JP4634814B2 - 超音波診断装置 - Google Patents

超音波診断装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4634814B2
JP4634814B2 JP2005027182A JP2005027182A JP4634814B2 JP 4634814 B2 JP4634814 B2 JP 4634814B2 JP 2005027182 A JP2005027182 A JP 2005027182A JP 2005027182 A JP2005027182 A JP 2005027182A JP 4634814 B2 JP4634814 B2 JP 4634814B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
marker
blood flow
surface marker
observation
blood vessel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005027182A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006212164A (ja
Inventor
宏信 本郷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Canon Medical Systems Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba Medical Systems Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp, Toshiba Medical Systems Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2005027182A priority Critical patent/JP4634814B2/ja
Publication of JP2006212164A publication Critical patent/JP2006212164A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4634814B2 publication Critical patent/JP4634814B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

この発明は、血流を有する診断部位に対して超音波を送信して3次元画像データを収集し、その3次元画像を表示する超音波診断装置に関し、特に、3次元画像を用いて超音波ドプラ検査を行う場合の血流観測点の指定と、その指定時における操作性の向上に関する。
超音波診断装置では、パルスドプラ法(Pulse Wave:PWドプラ法)や連続波ドプラ法(Continuous Wave:CWドプラ法)などの、所望の部位に観測点やサンプルラインを設定して血流情報の時間変化を観測する手法が一般的に実施されている(例えば、特許文献1又は特許文献2)。
上記の観測点(以下、血流観測点と称する)を操作者が指定するための従来の方法について、図5を参照しつつ説明する。図5は、従来の超音波診断装置において2次元画像上で血流観測点を指定する操作を示す図である。
まず、図5(a)に示すように、操作者が2次元画像としての断層像(Bモード画像)又はカラードプラ画像などの2次元ドプラ像を観察して、血管画像51のうち、血流を観測したい部分52を決定する。次に、図5(a)、(b)に示すように、超音波の送受信方向を示す線状のサンプルライン53を表示させる。この線状のサンプルライン53は、トラックボールなどのポインティングデバイスを用いて走査方向(矢印Aの方向)に移動可能となっており、走査方向(矢印Aの方向)に移動させることで、線状のサンプルライン53を、血流を観測したい部分52を含む位置に移動させる。そして、図5(a)に示すように、その線状のサンプルライン53上で、血流情報の収集を行う点(血流観測点)54を矢印Bの方向に移動させ、図5(b)に示すように、血流観測点54を、血流を観測したい部分52に一致させる。このように、サンプルライン53と血流観測点54とを操作することにより、血流を観測したい部分を指定する。そして、指定された部分の血流情報を収集する。
パルスドプラ法においては、血流観測点54における血流情報が収集され、連続波ドプラ法においては、超音波ビームフォーカス領域である血流観測点54の他に、サンプルライン53上の血流情報が重畳されて収集される。なお、血流観測点54は、所定の大きさを有しており、操作者による操作によってその大きさを変えることができるものである。パルスドプラ法においては、その所定の大きさを有する血流観測点54内の血流情報が収集される。
この血流観測点を指定する操作においては、線状のサンプルライン53を矢印Aの方向に移動させる操作と、血流観測点54を矢印Bの方向に移動させて血流を観測した部分52に一致させる操作とが、同時に行われることがある。すなわち、線状のサンプルライン53と、その線状のサンプルライン53上にある血流観測点54とを同時に移動させて、血流を観測したい位置を指定することがある。このような手法は、2次元画像で血流情報を収集することが前提とされている。
これに対し近年では、超音波振動子が1次元的に配列された1次元超音波プローブを用いて、超音波のスキャン面をそのスキャン面に直交する方向に手動や機械的に移動させ、被検体内を空間的にスキャンして3次元的な生体情報を収集する超音波診断装置が提案されている。また、超音波振動子が2次元的に配列された2次元超音波プローブを用いることにより、被検体内を空間的にスキャンして3次元的な生体情報を収集することが可能となってきている。
特開2001−190552号公報 特開2001−128975号公報
しかしながら、上記のような3次元的に画像データを収集して表示する超音波診断装置においては、2次元画像を前提として構築された血流観測点を一致させる従来の手法をそのまま適用しようとすると、観測点を簡便に指定することができない問題があった。つまり、操作者が3次元画像を観察しながら血流観測点を指定しようとすると、3次元画像で表された血管画像と操作者が移動させる血流観測点との間の3次元的な相対位置が分かり難く、3次元的な画像を観察しながらでは血流観測点を簡便に指定することができなかった。
3次元画像では、臓器などの形態が奥行きの情報も伴って表示されるため、表示装置のモニタ上で、血管画像における血流を観測したい部分の手前側に血流観測点があるのか、血流を観測したい部分の後ろ側に血流観測点があるのか、その相対的な位置関係が分かり難いため、表示されている3次元画像上で、血管画像における血流を観測したい部分に血流観測点を移動させることで観察したい部分を指定することは困難な作業であった。
この発明は上記の問題を解決するものであり、3次元的な画像データを収集して表示する超音波診断装置において、3次元的に表される面マーカを表示することにより3次元画像中の血流観測点(観測マーカ)を分かりやすく表示し、3次元的な画像において血流情報を収集したい位置を簡便に指定することが可能な超音波診断装置を提供することを目的とする。また、超音波の送受信方向と血流とのなす角度を求めるための血流速度補正マーカを分かりやすく表示して、そのマーカの設定を簡便に行うことが可能な超音波診断装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、被検体に対して超音波の送受信を行うことにより、前記被検体の血管の3次元画像を収集するスキャン手段と、3次元的に表示される面の形状をした面マーカ、移動可能な観測マーカ、及び前記観測マーカを起点にして前記面マーカに直交する血流速度補正マーカを生成するマーカ生成手段と、前記血管の3次元画像と前記面マーカとを表示する表示手段と、を有し、前記スキャン手段は、前記観測マーカにおける超音波の送受信方向と前記血流速度補正マーカとのなす角度を算出する角度算出手段を更に有し、前記観測マーカの座標に対応する位置にある部位に対して超音波の送受信を行い、前記送受信の受信信号と前記算出された角度とに基づいて血流情報を求めることを特徴とする超音波診断装置である。
請求項2に記載の発明は、被検体に対して超音波の送受信を行うことにより、前記被検体の血管の3次元画像を収集するスキャン手段と、3次元的に表示される面の形状をした面マーカ及び移動可能な観測マーカを生成するマーカ生成手段と、前記血管の3次元画像と前記面マーカとを表示する表示手段と、を有し、前記スキャン手段は、前記観測マーカにおける超音波の送受信方向と前記面マーカの垂線とのなす角度を算出する角度算出手段を更に有し、前記観測マーカの座標に対応する位置にある部位に対して超音波の送受信を行い、前記送受信の受信信号と前記算出された角度とに基づいて血流情報を求めることを特徴とする超音波診断装置である。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の超音波診断装置であって、操作者からの指示に従って、前記面マーカを前記血管と交わらせるように移動させるマーカ移動手段を更に有することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の超音波診断装置であって、前記観測マーカは、前記面マーカの範囲内で移動可能であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の超音波診断装置であって、前記表示手段は、前記面マーカの色を透過色に表示、又は、前記面マーカを網目状に表示することを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項のいずれかに記載の超音波診断装置であって、前記スキャン手段は、前記送受信により得られた受信信号から前記面マーカを含む断面における断層像を生成し、前記表示手段は、前記血管の3次元画像とともに前記断層像を表示することを特徴とする。
この発明によると、3次元的に表される血管画像と3次元的に表される面マーカとを交差させて表示することにより、3次元画像上において操作者はその交差する点を視認することが可能となる。そのことにより、3次元画像において血管画像の位置を容易に把握することが可能となる。このように、面マーカを表示して操作者が交点を視認できるようにすることにより、操作者はその交点を容易に指定することが可能となるため、3次元画像であっても血流情報を収集したい位置の指定が容易になる。
以上のように、面マーカにより血管画像と面マーカとの交点が視認可能となるため、血流情報を収集する位置を示す観測マーカを、その交点に容易に移動させることが可能となる。これにより、3次元画像であっても血流情報を収集したい位置を容易に指定することが可能となる。
また、血流情報を収集する位置を示す観測マーカの移動範囲を、面マーカの範囲内に限定することにより、面内のみを移動させるだけで、血流情報を収集したい位置を容易に指定することが可能となる。さらに、観測マーカを起点として血流速度補正マーカを表示することにより、3次元画像であっても、血流速度マーカを容易に設定することが可能となる。
さらに、面マーカを含む断面における断層像を3次元画像とともに表示することにより、操作者は、3次元画像の他に2次元画像の断層像を観察することができるため、血管画像の位置を更に容易に把握することが可能となる。これにより、面マーカと血管画像との交点を断層像上においても視認することができ、操作者は、血流情報を収集したい位置として、その交点を容易に指定することが可能となる。
以下、この発明の実施形態に係る超音波診断装置について、図1乃至図4を参照しつつ説明する。
(構成)
この発明の実施形態に係る超音波診断装置の構成について、図1を参照しつつ説明する。図1は、この発明の実施形態に係る超音波診断装置の概略構成を示すブロック図である。
この実施形態に係る超音波診断装置は、超音波プローブ1、送受信部2、信号処理部3、画像処理部4、表示部5、制御部6及び操作部7を備えて構成されている。
超音波プローブ1は、超音波を送受信する複数の超音波振動子がマトリックス(格子)状に配置された2次元超音波プローブからなる。そして、超音波プローブ1は、各超音波振動子を送受信部2により駆動させることにより、予め設定された送信ビームフォーミング条件に従って超音波を被検体内の診断部位に向けて3次元的にスキャンさせるとともに、被検体内の音響インピーダンス境界での反射や微小散乱体による散乱により超音波プローブ1に戻ってくる超音波エコー信号を微弱な電圧のエコー信号に変換して受信し、その受信信号を送受信部2に送る。このように走査(スキャン)することによって3次元的に超音波を送受信し、プローブの表面から放射状に広がる形状の3次元データをエコー信号として受信する。
また、超音波プローブ1として1次元超音波プローブを用いた場合は、超音波プローブ1を機械的に走査することで3次元データを収集する。
送受信部2は、送信遅延回路8、駆動回路群9、プリアンプ群10及び受信遅延回路11を備えて構成されている。送受信部2は、送信遅延回路8にて予め設定された3次元送信ビームフォーミング条件に基づいて超音波プローブ1による超音波の方向及び集束を制御するためのタイミング波形を発生させ、このタイミング波形に基づく駆動信号を、駆動回路群9を介して超音波プローブ1に供給する。また、送受信部2は、超音波プローブ1から送られる受信信号をプリアンプ群10により増幅する。プリアンプ群10により増幅された受信信号は受信遅延回路11に送られる。
受信遅延回路11は、プリアンプ群10から送られる受信信号に対して並列同時受信が可能な複数個の受信ビームフォーマRXBF1〜RXBFnを備えて構成されている。受信遅延回路11は、各受信ビームフォーマRXBF1〜RXBFnにて、各受信信号に対して予め設定された3次元状の受信ビームフォーミングにおける超音波の方向及び集束の条件を満たすように受信遅延をかけ、この遅延信号を後述する信号処理部3に送る。
信号処理部3は、Bモード処理部12、血流信号処理部13、PWドプラ処理部14及びCWドプラ処理部15を備えて構成されている。送受信部2から出力された信号は、いずれかの処理部にて所定の処理が施される。
Bモード処理部12は、エコーの振幅情報の映像化を行い、エコー信号からBモード超音波ラスタデータを生成する。具体的には、Bモード処理部12は、受信遅延回路11から送られる信号に対してバンドパスフィルタ処理を行い、その後、出力信号の包絡線を検波し、検波されたデータに対して対数変換による圧縮処理を施すことにより、3次元形態情報を示す3次元空間分布画像データを生成し、この画像データを画像処理部4に送る。
血流信号処理部13は、血流情報の3次元表示を行うための処理部である。血流信号処理部13は、受信遅延回路11から送られる信号に対して、その位相の時間変化を計測することにより被検体の血流情報を示す速度、パワー又は分散などの3次元空間分布画像データを生成し、その画像データを画像処理部4に送る。
PWドプラ処理部14は、パルスドプラ法(PWドプラ法)を実施する処理部である。このパルスドプラ法によると、パルス波を用いているため、ある特定の深度のドプラ偏移周波数成分を検出することができる。このように距離分解能を有するため、特定部位の組織や血流の速度計測が可能となっている。PWドプラ処理部14は、受信遅延回路11から送られる信号に対して、所定の大きさを有する血流観測点内における受信信号を位相検波することによりドプラ偏移周波数成分を取り出し、さらにFFT処理を施して、所定の大きさを有する血流観測点内の血流速度を表すドプラ周波数分布を生成する。このドプラ周波数分布データは画像処理部4に送られる。
CWドプラ処理部15は、連続波ドプラ法(CWドプラ法)を実施する処理部である。この連続波ドプラ法は、パルスドプラ法と異なり、血流観測点で得られる主要なドプラ偏移周波数成分に加えて、超音波の送受信方向全てのドプラ偏移周波数成分が重畳されるが、高速血流計測に優れている。CWドプラ処理部15は、受信遅延回路11から送られる信号に対して、血流観測のサンプルライン上における受信信号を位相検波することによりドプラ偏移周波数成分を取り出し、さらにFFT処理を施して、サンプルライン上の血流速度を表すドプラ周波数成分を生成する。このドプラ周波数分布データは画像処理部4に送られる。
その他、信号処理部3には、カラーモード処理部(図示しない)が備えられている場合もある。カラーモード処理部は、動いている血流情報の映像化を行う処理部である。具体的には、カラーモード処理回路は、位相検波回路、MTIフィルタ、自己相関器、及び流速・分散演算器から構成されている。このカラーモード処理回路は、組織信号と血流信号とを分離するためのハイパスフィルタ処理(MTIフィルタ処理)が行われ、自己相関処理により血流の移動速度、分散、パワー等の血流情報を多点について求める。その他、組織信号を低減及び削減するための非線形処理が行われる場合もある。
画像処理部4は、直交座標系で表される画像を得るために、信号処理部3から送られる画像データを直交座標で表されるボクセルデータに変換する。画像処理部4は、信号処理部3から出力された走査線信号列で表される信号処理後のデータを空間情報に基づいた座標系のデータに変換する(スキャンコンバージョン処理)。つまり、超音波走査に同期した信号列をテレビ走査方式の表示部5で表示できるようにするために、標準のテレビ走査に同期して読み出すことにより走査方式を変換している。さらに、ボリュームレンダリング処理を行うことにより3次元画像データ化したり、断面変換法(Multi Planar Reconstruction:MPR法)などの画像処理を施すことにより2次元情報としての断層像データを生成したりする。断層像データや3次元画像データは表示部5に送られ、表示部5のモニタ画面上で表示される。
表示部5はCRTや液晶ディスプレイなどのモニタからなり、そのモニタ画面上に3次元画像や断層像や血流情報などが表示される。
制御部6はCPUからなり、超音波診断装置の各処理部に接続され、ROMなどからなるメモリ(記憶部)に記憶されている超音波診断装置の制御プログラムを実行することにより、各処理部の制御を行う。さらに、制御部6は、マーカ生成手段16、位置情報生成手段17、方向変更手段18及び角度算出手段19を備えて構成されている。
マーカ生成手段16は、表示部5のモニタ画面上に表示される3次元画像データの面マーカを生成する。記憶部(図示しない)に所定の形状及び所定の大きさを有する初期設定の面マーカデータを記憶しておく。そして、操作者から面マーカの表示指示がなされると、マーカ生成手段16は、その記憶部から初期設定の面マーカデータを読み込む。さらに、マーカ生成手段16は、操作者からの指示に従って、読み込んだ初期設定の面マーカの形状及び大きさを変更する。この面マーカは、ドプラ法により血管の血流情報(血流速度)を収集する際に、血流観測点(観測マーカ)を指定するときの基準面となるものである。
また、マーカ生成手段16は、上記の面マーカ上に、血流情報を収集する位置を示す3次元画像データの観測マーカ(血流観測点)を生成する。所定の形状及び所定の大きさを有する初期設定の観測マーカ(血流観測点)データは、面マーカとともに記憶部(図示しない)に記憶され、操作者から面マーカの表示指示がなされると、マーカ生成手段16は、記憶部に記憶されている初期設定の面マーカデータとともに観測マーカデータも読み込む。
さらに、マーカ生成手段16は、観測マーカの位置を起点として面マーカに直交する線状の血流速度補正マーカを生成する。この血流速度補正マーカデータは、面マーカデータなどとともに記憶部(図示しない)に記憶され、操作者から血流速度補正マーカの表示指示がなされると、マーカ生成手段16は、記憶部に記憶されている血流速度補正マーカデータを読み込む。
位置情報生成手段17は、操作部7のポインティングデバイスなどにより、表示部5のモニタ画面上における面マーカの位置や方向の変更指示がなされた場合に、表示部5のモニタ画面上で面マーカを表示させる座標を算出する。マーカ生成手段16により生成された面マーカデータに、その座標データが付され、表示部5のモニタ画面上の所定の位置に面マーカが表示される。また、位置情報生成手段17は、操作部7での操作に従って、面マーカ上の観測マーカの座標を算出する。マーカ生成手段16により生成された観測マーカに、その座標データが付され、表示部5のモニタ画面上の所定の位置に観測マーカが表示される。なお、観測マーカの座標が面マーカの範囲内に含まれている場合のみに、制御部6から座標データが付された観測マーカデータが画像処理部4を介して表示部5に出力されることになる。これにより、観測マーカの移動可能な範囲は、面マーカの範囲内に限定されることになる。
方向変更手段18は、操作部7での操作に従って、表示部5のモニタ画面上に表示される面マーカの方向を変更する。
角度算出手段19は、PWドプラ処理部14又はCWドプラ処理部15が血管の血流速度を算出する際に用いられる、超音波の送受信方向と血流速度補正マーカとのなす角度を算出する。
上記の、マーカ生成手段16、位置情報生成手段17、方向変換手段18及び角度算出手段19の機能及び動作については、後で詳しく説明する。
操作部7には、ジョイスティック7aやトラックボール7bなどのポインティングデバイス、スイッチ、各種ボタン、キーボード又はTCS(Touch Command Screen)などが備えられ、超音波の送受信条件などに関する各種設定が操作者により入力される。この操作部7で入力された情報は制御部6に送られ、制御部6はその情報に基づいて超音波診断装置の各部の制御を行なう。また、フットスイッチなどを設けて、一部の操作を、そのフットスイッチを用いて行っても良い。
例えば、パルスドプラ法などにより血管から血流情報を収集する場合、操作者が表示部5のモニタ画面を観察しながらジョイスティック15aを操作することにより、面マーカ、観測マーカ又は血流速度補正マーカの位置や向きなどの変更を行うことができる。
また、メモリやハードディスク等からなる記憶部(図示しない)が超音波診断装置に設置され、信号処理部3及び画像処理部4により生成された各データや、超音波診断装置の各種設定条件や、超音波診断装置の制御プログラム等が記憶されている。さらに、記憶部には、面マーカデータ、観測マーカデータ及び血流速度補正マーカデータが初期設定の状態で記憶されている。
(動作)
次に、この発明の実施形態に係る超音波診断装置の動作について、図2乃至図4を参照しつつ説明する。図2は、この発明の実施形態に係る超音波診断装置の動作を順番に示すフローチャートである。この実施形態においては、被検体内の検査部位として血管を想定し、その血管に対してパルスドプラ法を実施する場合の例について説明する。
ドプラ法を用いて血管の血流情報を収集するために、血管を含む部位の3次元画像を収集して表示部5のモニタ画面上に表示する(ステップS01)。まず、2次元超音波プローブからなる超音波プローブ2により被検体に対して超音波を送信することにより3次元状にスキャンを行ない、被検体からの反射波をエコー信号として受信する。血管の血流情報を収集するため、その血管が3次元画像に含まれるようにスキャンを行なう。例えば、被検体の心臓をスキャンする。
受信されたエコー信号は、送受信部2の受信遅延回路11により受信遅延がかけられ、信号処理部3のBモード処理部12により、エコーの振幅情報の映像化が行われ、3次元形態を示す3次元空間分布画像データ(Bモード超音波ラスタデータ)が生成される。そして、画像処理部4により、Bモード超音波ラスタデータからボクセルデータが生成され、更にボリュームレンダリング処理が行われて3次元形態を示す3次元画像データが生成される。
このようにして生成された3次元画像データが画像処理部4から表示部5に出力され、表示部5のモニタ画面上にリアルタイムに3次元画像が表示される。図3(a)に、表示部5のモニタ画面上に表示された3次元画像を示す。図3(a)に示すように、表示部5のモニタ画面上に、例えば血管の3次元画像30が含まれる3次元画像35が表示される。なお、この実施形態に係る超音波診断装置の特徴を簡便に説明するために、図3(a)には3次元の血管画像30のみを示し、血管の周辺の画像については省略して示している。
この3次元の血管画像30を表示する際に、3次元画像の表示パラメータを調整して血管画像30が操作者により観察できる状態にしておく。例えば、3次元画像データのオパシティ(不透明度)を調整することにより、モニタ画面上で3次元の血管画像30が見えるようにしたり、血管画像30の手前側に表示される画像を取り除く処理(クロッピング処理)を行うことにより、モニタ画面上で3次元の血管画像30が見えるようにする。
次に、ドプラ法により血管の血流情報を収集するために、その血流情報を収集する位置を示す血流観察点(観測マーカ)を指定する操作を行う。操作者が表示部5のモニタ画面上に表示されている3次元画像を観察しながら操作部7のポインティングデバイスなどを操作して、血管画像30のうち、血流情報を収集したい部分を指定する。この実施形態に係る超音波診断装置は、操作者による血流観測点(観測マーカ)の指定を支援するものであり、その支援の方法に特徴がある。以下、この実施形態に係る超音波診断装置による支援の処理について説明する。
3次元で表される血管画像30上に、血流情報を収集する位置を示す血流観測点(観測マーカ)を指定するために、まず、表示部5のモニタ画面上に3次元的に表される面マーカを表示させる(ステップS02)。具体的には、操作者が操作部7を操作することにより、面マーカの表示指示を超音波診断装置に与える。面マーカの表示指示は、操作部7から制御部6のマーカ生成手段16に出力される。
マーカ生成手段16は、面マーカの表示指示を受けると、記憶部(図示しない)から、所定の形状及び所定の大きさを有する初期設定の面マーカデータを読み込む。さらに、マーカ生成手段16は、その記憶部から、面マーカ上に表される初期設定の観測マーカデータを読み込む。そして、マーカ生成手段16は、面マーカデータと観測マーカデータを画像処理部4に出力する。画像処理部4に出力された面マーカデータ及び観測マーカデータは画像処理部4により、3次元画像データと合成されて表示部5に出力され、表示部5のモニタ画面上に表示される。図3(b)に、表示部5のモニタ画面上に表示された面マーカ31及び観測マーカ32を示す。この面マーカ31及び観測マーカ32は3次元的に表示され、血管画像30と重畳されて表示される。
初期設定の面マーカ31は、表示部5のモニタ画面上の予め設定された初期位置に表示され、初期設定の観測マーカ32は、面マーカ31上の予め設定された初期位置に表示される。
この面マーカ31は、例えばモニタ画面上に半透明に表され、3次元画像において、面マーカ31の後ろ側が操作者により視認できるようになっている。面マーカ31は完全に透明ではなく、色がある透過色で表される。面マーカ31は半透明で表されているため、血管画像30のうち、面マーカ31の後ろ側に存在する画像もモニタ画面上に表示される。面マーカ31の後ろ側にある画像は、半透明の面マーカ31を通してモニタ画面上に表示されるため、他の部分の画像と比べて色やコントラストが異なって見えるようになる。
このように面マーカ31の手前側にある画像と、後ろ側にある画像とでは、モニタ画面上において色やコントラストが異なって表示されるため、血管画像30と面マーカ31とが交わっていれば、面マーカ31の範囲内において、その交点を境にして、血管画像30の色やコントラストが異なって表示されることになる。また、血管画像30と面マーカ31とが交差していれば、交点を境にして面マーカ31よりも血管画像30が手前側にある部分においては、面マーカ31は表示されないため、操作者はその部分の面マーカ31を視認できない。
図3(b)に示す画像においては、面マーカ31の範囲内において、ある点を境にして血管画像30の色やコントラストなどが異なって表示されていないため、操作者は、血管画像30と面マーカ31とは交わっていないと判断できる。また、血管画像30と面マーカ31とが交差していれば、交点を境にして面マーカ31よりも血管画像30が手前側にある部分においては、面マーカ31は表示されず、視認することができないが、図3(b)に示す画像においては、面マーカ31の全範囲が表示されているため、血管画像30と面マーカ31とは交差していないと判断できる。
この図3(b)に示す画像においては、血管画像30よりも手前側に面マーカ31が存在している。面マーカ31は半透明であるため、血管画像30よりも手前側に面マーカ31が存在して、モニタ画面上で面マーカ31と血管画像30とが重なっている場合であっても、血管画像30は表示され、操作者はその重なっている部分の血管画像を視認することができる。なお、血管画像30よりも後ろ側に面マーカ31が存在している場合は、血管画像30が存在する部分においては、面マーカ31は表示されず、操作者はその部分の面マーカ31を視認することができない。図3(b)に示す画像においては、面マーカ31の全範囲が表示されているため、血管画像30よりも手前側に面マーカ31が存在すると判断できる。
また、図3(c)に示すように、面マーカ31を半透明の網目模様を付して表しても良い。この場合も、面マーカ31は半透明であるため、面マーカ31の後ろ側にある画像もモニタ画面上に表示される。この図3(c)においても、血管画像30よりも手前側に面マーカ31が存在し、血管画像30と面マーカ31とは交わっていない。面マーカ31の全範囲が表示されているため、血管画像30と面マーカ31とは交差していないと判断でき、更に、全範囲が表示されていることから、血管画像30の手前側に面マーカ31が存在すると判断できる。
図3(b)、(c)に示す画像においては、上述したように、血管画像30と面マーカ31とが交わっていないため、操作者は操作部7を操作することにより、面マーカ31を上下方向、左右方向及び図面の奥行き方向に移動させて面マーカ31の位置を変えたり、面マーカ31の向きを変えたりして、血管画像30と面マーカ31とを交わらせる(ステップS03)。
操作者は、表示部5のモニタ画面上に表された血管画像30及び面マーカ31を観察しながら、操作部7のジョイスティック7aなどのポインティングデバイスなどを操作することにより、血管画像30と面マーカ31とが交わるように面マーカ31の位置及び方向を変更する。操作部7により入力された操作情報は制御部6の位置情報生成手段17に出力される。位置情報生成手段17は、操作部7からの操作情報に従って、表示部5のモニタ画面上に面マーカを表示させる位置の座標を算出する。そして、制御部6は、マーカ生成手段16により生成された面マーカデータにその座標データを付して、画像処理部4を介して表示部5に出力する。表示部5のモニタ画面上においては、その座標に対応した位置に面マーカ31が表示される。また、方向変更手段17は、操作部7からの操作指示に従って、表示部5のモニタ画面上における面マーカ31の方向を変更する。上記の操作及び処理により、面マーカ31は、表示部5のモニタ画面上にて移動及び回転させられる。
図3(d)に、血管画像30と面マーカ31とが交わっている状態の図を示す。操作者が操作部7のポインティングデバイスなどを操作することにより、面マーカ31を移動及び回転させて血管画像30と交わらせる。図3(d)に示すように、モニタ画面上に表示された面マーカ31の範囲内において、血管画像30の色又はコントラストなどが異なって表示されている。このように表示されるのは、血管画像30と面マーカ31とが交わっているためであり、操作者がこのモニタ画面を観察することにより、血管画像30と面マーカ31とが交わっていると判断することができる。また、面マーカ31が部分的に表示されず、血管画像30については、部分的に色又はコントラストなどが血管画像30の他の部分と異なって表示されているため、血管画像30と面マーカ31とは交差していると判断できる。詳しく説明すると、血管画像30が重なって、血管画像30が面マーカ31よりも手前側に存在している部分においては、面マーカ31は表示されず、また、血管画像30については、面マーカ31が血管画像30よりも手前側に存在している部分においては、色又はコントラストなどが血管画像30の他の部分と異なって表示されるため、血管画像30と面マーカ31とは交差していると判断できる。
換言すると、面マーカ31が表示されていない部分は、血管画像30が面マーカ31の手前側に存在して、血管画像30の後ろ側に存在していることになり、血管画像30については、色又はコントラストなどが他の部分と異なっている部分は、血管画像30の手前側に面マーカ31が存在して、面マーカ31の後ろ側に存在していることになる。従って、このような状態では、血管画像30と面マーカ31とは交差していることになる。
さらに詳しく説明すると、血管画像30と面マーカ31とが交わっているため、交点を境にして、面マーカ31より手前側にある血管画像30はそのままの状態で表示され、面マーカ31より後ろ側にある血管画像30は、半透明な面マーカ31と重畳して表示されているため、手前側にある血管画像30と比べて色やコントラストなどが異なって表示されている。操作者は、その色やコントラストなどの違いを認識することで、血管画像30と面マーカ31とが交わっていると判断できる。
次に、操作者が操作部7を操作することにより、観測マーカ32を面マーカ31上で移動させて血管の血流情報を収集する部分を指定する(ステップS04)。
操作者は、表示部5のモニタ画面上に表された血管画像30及び観測マーカ31を観測しながら、操作部7のポインティングデバイスなどを操作することにより、観測マーカ31を血管画像30と面マーカ31との交点に移動させる。観測マーカ32は面マーカ31上のみを移動可能となっているため、面マーカ31の平面内で移動させることになる。操作部7から入力された操作情報は、制御部6の位置情報生成手段17に出力される。位置情報制御手段17は、操作部7からの操作情報に従って、表示部5のモニタ画面上に観測マーカ32を表示させる位置を算出する。このとき、観測マーカ32の移動範囲は、面マーカ31の平面上に限定される。つまり、観測マーカ32の座標が面マーカ31の範囲内に含まれている場合のみ、制御部6によりその座標データが観測マーカデータに付され、その座標データが付された観測マーカデータが、画像処理部4を介して表示部5に出力されることになる。これにより、観測マーカ32の移動範囲は面マーカ31の平面内に限定されることになる。そして、制御部6は、マーカ生成手段により生成された観測マーカデータにその座標を付して、画像処理部4を介して表示部5に観測マーカデータを出力する。表示部5では、その座標に対応する位置に観測マーカ32が表示される。
図3(e)に、血管画像30と面マーカ31との交点に観測マーカ32が移動させられた状態の図を示す。操作者が操作部7のポインティングデバイスなどを操作することにより、観測マーカ32を移動させて交点の位置に一致させる。つまり、面マーカ31の領域内において、血管画像30の色又はコントラストなどが変化する部分に観測マーカ32を移動させる。上述したように、色などが変化する境の部分は、血管画像30と面マーカ31とが交わっている部分であるため、その部分(交点)に観測マーカ32を一致させることで、血管画像30上に観測マーカ32を位置させたことになる。
このように、血管画像30とともに3次元的に表される面マーカ31を表示し、血管画像30と面マーカ31とを交差させ、交点においては他の部分と色やコントラストなどがことなるように表示することで、操作者は血管画像30の位置を視認することができる。さらに、その交点は面マーカ31に平面内に存在するため、面マーカ31の平面内でのみ移動可能な観測マーカ32をその平面内で移動させるだけで、その交点に観測マーカ32を一致させることができる。そのことにより、3次元画像においても、操作者は、血流情報を観測したい部分を容易に指定することが可能となる。
観測マーカ32により血流情報を収集する位置が指定されると、次は、ドプラ法を実施して指定された位置に対応する部位の血流情報を収集する(ステップS05)。まず、観測マーカ32により血流情報を収集する位置が指定されると、その指定位置に対応する部位の血流情報を収集するため、制御部6の位置情報生成手段17からその観測マーカ32の座標を示す情報が送受信部2及び信号処理部3に出力される。送受信部2は、その観測マーカ32の座標に対応する位置にある部位に対して超音波の送受信を行うように、超音波プローブ1の制御を行なう。超音波プローブ1は、送受信部2の制御に従って上記の位置にある部位に対して超音波を送信し、反射波を受信して送受信部2に送る。パルスドプラ法を実施する場合は、パルス波を送信する。
そして、送受信部2にて上述した処理が施され、信号処理部3のPWドプラ処理部14に受信信号が送られる。PWドプラ処理部14は、受信信号を位相検波することによりドプラ偏移周波数成分を取り出し、さらにFFT処理を施して血流速度を表すドプラ周波数分布を生成する。画像処理部4は、このドプラ周波数から周知の方法により血流の速度を算出し、その血流速度の時間変化を表すデータを表示部5に出力する。表示部5は、その血流速度のデータを受けて、モニタ画面上に血流速度の時間変化を表示する(ステップS06)。
図4に、表示部5のモニタ画面上に表示された血流速度の時間変化を示す。図4は、表示部5のモニタ画面を示す図である。図4に示すように、表示部5のモニタ画面34上には、血流速度の時間変化を示す血流速度分布37が表示される。
また、モニタ画面34上には上述したように、3次元画像35が表示される。さらに、モニタ画面34上には、面マーカ31を含む断面における断層像36を表示するようにしても良い。このように断層像36を表示することにより、操作者は、3次元とは異なる別の視点から血管画像30及び観測マーカ32の位置の確認を行うことができる。
画像処理部4は、ボクセルデータに対して断面変換法(MPR法)などの画像処理を施すことにより、面マーカ31を含む断面の断層像データを生成して、その断層像データを表示部5に出力する。さらに、表示部5のモニタ画面34では、3次元画像上での面マーカ31と観測マーカ32とに対応する、2次元画像で表される面マーカ31aと観測マーカ32aとが表示される。断層像36における面マーカ31a及び観測マーカ32aの移動を、3次元画像35における面マーカ31及び観測マーカ31に連動させることにより、操作者は3次元画像35と断層像36とを同時に観察しながら、血流情報を収集したい位置に観測マーカ32を移動させることができる。このように、3次元画像と2次元画像とを同時に表示して観察可能とすることで、血流情報を収集したい位置を更に容易に把握することができ、観測マーカ32を、血流情報を収集したい位置に容易に移動させて、血流情報を収集したい位置を容易に指定することが可能となる。
以上のように、モニタ画面34上には、3次元画像35、面マーカ31を含む断面の断層像36及びドプラスペクトラムの時間変化(血流速度の時間変化)が表示される。これらの画像のモニタ画面34上における表示位置は、図4に示す例に限らず、操作部7を操作することにより、操作者が見やすい位置に変更することが可能である。
また、血流(血管)の方向は、超音波の送受信方向と一致するとは限らないため、正確に血流速度を求めるためには、血流速度の角度補正を行う必要がある。つまり、超音波の送受信により血流の超音波送受信方向の速度成分を求めるとともに、超音波の送受信方向と血管(血流)とのなす角度θを求め、その角度θを用いて血流速度を補正する。血流速度Vと、血流の超音波送受信方向の速度成分vとは、以下の関係にある。
V=v/(cosθ)
vは、超音波の送受信により得られたドプラ周波数から算出されるため、角度θが求められると、血流(血管)方向の正確な血流速度Vを求めることができる。血流速度Vを求めるために角度補正を行う場合は、表示部5のモニタ画面上に血流速度補正マーカを表示させて、超音波の送受信方向と血流(血管)とのなす角度θを求める。
まず、表示部5のモニタ画面上に、血流速度補正マーカを表示させる。具体的には、操作者が操作部7を操作することにより、血流速度補正マーカの表示指示を超音波診断装置に与える。血流速度補正マーカの表示指示は、操作部7から制御部6のマーカ生成手段16に出力される。
マーカ生成手段16は、血流速度補正マーカの表示指示を受けると、記憶部(図示しない)から、初期設定の血流速度補正マーカデータを読み込む。マーカ生成手段16に読み込まれた血流速度補正マーカデータは、画像処理部4により3次元画像データと合成されて表示部5に出力され、表示部5のモニタ画面上に表示される。図3(f)に、表示部5のモニタ画面上に表示された血流速度補正マーカ33を示す。この血流速度補正マーカ33は3次元的に表示されている。
初期設定の血流速度補正マーカ33は、観測マーカ32を起点として、面マーカ31に直交する方向に向かって表示される。この血流速度補正マーカ33は、面マーカ31に対して固定されて表示される。従って、面マーカ31を移動又は回転させることにより、血流速度補正マーカ33の位置及び方向も変更される。上述したように、操作者は、表示部5のモニタ画面上の血流速度補正マーカ33を観察しながら、操作部7のポインティングデバイスなどを操作することにより、面マーカ31の位置及び方向を変更することで、面マーカ31に連動して血流速度補正マーカ33の位置及び方向を変更し、血流速度補正マーカ33と血管画像30とを平行にする(ステップS07)。
また、血流速度補正マーカ33を個別に移動させても良い。上記の例においては、血流速度補正マーカ33は面マーカ31に対して垂直に表示され、面マーカ31を移動及び回転させることにより、血流速度補正マーカ33を血管画像30に平行していたが、血流速度補正マーカ33のみを移動及び回転させることにより、血流速度補正マーカ33と血管画像30とを平行にしても良い。
角度θは、図3(g)に示すように、超音波の送受信方向と血流速度補正マーカ33とのなす角度として定義される。制御部6の角度算出手段19は、その角度θを算出する(ステップS08)。換言すると、角度算出手段19は、超音波の送受信方向と面マーカ31の垂線とのなす角度を算出していることになる。操作者による操作により、血流速度補正マーカ33が血管と平行にされた状態で、角度算出手段19が、血流速度補正マーカ33と超音波の送受信方向とのなす角度θを求めることで、超音波の送受信方向と血流(血管)とのなす角度θを求めることができる。そして、画像処理部4は、その角度θと、超音波送受信方向の速度成分vとから、血流速度Vを算出し(ステップS09)、血流速度Vの分布を表示部5に出力する。この血流速度Vの分布が表示部5のモニタ画面上に表示されることになる。
なお、観測マーカ32及び血流速度補正マーカ33の移動に際しては、3次元画像中における空間的な位置の把握を容易にするために、3次元画像の奥行き方向に移動させる場合は、観測マーカ32及び血流速度補正マーカ33の大きさを小さくしたり、表示色を変化させたりして表示しても良い。このような処理は、操作部7において操作者により選択可能となっている。
以上のように、この実施形態に係る超音波診断装置によると、面マーカ31を表示することにより、3次元画像で表される観測マーカ32(血流観測点)を、分かりやすく表示でき、これにより、操作者は、観測マーカ32(血流観測点)の3次元空間中における位置を容易に把握することができる。従って、操作者は、3次元画像の血管画像30において、血流を観測したい位置を容易に指定することが可能となる。
なお、この実施形態においては、パルスドプラ法を実施する場合について説明したが、この発明はその実施に限定されることはなく、その他、連続波ドプラ法などの実施にも適用可能である。
また、面マーカ31の形状及び大きさは、操作者が操作部7を操作することにより、任意に変更することができ、例えば、円形、矩形、多角形など形状に変更することが可能である。観測マーカ32(血流観測点)の形状、大きさ、色又は模様なども任意に変更可能である。例えば、透過色で表したり、網目状のパターンで表しても良い。
この発明の実施形態に係る超音波診断装置の概略構成を示すブロック図である。 この発明の実施形態に係る超音波診断装置の動作を順番に示すフローチャートである。 この発明の実施形態に係る超音波診断装置により、3次元画像上に観測マーカ(血流観測点)を指定する際の操作を示す図である。 表示装置のモニタ画面上に表示される3次元画像、2次元画像としての断層像、及び血流情報を示す図である。 従来技術に係る超音波診断装置により、2次元画像上に血流観測点を指定する際の操作を示す図である。
符号の説明
1 超音波プローブ
2 送受信部
3 信号処理部
4 画像処理部
5 表示部
6 制御部
7 操作部
16 マーカ生成手段
17 位置情報生成手段
18 方向変更手段
19 角度算出手段

Claims (6)

  1. 被検体に対して超音波の送受信を行うことにより、前記被検体の血管の3次元画像を収集するスキャン手段と、
    3次元的に表示される面の形状をした面マーカ、移動可能な観測マーカ、及び前記観測マーカを起点にして前記面マーカに直交する血流速度補正マーカを生成するマーカ生成手段と、
    前記血管の3次元画像と前記面マーカとを表示する表示手段と、
    を有し、
    前記スキャン手段は、前記観測マーカにおける超音波の送受信方向と前記血流速度補正マーカとのなす角度を算出する角度算出手段を更に有し、前記観測マーカの座標に対応する位置にある部位に対して超音波の送受信を行い、前記送受信の受信信号と前記算出された角度とに基づいて血流情報を求めることを特徴とする超音波診断装置。
  2. 被検体に対して超音波の送受信を行うことにより、前記被検体の血管の3次元画像を収集するスキャン手段と、
    3次元的に表示される面の形状をした面マーカ及び移動可能な観測マーカを生成するマーカ生成手段と、
    前記血管の3次元画像と前記面マーカとを表示する表示手段と、
    を有し、
    前記スキャン手段は、前記観測マーカにおける超音波の送受信方向と前記面マーカの垂線とのなす角度を算出する角度算出手段を更に有し、前記観測マーカの座標に対応する位置にある部位に対して超音波の送受信を行い、前記送受信の受信信号と前記算出された角度とに基づいて血流情報を求めることを特徴とする超音波診断装置。
  3. 操作者からの指示に従って、前記面マーカを前記血管と交わらせるように移動させるマーカ移動手段を更に有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の超音波診断装置。
  4. 前記観測マーカは、前記面マーカの範囲内で移動可能であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の超音波診断装置。
  5. 前記表示手段は、前記面マーカの色を透過色に表示、又は、前記面マーカを網目状に表示することを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載の超音波診断装置。
  6. 前記スキャン手段は、前記送受信により得られた受信信号から前記面マーカを含む断面における断層像を生成し、
    前記表示手段は、前記血管の3次元画像とともに前記断層像を表示することを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載の超音波診断装置。
JP2005027182A 2005-02-03 2005-02-03 超音波診断装置 Expired - Fee Related JP4634814B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005027182A JP4634814B2 (ja) 2005-02-03 2005-02-03 超音波診断装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005027182A JP4634814B2 (ja) 2005-02-03 2005-02-03 超音波診断装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006212164A JP2006212164A (ja) 2006-08-17
JP4634814B2 true JP4634814B2 (ja) 2011-02-16

Family

ID=36975860

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005027182A Expired - Fee Related JP4634814B2 (ja) 2005-02-03 2005-02-03 超音波診断装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4634814B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4886432B2 (ja) * 2006-09-04 2012-02-29 ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー 超音波診断装置
JP5148094B2 (ja) 2006-09-27 2013-02-20 株式会社東芝 超音波診断装置、医用画像処理装置及びプログラム
JP5472892B2 (ja) * 2008-04-03 2014-04-16 株式会社東芝 3次元医用画像表示装置及びその表示方法
KR20140071939A (ko) 2012-12-04 2014-06-12 삼성메디슨 주식회사 3차원 마커를 제공하는 의료 시스템, 의료 영상 장치 및 방법
US9437036B2 (en) 2012-12-04 2016-09-06 Samsung Medison Co., Ltd. Medical system, medical imaging apparatus, and method of providing three-dimensional marker

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000201930A (ja) * 1999-01-19 2000-07-25 Toshiba Corp 3次元超音波診断装置
JP2004089599A (ja) * 2002-09-04 2004-03-25 Hitachi Medical Corp 画像表示装置
JP2004230194A (ja) * 2004-05-17 2004-08-19 Olympus Corp 超音波診断装置
JP2004230193A (ja) * 2004-05-17 2004-08-19 Olympus Corp 超音波診断装置
JP2004350791A (ja) * 2003-05-27 2004-12-16 Aloka Co Ltd 超音波画像処理装置及び三次元データ処理方法
JP2005006710A (ja) * 2003-06-16 2005-01-13 Olympus Corp 超音波診断装置及び超音波画像処理方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3866334B2 (ja) * 1996-09-12 2007-01-10 東芝医用システムエンジニアリング株式会社 超音波診断装置
JP4119497B2 (ja) * 1997-03-24 2008-07-16 オリンパス株式会社 超音波画像診断装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000201930A (ja) * 1999-01-19 2000-07-25 Toshiba Corp 3次元超音波診断装置
JP2004089599A (ja) * 2002-09-04 2004-03-25 Hitachi Medical Corp 画像表示装置
JP2004350791A (ja) * 2003-05-27 2004-12-16 Aloka Co Ltd 超音波画像処理装置及び三次元データ処理方法
JP2005006710A (ja) * 2003-06-16 2005-01-13 Olympus Corp 超音波診断装置及び超音波画像処理方法
JP2004230194A (ja) * 2004-05-17 2004-08-19 Olympus Corp 超音波診断装置
JP2004230193A (ja) * 2004-05-17 2004-08-19 Olympus Corp 超音波診断装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006212164A (ja) 2006-08-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8888704B2 (en) Ultrasound imaging apparatus and method for displaying ultrasound image
KR101182880B1 (ko) 영상 지시자를 제공하는 초음파 시스템 및 방법
JP5022716B2 (ja) 超音波診断装置、及び超音波診断装置の制御プログラム
JP5416900B2 (ja) 超音波診断装置及び穿刺支援用制御プログラム
JP5395371B2 (ja) 超音波診断装置、超音波画像の取得方法及びプログラム
JP4764125B2 (ja) 超音波診断装置、及び超音波診断装置の制御プログラム
JP2008086742A (ja) 超音波プローブの軌跡表現装置及び超音波診断装置
EP2253275A1 (en) Ultrasonic diagnostic apparatus, ultrasonic image processing apparatus and ultrasonic image processing method
JP2009066074A (ja) 超音波診断装置
JP2009089736A (ja) 超音波診断装置
JP4280098B2 (ja) 超音波診断装置及び穿刺治療支援プログラム
JP2013240369A (ja) 超音波診断装置及び制御プログラム
JP2007068724A (ja) 超音波診断装置及びプログラム
JP4634814B2 (ja) 超音波診断装置
JP5942217B2 (ja) 超音波診断装置、超音波画像処理装置及び超音波画像処理プログラム
JP5179812B2 (ja) 超音波診断装置、超音波画像処理装置、及び超音波画像処理プログラム
JP2005319199A (ja) 超音波診断装置
JP2009039240A (ja) 超音波診断装置、及び超音波画像処理プログラム
JP4772418B2 (ja) 超音波診断装置及びプログラム
JP5535596B2 (ja) 超音波診断装置
JP5202916B2 (ja) 超音波画像診断装置およびその制御プログラム
JP5976472B2 (ja) 超音波診断装置及び制御プログラム
JP5317762B2 (ja) 超音波診断装置
JP6274489B2 (ja) 超音波診断装置、医用画像処理装置および医用画像処理プログラム
JP4901273B2 (ja) 超音波診断装置およびその画像処理プログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080201

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20090212

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100817

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101005

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101026

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101119

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4634814

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131126

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees