JP3049209B2 - 合成樹脂製断熱容器および合成樹脂製断熱蓋 - Google Patents

合成樹脂製断熱容器および合成樹脂製断熱蓋

Info

Publication number
JP3049209B2
JP3049209B2 JP8237073A JP23707396A JP3049209B2 JP 3049209 B2 JP3049209 B2 JP 3049209B2 JP 8237073 A JP8237073 A JP 8237073A JP 23707396 A JP23707396 A JP 23707396A JP 3049209 B2 JP3049209 B2 JP 3049209B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wall
layer
container
synthetic resin
lower wall
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP8237073A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1081372A (ja
Inventor
孝文 藤井
雅司 山田
憲輔 古山
篤彦 田中
秀史 蒲地
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiyo Nippon Sanso Corp
Original Assignee
Taiyo Nippon Sanso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taiyo Nippon Sanso Corp filed Critical Taiyo Nippon Sanso Corp
Priority to JP8237073A priority Critical patent/JP3049209B2/ja
Priority to KR1019970041066A priority patent/KR19980024184A/ko
Priority to EP97115111A priority patent/EP0827708A1/en
Priority to CA 2214609 priority patent/CA2214609A1/en
Priority to TW086112824A priority patent/TW337991B/zh
Priority to CN 97122791 priority patent/CN1181225A/zh
Publication of JPH1081372A publication Critical patent/JPH1081372A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3049209B2 publication Critical patent/JP3049209B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A47FURNITURE; DOMESTIC ARTICLES OR APPLIANCES; COFFEE MILLS; SPICE MILLS; SUCTION CLEANERS IN GENERAL
    • A47JKITCHEN EQUIPMENT; COFFEE MILLS; SPICE MILLS; APPARATUS FOR MAKING BEVERAGES
    • A47J41/00Thermally-insulated vessels, e.g. flasks, jugs, jars
    • A47J41/0055Constructional details of the elements forming the thermal insulation
    • A47J41/0072Double walled vessels comprising a single insulating layer between inner and outer walls
    • A47J41/0077Double walled vessels comprising a single insulating layer between inner and outer walls made of two vessels inserted in each other

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、断熱容器の断熱層
内に低熱伝導率ガスを封入する合成樹脂製断熱容器と合
成樹脂製断熱蓋に関し、詳しくは保温食器、クーラーボ
ックス、アイスボックス、断熱コップ、保温弁当箱等の
保温保冷を目的とした合成樹脂製断熱容器と合成樹脂製
断熱蓋に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から提案されている合成樹脂製断熱
容器として、内容器と外容器とを合成樹脂材料で成形
し、内容器を外容器内に空間層を隔てて収容して内容器
と外容器が接合され、この空間層にキセノン、クリプト
ン、アルゴンのうちの少なくとも1種の低熱伝導率ガス
を封入した断熱容器が知られている。さらに、この合成
樹脂製断熱二重壁容器において、低熱伝導率ガスが封入
された断熱層のガスバリア性を高めるために、断熱層に
面する外容器内面と内容器外面に化学メッキや電気メッ
キ等により金属被膜を形成することが提案されている。
また同様に合成樹脂製断熱蓋として、上面壁と下面壁と
を合成樹脂材料で成形した後空間層を隔てて接合し、こ
の空間層にキセノン、クリプトン、アルゴンのうちの少
なくとも1種の低熱伝導率ガスを封入した断熱蓋が知ら
れており、さらに、低熱伝導率ガスが封入された断熱層
のガスバリア性を高めるために、断熱層に面する上面壁
下面と下面壁上面に化学メッキや電気メッキ等により金
属被膜を形成することが提案されている。
【0003】しかしながら、メッキによって金属被膜を
形成する場合には、内容器と外容器、あるいは上面壁と
下面壁の端部を接合して二重壁容器あるいは二重壁蓋を
形成するときに、接合部分に金属被膜が残っていると、
それらの接合が十分になされない場合があるため、接合
部分に金属被膜が形成されないように、接合部分に何ら
かの方法でマスキングを施す必要がある。また、断熱層
に低熱伝導率ガスを封入するガス封入用開口を封止板で
接着または溶着により封止しなければならないが、この
接着または溶着が完全に行われるようにガス封入用開口
にも金属被膜が付かないようにマスキングを施す必要が
ある。このようなマスキングは高い精度が要求されるこ
とから、マスキング費用は多大になるとともに、マスキ
ング後の電気メッキ等の費用も高価になる不都合があっ
た。またマスキング塗料の安全面での管理や樹脂への密
着性を維持するための管理が必要であり、コスト面や設
計の自由度および耐久性に影響を与えていた。また、メ
ッキ膜の密着性を高めるために、使用可能な樹脂が限定
されてしまい、合成樹脂の剛性や耐アルカル性等の機能
を一部犠牲にする不都合があった。特にメッキ膜を直接
形成することができない場合は、メッキ膜を形成するた
めABS塗料等の塗布による前処理工程が必要であり、
コストアップの要因になっていた。また、メッキ膜を形
成することにより製造時、廃棄時のリサイクルの際に合
成樹脂の回収ができず、コストアップの要因になってい
た。
【0004】上述の問題を解決するため、まず高ガスバ
リア性の合成樹脂で形成された内壁体と外壁体とで二重
壁構造体を形成し、この二重壁構造体の空間層に低熱伝
導率ガスを封入して断熱層体とし、さらに耐湿性の合成
樹脂で形成された内容器と外容器からなる二重壁構造の
空間部に断熱層体を保持させた構造の容器が提案されて
いる。このような構成の断熱二重壁容器では、高ガスバ
リア性樹脂の使用により、メッキ膜を形成しなくても高
いガスバリア性が得らるとともに、高ガスバリア性樹脂
の外側を耐湿性樹脂で保護することにより、高ガスバリ
ア性樹脂における高い吸湿性や、吸湿に伴うガスバリア
性、機械的強度の劣化という問題が解決される。同様に
して、高ガスバリア性の合成樹脂で形成された上壁体と
下壁体とで蓋用二重壁構造体を形成し、この蓋用二重壁
構造体の空間層に低熱伝導率ガスを封入して蓋用断熱層
体を形成し、さらこの蓋用断熱層体を耐湿性の合成樹脂
で形成された上面壁と下面壁からなる二重壁構造の空間
部に保持させた構造の断熱蓋が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この断
熱層体を保持する構造の断熱容器は、内壁体、外壁体、
内容器、外容器と、4点の部品が必要であり、成形コス
トが嵩むほか、部品の保管スペースも倍にならざるをえ
なくなっていた。さらに断熱層体を保持する構造の断熱
容器の場合は、断熱層体を形成した後、内外容器の空間
層にこの断熱層体を取り込んで内外容器の端部を、振動
溶着法、スピン溶着法、熱板溶着法等の溶着法で接合し
て作製するが、この際、断熱層体を潰さないように内外
容器の端部に溶け代を確保するため、内容器と内壁体と
の間、および外容器と外壁体との間に部分的に若干のク
リアランスを必要とする。このため容器が大きい割には
容量が少ない上げ底感を助長していた。これは、スタッ
キング性にも影響をおよぼし、メーカーおよびユーザー
が保管するとき余分なスペースを必要としていた。例え
ば、全高75mmの製品を10個積み重ねて330mm
の高さで保管していたのが、製品単体で1.5mm高く
なると合計で15mm高くなり、保管庫の形状によって
は9個しか入らなくなる場合がある。この場合、例えば
1つのラックに60個入っていたものが、54個しか入
らないことになり収納に支障をきたすことがあった。ま
た特に断熱容器に熱い液体を注入した際に、内容器と内
壁材との間のクリアランス内の空気が膨張するために内
容器平面部が膨れることがあった。
【0006】同様にして、上述の蓋用断熱層体を保持す
る断熱蓋においても、部品点数が多く、収納性に問題が
あった。本発明は上記不都合に鑑みてなされたもので、
メッキ膜を形成せずに断熱性能が高く耐久性に優れた合
成樹脂製断熱容器あるいは断熱蓋において、製作が容易
で、部品の保管や製品のスタッキング性が改善される合
成樹脂製断熱容器および合成樹脂製断熱蓋を提供するも
のである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の合成樹脂製断熱
容器の第1の実施態様は、内壁体と該内壁体の外側を覆
う外壁体とからなる外容器と、異なる合成樹脂材料で多
層成形された内容器とを備え、前記内容器が前記外容器
内壁体に空間層を隔てて収容されて前記外容器内壁体と
一体に接合され、前記空間層にキセノン、クリプトン、
アルゴンのうちの少なくとも1種よりなる低熱伝導率ガ
スが封入されて断熱層が形成され、さらに前記外容器外
壁体と前記内容器とが各々の端部で接合されてなること
を特徴としている。ここで、前記内容器が、内層と外層
が異なる合成樹脂材料で二色成形され、かつ内容器外層
と前記外容器内壁体が高ガスバリア性樹脂で形成され、
内容器内層と外容器外壁体が耐湿性樹脂で形成された構
成として良い。あるいは前記内容器が内層と外層とこれ
らの内外層の間の中間層とを有し、該内外層と中間層が
異なる合成樹脂材料でサンドイッチ成形されてなり、か
つ内容器内層、内容器外層、および外容器外壁体が耐湿
性樹脂で形成され、内容器中間層と外容器内壁体が高ガ
スバリア性樹脂で形成されてなる構成として良い。また
本発明の合成樹脂製断熱容器の第2の実施態様は、外壁
体と該外壁体の内側を覆う内壁体とからなる内容器と、
異なる合成樹脂材料で多層成形された外容器とを備え、
前記内容器外壁体が前記外容器に空間層を隔てて収容さ
れて前記外容器と一体に接合され、前記空間層にキセノ
ン、クリプトン、アルゴンのうちの少なくとも1種より
なる低熱伝導率ガスが封入されて断熱層が形成され、さ
らに前記内容器内壁体と前記外容器とが各々の端部で接
合されてなることを特徴としている。ここで、前記外容
器が、内層と外層が異なる合成樹脂材料で二色成形され
てなり、外容器内層と内容器外壁体を高ガスバリア性樹
脂で形成し、外容器外層と内容器内壁体を耐湿性樹脂で
形成してなる構成としても良い。あるいは前記外容器
が、内層と外層とこれらの内外層の間の中間層とを有
し、該内外層と中間層が異なる合成樹脂材料でサンドイ
ッチ成形されてなり、外容器の内層と外層と内容器内壁
体を耐湿性樹脂で形成し、外容器の中間層と内容器外壁
体を高ガスバリア性樹脂で形成してなる構成としても良
い。本発明の合成樹脂製断熱蓋の第1の実施態様は、下
壁体と該下壁体の上側を覆う上壁体とからなる上面壁
と、異なる合成樹脂材料で多層成形された下面壁とを備
え、前記下面壁と前記上面壁下壁体は空間層を隔てて一
体に接合され、該空間層にキセノン、クリプトン、アル
ゴンのうちの少なくとも1種よりなる低熱伝導率ガスが
