JP2004530432A - インターロイキン−18変異体、その産生および使用 - Google Patents

インターロイキン−18変異体、その産生および使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、野生型IL−18分子よりもIL−18BPに対して、より低い親和性を有するIL−18の変異体を提供する。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、野生型タンパク質に関して増強された生物学的活性を有するIL−18変異体に関する。
【背景技術】
【0002】
1989年に、マウスの脾臓細胞から得られるインターフェロン−γ(IFN−γ)を誘導するエンドトキシン誘導血清の活性が記載された(Nakamura et al., 1989)。この血清の活性は、直接的なIFN−γの誘導物質としてではなく、むしろIL−2、IFN−/、TNFまたはマイトジェンとともに共刺激剤として作用した。エンドトキシン後のマウス血清から活性を精製しようとする試みにより、明らかに均質な50〜55kDaのタンパク質であることが示された(Nakamura et al., 1993)。ほかのサイトカインはIFN−γ産生に対して共刺激剤として作用することができるので、血清活性を中和するための、IL−1、IL−4、IL−5、IL−6またはTNFに対する抗体の中和の失敗により、それが異なる因子であることが示唆された。1995年には、同科学者らによって、P.アクネス(P. acnes)であらかじめ調整されたマウス由来の肝臓の抽出物中に、IFN−γ産生に対するエンドトキシン誘導共刺激剤が存在することが証明された(Okamura at al., 1995)。このモデルにおいて肝臓のマクロファージ数(クッパー細胞)は増加し、バクテリアのリポ多糖(LPS)の低い投与量(あらかじめ調整されていないマウスでは致死ではない)が、これらマウスにおいては致死量であった。IFN−γ誘導因子(IGIF)と名づけられ、のちにインターロイキン−18(IL−18)と呼ばれるその因子が、1200グラムのP.アクネス処理されたマウスの肝臓から均質的に精製された。精製されたIL−18のアミノ酸配列から得られた変性オリゴヌクレオチドは、マウスIL−18cDNAをクローン化するために使用された(Okamura et al. 1995)。IL−18およびインターロイキン−12(IL−12)のメッセンジャーRNAは、活性化マクロファージにおいて容易に検出された。IL−18は単独ではIFN−γを誘導しないが、主にマイトジェンまたはIL−12との共刺激剤として機能する。IL−18に対するヒトcDNA配列は1996年に報告された(図1A 配列番号:1)。
【0003】
インターロイキンIL−18は、構造上の性質がIL−1ファミリーのタンパク質と共通している(Nakamura et al., 1993 ; Okamura et al., 1995; Ushio et al., 1996 ; Bazan et al., 1996)。4へリックスバンドル構造を示す多くのほかのサイトカインとは異なり、IL−18およびIL−1βはすべてβひだ状シート構造(β-pleated sheet structure)を有する(Tsutsui et al., 1996)。IL−1βと同様に、IL−18は生物学的に不活性な前駆体(プロIL−18)として合成され、シグナルペプチドを欠いている(Ushio et al., 1996)。IL−1βおよびIL−18前駆体は、P1位のアスパラギン酸残基の後ろで前駆体を切断するカスパーゼ1(1L−1β−変換酵素、またはICE)によって切断される。得られた成熟サイトカインはすぐに細胞から放出される(Ghayur et al., 1997およびGu et al., 1997)。
【0004】
IL−18はTヘルパーI型(Th1)細胞によるサイトカイン産生(IFN−γ、IL−2および顆粒細胞−マクロファージコロニー刺激因子)の共刺激剤であり(kohno et al., 1997)、マウスナチュラルキラー細胞クローンのFASリガンド仲介細胞傷害性の共刺激剤でもある(Tsutsui et al., 1996)。
【0005】
Th1リンパ球は腫瘍に対する免疫応答に関与する(Seki et al., 2000)。Th1応答は、特定の腫瘍抗原を認識する特定の細胞傷害性Tリンパ球の産生だけでなく、サイトカインIL−2、IL−12、IL−18およびIFN−γの分泌を含む。Th1応答は、多くの微生物に対する生存目的の宿主の防御手段でもある。しかしながら、Th1応答は、いくつかの自己免疫疾患の発症、炎症および臓器移植拒絶などの望ましくない作用にも関連する。
【0006】
成熟タンパク質をコードするベクターを用いて大腸菌での成熟型のIL−18の発現を試みたところ、完全に活性なサイトカインはもたらされなかった。完全に生物学的に活性なヒトIL−18の産生に有効な発現系は、たとえば、悪性腫瘍、またはIFN−γ誘導が望まれるあらゆる症状における治療での使用のために開発されている(国際公開第00/61768号パンフレット)。この系において、IL−18前駆体のカスパーゼ−1切断部位は、Xa因子部位(ICE/Xa)に変化し、IL−18 ICE/Xa前駆体をコードするベクターが、大腸菌の形質転換のために用いられた。大腸菌におけるこのIL−18前駆体の発現ののち、成熟IL−18は、イン ビトロでXa因子切断により産生された。Xa因子切断により産生されたこの成熟IL−18は、完全に活性であった。
【0007】
サイトカイン結合タンパク質(可溶性サイトカイン受容体)は、たいていそれらのそれぞれの細胞表面サイトカイン受容体の細胞外リガンド結合ドメインである。それらは、細胞表面受容体の選択的なスプライシング、または細胞表面受容体のタンパク質分解性切断のどちらかによって産生される。それら可溶性受容体は、今までに、たとえば、IL−6およびIFN−γの可溶性受容体(Novick et al., 1989)、TNFの可溶性受容体(Engelmann et al., 1989; Engelmann et al., 1990)、IL−1およびIL−4の可溶性受容体(Maliszewski et al., 1990)、IFN−α/βの可溶性受容体(Novick et al., 1994; Novick et al. 1992)などが記載されている。オステオプロテグリン(osteoprotegerin)(OPG、破骨細胞阻害因子−OCIFとしても知られる)と命名され、TNFR/Fasファミリーのメンバーである1つのサイトカイン結合タンパク質は、分泌タンパク質としてのみ存在する可溶性受容体の最初の例であると思われる(Anderson et al., 1997; Simonet et al., 1997; Yasuda et al., 1998)。
【0008】
IL−18結合タンパク質(IL−18BP)は、IL−18カラム中で尿からアフィニティー精製された(Novick et al., 1999)。IL−18BPはINF−γおよびIL−8のIL−18誘導、イン ビトロにおけるNF−κBの活性化ならびにイン ビボにおけるIFN−の誘導を廃する。IL−18BPは、脾臓において構成的に発現される可溶性の循環タンパク質であり、免疫グロブリンスーパーファミリーに属する。最も豊富なIL−18BPアイソフォームである、スプライスされた変異体アイソフォームaは、急速な吸着速度および遅い離脱速度で、IL−18に対し高い親和性を示し、およそ400pMの解離定数(Kd)を示した(Kim et al., 1999)。
【0009】
IL−18のIL−18BPとの相互作用に関与する残基は、コンピュータモデリングの使用により(Kim et al., 1999)、およびIL−1のIL1RI型との相互作用に基づいて(Vigers et al., 1997)、記載されている。IL−18BPに結合するIL−18のモデルにおいて、IL−18の42位のGlu残基および89位のLys残基が、それぞれIL−18BPにおけるLys−130およびGlu−114に結合することが提唱されている(Kim et al., 1999)。
【0010】
IL−18は多くの細胞で構成的に存在し(Puren et al., 1999)、健康なヒトでは循環している(Urushihara et al., 2000)。循環で見出されるIL−18BPの高い濃度(IL−18に比べ20倍のモル濃度過剰)だけでなく、IL−18BPのIL−18への高い親和性は、サイトカインの生物学において独特の状態を表わす。したがって、すべてではないが、循環中のほとんどのIL−18分子はIL−18BPに結合される。IL−18の細胞表面受容体と拮抗するこの循環IL−18BPは、天然の抗炎症性分子および免疫抑制性分子として作用し得る。
【0011】
IL−18BP様タンパク質をコードするウイルス製剤、たとえばM.コンタギオーサム(M. contagiosum)のウイルス性タンパク質MC53およびMC54は、哺乳動物のIL−18BPに対して顕著な相同性を示す(Novick et al. 1999)。M.コンタギオーサムのタンパク質MC53およびMC54は、IL−18Bと同様に、ヒトIL−18と結合し、中和する能力を有する(Xiang and Moss, 1999)。IL−18BPと相同である、エクトロメリアポックスウイルスのp13タンパク質は、ヒトIL−18と結合し、イン ビトロにおいてその活性を阻害する。p13欠失変異体ウイルスで感染させたマウスは、感染性のレベルの減少を示した(Born et al., 2000)。したがって、感染性の程度はIL−18BPの存在と関連があると思われる。
【0012】
高レベルの循環IL−18BPは、感染に対して上昇するTh1応答および自己免疫疾患の発症に対する天然の防御を表わし得る。しかしながら、IL−18は腫瘍に対する宿主の防御において重要であるTh1応答に貢献する。したがって、IL−18BPは、宿主の腫瘍細胞に対する細胞傷害性T細胞の発達の失敗を引き起こし得る。実際、マウスにおいてIL−18が腫瘍に対する宿主の防御を促進するという証拠がある。たとえば、同系のマウスにおいて、マウスIL−12またはマウスIL−18を発現するマウス乳腺癌細胞は、ほとんど腫瘍を生じず、対照の非発現細胞よりもゆっくりと腫瘍を形成した(Coughlin et al., 1998)。抗体の中和の研究により、抗腫瘍効果にはIFN−γが必要であることが明らかにされた。そのほかの研究では、B7−1(CD80)を発現するB16メラノーマとかけ合わせた実験動物へIL−18を全身に投与した結果、メラノーマ形成、腫瘍成長の劇的な抑制、および生存における有意な改善が生じた(Cho et al., 2000)。
【0013】
サイトカインは、癌における免疫治療の有効性を増大させるために、アジュバンドとして用いられる。たとえば、IL−2は腎臓細胞癌またはメラノーマに対して投与される(Gollob et al., 2000)。しばしば、サイトカインを用いる治療の1つの重要な結果は、重篤な全身性毒性プロフィールである。患者自身の腫瘍または樹状細胞によって発現されたサイトカインの使用は、その問題に対する論理的な解決法である。やはり、もしIL−18が腫瘍の免疫治療においてアジュバンドとして局所的に用いられるべきであれば、局所的な環境でのIL−18を中和する構成的なレベルのIL−18BPの能力は依然として強力に発揮され、その結果その有効性は大いに減少する。
【0014】
白血病および固体腫瘍(solid tumors)を治療するためのいわゆるミニ移植である、骨髄非破壊的同種移植の使用により、移植片対白血病および移植片対腫瘍の反応の誘導が徐々に成功している(Slavin S., 2000; Slavin et al., 2000)。転移性腎臓細胞癌の患者を治療するために同種の末梢血幹細胞(Childs et al. 2000)または樹状細胞(Kugler et al., 2000)のどちらかを用いる2つの研究は、注目すべき成功を果たした。それらの研究は拡大され確認される必要はあるけれども、現在行われている移植片対腫瘍の反応が癌における免疫治療に利用可能であるという概念は賛同を得ている(Slavin, 2000)。IL−18はそれらの成功した治療的アプローチに関与していると思われるので、IL−18BPの中和効果を廃することができればさらなる改善が達成され得る。
【0015】
IL−18の変異体(IFN−γ、誘導因子)は欧州特許出願第0845530号明細書に記載されている。その記載されているIL−18変異体は、IL−18の1、2、3または4つすべてのシステイン残基(図1B)がセリンまたはアラニン残基によって置換されている分子である。これら変異体は完全な保存配列を含む(図1B)。すべての単離された変異体は野生型のIL−18よりも高い安定性を示す。その変異体の安定性の程度はその分子内で置換されたCys残基の数に比例する。欧州特許出願第0845530号明細書は、その変異体を中和するためのIL−18BPの能力については触れていない。
【0016】
したがって、IL−18BPと結合できないかまたは低親和性で結合する完全に活性なIL−18変異体の生成および治療的使用は、非常に有利である。
【発明の開示】
【0017】
本発明は、IL−18結合タンパク質との相互作用に関与する1つ以上のアミノ酸残基に変異を含有するIL−18変異体ポリペプチドに関する。より具体的には、該変異は置換、好ましくは非保存的な不可または欠失である。該ポリペプチドにおいて変異される残基はGlu−42、Ile−85、Met−87、Lys−89、Met−96、Asp−130、Lys−132、Pro−143、Met−149およびLeu−189から選択され得、好ましくはGlu−42およびLys−89である。
【0018】
ある実施態様において、Glu−42またはLys−89、もしくはGlu−42およびLys−89の両方は非極性アミノ酸と置換され、好ましくはアラニンと置換される。
【0019】
さらに、本発明は前記ポリペプチドをコードするDNA、好ましくは配列番号:3、配列番号:4、配列番号:5、配列番号:6、配列番号:7または配列番号:8のポリペプチドをコードするDNAを提供する。
【0020】
ある実施態様において、配列番号:6、配列番号:7、配列番号:8をコードするDNAは、シグナルペプチド、好ましくはhGHのシグナルペプチドと融合される。さらに、本発明は、該DNAによってコードされるポリペプチドを適当な宿主細胞、たとえば原核生物または真核生物の宿主細胞において発現することができる該DNAを含有するベクターをも提供する。
【0021】
さらに、本発明はTh1応答によって予防または緩和される疾患の治療、好ましくはウイルス疾患または癌の治療のための、前記ポリペプチドを含有する医薬組成物を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明は、野生型(IL−18WT)に比べてIL18BPによる中和の影響を受けにくい、IL−18変異体もしくはその活性断片、またはムテイン、またはそのほかのタンパク質もしくはそのペプチド誘導体(IL−18M)に関する。より具体的には、IL−18WTの1つ以上のアミノ酸、好ましくは30以下、より好ましくは10個までのアミノ酸がほかのアミノ酸と置換されるか、もしくは削除されるか、またはIL−18BPによる中和の影響を受けにくい活性なIL−18変異体を生成するために、1つ以上のアミノ酸が付加、好ましくは30以下、より好ましくは10個までのアミノ酸が付加され得る。アミノ酸はさまざまなアミノ酸で置換されることができ、該置換は好ましくは非保存的な置換である。より具体的には、該変異は、IL−18BPとの結合に関与すると予想される残基、たとえばGlu−42、Ile−85、Met−87、Lys−89、Met−96、ASP−130、Lys−132、Pro−143、Met−149およびLeu−189、より好ましくはGlu−42および/またはLys−89を標的とすることができる(Kim et al., 1999)。
【0023】
IL−18Mは真核生物または真核生物発現系において、細胞内、ペリプラズムに産生され得、または培地中に分泌され得る。産生されるIL−18Mは可溶型または不溶型(封入体)で回収され得る。
【0024】
前駆体IL−18MのcDNAを含有するベクターは、正しく組み立てられた前駆体IL−18Mの発現のために原核生物系において用いられ得る。そののち、成熟した完全に活性なタンパク質を、イン ビトロでICEによる切断ののち生成することができる。プロテアーゼに特異的な切断部位をコードする配列、好ましくはXa因子は、IL−18Mの前駆体においてICE配列と置換することができる。
【0025】
成熟IL−18MのcDNAに融合される、有効なシグナルペプチド、好ましくはヒト成長ホルモンシグナルペプチドをコードする発現ベクターは、真核生物の発現および分泌のために用いられ得る。
【0026】
変異体構築に用いられる親のIL−18cDNAは、マウスまたはヒトの種から選択されることができる。
【0027】
IL−18Mは、便宜的な精製のために、エピトープ、好ましくはヒスチジンを付加することができる。組換えIL−18Mは通常のまたはアフィニティーの方法により精製され得る。産生されたIL−18Mの量は、特異的なELISAによってモニターされ得る。
【0028】
IL−18Mは、Th1応答、より具体的にはIL−18治療によって予防または軽減される疾患、たとえば微生物の感染および癌の治療のための医薬製剤において使用されることができる。そのタンパク質の野生型版の代わりに変異体を用いることの利点は、IL−18BP中和に対する耐性にある。
【0029】
より具体的には、IL−18Mは、腫瘍免疫治療における腫瘍抗原に対するアジュバンドとして全身的にまたは局所的に投与され得る。
【0030】
患者由来の腫瘍細胞は単離され、IL−18Mを分泌するように遺伝的に修飾され、局所的なワクチン接種のために同じ患者に再移植される(Coughlin et al., 1998)。さらに腫瘍の抗原性を高め、その結果抗腫瘍応答を高めるために、同種の樹状細胞(抗原提示細胞)にIL−18Mを発現する修飾された腫瘍細胞を融合することができる。
【0031】
IL−18MはDNAワクチン接種におけるアジュバンドとして投与することができる(Tuting et al., 1998)。サイトカインIL−12およびIFN−の使用に関して報告されたものと同じ方法において。この場合、経皮的な腫瘍抗原のワクチン接種は、遺伝子銃を用いて行なうことができる。この結果、腫瘍抗原およびIL−18Mの両方をコードするDNAで皮膚に内在する樹状細胞はトランスフェクションされる。あるいはまた、樹状細胞はエクソ ビボにおいて処理されたのち、選択的に移入される。
【0032】
IL−18Mは、移植片対腫瘍の治療におけるアジュバンドとして使用することができる。同種の幹細胞は癌患者に移植するために用いることができる。同種細胞の移植により、好ましくは遺伝的に修飾された同系の樹状細胞または患者から採取された腫瘍細胞でのIL−18Mの発現により誘導される移植片対腫瘍拒絶を上昇させるために、IL−18Mは全身的にまたは局所的に投与され得る。
【0033】
本発明はその好ましい特定の実施態様と関連して記載されているが、前述の記載ならびに以下の実施例は説明を意図するものであり、本発明の範囲を制限するものではないことは理解されるであろう。ほかの局面において、本発明の範囲内の利点および修飾は本発明の属する技術分野の当業者にとって明らかであるだろう。
【実施例1】
【0034】
Xa因子による切断に対するWT プロIL−18ヒスチジンタグ融合タンパク質の発現用ベクターの構築
大腸菌において正しく組み立てられるIL−18を産生するために、IL−18の前駆体のICE切断部位をXa切断部位によって置換した。そののち、イン ビトロにおけるXaによるIL−18前駆体の切断により、活性なタンパク質が産生される(国際公開第00/61768号パンフレット)。
【0035】
発現プラスミドを産生するために使用される、ヒトIL−18前駆体をコードするcDNA配列(プロIL18、ジーンバンク受託番号D49950、図1)は、記載されているように単離された(Ghayur et al., 1997)。
【0036】
ICE切断部位のXa切断部位での置換は、2つのPCR反応を用いて達成された(図1で使用するプライマーを参照)。PCR反応1:IL−18cDNAのプロピース(propiece)は、ORFの上流に位置するEcoR1部位を含有するセンスプライマー(Pr1)、すなわち5′−ATATGAATTCATGGCTGCTGAACCAGTAG(配列番号:11)、およびICE部位(33−LESD−36)の6ヌクレオチドがXa因子部位(33−LEGR−36)をコードするように変換して設計されたリバースプライマー(Pr2)、すなわち5′−AAAGTAACGTCCTTCGATGTTTTC(配列番号:12)を用いて生成された。成熟IL−18をコードする増幅されたDNAフラグメントは、Pr2に相補的なセンスプライマー(Pr3)、すなわち5′−GAAAACATCGAAGGACGTTACTTT(配列番号:13)、およびIL18のコーディング配列の下流にBamHI部位を含有するリバースプライマー(Pr4)、すなわち5′−ATATGGATCCTAGTCTTCGTTTTGAACAGTG(配列番号:14)を用いて生成された。そのプロピース108bpおよび成熟474bpのIL−18DNAは1%のアガロースで電気泳動法によって分離され、ゲル抽出システム(GIBCO/BRL)によって溶出された。
【0037】
PCR反応2:PCR反応1において得られた2つのDNA断片を1:1の比率で混合し、ICE部位がXa因子部位で置換された完全なヒトIL−18cDNA(ICE/Xa)を生成するために、プライマーPr1とPr4とともに用いた。
【0038】
プロIL−18(ICE/Xa)cDNAを、EcoRIおよびBamHI(GIBCO/BRL)制限部位によってBlueSciptプラスミド(Stratagene)にライゲーションした。このプラスミドは配列の確認のために利用した。コードされる予想アミノ酸配列は配列番号:2に示す。大腸菌での発現のために、IL−18DNAインサートを、EcoRIおよびXbaI部位(BlueSciptにもともと存在する)を使用してpPROEX HTaベクター(GIBCO/BRL)に再びライゲーションした。このベクターにおいて、得られるタンパク質はN末端にヒスチジンタグが融合している。
【実施例2】
【0039】
E42A、K89AおよびE42A/K89A変異体の構築
IL−18における変異は、阻害剤IL−18BPに結合するのに重要であると予想される残基に生み出された(Kim et al. 2000)。3つの変異体:E42A、K89AおよびF−42A/K89Aが生成された。該変異は、以下に記載のプライマーおよび鋳型(プライマーは図2に示す)を用い、実施例1に記載されているように2つのPCR反応によって達成された。
【0040】
E42変異体
PCR反応1:変異体E42Aを調製するために用いる対のプライマーは:対A−Pr1(実施例1)および、グルタミン酸(E42)の代わりにアラニンをコードするリバースプライマー(Pr5)5′−TAATTTAGATGCAAGCTTGCC(配列番号:15)、および対B グルタミン酸が変換されアラニンをコードする(GAAからGCAへ)センスプライマー(Pr6)5′−GGCAAGCTTGCATCTAAATTA(配列番号:16)およびリバースプライマーPr4(実施例1)であり、PCR反応には鋳型としてプロIL−18(ICE/Xa)を用いた。
【0041】
PCR反応2:PCR反応1において得られた2つのDNA断片を、プライマーPr1およびPr4を用いる第2のPCR反応の鋳型として用いた。
【0042】
K89A変異体
PCR反応1:変異体K89Aを調製するために用いる対のプライマーは、対A Pr1(実施例1)、およびリジン(K89)の代わりにアラニンをコードするリバースプライマー(Pr7)5′−CTGGCTATCTGCATACATACT(配列番号:17)、および対B リジンの代わりにアラニンをコードする(AAAからGCAへ)センスプライマー(Pr8)5′−AGTATGTATGCAGATAGCCAG(配列番号:18)およびリバースプライマーPr4(実施例1)であり、第1のPCR反応には鋳型としてプロIL−18(ICE/Xa)を用いた。
【0043】
PCR反応2:PCR反応1において得られた2つのDNA断片を、プライマーPr1およびPr4を用いる第2のPCR反応の鋳型として用いた。
【0044】
E42A/K89A変異体
二重変異E42A/K89Aに関しては、F−42A変異の調製用と同じプライマーを使用し、変異体K89AのcDNAを反応における鋳型として使用した。
【0045】
各3つのIL−18変異遺伝子を、配列の確認のためにBlueScriptベクターにライゲーションした。前駆体IL−18E42A、K89AおよびE42A/K89A変異体の予想アミノ酸配列を、それぞれ配列番号:3、配列番号:4、配列番号:5に示す。大腸菌での発現のために、各3つのIL−18DNAインサートを、EcoRIおよびXbaI部位を使用してpPROEX HTaベクター(GIBCO/BRL)に再びライゲーションした。この得られるタンパク質はN末端にヒスチジンが融合している(図1)。
【実施例3】
【0046】
タンパク質の発現および精製
IL18変異体前駆体は大腸菌において発現され、ヒスチジンタグによりアフィニティー精製され、ついでそれぞれの成熟分子はXa因子でのタンパク質分解的切断によって生成される。
【0047】
各4つのpPROEX HTu/IL−18プラスミド(WTおよび3つの変異体)を、DHQ株のコンピテント大腸菌細胞(GIBCO/BRL)に導入し、記載されているように発現させた(11)。一晩の培養物25mlを100μg/mlのアンピシリンを含有する450mlのLB培地に対する播種材料として使用し、細胞密度が0.6〜1OD600に達するまで増殖させた。タンパク質の発現はイソプロピルチオガラクトシド(IPTG 0.3mM)による処理および3時間の振とうを伴う連続した37℃のインキュベーションによって誘導される。培養されたバクテリア細胞を遠心分離(5,000×g、15分、4℃)によって回収し、ついでペレットを30mlのタロン緩衝液(Talon buffer)(50mM NaH2P04/20 mM Tris−HCl/100 mM NaCl、pH8)に懸濁した。細胞を氷上で音波処理(2×30sバースト)によって溶解した。可溶性タンパク質を遠心分離(4,000×g、30分、4℃)により得、3mlのミニ−タロンカラム(mini-Talon column)(CLONTECH)に注入した。タロンカラムをついで30体積倍量(30 bed volumes)のタロン緩衝液で洗浄し、6mlの100mMイミダゾールタロン緩衝液で溶出した。溶離液を4℃で20時間、Xa因子緩衝液(20mM Tris−HCl/150mM NaCl/2mM CsCl2)に対して透析した。0.2mlのタロンアフィニティーで精製されるN−末端His×6融合プロIL−18を、2mMのフェニルメチルスルホニル フルオロイド(GIBCO/BRL)の存在下で、4μgのXa因子酵素(New England Biolabs)で4時間、室温でインキュベーションした。産生されたIL−18の量は特異的なELISA(R&D Systems)によってモニターした。成熟IL−18WT、E42A、K89AおよびE42/K89A変異体の予想されるアミノ酸配列は、それぞれ配列番号:6、配列番号:7、配列番号:8に示す。
【実施例4】
【0048】
ウエスタンブロットによるE42A、K89AおよびE42A/K89A IL−18変異タンパク質の特徴付け
精製されたIL−18変異体を、成熟IL−18に特異的なポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体を用いるウエスタンブロット解析に供した。
【0049】
同量のタロンアフィニティー精製された前駆体、および(Xa因子によって切断されたのちの)成熟タンパク質であるWTならびに変異体IL−18型を、還元条件下でSDS/PAGE(10%アクリルアミド)によって分離した。該タンパク質をニトロセルロース膜に移し、ついで一次抗体(ヒトIL−18の組換え成熟型に対して起こされ(Puren et al., 1999)、前駆体IL−18をも認識する、ウサギ抗ヒトIL−18ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体クローン8−31−4(IgG2a))とともにインキュベーションした。24時間のインキュベーションののち、対応の二次抗体である、ヤギ抗マウスまたはロバ抗ウサギIgGペルオキシダーゼ(Jackson Immuno Research)を添加し、ついでECL(New England Nuclear Life Science Products)によって展開させた。
【0050】
ポリクローナルウサギ抗ヒトIL−18によるプロIL−18の染色は、WTおよび各3つの変異体において同程度の彩度であった。同様に、ポリクローナル抗血清を用いて、WTおよびIL−18ならびに各3つの変異体の成熟型で得られたシグナルは、同程度の彩度であった。見かけの分子量は、種々のIL−18型が正しいサイズであることを示唆していた。対照的に、モノクローナル抗体を用いた場合、2つの変異体K89AおよびE42/K89Aは、WTおよびE42変異体よりも濃く染色されるようであり、モノクローナル抗体のアフィニティーがそれらの変異体に対してより強いことが示唆された。それらの結果より、変異体K89AおよびE42A/K89Aは高親和性を導く異なる形態を有することが示唆される。
【実施例5】
【0051】
E42A、K89AおよびE42A/K89A IL−18変異タンパク質の生物学的活性の特徴付け
精製された成熟型のIL−18/ICE/Xaを、ヒトナチュラルキラー細胞(実施例8に記載したNKO)およびPBMCs(実施例7に記載)におけるIFN−γの共誘導、ならびにPBMCsにおけるIL−8の誘導について解析した。
【0052】
IL−12(またはIL−15)が共刺激剤として用いられない場合、IL−18はそれらの細胞においてIFN−γを誘導しない。低濃度のIL−12(1〜2ng/ml 12(PreproTech Rocky Hill、 NJ)は、少量のIFN−γを誘導するが、IL−18を伴うIL−12での処理はIFN−γ産生をより増大する。産生されたIFN−γは実施例9に記載するように細胞においてモニターされた。WT IL−18/ICE/XaおよびIL−12によるNKO細胞におけるIFN−γの誘導は、プロIL−18のICEプロセシングにより得られる組換え成熟ヒトIL−18(Gu et al., 1997)およびIL−12により誘導されたものに匹敵することが示された。それらの結果は、IL−18が大腸菌において正しく組み立てられ、Xa因子により正しくプロセシングされたことを示す。
【0053】
変異IL−18の活性を試験するために、IL−12を伴う変異体またはWT IL−18の刺激によるIFN−γ産生の誘導をNKO細胞において評価した(統計的解析は実施例10に記載する)。図3Aに示すように、WT IL−18はIFN−γの誘導物質として活性であり、7.5ng/mlで開始し、60ng/ml(試験した最高濃度)まで徐々に増加した。各3つの変異IL−18型は、それらの細胞においてWTよりも優れた生物学的活性を示した。たとえば、単一変異E42Aは、試験された各濃度においてWT型の2倍の活性であった。単一変異K89Aは、7.5ng/mlの濃度においてWT型の4倍の活性であった。二重変異E42A/K89Aは最も活性なIL−18となる結果となった。図3Aに示すように、E42A変異IL−18は、30ng/mlの濃度で600pg/mlのIFNγ、すなわち60ng/mlのIL−18WTでの前処理により観察された最大活性を誘導し、K89A変異体は15ng/mlの濃度で、二重変異体は7.5ng/mlの濃度で誘導した。したがって、変異体E42A、K89Aおよび二重変異体は、それぞれWTの2倍、4倍および8倍強力である。
【0054】
同様の結果が、IFN−γ産生を新しく単離されたヒトPBMCsにおいて試験したときに観察された(実施例7)。これらの細胞において、IL−12とIL−18の共刺激はIFN−γ産生という結果を導くが、2つのサイトカインとも単独ではIFNγを誘導することはできない。二重変異体E42A/K89Aが最も活性であった(図3B)。
【0055】
この結果は、2つの荷電アミノ酸Glu42および/またはLys89のAla残基による置換が、IL−18の生物学的活性を着実に上昇させることを示す。
【0056】
IL−18はPBMC調製物中のCD14+細胞においてIL−8を誘導することが知られている(実施例7に記載)。IL−18は、それらの細胞において、IL−12の共刺激を必要とせずIL−8産生を誘導するけれども、IL−8の誘導はIFN−γの誘導よりも高濃度のIL−18を必要とする。したがって、IL−18WTおよび変異体のPBMCs刺激によるIL−8の誘導を試験した。産生されたIL−8を、実施例9に記載する特別な分析によって細胞培地においてモニターした。IL−8の誘導において、2つの単一変異はWTに類似しているけれども、二重変異したIL−18は野生型版に比べて有意にIL−8を誘導(3.5倍)したことを図4は示す。
【0057】
それらの結果は、二重変異体E42A/K89Aがもっとも高い生物学的活性を示すことを示す。
【実施例6】
【0058】
IL−18BPによるIl−18変異体の中和
阻害剤IL−18BPによるIL−18結合に重要であると予想される残基に、変異を設計した。したがって、IL−18BPのIL−18の生物学的活性、たとえばIFN−γ産生(実施例8)を中和する能力をとくに評価した。
【0059】
様々な濃度のIL−18BP(CHO細胞の“a”アイソフォームが、組換えHis−6が付加されたヒトIL−18BPを産生した(Interpharm Laboratoriesにより提供、Ness Ziona、Israel Kim et al., 2000))をWT IL−18またはその変異型(30ng/mlの最終濃度)でプレインキュベーションし、ついで細胞培養物に添加した。
【0060】
図4Aに示すように、NKO細胞由来のWT IL−18によるIFN−γの共誘導に対するIL−18BPの50%の阻害濃度は、およそ15ng/mlであった(3.7ng/mlのIL−18BPでは阻害は起こらず、この値は100%の活性を表すと思われる)。単一変異のE42Aでは、同じようなIL−18BPによる投与量阻害濃度となった。
【0061】
しかしながら、変異体K89AをIL−18BPとともにインキュベーションしたとき、NKO細胞におけるIFN−γの共誘導物質として作用する能力はより少ない量で中和された(図5A)。たった120ng/mlの濃度で、活性において統計学的に有意な減少が観察できた。対照的に、IL−18BPは、二重IL−18変異体E42A/K89Aを中和することができなかった。
【0062】
図4Bに示すように、NKO細胞に比べてPBMCsにおいて試験した場合、IL−18はIL−18BPによる中和により感受性である。WT IL−18を中和するのに必要なIL−18BPの量は3.7ng/ml、すなわち試験された最小濃度であった。単一変異E42Aは、低濃度のIL18BPがPBMCsにおいてその生物学的活性を中和した観察によって確立されたように、WT IL−18と同じような挙動をする。対照的に、単一変異K89Aは120ng/mlで中和される。NKO細胞におけるIL−18BPによるIL−18変異体の中和に関する結果と同様に、二重変異体E42A/K89Aは、PBMCsにおいてIL−18BPによる影響をほんの少ししか受けなかった。
【0063】
これらの結果は、変異体E89Aおよび二重変異体E42A/K89Aは天然の阻害剤IL−18BPによる影響をほとんど受けないことを示す。
【実施例7】
【0064】
末梢血単核細胞(PBMCs)の単離および培養ならびにIFN−γの誘導
健康なヒト提供者の血小板フェレーシス由来の残留の白血球を血管から洗い流し、Histopaqueで遠心分離にかけた。PBMCsを界面から吸引し、ピロゲン不含生理食塩水(Baxter Health Care、Mundelein、IL)で3回洗浄し、10%のFBSを補充したRPMI1640培地(GIBCO/BRL Grand Island、NY)に1ml当たり5×106細胞で懸濁した。細胞は平滑な底面の96穴プレート(Becton Dickinson)において、1ng/mlのIL−12の存在下で、RPMI1640培地のみ(対照)、さまざまな濃度の組換えヒトIL−18、およびWT IL−18(ICF/Xa)または3つの変異体で培養した。いくつかの実験において、IL18調製物はまず、細胞に添加する前に、ポリミキシンB(1μg/ml Sigmaから購入)と混合した。細胞は16〜20時間、37℃、5%CO2の加湿した空気でインキュベーションし、ついで培養上清をIFN−γ測定のために収集した。
【実施例8】
【0065】
NKO細胞系におけるIFN−γの誘導
元の親株であるNK92細胞系はハンス キリンガーマン氏(hans klingerman)より入手した(Gong et al., 1994)。本研究で用いたヒトNKO細胞系は、この細胞系のサブクローンであった。NKO細胞は10%のFBSおよび50pg/mlのIL−2(R&D Systems)および200pg/mlのIL−15(PeproTech)を含有する補充RPMI1640培地で維持した。分析のために、NKO細胞をRPMI1640培地に1ml当たり0.5×106細胞で懸濁し、0.2ml容量の96穴プレートにおいて、0.5ng/mlのIL−12(PreproTech Rocky Hill、NJ)とさまざまな濃度の組換えヒトIL−18WT、IL−18(ICE/Xa)またはE42A、K89AおよびE42A/K89A IL−18変異体で刺激した。5%CO2の加湿した空気での16〜20時間、37℃ののち、培養上清をIFN−γ測定のために収集した。
【実施例9】
【0066】
サイトカインの解析
液相電気化学発光(liquid-phase electrochemiluminescence)(ECL)法を用いて、細胞培養培地中のIFN−γ(13)およびIL−8(12)を測定した。ECLの量はOrigen Analyzer(Igen、Gaithersburg、MD)を使用して決定した。IFN−γおよびIL−8の検出限界は、それぞれ62pg/mlおよび40pg/mlであった。
【実施例10】
【0067】
統計的解析
データを平均±SEMで表わす。群の平均はANOVAによって比較し、フィッシャーの最小有意差(Fisher's least significant difference)を使用した。統計学的有意性は95%の信頼限界の範囲内で許容した。ANOVAおよび相関解析を統計学的パッケージSTATVIEW512+(Brain Power、Calabasas、CA)で行なった。
【実施例11】
【0068】
CHO細胞における成熟IL−18変異体の産生
CHO細胞における成熟IL−18変異体の発現および分泌のために、野生型および変異体IL−18BPの成熟タンパク質をコードするDNA配列を、実施例1に記載の反応と同様の2つのPCR反応によって、ヒト成長ホルモン(hGH)のシグナルペプチドのDNA配列にライゲーションした。各IL−18変異体の増幅のための第1のPCR反応における鋳型は、IL−18とhGHシグナルペプチドのオーバーラップ配列を含有するセンスプライマー(Pr9)、およびIL−18の最後の12ヌクレオチド、終始コドンならびに制限酵素部位をコードするリバースプライマー(Pr10)を用いた実施例2での構築物に相当する。成長ホルモンシグナルペプチドの増幅のために、鋳型としてプラスミドpXGHを用い、制限酵素部位、hGHシグナルペプチドの最初の12ヌクレオチドを含有するセンスプライマー(Pr11)、およびhGHシグナルペプチドとIL−18成熟タンパク質のオーバーラップ配列を含有するリバースプライマー(Pr12)を用いた。IL−18の成熟配列に融合したhGHのシグナルペプチドをコードするフラグメントの増幅のために行なった第2のPCRの鋳型は、第1のPCR反応および制限部位を含有するプライマーPr10およびPr11由来の、精製され増幅されたフラグメントである。その融合フラグメントは精製され、適当な制限酵素で切断され、ついで哺乳動物の発現ベクターに挿入しクローニングされる。
【0069】
前記プラスミドは、遺伝子マーカーとしてマウスDHFR遺伝子を含有するプラスミドとともに、CHO(DHFR−)細胞をトランスフェクションするために用いる。耐性細胞は選択培地から単離され、ELISAアッセイによってIL−18産生を分析される。
【0070】
安定したトランスフェクトされた細胞を、MTXの濃度の上昇による数サイクルの遺伝子増幅に供する。遺伝子増幅過程の最後に、クローンを限界希釈によって単離した。サブクローニングののち、高度に特異的な生産性およびより安定な産生を示すクローンを産生のために選択した。
【0071】
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前記および本明細書を通して引用した参考文献は、言及によって完全に本明細書中に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1A】WT IL−18前駆体をコードするヌクレオチド配列、および種々の変異IL−18タンパク質を構築するために用いられるプライマーの位置を示す。太い矢印は、成熟IL−18タンパク質のコーディング配列がどこから始まるかを示す。
【図1B】成熟IL−18のアミノ酸配列を示す。IL−18のさまざまな種間での保存配列は白いボックスで囲んだ。シスチジン(Cystidine)は下線を付した。黒いボックスは本発明にしたがって変異させたIL−18中の残基を示す。
【図2】本発明によるIL−18変異体の概要図を示す。His−6はIL−18前駆体プロピースのN末端に融合した6つのヒスチジンの配置を示す。矢印はXa因子切断部位(x)によって置換されるICE切断部位を示す。WTは野生型の成熟IL−18を示す。E42AはGlu−42からAlaへの変異を示し、K89AはLys−89からAlaへの変異を示し、そしてE42A/K89Aは二重の変異を示す。前駆体/x/WTに基づいて、3つのIL−18変異体(E42A、K89AおよびE42A+K89A)は2工程のPCRによって生成された。
【図3A】IL−12(0.5ng/ml)の存在下における、図3BのX軸下に示す濃度でのIL−18WTおよび変異体タンパク質によるNKO細胞におけるIFN−の誘導を示す。
【図3B】IL−12(1.0ng/ml)の存在下における、X軸下に示す濃度でのIL−18WTおよび変異体タンパク質によるPBMCs細胞におけるIFN−の誘導を示す。
【図4A】NKO細胞でのヒトIL−18WTおよび変異体タンパク質によるIFN−誘導におけるIL−18BPの影響を示す。変異体およびWT IL−18(30ng/ml)は、(図3Bの)X軸下に示す濃度でのIL−18BPで1時間、室温でプレインキュベーションされ、ついでIL−12(0.5mg/ml)で刺激されたNKO細胞に添加された。
【図4B】PBMCs細胞でのヒトIL−18WTおよび変異体タンパク質によるIFN−の誘導におけるIL−18BPの影響を示す。変異体およびWT IL−18(30ng/ml)は、X軸下に示す濃度でのIL−18BPで1時間、室温でプレインキュベーションされ、ついでIL−12(1.0mg/ml)で刺激されたPBMCs細胞に添加された。
【図5】IL−18WTおよび変異体タンパク質によるIL−8の誘導を示す。PBMCsはIL−18WTまたは変異体(30ng/ml)でインキュベーションされた。ポリミキシンB(1g/ml)はPBMCsに添加する前に30分間IL−18と混合された。24時間後、上清が除去され,ECLによるIL−18濃縮を分析した(実施例9)。3回の実験のうちの1つを示す。

Claims (33)

  1. IL−18結合タンパク質との相互作用に関与する1以上のアミノ酸残基に変異を含有するIL−18変異体ポリペプチド。
  2. 前記変異が置換、付加または欠失である請求項1記載のポリペプチド。
  3. 前記置換が非保存的なものである請求項2記載のポリペプチド。
  4. 前記変異がGlu−42、Ile−85、Met−87、Lys−89、Met−96、Asp−130、Lys−132、Pro−143、Met−149およびLeu−189からなる群より選択される残基にある請求項1、2または3記載のポリペプチド。
  5. 前記変異がGlu−42およびLys−89からなる群より選択される残基にある請求項4記載のポリペプチド。
  6. 前記変異がGlu−42残基にある請求項5記載のポリペプチド。
  7. 前記変異がLys−89残基にある請求項5記載のポリペプチド。
  8. 前記変異がGlu−42残基およびLys−89残基にある請求項5記載のポリペプチド。
  9. 前記Glu−42残基が非極性アミノ酸で置換された請求項6記載のポリペプチド。
  10. 前記Glu−42がAla残基で置換された請求項9記載のポリペプチド。
  11. 前記Lys−89残基が非極性アミノ酸で置換された請求項7記載のポリペプチド。
  12. 前記Lys−89がAla残基で置換された請求項11記載のポリペプチド。
  13. 前記Glu−42残基およびLys−89残基の両方が非極性アミノ酸で置換された請求項8記載のポリペプチド。
  14. 前記Glu−42およびLys−89残基の両方がAla残基で置換された請求項13記載のポリペプチド。
  15. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14記載のポリペプチドをコードする単離されたDNA。
  16. 前記ポリペプチドが配列番号3のアミノ酸配列を含む請求項15記載のDNA。
  17. 前記ポリペプチドが配列番号4のコーディングポリペプチドのアミノ酸配列を含む請求項15記載のDNA。
  18. 前記ポリペプチドが配列番号5のコーディングポリペプチドのアミノ酸配列を含む請求項15記載のDNA。
  19. 前記ポリペプチドが配列番号6のコーディングポリペプチドのアミノ酸配列を含む請求項15記載のDNA。
  20. 前記ポリペプチドが配列番号7のコーディングポリペプチドのアミノ酸配列を含む請求項15記載のDNA。
  21. 前記ポリペプチドが配列番号8のコーディングポリペプチドのアミノ酸配列を含む請求項15記載のDNA。
  22. さらにシグナルペプチドをコードする核酸配列を含有する請求項15、19、20または21記載のDNA。
  23. 前記シグナルペプチドが成長ホルモンのシグナルペプチドである請求項22記載のDNA。
  24. 請求項15、16、17、18、19、20、21、22または23記載のDNAを含有するベクターであって、該ベクターが適当な宿主細胞において該DNAにコードされるポリペプチドを発現することができるベクター。
  25. 前記宿主細胞が原核生物である請求項24記載のベクター。
  26. 前記DNAが配列番号3、配列番号4および配列番号5からなる群より選択されるポリペプチドをコードする請求項25記載のベクター。
  27. 前記宿主細胞が真核生物である請求項24記載のベクター。
  28. 前記DNAが配列番号6、配列番号7および配列番号8からなる群より選択されるポリペプチドをコードする請求項27記載のベクター。
  29. 請求項22または23記載のDNAを含有する請求項27記載のベクター。
  30. 前記DNAがヒト成長ホルモンシグナルペプチドをコードする配列に結合されている請求項28記載のベクター。
  31. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14記載のポリペプチドおよび薬学的に許容し得る担体からなる、Th1応答によって予防または緩和される疾患の治療のための医薬組成物。
  32. 癌の治療のための請求項31記載の医薬組成物。
  33. ウイルス疾患の治療のための請求項31記載の医薬組成物。
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