JP2007289720A - 超音波画像診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】注目組織からのエコー信号を3次元エコーデータとして取得する際の確実性を増し、検査時間を短くすることができる超音波画像診断装置を提供する。
【解決手段】第1脈管抽出手段は、被検体の3次元空間に超音波を送受して得たエコーの強度情報からなる3次元エコーデータより該3次元エコーデータが有する周囲との輝度差により血管以外の脈管を抽出し、また、第2脈管抽出手段は、被検体の3次元空間に超音波を送受して得た移動体の移動情報からなる3次元ドップラデータより血管を抽出し、3次元処理手段は、前記第1脈管抽出手段により抽出された血管以外の脈管と前記第2脈管抽出手段により抽出された血管とを合成した3次元画像を構築する。
【選択図】図1

Description

本発明は超音波振動子によって得られた超音波断層像を作成する超音波画像診断装置に関する。
近年、生体へ超音波を送受波して得られた3次元エコーデータから3次元画像を構築する超音波画像診断装置が提案されている。このうち、特開平4−183446号公報で開示されている装置では、X線CT、MRI、超音波など複数の異なる断層像の輪郭をそれぞれ抽出し、また、一方で血管情報を抽出して、1つの立体モデル像を表示する。
このように構成することで、各種断層像撮影装置のもつそれぞれの画像抽出性を活かして患部の立体像を作成することができる。しかし、この装置では、X線CT、MRI、超音波など複数の異なる断層像撮影手段が必要であった。
そこで、超音波のエコーデータのみから、関心部分の輪郭と血管とを抽出する超音波画像診断装置も提案されている。このうち、特開平6−254097号公報で開示されている装置では、超音波プローブからの受信信号に基づいて、3次元空間内の組織情報と移動体の移動情報を得る。
特に、移動情報を得る際には血球など移動体によって生じるドップラ現象を利用している。そして、組織情報から関心部分の輪郭像を、移動情報から血流像を抽出する。さらに、視点を変えながら各位置での輪郭像と血流像の3次元分布情報を投影処理して、複数の2次元画像を生成する。
このように構成することで、従来のBモード画像とドップラ現象を利用したCFM(カラーフローマッピング)画像を組み合わせた3次元表示が実現する。そのため、関心部分の立体構造と血流像の立体構造とを同時に観察することができ、例えば、腫瘍とその栄養血管の関係を把握することができる。
また、この3次元エコーデータを得る装置として、ラジアルスキャンとリニアスキャンとを組み合わせたスパイラルスキャンなどの3次元スキャンを行いながら、生体内へ超音波を送受波する超音波画像診断装置が提案されている。
このうち、特開平6−30937号公報、特開平6−30938号公報、特開平8−56947号公報で開示されている装置では、先端に超音波振動子を配し反対側の端部をラジアル回転部内のモーターの回転軸に接合させたフレキシブルシャフトと、端部をステッピングモーターの回転軸に接合したボールネジとを設けている。
そして、ボールネジの回転により、ボールネジに嵌合する部材を介してラジアル回転部全体が進退するため、モーター、フレキシブルシャフト、超音波振動子が自身も回転しながら進退し、スパイラルスキャンが実現する。
なお、超音波振動子の回転に対するボールネジの回転比は、設定可能な一定の値であり、超音波振動子は、自身が1回転すると決まった距離だけ進退する。そして、被検部位からのエコー信号から、3次元エコーデータとして連続した複数の断層像データを取得する。
さらに、特開平8−56947号公報で開示されている装置は、超音波プローブの可撓性シース内に超音波振動子を設け、さらに超音波プローブ本体をアウターシースで被覆した構成になっている。
ところで、超音波プローブを膵管、胆管のような血管以外の脈管に挿入して3次元表示を行う際には、これらの脈管とその周囲に広がる腫瘍との位置関係を把握することが重要である。例えば、胆管の周囲にどの程度腫瘍が広がっているかを把握することは、手術による切除範囲を決定する観点から医学的に重要である。
また、例えば胆管のような血管以外の脈管の周囲には、門脈などの血管が複雑に走行している場合があり、2次元の超音波断層像による診断の際には、これらの位置関係を医師が予測しているが、これは難しい作業であった。
また、例えば腫瘍は膵管や胆管などの血管以外の脈管から発生することも多く、この腫瘍が、門脈など血管に到達しているか否かを鑑別することは転移の可能性を知る意味で医学的に極めて重要である。また、血管への到達に限らず、リンパ管など血管以外の脈管への腫瘍の浸潤を鑑別することも、転移の可能性を知る意味で医学的に極めて重要である。
さらに、上述の事柄は、頚動脈、頚静脈などの血管や血管以外の食道、気管などの脈管が互いに近接する頚部においても同様である。そのため、血管以外の脈管と腫瘍などの注目組織との位置関係、もしくは血管以外の脈管と血管との位置関係を把握できることが望ましい。
さらに好適には、血管以外の脈管と、注目組織と、血管との互いの位置関係を把握できることが望ましい。ここで、特開平6−254097号公報で開示されている装置では、移動体の移動情報から血流像を抽出しているため、門脈のような栄養血管を血流として抽出することができる。
しかし、例えば膵液、胆汁、リンパ液などの移動速度の小さい液体が流れる膵管、胆管、リンパ管などの脈管からは移動情報が得にくいため、これらを抽出することは困難であった。また、気管や、胃、食道、腸などの消化管など常に液体が流れているとは限らない脈管を抽出することも困難であった。
そこで、本発明の第1の目的は、移動情報の得にくい脈管と、注目組織や血管との位置関係を把握することができる超音波画像診断装置を提供することにある。
一方、特開平6−30937号公報、特開平6−30938号公報、特開平8−56947号公報で開示されている装置では、ボールネジの回転により超音波振動子を進退させているため、超音波プローブの挿入軸方向の分解能はボールネジのピッチに影響を受ける。
特に、超音波振動子が発する超音波ビームが十分鋭いときには、ボールネジのピッチで分解能が決定される。それとは別に、フレキシブルシャフトの回転耐性や、超音波振動子からのエコー信号を取り込む時間、超音波の送受波に掛かる時間などの制約から、超音波振動子の回転時間を短くし、単位時間あたりに取り込む断層像データの枚数(フレームレート)を上げることには限界がある。
また、フレームレートを無理に上げると、フレキシブルシャフトの両端に回転ムラが起こり、断層像データが超音波振動子の回転角を正しく反映しなくなるという問題もある。
そのため、挿入軸方向の分解能を向上させようとしてボールネジのピッチを細かくしたり、超音波振動子の回転に対するボールネジの回転比を下げたりして、超音波振動子の1回転当たりの進退距離を短くすると、進退が遅くなり、スパイラルスキャンの時間がかかる。
特に超音波検査を受けている患者は、スパイラルスキャンの間、呼吸性移動の問題を避けるために呼吸を止めていなければならないので、患者の苦痛を伴うという問題があった。
そこで、本発明の第2の目的は、走査時間を長くせず、超音波プローブの挿入軸方向の分解能を向上させた超音波画像診断装置を提供することにある。
また、上述の特開平6−30937号公報、特開平6−30938号公報、特開平8−56947号公報で開示されている装置では、スパイラルスキャンの途中で発生する拍動や、呼吸性移動、蠕動などの周期性運動よりなる体動により、各断層像データ間にぶれが生じ、得られる3次元エコーデータが歪んだものになるため、この3次元エコーデータから歪んだ3次元画像を構築してしまうという問題があった。
そのため、これまでの超音波検査では、蠕動を抑えるための蠕動抑制薬を投与しなければならず、患者にスキャンの間呼吸を止めさせていなければならず、拍動に至っては抑えるための有効な手段が無かった。
そこで、本発明の第3の目的は、体動による断層像間のぶれを補正し、歪みの無い良好な3次元エコーデータを取得することができる超音波画像診断装置を提供することにある。
ところで、上述の特開平6−30937号公報、特開平6−30938号公報、特開平8−56947号公報で開示されている装置の超音波プローブを、実際に体内に挿入して、スパイラルスキャンを行う際には、内視鏡に設けられた鉗子用の管などの挿通部を介し、内視鏡先端より突出させて超音波断層像を取得することが多い。
通常の内視鏡先端には光学系と光学観察方向を変えることができる湾曲機構が設けられているため、このように使用することで、光学系で注目組織と超音波振動子のスパイラルスキャンの様子とを観察しながら、注目組織の断層像データが得られるよう超音波振動子の向きを簡単に変えることができる。
しかし、上述の装置では、超音波振動子が超音波プローブの挿入軸方向のどこからどこまでを進退するのか、スパイラルスキャンが始まるまでわからないことが多かった。
そのため、断層像データを取得できる範囲から注目組織が逸れてしまい、注目組織からのエコー信号を3次元エコーデータとして取得できない場合があるという問題があった。
また、注目組織からのエコー信号が3次元エコーデータ内に取得できたか否かを確かめるために、超音波検査中に表示される断層像データを参照しながらスパイラルスキャンを繰り返すため、検査時間が長引くという問題もあった。
そこで、本発明の第4の目的は、注目組織からのエコー信号を3次元エコーデータとして取得する際の確実性を増し、検査時間を短くすることができる超音波画像診断装置を提供することにある。
上記、第1の目的を達成するために、以下の、(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(9)、(10)、(11)、(12)、(13)の構成にしている。 (1)被検体の脈管を抽出する第1脈管抽出手段と、前記第1脈管抽出手段により抽出された該脈管の3次元画像を構築する3次元処理手段を、設けた超音波画像診断装置において、
前記第1脈管抽出手段は、被検体の3次元空間に超音波を送受して得たエコーの強度情報からなる3次元エコーデータより該脈管を抽出し、該3次元エコーデータより注目組織を抽出する組織抽出手段を設け、前記3次元処理手段は、前記第1脈管抽出手段により抽出された該脈管と前記組織抽出手段により抽出された該注目組織とを合成した3次元画像を構築すること、を特徴とする。
上記構成によれば、第1脈管抽出手段は、被検体の3次元空間に超音波を送受して得たエコーの強度情報からなる3次元エコーデータより脈管を抽出する。組織抽出手段は、3次元エコーデータより注目組織を抽出する。3次元処理手段は、第1脈管抽出手段により抽出された脈管と組織抽出手段により抽出された注目組織とを合成した3次元画像を構築する。
(2)上記(1)記載の超音波画像診断装置であって、前記3次元処理手段は、前記第1脈管抽出手段により抽出された該脈管と前記組織抽出手段により抽出された該注目組織とを互いに色分けして合成した3次元画像を構築すること、を特徴とする。
上記構成によれば、3次元処理手段は、第1脈管抽出手段により抽出された脈管と組織抽出手段により抽出された注目組織とを互いに色分けして合成した3次元画像を構築する。
(3)被検体の脈管を抽出する第1脈管抽出手段と、前記第1脈管抽出手段により抽出された該脈管の3次元画像を構築する3次元処理手段とを、設けた超音波画像診断装置において、
前記第1脈管抽出手段は、被検体の3次元空間に超音波を送受して得たエコーの強度情報からなる3次元エコーデータより複数の該脈管を抽出し、前記3次元処理手段は、前記第1脈管抽出手段により抽出された複数の該脈管を合成した3次元画像を構築すること、を特徴とする。
上記構成によれば、第1脈管抽出手段は、被検体の3次元空間に超音波を送受して得たエコーの強度情報からなる3次元エコーデータより複数の脈管を抽出する。3次元処理手段は、第1脈管抽出手段により抽出された複数の脈管を合成した3次元画像を構築する。
(4)上記(3)記載の超音波画像診断装置であって、前記3次元処理手段は、前記第1脈管抽出手段により抽出された複数の該脈管どうしを互いに色分けして合成した3次元画像を構築すること、を特徴とする。
上記構成によれば、3次元処理手段は、第1脈管抽出手段により抽出された複数の脈管どうしを互いに色分けして合成した3次元画像を構築する。
(5)被検体の脈管を抽出する第1脈管抽出手段と、前記第1脈管抽出手段により抽出された該脈管の3次元画像を構築する3次元処理手段とを、設けた超音波画像診断装置において、
前記第1脈管抽出手段は、被検体の3次元空間に超音波を送受して得たエコーの強度情報からなる3次元エコーデータより該脈管を抽出し、被検体の3次元空間に超音波を送受して得た移動体の移動情報からなる3次元ドップラデータより脈管を抽出する第2脈管抽出手段を設け、前記3次元処理手段は、前記第1脈管抽出手段により抽出された該脈管と前記第2脈管抽出手段により抽出された該脈管とを合成した3次元画像を構築すること、を特徴とする。
上記構成によれば、第1脈管抽出手段は、被検体の3次元空間に超音波を送受して得たエコーの強度情報からなる3次元エコーデータより脈管を抽出する。第2脈管抽出手段は、被検体の3次元空間に超音波を送受して得た移動体の移動情報からなる3次元ドップラデータより脈管を抽出する。3次元処理手段は、第1脈管抽出手段により抽出された脈管と第2脈管抽出手段により抽出された脈管とを合成した3次元画像を構築する。
