JPH10262963A - 超音波画像診断装置 - Google Patents

超音波画像診断装置

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JPH10262963A
JPH10262963A JP7005797A JP7005797A JPH10262963A JP H10262963 A JPH10262963 A JP H10262963A JP 7005797 A JP7005797 A JP 7005797A JP 7005797 A JP7005797 A JP 7005797A JP H10262963 A JPH10262963 A JP H10262963A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 移動情報の得にくい脈管と、注目組織や血管
との位置関係を把握することができる超音波画像診断装
置を提供する。 【解決手段】 超音波プローブ2に内蔵された超音波振
動子はスパイラル状に移動され、この超音波振動子によ
り得られるエコー信号は送受信部21等を経てフレーム
メモリ22に記憶され、DSC23により直交座標形式
の断層像データに変換された後、D/Aコンバータ24
を経てモニタ25に表示されると共に、画像処理部4の
3次元データ記憶装置29に記憶され、演算処理プロセ
ッサ30等により、血管以外の脈管及び注目組織が抽出
され、合成処理などされた後、画像処理モニタ37にて
脈管及び注目組織の3次元画像が表示される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は超音波振動子によっ
て得られた超音波断層像を作成する超音波画像診断装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、生体へ超音波を送受波して得られ
た3次元エコーデータから3次元画像を構築する超音波
画像診断装置が提案されている。このうち、特開平4−
183446号公報で開示されている装置では、X線C
T、MRI、超音波など複数の異なる断層像の輪郭をそ
れぞれ抽出し、また、一方で血管情報を抽出して、1つ
の立体モデル像を表示する。
【0003】このように構成することで、各種断層像撮
影装置のもつそれぞれの画像抽出性を活かして患部の立
体像を作成することができる。しかし、この装置では、
X線CT、MRI、超音波など複数の異なる断層像撮影
手段が必要であった。
【0004】そこで、超音波のエコーデータのみから、
関心部分の輪郭と血管とを抽出する超音波画像診断装置
も提案されている。このうち、特開平6−254097
号公報で開示されている装置では、超音波プローブから
の受信信号に基づいて、3次元空間内の組織情報と移動
体の移動情報を得る。
【0005】特に、移動情報を得る際には血球など移動
体によって生じるドップラ現象を利用している。そし
て、組織情報から関心部分の輪郭像を、移動情報から血
流像を抽出する。さらに、視点を変えながら各位置での
輪郭像と血流像の3次元分布情報を投影処理して、複数
の2次元画像を生成する。
【0006】このように構成することで、従来のBモー
ド画像とドップラ現象を利用したCFM(カラーフロー
マッピング)画像を組み合わせた3次元表示が実現す
る。そのため、関心部分の立体構造と血流像の立体構造
とを同時に観察することができ、例えば、腫瘍とその栄
養血管の関係を把握することができる。
【0007】また、この3次元エコーデータを得る装置
として、ラジアルスキャンとリニアスキャンとを組み合
わせたスパイラルスキャンなどの3次元スキャンを行い
ながら、生体内へ超音波を送受波する超音波画像診断装
置が提案されている。
【0008】このうち、特開平6−30937号公報、
特開平6−30938号公報、特開平8−56947号
公報で開示されている装置では、先端に超音波振動子を
配し反対側の端部をラジアル回転部内のモーターの回転
軸に接合させたフレキシブルシャフトと、端部をステッ
ピングモーターの回転軸に接合したボールネジとを設け
ている。
【0009】そして、ボールネジの回転により、ボール
ネジに嵌合する部材を介してラジアル回転部全体が進退
するため、モーター、フレキシブルシャフト、超音波振
動子が自身も回転しながら進退し、スパイラルスキャン
が実現する。
【0010】なお、超音波振動子の回転に対するボール
ネジの回転比は、設定可能な一定の値であり、超音波振
動子は、自身が1回転すると決まった距離だけ進退す
る。そして、被検部位からのエコー信号から、3次元エ
コーデータとして連続した複数の断層像データを取得す
る。
【0011】さらに、特開平8−56947号公報で開
示されている装置は、超音波プローブの可撓性シース内
に超音波振動子を設け、さらに超音波プローブ本体をア
ウターシースで被覆した構成になっている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、超音波プロ
ーブを膵管、胆管のような血管以外の脈管に挿入して3
次元表示を行う際には、これらの脈管とその周囲に広が
る腫瘍との位置関係を把握することが重要である。例え
ば、胆管の周囲にどの程度腫瘍が広がっているかを把握
することは、手術による切除範囲を決定する観点から医
学的に重要である。
【0013】また、例えば胆管のような血管以外の脈管
の周囲には、門脈などの血管が複雑に走行している場合
があり、2次元の超音波断層像による診断の際には、こ
れらの位置関係を医師が予測しているが、これは難しい
作業であった。
【0014】また、例えば腫瘍は膵管や胆管などの血管
以外の脈管から発生することも多く、この腫瘍が、門脈
など血管に到達しているか否かを鑑別することは転移の
可能性を知る意味で医学的に極めて重要である。また、
血管への到達に限らず、リンパ管など血管以外の脈管へ
の腫瘍の浸潤を鑑別することも、転移の可能性を知る意
味で医学的に極めて重要である。
【0015】さらに、上述の事柄は、頚動脈、頚静脈な
どの血管や血管以外の食道、気管などの脈管が互いに近
接する頚部においても同様である。そのため、血管以外
の脈管と腫瘍などの注目組織との位置関係、もしくは血
管以外の脈管と血管との位置関係を把握できることが望
ましい。
【0016】さらに好適には、血管以外の脈管と、注目
組織と、血管との互いの位置関係を把握できることが望
ましい。ここで、特開平6−254097号公報で開示
されている装置では、移動体の移動情報から血流像を抽
出しているため、門脈のような栄養血管を血流として抽
出することができる。
【0017】しかし、例えば膵液、胆汁、リンパ液など
の移動速度の小さい液体が流れる膵管、胆管、リンパ管
などの脈管からは移動情報が得にくいため、これらを抽
出することは困難であった。また、気管や、胃、食道、
腸などの消化管など常に液体が流れているとは限らない
脈管を抽出することも困難であった。
【0018】そこで、本発明の第1の目的は、移動情報
の得にくい脈管と、注目組織や血管との位置関係を把握
することができる超音波画像診断装置を提供することに
ある。
【0019】一方、特開平6−30937号公報、特開
平6−30938号公報、特開平8−56947号公報
で開示されている装置では、ボールネジの回転により超
音波振動子を進退させているため、超音波プローブの挿
入軸方向の分解能はボールネジのピッチに影響を受け
る。
【0020】特に、超音波振動子が発する超音波ビーム
が十分鋭いときには、ボールネジのピッチで分解能が決
定される。それとは別に、フレキシブルシャフトの回転
耐性や、超音波振動子からのエコー信号を取り込む時
間、超音波の送受波に掛かる時間などの制約から、超音
波振動子の回転時間を短くし、単位時間あたりに取り込
む断層像データの枚数(フレームレート)を上げること
には限界がある。
【0021】また、フレームレートを無理に上げると、
フレキシブルシャフトの両端に回転ムラが起こり、断層
像データが超音波振動子の回転角を正しく反映しなくな
るという問題もある。
【0022】そのため、挿入軸方向の分解能を向上させ
ようとしてボールネジのピッチを細かくしたり、超音波
振動子の回転に対するボールネジの回転比を下げたりし
て、超音波振動子の1回転当たりの進退距離を短くする
と、進退が遅くなり、スパイラルスキャンの時間がかか
る。
【0023】特に超音波検査を受けている患者は、スパ
イラルスキャンの間、呼吸性移動の問題を避けるために
呼吸を止めていなければならないので、患者の苦痛を伴
うという問題があった。そこで、本発明の第2の目的
は、走査時間を長くせず、超音波プローブの挿入軸方向
の分解能を向上させた超音波画像診断装置を提供するこ
とにある。
【0024】また、上述の特開平6−30937号公
報、特開平6−30938号公報、特開平8−5694
7号公報で開示されている装置では、スパイラルスキャ
ンの途中で発生する拍動や、呼吸性移動、蠕動などの周
期性運動よりなる体動により、各断層像データ間にぶれ
が生じ、得られる3次元エコーデータが歪んだものにな
るため、この3次元エコーデータから歪んだ3次元画像
を構築してしまうという問題があった。
【0025】そのため、これまでの超音波検査では、蠕
動を抑えるための蠕動抑制薬を投与しなければならず、
患者にスキャンの間呼吸を止めさせていなければなら
ず、拍動に至っては抑えるための有効な手段が無かっ
た。
【0026】そこで、本発明の第3の目的は、体動によ
る断層像間のぶれを補正し、歪みの無い良好な3次元エ
コーデータを取得することができる超音波画像診断装置
を提供することにある。
【0027】ところで、上述の特開平6−30937号
公報、特開平6−30938号公報、特開平8−569
47号公報で開示されている装置の超音波プローブを、
実際に体内に挿入して、スパイラルスキャンを行う際に
は、内視鏡に設けられた鉗子用の管などの挿通部を介
し、内視鏡先端より突出させて超音波断層像を取得する
ことが多い。
【0028】通常の内視鏡先端には光学系と光学観察方
向を変えることができる湾曲機構が設けられているた
め、このように使用することで、光学系で注目組織と超
音波振動子のスパイラルスキャンの様子とを観察しなが
ら、注目組織の断層像データが得られるよう超音波振動
子の向きを簡単に変えることができる。
【0029】しかし、上述の装置では、超音波振動子が
超音波プローブの挿入軸方向のどこからどこまでを進退
するのか、スパイラルスキャンが始まるまでわからない
ことが多かった。
【0030】そのため、断層像データを取得できる範囲
から注目組織が逸れてしまい、注目組織からのエコー信
号を3次元エコーデータとして取得できない場合がある
という問題があった。
【0031】また、注目組織からのエコー信号が3次元
エコーデータ内に取得できたか否かを確かめるために、
超音波検査中に表示される断層像データを参照しながら
スパイラルスキャンを繰り返すため、検査時間が長引く
という問題もあった。
【0032】そこで、本発明の第4の目的は、注目組織
からのエコー信号を3次元エコーデータとして取得する
際の確実性を増し、検査時間を短くすることができる超
音波画像診断装置を提供することにある。
【0033】
【課題を解決するための手段】上記、第1の目的を達成
するために、以下の、(1)、(2)、(3)、
(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(9)、
(10)、(11)、(12)、(13)の構成にして
いる。 (1)被検体の脈管を抽出する第1脈管抽出手段と、前
記第1脈管抽出手段により抽出された該脈管の3次元画
像を構築する3次元処理手段を、設けた超音波画像診断
装置において、前記第1脈管抽出手段は、被検体の3次
元空間に超音波を送受して得たエコーの強度情報からな
る3次元エコーデータより該脈管を抽出し、該3次元エ
コーデータより注目組織を抽出する組織抽出手段を設
け、前記3次元処理手段は、前記第1脈管抽出手段によ
り抽出された該脈管と前記組織抽出手段により抽出され
た該注目組織とを合成した3次元画像を構築すること、
を特徴とする。
【0034】上記構成によれば、第1脈管抽出手段は、
被検体の3次元空間に超音波を送受して得たエコーの強
度情報からなる3次元エコーデータより脈管を抽出す
る。組織抽出手段は、3次元エコーデータより注目組織
を抽出する。3次元処理手段は、第1脈管抽出手段によ
り抽出された脈管と組織抽出手段により抽出された注目
組織とを合成した3次元画像を構築する。
【0035】(2)上記(1)記載の超音波画像診断装
置であって、前記3次元処理手段は、前記第1脈管抽出
手段により抽出された該脈管と前記組織抽出手段により
抽出された該注目組織とを互いに色分けして合成した3
次元画像を構築すること、を特徴とする。上記構成によ
れば、3次元処理手段は、第1脈管抽出手段により抽出
された脈管と組織抽出手段により抽出された注目組織と
を互いに色分けして合成した3次元画像を構築する。
【0036】(3)被検体の脈管を抽出する第1脈管抽
出手段と、前記第1脈管抽出手段により抽出された該脈
管の3次元画像を構築する3次元処理手段とを、設けた
超音波画像診断装置において、前記第1脈管抽出手段
は、被検体の3次元空間に超音波を送受して得たエコー
の強度情報からなる3次元エコーデータより複数の該脈
管を抽出し、前記3次元処理手段は、前記第1脈管抽出
手段により抽出された複数の該脈管を合成した3次元画
像を構築すること、を特徴とする。上記構成によれば、
第1脈管抽出手段は、被検体の3次元空間に超音波を送
受して得たエコーの強度情報からなる3次元エコーデー
タより複数の脈管を抽出する。3次元処理手段は、第1
脈管抽出手段により抽出された複数の脈管を合成した3
次元画像を構築する。
【0037】(4)上記(3)記載の超音波画像診断装
置であって、前記3次元処理手段は、前記第1脈管抽出
手段により抽出された複数の該脈管どうしを互いに色分
けして合成した3次元画像を構築すること、を特徴とす
る。上記構成によれば、3次元処理手段は、第1脈管抽
出手段により抽出された複数の脈管どうしを互いに色分
けして合成した3次元画像を構築する。
【0038】(5)被検体の脈管を抽出する第1脈管抽
出手段と、前記第1脈管抽出手段により抽出された該脈
管の3次元画像を構築する3次元処理手段とを、設けた
