作成するよう構成したため、体腔内超音波分野において血流および血流を含んだ組織を超音波3次元画像で表示する際、ドップラー効果を用いた血流情報を簡単な操作で取得することができる。
上記の付記項(4)、(5)、(6)、(8)の効果は次の通りである。
エコー信号より超音波断層像を作成する断層像処理手段と、血流走行の超音波3次元画像と、超音波断層像の位置もしくは配向を示す図とを合成して3次元ガイド画像を作成する合成手段と、断層像処理手段が作成した超音波断層像と合成手段が作成した3次元ガイド画像とを同一画面に表示する表示手段と、を設けるよう構成したため、3次元ガイド画像を参照しながら内視鏡挿入部を動かしつつ、超音波断層像で腫瘍等の病変と血流とが一番近い位置を選び、その超音波断層像を観察することで血管に対する浸潤程度を診断し易い。
また、超音波振動子が血流に対してどのような面で走査しているかわかり易いいため病変を描出しやすい。腫瘍等の病変の血流に近づく方向への深達度や、血流に沿った方向に沿った進展度の見落しも少ない。これは転移等、予後の予測に有用である。
また、血流を3次元表示したガイド画像と超音波断層像とが対比しやすいため、体積計測等での比較よりも病変のどこが縮小したのか、病変内の組織学的な違いによる治癒効果がわかり易い。
上記の付記項(7)の効果は次の通りである。
位置もしくは配向を示す模式図が超音波断層像データを重畳しているよう構成したため、腫瘍等の病変と血流との位置関係が一層わかり易くなる。
上記の付記項(9)、(10)の効果は次の通りである。
超音波プローブは、複数の超音波振動子を挿入軸の周囲に環状に設け、挿入軸に垂直な平面で超音波の走査を行う電子ラジアル超音波プローブからなり、電子ラジアル走査により連続して取得される超音波断層像データを基に互いに方向の異なる複数の超音波断層像を作成する複数断層像処理手段と、を設けるよう構成したため、体腔内超音波分野において腫瘍を含んだ組織を複数方向の超音波断層像で表示する際、歪みのない良好な画像データを簡単な操作で取得することができる。
上記の付記項(11)の効果は次の通りである。
電子ラジアル超音波内視鏡からのエコー信号のドップラー効果を利用して血流のカラーデータを作成するドップラー信号処理手段を設け、複数断層像処理手段がカラーデータが重畳された互いに方向の異なる複数の超音波断層像を作成するよう構成したため、体腔内超音波分野において血流および血流を含んだ組織を複数方向の超音波断層像で表示する際、ドップラー効果を用いた血流情報を簡単な操作で取得することができる。
例えば、食道静脈瘤のような症例では、ユーザが食道に挿入した内視鏡挿入部をゆっくり引くことにより、従来の超音波内視鏡では表現しにくい血流の走行をカラーデータにより着色して表示することができ、例えば血流の瘤の状態や血流バイパスの走行の判断が重要な食道静脈瘤の診断には有用である。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
本発明の第一の実施の形態に係る超音波診断装置の全体構成を説明するための図である。 第一の実施の形態に係る電子ラジアル走査式超音波内視鏡の構成を説明するための図である。 第一の実施の形態に係る送受信回路のブロック図である。 第一の実施の形態に係るデータ記録の処理の流れの例を示すフローチャートである。 第一の実施の形態に係る3次元画像作成の処理の流れの例を示すフローチャートである。 第一の実施の形態に係るキューブデータ作成回路の作用を説明するための図である。 第一の実施の形態に係るモニタ画面の表示例を示す図である。 第一の実施の形態に係る各座標系の関係を説明するための図である。 第一の実施の形態に係るモニタ画面の表示例の変形例を示す図である。 本発明の第二の実施の形態に係わる超音波診断装置の全体構成を説明するための図である。 第二の実施の形態に係わる超音波診断装置の動作の流れを示すフローチャートである。 第二の実施の形態に係わるモニタ画面の例を示す図である。 第二の実施の形態に係わる全体構成の変形例を説明するための図である。 第二の実施の形態に係わるモニタ画面の変形例を示す図である。 本発明の第三の実施の形態に係わる超音波診断装置の全体構成を説明するための図である。 第三の実施の形態に係わる超音波診断装置の動作の流れを示すフローチャートである。 第三の実施の形態に係わるモニタ画面の表示例を示す図である。 本発明の第四の実施の形態に係わる超音波診断装置の全体構成を説明するための図である。 第四の実施の形態に係わる超音波診断装置の動作の流れを示すフローチャートである。 第四の実施の形態に係わるモニタ画面の表示例を示す図である。
符号の説明
1・・・超音波診断装置
2・・・電子ラジアル走査式超音波内視鏡
3・・・位置配向検出部
4・・・超音波処理部
5・・・キーボード
6・・・モニタ
11、55・・・超音波振動子アレイ
12、51・・・送信コイル
13・・・内視鏡操作部
14・・・内視鏡挿入部
15・・・湾曲ノブ
21・・・受信コイル
22・・・走査制御キー
23・・・3Dキー
24・・・超音波信号処理回路
26・・・ハードディスク
27・・・画像処理回路
52・・・照光窓
53・・・光学観察窓
54・・・超音波振動子
56・・・信号線
71、86・・・モニタ画面
72・・・大血管
73・・・小血管
74・・・断面
75・・・体腔内蔵器表面
76、94・・・腫瘍
78、89、131、132・・・超音波断層像
79、135・・・血流
81、82・・・切換器
85・・・切換制御キー
87・・・ガイド画像
88・・・走査面を表す模式図
90、91、92、93・・・血流
102・・・トラックボール
111・・・断層位置指定カーソル
133、134・・・カットライン
136・・・血溜
代理人 弁理士 伊藤 進

Claims (6)

  1. 音波プローブから被検部の超音波エコー信号を取得し、該超音波エコー信号から超音波断層像データを構築する超音波診断装置において、
    前記超音波プローブは、複数の超音波振動子を有し、該複数の超音波振動子より超音波を送受信して平面内を超音波で電子走査する電子走査式超音波プローブであって、
    磁場を空間に発生する磁場送信手段と、発生した前記磁場を受信する磁場受信手段とを有し、前記磁場送信手段または前記磁場受信手段のうちいずれか一方が前記超音波振動子に対して所定の位置に固定され、当該所定の位置に固定された前記磁場送信手段または前記磁場受信手段のうちいずれか一方が前記電子走査式超音波プローブの用手的な移動に伴って前記超音波振動子と一体的に移動することで、当該電子走査式超音波プローブの電子走査の走査平面の位置及び配向を検出する検出手段と、
    前記電子走査式超音波プローブを用手的に移動することで繰り返し実施される電子走査により連続的に得られる複数の前記超音波断層像データに基づいて被検部の超音波3次元画像を作成する3次元画像処理手段と、
    前記3次元画像処理手段により用手的な前記移動によってあらかじめ作成された前記超音波3次元画像と、前記移動の後で電子走査された新たな走査平面の位置もしくは配向を示す図とを合成して3次元ガイド画像を作成する合成手段と、
    前記新たな走査平面での超音波断層像データから作成される超音波断層像と、前記3次元ガイド画像とを同一画面に表示する表示手段と、
    を具備したことを特徴とする超音波診断装置。
  2. 前記エコー信号のドップラー効果を基に前記被検部の血流のカラーデータを作成するドップラー信号処理手段を更に有し、
    前記3次元画像処理手段は前記カラーデータに基づいて前記血流の超音波3次元画像を作成することを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
  3. 前記合成手段が、前記検出手段から逐次出力されるデータの変化に基づき、前記合成の状態を逐次変化させたことを特徴とする請求項1または2に記載の超音波診断装置。
  4. 前記位置もしくは配向を示す図が面状の模式図であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の超音波診断装置。
  5. 前記模式図が超音波断層像データを重畳していることを特徴とする請求項4に記載の超音波診断装置。
  6. 前記位置もしくは配向を示す図が血流走行上に重畳される線であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の超音波診断装置。
JP2004147066A 2004-05-17 2004-05-17 超音波診断装置 Expired - Fee Related JP4077810B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004147066A JP4077810B2 (ja) 2004-05-17 2004-05-17 超音波診断装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004147066A JP4077810B2 (ja) 2004-05-17 2004-05-17 超音波診断装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001384933A Division JP2003180697A (ja) 2001-12-18 2001-12-18 超音波診断装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004230194A JP2004230194A (ja) 2004-08-19
JP4077810B2 true JP4077810B2 (ja) 2008-04-23

Family

ID=32960034

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004147066A Expired - Fee Related JP4077810B2 (ja) 2004-05-17 2004-05-17 超音波診断装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4077810B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006130162A (ja) * 2004-11-08 2006-05-25 Olympus Corp 超音波診断装置
JP4681857B2 (ja) * 2004-11-25 2011-05-11 オリンパス株式会社 超音波診断装置
JP4716716B2 (ja) * 2004-11-25 2011-07-06 オリンパス株式会社 超音波診断装置
JP4634814B2 (ja) * 2005-02-03 2011-02-16 株式会社東芝 超音波診断装置
JP4987503B2 (ja) * 2007-02-06 2012-07-25 株式会社東芝 超音波診断装置、画像データ表示装置及び画像データ表示用制御プログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004230194A (ja) 2004-08-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2042102B1 (en) Ultrasonic diagnostic apparatus
JP5208495B2 (ja) 医療用システム
JP2003180697A (ja) 超音波診断装置
JP5433240B2 (ja) 超音波診断装置及び画像表示装置
JP5433032B2 (ja) 超音波診断装置
JP4868959B2 (ja) 体腔内プローブ装置
JP5253893B2 (ja) 医用画像処理装置、超音波診断装置、及び超音波画像取得プログラム
JP4328077B2 (ja) 超音波診断装置
JPH10262963A (ja) 超音波画像診断装置
JP4276825B2 (ja) 超音波診断装置
JP4077810B2 (ja) 超音波診断装置
JP3947530B2 (ja) 超音波診断装置
JP4869197B2 (ja) 医用ガイド装置
JP4343592B2 (ja) 超音波診断装置
JP4197993B2 (ja) 超音波診断装置
JP2005143733A (ja) 超音波診断装置、3次元画像データ表示装置及び3次元画像データ表示方法
JP2008036447A (ja) 体腔内プローブ装置
JP2004113628A (ja) 超音波診断装置
EP1491146B1 (en) Ultrasonic diagnosis apparatus
JP4700405B2 (ja) 超音波診断装置
JP2004209277A (ja) 超音波画像診断装置
JP2003180696A (ja) 超音波診断装置
JPH11113912A (ja) 超音波画像診断装置
JP2008264563A (ja) 超音波診断装置
JP5307357B2 (ja) 超音波診断装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040628

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070410

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070611

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080129

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080201

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110208

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110208

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120208

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120208

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130208

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140208

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees