JP3049613B2 - 組換えマウスil―6レセプターの製造方法 - Google Patents

組換えマウスil―6レセプターの製造方法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は可溶性のマウスインターロイキン−6(マウ
スIL−6)レセプター、及び遺伝子組換法によるその製
造方法、並びにこの方法に使用するための遺伝子及び発
現ベクターに関する。
〔従来の技術〕
インターロイキン−6(BSF2/以下IL−6と略す)
は、種々の重要な生理活性を有し、広く細胞の増殖分化
に関与しているタンパク質である。さらにIL−6の異常
産生が種々の自己免疫疾患の病因因子である可能性が報
告されている(岸本、平野、Ann.Rev.Immunol.,6,p485,
1988年参照)。
〔発明が解決しようとする課題〕
IL−6の阻害剤として、細胞膜上のヒトIL−6レセプ
ターあるいは細胞表層より離脱している(以下、可溶性
と呼ぶ。)ヒトIL−6レセプター、及びヒトIL−6レセ
プターに対する抗体が期待されるが、これらをマウス等
の実験動物に投与して、その効果を調べることが必須と
なる。しかし、可溶性ヒトIL−6レセプターあるいはヒ
トIL−6レセプターに対する抗体をマウス等の実験動物
に投与しても、実験動物のIL−6作用を抑制することが
期待できない。実験動物の中では、マウスが、取り扱い
の容易さにおいて、さらにはIL−6過剰産生により自己
免疫疾患になるストレスが確立されているという点にお
いて、最もその使用が望まれる。従って、可溶性ヒトIL
−6レセプターあるいはヒトIL−6レスプターに対する
抗体を薬剤として開発するには、可溶性マウスIL−6レ
セプターあるいはマウスIL−6レセプターに対する抗体
をマウスに投与してその薬効を調べることが重要にな
る。
IL−6レセプターの様な生体内の存在量が極めて微量
な蛋白質を大量に生産するためには、遺伝子工学的な手
法が一般に用いられる。この手法では、目的とする蛋白
質をコードするDNA配列を発現させるためのプロモータ
ー等のDNA配列を、翻訳時に該DNAから目的蛋白質が生産
されるように読取り可能に結合させ、このDNA配列を宿
主として選定された微生物または培養細胞を形質転換可
能なベクターに導入し、このベクターで宿主を形質転換
した後該DNA配列を発現させる方法である。しかし、IL
−6レセプターの様な本来膜上に存在する蛋白質を可溶
剤で発現させる場合、IL−6レセプター遺伝子に適当な
変異を挿入し、該遺伝子からIL−6と結合能を有する可
溶性IL−6レセプターが発現されなければならない。さ
らに発現されたIL−6レセプターを同定し、IL−6との
結合能を有する蛋白質を分離回収しなければならない。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者は、IL−6レセプターについて鋭意研究を行
った結果、マウスIL−6レセプター遺伝子に適当な変異
を挿入し、該遺伝子からIL−6と結合能を有する可溶性
IL−6レセプターを適当な宿主−ベクター系で発現さ
せ、発現した該蛋白質を同定し、遺伝子工学的に大量に
該蛋白質を生産し、さらにIL−6との結合能を有した状
態で効率良く該蛋白質を分離回収する方法を確立した。
従って本発明は、可溶性のマウスインターロイキン−
6(マウスIL−6)レセプター、及びそれをコードする
遺伝子を含有する発現ベクターにより形質転換された宿
主を培養し、そして当該培養物からマウスIL−6レセプ
ター又はその誘導体を採取することを特徴とする可溶性
マウスIL−6レセプターの製造方法、並びにこの方法に
おいて使用するための遺伝子及び発現ベクターを提供す
るものである。
〔発明の具体的な説明〕 1. 可溶性マウスIL−6レセプター 本発明は、可溶性マウスIL−6レセプターに関する。
第7図にはマウスIL−6レセプターをコードするcDNAの
塩基配列、及びそれに対応するアミノ酸配列が示されて
おり、このアミノ酸配列は460アミノ酸残基からなり、
N末端側から第2番目に位置するロイシンから第19番目
に位置するアラニンにかけても、第358番目に位置する
セリンから第385番目に位置するロイシンにかけての部
分に疎水性アミノ酸残基が位置している、この2つの疎
水性領域は、前者がシグナルペプチド領域、後者が膜貫
通領域であると考えられる。
そこで、本発明においてはアミノ酸位置第323位の次
に部位特異的変異により翻訳終止コドンを挿入し、この
変異DNAを発現させることにより第323位で終るアミノ酸
配列を有する蛋白質が宿主細胞から分泌される可溶性で
あり且つIL−6に結合する能力を有することを見出し
た。この結果、少なくとも323位のアミノ酸までのアミ
ノ酸配列を含み、且つ第358位のセリンから始まると予
想される膜貫通領域を含有しない蛋白質は可溶性マウス
IL−6レセプターであることが明らかにされた。従って
本発明は、第2位のロイシンから第323位のイソロイシ
ンまでのアミノ酸配列を有する可溶性マウスIL−6レセ
プターを提供する。本発明はさらに上記アミノ酸配列に
1〜少数個のアミノ酸が付加されているか、又は上記ア
ミノ酸から1〜少数個のアミノ酸が欠失しているアミノ
酸配列を有しなおIL−6に結合することができる蛋白質
を包含する。
2. IL−6レセプターをコードするDNA 本発明で提供される遺伝子工学的にマウスIL−6レセ
プターを生産するために用いるIL−6レセプターをコー
ドするDNA配列とは、前記1.において記載した塩基配列
を有するDNA、または、該配列中の1個あるいは複数個
のヌクレオチドが他のヌクレオチド配列に置換されてお
り、そして/または1個あるいは複数個のヌクレオチド
が欠失しており、そして/または1個あるいは複数個の
ヌクレオチドが付加されているDNA配列である。該DNA配
列はマウスIL−6レセプターcDNA等を出発材料として作
製してもよいし、化学的に合成してもよい。
前記のごとき種々のDNA配列は、特願平1−292230並
びに本明細書の参考例1及び第7図に記載されており、
この記載に基づいて本発明のマウスIL−6レセプターを
コードするDNAを得ることができる。
3. 発現ベクター 本発明で提供されるマウスIL−6レセプターをコード
するDNA配列を発現、即ちIL−6レセプターを生産しう
る複製可能な発現ベクターは、前項で説明したIL−6レ
セプターをコードするDNA配列、該DNA配列を発現させる
ためのDNA配列、及び宿主中でベクターDNAを複製するた
めの複製起点等を有し、選定した宿主を形質転換できる
ものであれば、制限無く適宜選定して使用できる。該DN
A配列を発現させるためのDNA配列としてはプロモーター
系が重要であり、乳糖プロモーター系、トリプトファン
プロモーター系、GAL4プロモーター系、SV40プロモータ
ー系、アデノウイルスプロモーター系等が例示できるが
宿主との関係において適宜選定する必要がある。またこ
れらベクターは、これらベクターを用いて選定された宿
主を形質転換させる操作に当たり、ベクターが導入され
なかった宿主と導入された宿主との選別を可能にするた
め例えば、アンピシリン等の薬剤に対する耐性を宿主に
付与するためのDNA配列を含んでいることが望ましい。
4. 宿 主 本発明では、特別の制限なしに通常の遺伝子工学的に
蛋白質を生産するために用いられる微生物または培養細
胞が使用できる。微生物としてはK−12等の種々の大腸
菌類、枯草菌類、酵母等を例示できる。培養細胞として
は、COS細胞(猿の腎臓線維芽細胞)、CHO細胞(チャイ
ニーズハムスターの卵巣細胞)、C127細胞(マウス癌細
胞)等を例示することができる。
5. マウスIL−6レセプターの精製 本発明で提供されるマウスIL−6レセプターの遺伝子
工学的生産法により生産されたIL−6レセプターは、生
産に用いた微生物あるいは培養細胞中から、あるいはそ
の培養液中から、通常の生理活性蛋白質回収法によって
分離回収することができる。この方法としては、市販の
各種HPLC、カラムを用いたクロマトグラフィー等を例示
できる。また培養液中から該蛋白質を分離回収するため
には、培養液中の他の蛋白質量の減少、例えば培養細胞
を無血清培地で培養して該蛋白質を発現させることによ
り、効率を高めることができる。
〔実施例〕
以下本発明をさらに詳細に説明するために実施例を示
すが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
実施例1. CHO細胞でのマウスIL−6レセプター発現用
プラスミドの作製 可溶性マウスIL−6レセプターを製造するため、マウ
スIL−6レセプター蛋白質のC末端側の膜貫通領域及び
細胞内領域が除去されたマウスIL−6レセプターをCHO
細胞で発現することができるプラスミドpECEdhfrm323を
作製した。
まず、Lambda P1〔特願平1−(平成1年11月13日出
願)、及び本明細書の参考例1を参照のこと〕よりマウ
スIL−6レセプターをコードするcDNAを含むEcoR I−Ec
oR I断片を切りだし、M13mp18のEcoR Iサイトに挿入し
た。次に、オリゴヌクレオチド5′−AATCCTCTAGAACCCC
A−3′を用いて、オリゴヌクレオチドを用いた部位特
異的in vitro変異体作製システム(アマーシャム)によ
り、323番目のアミノ酸をコードするDNAの直後に終止コ
ドンを挿入し、mp18−MIL6R323を作製した。
次に、SV40初期プロモーター及び後期プロモーターを
有するプラスミドpECE(L.Ellisら、Cell,45,p721,1986
年参照)のPvu II部位に、VIII−B−b−i−4由来の
dhfr遺伝子を発現可能な方向に挿入し、新しいプラスミ
ドpECEdhfrを作製した。さらこれをKpn I及びXba Iによ
り切断し、mp18−MIL6R323の2本鎖DNAをKpn I及びXba
Iで切断することにより得られるIL−6レセプターcDNA
を含む断片をこの部位に挿入し、pECEdhfrm332を作製し
た。第1図にpECEdhfrm323の作製法を示し、第2図にpE
CEdhfrm323の構造を示す。
実施例2. マウスIL−6レセプター高発現CHO細胞の作
製 pECEdhfrm323をChenらの方法(Mol.Cell.Biol.,7,p27
45,1987年参照)により、dhfr遺伝子欠損CHO細胞株DXB
−11(G.Urlandら、Proc.,N.A.S.,77,p4216,1980年参
照)に導入し、MTX(メソトレキセート;シグマ社製)
でスクリーニングをし、可溶性マウスIL−6レセプター
高産生株MR25を作製した。
培養上清中の可溶性IL−6レセプターの検出は以下の
方法により行った。すなわち2μg/mlのMT18抗体(抗ヒ
トIL−6レセプターモノクローナル抗体、特願昭63第19
4885号参照)を含むPBSを96穴のマイクロタイタープレ
ートに1ウエルあたり100μ加え、1晩4℃で放置し
た。洗浄後、1ウエルあたり100μの1%BSA−PBSを
加え、2時間室温で放置した。洗浄後、100μの可溶
性ヒトIL−6レセプターを発現しているCHO細胞の培養
上清(特願昭63第194885号参照)を加え、2時間室温で
放置することにより該IL−6レセプターをプレートに固
定した。洗浄後、125I−ヒトIL−6(20,000cpm)と、
可溶性マウスIL−6レセプターを発現している細胞培養
上清の濃縮液とをそれぞれ50μづつ加え、2時間室温
で放置した。洗浄後、各ウエルを切断し、プレートに固
定された放射能をγ−カウンターで測定した〔第3図
(a)〕。対照としてpECEdhfrm323が導入されていない
細胞株DXB−11を同様に処理し放射能を測定した〔第3
図(b)〕。
第3図はMR25が可溶性マウスIL−6レセプターを産生
していることを示している。
実施例3. 可溶性マウスIL−6レセプター発現細胞の大
量培養 MR25を10層式細胞培養装置(Nunc社、セルファクトリ
ー)を用いて、10%牛胎児血清入α−MEM培地2リット
ルで密な状態まで培養後、培地を除き、PBSで洗浄後、M
EM non−essential aminoacid solution(Sigma社)及
びL−グルタミン(Sigma社)を含むエスクロンSF−0
無血清培地(三光純薬社)2リットルに置換し培養し
た。3日後、培養上清を回収し、新たな2リットルのエ
スクロンSF−0培地でさらに4日間培養した。こうして
計4リットルの可溶性IL−6レセプター含有無血清培養
上清を得た。
実施例4. 可溶性IL−6レセプターの分離精製 実施例3に記載の4リットルの可溶性IL−6レセプタ
ー含有培養上清の遠心分離機5000g,10分間遠心し沈澱を
除き、0.22μmのフィルターで濾過した。濾過液を排除
分子量1万の中空系型限外濾過システム(東ソー)を用
いて500mlまで濃縮した。さらに、排除分子量1万の簡
易型窒素加圧式膜濃縮装置を用いて50mlまで濃縮した。
濃縮液を、20mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.4)、0.1
5M NaClで透析した後、TSK gel Blue−5PWカラム(東ソ
ー、21.5mm×15cm)にかけ、0から3Mのチオシアン酸カ
リウムの直線濃度勾配法により溶出した。各フラクショ
ンを実施例2に記載の方法、すなわち固相勝した抗IL−
6レセプターモノクローナル抗体MT18に結合した可溶性
ヒトIL−6レセプターへの125I−ヒトIL−6の結合に対
する、溶出画分の阻害活性を指標として、可溶性マウス
IL−6レセプターを含む画分を得た。
この画分を10mMトリス塩酸緩衝液(PH8.0)で透析
し、同液で平衡したTSK gel DEAEカラム(東ソー、21.5
mm×15cm)にかけた。上記の方法で可溶性マウスIL−6
レセプターを含む画分を集め、さらに濃縮した。これを
20mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.4),0.15M NaClで平
衡化したTSK gel G3000SWカラム(東ソー、21.5mm×60c
m)にかけ、可溶性マウスIL−6レセプター精製標品を
得た。
第4図は、各種カラムクロマトグラフィーのパターン
を、そして第5図は可溶性マウスIL−6レセプター精製
標品のSDS/PAGEのパターンを示す。
〔発明の効果〕
本発明で提供されるマウスIL−6レセプターの遺伝子
工学的生産法、及び外蛋白質の分離回収法により、自然
状態では極めて微量にしか生産されないIL−6レセプタ
ーを大量に生産することが可能である。また本発明で提
供される該蛋白質を生産および分離回収する方法に基づ
くことにより、種々の変異を挿入したマウスIL−6レセ
プターを短期間で大量に生産することが可能となる。こ
のように本発明はIL−6作用を調節する新しい治療薬と
して期待の大きい可溶性IL−6レセプターの開発、及び
IL−6のシグナル伝達機構の研究に大きな意義をもつ。
参考例1. マウスIL−6レセプターcDNAの単離 一連の遺伝子組み換え操作方法(m−RNAの抽出、DNA
の制限酵素による切断等)は、マニアティスらの方法
(Molecular Cloning,Cold Spring Harbor Laboratory
1982年参照)、ハーウィンらの方法(DNA cloning,a Pr
actical Approaoh vol.1,p49,IRL,Oxford,1985年参照)
を参考にして行った。
まず、マウス・ミエローマ細胞株P3U1(AT CC CRL 19
57)からmRNAを抽出し、ラムダファージgt10(アマーシ
ャム)を用いてcDNAライブラリーを作製した。次にpBSF
2R.236(K.Yamasakiら、Science,241,p825,1988年参
照)のインサートcDNAのFsp I−Ban I断片をプローブと
して用い、7.3×105クローンを以下の条件でスクリーニ
ングした。プラークをブロットするフィルターにはナイ
ロンフィルターであるジーンスクリーンプラス(NEN
社)を用いた、ハイブリーダイゼーションは、1%SDS,
1M NaCl,0.05M Tris HCl(pH7.5),5×デンハルト溶
液、200μ/mlサケ精子DNA存在下で、65℃で16時間行
った。その後、2×SSC,1%SDSで、60℃にてフィルター
を洗って非特異的にフィルターに結合したプローブを分
離させ、乾燥後、オートラジオグラフィーを行った。
なお、前記プラスミドpBSF2R.236を制限酵素Xho Iで
部分消化し、BSF2レセプターをコードする塩基配列をす
べて含有するDNA断片を得、これを市販のベクターpIBI7
6(IBI社)のSal I部位に挿入してプラスミドpIBIBSF2R
を作製した。このプラスミドpIBIBSF2Rを含有する大腸
菌HB101−pIBIBSF2Rは、工業技術院微生物工業技術研究
所に微工研条寄第2232号(FERM BP−2232)として寄託
されている。このプラスミドから、常法に従って適当な
制限酵素によりBSF2レセプター蛋白質をコードするDNA
断片を切り出し、本発明で用いるプローブを作製するこ
とができる。
このようにして単離された1つのクローンをラムダP1
(lambda P1)と名付けた。第6図にラムダPQの制限酵
素地図および対応するIL−6レセプター蛋白質の模式図
を示す。しかしながら、ラムダP1のインサートcDNAの塩
基配列を決定した結果、ヒトIL−6レセプターとの比較
より、完全長のマウスIL−6レセプターがコードされて
いないことが判明した。
そこで、完全長のマウスIL−6レセプターcDNAを単離
する目的で、上記方法でBALB/cの脾臓からmRNAを抽出
し、gt10を用いてcDNAライブラリーを作製した。プロー
ブとして第6図のプローブを用い、通常の方法でスクリ
ーニングした結果、1つのスローン、ラムダ301(lambd
a 301)を単離した。ラムダ301のインサートcDNAの塩基
配列を決定した結果、ヒトIL−6レセプターとの比較よ
り、完全長のマウスIL−6レセプターがコードされてい
ることが判明した。
ラムダP1とラムダ301のそれぞれコードするマウスIL
−6レセプターcDNA塩基配列を比較したところ、第1番
目のメチオニンから第385番目のロイシンまでをコード
するDNA配列は一致したが、それ以降のアミノ酸をコー
ドするDNA配列は全く異なっていた。さらに詳細な塩基
配列の解析を行ったところ、ラムダP1の第386番目以降
のアミノ酸をコードするDNA配列は、intra−cysternal
A−particle(IAP)遺伝子由来であることが判明した。
第6図に、ラムダ301の制限酵素地図および対応するI
L−6レセプター蛋白質の模式図を示す。第7図は、ラ
ムダ301のインサートcDNAの塩基配列および塩基配列か
ら推定されるマウスIL−6レセプターのアミノ酸配列を
示す。
【図面の簡単な説明】
第1図は、プラスミドpECEdhfrm323の作製過程を示す。
図中、B,E,F,H,K,P、及びSは、BamH I,EcoR I,Fok I,H
ind III,Kpn I,Pst I、及びSma Iサイトをそれぞれ示
す。 第2図は、プラスミドpECEdhfrm323の構造を示す。 第3図は、(a)MR25細胞及び(b)DXB−11細胞の無
血清培養上清を10倍に濃縮したもののIL−6結合活性
を、実施例2に示す方法で測定したのプレートの残存放
射能を示す。 第4図は、(A)群特異性アフィニティーカラムクロマ
トグラフィー、(B)陰イオン交換カラムクロマトグラ
フィー、及び(C)ゲル濾過カラムクロマトグラフィー
の溶出パターン(実線がOD280、矢印が可溶性マウスIL
−6レセプター分画を示す。)を示す。 第5図は、精製された可溶性マウスIL−6レセプターの
SDS/PAGEのパターンを示す。 第6図は、ラムダP1及びラムダ301のcDNAの制限酵素地
図並びにマウスIL−6レセプター蛋白質の模式図、さら
にはプローブ1の位置を示す。BはBamH Iサイト、Eは
EcoR Iサイト、FはFok Iサイト、HはHind IIIサイ
ト、KはKpn Iサイト、PはPst Iサイト、SはSma Iサ
イトをそれぞれ示す。また、SSはシグナル配列、ECは細
胞外領域、TMは膜貫通領域、Cは細胞内領域を示す。 第7図は、ラムダ301のインサートcDNA、すなわちマウ
スIL−6レセプターをコードするDNA配列についてその
塩基配列を解析した結果、およびこのDNA配列が発現さ
れた場合に生産される蛋白質すなわちマウスIL−6レセ
プターの推定されるアミノ酸配列を示す。下線部分はN
末端側の疎水性アミノ酸領域を示し、二重下線部分はC
末端側の疎水性アミノ酸領域を示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI (C12P 21/02 C12R 1:91) (72)発明者 斎藤 貴司 神奈川県横浜市神奈川区大磯町石神台1 ―5―9 (72)発明者 保川 清 神奈川県相模原市相模大野7―37―17 (72)発明者 福永 剛 神奈川県横浜市旭区上白根町2―44―1 (72)発明者 二木 研輔 神奈川県横浜市緑区たちばな台2―7― 3 (72)発明者 大杉 義征 静岡県御殿場市駒門1丁目135番地 中 外製薬株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07K 14/00 - 16/46 C12N 15/00 - 15/90 C12P 21/00 - 21/08 BIOSIS(DIALOG) GenBank/EMBL/DDBJ(G ENETYX) WPI(DIALOG)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第7図中の第2位のロイシンから第323位
    のイソロイシンまでのアミノ酸配列を有するマウスIL−
    6レセプター蛋白質。
  2. 【請求項2】第7図中の第20位のロイシンから第323位
    のイソロイシンまでのアミノ酸配列を有する可溶性マウ
    スIL−6レセプター蛋白質。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の蛋白質をコード
    するDNA。
  4. 【請求項4】請求項3に記載のDNAが該DNAを発現させ得
    る制御配列と連結されているDNA。
  5. 【請求項5】請求項4に記載のDNAを含んで成る発現ベ
    クター。
  6. 【請求項6】請求項5に記載の発現ベクターにより形質
    転換された宿主を培養し、そして培養物から可溶性マウ
    スIL−6レセプター蛋白質を採取することを特徴とする
    可溶性マウスIL−6レセプター蛋白質の製造方法。
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