(6)前記(5)記載の超音波画像診断装置であって、前記3次元処理手段は、前記第1脈管抽出手段により抽出された該脈管と前記第2脈管抽出手段により抽出された該脈管とを互いに色分けして合成した3次元画像を構築すること、を特徴とする。
上記構成によれば、3次元処理手段は、第1脈管抽出手段により抽出された脈管と第2脈管抽出手段により抽出された脈管とを互いに色分けして合成した3次元画像を構築する。
(7)被検体の脈管を抽出する第1脈管抽出手段と、前記第1脈管抽出手段により抽出された該脈管の3次元画像を構築する3次元処理手段とを、設けた超音波画像診断装置において、
前記第1脈管抽出手段は、被検体の3次元空間に超音波を送受して得たエコーの強度情報からなる3次元エコーデータより該脈管を抽出し、該3次元エコーデータより注目組織を抽出する組織抽出手段と、被検体の3次元空間に超音波を送受して得た移動体の移動情報からなる3次元ドップラデータより脈管を抽出する第2脈管抽出手段を設け、
前記3次元処理手段は、前記第1脈管抽出手段により抽出された該脈管と、前記第2脈管抽出手段により抽出された該脈管と、前記組織抽出手段により抽出された該注目組織とを合成した3次元画像を構築すること、を特徴とする。
上記構成によれば、第1脈管抽出手段は、被検体の3次元空間に超音波を送受して得たエコーの強度情報からなる3次元エコーデータより脈管を抽出する。組織抽出手段は、3次元エコーデータより注目組織を抽出する。第2脈管抽出手段は、被検体の3次元空間に超音波を送受して得た移動体の移動情報からなる3次元ドップラデータより脈管を抽出する。3次元処理手段は、第1脈管抽出手段により抽出された脈管と、第2脈管抽出手段により抽出された脈管と、組織抽出手段により抽出された注目組織とを合成した3次元画像を構築する。
(8)上記(7)記載の超音波画像診断装置であって、前記3次元処理手段は、前記第1脈管抽出手段により抽出された該脈管と、前記第2脈管抽出手段により抽出された該脈管と、前記組織抽出手段により抽出された該注目組織とを互いに色分けして合成した3次元画像を構築すること、を特徴とする。
上記構成によれば、3次元処理手段は、第1脈管抽出手段により抽出された脈管と、第2脈管抽出手段により抽出された脈管と、組織抽出手段により抽出された注目組織とを互いに色分けして合成した3次元画像を構築する。
(9)上記(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)記載の超音波画像診断装置であって、前記第1脈管抽出手段は、該3次元エコーデータが有する周囲との輝度差により該脈管を抽出すること、を特徴とする。 上記構成によれば、第1脈管抽出手段は、3次元エコーデータが有する周囲との輝度差により脈管を抽出する。
(10)上記(9)記載の超音波画像診断装置であって、該3次元エコーデータが、被検体の3次元空間に超音波を送受して得たエコーの強度情報からなる複数の断層像データから構成され、前記第1脈管抽出手段は、複数の該断層像データ上で、抽出開始点を設定する抽出開始点設定手段を設け、複数の該断層像データ上で、前記抽出開始点設定手段により設定された該抽出開始点からスキャンラインを放射状に延伸させて脈管壁を探索することにより、該脈管を抽出すること、を特徴とする。
上記構成によれば、抽出開始点設定手段は、複数の断層像データ上で、抽出開始点を設定する。第1脈管抽出手段は、複数の断層像データ上で、抽出開始点設定手段により設定された抽出開始点からスキャンラインを放射状に延伸させて脈管壁を探索することにより、脈管を抽出する。
(11)上記(10)記載の超音波画像診断装置であって、該3次元エコーデータにおいて、該3次元エコーデータの階調を有する複数の断面の位置を設定する断面設定手段を設け、前記第1脈管抽出手段は、前記抽出開始点設定手段が設定する該抽出開始点の位置と前記断面設定手段が設定する複数の該断面の位置により決定される抽出範囲内に該スキャンラインを延伸させること、を特徴とする。 上記構成によれば、断面設定手段は、3次元エコーデータにおいて、3次元エコーデータの階調を有する複数の断面の位置を設定する。第1脈管抽出手段は、抽出開始点設定手段が設定する抽出開始点の位置と断面設定手段が設定する複数の断面の位置により決定される抽出範囲内にスキャンラインを延伸させる。
(12)上記(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(9)記載の超音波画像診断装置であって、該3次元エコーデータにおいて、該3次元エコーデータの階調を有する断面の位置を設定する断面設定手段を、設け、前記3次元処理手段は、前記断面設定手段により位置を設定された該断面と、前記第1脈管抽出手段により抽出された該脈管と、前記第2脈管抽出手段により抽出された該脈管、もしくは前記組織抽出手段により抽出された該注目組織とを合成した3次元画像を構築すること、を特徴とする。
上記構成によれば、断面設定手段は、3次元エコーデータにおいて、3次元エコーデータの階調を有する断面の位置を設定する。3次元処理手段は、断面設定手段により位置を設定された断面と、第1脈管抽出手段により抽出された脈管と、第2脈管抽出手段により抽出された脈管、もしくは組織抽出手段により抽出された注目組織とを合成した3次元画像を構築する。
(13)上記(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(9)記載の超音波画像診断装置であって、該3次元エコーデータにおいて、該3次元エコーデータの階調を有する断面の位置を設定する断面設定手段を設け、前記3次元処理手段は、前記断面設定手段により設定された該断面の位置を示す指標と、前記第1脈管抽出手段により抽出された該脈管と、前記第2脈管抽出手段により抽出された該脈管、もしくは前記組織抽出手段により抽出された該注目組織とを合成した3次元画像を構築し、前記3次元処理手段により該指標を合成して構築された該3次元画像と、該断面とを同時に表示する表示手段を設けたこと、を特徴とする。
上記構成によれば、断面設定手段は、3次元エコーデータにおいて、3次元エコーデータの階調を有する断面の位置を設定する。3次元処理手段は、断面設定手段により設定された断面の位置を示す指標と、第1脈管抽出手段により抽出された脈管と、第2脈管抽出手段により抽出された脈管、もしくは組織抽出手段により抽出された注目組織とを合成した3次元画像を構築する。表示手段は、3次元処理手段により指標を合成して構築された3次元画像と、断面とを同時に表示する。
上記第2の目的を達成するために、以下の(14)の構成にしている。
(14)被検体に超音波を送信し、エコーを受信する超音波振動子を先端に設けた超音波プローブと、前記超音波プローブの挿入軸を中心に該超音波振動子が回転するラジアルスキャンと、該挿入軸に沿って該超音波振動子が進退するリニアスキャンとを組み合わせた該超音波振動子のスパイラルスキャンを駆動する駆動手段と、該超音波振動子からのエコー信号より、連続する複数の断層像データを得る超音波画像診断装置において、
該超音波振動子は、該ラジアルスキャンの送受信面を違えて複数個設けられており、複数個の該超音波振動子が該スパイラルスキャンを行うことにより得る、連続する複数枚の断層像データより1つの3次元エコーデータを構成すること、を特徴とする。
上記構成によれば、駆動手段は、超音波プローブの挿入軸を中心に超音波振動子が回転するラジアルスキャンと、挿入軸に沿って超音波振動子が進退するリニアスキャンとを組み合わせた超音波振動子のスパイラルスキャンを駆動する。そして、複数個の超音波振動子がスパイラルスキャンを行うことにより得る、連続する複数枚の断層像データより1つの3次元エコーデータを構成する。
上記第3の目的を達成するために、以下の(15)の構成にしている。
(15)被検体に超音波を送信し、エコーを受信する超音波振動子を先端に設けた超音波プローブと、前記超音波プローブの挿入軸を中心に該超音波振動子が回転するラジアルスキャンと、該挿入軸に沿って該超音波振動子が進退するリニアスキャンとを組み合わせた該超音波振動子のスパイラルスキャンを駆動する駆動手段と、該超音波振動子からのエコー信号より、連続する複数の断層像データを得る超音波画像診断装置において、
前記駆動手段は、前記超音波プローブの該進退を複数回繰りかえさせ、前記超音波プローブの該複数回の進退により得た、複数セットにわたる該連続する複数の断層像データを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された該複数セット間で、同位置での断層像データを比較し、該断層像データ間の体動を認識する体動認識手段を設け、体動が補正された連続する複数の代表断層像データを1セット構成すること、を特徴とする。
上記構成によれば、駆動手段は、超音波プローブの挿入軸を中心に超音波振動子が回転するラジアルスキャンと、挿入軸に沿って超音波振動子が進退するリニアスキャンとを組み合わせた超音波振動子のスパイラルスキャンを複数回繰りかえさせて、駆動する。記憶手段は、超音波プローブの複数回の進退により得た、複数セットにわたる連続する複数の断層像データを記憶する。体動認識手段は、記憶手段に記憶された複数セット間で、同位置での断層像データを比較し、断層像データ間の体動を認識する。そして、体動が補正された連続する複数の代表断層像データを1セット構成する。
(16)上記(15)記載の超音波画像診断装置であって、前記体動認識手段により認識された体動の生じた断層像データを除くことにより、体動が補正された連続する複数の代表断層像データを1セット構成すること、を特徴とする。
上記構成によれば、体動認識手段により認識された体動の生じた断層像データを除くことにより、体動が補正された連続する複数の代表断層像データを1セット構成する。
上記第4の目的を達成するために、以下の(17)、(18)、(19)の構成にしている。
(17)被検体に超音波を送信し、エコーを受信する超音波振動子を先端に設けた超音波プローブと、前記超音波プローブの挿入軸を中心に該超音波振動子が回転するラジアルスキャンと、該挿入軸に沿って該超音波振動子が進退するリニアスキャンとを組み合わせた該超音波振動子のスパイラルスキャンを駆動する駆動手段と、該超音波振動子からのエコー信号より、連続する複数の断層像データを得る超音波画像診断装置において、
前記超音波プローブは、該進退の範囲を示す指標を、設けたことを特徴とする。
上記構成によれば、駆動手段は、超音波プローブの挿入軸を中心に超音波振動子が回転するラジアルスキャンと、挿入軸に沿って超音波振動子が進退するリニアスキャンとを組み合わせた超音波振動子のスパイラルスキャンを駆動する。超音波プローブに設けられた指標は、進退の範囲を示す。
(18)上記(17)記載の超音波画像診断装置であって、前記超音波プローブが、前記駆動手段からの駆動力を該超音波振動子に伝達する駆動伝達部材と、前記駆動伝達部材と該超音波振動子とを内在させた半透明の可撓性シースと、前記可撓性シースを覆う半透明のアウターシースを設け、前記指標は前記駆動伝達部材に設けられたこと、を特徴とする。
上記構成によれば、駆動伝達部材は、駆動手段からの駆動力を超音波振動子に伝達、超音波プローブの挿入軸を中心に超音波振動子が回転するラジアルスキャンと、挿入軸に沿って超音波振動子が進退するリニアスキャンとを組み合わせた超音波振動子のスパイラルスキャンを駆動する。駆動伝達部材に設けられた指標は、半透明の可撓性シースと、可撓性シースを覆う半透明のアウターシースを通して、進退の範囲を示す。
(19)上記(18)記載の超音波画像診断装置であって、前記指標が円環状の部材であること、を特徴とする。
本発明によれば、注目組織からのエコー信号を3次元エコーデータとして取得する際の確実性を増し、検査時間を短くすることができる超音波画像診断装置を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
図1から図11までは本発明の第1の実施の形態にかかり、図1は本発明の第1の実施の形態の超音波画像診断装置の構成を示し、図2は超音波プローブの先端側の構造を示し、図3は超音波プローブの駆動部の構造を示し、図4はラジアルスキャンとリニアスキャンとの組み合わせで、スパイラルスキャンする説明図を示し、図5はスパイラルスキャンにより得られる複数の断層像データを示し、図6は演算処理プロセッサが行う一連の処理内容をフローチャートで示し、図7は図6における脈管抽出の処理内容をフローチャートで示し、図8は多重エコー及びそれを除去するためにオフセット円が設定された断層像データを示し、図9は注目組織の領域の輪郭をポインタで囲んで抽出する様子を示し、図10は3次元モデルを構築するための説明図を示し、図11は画像処理モニタに表示される3次元画像を示す。
図1に示すように本発明の第1の実施の形態の超音波画像診断装置1は超音波を送受する超音波プローブ2と、この超音波プローブ2を用いて超音波観測のための超音波断層像の表示等を行う超音波観測部3と、超音波観測部3で得られた超音波エコーデータに対する画像処理を行う画像処理部4とを有する。
図2はスパイラルスキャンを行う超音波プローブ2の先端部の構成を示す。フレキシブルシャフト5の先端には超音波ビームを収束させるためのレンズ6aを設けた超音波振動子6が配置されており、これらフレキシブルシャフト5及び超音波振動子6とは円筒状で半透明の可撓性シース7の内部に挿通されている。
この可撓性シース7内には例えば水などの流動媒体8が満たされており、この流動媒体8は潤滑剤、及び超音波伝達媒体として機能する。さらに、この外側には、可撓性シース7を覆うように円筒状で半透明のアウタシース9が設けられており、体腔内に挿入される挿入部を形成している。
このアウタシース9と可撓性シース7との間には、可撓性シース7内と同様に流動媒体8が満たされている。
そして、フレキシブルシャフト5には、超音波プローブ2が行うスパイラルスキャンの挿入軸方向の範囲を示す反転位置マーカ部材10A,10Bが設けられており、この反転位置マーカ部材10A,10Bは、赤や黄色などの目視で確認し易い色をしている。
さらに、反転位置マーカ部材10A,10Bはパイプなどのように円環状になっており、その外径は、可撓性シース7との間に隙間が空かないように可撓性シース7の内径とほぼ同じになっている。こうすることで、反転位置マーカ部材10A,10Bは、可撓性シース7の内部に気泡が存在する場合に、気泡が超音波振動子6側へ漏れない気泡トラップとしての機能をする。
図3は、本実施の形態の超音波画像診断装置1の超音波プローブ2を駆動する駆動部11の構成を示す。フレキシブルシャフト5の後端は、DCモータ12の回転軸に接続されている。可撓性シース7は、駆動部11内のラジアル回転部13のフレーム14に連結されている。
アウタシース9は、駆動部11のシャーシ15に接続されている。DCモータ12の回転は、例えば1対1のギア比で噛合するギア16を介してロータリエンコーダ17に伝達され、ロータリエンコーダ17から超音波振動子6の回転位置信号が出力される。
これらDCモータ12、ギア16、ロータリエンコーダ17から構成されるラジアル回転部13は、全体がリニア駆動部材18に接続されている。リニア駆動部材18はボールネジ19に嵌合されており、ボールネジ19の後端はステッピングモータ20の回転軸に接続されている。
図1に示す超音波観測部3は、超音波の送受信の処理及びリアルタイムの超音波断層像の表示を行い、画像処理部4は、超音波観測部3で得られたエコーデータを基に3次元画像表示のための画像処理を行う。
超音波観測部3は、超音波振動子6が超音波の送受信を行う様に、超音波振動子6に電気的なパルスを送信し、超音波振動子6からの電気的な受信パルスを増幅し、その強度をデジタルのエコーデータにA/D変換する送受信部21と、送受信部21で取り込まれた1枚の断層像を構成するのに必要なエコーデータを記憶するフレームメモリ22と、フレームメモリ22に記憶され、超音波振動子6の回転角度、超音波振動子6からの距離で表される極座標形式で表現されたエコーデータを横方向の変位x、縦方向の変位yの形式で表される直交座標形式で表現された断層像データに座標変換するデジタルスキャンコンバータ(DSCと略記)23と、DSC23が出力する断層像データをアナログ信号に変換するD/Aコンバータ24と、D/Aコンバータ24の出力画像信号を入力してリアルタイムの超音波断層像の表示を行う観測モニタ25と、駆動部11、送受信部21、フレームメモリ22等の各部の制御を行うシステムコントローラ26とを備えて構成されている。
画像処理部4は、画像処理等の制御を行うCPU27と、CPU27が行う制御や後述する演算処理プロセッサ30が行う各種の処理プログラム等を記憶する主記憶装置28と、超音波観測部3からの連続した複数の断層像データ、即ち3次元エコーデータを記憶する3次元データ記憶装置29と、3次元データ記憶装置29に記憶された3次元エコーデータを基に、脈管抽出、組織抽出、合成、陰面消去、陰影付加、座標変換などの各種画像処理を高速に行うための演算処理プロセッサ30と、演算処理プロセッサ30の処理結果を記憶する3次元処理メモリ31と、制御プログラム及びバックアップデータ等の情報を記録するハードディスク等からなる外部記録装置32と、キーボード等の操作用端末33と、演算処理プロセッサ30が行う処理に指定が必要な点や領域を入力するトラックボールなどのポインティングデバイス34と、画像処理後のデータを一時記憶するフレームバッファ35と、フレームバッファ35の出力画像信号をアナログ信号に変換するD/Aコンバータ36と、D/Aコンバータ36の出力画像信号を入力して画像処理後の3次元画像の表示を行う画像処理モニタ37とを備えて構成されている。また、画像処理部4内の各部は、データ転送バス38を通じて各種の命令やデータの送受を行っている。
本実施の形態では後述するように画像処理部4の演算処理プロセッサ30及びポインティングデバイス34等により、被検体の3次元空間に超音波を送受して得たエコーの強度情報からなる3次元エコーデータより脈管と注目組織とを抽出し、脈管と注目組織とを合成した3次元画像を構築する構成にしたことが特徴となっている。
以下、超音波プローブ2と駆動部11の作用を説明する。
超音波観測を行う際には、超音波プローブ2を体腔内に挿入し、システムコントローラ26がDCモータ12の回転軸及びフレキシブルシャフト5を図3の矢印の方向に回転させる。
すると、フレキシブルシャフト5の先端に取り付けた超音波振動子6が回転し、超音波プローブ2の軸方向(長手方向)に垂直な方向に超音波を放射状に送波すると共に、音響インピーダンスの変化部分で反射された反射超音波(エコー信号)を受信する。つまり、超音波振動子6はラジアル状にスキャンする。
また、システムコントローラ26は、ロータリエンコーダ17からの回転位置信号により超音波振動子6の回転角度を検出し、回転角度に対し一定の角度ずつ、ステッピングモータ20の回転軸及びボールネジ19を回転させる。
すると、リニア駆動部材18とラジアル回転部13、従って、フレキシブルシャフト5、超音波振動子6及び可撓性シース7は、アウタシース9内をフレキシブルシャフト5の軸方向にボールネジ19の微小なピッチ分ずつ進退する。つまり、超音波振動子6は超音波プローブ2の挿入軸方向にリニア状にスキャンする。
こうして、図4(A)に示すラジアルスキャンと図4(B)に示すリニアスキャンとを組み合わせた図4(C)に示すスパイラルスキャン(或いは3次元スキャン)を行うことにより、被検体の3次元領域に対するエコー信号を得る。
ところで、システムコントローラ26によるスパイラルスキャンの制御の詳細を説明すると以下の通りになる。
スキャン開始時のリニア駆動部材18の位置を図3のAで示す。一方、スキャン開始時には超音波プローブ2の先端部が図2の状態であるものとし、Aに対応した超音波振動子6の位置を図2のaで示す。システムコントローラ26によるスキャンが開始されると、超音波振動子6は回転しながら駆動部11側へ後退する。超音波の送受はこの後退時に行うものとする。
システムコントローラ26は、リニア駆動部材18が図3のBの位置に達した時、ステッピングモータ20の回転軸及びボールネジ19の回転方向を反転させる。すると、超音波振動子6は進退の方向を反転させ、駆動部11側から前進する。このBに対して超音波振動子6の位置を図2のbで示す。
こうして、超音波振動子6はaからbに示す範囲をスパイラルスキャンする。このように、作用することにより、使用者は、スパイラルスキャンの開始時に、例えば、内視鏡の光学観察系より半透明の可撓性シース7とアウタシース9を通し、超音波振動子6、反転位置マーカ部材10Aを確認することで、この位置a,bを把握し、スパイラルスキャンの進退の端部を知ることができる。
また、操作用端末33からの入力により、超音波振動子6の進退量が短く設定されると、システムコントローラ26は、リニア駆動部材18が図3のCの位置に達したとき、ステッピングモータ20の回転軸の回転方向を反転させ、超音波振動子6はaからcに示す範囲をスパイラルスキャンする。
この場合には、使用者は、スパイラルスキャンの開始時に、例えば、内視鏡の光学観察系より超音波振動子6、反転位置マーカ部材10Bを確認することで、この位置a,cを把握し、スパイラルスキャンの進退の端部を知ることができる。
以下、超音波観測部3と画像処理部4の作用を説明する。
超音波プローブ2によって得られた超音波エコー信号は、送受信部21内の増幅器で増幅される。その後、送受信部21では、包絡線や包絡線の累乗、絶対値、平方根などで表されるエコー信号の強度が検波され、デジタルのエコーデータに変換される。1枚の超音波断層像を構成するのに必要なエコーデータは、フレームメモリ22に記憶される。
そして、DSC23で極座標形式で表現されるエコーデータから直交座標形式で表現される断層像データに座標変換、及び補間される。その後、断層像データは、D/Aコンバータ24を経て観測モニタ25にリアルタイムの超音波断層像として表示される。
さらに、超音波プローブ2のスパイラルスキャンによって、この動作を繰り返すことにより、連続した複数の超音波断層像が順次、観測モニタ25に表示される。
一方、断層像データは、そのサイズや各断層像データ間の距離などの付帯データと共にDSC23の後段から画像処理部4へ送られるようになっている。こうして、超音波プローブ2のスパイラルスキャンによって得た、図5に示す連続した複数の断層像データ、即ち3次元エコーデータが画像処理部4へ送られる。 なお、図5では複数の断層像データを各フレーム単位で順次番号付け、具体的には画像番号No.0,No.1,…,No.Nのように番号付けしている。
この3次元エコーデータは、3次元データ記憶装置29に記憶される。そして、演算処理プロセッサ30により、3次元エコーデータから血管、血管以外の脈管、注目組織が抽出され、合成、陰面消去、陰影付加、座標変換などの各種画像処理が施される。
演算処理プロセッサ30の処理結果は、3次元画像データとして、3次元処理メモリ31に記憶される。演算処理プロセッサ30が行う処理の詳細は後述する。
3次元画像データはフレームバッファ35へ送られて一時記憶され、D/Aコンバータ36を経て画像処理モニタ37へ送出される。その後、画像処理モニタ37上に3次元画像が表示される。
なお、前述の演算処理プロセッサ30による各種画像処理の過程はCPU27によって制御されるようになっている。
以下、主に演算処理プロセッサ30が行う処理の詳細を説明する。
図6は、演算処理プロセッサ30が行う一連の処理を説明する図である。
図6に示すステップS1では、脈管を抽出する脈管抽出の処理を行う。図7は、脈管抽出の処理を説明する図である。具体的には以下のように処理する。
図7に示すステップS11では、3次元エコーデータ記憶装置29から3次元エコーデータを読み出す。説明の都合上、この3次元エコーデータを構成する各断層像データには、スパイラルスキャンより得られた順番に対応して、図5に示すようなNo.0〜Nまでの画像番号が付されているとする。
図7に示すステップS12では、3次元データ記憶装置29から読み出された3次元エコーデータより、脈管抽出の際に邪魔なノイズを除去するために、断層像データを公知の方法で平滑化する。
図7に示すステップS13では、最初の断層像データ、つまり画像番号No.0の断層像データを超音波断層像として画像処理モニタ37上に表示する。この断層像データを図8に示す。
図7に示すステップS14で、脈管抽出の際に邪魔な、可撓性シース7、アウタシース16からの超音波の多重反射によるエコー(多重エコー)を除去するために、オフセット円を設定し、オフセット円内のデータを3次元エコーデータから除く。
この多重エコー、オフセット円を図8ではそれぞれ符号41、42で示す。図8では、超音波プローブ2を体腔内の血管以外の脈管αに挿入して得た断層像データが示されている。
従って、この断層像データの中心に超音波振動子6が位置しており、その周囲に多重エコー41が現れるため、これを囲むようにオフセット円42を設定する。
オフセット円42の半径、中心位置は、ポインティングデバイス34の制御により画面内を自在に移動できるポインタ43により設定される。このポインタ43は図8のように画像処理モニタ37上に表示される。
図7に示すステップS15では、抽出すべき脈管上に抽出開始点を設定する。この抽出開始点の設定は、ポインティングデバイス34を用い、ポインタにより抽出したい脈間上に点を設定することで行われる。図8では、抽出開始点を超音波画像中心に設定した場合について示している。
図7に示すステップS16では、抽出開始点より等角度で放射状にスキャンラインを放射し、このスキャンライン上で輝度値の変化が有る点を脈管αの壁と認識する。
このスキャンラインを図8に矢印として示す。なお、血管や血管以外の脈管は、通常、実質組織よりエコー信号が弱いため、超音波断層像として現れる脈管内の輝度値は低いことが通例である。そのため、このステップS16では、スキャンライン上を抽出開始点から探索して輝度値が最初に大きく上がる点を脈管壁として抽出すれば良い。
図7に示すステップS17では、抽出された脈管の位置を3次元処理メモリ31に出力する。なお、ステップS16の処理では、脈管壁が複数のスキャンライン上の点として抽出されているため、脈管内の領域を、この複数の点を順に結んだ閉曲線の内部の領域として扱う。
図7に示すステップS18では、脈管内の領域の重心を算出する。重心は、脈管内の断層像データの構成要素(画素)の座標(x,y)の平均(μx ,μy )として算出することができる。
図7に示すステップS19では、No.Nまでの画像に対し、ステップS16からステップS18までの処理を施したか否か判断し、処理が完了していれば脈管抽出処理を終了させ、そうでなければステップS16に処理をジャンプして次の画像番号をもつ断層像データに対し上述の処理を行う。
なお、次の画像番号をもつ断層像データの抽出開始点は、ステップS18で算出された重心とする。重心を改めて抽出開始点とするのは、各断層像データ上に現れる脈管αが隣接した断層像データ間では、ほぼ同じ位置に現れるため、この重心が隣接した断層像データ内においても脈管α上の点になるからである。
このようにして、各断層像データごとに脈管が抽出され、その位置が3次元処理メモリ31に記憶される。
図6に示すステップS2では、腫瘍などの注目組織を抽出する。具体的には、以下のようにして抽出する。まず、3次元データ記憶装置29から3次元エコーデータを読み出し、画像処理モニタ37上に断層像データを超音波断層像として表示する。
そして、ポインティングデバイス34を用い、ポインタにより抽出したい領域の輪郭を囲む。さらに、この動作を、No.0〜Nまでの断層像データの各々に対して繰り返す。
この様子を図9に示す。図9に示すように画像番号No.J(J=1,…,N)の断層像データに対して、注目組織の領域の輪郭をポインタにより囲む。
そして、抽出された注目組織の位置は3次元処理メモリ31に出力される。 このようにして、各断層像データごとに注目組織が抽出され、その位置が3次元処理メモリ31に記憶される。
図6に示すステップS3では、ステップS1で抽出された脈管とステップS2で抽出された注目組織のそれぞれに、断層像データ間の補間処理を施して、それぞれの3次元モデルを構築する。図10にこのときの3次元処理メモリ31への記憶形式を示す。具体的には、以下のように処理する。
まず、脈管と注目組織のそれぞれに対し、3次元処理メモリ31内に(x,y,z)を座標とする3次元データ空間を1つずつ用意する。そして、例えば、脈管に対する3次元データ空間内では、各断層像データに対応したz座標をもつ(x,y)平面上の構成要素(画素)のうち、脈管に対応する位置に存在する画素にデータとして例えば、青を割り当てる。
そのほかの領域の画素は無色である。図5に示すように、各断層像データはz軸は法線として並んでいるため、こうしたことは可能である。なお、図10に升目で示した画素のうち黒く塗りつぶされているものが抽出した脈管の位置に存在する画素を示す。
次に、色を割り当てられた画素間を公知の方法で補間処理を行う。なお、図10では、断層像データ間にもう一枚の補間された平面を加えることで補間を行う場合で示している。
脈管の場合で説明したが、注目組織に対する3次元データ空間についても同様の処理を施す。なお、このとき、画素にデータとして割り当てる色は例えば赤である。
このようにして、3次元処理メモリ31内の脈管に対する3次元データ空間にモデル化された脈管が記憶され、注目組織に対する3次元データ空間にモデル化された注目組織が記憶される。
図6に示すステップS4では、抽出された脈管及び注目組織を、1つの3次元データ空間に合成する。具体的には、以下のように処理する。
まず、3次元処理メモリ31内に、さらにもう一つの3次元データ空間を用意する。そして、脈管と注目組織に対する2つの3次元データ空間内の同じ座標(x,y,z)を有する画素間でデータを加算する。
無色の画素と赤の画素、または無色の画素と青の画素とで加算するときは、赤、または青を加算値とする。また、赤の画素と青の画素とで加算するときは、赤を優先させ赤を加算値とする。
このようにして、脈管と注目組織が1つの3次元データ空間に合成され、モデル化される。
図6に示すステップS5では、合成された脈管と注目組織に陰面消去、陰影付加、座標変換などの公知の方法の3次元処理を施し、図11に示す3次元画像を構築する。
図6に示すステップS6では、この3次元画像を画像処理モニタ37上に表示する。
このように、本実施の形態では、演算処理プロセッサ30やポインティングデバイス34が第1脈管抽出手段、組織抽出手段、3次元処理手段、抽出開始点設定手段として、駆動部11が駆動手段として、フレキシブルシャフト5が駆動伝達部材として、反転位置マーカ部材7、8が超音波振動子6の進退の範囲を示す指標として機能する。
本実施の形態では、以下の効果を有する。
本実施の形態では、演算処理プロセッサ30やポインティングデバイス34により、被検体の3次元空間に超音波を送受して得たエコーの強度情報からなる3次元エコーデータより脈管と注目組織とを抽出し、脈管と注目組織とを合成した3次元画像を構築するよう構成したため、移動情報の得にくい脈管と、注目組織との位置関係を把握することができる。
そのため、例えば、腫瘍が移動情報の得にくい脈管の周囲にどの程度広がっているか把握することができ、例えば、手術による切除範囲を決定する際の重要な情報を提供することができる。
また、本実施の形態では、抽出された脈管と注目組織とを色分けして合成した3次元画像を構築するよう構成したため、脈管と注目組織とを目視にて区別し易い。
また、本実施の形態では、駆動伝達部材に設けられた反転位置マーカ部材10A、10Bが、半透明の可撓性シース7と、可撓性シース7を覆う半透明のアウタシース9を通して、進退の範囲を示すよう構成したため、使用者は、スパイラルスキャンの開始時に、例えば内視鏡の光学観察系から超音波振動子6、反転位置マーカ部材10A,10Bを良く観察することができ、進退の位置a、b、cを把握し、スパイラルスキャンの進退の端部を知ることができる。
従って、注目組織からのエコー信号を3次元エコーデータとして取得する際の確実性を増し、検査時間を短くすることができる。
また、本実施の形態では、反転位置マーカ部材10A,10Bが円環状であるよう構成したため、可撓性シース7の内部に気泡が存在する場合に、反転位置マーカ部材10A,10Bは、気泡が超音波振動子6側へ来ないように気泡トラップとしての機能を果たし、超音波振動子6から送受信される超音波、エコーが気泡に邪魔されなくなるため、良好な断層像データを得ることができる。
(変形例)
第1の実施の形態では、アウタシース9内を、フレキシブルシャフト5、超音波振動子6、可撓性シース7が進退するよう構成したが、可撓性シース7内をフレキシブルシャフト5、超音波振動子6が後退する構成にしても良い。この様に構成するとアウタシース9は不要である。
また、本実施の形態では、ステップS12で断層像データを平滑化した後、ステップS16でスキャンラインを放射し、このスキャンライン上で輝度値の変化が有る点を脈管壁と認識させたが、ステップS12の後に、断層像データを2値化処理を施しても良い。このようにすると、脈管壁をよりはっきり認識させることができる。
また、本実施の形態では、画像番号No.0の断層像データを超音波断層像として画像処理モニタ37上に表示し、オフセット円や抽出開始点を設定したが、他の断層像データ上でこれを行っても良い。
また、本実施の形態では、脈管として血管以外の脈管αを抽出したが、図7に示すステップS15で、抽出開始点を図8に示す脈管(血管)β上に設定し、上述の方法で脈管(血管)βを抽出させても良い。
また、本実施の形態では、ポインティングデバイス34を用い、ポインタにより抽出したい領域の輪郭を囲むことで、3次元エコーデータより注目組織を抽出したが、この抽出方法は公知の方法であれば何でも良い。例えば、断層像データが有するテクスチャーパターンにより求めるようにしても良い。
また、操作用端末33などから使用者である医師の名前を入力し、その名前により、演算処理プロセッサ30が行う処理で設定する必要がある各種パラメータを変更しても良い。この各種パラメータには、例えば3次元画像を表示する際の配向や、陰影付加の際の光量、ステップS16で説明した脈管抽出のために輝度値が大きく上がる点を抽出する際のしきい値などを含む。
このように構成すると、使用者の好みで設定が異なるよう場合でも装置の設定を簡単にすることができる。この場合、操作用端末33が使用者識別手段として機能する。
また、ステッピングモータ20が回転する際のトルクを調整するモータトルク調整つまみを駆動部11に設けても良い。このとき、モータトルク調整つまみにより、ステッピングモータ20の図示しない駆動回路に流す電流を変更することで、トルクを調整するように作用させる。
ステッピングモータ20は、一般に、駆動回路に流す電流量に対応した一定力量以上の力量がかかると回転しなくなる。そのため、このように構成することで、この一定力量を簡単に調整することができ、例えば、超音波プローブ2が何かに挟まっていてもフレキシブルシャフト5や超音波振動子6を無理に進退させることがなくなり、超音波プローブ2の破壊を防止することができる。
また、個々のステッピングモータのこの一定力量のばらつきを、工場出荷時に簡単に調整することができる。さらに、例えば、超音波プローブ2を口から挿入する際、食道などの湾曲の少ない部位ではトルクを弱めにし、十二指腸や膵管、胆管などの湾曲の大きい部位ではトルクを若干強めにするなど、検査中でも検査部位に応じたトルクに調整することができる。
(第2の実施の形態)
図12及び図13は本発明の第2の実施の形態にかかり、図12は本発明の第2の実施の形態における演算処理プロセッサ30が行う一連の処理内容をフローチャートで示し、図13は画像処理モニタ37に表示される3次元画像を示す。 本実施の形態のハードウェアの構成は第1の実施の形態と同様で、その処理プログラムが異なるので略す。
本実施の形態の作用を以下に説明する。
本実施の形態では、第1の実施の形態とは演算処理プロセッサ30が行う一連の処理が異なる。そのため、異なる部分のみを説明する。
図12は、演算処理プロセッサ30が行う一連の処理を説明する図である。図12に示す各処理は、第1の実施の形態で説明した図6に示す同番号の処理と内容は同様である。
図12に示すステップS1では、第1の実施の形態で説明した方法で、図8に示す脈管αを抽出する。
図12に示すステップS1′では、第1の実施の形態で説明した方法で、図8に示す脈管(血管)βを抽出する。実際には、ステップS1のステップS15で、抽出開始点を脈管(血管)β上に設定すれば良い。
図12に示すステップS3では、第1の実施の形態で説明した方法で、ステップS1で抽出された脈管とステップS1′で抽出された脈管のそれぞれに、断層像データ間の補間処理を施して、それぞれの3次元モデルを構築する。
その他の作用は第1の実施の形態と同様である。
このように作用すると、図13に示すような脈管αと脈管βの複雑な走行の関係が、例えば青と赤の色で互いに色分けされた3次元画像として画像処理モニタ37上に表示される。
本実施の形態では、以下の効果を有する。
本実施の形態では、被検体の3次元空間に超音波を送受して得たエコーの強度情報からなる3次元エコーデータより複数の脈管を抽出し、複数の脈管を合成した3次元画像を構築するよう構成したため、移動情報の得にくい脈管と、血管などの他の脈管との位置関係を把握することができる。
また、本実施の形態では、抽出された複数の脈管どうしを色分けして合成した3次元画像を構築するよう構成したため、脈管どうしを目視にて区別し易い。 その他の効果は第1の実施の形態と同様である。
(変形例)
本実施の形態では、脈管αと脈管(血管)βの2本の脈管を抽出したが、ステップS1、ステップS1′で説明した処理を繰り返し、もっと多くの脈管を抽出するようにしても良い。
(第3の実施の形態)
図14及び図15は本発明の第3の実施の形態にかかり、図14は本発明の第3の実施の形態における演算処理プロセッサが行う一連の処理内容を示すフローチャートを示し、図15は画像処理モニタに表示される3次元画像を示す。
本実施の形態のハードウェアの構成は第1の実施の形態と同様で、処理するプログラム内容が異なるので略す。
次に本実施の形態の作用を説明する。
本実施の形態では、第2の実施の形態とは演算処理プロセッサ30が行う一連の処理が異なる。そのため、異なる部分のみを説明する。
図14は、演算処理プロセッサ30が行う一連の処理を説明する図である。図14に示す各処理は、第1の実施の形態、第2の実施の形態で説明した図6、図12に示す同番号の処理と内容は同様である。
第1の実施の形態では脈管αと注目組織、第2の実施の形態では、脈管(血管)βも含め、複数の脈管α、βを抽出したが、本実施の形態では、第1の実施の形態で説明した方法で注目組織を抽出し、さらに第2の実施の形態で説明した方法で複数の脈管α、βと注目組織とを合成した3次元画像を構築するようにしている。
なお、脈管αと脈管βと注目組織にはそれぞれ別の色(例えば青、黄、赤)を割り当てる。
その他の作用は第2の実施の形態と同様である。
このように処理すると、図15に示すような、図8の脈管α、脈管(血管)β、腫瘍などの注目組織の複雑な位置関係が、それぞれ例えば青、黄、赤の色を割り当てられ、互いに色分けされた3次元画像として画像処理モニタ37上に表示される。
本実施の形態では、以下の効果を有する。
本実施の形態では、被験者の3次元空間に超音波を送受して得たエコーの強度情報からなる3次元エコーデータより複数の脈管と注目組織を抽出し、3次元エコーデータより抽出された複数の脈管、注目組織とを合成した3次元画像を構築するように構成したため、移動情報の得にくい脈管と、血管などの他の脈管との位置関係を把握することができる。
また、移動情報の得にくい脈管と、注目組織と、他の脈管との位置関係を把握できる。そのため、例えば、移動情報の得にくい脈管から発生した腫瘍が血管や他の脈管に到達しているか否かを鑑別することができる。
また、本実施の形態では、血管も含め抽出された複数の脈管どうし、脈管と注目組織を色分けして合成した3次元画像を構築するよう構成したため、脈管どうし、脈管と注目組織とを目視にて区別し易い。
その他の効果は第1の実施の形態、第2の実施の形態と同様である。
(第4の実施の形態)
図16から図19までは第4の実施の形態にかかり、図16は本発明の第4の実施の形態における超音波プローブ及び駆動部の構成を示し、図17は本発明の第4の実施の形態の超音波画像診断装置の構成をブロック図で示し、図18は振動子アレイにより得られる複数の断層像データを模式的に示し、図19は演算処理プロセッサが行う一連の処理内容を示す。
第1の実施の形態と異なる部分のみを説明する。
図16は、本実施の形態の超音波画像診断装置のスパイラルスキャンを行う超音波プローブ2の先端部、及び超音波プローブ2を駆動する駆動部11の構成を示す図である。フレキシブルシャフト5の先端には複数の超音波振動子がリニア状に並列されている振動子アレイ49が設けられている。
これらフレキシブルシャフト5と振動子アレイ49とは円筒状の可撓性シース7の内部に挿通されている。可撓性シース7内には例えば水などの流動媒体8が満たされており、この流動媒体8は潤滑剤、及び超音波伝達媒体として機能する。
フレキシブルシャフト5の後端は、DCモータ12の回転軸に接続されている。可撓性シース7は、駆動部11内のフレーム14に接続されている。DCモータ12の回転は、例えば1対1のギア比で噛合するギア16を介してロータリエンコーダ17に伝達され、ロータリエンコーダ17から超音波振動子6の回転位置信号が出力される。
図17は、本実施の形態の超音波画像診断装置の超音波観測部3と、画像処理部4の構成を示す図である。超音波観測部3は、超音波の送受信及びリアルタイムのCFM(カラーフローマッピング)画像の表示を行い、画像処理部4は、超音波観測部3で得られたエコーデータを基に3次元画像表示のための画像処理を行う。
超音波観測部3は、振動子アレイ49が超音波の送受信を行う様、振動子アレイ49を構成する各超音波振動子に電気的なパルスを遅延をかけて送受信し、受信パルスを増幅する送受信部21と、送受信部21で増幅されたエコー信号の強度から断層像データを作成するBモード像作成部50と、送受信部21による振動子アレイ49の同一方向への複数回の超音波の送受で得られた血球のドップラ現象による移動情報から、公知の方法で血流像データを作成する血流像作成部51と、断層像データと血流像データとを重畳してCFM画像データに合成するミキサ52と、ミキサ52の出力するCFM画像データをアナログ信号に変換するD/Aコンバータ24と、D/Aコンバータ24の出力画像信号を入力してリアルタイムで断層像データに血流像データが重畳されたCFM画像の表示を行う観測モニタ25と、駆動部11、送受信部21、Bモード像作成部50、血流像作成部51、ミキサ52等の各部の制御を行うシステムコントローラ26とを備えて構成されている。
なお、Bモード像作成部50は、送受信部21で増幅されたエコー信号の包絡線を検波し、対数増幅など各種の方法で増幅し、デジタルのエコーデータにA/D変換するBモード検波部53と、1枚の断層像を構築するのに必要なエコーデータを記憶するフレームメモリ22−aと、フレームメモリ22−aに記憶されたエコーデータを補間し、横方向の変位x、縦方向の変位yの形式で表される直交座標形式で表現された断層像データに変換するDSC23−aとを備えて構成されている。
また、血流像作成部51は、送受信部21による振動子アレイ49の同一方向への複数回の超音波の送受で得られた増幅された各エコー信号の位相を検査し、比較的遅い移動体からの不要な信号成分を除去し、操作範囲内の各点の平均速度や分散やパワー等の情報を含んだドップラデータを演算するドップラ検波演算部54と、1枚の血流像を構成するのに必要なドップラデータを記憶するフレームメモリ22−bと、フレームメモリ22−bに記憶されたドップラデータを補間し、横方向の変位x、縦方向の変位yの形式で表される直交座標形式で表現された血流像データに変換するDSC23−bとを備えて構成されている。
画像処理部4の構成は、第1の実施の形態と同様である。
次に本実施の形態の作用を説明する。
以下、超音波プローブ2と駆動部11の作用を説明する。
超音波観測を行う際には、超音波プローブ2を体腔内に挿入する。そして、送受信部21は、振動子アレイ49を構成する超音波振動子のうち隣接するいくつかに電気的なパルスを送信して超音波ビームを形成する。
このようにして、超音波プローブ2の軸方向(長手方向)に垂直に方向に超音波を送波すると共に、音響インピーダンスの変化部分で反射された反射超音波(エコー信号)を受信する。
なお、送受信部21は、振動子アレイ49が血流の移動情報を得るために超音波の送受を同一方向へ複数回繰り返すよう超音波振動子を駆動する。さらに、送受信部21は、駆動する超音波振動子をずらし、超音波ビームの送受信を図16の矢印の方向へずらしていく。つまり、振動子アレイ49は超音波プローブ2の挿入軸方向にリニア状にスキャンする。
また、システムコントローラ26は、DCモータ12の回転軸及びフレキシブルシャフト5を図16の矢印の方向に回転させる。すると、フレキシブルシャフト5の先端に取り付けた振動子アレイ49が回転する。つまり、振動子アレイ49はラジアル状にスキャンする。
こうして、リニアスキャンとラジアルスキャンとを組み合わせることにより、被検体の3次元領域に対するエコー信号を得る。
以下、超音波観測部3と画像処理部4の作用を説明する。
超音波プローブ2によって得られたエコー信号は、送受信部21で増幅され、Bモード像作成部50と、血流像作成部51に入力される。
Bモード像作成部50内では、この増幅されたエコー信号は、Bモード検波部53により、強度として包絡線を検波され、対数増幅など各種の方法で増幅され、デジタルのエコーデータにA/D変換される。
そして、1枚の超音波断層像を構成するのに必要なエコーデータは、フレームメモリ22−aに記憶される。その後、フレームメモリ22−aに記憶されたエコーデータは、DSC23−aにより補間され、横方向の変位x、縦方向の変位yの形式で表される直交座標形式で表現された断層像データに変換され、ミキサ52に出力される。
血流像作成部51内では、振動子アレイ49の同一方向への複数回の超音波の送受で得られ、増幅された各エコー信号は、ドップラ検波演算部54により、位相を検波され、比較的遅い移動体からの不要な信号成分を除去される。
そして、血球のドップラ現象による周波数のシフト分のみが抽出され、走査範囲内の各点の平均速度や分散やパワー等の情報を含んだドップラデータが算出される。そして、1枚の血流像を構成するのに必要なトップラデータは、フレームメモリ22−bに記憶される。
フレームメモリ22−bに記憶されたドップラデータは、DSC23−bにより補間され、横方向の変位x、縦方向の変位yの形式で表される直交座標形式で表現された血流像データに変換され、ミキサ52に出力される。
ミキサ52に入力された断層像データと血流像データとは、重畳されてCFM(カラーフローマッピング)画像データに合成される。ミキサ52の出力するCFM画像データは、D/Aコンバータ24によりアナログ信号に変換される。
D/Aコンバータ24の出力画像信号は、観測モニタ25にリアルタイムのCFM画像として表示される。なお、ここで表示されるCFM画像は、振動子アレイ49のリニアスキャンによって得られたリニア状のCFM画像である。
さらに、振動子アレイ49が回転することによって、この動作を繰り返すことにより、連続した複数のCFM画像が順次、観測モニタ25に表示される。
一方、断層像データとし血流像データは、そのサイズや各断層像データ、各血流像データ間の角度などの付帯データと共にDSC23−a、23−bの後段から画像処理部4へ送られる。
こうして、振動子アレイ49の回転によって得た、図18に示す連続した複数の断層像データとし血流像データ、即ち3次元エコーデータと3次元ドップラデータが画像処理部4へ送られる。この3次元エコーデータと3次元ドップラデータは、3次元データ記憶装置29に記憶される。
3次元データ記憶装置29に記憶された3次元エコーデータと3次元ドップラデータは、演算処理プロセッサ30により、3次元エコーデータから血管以外の脈管、注目組織が抽出され、3次元ドップラデータから血管が抽出される。そして、合成、陰面消去、陰影付加、座標変換などの各種画像処理を施される。
演算処理プロセッサ30の処理結果は、3次元画像データとして、3次元処理メモリ31に記憶される。演算処理プロセッサ30が行う処理の詳細は後述する。
3次元画像データはフレームバッファ35へ送られて一時記憶され、D/Aコンバータ36を経て画像処理モニタ37へ送出される。その後、画像処理モニタ37上に3次元画像が表示される。
なお、前述の演算処理プロセッサ30による各種画像処理の過程はCPU27によって制御されるようになっている。
以下、主に演算処理プロセッサ30が行う処理の詳細を説明する。
図19は、演算処理プロセッサ30が行う一連の処理を説明する図である。図19に示す各処理は、第1の実施の形態で説明した図6に示す同番号の処理と内容は同様である。
図19に示すステップS1では、3次元エコーデータから第1の実施の形態で説明した方法で、脈管を抽出する。
図19に示すステップS2では、3次元エコーデータから第1の実施の形態で説明した方法で、注目組織を抽出する。
図19に示すステップS7では、3次元ドップラデータから血管を抽出する。具体的には、各血流像データにしきい値処理を施し、血球、すなわち血流による周波数のシフト分が大きいところを血管として抽出する。
図19に示すステップS8では、ステップS1で抽出された脈管、ステップS2で抽出された注目組織、ステップS7で抽出された血管のそれぞれに、断層像データ、血流像データ間の補間処理を施して、それぞれの3次元モデルを構築する。具体的には、以下のように処理する。
まず、脈管と注目組織と血管のそれぞれに対し、3次元処理メモリ31内に(x,y,z)を座標とする3次元データ空間を1つずつ用意する。そして、例えば、脈管に対する3次元データ空間内では、各断層像データ中で抽出された脈管に対応する位置に存在する画素にデータとして青を割り当てる。そのほかの領域の画素は無色である。
次に、色を割り当てられた画素間に公知の方法で補間処理を行う。
そして、注目組織に対する3次元データ空間についても同様の処理を施す。なお、このとき、画素にデータとして割り当てる色は赤である。
さらに、血管に対する3次元データ空間についても同様の処理を施す。この時、画素にデータとして割り当てる色は黄である。
このようにして、3次元処理メモリ31内の脈管に対する3次元データ空間にモデル化された脈管が記憶され、注目組織に対する3次元データ空間にモデル化された注目組織が記憶され、血管に対する3次元データ空間にモデル化された血管が記憶される。
図19に示すステップS4では、抽出された脈管と注目組織と血管を第1の実施の形態で説明した方法で、1つの3次元データ空間に合成する。
その他の作用は第1の実施の形態と同様である。
このように作用すると、図15に示すような、血管も含め、複雑な脈管どうし、脈管と注目組織の位置関係が、互いに色分けされた3次元画像として画像処理モニタ37上に表示される。
このように、本実施の形態では、演算処理プロセッサ30が第2脈管抽出手段として機能する。
本実施の形態では、以下の効果を有する。
本実施の形態では、被検体の3次元空間にを超音波を送受して得たエコーの強度情報からなる3次元エコーデータより脈管と注目組織を抽出し、被検体の3次元空間に超音波を送受して得た移動体の移動情報からなる3次元ドップラデータより脈管(血管)を抽出し、3次元エコーデータより抽出された脈管、注目組織と3次元ドップラデータより抽出された脈管とを合成した3次元画像を構築するよう構成したため、移動情報の得にくい脈管と、血管などの他の脈管との位置関係を把握することができる。
また、移動情報の得にくい脈管と、注目組織と、血管との位置関係を把握できる。そのため、例えば、移動情報の得にくい脈管から発生した腫瘍が血管に到達しているか否かを鑑別することができる。
また、本実施の形態では、血管も含め抽出された複数の脈管どうし、脈管と注目組織を色分けして合成した3次元画像を構築するよう構成したため、脈管どうし、脈管と注目組織とを目視にて区別し易い。
その他の効果は第1の実施の形態と同様である。
(変形例)
本実施の形態では、超音波振動子をリニア状に配した振動子アレイ49を用いたが、超音波振動子の配列に扇型のカーブをもたせ、一般にコンベックスと呼ばれている振動子アレイでも良い。また、振動子アレイ49を構成する超音波振動子の配列形状はこれらの例に限らない。
(第5の実施の形態)
図20から図25までは第5の実施の形態にかかり、図20は本発明の第5の実施の形態における演算処理プロセッサが行う一連の処理内容をフローチャートで示し、図21は画像処理モニタに表示される4枚の断面の候補を示し、図22は最終的に構築される3次元画像を示し、図23は脈管αの壁を認識する処理の説明図を示し、図24は第5の実施の形態の変形例における3次元画像を示し、図25は他の変形例における3次元画像を示す。
本実施の形態のハードウェアの構成は第3の実施の形態と同様で処理するプログラムが異なるのみであるので略す。
次に本実施の形態の作用を説明する。
本実施の形態では、第3の実施の形態とは演算処理プロセッサ30が行う一連の処理が異なる。そのため、異なる部分のみを説明する。
なお、第3の実施の形態では、注目組織と複数の脈管とを抽出し、複数の脈管と注目組織とを合成した3次元画像を構築するようにしたが、本実施の形態では、さらに、3次元エコーデータの階調を有する超音波断層像(以下、単に「断面」と呼ぶ)を合成した3次元画像を構築する。
図20は、演算処理プロセッサ30が行う一連の処理を説明する図である。図20に示す各処理は、第3の実施の形態で説明した図14に示す同番号の処理と内容は同様である。
図20に示すステップS9では、合成すべき断面の位置を設定する。具体的には、以下のように作用する。
まず、3次元データ記憶装置29から3次元エコーデータを読み出す。そして、この3次元エコーデータに補間等の処理を施して、画像処理モニタ37上に、図21で示される4枚の断面を構築し、表示する。このときに、第1の実施の形態で説明した方法で、オフセット円を設定し、多重エコーを除去しても良い。
図21では、画像処理モニタ37上に表示される3次元画像に合成される4枚の断面の候補が示されている。ここでは、抽出すべき脈管α、脈管(血管)βが示されており、腫瘍などの注目組織は梨地模様の部分として示されている。
なお、図22では、この断面を適当に設定して最終的に構築される3次元画像が示されており、図21の断面A,B,C,Dは、図22の断面A,B,C,Dに対応している。
即ち、断面Cは断面A,Dに垂直で、図21に示す切断線+を含む断面、断面Bは同様に図21に示す切断線×を含む断面である。また、断面Aは断面B、Cに垂直で、図21に示す切断線△を含む断面、断面Dは同様に図21に示す切断線□を含む断面である。
図22において、z軸は超音波プローブ2の挿入軸に設定されているため、このz軸に垂直で互いに平行な断面AとDをラジアル面、z軸に平行な断面BとCをリニア面として設定する。
この場合、断面Aをラジアルスキャンの前側の面としてラジアル面、断面Dをラジアルスキャンの後側の面としてラジアル後と記す。また、図22に示すようにy軸を上方向に設定して3次元表示を行う場合に対応させて、断面Bをリニア横、断面Cをリニア上と記す。
ところで、図22に示すz軸は図5に示すz軸と同じ方向に設定されているため、実際にステップS9で新たに構築しなければならない断面はリニア面のみで、ラジアル面は連続する複数の断層像データから選ぶだけで良い。
これらの切断線+、×、△、□は、任意に設定することができる。実際には、図21のリニア横の断面の矢印で示すように、画面上の+、×、△、□のマーク上に、ポインティングデバイス34の制御により画面内を自在に移動できるポインタ43を設定し、このマークを移動させることで行う。
また、ラジアル前、ラジアル後の断面は、断面の中心Oの周りに任意の角度で回転させることができる。実際には、図21のラジアル前の断面の矢印で示すように、ラジアル面上でポインタ43を設定し、移動させることで行う。
切断線が移動する、すなわちリニア面が移動するとき、またはラジアル面が回転するときには、全ての断面がこれに連動して更新される。なお、ポインタを設定したり、設定を解除したりすることは、ポインティングデバイス34に設けられた図示しないボタンをクリックするなど周知の方法で行う。
このようにして、図22に示す断面の位置が任意に設定される。
図20に示すステップS10では、図21に示す脈管αを抽出する。具体的には、以下のようにして処理する。第1の実施の形態で説明した方法で、ラジアル前の断面内で抽出開始点を設定し、この点から等角度で放射状にスキャンラインを放射し、このスキャンライン上で輝度値の変化が有る点を脈管αの壁と認識する。
なお、ここでは、抽出開始点を中心Oに設定する。また、ここでは切断線+と×で分割される象限のうち、抽出開始点とは対角にある象限に対してのみスキャンラインを放射するようにする。
図21では右上の象限に抽出開始点があるので、抽出される脈管αの壁を自動的に図21の左下の象限にある部分のみになる。図23にこの様子を示す。そして、抽出された脈管壁の位置を3次元処理メモリ31に出力する。
さらに、これをラジアル前の断面に対応する断層像データからラジアル後の断面に対応する断層像データまで繰り返す。ただし、繰り返す際の抽出開始点は、ラジアル前の断面で設定された点(この場合は中心O)で固定する。
図20に示すステップS1′では、第1の実施の形態で説明した方法で、図21に示す脈管βを抽出する。
図20に示すステップ2では、第1の実施の形態で説明した方法で、図21に示す注目組織を抽出する。
図20に示すステップS21では、第1の実施の形態で説明した方法で、ステップS9で位置を設定された図21の断面Aのうち左下の象限内の部分と、断面Bのうち切断線△と□に挟まれ切断線+より下側の部分と、断面Cのうち切断線△と□に挟まれ切断線×より左側の部分と、断面Dのうちの左下の象限以外の部分と、ステップS10で抽出された脈管αのうち切断線△と□に挟まれ左下の象限にある部分と、ステップS1′で抽出された脈管βのうち切断線△と□に挟まれた部分と、ステップS2で抽出された注目組織のうち切断線△と□に挟まれ左下の象限にある部分のそれぞれに、断層像データ間の補間処理を施して、それぞれの3次元モデルを構築する。
なお、断面の位置に存在する画素にはデータとしてエコーデータを反映した白から黒までの階調を割り当てる。脈管α、脈管β、注目組織の位置に存在する画素にはデータとして、それぞれ、例えば青、黄、赤を割り当てる。
図20に示すステップS22では、位置を設定された断面と、抽出された脈管αと、脈管βと、注目組織とを1つの3次元データ空間に合成する。なお、脈管αは表面のみが合成され、断面A、B、Cは脈管αの内部を除いて合成されるようにする。
その他の作用は第2の実施の形態と同様である。
このように作用すると、図22に示すように、脈管α、脈管β、腫瘍などの注目組織の複雑な位置関係が、それぞれ例えば青、黄、赤の色を割り当てられ、互いに色分けされた3次元画像として画像処理モニタ37上に表示されるばかりでなく、エコーデータの階調を割り当てられた断面も同時に表示される。
このように、本実施の形態では、演算処理プロセッサ30やポインティングデバイス34が断面設定手段として機能する。
本実施の形態では、以下の効果を有する。
本実施の形態では、演算処理プロセッサ30やポインティングデバイス34により、3次元エコーデータにおいて、3次元エコーデータの階調を有する断面の位置を設定し、断面と、抽出された脈管と、抽出された注目組織とを合成した3次元画像を構築するよう構成したため、抽出された組織や脈管以外の部分を断面上で観察し、抽出された部分との位置関係を容易に把握することができる。また、2次元の断面上でエコーデータの階調により診断することができる。
本実施の形態では、抽出開始点の位置と複数の断面の位置により決定される抽出範囲内にのみスキャンラインを延伸させることで、脈管抽出処理を3次元画像を構築するために必要な抽出範囲に限定するよう構成したため、脈管の全周囲にスキャンラインを延伸させる方法に比べて、処理を高速に行うことができる。その他の効果は第3の実施の形態と同様である。
(変形例)
本実施の形態では、脈管(血管)βを3次元エコーデータから抽出したが、第4の実施の形態で説明したような3次元トップラデータから抽出する方法をとっても良い。
また、本実施の形態では、複数の断面と抽出された脈管や注目組織とを合成したが、断面を1枚のみ設定し、図24のような3次元画像に合成して画像処理モニタ37の表示面37aに表示しても良い。
さらに、図25のように、演算処理プロセッサ30やポインティングデバイス34により、設定された断面の位置を示す指標と、抽出された脈管と、抽出された注目組織とを合成した3次元画像を構築し、画像処理モニタ37の表示面37aに、3次元画像と断面とを同時に表示するよう構成しても良い。
このように構成すると、断面が図24のように斜めにならず通常の超音波断層像での観察と同じ感覚で観察することができる。この場合には、画像処理モニタ37は、表示手段として機能する。
また、本実施の形態では、ステップS10で抽出開始点を中心Oに設定したが、脈管αを抽出する処理を行う断層像データ上で、常に脈管α上にあるような位置であればどこでも構わない。
(第6の実施の形態)
図26及び図27は本発明の第6の実施の形態にかかり、図26は本発明の第6の実施の形態における超音波プローブ内のフレキシブルシャフトの先端部の構造を示し、図27は超音波観測部の構成をブロック図で示す。
第1の実施の形態と異なる部分のみを説明する。
図26は、本実施の形態の超音波画像診断装置のスパイラルスキャンを行う超音波プローブ2内のフレキシブルシャフト5の先端部の構成を示す図である。本実施の形態では、2個の超音波振動子6−cと6−dが、ラジアルスキャンで超音波を送受する際の送受信面が距離δ/2だけ平行に離れるように、ずらして設けられている。また、超音波振動子6−cと6−dとは超音波を送受する面が180°異なる側に取り付けられている。
なお、このδ/2は、スパイラルスキャンを行う際にフレキシブルシャフト5が1回転したときの進退幅δの半分である。
図27は、本実施の形態の超音波画像診断装置の超音波観測部3の構成を示す図である。超音波振動子6−c、6−dに対応して、送受信部21−c、21−d、フレームメモリ22−c、22−d、DSC23−c、23−dの2系統の信号処理回路が設けられている。そして、そのうちの1系統には、フレームメモリ22−dとDSC23−dとの間に回転部55が設けられている。
また、DSC23−c、23−dから出力される断層像データは、切換器56に入力し、画像処理部4への出力が切り換えられるようになっている。さらに、駆動部11に設けられたロータリエンコーダ17からの回転位置信号は、切換器56に入力する。
その他の構成は第1の実施の形態と同様である。
次に本実施の形態の作用を説明する。
2系統ある送受信部21は、システムコントローラ26の制御により超音波振動子6−c、6−dとを同期して駆動する。2系統あるうちの1系統では、送受信部21−dから出力されたエコーデータが回転部55に入力される。
そして、回転部55では、DSC23−c、23−dが出力する断層像データの向きが一致するように、180°回転するべくエコーデータに座標変換が施される。DSC23−cと23−dが出力する2系統の断層像データは、ロータリエンコーダ17からの回転位置信号により、フレキシブルシャフト5が180°回転することに画像処理部4へ切り換えて出力される。
その他の作用は第1の実施の形態と同様である。
本実施の形態では、以下の効果を有する。
本実施の形態では、ラジアルスキャンの送受信面を違えて設けられた複数個の超音波振動子6−c、6−dがスパイラルスキャンを行うことにより得る、連続する複数枚の断層像データより1つの3次元エコーデータを構成するよう構成したため、フレキシブルシャフト5が1回転したときの進退幅δの半分の間隔で1枚の断層像データを得ることができ、進退幅の間隔で1枚の断層像データを得る第1の実施の形態と比べ分解能は半分に向上する。
そのため、走査時間を長くせず、超音波プローブの挿入軸方向の分解能を向上させることができる。
その他の効果は第1の実施の形態と同様である。
(変形例)
本実施の形態では、2個の超音波振動子6−cと6−dを、ラジアルスキャンで超音波を送受する際の送受信面が距離δ/2だけ平行に離れるように、ずらして設けたが、超音波振動子は複数個であれば何個でも良く、例えば3個でも良い。超音波振動子の数をn個にしたいときには、互いの送受信面が距離δ/nだけ平行に離れるように、ずらして設ければ良い。
このように構成すると、断層像データの間隔をさらに狭くして分解能を向上させることができる。
(第7の実施の形態)
図28は本発明の第7の実施の形態における体動の影響を考慮して3次元エコーデータを決定する処理を示す。
本実施の形態の構成は第1の実施の形態と同様なので略す。
次に本実施の形態の作用を説明する。
第1の実施の形態と異なる部分のみを説明する。
本実施の形態では、まず、超音波プローブ2を動かさずに超音波振動子6のスパイラルスキャンをn+1回繰り返す。そして、図5に示す複数枚の断層像データからなる3次元エコーデータが、図28に示すようにセット0,セット1,…,セットnのn+1セット分だけ得られ、3次元データ記憶装置29に記憶される。
演算処理プロセッサ30は、脈管や注目組織を抽出し3次元画像を構築する前に、体動による断層像間のぶれを補正する。具体的には以下のように処理する。 まず、各セットから同じ画像番号の断層像データを比較し、体動が生じたときの断層像データを抽出する。抽出された断層像データの画像番号を図28に示すようにNo.Kとする。この場合には、n+1個の画像データとなる。
超音波振動子6は被検体の同じ部位をスパイラルスキャンするはずなので、これらNo.Kの断層像データは、体動による影響がなければ同じになるはずである。
断層像データ間の比較、体動が生じたときの断層像データの抽出は、断層像データ内の同じ位置に設けた比較点におけるエコーデータの階調、すなわち輝度値を比較することにより行う。
具体的には、全比較点での輝度値の平均値を求め、あらかじめ設定したしきい値を越えるような、比較点での輝度値が他の断層像データに比べ大きく異なる断層像データを、体動が生じたときの断層像データとみなす。
次に、体動が生じたときの断層像データを除き、もう一度、比較点の輝度値の平均値を算出する。こうすることで、ゆらぎの少ない情報から平均値を算出することができる。
そして、この平均値に最も近い断層像データを、画像No.Kの代表断層像データとする。
以上の作用を他の画像番号の断層像データにも適用し、連続する複数の代表断層像データを改めて3次元エコーデータとする。そして、この3次元エコーデータを用い、3次元画像を構築する。
このように、本実施の形態では、3次元データ記憶装置29が記憶手段として、演算処理プロセッサ30が体動認識手段として機能する。
本実施の形態では、以下の効果を有する。
本実施の形態では、超音波プローブの挿入軸を中心に超音波振動子が回転するラジアルスキャンと、挿入軸に沿って超音波振動子が進退するリニアスキャンとを組み合わせた超音波振動子のスパイラルスキャンを複数回繰り返させ、3次元データ記憶装置29が、超音波プローブの複数回の進退により得た、複数セットにわたる連続する複数の断層像データを記憶し、演算処理プロセッサ30が、3次元データ記憶装置29に記憶された複数セット間で、同位置での断層像データを比較し、断層像データ間の体動を認識することで、体動が補正された連続する複数の代表断層像データを1セット構成するようにしたため、体動による断層像間のぶれを補正し、歪みの無い良好な3次元エコーデータを取得することができる。
その他の作用は第1の実施の形態と同様である。
(変形例)
本実施の形態では、比較点の輝度値がその平均値に最も近い断層像データを代表断層像データとしたが、代表断層像データを特定の断層像データから選ぶのではなく、複数の断層像データを平均することで作成しても良い。
このように構成すると、断層像データ上でランダムに発生するノイズを抑えることができる。
また、本実施の形態では、体動が生じたときの断層像データの抽出をするために用いるしきい値をあらかじめ設定しておくため、比較点の輝度値の平均値と分散値を算出し、そこからしきい値を決定するようにしても良い。
このように構成すると、輝度値のばらつきを考慮したしきい値を設定することができる。
また、本実施の形態では、比較点における輝度値を比較することで断層像データ間の比較、体動が生じたときの断層像データの抽出を行ったが、断層像データの比較点間にノイズによる輝度差があると考えられるときには、断層像データをあらかじめ平滑化しても良い。
また、比較点を複数の位置に設け、同位置にある比較点の輝度値をそれぞれ別々に比較しても良い。また、点ではなく、ある領域の平均輝度値を比較しても良い。このように構成すると、ノイズなど、断層像データ内のゆらぎによる影響が少なくなり、体動が生じたときの断層像データの抽出をより正確に行うことができる。
また、本実施の形態では、演算処理プロセッサ30により認識された体動の生じた断層像データを除くことにより、体動が補正された連続する複数の代表断層像データを1セット構成するようにしたが、同位置での断層像データを比較し、2次元相関関数を算出するなど、公知の方法により断層像データの位置を補正することで、代表断層像データを構成するようにしても良い。
(第8の実施の形態)
図29は本発明の第8の実施の形態における超音波プローブの先端側の構造を示す。本実施の形態の構成は第1の実施の形態と殆ど同じであり、従って、異なる部分のみを説明する。
図29は、本実施の形態の超音波画像診断装置のスパイラルスキャンを行う超音波プローブ2の先端部の構成を示す図である。本実施の形態では、第1の実施の形態で説明した反転位置マーカ部材10A,10Bの代わりに、アウタシース9上に開始位置マーカ57、反転位置マーカ58、59が描かれている。
この開始位置マーカ57、反転位置マーカ58、59は第1の実施の形態で説明した超音波振動子6のスパイラルスキャンの端部を示す。
その他の構成は第1の実施の形態と同様である。
このように、本実施の形態では、開始位置マーカ57、反転位置マーカ58、59が超音波振動子6の進退範囲を示す指標として機能する。
本実施の形態の作用は第1の実施の形態と同様なので略す。
本実施の形態では、以下の効果を有する。
本実施の形態では、開始位置マーカ57、反転位置マーカ58、59が、その自身は進退しないアウタシース9上に描かれているため、スパイラルスキャンの開始時だけでなく、スパイラルスキャンを行っている途中でも、常に進退の位置a、b、cを把握し、スパイラルスキャンの進退の端部を知ることができる。 その他の効果は第1の実施の形態と同様である。
(変形例)
本実施の形態では、アウタシース9内を、フレキシブルシャフト5、超音波振動子6、可撓性シース7が進退するよう構成しているが、可撓性シース7内をフレキシブルシャフト5、超音波振動子6が進退する構成にしても良い。この場合には、開始位置マーカ57、反転位置マーカ58、59は可撓性シース7上に描かれていても良い。
[付記]1.被検体の脈管を抽出する第1脈管抽出手段と、前記第1脈管抽出手段により抽出された該脈管の3次元画像を構築する3次元処理手段とを設けた超音波画像診断装置において、
前記第1脈管抽出手段は、被検体の3次元空間に超音波を送受して得たエコーの強度情報からなる3次元エコーデータより該脈管を抽出し、該3次元エコーデータより注目組織を抽出する組織抽出手段を設け、前記3次元処理手段は、前記第1脈管抽出手段により抽出された該脈管と前記組織抽出手段により抽出された該注目組織とを合成した3次元画像を構築することを特徴とする超音波画像診断装置。
2.前記3次元処理手段は、前記第1脈管抽出手段により抽出された該脈管と前記組織抽出手段により抽出された該注目組織とを互いに色分けして合成した3次元画像を構築すること、を特徴とする付記1記載の超音波画像診断装置。
3.被検体の脈管を抽出する第1脈管抽出手段と、前記第1脈管抽出手段により抽出された該脈管の3次元画像を構築する3次元処理手段とを、設けた超音波画像診断装置において、
前記第1脈管抽出手段は、被検体の3次元空間に超音波を送受して得たエコーの強度情報からなる3次元エコーデータより複数の該脈管を抽出し、前記3次元処理手段は、前記第1脈管抽出手段により抽出された複数の該脈管を合成した3次元画像を構築すること、を特徴とする超音波画像診断装置。
4.前記3次元処理手段は、前記第1脈管抽出手段により抽出された複数の該脈管どうしを互いに色分けして合成した3次元画像を構築すること、を特徴とする付記3記載の超音波画像診断装置。
5.被検体の脈管を抽出する第1脈管抽出手段と、前記第1脈管抽出手段により抽出された該脈管の3次元画像を構築する3次元処理手段とを、設けた超音波画像診断装置において、
前記第1脈管抽出手段は、被検体の3次元空間に超音波を送受して得たエコーの強度情報からなる3次元エコーデータより該脈管を抽出し、被検体の3次元空間に超音波を送受して得た移動体の移動情報からなる3次元ドップラデータより脈管を抽出する第2脈管抽出手段を設け、前記3次元処理手段は、前記第1脈管抽出手段により抽出された該脈管と前記第2脈管抽出手段により抽出された該脈管とを合成した3次元画像を構築すること、を特徴とする超音波画像診断装置。
6.前記3次元処理手段は、前記第1脈管抽出手段により抽出された該脈管と前記第2脈管抽出手段により抽出された該脈管とを互いに色分けして合成した3次元画像を構築すること、を特徴とする付記5記載の超音波画像診断装置。
7.被検体の脈管を抽出する第1脈管抽出手段と、前記第1脈管抽出手段により抽出された該脈管の3次元画像を構築する3次元処理手段とを、設けた超音波画像診断装置において、
前記第1脈管抽出手段は、被検体の3次元空間に超音波を送受して得たエコーの強度情報からなる3次元エコーデータより該脈管を抽出し、該3次元エコーデータより注目組織を抽出する組織抽出手段と、被検体の3次元空間に超音波を送受して得た移動体の移動情報からなる3次元ドップラデータより脈管を抽出する第2脈管抽出手段とを設け、前記3次元処理手段は、前記第1脈管抽出手段により抽出された該脈管と、前記第2脈管抽出手段により抽出された該脈管と、前記組織抽出手段により抽出された該注目組織とを合成した3次元画像を構築すること、を特徴とする超音波画像診断装置。
8.前記3次元処理手段は、前記第1脈管抽出手段により抽出された該脈管と、前記第2脈管抽出手段により抽出された該脈管と、前記組織抽出手段により抽出された該注目組織とを互いに色分けして合成した3次元画像を構築すること、を特徴とする付記7記載の超音波画像診断装置。
9.前記第1脈管抽出手段は、該3次元エコーデータが有する周囲との輝度差により該脈管を抽出すること、を特徴とする付記1、2、3、4、5、6、7、8記載の超音波画像診断装置。
10.該3次元エコーデータは、被検体の3次元空間に超音波を送受して得たエコーの強度情報からなる複数の断層像データから構成され、前記第1脈管抽出手段は、複数の該断層像データ上で、抽出開始点を設定する抽出開始点設定手段を設け、複数の該断層像データ上で、前記抽出開始点設定手段により設定された該抽出開始点からスキャンラインを放射状に延伸させて脈管壁を探索することにより、該脈管を抽出すること、を特徴とする付記9記載の超音波画像診断装置。
11.該3次元エコーデータにおいて、該3次元エコーデータの階調を有する複数の断面の位置を設定する断面設定手段を設け、前記第1脈管抽出手段は、前記抽出開始点設定手段が設定する該抽出開始点の位置と前記断面設定手段が設定する複数の該断面の位置により決定される抽出範囲内に該スキャンラインを延伸させること、を特徴とする付記10記載の超音波画像診断装置。
12.該3次元エコーデータにおいて、該3次元エコーデータの階調を有する断面の位置を設定する断面設定手段を設け、前記3次元処理手段は、前記断面設定手段により位置を設定された該断面と、前記第1脈管抽出手段により抽出された該脈管と、前記第2脈管抽出手段により抽出された該脈管、もしくは前記組織抽出手段により抽出された該注目組織とを合成した3次元画像を構築すること、を特徴とする付記1、2、3、4、5、6、7、8、9記載の超音波画像診断装置。
13.該3次元エコーデータにおいて、該3次元エコーデータの階調を有する断面の位置を設定する断面設定手段を設け、前記3次元処理手段は、前記断面設定手段により設定された該断面の位置を示す指標と、前記第1脈管抽出手段により抽出された該脈管と、前記第2脈管抽出手段により抽出された該脈管、もしくは前記組織抽出手段により抽出された該注目組織とを合成した3次元画像を構築し、前記3次元処理手段により該指標を合成して構築された該3次元画像と、該断面とを同時に表示する表示手段を設けたこと、を特徴とする付記1、2、3、4、5、6、7、8、9記載の超音波画像診断装置。
14.被検体に超音波を送信し、エコーを受信する超音波振動子を先端に設けた超音波プローブと、前記超音波プローブの挿入軸を中心に該超音波振動子が回転するラジアルスキャンと、該挿入軸に沿って該超音波振動子が進退するリニアスキャンとを組み合わせた該超音波振動子のスパイラルスキャンを駆動する駆動手段と、該超音波振動子からのエコー信号より、連続する複数の断層像データを得る超音波画像診断装置において、
該超音波振動子が、該ラジアルスキャンの送受信面を違えて複数個設けられており、複数個の該超音波振動子が該スパイラルスキャンを行うことにより得る、連続する複数枚の断層像データより1つの3次元エコーデータを構成すること、を特徴とする超音波画像診断装置。
15.被検体に超音波を送信し、エコーを受信する超音波振動子を先端に設けた超音波プローブと、前記超音波プローブの挿入軸を中心に該超音波振動子が回転するラジアルスキャンと、該挿入軸に沿って該超音波振動子が進退するリニアスキャンとを組み合わせた該超音波振動子のスパイラルスキャンを駆動する駆動手段と、該超音波振動子からのエコー信号より、連続する複数の断層像データを得る超音波画像診断装置において、
前記駆動手段が、前記超音波プローブの該進退を複数回繰りかえさせ、前記超音波プローブの該複数回の進退により得た、複数セットにわたる該連続する複数の断層像データを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された該複数セット間で、同位置での断層像データを比較し、該断層像データ間の体動を認識する体動認識手段を設け、体動が補正された連続する複数の代表断層像データを1セット構成すること、を特徴とする超音波画像診断装置。
16.前記体動認識手段により認識された体動の生じた断層像データを除くことにより、体動が補正された連続する複数の代表断層像データを1セット構成すること、を特徴とする付記15記載の超音波画像診断装置。
17.被検体に超音波を送信し、エコーを受信する超音波振動子を先端に設けた超音波プローブと、前記超音波プローブの挿入軸を中心に該超音波振動子が回転するラジアルスキャンと、該挿入軸に沿って該超音波振動子が進退するリニアスキャンとを組み合わせた該超音波振動子のスパイラルスキャンを駆動する駆動手段と、該超音波振動子からのエコー信号より、連続する複数の断層像データを得る超音波画像診断装置において、
前記超音波プローブが、該進退の範囲を示す指標を、設けたことを特徴とする超音波画像診断装置。
18.前記超音波プローブが、前記駆動手段からの駆動力を該超音波振動子に伝達する駆動伝達部材と、前記駆動伝達部材と該超音波振動子とを内在させた半透明の可撓性シースと、前記可撓性シースを覆う半透明のアウタシースを設け、前記指標が前記駆動伝達部材に設けられたこと、を特徴とする付記17記載の超音波画像診断装置。
19.前記指標が円環状の部材であること、を特徴とする付記18記載の超音波画像診断装置。
(付記1〜19の効果)
(付記1、2、9、10、11、12、13の効果)
本発明では、第1脈管抽出手段が、被検体の3次元空間に超音波を送受して得たエコーの強度情報からなる3次元エコーデータより脈管を抽出し、組織抽出手段が、3次元エコーデータより注目組織を抽出し、3次元処理手段が、第1脈管抽出手段により抽出された脈管と組織抽出手段により抽出された注目組織とを合成した3次元画像を構築するよう構成したため、移動情報の得にくい脈管と、注目組織との位置関係を把握することができる。そのため、例えば、腫瘍が移動情報の得にくい脈管の周囲にどの程度広がっているか把握することができ、例えば、手術による切除範囲を決定する際の重要な情報を提供することができる。
(付記2、9、10、11、12、13の効果)
また、本発明では、3次元処理手段が、第1脈管抽出手段により抽出された脈管と組織抽出手段により抽出された注目組織とを互いに色分けして合成した3次元画像を構築するよう構成したので、脈管と注目組織とを目視にて区別し易い。(付記3、4、9、10、11、12、13の効果)
また、本発明では、第1脈管抽出手段が、被検体の3次元空間に超音波を送受して得たエコーの強度情報からなる3次元エコーデータより複数の脈管を抽出し、3次元処理手段が、第1脈管抽出手段により抽出された複数の脈管を合成した3次元画像の構築するよう構成したため、移動情報の得にくい脈管と、血管などの他の脈管との位置関係を把握することができる。
(付記4、9、10、11、12、13の効果)
また、本発明では、3次元処理手段が、第1脈管抽出手段により抽出された複数の脈管どうしを互いに色分けして合成した3次元画像を構築するよう構成したため、脈管どうしを目視にて区別し易い。
(付記5、6、9、10、11、12、13の効果)
また、本発明では、第1脈管抽出手段が、被検体の3次元空間に超音波を送受して得たエコーの強度情報からなる3次元エコーデータより脈管を抽出し、第2脈管抽出手段が、被検体の3次元空間に超音波を送受して得た移動体の移動情報からなる3次元ドップラデータより脈管を抽出し、3次元処理手段は、第1脈管抽出手段により抽出された脈管と第2脈管抽出手段により抽出された脈管とを合成した3次元画像を構築するよう構成したため、移動情報の得にくい脈管と、血管との位置関係を把握することができる。
(付記6、9、10、11、12、13の効果)
また、本発明では、3次元処理手段が、第1脈管抽出手段により抽出された脈管と第2脈管抽出手段により抽出された脈管とを互いに色分けをして合成した3次元画像を構築するよう構成したため、脈管どうしを目視にて区別し易い。
(付記7、8、9、10、11、12、13の効果)
また、本発明では、第1脈管抽出手段が、被検体の3次元空間に超音波を送受して得たエコーの強度情報からなる3次元エコーデータより脈管を抽出し、組織抽出手段が、3次元エコーデータより注目組織を抽出し、第2脈管抽出手段が、被検体の3次元空間に超音波を送受して得た移動体の移動情報からなる3次元ドップラデータより脈管を抽出し、3次元処理手段が、第1脈管抽出手段により抽出された脈管と、第2脈管抽出手段により抽出された脈管と、組織抽出手段により抽出された注目組織とを合成した3次元画像を構築するよう構成したため、移動情報の得にくい脈管と、注目組織と、血管との位置関係を把握できる。そのため、例えば、移動情報の得にくい脈管から発生した腫瘍が血管に到達しているか否かを鑑別することができる。
(付記8、9、10、11、12、13の効果)
また、本発明では、3次元処理手段が、第1脈管抽出手段により抽出された脈管と、第2脈管抽出手段により抽出された脈管と、組織抽出手段により抽出された注目組織とを互いに色分けして合成した3次元画像を構築するよう構成したため、脈管どうし、脈管と注目組織とを目視にて区別し易い。
(付記11の効果)
また、本発明では、断面設定手段が、3次元エコーデータにおいて、3次元エコーデータの階調を有する複数の断面の位置を設定し、第1脈管抽出手段が、抽出開始点設定手段が設定する抽出開始点の位置と断面設定手段が設定する複数の断面の位置により決定される抽出範囲内にスキャンラインを延伸させるよう構成したため、脈管の全周囲にスキャンラインを延伸させる方法に比べて、処理を高速に行うことができる。
(付記12の効果)
本発明では、断面設定手段が、3次元エコーデータにおいて、3次元エコーデータの階調を有する断面の位置を設定し、3次元処理手段が、断面設定手段により位置を設定された断面と、第1脈管抽出手段により抽出された脈管と、第2脈管抽出手段により抽出された脈管、もしくは組織抽出手段により抽出された注目組織とを合成した3次元画像を構築するよう構成したため、抽出された組織や脈管以外の部分を断面上で観察し、抽出された部分との位置関係を容易に把握することができる。また、2次元の断面上でエコーデータの階調により診断することができる。
(付記13の効果)
また、本発明では、断面設定手段が、3次元エコーデータにおいて、3次元エコーデータの階調を有する断面の位置を設定し、3次元処理手段が、断面設定手段により設定された断面の位置を示す指標と、第1脈管抽出手段により抽出された脈管と、第2脈管抽出手段により抽出された脈管、もしくは組織抽出手段により抽出された注目組織とを合成した3次元画像を構築し、表示手段が、3次元処理手段により指標を合成して構築された3次元画像と、断面とを同時に表示するよう構成したため、断面が図24のように斜めにならず通常の超音波断層像での観察と同じ感覚で観察することができる。
(付記14の効果)
また、本発明では、超音波振動子が、ラジアルスキャンの送受信面を違えて複数個設けられており、複数個の超音波振動子がスパイラルスキャンを行うことにより得る、連続する複数枚の断層像データより1つの3次元エコーデータを構成するよう構成したため、走査時間を長くせず、超音波プローブの挿入軸方向の分解能を向上させることができる。
(付記15、16の効果)
また、本発明では、駆動手段が、超音波プローブの挿入軸を中心に超音波振動子が回転するラジアルスキャンと、挿入軸に沿って超音波振動子が進退するリニアスキャンとを組み合わせた超音波振動子のスパイラルスキャンを複数回繰り返させて、駆動し、記憶手段が、超音波プローブの複数回の進退により得た、複数セットにわたる連続する複数の断層像データを記憶し、体動認識手段が、記憶手段に記憶された複数セット間で、同位置での断層像データを比較し、断層像デー間の体動を認識する。そして、体動が補正された連続する複数の代表断層像データを1セット構成するようにしたため、体動による断層像間のぶれを補正し、歪みの無い良好な3次元エコーデータを取得することができる。
(付記17、18、19の効果)
また、本発明では、駆動手段が、超音波プローブの挿入軸を中心に超音波振動子が回転するラジアルスキャンと、挿入軸に沿って超音波振動子が進退するリニアスキャンとを組み合わせた超音波振動子のスパイラルスキャンを駆動し、超音波プローブに設けられた指標が、進退の範囲を示すよう構成したため、使用者は、スパイラルスキャンの開始時に、例えば内視鏡の光学観察系から超音波振動子、指標を観察することができ、進退の位置を把握し、スパイラルスキャンの進退の端部を知ることができる。そのため、注目組織からのエコー信号を3次元エコーデータとして取得する際の確実性を増し、検査時間を短くすることができる。(付記18、19の効果)
また、本発明では、駆動伝達部材に設けられた指標が、半透明の可撓性シースと、可撓性シースを覆う半透明のアウタシースを通して、進退の範囲を示すよう構成したため、使用者は、指標を観察しやすい。
(付記19の効果)
また、本発明では、指標が円環状の部材であるよう構成したため、可撓性シースの内部に気泡が存在する場合に、指標は、気泡が超音波振動子の側へ来ないよう気泡トラップとしての機能を果たし、超音波振動子から送受信される超音波、エコーが気泡に邪魔されなくなるため、良好な断層像データを得ることができる。
本発明の第1の実施の形態の超音波画像診断装置の構成を示すブロック図。 超音波プローブの先端側の構造を示す断面図。 超音波プローブの駆動部の構造を示す断面図。 ラジアルスキャンとリニアスキャンとの組み合わせで、スパイラルスキャンする説明図。 スパイラルスキャンにより得られる複数の断層像データを示す図。 演算処理プロセッサが行う一連の処理内容を示すフローチャート図。 図6における脈管抽出の処理内容を示すフローチャート図。 多重エコー及びそれを除去するためにオフセット円が設定された断層像データを示す図。 注目組織の領域の輪郭をポインタで囲んで抽出する様子を示す説明図。 3次元モデルを構築するための説明図。 画像処理モニタに表示される3次元画像を示す図。 本発明の第2の実施の形態における演算処理プロセッサが行う一連の処理内容を示すフローチャート図。 画像処理モニタに表示される3次元画像を示す図。 本発明の第3の実施の形態における演算処理プロセッサが行う一連の処理内容を示すフローチャート図。 画像処理モニタに表示される3次元画像を示す図。 本発明の第4の実施の形態における超音波プローブ及び駆動部の構成を示す断面図。 本発明の第4の実施の形態の超音波画像診断装置の構成を示すブロック図。 振動子アレイにより得られる複数の断層像データを模式的に示す図。 演算処理プロセッサが行う一連の処理内容を示すフローチャート図。 本発明の第5の実施の形態における演算処理プロセッサが行う一連の処理内容を示すフローチャート図。 画像処理モニタに表示される4枚の断面の候補を示す図。 最終的に構築される3次元画像を示す図。 脈管αの壁を認識する処理の説明図。 第5の実施の形態の変形例における3次元画像を示す図。 第5の実施の形態の他の変形例における3次元画像を示す図。 本発明の第6の実施の形態における超音波プローブ内のフレキシブルシャフトの先端部の構造を示す図。 超音波観測部の構成を示すブロック図。 本発明の第7の実施の形態における体動の影響を考慮して3次元エコーデータを決定する処理を示す説明図。 本発明の第8の実施の形態における超音波プローブの先端側の構造を示す断面図。
符号の説明
1…超音波画像診断装置
2…超音波プローブ
3…超音波観測部
4…画像処理部
5…フレキシブルシャフト
6…超音波振動子
7…可撓性シース
8…流動媒体
9…アウタシース
10A,10B…反転位置マーカ部材
11…駆動部
12…DCモータ
13…ラジアル回転部
17…ロータリエンコーダ
18…リニア駆動部材
19…ボールネジ
20…ステッピングモータ
21…送受信部
22…フレームメモリ
23…DSC23
25…観測モニタ
26…システムコントローラ
27…CPU
28…主記憶装置
29…3次元データ記憶装置
30…演算処理プロセッサ
31…3次元処理メモリ
32…外部記録装置
33…操作用端末
34…ポインティングデバイス
37…画像処理モニタ

Claims (6)

  1. 被検体の血管以外の脈管を抽出する第1脈管抽出手段と、前記第1脈管抽出手段により抽出された該血管以外の脈管の3次元画像を構築する3次元処理手段とを設けた超音波画像診断装置において、
    前記第1脈管抽出手段は、被検体の3次元空間に超音波を送受して得たエコーの強度情報からなる3次元エコーデータより該3次元エコーデータが有する周囲との輝度差により該血管以外の脈管を抽出し、被検体の3次元空間に超音波を送受して得た移動体の移動情報からなる3次元ドップラデータより血管を抽出する第2脈管抽出手段を設け、前記3次元処理手段は、前記第1脈管抽出手段により抽出された該血管以外の脈管と前記第2脈管抽出手段により抽出された血管とを合成した3次元画像を構築することを特徴とする超音波画像診断装置。
  2. 前記3次元処理手段は、前記第1脈管抽出手段により抽出された該血管以外の脈管と前記第2脈管抽出手段により抽出された該血管とを互いに色分けして合成した3次元画像を構築することを特徴とする請求項1に記載の超音波画像診断装置。
  3. 被検体の血管以外の脈管を抽出する第1脈管抽出手段と、前記第1脈管抽出手段により抽出された該血管以外の脈管の3次元画像を構築する3次元処理手段とを設けた超音波画像診断装置において、
    前記第1脈管抽出手段は、被検体の3次元空間に超音波を送受して得たエコーの強度情報からなる3次元エコーデータより該血管以外の脈管を抽出し、該3次元エコーデータより注目組織を抽出する組織抽出手段と、被検体の3次元空間に超音波を送受して得た移動体の移動情報からなる3次元ドップラデータより血管を抽出する第2脈管抽出手段とを設け、前記3次元処理手段は、前記第1脈管抽出手段により抽出された該血管以外の脈管と、前記第2脈管抽出手段により抽出された該血管と、前記組織抽出手段により抽出された該注目組織とを合成した3次元画像を構築することを特徴とする超音波画像診断装置。
  4. 前記3次元処理手段は、前記第1脈管抽出手段により抽出された該血管以外の脈管と、前記第2脈管抽出手段により抽出された該血管と、前記組織抽出手段により抽出された該注目組織とを互いに色分けして合成した3次元画像を構築することを特徴とする請求項3に記載の超音波画像診断装置。
  5. 前記血管以外の脈管は、血管より移動速度の小さい液体が流れる脈管または常に液体が流れているとは限らない脈管であることを特徴とする請求項1乃至4に記載の超音波画像診断装置。
  6. 前記血管以外の脈管は、膵管、胆管、リンパ管、気管または消化管であることを特徴とする請求項5に記載の超音波画像診断装置。
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