超音波画像診断装置において、前記第1脈管抽出手段
は、被検体の3次元空間に超音波を送受して得たエコー
の強度情報からなる3次元エコーデータより該脈管を抽
出し、被検体の3次元空間に超音波を送受して得た移動
体の移動情報からなる3次元ドップラデータより脈管を
抽出する第2脈管抽出手段を設け、前記3次元処理手段
は、前記第1脈管抽出手段により抽出された該脈管と前
記第2脈管抽出手段により抽出された該脈管とを合成し
た3次元画像を構築すること、を特徴とする。
【0039】上記構成によれば、第1脈管抽出手段は、
被検体の3次元空間に超音波を送受して得たエコーの強
度情報からなる3次元エコーデータより脈管を抽出す
る。第2脈管抽出手段は、被検体の3次元空間に超音波
を送受して得た移動体の移動情報からなる3次元ドップ
ラデータより脈管を抽出する。3次元処理手段は、第1
脈管抽出手段により抽出された脈管と第2脈管抽出手段
により抽出された脈管とを合成した3次元画像を構築す
る。
【0040】(6)前記(5)記載の超音波画像診断装
置であって、前記3次元処理手段は、前記第1脈管抽出
手段により抽出された該脈管と前記第2脈管抽出手段に
より抽出された該脈管とを互いに色分けして合成した3
次元画像を構築すること、を特徴とする。上記構成によ
れば、3次元処理手段は、第1脈管抽出手段により抽出
された脈管と第2脈管抽出手段により抽出された脈管と
を互いに色分けして合成した3次元画像を構築する。
【0041】(7)被検体の脈管を抽出する第1脈管抽
出手段と、前記第1脈管抽出手段により抽出された該脈
管の3次元画像を構築する3次元処理手段とを、設けた
超音波画像診断装置において、前記第1脈管抽出手段
は、被検体の3次元空間に超音波を送受して得たエコー
の強度情報からなる3次元エコーデータより該脈管を抽
出し、該3次元エコーデータより注目組織を抽出する組
織抽出手段と、被検体の3次元空間に超音波を送受して
得た移動体の移動情報からなる3次元ドップラデータよ
り脈管を抽出する第2脈管抽出手段を設け、前記3次元
処理手段は、前記第1脈管抽出手段により抽出された該
脈管と、前記第2脈管抽出手段により抽出された該脈管
と、前記組織抽出手段により抽出された該注目組織とを
合成した3次元画像を構築すること、を特徴とする。
【0042】上記構成によれば、第1脈管抽出手段は、
被検体の3次元空間に超音波を送受して得たエコーの強
度情報からなる3次元エコーデータより脈管を抽出す
る。組織抽出手段は、3次元エコーデータより注目組織
を抽出する。第2脈管抽出手段は、被検体の3次元空間
に超音波を送受して得た移動体の移動情報からなる3次
元ドップラデータより脈管を抽出する。3次元処理手段
は、第1脈管抽出手段により抽出された脈管と、第2脈
管抽出手段により抽出された脈管と、組織抽出手段によ
り抽出された注目組織とを合成した3次元画像を構築す
る。
【0043】(8)上記(7)記載の超音波画像診断装
置であって、前記3次元処理手段は、前記第1脈管抽出
手段により抽出された該脈管と、前記第2脈管抽出手段
により抽出された該脈管と、前記組織抽出手段により抽
出された該注目組織とを互いに色分けして合成した3次
元画像を構築すること、を特徴とする。
【0044】上記構成によれば、3次元処理手段は、第
1脈管抽出手段により抽出された脈管と、第2脈管抽出
手段により抽出された脈管と、組織抽出手段により抽出
された注目組織とを互いに色分けして合成した3次元画
像を構築する。
【0045】(9)上記(1)、(2)、(3)、
(4)、(5)、(6)、(7)、(8)記載の超音波
画像診断装置であって、前記第1脈管抽出手段は、該3
次元エコーデータが有する周囲との輝度差により該脈管
を抽出すること、を特徴とする。上記構成によれば、第
1脈管抽出手段は、3次元エコーデータが有する周囲と
の輝度差により脈管を抽出する。
【0046】(10)上記(9)記載の超音波画像診断
装置であって、該3次元エコーデータが、被検体の3次
元空間に超音波を送受して得たエコーの強度情報からな
る複数の断層像データから構成され、前記第1脈管抽出
手段は、複数の該断層像データ上で、抽出開始点を設定
する抽出開始点設定手段を設け、複数の該断層像データ
上で、前記抽出開始点設定手段により設定された該抽出
開始点からスキャンラインを放射状に延伸させて脈管壁
を探索することにより、該脈管を抽出すること、を特徴
とする。
【0047】上記構成によれば、抽出開始点設定手段
は、複数の断層像データ上で、抽出開始点を設定する。
第1脈管抽出手段は、複数の断層像データ上で、抽出開
始点設定手段により設定された抽出開始点からスキャン
ラインを放射状に延伸させて脈管壁を探索することによ
り、脈管を抽出する。
【0048】(11)上記(10)記載の超音波画像診
断装置であって、該3次元エコーデータにおいて、該3
次元エコーデータの階調を有する複数の断面の位置を設
定する断面設定手段を設け、前記第1脈管抽出手段は、
前記抽出開始点設定手段が設定する該抽出開始点の位置
と前記断面設定手段が設定する複数の該断面の位置によ
り決定される抽出範囲内に該スキャンラインを延伸させ
ること、を特徴とする。上記構成によれば、断面設定手
段は、3次元エコーデータにおいて、3次元エコーデー
タの階調を有する複数の断面の位置を設定する。第1脈
管抽出手段は、抽出開始点設定手段が設定する抽出開始
点の位置と断面設定手段が設定する複数の断面の位置に
より決定される抽出範囲内にスキャンラインを延伸させ
る。
【0049】(12)上記(1)、(2)、(3)、
(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(9)記載
の超音波画像診断装置であって、該3次元エコーデータ
において、該3次元エコーデータの階調を有する断面の
位置を設定する断面設定手段を、設け、前記3次元処理
手段は、前記断面設定手段により位置を設定された該断
面と、前記第1脈管抽出手段により抽出された該脈管
と、前記第2脈管抽出手段により抽出された該脈管、も
しくは前記組織抽出手段により抽出された該注目組織と
を合成した3次元画像を構築すること、を特徴とする。
【0050】上記構成によれば、断面設定手段は、3次
元エコーデータにおいて、3次元エコーデータの階調を
有する断面の位置を設定する。3次元処理手段は、断面
設定手段により位置を設定された断面と、第1脈管抽出
手段により抽出された脈管と、第2脈管抽出手段により
抽出された脈管、もしくは組織抽出手段により抽出され
た注目組織とを合成した3次元画像を構築する。
【0051】(13)上記(1)、(2)、(3)、
(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(9)記載
の超音波画像診断装置であって、該3次元エコーデータ
において、該3次元エコーデータの階調を有する断面の
位置を設定する断面設定手段を設け、前記3次元処理手
段は、前記断面設定手段により設定された該断面の位置
を示す指標と、前記第1脈管抽出手段により抽出された
該脈管と、前記第2脈管抽出手段により抽出された該脈
管、もしくは前記組織抽出手段により抽出された該注目
組織とを合成した3次元画像を構築し、前記3次元処理
手段により該指標を合成して構築された該3次元画像
と、該断面とを同時に表示する表示手段を設けたこと、
を特徴とする。
【0052】上記構成によれば、断面設定手段は、3次
元エコーデータにおいて、3次元エコーデータの階調を
有する断面の位置を設定する。3次元処理手段は、断面
設定手段により設定された断面の位置を示す指標と、第
1脈管抽出手段により抽出された脈管と、第2脈管抽出
手段により抽出された脈管、もしくは組織抽出手段によ
り抽出された注目組織とを合成した3次元画像を構築す
る。表示手段は、3次元処理手段により指標を合成して
構築された3次元画像と、断面とを同時に表示する。
【0053】上記第2の目的を達成するために、以下の
(14)の構成にしている。 (14)被検体に超音波を送信し、エコーを受信する超
音波振動子を先端に設けた超音波プローブと、前記超音
波プローブの挿入軸を中心に該超音波振動子が回転する
ラジアルスキャンと、該挿入軸に沿って該超音波振動子
が進退するリニアスキャンとを組み合わせた該超音波振
動子のスパイラルスキャンを駆動する駆動手段と、該超
音波振動子からのエコー信号より、連続する複数の断層
像データを得る超音波画像診断装置において、該超音波
振動子は、該ラジアルスキャンの送受信面を違えて複数
個設けられており、複数個の該超音波振動子が該スパイ
ラルスキャンを行うことにより得る、連続する複数枚の
断層像データより1つの3次元エコーデータを構成する
こと、を特徴とする。
【0054】上記構成によれば、駆動手段は、超音波プ
ローブの挿入軸を中心に超音波振動子が回転するラジア
ルスキャンと、挿入軸に沿って超音波振動子が進退する
リニアスキャンとを組み合わせた超音波振動子のスパイ
ラルスキャンを駆動する。そして、複数個の超音波振動
子がスパイラルスキャンを行うことにより得る、連続す
る複数枚の断層像データより1つの3次元エコーデータ
を構成する。
【0055】上記第3の目的を達成するために、以下の
(15)の構成にしている。 (15)被検体に超音波を送信し、エコーを受信する超
音波振動子を先端に設けた超音波プローブと、前記超音
波プローブの挿入軸を中心に該超音波振動子が回転する
ラジアルスキャンと、該挿入軸に沿って該超音波振動子
が進退するリニアスキャンとを組み合わせた該超音波振
動子のスパイラルスキャンを駆動する駆動手段と、該超
音波振動子からのエコー信号より、連続する複数の断層
像データを得る超音波画像診断装置において、前記駆動
手段は、前記超音波プローブの該進退を複数回繰りかえ
させ、前記超音波プローブの該複数回の進退により得
た、複数セットにわたる該連続する複数の断層像データ
を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された該複
数セット間で、同位置での断層像データを比較し、該断
層像データ間の体動を認識する体動認識手段を設け、体
動が補正された連続する複数の代表断層像データを1セ
ット構成すること、を特徴とする。
【0056】上記構成によれば、駆動手段は、超音波プ
ローブの挿入軸を中心に超音波振動子が回転するラジア
ルスキャンと、挿入軸に沿って超音波振動子が進退する
リニアスキャンとを組み合わせた超音波振動子のスパイ
ラルスキャンを複数回繰りかえさせて、駆動する。記憶
手段は、超音波プローブの複数回の進退により得た、複
数セットにわたる連続する複数の断層像データを記憶す
る。体動認識手段は、記憶手段に記憶された複数セット
間で、同位置での断層像データを比較し、断層像データ
間の体動を認識する。そして、体動が補正された連続す
る複数の代表断層像データを1セット構成する。
【0057】(16)上記(15)記載の超音波画像診
断装置であって、前記体動認識手段により認識された体
動の生じた断層像データを除くことにより、体動が補正
された連続する複数の代表断層像データを1セット構成
すること、を特徴とする。上記構成によれば、体動認識
手段により認識された体動の生じた断層像データを除く
ことにより、体動が補正された連続する複数の代表断層
像データを1セット構成する。
【0058】上記第4の目的を達成するために、以下の
(17)、(18)、(19)の構成にしている。 (17)被検体に超音波を送信し、エコーを受信する超
音波振動子を先端に設けた超音波プローブと、前記超音
波プローブの挿入軸を中心に該超音波振動子が回転する
ラジアルスキャンと、該挿入軸に沿って該超音波振動子
が進退するリニアスキャンとを組み合わせた該超音波振
動子のスパイラルスキャンを駆動する駆動手段と、該超
音波振動子からのエコー信号より、連続する複数の断層
像データを得る超音波画像診断装置において、前記超音
波プローブは、該進退の範囲を示す指標を、設けたこと
を特徴とする。
【0059】上記構成によれば、駆動手段は、超音波プ
ローブの挿入軸を中心に超音波振動子が回転するラジア
ルスキャンと、挿入軸に沿って超音波振動子が進退する
リニアスキャンとを組み合わせた超音波振動子のスパイ
ラルスキャンを駆動する。超音波プローブに設けられた
指標は、進退の範囲を示す。
【0060】(18)上記(17)記載の超音波画像診
断装置であって、前記超音波プローブが、前記駆動手段
からの駆動力を該超音波振動子に伝達する駆動伝達部材
と、前記駆動伝達部材と該超音波振動子とを内在させた
半透明の可撓性シースと、前記可撓性シースを覆う半透
明のアウターシースを設け、前記指標は前記駆動伝達部
材に設けられたこと、を特徴とする。
【0061】上記構成によれば、駆動伝達部材は、駆動
手段からの駆動力を超音波振動子に伝達、超音波プロー
ブの挿入軸を中心に超音波振動子が回転するラジアルス
キャンと、挿入軸に沿って超音波振動子が進退するリニ
アスキャンとを組み合わせた超音波振動子のスパイラル
スキャンを駆動する。駆動伝達部材に設けられた指標
は、半透明の可撓性シースと、可撓性シースを覆う半透
明のアウターシースを通して、進退の範囲を示す。 (19)上記(18)記載の超音波画像診断装置であっ
て、前記指標が円環状の部材であること、を特徴とす
る。
【0062】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。 (第1の実施の形態)図1から図11までは本発明の第
1の実施の形態にかかり、図1は本発明の第1の実施の
形態の超音波画像診断装置の構成を示し、図2は超音波
プローブの先端側の構造を示し、図3は超音波プローブ
の駆動部の構造を示し、図4はラジアルスキャンとリニ
アスキャンとの組み合わせで、スパイラルスキャンする
説明図を示し、図5はスパイラルスキャンにより得られ
る複数の断層像データを示し、図6は演算処理プロセッ
サが行う一連の処理内容をフローチャートで示し、図7
は図6における脈管抽出の処理内容をフローチャートで
示し、図8は多重エコー及びそれを除去するためにオフ
セット円が設定された断層像データを示し、図9は注目
組織の領域の輪郭をポインタで囲んで抽出する様子を示
し、図10は3次元モデルを構築するための説明図を示
し、図11は画像処理モニタに表示される3次元画像を
示す。
【0063】図1に示すように本発明の第1の実施の形
態の超音波画像診断装置1は超音波を送受する超音波プ
ローブ2と、この超音波プローブ2を用いて超音波観測
のための超音波断層像の表示等を行う超音波観測部3
と、超音波観測部3で得られた超音波エコーデータに対
する画像処理を行う画像処理部4とを有する。
【0064】図2はスパイラルスキャンを行う超音波プ
ローブ2の先端部の構成を示す。フレキシブルシャフト
5の先端には超音波ビームを収束させるためのレンズ6
aを設けた超音波振動子6が配置されており、これらフ
レキシブルシャフト5及び超音波振動子6とは円筒状で
半透明の可撓性シース7の内部に挿通されている。
【0065】この可撓性シース7内には例えば水などの
流動媒体8が満たされており、この流動媒体8は潤滑
剤、及び超音波伝達媒体として機能する。さらに、この
外側には、可撓性シース7を覆うように円筒状で半透明
のアウタシース9が設けられており、体腔内に挿入され
る挿入部を形成している。このアウタシース9と可撓性
シース7との間には、可撓性シース7内と同様に流動媒
体8が満たされている。
【0066】そして、フレキシブルシャフト5には、超
音波プローブ2が行うスパイラルスキャンの挿入軸方向
の範囲を示す反転位置マーカ部材10A,10Bが設け
られており、この反転位置マーカ部材10A,10B
は、赤や黄色などの目視で確認し易い色をしている。
【0067】さらに、反転位置マーカ部材10A,10
Bはパイプなどのように円環状になっており、その外径
は、可撓性シース7との間に隙間が空かないように可撓
性シース7の内径とほぼ同じになっている。こうするこ
とで、反転位置マーカ部材10A,10Bは、可撓性シ
ース7の内部に気泡が存在する場合に、気泡が超音波振
動子6側へ漏れない気泡トラップとしての機能をする。
【0068】図3は、本実施の形態の超音波画像診断装
置1の超音波プローブ2を駆動する駆動部11の構成を
示す。フレキシブルシャフト5の後端は、DCモータ1
2の回転軸に接続されている。可撓性シース7は、駆動
部11内のラジアル回転部13のフレーム14に連結さ
れている。
【0069】アウタシース9は、駆動部11のシャーシ
15に接続されている。DCモータ12の回転は、例え
ば1対1のギア比で噛合するギア16を介してロータリ
エンコーダ17に伝達され、ロータリエンコーダ17か
ら超音波振動子6の回転位置信号が出力される。
【0070】これらDCモータ12、ギア16、ロータ
リエンコーダ17から構成されるラジアル回転部13
は、全体がリニア駆動部材18に接続されている。リニ
ア駆動部材18はボールネジ19に嵌合されており、ボ
ールネジ19の後端はステッピングモータ20の回転軸
に接続されている。
【0071】図1に示す超音波観測部3は、超音波の送
受信の処理及びリアルタイムの超音波断層像の表示を行
い、画像処理部4は、超音波観測部3で得られたエコー
データを基に3次元画像表示のための画像処理を行う。
【0072】超音波観測部3は、超音波振動子6が超音
波の送受信を行う様に、超音波振動子6に電気的なパル
スを送信し、超音波振動子6からの電気的な受信パルス
を増幅し、その強度をデジタルのエコーデータにA/D
変換する送受信部21と、送受信部21で取り込まれた
1枚の断層像を構成するのに必要なエコーデータを記憶
するフレームメモリ22と、フレームメモリ22に記憶
され、超音波振動子6の回転角度、超音波振動子6から
の距離で表される極座標形式で表現されたエコーデータ
を横方向の変位x、縦方向の変位yの形式で表される直
交座標形式で表現された断層像データに座標変換するデ
ジタルスキャンコンバータ(DSCと略記)23と、D
SC23が出力する断層像データをアナログ信号に変換
するD/Aコンバータ24と、D/Aコンバータ24の
出力画像信号を入力してリアルタイムの超音波断層像の
表示を行う観測モニタ25と、駆動部11、送受信部2
1、フレームメモリ22等の各部の制御を行うシステム
コントローラ26とを備えて構成されている。
【0073】画像処理部4は、画像処理等の制御を行う
CPU27と、CPU27が行う制御や後述する演算処
理プロセッサ30が行う各種の処理プログラム等を記憶
する主記憶装置28と、超音波観測部3からの連続した
複数の断層像データ、即ち3次元エコーデータを記憶す
る3次元データ記憶装置29と、3次元データ記憶装置
29に記憶された3次元エコーデータを基に、脈管抽
出、組織抽出、合成、陰面消去、陰影付加、座標変換な
どの各種画像処理を高速に行うための演算処理プロセッ
サ30と、演算処理プロセッサ30の処理結果を記憶す
る3次元処理メモリ31と、制御プログラム及びバック
アップデータ等の情報を記録するハードディスク等から
なる外部記録装置32と、キーボード等の操作用端末3
3と、演算処理プロセッサ30が行う処理に指定が必要
な点や領域を入力するトラックボールなどのポインティ
ングデバイス34と、画像処理後のデータを一時記憶す
るフレームバッファ35と、フレームバッファ35の出
力画像信号をアナログ信号に変換するD/Aコンバータ
36と、D/Aコンバータ36の出力画像信号を入力し
て画像処理後の3次元画像の表示を行う画像処理モニタ
37とを備えて構成されている。また、画像処理部4内
の各部は、データ転送バス38を通じて各種の命令やデ
ータの送受を行っている。
【0074】本実施の形態では後述するように画像処理
部4の演算処理プロセッサ30及びポインティングデバ
イス34等により、被検体の3次元空間に超音波を送受
して得たエコーの強度情報からなる3次元エコーデータ
より脈管と注目組織とを抽出し、脈管と注目組織とを合
成した3次元画像を構築する構成にしたことが特徴とな
っている。
【0075】以下、超音波プローブ2と駆動部11の作
用を説明する。超音波観測を行う際には、超音波プロー
ブ2を体腔内に挿入し、システムコントローラ26がD
Cモータ12の回転軸及びフレキシブルシャフト5を図
3の矢印の方向に回転させる。
【0076】すると、フレキシブルシャフト5の先端に
取り付けた超音波振動子6が回転し、超音波プローブ2
の軸方向(長手方向)に垂直な方向に超音波を放射状に
送波すると共に、音響インピーダンスの変化部分で反射
された反射超音波(エコー信号)を受信する。つまり、
超音波振動子6はラジアル状にスキャンする。
【0077】また、システムコントローラ26は、ロー
タリエンコーダ17からの回転位置信号により超音波振
動子6の回転角度を検出し、回転角度に対し一定の角度
ずつ、ステッピングモータ20の回転軸及びボールネジ
19を回転させる。
【0078】すると、リニア駆動部材18とラジアル回
転部13、従って、フレキシブルシャフト5、超音波振
動子6及び可撓性シース7は、アウタシース9内をフレ
キシブルシャフト5の軸方向にボールネジ19の微小な
ピッチ分づつ進退する。つまり、超音波振動子6は超音
波プローブ2の挿入軸方向にリニア状にスキャンする。
【0079】こうして、図4(A)に示すラジアルスキ
ャンと図4(B)に示すリニアスキャンとを組み合わせ
た図4(C)に示すスパイラルスキャン(或いは3次元
スキャン)を行うことにより、被検体の3次元領域に対
するエコー信号を得る。
【0080】ところで、システムコントローラ26によ
るスパイラルスキャンの制御の詳細を説明すると以下の
通りになる。スキャン開始時のリニア駆動部材18の位
置を図3のAで示す。一方、スキャン開始時には超音波
プローブ2の先端部が図2の状態であるものとし、Aに
対応した超音波振動子6の位置を図2のaで示す。シス
テムコントローラ26によるスキャンが開始されると、
超音波振動子6は回転しながら駆動部11側へ後退す
る。超音波の送受はこの後退時に行うものとする。
【0081】システムコントローラ26は、リニア駆動
部材18が図3のBの位置に達した時、ステッピングモ
ータ20の回転軸及びボールネジ19の回転方向を反転
させる。すると、超音波振動子6は進退の方向を反転さ
せ、駆動部11側から前進する。このBに対して超音波
振動子6の位置を図2のbで示す。
【0082】こうして、超音波振動子6はaからbに示
す範囲をスパイラルスキャンする。このように、作用す
ることにより、使用者は、スパイラルスキャンの開始時
に、例えば、内視鏡の光学観察系より半透明の可撓性シ
ース7とアウタシース9を通し、超音波振動子6、反転
位置マーカ部材10Aを確認することで、この位置a,
bを把握し、スパイラルスキャンの進退の端部を知るこ
とができる。
【0083】また、操作用端末33からの入力により、
超音波振動子6の進退量が短く設定されると、システム
コントローラ26は、リニア駆動部材18が図3のCの
位置に達したとき、ステッピングモータ20の回転軸の
回転方向を反転させ、超音波振動子6はaからcに示す
範囲をスパイラルスキャンする。
【0084】この場合には、使用者は、スパイラルスキ
ャンの開始時に、例えば、内視鏡の光学観察系より超音
波振動子6、反転位置マーカ部材10Bを確認すること
で、この位置a,cを把握し、スパイラルスキャンの進
退の端部を知ることができる。
【0085】以下、超音波観測部3と画像処理部4の作
用を説明する。超音波プローブ2によって得られた超音
波エコー信号は、送受信部21内の増幅器で増幅され
る。その後、送受信部21では、包絡線や包絡線の累
乗、絶対値、平方根などで表されるエコー信号の強度が
検波され、デジタルのエコーデータに変換される。1枚
の超音波断層像を構成するのに必要なエコーデータは、
フレームメモリ22に記憶される。
【0086】そして、DSC23で極座標形式で表現さ
れるエコーデータから直交座標形式で表現される断層像
データに座標変換、及び補間される。その後、断層像デ
ータは、D/Aコンバータ24を経て観測モニタ25に
リアルタイムの超音波断層像として表示される。
【0087】さらに、超音波プローブ2のスパイラルス
キャンによって、この動作を繰り返すことにより、連続
した複数の超音波断層像が順次、観測モニタ25に表示
される。
【0088】一方、断層像データは、そのサイズや各断
層像データ間の距離などの付帯データと共にDSC23
の後段から画像処理部4へ送られるようになっている。
こうして、超音波プローブ2のスパイラルスキャンによ
って得た、図5に示す連続した複数の断層像データ、即
ち3次元エコーデータが画像処理部4へ送られる。な
お、図5では複数の断層像データを各フレーム単位で順
次番号付け、具体的には画像番号No.0,No.1,
…,No.Nのように番号付けしている。
【0089】この3次元エコーデータは、3次元データ
記憶装置29に記憶される。そして、演算処理プロセッ
サ30により、3次元エコーデータから血管、血管以外
の脈管、注目組織が抽出され、合成、陰面消去、陰影付
加、座標変換などの各種画像処理が施される。
【0090】演算処理プロセッサ30の処理結果は、3
次元画像データとして、3次元処理メモリ31に記憶さ
れる。演算処理プロセッサ30が行う処理の詳細は後述
する。
【0091】3次元画像データはフレームバッファ35
へ送られて一時記憶され、D/Aコンバータ36を経て
画像処理モニタ37へ送出される。その後、画像処理モ
ニタ37上に3次元画像が表示される。
【0092】なお、前述の演算処理プロセッサ30によ
る各種画像処理の過程はCPU27によって制御される
ようになっている。以下、主に演算処理プロセッサ30
が行う処理の詳細を説明する。図6は、演算処理プロセ
ッサ30が行う一連の処理を説明する図である。
【0093】図6に示すステップS1では、脈管を抽出
する脈管抽出の処理を行う。図7は、脈管抽出の処理を
説明する図である。具体的には以下のように処理する。
図7に示すステップS11では、3次元エコーデータ記
憶装置29から3次元エコーデータを読み出す。説明の
都合上、この3次元エコーデータを構成する各断層像デ
ータには、スパイラルスキャンより得られた順番に対応
して、図5に示すようなNo.0〜Nまでの画像番号が
付されているとする。
【0094】図7に示すステップS12では、3次元デ
ータ記憶装置29から読み出された3次元エコーデータ
より、脈管抽出の際に邪魔なノイズを除去するために、
断層像データを公知の方法で平滑化する。
【0095】図7に示すステップS13では、最初の断
層像データ、つまり画像番号No.0の断層像データを
超音波断層像として画像処理モニタ37上に表示する。
この断層像データを図8に示す。
【0096】図7に示すステップS14で、脈管抽出の
際に邪魔な、可撓性シース7、アウタシース16からの
超音波の多重反射によるエコー(多重エコー)を除去す
るために、オフセット円を設定し、オフセット円内のデ
ータを3次元エコーデータから除く。
【0097】この多重エコー、オフセット円を図8では
それぞれ符号41、42で示す。図8では、超音波プロ
ーブ2を体腔内の血管以外の脈管αに挿入して得た断層
像データが示されている。
【0098】従って、この断層像データの中心に超音波
振動子6が位置しており、その周囲に多重エコー41が
現れるため、これを囲むようにオフセット円42を設定
する。
【0099】オフセット円42の半径、中心位置は、ポ
インティングデバイス34の制御により画面内を自在に
移動できるポインタ43により設定される。このポイン
タ43は図8のように画像処理モニタ37上に表示され
る。
【0100】図7に示すステップS15では、抽出すべ
き脈管上に抽出開始点を設定する。この抽出開始点の設
定は、ポインティングデバイス34を用い、ポインタに
より抽出したい脈間上に点を設定することで行われる。
図8では、抽出開始点を超音波画像中心に設定した場合
について示している。
【0101】図7に示すステップS16では、抽出開始
点より等角度で放射状にスキャンラインを放射し、この
スキャンライン上で輝度値の変化が有る点を脈管αの壁
と認識する。
【0102】このスキャンラインを図8に矢印として示
す。なお、血管や血管以外の脈管は、通常、実質組織よ
りエコー信号が弱いため、超音波断層像として現れる脈
管内の輝度値は低いことが通例である。そのため、この
ステップS16では、スキャンライン上を抽出開始点か
ら探索して輝度値が最初に大きく上がる点を脈管壁とし
て抽出すれば良い。
【0103】図7に示すステップS17では、抽出され
た脈管の位置を3次元処理メモリ31に出力する。な
お、ステップS16の処理では、脈管壁が複数のスキャ
ンライン上の点として抽出されているため、脈管内の領
域を、この複数の点を順に結んだ閉曲線の内部の領域と
して扱う。
【0104】図7に示すステップS18では、脈管内の
領域の重心を算出する。重心は、脈管内の断層像データ
の構成要素(画素)の座標(x,y)の平均(μx ,μ
y )として算出することができる。
【0105】図7に示すステップS19では、No.N
までの画像に対し、ステップS16からステップS18
までの処理を施したか否か判断し、処理が完了していれ
ば脈管抽出処理を終了させ、そうでなければステップS
16に処理をジャンプして次の画像番号をもつ断層像デ
ータに対し上述の処理を行う。
【0106】なお、次の画像番号をもつ断層像データの
抽出開始点は、ステップS18で算出された重心とす
る。重心を改めて抽出開始点とするのは、各断層像デー
タ上に現れる脈管αが隣接した断層像データ間では、ほ
ぼ同じ位置に現れるため、この重心が隣接した断層像デ
ータ内においても脈管α上の点になるからである。この
ようにして、各断層像データごとに脈管が抽出され、そ
の位置が3次元処理メモリ31に記憶される。
【0107】図6に示すステップS2では、腫瘍などの
注目組織を抽出する。具体的には、以下のようにして抽
出する。まず、3次元データ記憶装置29から3次元エ
コーデータを読み出し、画像処理モニタ37上に断層像
データを超音波断層像として表示する。
【0108】そして、ポインティングデバイス34を用
い、ポインタにより抽出したい領域の輪郭を囲む。さら
に、この動作を、No.0〜Nまでの断層像データの各
々に対して繰り返す。
【0109】この様子を図9に示す。図9に示すように
画像番号No.J(J=1,…,N)の断層像データに
対して、注目組織の領域の輪郭をポインタにより囲む。
そして、抽出された注目組織の位置は3次元処理メモリ
31に出力される。このようにして、各断層像データご
とに注目組織が抽出され、その位置が3次元処理メモリ
31に記憶される。
【0110】図6に示すステップS3では、ステップS
1で抽出された脈管とステップS2で抽出された注目組
織のそれぞれに、断層像データ間の補間処理を施して、
それぞれの3次元モデルを構築する。図10にこのとき
の3次元処理メモリ31への記憶形式を示す。具体的に
は、以下のように処理する。
【0111】まず、脈管と注目組織のそれぞれに対し、
3次元処理メモリ31内に(x,y,z)を座標とする
3次元データ空間を1つずつ用意する。そして、例え
ば、脈管に対する3次元データ空間内では、各断層像デ
ータに対応したz座標をもつ(x,y)平面上の構成要
素(画素)のうち、脈管に対応する位置に存在する画素
にデータとして例えば、青を割り当てる。
【0112】そのほかの領域の画素は無色である。図5
に示すように、各断層像データはz軸は法線として並ん
でいるため、こうしたことは可能である。なお、図10
に升目で示した画素のうち黒く塗りつぶされているもの
が抽出した脈管の位置に存在する画素を示す。
【0113】次に、色を割り当てられた画素間を公知の
方法で補間処理を行う。なお、図10では、断層像デー
タ間にもう一枚の補間された平面を加えることで補間を
行う場合で示している。
【0114】脈管の場合で説明したが、注目組織に対す
る3次元データ空間についても同様の処理を施す。な
お、このとき、画素にデータとして割り当てる色は例え
ば赤である。このようにして、3次元処理メモリ31内
の脈管に対する3次元データ空間にモデル化された脈管
が記憶され、注目組織に対する3次元データ空間にモデ
ル化された注目組織が記憶される。
【0115】図6に示すステップS4では、抽出された
脈管及び注目組織を、1つの3次元データ空間に合成す
る。具体的には、以下のように処理する。まず、3次元
処理メモリ31内に、さらにもう一つの3次元データ空
間を用意する。そして、脈管と注目組織に対する2つの
3次元データ空間内の同じ座標(x,y,z)を有する
画素間でデータを加算する。
【0116】無色の画素と赤の画素、または無色の画素
と青の画素とで加算するときは、赤、または青を加算値
とする。また、赤の画素と青の画素とで加算するとき
は、赤を優先させ赤を加算値とする。このようにして、
脈管と注目組織が1つの3次元データ空間に合成され、
モデル化される。
【0117】図6に示すステップS5では、合成された
脈管と注目組織に陰面消去、陰影付加、座標変換などの
公知の方法の3次元処理を施し、図11に示す3次元画
像を構築する。図6に示すステップS6では、この3次
元画像を画像処理モニタ37上に表示する。
【0118】このように、本実施の形態では、演算処理
プロセッサ30やポインティングデバイス34が第1脈
管抽出手段、組織抽出手段、3次元処理手段、抽出開始
点設定手段として、駆動部11が駆動手段として、フレ
キシブルシャフト5が駆動伝達部材として、反転位置マ
ーカ部材7、8が超音波振動子6の進退の範囲を示す指
標として機能する。
【0119】本実施の形態では、以下の効果を有する。
本実施の形態では、演算処理プロセッサ30やポインテ
ィングデバイス34により、被検体の3次元空間に超音
波を送受して得たエコーの強度情報からなる3次元エコ
ーデータより脈管と注目組織とを抽出し、脈管と注目組
織とを合成した3次元画像を構築するよう構成したた
め、移動情報の得にくい脈管と、注目組織との位置関係
を把握することができる。
【0120】そのため、例えば、腫瘍が移動情報の得に
くい脈管の周囲にどの程度広がっているか把握すること
ができ、例えば、手術による切除範囲を決定する際の重
要な情報を提供することができる。
【0121】また、本実施の形態では、抽出された脈管
と注目組織とを色分けして合成した3次元画像を構築す
るよう構成したため、脈管と注目組織とを目視にて区別
し易い。
【0122】また、本実施の形態では、駆動伝達部材に
設けられた反転位置マーカ部材10A、10Bが、半透
明の可撓性シース7と、可撓性シース7を覆う半透明の
アウタシース9を通して、進退の範囲を示すよう構成し
たため、使用者は、スパイラルスキャンの開始時に、例
えば内視鏡の光学観察系から超音波振動子6、反転位置
マーカ部材10A,10Bを良く観察することができ、
進退の位置a、b、cを把握し、スパイラルスキャンの
進退の端部を知ることができる。従って、注目組織から
のエコー信号を3次元エコーデータとして取得する際の
確実性を増し、検査時間を短くすることができる。
【0123】また、本実施の形態では、反転位置マーカ
部材10A,10Bが円環状であるよう構成したため、
可撓性シース7の内部に気泡が存在する場合に、反転位
置マーカ部材10A,10Bは、気泡が超音波振動子6
側へ来ないように気泡トラップとしての機能を果たし、
超音波振動子6から送受信される超音波、エコーが気泡
に邪魔されなくなるため、良好な断層像データを得るこ
とができる。
【0124】(変形例)第1の実施の形態では、アウタ
シース9内を、フレキシブルシャフト5、超音波振動子
6、可撓性シース7が進退するよう構成したが、可撓性
シース7内をフレキシブルシャフト5、超音波振動子6
が後退する構成にしても良い。この様に構成するとアウ
タシース9は不要である。
【0125】また、本実施の形態では、ステップS12
で断層像データを平滑化した後、ステップS16でスキ
ャンラインを放射し、このスキャンライン上で輝度値の
変化が有る点を脈管壁と認識させたが、ステップS12
の後に、断層像データを2値化処理を施しても良い。こ
のようにすると、脈管壁をよりはっきり認識させること
ができる。
【0126】また、本実施の形態では、画像番号No.
0の断層像データを超音波断層像として画像処理モニタ
37上に表示し、オフセット円や抽出開始点を設定した
が、他の断層像データ上でこれを行っても良い。
【0127】また、本実施の形態では、脈管として血管
以外の脈管αを抽出したが、図7に示すステップS15
で、抽出開始点を図8に示す脈管(血管)β上に設定
し、上述の方法で脈管(血管)βを抽出させても良い。
【0128】また、本実施の形態では、ポインティング
デバイス34を用い、ポインタにより抽出したい領域の
輪郭を囲むことで、3次元エコーデータより注目組織を
抽出したが、この抽出方法は公知の方法であれば何でも
良い。例えば、断層像データが有するテクスチャーパタ
ーンにより求めるようにしても良い。
【0129】また、操作用端末33などから使用者であ
る医師の名前を入力し、その名前により、演算処理プロ
セッサ30が行う処理で設定する必要がある各種パラメ
ータを変更しても良い。この各種パラメータには、例え
ば3次元画像を表示する際の配向や、陰影付加の際の光
量、ステップS16で説明した脈管抽出のために輝度値
が大きく上がる点を抽出する際のしきい値などを含む。
【0130】このように構成すると、使用者の好みで設
定が異なるよう場合でも装置の設定を簡単にすることが
できる。この場合、操作用端末33が使用者識別手段と
して機能する。
【0131】また、ステッピングモータ20が回転する
際のトルクを調整するモータトルク調整つまみを駆動部
11に設けても良い。このとき、モータトルク調整つま
みにより、ステッピングモータ20の図示しない駆動回
路に流す電流を変更することで、トルクを調整するよう
に作用させる。
【0132】ステッピングモータ20は、一般に、駆動
回路に流す電流量に対応した一定力量以上の力量がかか
ると回転しなくなる。そのため、このように構成するこ
とで、この一定力量を簡単に調整することができ、例え
ば、超音波プローブ2が何かに挟まっていてもフレキシ
ブルシャフト5や超音波振動子6を無理に進退させるこ
とがなくなり、超音波プローブ2の破壊を防止すること
ができる。
【0133】また、個々のステッピングモータのこの一
定力量のばらつきを、工場出荷時に簡単に調整すること
ができる。さらに、例えば、超音波プローブ2を口から
挿入する際、食道などの湾曲の少ない部位ではトルクを
弱めにし、十二指腸や膵管、胆管などの湾曲の大きい部
位ではトルクを若干強めにするなど、検査中でも検査部
位に応じたトルクに調整することができる。
【0134】(第2の実施の形態)図12及び図13は
本発明の第2の実施の形態にかかり、図12は本発明の
第2の実施の形態における演算処理プロセッサ30が行
う一連の処理内容をフローチャートで示し、図13は画
像処理モニタ37に表示される3次元画像を示す。本実
施の形態のハードウェアの構成は第1の実施の形態と同
様で、その処理プログラムが異なるので略す。
【0135】本実施の形態の作用を以下に説明する。本
実施の形態では、第1の実施の形態とは演算処理プロセ
ッサ30が行う一連の処理が異なる。そのため、異なる
部分のみを説明する。図12は、演算処理プロセッサ3
0が行う一連の処理を説明する図である。図12に示す
各処理は、第1の実施の形態で説明した図6に示す同番
号の処理と内容は同様である。
【0136】図12に示すステップS1では、第1の実
施の形態で説明した方法で、図8に示す脈管αを抽出す
る。図12に示すステップS1′では、第1の実施の形
態で説明した方法で、図8に示す脈管(血管)βを抽出
する。実際には、ステップS1のステップS15で、抽
出開始点を脈管(血管)β上に設定すれば良い。
【0137】図12に示すステップS3では、第1の実
施の形態で説明した方法で、ステップS1で抽出された
脈管とステップS1′で抽出された脈管のそれぞれに、
断層像データ間の補間処理を施して、それぞれの3次元
モデルを構築する。その他の作用は第1の実施の形態と
同様である。
【0138】このように作用すると、図13に示すよう
な脈管αと脈管βの複雑な走行の関係が、例えば青と赤
の色で互いに色分けされた3次元画像として画像処理モ
ニタ37上に表示される。
【0139】本実施の形態では、以下の効果を有する。
本実施の形態では、被検体の3次元空間に超音波を送受
して得たエコーの強度情報からなる3次元エコーデータ
より複数の脈管を抽出し、複数の脈管を合成した3次元
画像を構築するよう構成したため、移動情報の得にくい
脈管と、血管などの他の脈管との位置関係を把握するこ
とができる。
【0140】また、本実施の形態では、抽出された複数
の脈管どうしを色分けして合成した3次元画像を構築す
るよう構成したため、脈管どうしを目視にて区別し易
い。その他の効果は第1の実施の形態と同様である。
【0141】(変形例)本実施の形態では、脈管αと脈
管(血管)βの2本の脈管を抽出したが、ステップS
1、ステップS1′で説明した処理を繰り返し、もっと
多くの脈管を抽出するようにしても良い。
【0142】(第3の実施の形態)図14及び図15は
本発明の第3の実施の形態にかかり、図14は本発明の
第3の実施の形態における演算処理プロセッサが行う一
連の処理内容を示すフローチャートを示し、図15は画
像処理モニタに表示される3次元画像を示す。
【0143】本実施の形態のハードウェアの構成は第1
の実施の形態と同様で、処理するプログラム内容が異な
るので略す。次に本実施の形態の作用を説明する。本実
施の形態では、第2の実施の形態とは演算処理プロセッ
サ30が行う一連の処理が異なる。そのため、異なる部
分のみを説明する。
【0144】図14は、演算処理プロセッサ30が行う
一連の処理を説明する図である。図14に示す各処理
は、第1の実施の形態、第2の実施の形態で説明した図
6、図12に示す同番号の処理と内容は同様である。
【0145】第1の実施の形態では脈管αと注目組織、
第2の実施の形態では、脈管(血管)βも含め、複数の
脈管α、βを抽出したが、本実施の形態では、第1の実
施の形態で説明した方法で注目組織を抽出し、さらに第
2の実施の形態で説明した方法で複数の脈管α、βと注
目組織とを合成した3次元画像を構築するようにしてい
る。
【0146】なお、脈管αと脈管βと注目組織にはそれ
ぞれ別の色(例えば青、黄、赤)を割り当てる。
【0147】その他の作用は第2の実施の形態と同様で
ある。
【0148】このように処理すると、図15に示すよう
な、図8の脈管α、脈管(血管)β、腫瘍などの注目組
織の複雑な位置関係が、それぞれ例えば青、黄、赤の色
を割り当てられ、互いに色分けされた3次元画像として
画像処理モニタ37上に表示される。
【0149】本実施の形態では、以下の効果を有する。
本実施の形態では、被験者の3次元空間に超音波を送受
して得たエコーの強度情報からなる3次元エコーデータ
より複数の脈管と注目組織を抽出し、3次元エコーデー
タより抽出された複数の脈管、注目組織とを合成した3
次元画像を構築するように構成したため、移動情報の得
にくい脈管と、血管などの他の脈管との位置関係を把握
することができる。
【0150】また、移動情報の得にくい脈管と、注目組
織と、他の脈管との位置関係を把握できる。そのため、
例えば、移動情報の得にくい脈管から発生した腫瘍が血
管や他の脈管に到達しているか否かを鑑別することがで
きる。
【0151】また、本実施の形態では、血管も含め抽出
された複数の脈管どうし、脈管と注目組織を色分けして
合成した3次元画像を構築するよう構成したため、脈管
どうし、脈管と注目組織とを目視にて区別し易い。
【0152】その他の効果は第1の実施の形態、第2の
実施の形態と同様である。
【0153】(第4の実施の形態)図16から図19ま
では第4の実施の形態にかかり、図16は本発明の第4
の実施の形態における超音波プローブ及び駆動部の構成
を示し、図17は本発明の第4の実施の形態の超音波画
像診断装置の構成をブロック図で示し、図18は振動子
アレイにより得られる複数の断層像データを模式的に示
し、図19は演算処理プロセッサが行う一連の処理内容
を示す。
【0154】第1の実施の形態と異なる部分のみを説明
する。図16は、本実施の形態の超音波画像診断装置の
スパイラルスキャンを行う超音波プローブ2の先端部、
及び超音波プローブ2を駆動する駆動部11の構成を示
す図である。フレキシブルシャフト5の先端には複数の
超音波振動子がリニア状に並列されている振動子アレイ
49が設けられている。
【0155】これらフレキシブルシャフト5と振動子ア
レイ49とは円筒状の可撓性シース7の内部に挿通され
ている。可撓性シース7内には例えば水などの流動媒体
8が満たされており、この流動媒体8は潤滑剤、及び超
音波伝達媒体として機能する。
【0156】フレキシブルシャフト5の後端は、DCモ
ータ12の回転軸に接続されている。可撓性シース7
は、駆動部11内のフレーム14に接続されている。D
Cモータ12の回転は、例えば1対1のギア比で噛合す
るギア16を介してロータリエンコーダ17に伝達さ
れ、ロータリエンコーダ17から超音波振動子6の回転
位置信号が出力される。
【0157】図17は、本実施の形態の超音波画像診断
装置の超音波観測部3と、画像処理部4の構成を示す図
である。超音波観測部3は、超音波の送受信及びリアル
タイムのCFM(カラーフローマッピング)画像の表示
を行い、画像処理部4は、超音波観測部3で得られたエ
コーデータを基に3次元画像表示のための画像処理を行
う。
【0158】超音波観測部3は、振動子アレイ49が超
音波の送受信を行う様、振動子アレイ49を構成する各
超音波振動子に電気的なパルスを遅延をかけて送受信
し、受信パルスを増幅する送受信部21と、送受信部2
1で増幅されたエコー信号の強度から断層像データを作
成するBモード像作成部50と、送受信部21による振
動子アレイ49の同一方向への複数回の超音波の送受で
得られた血球のドップラ現象による移動情報から、公知
の方法で血流像データを作成する血流像作成部51と、
断層像データと血流像データとを重畳してCFM画像デ
ータに合成するミキサ52と、ミキサ52の出力するC
FM画像データをアナログ信号に変換するD/Aコンバ
ータ24と、D/Aコンバータ24の出力画像信号を入
力してリアルタイムで断層像データに血流像データが重
畳されたCFM画像の表示を行う観測モニタ25と、駆
動部11、送受信部21、Bモード像作成部50、血流
像作成部51、ミキサ52等の各部の制御を行うシステ
ムコントローラ26とを備えて構成されている。
【0159】なお、Bモード像作成部50は、送受信部
21で増幅されたエコー信号の包絡線を検波し、対数増
幅など各種の方法で増幅し、デジタルのエコーデータに
A/D変換するBモード検波部53と、1枚の断層像を
構築するのに必要なエコーデータを記憶するフレームメ
モリ22−aと、フレームメモリ22−aに記憶された
エコーデータを補間し、横方向の変位x、縦方向の変位
yの形式で表される直交座標形式で表現された断層像デ
ータに変換するDSC23−aとを備えて構成されてい
る。
【0160】また、血流像作成部51は、送受信部21
による振動子アレイ49の同一方向への複数回の超音波
の送受で得られた増幅された各エコー信号の位相を検査
し、比較的遅い移動体からの不要な信号成分を除去し、
操作範囲内の各点の平均速度や分散やパワー等の情報を
含んだドップラデータを演算するドップラ検波演算部5
4と、1枚の血流像を構成するのに必要なドップラデー
タを記憶するフレームメモリ22−bと、フレームメモ
リ22−bに記憶されたドップラデータを補間し、横方
向の変位x、縦方向の変位yの形式で表される直交座標
形式で表現された血流像データに変換するDSC23−
bとを備えて構成されている。
【0161】画像処理部4の構成は、第1の実施の形態
と同様である。次に本実施の形態の作用を説明する。以
下、超音波プローブ2と駆動部11の作用を説明する。
【0162】超音波観測を行う際には、超音波プローブ
2を体腔内に挿入する。そして、送受信部21は、振動
子アレイ49を構成する超音波振動子のうち隣接するい
くつかに電気的なパルスを送信して超音波ビームを形成
する。
【0163】このようにして、超音波プローブ2の軸方
向(長手方向)に垂直に方向に超音波を送波すると共
に、音響インピーダンスの変化部分で反射された反射超
音波(エコー信号)を受信する。
【0164】なお、送受信部21は、振動子アレイ49
が血流の移動情報を得るために超音波の送受を同一方向
へ複数回繰り返すよう超音波振動子を駆動する。さら
に、送受信部21は、駆動する超音波振動子をずらし、
超音波ビームの送受信を図16の矢印の方向へずらして
いく。つまり、振動子アレイ49は超音波プローブ2の
挿入軸方向にリニア状にスキャンする。
【0165】また、システムコントローラ26は、DC
モータ12の回転軸及びフレキシブルシャフト5を図1
6の矢印の方向に回転させる。すると、フレキシブルシ
ャフト5の先端に取り付けた振動子アレイ49が回転す
る。つまり、振動子アレイ49はラジアル状にスキャン
する。
【0166】こうして、リニアスキャンとラジアルスキ
ャンとを組み合わせることにより、被検体の3次元領域
に対するエコー信号を得る。以下、超音波観測部3と画
像処理部4の作用を説明する。
【0167】超音波プローブ2によって得られたエコー
信号は、送受信部21で増幅され、Bモード像作成部5
0と、血流像作成部51に入力される。Bモード像作成
部50内では、この増幅されたエコー信号は、Bモード
検波部53により、強度として包絡線を検波され、対数
増幅など各種の方法で増幅され、デジタルのエコーデー
タにA/D変換される。
【0168】そして、1枚の超音波断層像を構成するの
に必要なエコーデータは、フレームメモリ22−aに記
憶される。その後、フレームメモリ22−aに記憶され
たエコーデータは、DSC23−aにより補間され、横
方向の変位x、縦方向の変位yの形式で表される直交座
標形式で表現された断層像データに変換され、ミキサ5
2に出力される。
【0169】血流像作成部51内では、振動子アレイ4
9の同一方向への複数回の超音波の送受で得られ、増幅
された各エコー信号は、ドップラ検波演算部54によ
り、位相を検波され、比較的遅い移動体からの不要な信
号成分を除去される。
【0170】そして、血球のドップラ現象による周波数
のシフト分のみが抽出され、走査範囲内の各点の平均速
度や分散やパワー等の情報を含んだドップラデータが算
出される。そして、1枚の血流像を構成するのに必要な
トップラデータは、フレームメモリ22−bに記憶され
る。
【0171】フレームメモリ22−bに記憶されたドッ
プラデータは、DSC23−bにより補間され、横方向
の変位x、縦方向の変位yの形式で表される直交座標形
式で表現された血流像データに変換され、ミキサ52に
出力される。
【0172】ミキサ52に入力された断層像データと血
流像データとは、重畳されてCFM(カラーフローマッ
ピング)画像データに合成される。ミキサ52の出力す
るCFM画像データは、D/Aコンバータ24によりア
ナログ信号に変換される。
【0173】D/Aコンバータ24の出力画像信号は、
観測モニタ25にリアルタイムのCFM画像として表示
される。なお、ここで表示されるCFM画像は、振動子
アレイ49のリニアスキャンによって得られたリニア状
のCFM画像である。
【0174】さらに、振動子アレイ49が回転すること
によって、この動作を繰り返すことにより、連続した複
数のCFM画像が順次、観測モニタ25に表示される。
【0175】一方、断層像データとし血流像データは、
そのサイズや各断層像データ、各血流像データ間の角度
などの付帯データと共にDSC23−a、23−bの後
段から画像処理部4へ送られる。
【0176】こうして、振動子アレイ49の回転によっ
て得た、図18に示す連続した複数の断層像データとし
血流像データ、即ち3次元エコーデータと3次元ドップ
ラデータが画像処理部4へ送られる。この3次元エコー
データと3次元ドップラデータは、3次元データ記憶装
置29に記憶される。
【0177】3次元データ記憶装置29に記憶された3
次元エコーデータと3次元ドップラデータは、演算処理
プロセッサ30により、3次元エコーデータから血管以
外の脈管、注目組織が抽出され、3次元ドップラデータ
から血管が抽出される。そして、合成、陰面消去、陰影
付加、座標変換などの各種画像処理を施される。
【0178】演算処理プロセッサ30の処理結果は、3
次元画像データとして、3次元処理メモリ31に記憶さ
れる。演算処理プロセッサ30が行う処理の詳細は後述
する。
【0179】3次元画像データはフレームバッファ35
へ送られて一時記憶され、D/Aコンバータ36を経て
画像処理モニタ37へ送出される。その後、画像処理モ
ニタ37上に3次元画像が表示される。
【0180】なお、前述の演算処理プロセッサ30によ
る各種画像処理の過程はCPU27によって制御される
ようになっている。以下、主に演算処理プロセッサ30
が行う処理の詳細を説明する。
【0181】図19は、演算処理プロセッサ30が行う
一連の処理を説明する図である。図19に示す各処理
は、第1の実施の形態で説明した図6に示す同番号の処
理と内容は同様である。
【0182】図19に示すステップS1では、3次元エ
コーデータから第1の実施の形態で説明した方法で、脈
管を抽出する。図19に示すステップS2では、3次元
エコーデータから第1の実施の形態で説明した方法で、
注目組織を抽出する。
【0183】図19に示すステップS7では、3次元ド
ップラデータから血管を抽出する。具体的には、各血流
像データにしきい値処理を施し、血球、すなわち血流に
よる周波数のシフト分が大きいところを血管として抽出
する。
【0184】図19に示すステップS8では、ステップ
S1で抽出された脈管、ステップS2で抽出された注目
組織、ステップS7で抽出された血管のそれぞれに、断
層像データ、血流像データ間の補間処理を施して、それ
ぞれの3次元モデルを構築する。具体的には、以下のよ
うに処理する。
【0185】まず、脈管と注目組織と血管のそれぞれに
対し、3次元処理メモリ31内に(x,y,z)を座標
とする3次元データ空間を1つずつ用意する。そして、
例えば、脈管に対する3次元データ空間内では、各断層
像データ中で抽出された脈管に対応する位置に存在する
画素にデータとして青を割り当てる。そのほかの領域の
画素は無色である。
【0186】次に、色を割り当てられた画素間に公知の
方法で補間処理を行う。そして、注目組織に対する3次
元データ空間についても同様の処理を施す。なお、この
とき、画素にデータとして割り当てる色は赤である。さ
らに、血管に対する3次元データ空間についても同様の
処理を施す。この時、画素にデータとして割り当てる色
は黄である。
【0187】このようにして、3次元処理メモリ31内
の脈管に対する3次元データ空間にモデル化された脈管
が記憶され、注目組織に対する3次元データ空間にモデ
ル化された注目組織が記憶され、血管に対する3次元デ
ータ空間にモデル化された血管が記憶される。
【0188】図19に示すステップS4では、抽出され
た脈管と注目組織と血管を第1の実施の形態で説明した
方法で、1つの3次元データ空間に合成する。その他の
作用は第1の実施の形態と同様である。
【0189】このように作用すると、図15に示すよう
な、血管も含め、複雑な脈管どうし、脈管と注目組織の
位置関係が、互いに色分けされた3次元画像として画像
処理モニタ37上に表示される。このように、本実施の
形態では、演算処理プロセッサ30が第2脈管抽出手段
として機能する。
【0190】本実施の形態では、以下の効果を有する。
本実施の形態では、被検体の3次元空間にを超音波を送
受して得たエコーの強度情報からなる3次元エコーデー
タより脈管と注目組織を抽出し、被検体の3次元空間に
超音波を送受して得た移動体の移動情報からなる3次元
ドップラデータより脈管(血管)を抽出し、3次元エコ
ーデータより抽出された脈管、注目組織と3次元ドップ
ラデータより抽出された脈管とを合成した3次元画像を
構築するよう構成したため、移動情報の得にくい脈管
と、血管などの他の脈管との位置関係を把握することが
できる。
【0191】また、移動情報の得にくい脈管と、注目組
織と、血管との位置関係を把握できる。そのため、例え
ば、移動情報の得にくい脈管から発生した腫瘍が血管に
到達しているか否かを鑑別することができる。
【0192】また、本実施の形態では、血管も含め抽出
された複数の脈管どうし、脈管と注目組織を色分けして
合成した3次元画像を構築するよう構成したため、脈管
どうし、脈管と注目組織とを目視にて区別し易い。その
他の効果は第1の実施の形態と同様である。
【0193】(変形例)本実施の形態では、超音波振動
子をリニア状に配した振動子アレイ49を用いたが、超
音波振動子の配列に扇型のカーブをもたせ、一般にコン
ベックスと呼ばれている振動子アレイでも良い。また、
振動子アレイ49を構成する超音波振動子の配列形状は
これらの例に限らない。
【0194】(第5の実施の形態)図20から図25ま
では第5の実施の形態にかかり、図20は本発明の第5
の実施の形態における演算処理プロセッサが行う一連の
処理内容をフローチャートで示し、図21は画像処理モ
ニタに表示される4枚の断面の候補を示し、図22は最
終的に構築される3次元画像を示し、図23は脈管αの
壁を認識する処理の説明図を示し、図24は第5の実施
の形態の変形例における3次元画像を示し、図25は他
の変形例における3次元画像を示す。
【0195】本実施の形態のハードウェアの構成は第3
の実施の形態と同様で処理するプログラムが異なるのみ
であるので略す。次に本実施の形態の作用を説明する。
【0196】本実施の形態では、第3の実施の形態とは
演算処理プロセッサ30が行う一連の処理が異なる。そ
のため、異なる部分のみを説明する。なお、第3の実施
の形態では、注目組織と複数の脈管とを抽出し、複数の
脈管と注目組織とを合成した3次元画像を構築するよう
にしたが、本実施の形態では、さらに、3次元エコーデ
ータの階調を有する超音波断層像(以下、単に「断面」
と呼ぶ)を合成した3次元画像を構築する。
【0197】図20は、演算処理プロセッサ30が行う
一連の処理を説明する図である。図20に示す各処理
は、第3の実施の形態で説明した図14に示す同番号の
処理と内容は同様である。
【0198】図20に示すステップS9では、合成すべ
き断面の位置を設定する。具体的には、以下のように作
用する。
【0199】まず、3次元データ記憶装置29から3次
元エコーデータを読み出す。そして、この3次元エコー
データに補間等の処理を施して、画像処理モニタ37上
に、図21で示される4枚の断面を構築し、表示する。
このときに、第1の実施の形態で説明した方法で、オフ
セット円を設定し、多重エコーを除去しても良い。
【0200】図21では、画像処理モニタ37上に表示
される3次元画像に合成される4枚の断面の候補が示さ
れている。ここでは、抽出すべき脈管α、脈管(血管)
βが示されており、腫瘍などの注目組織は梨地模様の部
分として示されている。
【0201】なお、図22では、この断面を適当に設定
して最終的に構築される3次元画像が示されており、図
21の断面A,B,C,Dは、図22の断面A,B,
C,Dに対応している。
【0202】即ち、断面Cは断面A,Dに垂直で、図2
1に示す切断線+を含む断面、断面Bは同様に図21に
示す切断線×を含む断面である。また、断面Aは断面
B、Cに垂直で、図21に示す切断線△を含む断面、断
面Dは同様に図21に示す切断線□を含む断面である。
【0203】図22において、z軸は超音波プローブ2
の挿入軸に設定されているため、このz軸に垂直で互い
に平行な断面AとDをラジアル面、z軸に平行な断面B
とCをリニア面として設定する。
【0204】この場合、断面Aをラジアルスキャンの前
側の面としてラジアル面、断面Dをラジアルスキャンの
後側の面としてラジアル後と記す。また、図22に示す
ようにy軸を上方向に設定して3次元表示を行う場合に
対応させて、断面Bをリニア横、断面Cをリニア上と記
す。
【0205】ところで、図22に示すz軸は図5に示す
z軸と同じ方向に設定されているため、実際にステップ
S9で新たに構築しなければならない断面はリニア面の
みで、ラジアル面は連続する複数の断層像データから選
ぶだけで良い。
【0206】これらの切断線+、×、△、□は、任意に
設定することができる。実際には、図21のリニア横の
断面の矢印で示すように、画面上の+、×、△、□のマ
ーク上に、ポインティングデバイス34の制御により画
面内を自在に移動できるポインタ43を設定し、このマ
ークを移動させることで行う。
【0207】また、ラジアル前、ラジアル後の断面は、
断面の中心Oの周りに任意の角度で回転させることがで
きる。実際には、図21のラジアル前の断面の矢印で示
すように、ラジアル面上でポインタ43を設定し、移動
させることで行う。
【0208】切断線が移動する、すなわちリニア面が移
動するとき、またはラジアル面が回転するときには、全
ての断面がこれに連動して更新される。なお、ポインタ
を設定したり、設定を解除したりすることは、ポインテ
ィングデバイス34に設けられた図示しないボタンをク
リックするなど周知の方法で行う。このようにして、図
22に示す断面の位置が任意に設定される。
【0209】図20に示すステップS10では、図21
に示す脈管αを抽出する。具体的には、以下のようにし
て処理する。第1の実施の形態で説明した方法で、ラジ
アル前の断面内で抽出開始点を設定し、この点から等角
度で放射状にスキャンラインを放射し、このスキャンラ
イン上で輝度値の変化が有る点を脈管αの壁と認識す
る。
【0210】なお、ここでは、抽出開始点を中心Oに設
定する。また、ここでは切断線+と×で分割される象限
のうち、抽出開始点とは対角にある象限に対してのみス
キャンラインを放射するようにする。
【0211】図21では右上の象限に抽出開始点がある
ので、抽出される脈管αの壁を自動的に図21の左下の
象限にある部分のみになる。図23にこの様子を示す。
そして、抽出された脈管壁の位置を3次元処理メモリ3
1に出力する。
【0212】さらに、これをラジアル前の断面に対応す
る断層像データからラジアル後の断面に対応する断層像
データまで繰り返す。ただし、繰り返す際の抽出開始点
は、ラジアル前の断面で設定された点(この場合は中心
O)で固定する。図20に示すステップS1′では、第
1の実施の形態で説明した方法で、図21に示す脈管β
を抽出する。図20に示すステップ2では、第1の実施
の形態で説明した方法で、図21に示す注目組織を抽出
する。図20に示すステップS21では、第1の実施の
形態で説明した方法で、ステップS9で位置を設定され
た図21の断面Aのうち左下の象限内の部分と、断面B
のうち切断線△と□に挟まれ切断線+より下側の部分
と、断面Cのうち切断線△と□に挟まれ切断線×より左
側の部分と、断面Dのうちの左下の象限以外の部分と、
ステップS10で抽出された脈管αのうち切断線△と□
に挟まれ左下の象限にある部分と、ステップS1′で抽
出された脈管βのうち切断線△と□に挟まれた部分と、
ステップS2で抽出された注目組織のうち切断線△と□
に挟まれ左下の象限にある部分のそれぞれに、断層像デ
ータ間の補間処理を施して、それぞれの3次元モデルを
構築する。
【0213】なお、断面の位置に存在する画素にはデー
タとしてエコーデータを反映した白から黒までの階調を
割り当てる。脈管α、脈管β、注目組織の位置に存在す
る画素にはデータとして、それぞれ、例えば青、黄、赤
を割り当てる。
【0214】図20に示すステップS22では、位置を
設定された断面と、抽出された脈管αと、脈管βと、注
目組織とを1つの3次元データ空間に合成する。なお、
脈管αは表面のみが合成され、断面A、B、Cは脈管α
の内部を除いて合成されるようにする。その他の作用は
第2の実施の形態と同様である。
【0215】このように作用すると、図22に示すよう
に、脈管α、脈管β、腫瘍などの注目組織の複雑な位置
関係が、それぞれ例えば青、黄、赤の色を割り当てら
れ、互いに色分けされた3次元画像として画像処理モニ
タ37上に表示されるばかりでなく、エコーデータの階
調を割り当てられた断面も同時に表示される。
【0216】このように、本実施の形態では、演算処理
プロセッサ30やポインティングデバイス34が断面設
定手段として機能する。本実施の形態では、以下の効果
を有する。
【0217】本実施の形態では、演算処理プロセッサ3
0やポインティングデバイス34により、3次元エコー
データにおいて、3次元エコーデータの階調を有する断
面の位置を設定し、断面と、抽出された脈管と、抽出さ
れた注目組織とを合成した3次元画像を構築するよう構
成したため、抽出された組織や脈管以外の部分を断面上
で観察し、抽出された部分との位置関係を容易に把握す
ることができる。また、2次元の断面上でエコーデータ
の階調により診断することができる。
【0218】本実施の形態では、抽出開始点の位置と複
数の断面の位置により決定される抽出範囲内にのみスキ
ャンラインを延伸させることで、脈管抽出処理を3次元
画像を構築するために必要な抽出範囲に限定するよう構
成したため、脈管の全周囲にスキャンラインを延伸させ
る方法に比べて、処理を高速に行うことができる。その
他の効果は第3の実施の形態と同様である。
【0219】(変形例)本実施の形態では、脈管(血
管)βを3次元エコーデータから抽出したが、第4の実
施の形態で説明したような3次元トップラデータから抽
出する方法をとっても良い。
【0220】また、本実施の形態では、複数の断面と抽
出された脈管や注目組織とを合成したが、断面を1枚の
み設定し、図24のような3次元画像に合成して画像処
理モニタ37の表示面37aに表示しても良い。
【0221】さらに、図25のように、演算処理プロセ
ッサ30やポインティングデバイス34により、設定さ
れた断面の位置を示す指標と、抽出された脈管と、抽出
された注目組織とを合成した3次元画像を構築し、画像
処理モニタ37の表示面37aに、3次元画像と断面と
を同時に表示するよう構成しても良い。
【0222】このように構成すると、断面が図24のよ
うに斜めにならず通常の超音波断層像での観察と同じ感
覚で観察することができる。この場合には、画像処理モ
ニタ37は、表示手段として機能する。
【0223】また、本実施の形態では、ステップS10
で抽出開始点を中心Oに設定したが、脈管αを抽出する
処理を行う断層像データ上で、常に脈管α上にあるよう
な位置であればどこでも構わない。
【0224】(第6の実施の形態)図26及び図27は
本発明の第6の実施の形態にかかり、図26は本発明の
第6の実施の形態における超音波プローブ内のフレキシ
ブルシャフトの先端部の構造を示し、図27は超音波観
測部の構成をブロック図で示す。
【0225】第1の実施の形態と異なる部分のみを説明
する。
【0226】図26は、本実施の形態の超音波画像診断
装置のスパイラルスキャンを行う超音波プローブ2内の
フレキシブルシャフト5の先端部の構成を示す図であ
る。本実施の形態では、2個の超音波振動子6−cと6
−dが、ラジアルスキャンで超音波を送受する際の送受
信面が距離δ/2だけ平行に離れるように、ずらして設
けられている。また、超音波振動子6−cと6−dとは
超音波を送受する面が180°異なる側に取り付けられ
ている。なお、このδ/2は、スパイラルスキャンを行
う際にフレキシブルシャフト5が1回転したときの進退
幅δの半分である。
【0227】図27は、本実施の形態の超音波画像診断
装置の超音波観測部3の構成を示す図である。超音波振
動子6−c、6−dに対応して、送受信部21−c、2
1−d、フレームメモリ22−c、22−d、DSC2
3−c、23−dの2系統の信号処理回路が設けられて
いる。そして、そのうちの1系統には、フレームメモリ
22−dとDSC23−dとの間に回転部55が設けら
れている。
【0228】また、DSC23−c、23−dから出力
される断層像データは、切換器56に入力し、画像処理
部4への出力が切り換えられるようになっている。さら
に、駆動部11に設けられたロータリエンコーダ17か
らの回転位置信号は、切換器56に入力する。その他の
構成は第1の実施の形態と同様である。
【0229】次に本実施の形態の作用を説明する。2系
統ある送受信部21は、システムコントローラ26の制
御により超音波振動子6−c、6−dとを同期して駆動
する。2系統あるうちの1系統では、送受信部21−d
から出力されたエコーデータが回転部55に入力され
る。
【0230】そして、回転部55では、DSC23−
c、23−dが出力する断層像データの向きが一致する
ように、180°回転するべくエコーデータに座標変換
が施される。DSC23−cと23−dが出力する2系
統の断層像データは、ロータリエンコーダ17からの回
転位置信号により、フレキシブルシャフト5が180°
回転することに画像処理部4へ切り換えて出力される。
その他の作用は第1の実施の形態と同様である。
【0231】本実施の形態では、以下の効果を有する。
本実施の形態では、ラジアルスキャンの送受信面を違え
て設けられた複数個の超音波振動子6−c、6−dがス
パイラルスキャンを行うことにより得る、連続する複数
枚の断層像データより1つの3次元エコーデータを構成
するよう構成したため、フレキシブルシャフト5が1回
転したときの進退幅δの半分の間隔で1枚の断層像デー
タを得ることができ、進退幅の間隔で1枚の断層像デー
タを得る第1の実施の形態と比べ分解能は半分に向上す
る。
【0232】そのため、走査時間を長くせず、超音波プ
ローブの挿入軸方向の分解能を向上させることができ
る。その他の効果は第1の実施の形態と同様である。
【0233】(変形例)本実施の形態では、2個の超音
波振動子6−cと6−dを、ラジアルスキャンで超音波
を送受する際の送受信面が距離δ/2だけ平行に離れる
ように、ずらして設けたが、超音波振動子は複数個であ
れば何個でも良く、例えば3個でも良い。超音波振動子
の数をn個にしたいときには、互いの送受信面が距離δ
/nだけ平行に離れるように、ずらして設ければ良い。
このように構成すると、断層像データの間隔をさらに狭
くして分解能を向上させることができる。
【0234】(第7の実施の形態)図28は本発明の第
7の実施の形態における体動の影響を考慮して3次元エ
コーデータを決定する処理を示す。本実施の形態の構成
は第1の実施の形態と同様なので略す。次に本実施の形
態の作用を説明する。第1の実施の形態と異なる部分の
みを説明する。
【0235】本実施の形態では、まず、超音波プローブ
2を動かさずに超音波振動子6のスパイラルスキャンを
n+1回繰り返す。そして、図5に示す複数枚の断層像
データからなる3次元エコーデータが、図28に示すよ
うにセット0,セット1,…,セットnのn+1セット
分だけ得られ、3次元データ記憶装置29に記憶され
る。
【0236】演算処理プロセッサ30は、脈管や注目組
織を抽出し3次元画像を構築する前に、体動による断層
像間のぶれを補正する。具体的には以下のように処理す
る。まず、各セットから同じ画像番号の断層像データを
比較し、体動が生じたときの断層像データを抽出する。
抽出された断層像データの画像番号を図28に示すよう
にNo.Kとする。この場合には、n+1個の画像デー
タとなる。
【0237】超音波振動子6は被検体の同じ部位をスパ
イラルスキャンするはずなので、これらNo.Kの断層
像データは、体動による影響がなければ同じになるはず
である。
【0238】断層像データ間の比較、体動が生じたとき
の断層像データの抽出は、断層像データ内の同じ位置に
設けた比較点におけるエコーデータの階調、すなわち輝
度値を比較することにより行う。
【0239】具体的には、全比較点での輝度値の平均値
を求め、あらかじめ設定したしきい値を越えるような、
比較点での輝度値が他の断層像データに比べ大きく異な
る断層像データを、体動が生じたときの断層像データと
みなす。
【0240】次に、体動が生じたときの断層像データを
除き、もう一度、比較点の輝度値の平均値を算出する。
こうすることで、ゆらぎの少ない情報から平均値を算出
することができる。
【0241】そして、この平均値に最も近い断層像デー
タを、画像No.Kの代表断層像データとする。
【0242】以上の作用を他の画像番号の断層像データ
にも適用し、連続する複数の代表断層像データを改めて
3次元エコーデータとする。そして、この3次元エコー
データを用い、3次元画像を構築する。
【0243】このように、本実施の形態では、3次元デ
ータ記憶装置29が記憶手段として、演算処理プロセッ
サ30が体動認識手段として機能する。
【0244】本実施の形態では、以下の効果を有する。
【0245】本実施の形態では、超音波プローブの挿入
軸を中心に超音波振動子が回転するラジアルスキャン
と、挿入軸に沿って超音波振動子が進退するリニアスキ
ャンとを組み合わせた超音波振動子のスパイラルスキャ
ンを複数回繰り返させ、3次元データ記憶装置29が、
超音波プローブの複数回の進退により得た、複数セット
にわたる連続する複数の断層像データを記憶し、演算処
理プロセッサ30が、3次元データ記憶装置29に記憶
された複数セット間で、同位置での断層像データを比較
し、断層像データ間の体動を認識することで、体動が補
正された連続する複数の代表断層像データを1セット構
成するようにしたため、体動による断層像間のぶれを補
正し、歪みの無い良好な3次元エコーデータを取得する
ことができる。
【0246】その他の作用は第1の実施の形態と同様で
ある。
【0247】(変形例)本実施の形態では、比較点の輝
度値がその平均値に最も近い断層像データを代表断層像
データとしたが、代表断層像データを特定の断層像デー
タから選ぶのではなく、複数の断層像データを平均する
ことで作成しても良い。このように構成すると、断層像
データ上でランダムに発生するノイズを抑えることがで
きる。
【0248】また、本実施の形態では、体動が生じたと
きの断層像データの抽出をするために用いるしきい値を
あらかじめ設定しておくため、比較点の輝度値の平均値
と分散値を算出し、そこからしきい値を決定するように
しても良い。このように構成すると、輝度値のばらつき
を考慮したしきい値を設定することができる。
【0249】また、本実施の形態では、比較点における
輝度値を比較することで断層像データ間の比較、体動が
生じたときの断層像データの抽出を行ったが、断層像デ
ータの比較点間にノイズによる輝度差があると考えられ
るときには、断層像データをあらかじめ平滑化しても良
い。
【0250】また、比較点を複数の位置に設け、同位置
にある比較点の輝度値をそれぞれ別々に比較しても良
い。また、点ではなく、ある領域の平均輝度値を比較し
ても良い。このように構成すると、ノイズなど、断層像
データ内のゆらぎによる影響が少なくなり、体動が生じ
たときの断層像データの抽出をより正確に行うことがで
きる。
【0251】また、本実施の形態では、演算処理プロセ
ッサ30により認識された体動の生じた断層像データを
除くことにより、体動が補正された連続する複数の代表
断層像データを1セット構成するようにしたが、同位置
での断層像データを比較し、2次元相関関数を算出する
など、公知の方法により断層像データの位置を補正する
ことで、代表断層像データを構成するようにしても良
い。
【0252】(第8の実施の形態)図29は本発明の第
8の実施の形態における超音波プローブの先端側の構造
を示す。本実施の形態の構成は第1の実施の形態と殆ど
同じであり、従って、異なる部分のみを説明する。
【0253】図29は、本実施の形態の超音波画像診断
装置のスパイラルスキャンを行う超音波プローブ2の先
端部の構成を示す図である。本実施の形態では、第1の
実施の形態で説明した反転位置マーカ部材10A,10
Bの代わりに、アウタシース9上に開始位置マーカ5
7、反転位置マーカ58、59が描かれている。
【0254】この開始位置マーカ57、反転位置マーカ
58、59は第1の実施の形態で説明した超音波振動子
6のスパイラルスキャンの端部を示す。その他の構成は
第1の実施の形態と同様である。
【0255】このように、本実施の形態では、開始位置
マーカ57、反転位置マーカ58、59が超音波振動子
6の進退範囲を示す指標として機能する。本実施の形態
の作用は第1の実施の形態と同様なので略す。
【0256】本実施の形態では、以下の効果を有する。
本実施の形態では、開始位置マーカ57、反転位置マー
カ58、59が、その自身は進退しないアウタシース9
上に描かれているため、スパイラルスキャンの開始時だ
けでなく、スパイラルスキャンを行っている途中でも、
常に進退の位置a、b、cを把握し、スパイラルスキャ
ンの進退の端部を知ることができる。その他の効果は第
1の実施の形態と同様である。
【0257】(変形例)本実施の形態では、アウタシー
ス9内を、フレキシブルシャフト5、超音波振動子6、
可撓性シース7が進退するよう構成しているが、可撓性
シース7内をフレキシブルシャフト5、超音波振動子6
が進退する構成にしても良い。この場合には、開始位置
マーカ57、反転位置マーカ58、59は可撓性シース
7上に描かれていても良い。
【0258】[付記] 1.被検体の脈管を抽出する第1脈管抽出手段と、前記
第1脈管抽出手段により抽出された該脈管の3次元画像
を構築する3次元処理手段とを設けた超音波画像診断装
置において、前記第1脈管抽出手段は、被検体の3次元
空間に超音波を送受して得たエコーの強度情報からなる
3次元エコーデータより該脈管を抽出し、該3次元エコ
ーデータより注目組織を抽出する組織抽出手段を設け、
前記3次元処理手段は、前記第1脈管抽出手段により抽
出された該脈管と前記組織抽出手段により抽出された該
注目組織とを合成した3次元画像を構築することを特徴
とする超音波画像診断装置。
【0259】2.前記3次元処理手段は、前記第1脈管
抽出手段により抽出された該脈管と前記組織抽出手段に
より抽出された該注目組織とを互いに色分けして合成し
た3次元画像を構築すること、を特徴とする付記1記載
の超音波画像診断装置。
【0260】3.被検体の脈管を抽出する第1脈管抽出
手段と、前記第1脈管抽出手段により抽出された該脈管
の3次元画像を構築する3次元処理手段とを、設けた超
音波画像診断装置において、前記第1脈管抽出手段は、
被検体の3次元空間に超音波を送受して得たエコーの強
度情報からなる3次元エコーデータより複数の該脈管を
抽出し、前記3次元処理手段は、前記第1脈管抽出手段
により抽出された複数の該脈管を合成した3次元画像を
構築すること、を特徴とする超音波画像診断装置。
【0261】4.前記3次元処理手段は、前記第1脈管
抽出手段により抽出された複数の該脈管どうしを互いに
色分けして合成した3次元画像を構築すること、を特徴
とする付記3記載の超音波画像診断装置。
【0262】5.被検体の脈管を抽出する第1脈管抽出
手段と、前記第1脈管抽出手段により抽出された該脈管
の3次元画像を構築する3次元処理手段とを、設けた超
音波画像診断装置において、前記第1脈管抽出手段は、
被検体の3次元空間に超音波を送受して得たエコーの強
度情報からなる3次元エコーデータより該脈管を抽出
し、被検体の3次元空間に超音波を送受して得た移動体
の移動情報からなる3次元ドップラデータより脈管を抽
出する第2脈管抽出手段を設け、前記3次元処理手段
は、前記第1脈管抽出手段により抽出された該脈管と前
記第2脈管抽出手段により抽出された該脈管とを合成し
た3次元画像を構築すること、を特徴とする超音波画像
診断装置。 6.前記3次元処理手段は、前記第1脈管抽出手段によ
り抽出された該脈管と前記第2脈管抽出手段により抽出
された該脈管とを互いに色分けして合成した3次元画像
を構築すること、を特徴とする付記5記載の超音波画像
診断装置。
【0263】7.被検体の脈管を抽出する第1脈管抽出
手段と、前記第1脈管抽出手段により抽出された該脈管
の3次元画像を構築する3次元処理手段とを、設けた超
音波画像診断装置において、前記第1脈管抽出手段は、
被検体の3次元空間に超音波を送受して得たエコーの強
度情報からなる3次元エコーデータより該脈管を抽出
し、該3次元エコーデータより注目組織を抽出する組織
抽出手段と、被検体の3次元空間に超音波を送受して得
た移動体の移動情報からなる3次元ドップラデータより
脈管を抽出する第2脈管抽出手段とを設け、前記3次元
処理手段は、前記第1脈管抽出手段により抽出された該
脈管と、前記第2脈管抽出手段により抽出された該脈管
と、前記組織抽出手段により抽出された該注目組織とを
合成した3次元画像を構築すること、を特徴とする超音
波画像診断装置。
【0264】8.前記3次元処理手段は、前記第1脈管
抽出手段により抽出された該脈管と、前記第2脈管抽出
手段により抽出された該脈管と、前記組織抽出手段によ
り抽出された該注目組織とを互いに色分けして合成した
3次元画像を構築すること、を特徴とする付記7記載の
超音波画像診断装置。
【0265】9.前記第1脈管抽出手段は、該3次元エ
コーデータが有する周囲との輝度差により該脈管を抽出
すること、を特徴とする付記1、2、3、4、5、6、
7、8記載の超音波画像診断装置。
【0266】10.該3次元エコーデータは、被検体の
3次元空間に超音波を送受して得たエコーの強度情報か
らなる複数の断層像データから構成され、前記第1脈管
抽出手段は、複数の該断層像データ上で、抽出開始点を
設定する抽出開始点設定手段を設け、複数の該断層像デ
ータ上で、前記抽出開始点設定手段により設定された該
抽出開始点からスキャンラインを放射状に延伸させて脈
管壁を探索することにより、該脈管を抽出すること、を
特徴とする付記9記載の超音波画像診断装置。
【0267】11.該3次元エコーデータにおいて、該
3次元エコーデータの階調を有する複数の断面の位置を
設定する断面設定手段を設け、前記第1脈管抽出手段
は、前記抽出開始点設定手段が設定する該抽出開始点の
位置と前記断面設定手段が設定する複数の該断面の位置
により決定される抽出範囲内に該スキャンラインを延伸
させること、を特徴とする付記10記載の超音波画像診
断装置。
【0268】12.該3次元エコーデータにおいて、該
3次元エコーデータの階調を有する断面の位置を設定す
る断面設定手段を設け、前記3次元処理手段は、前記断
面設定手段により位置を設定された該断面と、前記第1
脈管抽出手段により抽出された該脈管と、前記第2脈管
抽出手段により抽出された該脈管、もしくは前記組織抽
出手段により抽出された該注目組織とを合成した3次元
画像を構築すること、を特徴とする付記1、2、3、
4、5、6、7、8、9記載の超音波画像診断装置。
【0269】13.該3次元エコーデータにおいて、該
3次元エコーデータの階調を有する断面の位置を設定す
る断面設定手段を設け、前記3次元処理手段は、前記断
面設定手段により設定された該断面の位置を示す指標
と、前記第1脈管抽出手段により抽出された該脈管と、
前記第2脈管抽出手段により抽出された該脈管、もしく
は前記組織抽出手段により抽出された該注目組織とを合
成した3次元画像を構築し、前記3次元処理手段により
該指標を合成して構築された該3次元画像と、該断面と
を同時に表示する表示手段を設けたこと、を特徴とする
付記1、2、3、4、5、6、7、8、9記載の超音波
画像診断装置。
【0270】14.被検体に超音波を送信し、エコーを
受信する超音波振動子を先端に設けた超音波プローブ
と、前記超音波プローブの挿入軸を中心に該超音波振動
子が回転するラジアルスキャンと、該挿入軸に沿って該
超音波振動子が進退するリニアスキャンとを組み合わせ
た該超音波振動子のスパイラルスキャンを駆動する駆動
手段と、該超音波振動子からのエコー信号より、連続す
る複数の断層像データを得る超音波画像診断装置におい
て、該超音波振動子が、該ラジアルスキャンの送受信面
を違えて複数個設けられており、複数個の該超音波振動
子が該スパイラルスキャンを行うことにより得る、連続
する複数枚の断層像データより1つの3次元エコーデー
タを構成すること、を特徴とする超音波画像診断装置。
【0271】15.被検体に超音波を送信し、エコーを
受信する超音波振動子を先端に設けた超音波プローブ
と、前記超音波プローブの挿入軸を中心に該超音波振動
子が回転するラジアルスキャンと、該挿入軸に沿って該
超音波振動子が進退するリニアスキャンとを組み合わせ
た該超音波振動子のスパイラルスキャンを駆動する駆動
手段と、該超音波振動子からのエコー信号より、連続す
る複数の断層像データを得る超音波画像診断装置におい
て、前記駆動手段が、前記超音波プローブの該進退を複
数回繰りかえさせ、前記超音波プローブの該複数回の進
退により得た、複数セットにわたる該連続する複数の断
層像データを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶
された該複数セット間で、同位置での断層像データを比
較し、該断層像データ間の体動を認識する体動認識手段
を設け、体動が補正された連続する複数の代表断層像デ
ータを1セット構成すること、を特徴とする超音波画像
診断装置。
【0272】16.前記体動認識手段により認識された
体動の生じた断層像データを除くことにより、体動が補
正された連続する複数の代表断層像データを1セット構
成すること、を特徴とする付記15記載の超音波画像診
断装置。
【0273】17.被検体に超音波を送信し、エコーを
受信する超音波振動子を先端に設けた超音波プローブ
と、前記超音波プローブの挿入軸を中心に該超音波振動
子が回転するラジアルスキャンと、該挿入軸に沿って該
超音波振動子が進退するリニアスキャンとを組み合わせ
た該超音波振動子のスパイラルスキャンを駆動する駆動
手段と、該超音波振動子からのエコー信号より、連続す
る複数の断層像データを得る超音波画像診断装置におい
て、前記超音波プローブが、該進退の範囲を示す指標
を、設けたことを特徴とする超音波画像診断装置。
【0274】18.前記超音波プローブが、前記駆動手
段からの駆動力を該超音波振動子に伝達する駆動伝達部
材と、前記駆動伝達部材と該超音波振動子とを内在させ
た半透明の可撓性シースと、前記可撓性シースを覆う半
透明のアウタシースを設け、前記指標が前記駆動伝達部
材に設けられたこと、を特徴とする付記17記載の超音
波画像診断装置。
【0275】19.前記指標が円環状の部材であるこ
と、を特徴とする付記18記載の超音波画像診断装置。
【0276】(付記1〜19の効果) (付記1、2、9、10、11、12、13の効果)本
発明では、第1脈管抽出手段が、被検体の3次元空間に
超音波を送受して得たエコーの強度情報からなる3次元
エコーデータより脈管を抽出し、組織抽出手段が、3次
元エコーデータより注目組織を抽出し、3次元処理手段
が、第1脈管抽出手段により抽出された脈管と組織抽出
手段により抽出された注目組織とを合成した3次元画像
を構築するよう構成したため、移動情報の得にくい脈管
と、注目組織との位置関係を把握することができる。そ
のため、例えば、腫瘍が移動情報の得にくい脈管の周囲
にどの程度広がっているか把握することができ、例え
ば、手術による切除範囲を決定する際の重要な情報を提
供することができる。
【0277】(付記2、9、10、11、12、13の
効果)また、本発明では、3次元処理手段が、第1脈管
抽出手段により抽出された脈管と組織抽出手段により抽
出された注目組織とを互いに色分けして合成した3次元
画像を構築するよう構成したので、脈管と注目組織とを
目視にて区別し易い。 (付記3、4、9、10、11、12、13の効果)ま
た、本発明では、第1脈管抽出手段が、被検体の3次元
空間に超音波を送受して得たエコーの強度情報からなる
3次元エコーデータより複数の脈管を抽出し、3次元処
理手段が、第1脈管抽出手段により抽出された複数の脈
管を合成した3次元画像の構築するよう構成したため、
移動情報の得にくい脈管と、血管などの他の脈管との位
置関係を把握することができる。
【0278】(付記4、9、10、11、12、13の
効果)また、本発明では、3次元処理手段が、第1脈管
抽出手段により抽出された複数の脈管どうしを互いに色
分けして合成した3次元画像を構築するよう構成したた
め、脈管どうしを目視にて区別し易い。
【0279】(付記5、6、9、10、11、12、1
3の効果)また、本発明では、第1脈管抽出手段が、被
検体の3次元空間に超音波を送受して得たエコーの強度
情報からなる3次元エコーデータより脈管を抽出し、第
2脈管抽出手段が、被検体の3次元空間に超音波を送受
して得た移動体の移動情報からなる3次元ドップラデー
タより脈管を抽出し、3次元処理手段は、第1脈管抽出
手段により抽出された脈管と第2脈管抽出手段により抽
出された脈管とを合成した3次元画像を構築するよう構
成したため、移動情報の得にくい脈管と、血管との位置
関係を把握することができる。
【0280】(付記6、9、10、11、12、13の
効果)また、本発明では、3次元処理手段が、第1脈管
抽出手段により抽出された脈管と第2脈管抽出手段によ
り抽出された脈管とを互いに色分けをして合成した3次
元画像を構築するよう構成したため、脈管どうしを目視
にて区別し易い。
【0281】(付記7、8、9、10、11、12、1
3の効果)また、本発明では、第1脈管抽出手段が、被
検体の3次元空間に超音波を送受して得たエコーの強度
情報からなる3次元エコーデータより脈管を抽出し、組
織抽出手段が、3次元エコーデータより注目組織を抽出
し、第2脈管抽出手段が、被検体の3次元空間に超音波
を送受して得た移動体の移動情報からなる3次元ドップ
ラデータより脈管を抽出し、3次元処理手段が、第1脈
管抽出手段により抽出された脈管と、第2脈管抽出手段
により抽出された脈管と、組織抽出手段により抽出され
た注目組織とを合成した3次元画像を構築するよう構成
したため、移動情報の得にくい脈管と、注目組織と、血
管との位置関係を把握できる。そのため、例えば、移動
情報の得にくい脈管から発生した腫瘍が血管に到達して
いるか否かを鑑別することができる。
【0282】(付記8、9、10、11、12、13の
効果)また、本発明では、3次元処理手段が、第1脈管
抽出手段により抽出された脈管と、第2脈管抽出手段に
より抽出された脈管と、組織抽出手段により抽出された
注目組織とを互いに色分けして合成した3次元画像を構
築するよう構成したため、脈管どうし、脈管と注目組織
とを目視にて区別し易い。
【0283】(付記11の効果)また、本発明では、断
面設定手段が、3次元エコーデータにおいて、3次元エ
コーデータの階調を有する複数の断面の位置を設定し、
第1脈管抽出手段が、抽出開始点設定手段が設定する抽
出開始点の位置と断面設定手段が設定する複数の断面の
位置により決定される抽出範囲内にスキャンラインを延
伸させるよう構成したため、脈管の全周囲にスキャンラ
インを延伸させる方法に比べて、処理を高速に行うこと
ができる。
【0284】(付記12の効果)本発明では、断面設定
手段が、3次元エコーデータにおいて、3次元エコーデ
ータの階調を有する断面の位置を設定し、3次元処理手
段が、断面設定手段により位置を設定された断面と、第
1脈管抽出手段により抽出された脈管と、第2脈管抽出
手段により抽出された脈管、もしくは組織抽出手段によ
り抽出された注目組織とを合成した3次元画像を構築す
るよう構成したため、抽出された組織や脈管以外の部分
を断面上で観察し、抽出された部分との位置関係を容易
に把握することができる。また、2次元の断面上でエコ
ーデータの階調により診断することができる。
【0285】(付記13の効果)また、本発明では、断
面設定手段が、3次元エコーデータにおいて、3次元エ
コーデータの階調を有する断面の位置を設定し、3次元
処理手段が、断面設定手段により設定された断面の位置
を示す指標と、第1脈管抽出手段により抽出された脈管
と、第2脈管抽出手段により抽出された脈管、もしくは
組織抽出手段により抽出された注目組織とを合成した3
次元画像を構築し、表示手段が、3次元処理手段により
指標を合成して構築された3次元画像と、断面とを同時
に表示するよう構成したため、断面が図24のように斜
めにならず通常の超音波断層像での観察と同じ感覚で観
察することができる。
【0286】(付記14の効果)また、本発明では、超
音波振動子が、ラジアルスキャンの送受信面を違えて複
数個設けられており、複数個の超音波振動子がスパイラ
ルスキャンを行うことにより得る、連続する複数枚の断
層像データより1つの3次元エコーデータを構成するよ
う構成したため、走査時間を長くせず、超音波プローブ
の挿入軸方向の分解能を向上させることができる。
【0287】(付記15、16の効果)また、本発明で
は、駆動手段が、超音波プローブの挿入軸を中心に超音
波振動子が回転するラジアルスキャンと、挿入軸に沿っ
て超音波振動子が進退するリニアスキャンとを組み合わ
せた超音波振動子のスパイラルスキャンを複数回繰り返
させて、駆動し、記憶手段が、超音波プローブの複数回
の進退により得た、複数セットにわたる連続する複数の
断層像データを記憶し、体動認識手段が、記憶手段に記
憶された複数セット間で、同位置での断層像データを比
較し、断層像デー間の体動を認識する。そして、体動が
補正された連続する複数の代表断層像データを1セット
構成するようにしたため、体動による断層像間のぶれを
補正し、歪みの無い良好な3次元エコーデータを取得す
ることができる。
【0288】(付記17、18、19の効果)また、本
発明では、駆動手段が、超音波プローブの挿入軸を中心
に超音波振動子が回転するラジアルスキャンと、挿入軸
に沿って超音波振動子が進退するリニアスキャンとを組
み合わせた超音波振動子のスパイラルスキャンを駆動
し、超音波プローブに設けられた指標が、進退の範囲を
示すよう構成したため、使用者は、スパイラルスキャン
の開始時に、例えば内視鏡の光学観察系から超音波振動
子、指標を観察することができ、進退の位置を把握し、
スパイラルスキャンの進退の端部を知ることができる。
そのため、注目組織からのエコー信号を3次元エコーデ
ータとして取得する際の確実性を増し、検査時間を短く
することができる。 (付記18、19の効果)また、本発明では、駆動伝達
部材に設けられた指標が、半透明の可撓性シースと、可
撓性シースを覆う半透明のアウタシースを通して、進退
の範囲を示すよう構成したため、使用者は、指標を観察
しやすい。
【0289】(付記19の効果)また、本発明では、指
標が円環状の部材であるよう構成したため、可撓性シー
スの内部に気泡が存在する場合に、指標は、気泡が超音
波振動子の側へ来ないよう気泡トラップとしての機能を
果たし、超音波振動子から送受信される超音波、エコー
が気泡に邪魔されなくなるため、良好な断層像データを
得ることができる。
【0290】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、被
検体の脈管を抽出する第1脈管抽出手段と、前記第1脈
管抽出手段により抽出された該脈管の3次元画像を構築
する3次元処理手段を、設けた超音波画像診断装置にお
いて、前記第1脈管抽出手段は、被検体の3次元空間に
超音波を送受して得たエコーの強度情報からなる3次元
エコーデータより該脈管を抽出し、該3次元エコーデー
タより注目組織を抽出する組織抽出手段を設け、前記3
次元処理手段は、前記第1脈管抽出手段により抽出され
た該脈管と前記組織抽出手段により抽出された該注目組
織とを合成した3次元画像を構築するように構成してい
るので、、第1脈管抽出手段及び組織抽出手段により脈
管及び注目組織を抽出し、さらに合成して3次元画像と
して表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の超音波画像診断装
置の構成を示すブロック図。
【図2】超音波プローブの先端側の構造を示す断面図。
【図3】超音波プローブの駆動部の構造を示す断面図。
【図4】ラジアルスキャンとリニアスキャンとの組み合
わせで、スパイラルスキャンする説明図。
【図5】スパイラルスキャンにより得られる複数の断層
像データを示す図。
【図6】演算処理プロセッサが行う一連の処理内容を示
すフローチャート図。
【図7】図6における脈管抽出の処理内容を示すフロー
チャート図。
【図8】多重エコー及びそれを除去するためにオフセッ
ト円が設定された断層像データを示す図。
【図9】注目組織の領域の輪郭をポインタで囲んで抽出
する様子を示す説明図。
【図10】3次元モデルを構築するための説明図。
【図11】画像処理モニタに表示される3次元画像を示
す図。
【図12】本発明の第2の実施の形態における演算処理
プロセッサが行う一連の処理内容を示すフローチャート
図。
【図13】画像処理モニタに表示される3次元画像を示
す図。
【図14】本発明の第3の実施の形態における演算処理
プロセッサが行う一連の処理内容を示すフローチャート
図。
【図15】画像処理モニタに表示される3次元画像を示
す図。
【図16】本発明の第4の実施の形態における超音波プ
ローブ及び駆動部の構成を示す断面図。
【図17】本発明の第4の実施の形態の超音波画像診断
装置の構成を示すブロック図。
【図18】振動子アレイにより得られる複数の断層像デ
ータを模式的に示す図。
【図19】演算処理プロセッサが行う一連の処理内容を
示すフローチャート図。
【図20】本発明の第5の実施の形態における演算処理
プロセッサが行う一連の処理内容を示すフローチャート
図。
【図21】画像処理モニタに表示される4枚の断面の候
補を示す図。
【図22】最終的に構築される3次元画像を示す図。
【図23】脈管αの壁を認識する処理の説明図。
【図24】第5の実施の形態の変形例における3次元画
像を示す図。
【図25】第5の実施の形態の他の変形例における3次
元画像を示す図。
【図26】本発明の第6の実施の形態における超音波プ
ローブ内のフレキシブルシャフトの先端部の構造を示す
図。
【図27】超音波観測部の構成を示すブロック図。
【図28】本発明の第7の実施の形態における体動の影
響を考慮して3次元エコーデータを決定する処理を示す
説明図。
【図29】本発明の第8の実施の形態における超音波プ
ローブの先端側の構造を示す断面図。
【符号の説明】
1…超音波画像診断装置 2…超音波プローブ 3…超音波観測部 4…画像処理部 5…フレキシブルシャフト 6…超音波振動子 7…可撓性シース 8…流動媒体 9…アウタシース 10A,10B…反転位置マーカ部材 11…駆動部 12…DCモータ 13…ラジアル回転部 17…ロータリエンコーダ 18…リニア駆動部材 19…ボールネジ 20…ステッピングモータ 21…送受信部 22…フレームメモリ 23…DSC23 25…観測モニタ 26…システムコントローラ 27…CPU 28…主記憶装置 29…3次元データ記憶装置 30…演算処理プロセッサ 31…3次元処理メモリ 32…外部記録装置 33…操作用端末 34…ポインティングデバイス 37…画像処理モニタ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体の脈管を抽出する第1脈管抽出手
    段と、前記第1脈管抽出手段により抽出された該脈管の
    3次元画像を構築する3次元処理手段とを設けた超音波
    画像診断装置において、 前記第1脈管抽出手段は被検体の3次元空間に超音波を
    送受して得たエコーの強度情報からなる3次元エコーデ
    ータより該脈管を抽出し、該3次元エコーデータより注
    目組織を抽出する組織抽出手段を有し、 前記3次元処理手段は前記第1脈管抽出手段により抽出
    された該脈管と前記組織抽出手段により抽出された該注
    目組織とを合成した3次元画像を構築することを特徴と
    する超音波画像診断装置。
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