封入されて断熱層が形成され、さらに前記上面壁上壁体
と前記下面壁とが各々の端部で接合されてなることを特
徴としている。ここで、前記下面壁が、上層と下層が異
なる合成樹脂材料で二色成形されてなり、下面壁上層と
上面壁下壁体を高ガスバリア性樹脂で形成し、下面壁下
層と上面壁上壁体を耐湿性樹脂で形成してなる構成とし
ても良い。あるいは、前記下面壁が上層と下層とこれら
の上下層の間の中間層とを有し、該上下層と中間層が異
なる合成樹脂材料でサンドイッチ成形されてなり、下面
壁の上下層と上面壁上壁体を耐湿性樹脂で形成し、下面
壁の中間層と上面壁下壁体を高ガスバリア性樹脂で形成
してなる構成としても良い。本発明の合成樹脂製断熱蓋
の第2の実施態様は、上壁体と該上壁体の下側を覆う下
壁体からなる下面壁と、異なる合成樹脂材料で多層成形
された上面壁とを備え、前記上面壁と前記下面壁上壁体
は空間層を隔てて一体に接合され、該空間層にキセノ
ン、クリプトン、アルゴンのうちの少なくとも1種より
なる低熱伝導率ガスが封入されて断熱層が形成され、さ
らに前記下面壁下壁体と前記上面壁とが各々の端部で接
合されてなることを特徴としている。ここで、前記上面
壁が、上層と下層が異なる合成樹脂材料で二色成形され
てなり、上面壁下層と下面壁上壁体を高ガスバリア性樹
脂で形成し、上面壁上層と下面壁下壁体を耐湿性樹脂で
形成してなる構成としても良い。あるいは、前記上面壁
が上層と下層とこれらの上下層の間の中間層とを有し、
該上下層と中間層が異なる合成樹脂材料でサンドイッチ
成形されてなり、上面壁の上下層と下面壁下壁体を耐湿
性樹脂で形成し、上面壁の中間層と下面壁上壁体を高ガ
スバリア性樹脂で形成してなる構成としても良い。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の断熱容器は、内容器と外
容器のいずれかを多層成形体とし、多層成形されない他
方の容器のみを内壁体と外壁体に分けて構成したもので
ある。ここで多層成形した容器は、二色成形あるいはサ
ンドイッチ成形することができ、二色成形の場合、断熱
層側の層を高ガスバリア性樹脂で、外気側の層を耐湿性
樹脂で成形して、またサンドイッチ成形の場合は、中間
層を高ガスバリア性樹脂で、断熱層側と外気側の層を耐
湿性樹脂で成形して、高ガスバリア性の樹脂を耐湿性の
樹脂で保護することが好ましい。また内壁体と外壁体で
構成した他方の容器も、断熱層側の壁体を高ガスバリア
性樹脂で、外気側の層を耐湿性樹脂で成形して、高ガス
バリア性の樹脂を耐湿性の樹脂で保護することが好まし
い。
【0009】同様に、本発明の断熱蓋においては、蓋を
形成する上面壁と下面壁のいずれかを多層成形し、多層
成形しない他方は上壁体と下壁体で構成したものであ
る。ここで多層成形した壁は、二色成形あるいはサンド
イッチ成形することができ、二色成形の場合は、断熱層
側の層を高ガスバリア性樹脂で、外気側の層を耐湿性樹
脂で成形して、またサンドイッチ成形の場合は、中間層
を高ガスバリア性樹脂で、断熱層側と外気側の層を耐湿
性樹脂で成形して、高ガスバリア性の樹脂を耐湿性の樹
脂で保護することが好ましい。また上壁体と下壁体で構
成した他方の壁も、断熱層側の壁体を高ガスバリア性樹
脂で、外気側の壁体を耐湿性樹脂で成形して、高ガスバ
リア性の樹脂を耐湿性の樹脂で保護することが好まし
い。
【0010】本発明において、高ガスバリア性樹脂と
は、ガスバリア性に優れる合成樹脂材料を指し、具体的
にはフィルムの気体透過率(ASTM 1434−
58)がO2 、N2 、CO2に関して0.1g/m2
24hr/atm以下の合成樹脂材料、例えば、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、
ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル、あるい
は、ポリアミド、エチレンビニルアルコール、ポリ塩化
ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコ
ールなどの各種の樹脂のうちから選択使用することがで
きる。
【0011】また、耐湿性樹脂とは、耐熱性、耐湿性
(耐透湿度)および機械的強度を備えた合成樹脂材料を
指し、具体的には透湿度が、JISZ 0280に準
じ、温度40℃、相対湿度90%の条件下で50g/m
2/24hr以下であり、曲げ弾性率(ASTM D7
90)が10000kg/cm2 以上および/またはア
ット衝撃強度(ノッチあり)(ASTM M D2
56)が5kg・cm/cm以上の合成樹脂材料である
ポリプロピレン、耐熱耐湿性ポリカーボネート、AB
S、ポリスチレン、AS、ポリエチレン、塩化ビニル、
ポリアミドイミドなどの樹脂が用いられる。
【0012】以下図面を参照して本発明をさらに詳細に
説明する。図1は本発明の合成樹脂製断熱容器と合成樹
脂製断熱蓋の第一の実施の形態を示すものである。この
実施の形態においては合成樹脂製断熱容器1(以下、容
器1という)と容器1の開口部7を覆う合成樹脂製断熱
蓋21(以下、蓋21という)が用いられるが、まず容
器1について説明する。この容器1は、多色成形された
内容器2と、互いに沿って配されるように射出成形され
た内壁体3と外壁体4からなる外容器とからなるもので
あり、外容器内壁体3の底部中央に開孔部3bが形成さ
れている。そして、内容器2が空間層5を保って外容器
内壁体3に収納され、内容器端部2cと外容器内壁体端
部3aとが一体に接合され、空間層5を断熱層6とした
二重壁構造体が形成されている。そして、さらにこの二
重壁構造体を外容器外壁体4内に収容するように、外容
器外壁体4と内容器2とがそれぞれの端部4aと2cと
で接合した構造の、どんぶり状または椀状の容器であ
る。
【0013】図1に示した断熱容器の底部中央を拡大し
た一部断面図を図2に、側面部を拡大した断面図を図3
に示す。図1ないし図3に示すように、この内容器2
は、内層2aと外層2bの二層に二色成形されており、
内容器外層2bは、上述のごとくポリエチレンテレフタ
レート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナ
フタレートなどのポリエステル、あるいは、ポリアミ
ド、エチレンビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、
ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコールなどの高
ガスバリア性樹脂などにより、また内容器内層2aには
上述のごとく、ポリプロピレン、耐熱耐湿性ポリカーボ
ネート、ABS、ポリスチレン、AS、ポリエチレン、
塩化ビニル、ポリアミドイミドなどの耐湿性樹脂などに
より形成されている。
【0014】内容器2を高ガスバリア性樹脂と耐湿性樹
脂との二色成形によって形成することにより、内容器2
の外面に電気メッキ等の金属被膜を形成しなくとも、高
ガスバリア性を備えた内容器2とすることができる。ま
た、内容器2の大気側の層の耐熱性、耐湿性および機械
的強度が向上する。また、内容器を内外の壁体に分ける
場合に比べて部品点数を減らすことができ、部品の保管
場所が節約されるほか管理し易くなる。
【0015】あるいは図1ないし図3に示した二色成形
された内容器2に代えて、図4および図5に示すように
内容器内層42aと内容器外層42cの間に内容器中間
層42bをサンドイッチ状に挟んだ状態にサンドイッチ
成形された内容器42を用いることも可能である。この
内容器42の内容器中間層42bは、高ガスバリア性樹
脂、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレン
テレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリ
エステル、あるいは、ポリアミド、エチレンビニルアル
コール、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、
ポリビニルアルコールなどの各種の樹脂を用いて形成さ
れている。また、内容器内層42aと内容器外層42c
は、耐熱性、耐湿性(耐透湿度)および機械的強度を備
えた耐湿性樹脂、例えばポリプロピレン、耐熱耐湿性ポ
リカーボネート、ABS、ポリスチレン、AS、ポリエ
チレン、塩化ビニル、ポリアミドイミドなどの樹脂を用
いて形成されている。内容器42を、高ガスバリア性樹
脂を耐湿性樹脂で挟むようにサンドイッチ成形によって
成形したことにより、内容器42の外面に電気メッキ等
の金属被膜を形成しなくとも、高ガスバリア性を備えた
内容器42とすることができる。また、内容器42の大
気側の層は、耐湿性、耐湿性および機械的強度の優れた
ものとなる。また内容器42の外面も耐湿性樹脂で形成
されるので、内容器42を部品として保管するとき、内
容器中間層42bの高ガスバリア性樹脂が吸湿して性能
劣化するのを防ぐことができる。また、内容器42を内
外の壁体に分ける場合に比べて部品点数を減らすことが
でき、部品の保管場所が節約されるほか、管理し易くな
る。
【0016】二色成形された内容器2またはサンドイッ
チ成形された内容器42には、その外面に輻射防止材1
0が配設されている。これに加えて、外容器内壁体3の
内面にも輻射防止材10と同様な輻射防止材を配しても
良い。輻射防止材10としては、アルミ箔、銅箔、金属
蒸着テープが好適に用いられ、ステンレス箔、銀箔、紙
の両面にこれら金属箔を取り付けたもの等の材料を用い
ても良い。
【0017】外容器は内壁体3と外壁体4から構成され
ている。外容器内壁体3の肉厚に外容器外壁体4の肉厚
を足した肉厚は、内容器2の肉厚とほぼ同等とされ、通
常、強度等を考慮して外容器内壁体3の肉厚と外容器外
壁体4の肉厚はほぼ同じ厚さに形成される。外容器内壁
体3は、内容器2の外層と同様に、高ガスバリア性樹脂
を用いて成形されている。これにより外壁体3の内面に
電気メッキ等の金属被膜を形成しなくとも、高ガスバリ
ア性を備えた外容器内壁体3とすることができる。内容
器2と外容器内壁体3はそれぞれの端部2c、3aで振
動溶着法、スピン溶着法、熱板溶着法等の溶着法で接合
されている。これらの溶着法によれば、内容器2と外容
器内壁体3とでその間に空間層を形成してなる二重壁構
造体は、その口元接合部の接合強度が高く、高い気密性
が得られるので、空間層5に後述する低熱伝導率ガスを
封入した際、封入された低熱伝導率ガスが口元接合部か
ら漏れることはない。特に内容器2内層(あるいは内容
器42中間層)と外容器内壁体3に高ガスバリア性樹脂
を用いれば、高ガスバリア性を備えた二重壁構造体を得
ることができる。
【0018】上記二重壁構造体の空間層5に封入される
ガスとしては、キセノン、クリプトン、アルゴンのうち
少なくとも1種のガスを用いることが好ましい。これら
のガスの熱伝導度はキセノン(k=0.52×10-2
・m-1・k-1:0℃)。クリプトン(k=0.87×1
-3W・m-1・k-1;0℃)、アルゴン(k=1.63
×10-2W・m-1・K-1;0℃)で、空気(k=2.4
1×10-3W・m-1・k-1:0℃)よりも小さく、これ
らのガスは、単独で、あるいは2種以上の混合ガスとし
て常温で大気圧程度、またはそれ以下の封入圧力、即ち
80〜100kPaで封入される。これらのガスは不活
性であり、環境上好適である。また封入圧力がこの範囲
であると、断熱層6の断熱性能が良好であるとともに、
断熱層6と外層との圧力差が小さいために、容器1に圧
力差により外圧が加わって凹みや膨らみを生じることが
ない。したがって、容器1を平面壁構造にすることも可
能である。空間層5内に上記低熱伝導率ガスを封入すれ
ば、空間層5の厚みが1〜10mm程度でも十分な断熱
性能が得られる。
【0019】外容器内壁体の底部には、空間層5に低熱
伝導率ガスを封入するための開孔部3bが形成されてい
る。さらに開孔部3bは、外容器内壁体の外側(外容器
外壁体側)から、シアノアクリレート系あるいはアセト
ニトリル系等の接着剤により封止板9で封止されてい
る。これらの接着剤は固化後の気密性が高く、かつ、瞬
間的に強力な接着力が得られるので、二重壁構造体を封
止板9で封止後は、空間層5に充填された低熱伝導率ガ
スの確実な封止が可能となる。また封止板9は、外容器
内壁体3と同じ高ガスバリア性樹脂で形成されることが
好ましい。このように、上記開孔部3bは、外容器内壁
体3に形成されかつ封止板9によりその外側から封止さ
れ、さらにその外側を外容器外壁体4が覆う構造となっ
ており、封止部が外観面に露出することがない。したが
って外観に優れ、また外的環境に対する封止部の耐久性
を考慮する必要がなく、外観に優れている。また開孔部
は、内容器側に設けるよりも外容器側に設けた方が、ガ
ス置換を行いやすく好ましい。
【0020】前記外容器外壁体4は、内容器内層2aと
同様に、耐湿性樹脂を用いて形成されている。これによ
り、容器1を組み上げたとき、耐熱性、耐湿性および機
械的強度の優れたものとすることができる。内容器2と
外容器外壁体4はそれぞれの端部2c、4aで振動溶着
法、スピン溶着法、熱板溶着法等の溶着法またはシアノ
アクリレート系あるいはアセトニトリル系等の接着剤で
接合されている。溶着法による接合の場合は、内容器2
と外容器4との口元接合部の接合強度が高いので好まし
い。また、内容器2と外容器外壁体4にポリプロピレン
系の樹脂を用いれば、機械的強度、耐薬品性、成形性が
向上するので好ましく、塗装性の良好なABS系樹脂を
用いれば、ウレタン塗装品や漆塗品などを製造すること
ができる。
【0021】図1に示した容器は以下のように製造され
る。ます、内容器2を多層成形し、外容器内壁体3、外
容器外壁体4を射出成形する。ついで、外容器内壁体3
の端部3aと内容器2の端部2cとを合わせて、外容器
内壁体3の外面をほぼ全面に亘って支持する治具と、内
容器2の内面をほぼ全面に亘って支持する治具により押
さえて、これらの治具に均等に力を加えて溶着して二重
壁構造体を形成する。このような方法は、内容器2の中
心軸と外容器内壁体3の中心軸のズレを小さくすること
ができるので好ましい。
【0022】ついで、二重壁構造体の底部に形成された
開孔部3bを通して、二重壁構造体の空間層5の空気を
真空排気し、続いて低熱伝導率ガスを充填する。この操
作は、例えば、排気ポンプが接続された排気系と低熱伝
導率ガスの供給系を切換え可能でかつ管路先端にパッキ
ンを配した装置を用い、このパッキンを開孔部3bに押
し当てて、開孔部3bを外気と遮断した状態で排気系に
よって空間層5内を真空排気し、引き続いて低熱伝導率
ガスの供給系に切り換えて、空間層5内に低熱伝率ガス
を充填することによって実行してもよい。ついで外容器
内壁体3の底部の開孔部3bに、シアノアクリレート系
あるいはアセトニトリル系等の接着剤を垂らし、高ガス
バリア性樹脂からなる封止板9で開孔部3bを塞ぐよう
に封止する。これらの接着剤は固化後の気密性が高く、
かつ、瞬間的に強力な接着力が得られるので、空間層5
に充填された低熱伝導率ガスの確実な封止が可能とな
る。
【0023】あるいは、外容器内壁体3と内容器2とを
溶着する際に、外容器内壁体3を支持する治具と、内容
器2を支持する治具の間の空間を真空排気し、ここに低
熱伝導率ガスを封入した状態で、外容器内壁体3と内容
器2との溶着を行えば、溶着とガス置換を同時に行うこ
とができ、上記開孔部の形成が不要となる。ついで内容
器2の端部2cに外容器外壁体4の端部4aを溶着す
る。ここで、外容器内壁体3の外面と外容器外壁体4の
内面との間に均等にクリアランスを設けることができる
ので、外容器外壁体4の端部4aと内容器2の端部2c
とを合わせて、外容器外壁体4の外面をほぼ全面に亘っ
て支持する治具と、内容器2の内面をほぼ全面に亘って
支持する治具により押さえて、これらの治具に均等に力
を加えて溶着する際に、内容器端部2cと外容器外壁体
端部4aとの溶着強度を一定にすることができ、製品の
溶着強度のばらつきを無くすことができる。
【0024】次に図1に基づいて蓋21について説明す
る。この蓋21は容器1の開口部7に被せられる。蓋2
1にはその上面より上方に突出するつまみ31が形成さ
れている。この蓋21は、多色成形された下面壁22
と、互いに沿って配されるように射出成形された上面壁
下壁体23と上面壁上壁体24からなるものであり、上
面壁下壁体23の上部の中心には開孔部23bが形成さ
れている。そして、下面壁22と上面壁下壁体23が、
その間に空間層25を隔てて一体に接合して、空間層2
5を断熱層26とした蓋用二重壁構造体を形成してお
り、さらに上面壁下壁体23の上面を覆う上面壁上壁体
24と下面壁22とがそれぞれの端部24aと22cと
で接合した帽子状の蓋21である。
【0025】図1に示した下面壁22は、下層22aと
上層22bの二層に二色成形されており、下面壁上層2
2bは、上述のごとくポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート
などのポリエステル、あるいは、ポリアミド、エチレン
ビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロ
ニトリル、ポリビニルアルコールなどの高ガスバリア性
樹脂などにより、また下面壁下層22aには上述のごと
く、ポリプロピレン、耐熱耐湿性ポリカーボネート、A
BS、ポリスチレン、AS、ポリエチレン、塩化ビニ
ル、ポリアミドイミドなどの耐湿性樹脂などにより形成
されている。下面壁22を高ガスバリア性樹脂と耐湿性
樹脂との二色成形によって形成することにより、下面壁
22の上面に電気メッキ等の金属被膜を形成しなくと
も、高ガスバリア性を備えた下面壁22とすることがで
きる。また、下面壁22の大気側の層は、耐熱性、耐湿
性および機械的強度の優れたものとなる。また、下面壁
22を上下の壁体に分ける場合に比べて部品点数を減ら
すことができ、部品の保管場所が節約されるほか管理し
易くなる。
【0026】あるいは図1に示した二色成形された下面
壁22に代えて、図6および図7に示すように下面壁下
層52aと下面壁上層52cの間に下面壁中間層52b
をサンドイッチ状に挟んだ状態にサンドイッチ成形され
た下面壁52を用いることも可能である。この下面壁5
2の下面壁中間層52bは、高ガスバリア性樹脂、例え
ばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタ
レート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステ
ル、あるいは、ポリアミド、エチレンビニルアルコー
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリ
ビニルアルコールなどの各種の樹脂を用いて形成されて
いる。また、下面壁内層52aと下面壁外層52cには
耐熱性、耐湿性(耐透湿度)および機械的強度を備えた
耐湿性樹脂、例えばポリプロピレン、耐熱耐湿性ポリカ
ーボネート、ABS、ポリスチレン、AS、ポリエチレ
ン、塩化ビニル、ポリアミドイミドなどの樹脂が用いら
れる。下面壁52を、高ガスバリア性樹脂を耐湿性樹脂
で挟むようにサンドイッチ成形によって成形したことに
より、下面壁52の外面に電気メッキ等の金属被膜を形
成しなくとも、高ガスバリア性を備えた下面壁52とす
ることができる。また、下面壁52の大気側の層は、耐
湿性、耐湿性および機械的強度の優れたものとなる。ま
た下面壁52の外面も耐湿性樹脂で形成されるので、下
面壁52を部品として保管するとき、下面壁中間層52
bの高ガスバリア性樹脂が吸湿して性能劣化するのを防
ぐことができる。また、下面壁52をサンドイッチ成形
して一体ものとするので、下面壁52を内外の壁体に分
ける場合に比べて部品点数を減らすことができ、部品の
保管場所が節約されるほか、管理し易くなる。
【0027】二色成形された下面壁22の上面またはサ
ンドイッチ成形された下面壁52の上面には輻射防止材
30が配設される。この場合、上面壁下壁体23の下面
にも輻射防止材30と同様の輻射防止材を配して良い。
輻射防止材30としては、アルミ箔、銅箔、金属蒸着テ
ープが好適に用いられ、ステンレス箔、銀箔、紙の両面
にこれら金属箔を取り付けたもの等の材料を用いても良
い。
【0028】上面壁は下壁体23と上壁体24から構成
されている。上面壁下壁体23の肉厚に上面壁上壁体2
4の肉厚を足した肉厚は、下面壁22の肉厚とほぼ同等
とされ、通常、強度等を考慮して上面壁下壁体23の肉
厚と上面壁上壁体24の肉厚はほぼ同じ厚さに形成され
る。上面壁下壁体23は、下面壁22の上層22bと同
様に、高ガスバリア性樹脂を用いて成形されている。こ
れにより上面壁下壁体23の内面に電気メッキ等の金属
被膜を形成しなくとも、高ガスバリア性を備えた上面壁
下壁体23とすることができる。
【0029】下面壁22と上面壁下壁体23はそれぞれ
の端部22c、23aで振動溶着法、スピン溶着法、熱
板溶着法等の溶着法で接合されている。これらの溶着法
によれば、下面壁22と上面壁下壁体23とでその間に
空間層25を形成してなる蓋用二重壁構造体は、その接
合部の接合強度が高く、高い気密性が得られるので、空
間層25に後述する低熱伝導率ガスを封入した際、封入
された低熱伝導率ガスが接合部から漏れることはない。
特に下面壁上層22b(あるいは下面壁中間層52b)
と上面壁下壁体23に高ガスバリア性樹脂を用いれば、
高ガスバリア性を備えた蓋用二重壁構造体を得ることが
できる。
【0030】上記蓋用二重壁構造体の空間層25に封入
されるガスとしては、キセノン、クリプトン、アルゴン
のうち少なくとも1種のガスを用いることが好ましい。
これらのガスは、単独で、あるいは2種以上の混合ガス
として常温で大気圧程度、またはそれ以下の封入圧力、
すなわち80〜100kPaで封入される。空間層25
にこれらのガスを封入することにより、つまみ31の部
分(つまみ31の立ち上がり部)を除いた空間層25の
厚みが5〜10mm程度でも、十分な断熱性能が得られ
る。
【0031】上面壁下壁体23の底部には、空間層25
に低熱伝導率ガスを封入するための開孔部23bが形成
されている。さらに開孔部23bは、上面壁下壁体の上
側から、シアノアクリレート系あるいはアセトニトリル
系等の接着剤により封止板29で封止されている。これ
らの接着剤は固化後の気密性が高く、かつ、瞬間的に強
力な接着力が得られるので、空間層25に充填された低
熱伝導率ガスの確実な封止が可能となる。また封止板2
9は、上面壁下壁体23と同じ高ガスバリア性樹脂で形
成されることが好ましい。このように、上記開孔部23
bは、上面壁下壁体23に形成されかつ封止板29によ
りその外側から封止され、さらにその外側を上面壁上壁
体24が覆う構造となっており、封止部が外観面に露出
することがない。したがって外観に優れ、また外的環境
に対する封止部の耐久性を考慮する必要がない。また上
面壁側に開孔部を設けると、ガス置換を行いやすく好ま
しい。前記上面壁上壁体24は、上述の耐湿性樹脂を用
いて形成されている。これにより、蓋21を組み上げた
とき、耐熱性、耐湿性および機械的強度の優れたものと
することができる。
【0032】下面壁22と上面壁上壁体24はそれぞれ
の端部22c、24aで振動溶着法、スピン溶着法、熱
板溶着法等の溶着法またはシアノアクリレート系あるい
はアセトニトリル系等の接着剤で接合されている。溶着
法による接合の場合は、下面壁22と上面壁上壁体24
との口元接合部の接合強度が高いので、好ましい。ま
た、下面壁22と上面壁上壁体24にポリプロピレン系
の樹脂を用いれば、機械的強度、耐薬品性、成形性が向
上するので好ましく、また塗装性の良好なABS系樹脂
を用いれば、ウレタン塗装品や漆塗品などを製造するこ
とができる。
【0033】図1に示した蓋は以下のように製造され
る。ます、下面壁を多層成形し、上面壁下壁体、上面壁
上壁体を射出成形する。ついで、上面壁下壁体23の端
部23aと下面壁22の端部22cとを合わせて、上面
壁下壁体23の上面をほぼ全面に亘って支持する治具
と、下面壁22の下面をほぼ全面に亘って支持する治具
により押さえて、これらの治具に均等に力を加えて溶着
して蓋用二重壁構造体を形成する。このような方法は、
下面壁22の中心軸と上面壁下壁体23の中心軸のズレ
を小さくすることができるので好ましい。
【0034】ついで、蓋用二重壁構造体の上部に形成さ
れた開孔部23bを通して、蓋用二重壁構造体の空間層
25の空気を真空排気し、続いて低熱伝導率ガスを充填
する。この操作は、例えば、排気ポンプが接続された排
気系と低熱伝導率ガスの供給系を切換え可能でかつ管路
先端にパッキンを配した装置を用い、このパッキンを開
孔部23bに押し当てて、開孔部23bを外気と遮断し
た状態で排気系によって空間層25内を真空排気し、引
き続いて低熱伝導率ガスの供給系に切り換えて、空間層
25内に低熱伝率ガスを充填することによって実行して
もよい。ついで開孔部23bに、シアノアクリレート系
あるいはアセトニトリル系等の接着剤を垂らし、高ガス
バリア性樹脂からなる封止板29で開孔部23bを塞ぐ
ように封止する。これらの接着剤は固化後の気密性が高
く、かつ、瞬間的に強力な接着力が得られるので、空間
層25に充填された低熱伝導率ガスの確実な封止が可能
となる。
【0035】あるいは、上面壁下壁体と下面壁とを溶着
する際に、上面壁下壁体を支持する治具と、下面壁を支
持する治具の間の空間を真空排気し、ここに低熱伝導率
ガスを封入した状態で、上面壁下壁体と下面壁との溶着
を行えば、溶着とガス置換を同時に行うことができ、上
記開孔部の形成が不要となる。ついで下面壁22の端部
22cに上面壁上壁体24の端部24aを溶着する。こ
こで、上面壁下壁体23の上面と上面壁上壁体24の下
面との間に均等にクリアランスを設けることができるの
で、上面壁上壁体24の端部24aと下面壁22の端部
22cとを合わせて、上面壁上壁体24の上面をほぼ全
面に亘って支持する治具と、下面壁22の下面をほぼ全
面に亘って支持する治具により押さえて、これらの治具
に均等に力を加えて溶着する際に、下面壁端部22cと
上面壁上壁体端部24aとの溶着強度を一定にすること
ができ、製品の溶着強度のばらつきを無くすことができ
る。
【0036】図8ないし図10は本発明の合成樹脂製断
熱容器と合成樹脂製断熱蓋の第二の実施の形態を示すも
のである。この実施の形態において合成樹脂製断熱容器
61(以下、容器61という)は、内外層に二色成形さ
れた外容器64と、互いに沿って配されるように射出成
形された内壁体62と外壁体63からなる内容器とから
なるものであり、内容器外壁体63の底部中央には開孔
部63bが形成されている。また容器61の開口部62
aを覆う合成樹脂製断熱蓋81(以下、蓋81という)
は、内外層に二色成形された上面壁82と、互いに沿っ
て配されるように射出成形された下壁体83と上壁体8
4からなる下面壁とからなる。そして下面壁上壁体84
の上部中央には開孔部84bが形成されている。
【0037】まず容器61について説明する。この容器
61は、外容器内層64aおよび外容器外層64bの二
層に二色成形された外容器64と、内容器を構成する二
つの壁体として射出成形された内容器内壁体62と内容
器外壁体63からなり、内容器外壁体63を空間層65
を保って外容器64に収容し、内容器外壁体端部63a
と外容器端部64cとを一体に接合して、空間層65を
断熱層66とした二重壁構造体が形成されている。そし
て、内容器外壁体63の内側を覆う内容器内壁体62と
外容器64とをそれぞれの端部62aと64cにおいて
接合した、どんぶり状または椀状の容器である。
【0038】図8に示した容器61の底部中央を拡大し
た一部断面図を図9に、側面部を拡大した断面図を図1
0に示す。図8ないし図10に示すように、外容器64
は、内外層の二層に二色成形されており、外容器内層6
4aは、高ガスバリア性樹脂のポリエチレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフ
タレートなどのポリエステル、あるいは、ポリアミド、
エチレンビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリ
アクリロニトリル、ポリビニルアルコールなどの各種の
樹脂を用いて形成されている。また、外容器外層64b
は、耐湿性樹脂であるポリプロピレン、耐熱耐湿性ポリ
カーボネート、ABS、ポリスチレン、AS、ポリエチ
レン、塩化ビニル、ポリアミドイミドなどの樹脂を用い
て形成されている。外容器64を高ガスバリア性樹脂と
耐湿性樹脂との二色成形によって形成することにより、
外容器64の内面に電気メッキ等の金属被膜を形成しな
くとも、高ガスバリア性を備えた外容器64とすること
ができる。また、外容器64の大気側の層は、耐熱性、
耐湿性および機械的強度の優れたものとなる。また、外
容器64を二色成形するので、外容器を内外の壁体に分
ける場合に比べて部品点数を減らすことができ、部品の
保管場所が節約されるほか管理し易くなる。
【0039】あるいは図8に示した二色成形された外容
器64に代えて、図11および図12に示すように、外
容器内層94aと外容器外層94cの間に外容器中間層
94bをサンドイッチ状に挟んだ状態にサンドイッチ成
形された外容器94を用いることも可能である。この外
容器94の外容器中間層94bは、高ガスバリア性樹
脂、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレン
テレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリ
エステル、あるいは、ポリアミド、エチレンビニルアル
コール、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、
ポリビニルアルコールなどの各種の樹脂を用いて形成さ
れている。また、外容器内層94aと外容器外層94c
は耐熱性、耐湿性(耐透湿度)および機械的強度を備え
た耐湿性樹脂、例えばポリプロピレン、耐熱耐湿性ポリ
カーボネート、ABS、ポリスチレン、AS、ポリエチ
レン、塩化ビニル、ポリアミドイミドなどの樹脂を用い
て形成されている。外容器94を、高ガスバリア性樹脂
を耐湿性樹脂で挟むようにサンドイッチ成形によって形
成したことにより、外容器94の内面に電気メッキ等の
金属被膜を形成しなくとも、高ガスバリア性を備えた外
容器94とすることができる。また、外容器94の大気
側の耐熱性、耐湿性および機械的強度が向上する。さら
に外容器94の内面も耐湿性樹脂で形成されるので、外
容器94を部品として保管するとき、外容器中間層94
bの高ガスバリア性樹脂が吸湿して性能劣化するのを防
ぐことができる。また、外容器94をサンドイッチ成形
するので、外容器94を内外の壁体に分ける場合に比べ
て部品点数を減らすことができ、部品の保管場所が節約
されるほか、管理し易くなる。
【0040】内容器内壁体62の肉厚に内容器外壁体6
3の肉厚を足した肉厚は、外容器64の肉厚とほぼ同等
とされ、通常、強度等を考慮して内容器内壁体62の肉
厚と内容器外壁体63の肉厚はほぼ同じ厚さに形成され
る。そしてまず、外容器64と内容器外壁体63を接合
し、さらに外容器64と内容器内壁体62を接合する
際、外容器64の内面と内容器外壁体63の外面、およ
び、外容器64の外面と内容器内壁体62の内面はそれ
ぞれの端部において溶着が可能な構造になるように成形
される。
【0041】内容器外壁体63は外容器64の内層と同
様に、高ガスバリア性樹脂を用いて成形される。これに
より内容器外壁体63の外面に電気メッキ等の金属被膜
を形成しなくとも、高ガスバリア性を備えた内容器外壁
体63とすることができる。内容器外壁体63の外面に
は、輻射防止材70が配設されている。この場合、二色
成形された外容器64またはサンドイッチ成形された外
容器94にも、その内面に輻射防止材70と同様な輻射
防止材を配しても良い。
【0042】外容器64と内容器外壁体63はそれぞれ
の端部64c、63aで振動溶着法、スピン溶着法、熱
板溶着法等の溶着法で接合されて二重壁構造体が形成さ
れている。二重壁構造体の空間層65に封入されるガス
としては、キセノン、クリプトン、アルゴンのうち少な
くとも1種のガスを用いることが好ましい。これらのガ
スは、単独で、あるいは2種以上の混合ガスとして常温
で大気圧程度、またはそれ以下の封入圧力、即ち80〜
100kPaで封入される。空間層5内に上記低熱伝導
率ガスを封入すれば、空間層5の厚みが1〜10mm程
度でも十分な断熱性能が得られる。
【0043】内容器外壁体63の底部には、空間層65
に低熱伝導率ガスを封入するための開孔部63bが形成
されている。さらに開孔部63bは、内容器外壁体63
の内側(内容器内壁体側)から、シアノアクリレート系
あるいはアセトニトリル系等の接着剤により封止板69
で封止されている。これらの接着剤は固化後の気密性が
高く、かつ、瞬間的に強力な接着力が得られるので、二
重壁構造体を封止板69で封止後は、空間層65に充填
された低熱伝導率ガスの確実な封止が可能となる。また
封止板69は、内容器外壁体63と同じ高ガスバリア性
樹脂で形成されることが好ましい。このように、上記開
孔部63bは、内容器外壁体63に形成されかつ封止板
69によりその内側から封止され、さらにその内側を内
容器内壁体62が覆う構造となっており、封止部が外観
面に露出することがない。したがって外観に優れ、また
外的環境に対する封止部の耐久性を考慮する必要がな
い。
【0044】内容器内壁体62は、外容器64の外層と
同様に耐湿性樹脂を用いて形成される。これにより、二
重壁容器構造体の外容器端部64cと内容器内壁体62
の端部62aとを接合して、容器61を組み上げたと
き、容器61の大気側の樹脂を耐熱性、耐湿性および機
械的強度の優れたものとすることができる。外容器64
と内容器内壁体62はそれぞれの端部64c、62aで
振動溶着法、スピン溶着法、熱板溶着法等の溶着法また
はシアノアクリレート系あるいはアセトニトリル系等の
接着剤で接合される。溶着法による接合の場合は、内容
器内壁体62と外容器64との口元接合部の接合強度が
高いので、好ましい。また、内容器内壁体62と外容器
64にポリプロピレン系の樹脂を用いれば、機械的強
度、耐薬品性、成形性が向上するので好ましく、また塗
装性の良好なABS系樹脂を用いれば、ウレタン塗装品
や漆塗品などを製造することができる。
【0045】図8に示した容器は以下のように製造され
る。ます、外容器を多層成形し、内容器内壁体、内容器
外壁体を射出成形する。ついで、内容器外壁体63の端
部63aと外容器64の端部64cとを合わせて、内容
器外壁体63の内面をほぼ全面に亘って支持する治具
と、外容器64の外面をほぼ全面に亘って支持する治具
により押さえて、これらの治具に均等に力を加えて溶着
して二重壁構造体を形成する。このような方法は、外容
器64の中心軸と内容器外壁体63の中心軸のズレを小
さくすることができるので、好ましい。ついで、二重壁
構造体の底部に形成された開孔部63bを通して、二重
壁構造体の空間層65の空気を真空排気し、続いて低熱
伝導率ガスを充填する。この操作は、例えば、排気ポン
プが接続された排気系と低熱伝導率ガスの供給系を切換
え可能でかつ管路先端にパッキンを配した装置を用い、
このパッキンを開孔部63bに押し当てて、開孔部63
bを外気と遮断した状態で排気系によって空間層5内を
真空排気し、引き続いて低熱伝導率ガスの供給系に切り
換えて、空間層65内に低熱伝率ガスを充填することに
よって実行してもよい。ついで内容器外壁体63の底部
の開孔部63bに、シアノアクリレート系あるいはアセ
トニトリル系等の接着剤を垂らし、高ガスバリア性樹脂
からなる封止板69で開孔部63bを塞ぐように封止す
る。これらの接着剤は固化後の気密性が高く、かつ、瞬
間的に強力な接着力が得られるので、空間層65に充填
された低熱伝導率ガスの確実な封止が可能となる。
【0046】あるいは、内容器外壁体と外容器とを溶着
する際に、内容器外壁体を支持する治具と、外容器を支
持する治具の間の空間を真空排気し、ここに低熱伝導率
ガスを封入した状態で、内容器外壁体と外容器との溶着
を行えば、溶着とガス置換を同時に行うことができ、上
記開孔部の形成が不要となる。ついで外容器64の端部
64cに内容器外壁体63の端部63aを溶着する。こ
こで、内容器外壁体63の内面と内容器内壁体62の外
面との間に均等にクリアランスを設けることができるの
で、内容器内壁体62の端部62aと外容器64の端部
64cとを合わせて、内容器内壁体62の内面をほぼ全
面に亘って支持する治具と、外容器64の外面をほぼ全
面に亘って支持する治具により押さえて、これらの治具
に均等に力を加えて溶着することにより、外容器端部6
4cと内容器内壁体端部62aとの溶着強度を一定にす
ることができ、製品の溶着強度のばらつきを無くすこと
ができる。
【0047】次に図8に基づいて蓋81について説明す
る。この蓋81は容器61の開口部67に被せられる。
蓋81にはその上面より上方に突出するつまみ91が形
成されている。この蓋81は、多色成形された上面壁8
2と、互いに沿って配されるように射出成形された下面
壁下壁体83と下面壁上壁体84からなるものであり、
下面壁上壁体84の中心には開孔部84bが形成されて
いる。そして、上面壁82と下面壁上壁体84が、その
間に空間層85を隔てて上面壁端部82cと下面壁上壁
体端部84aにおいて一体に接合して、空間層85を断
熱層86とした蓋用二重壁構造体となっており、さらに
下面壁上壁体84の下面を覆う下面壁下壁体83と上面
壁82とをそれぞれの端部83aと82cとで接合し、
帽子状の蓋81としたものである。
【0048】図8に示した上面壁82は、下層82aと
上層82bの二層に二色成形されており、上面壁下層8
2aは、上述のごとくポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート
などのポリエステル、あるいは、ポリアミド、エチレン
ビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロ
ニトリル、ポリビニルアルコールなどの高ガスバリア性
樹脂などにより、また上面壁上層82bには上述のごと
く、ポリプロピレン、耐熱耐湿性ポリカーボネート、A
BS、ポリスチレン、AS、ポリエチレン、塩化ビニ
ル、ポリアミドイミドなどの耐湿性樹脂などにより形成
されている。上面壁82を高ガスバリア性樹脂と耐湿性
樹脂との二色成形によって形成することにより、上面壁
82の下面に電気メッキ等の金属被膜を形成しなくと
も、高ガスバリア性を備えた上面壁82とすることがで
きる。また、上面壁82の大気側の層は、耐熱性、耐湿
性および機械的強度の優れたものとなる。また、上面壁
を上下の壁体に分ける場合に比べて部品点数を減らすこ
とができ、部品の保管場所が節約されるほか管理し易く
なる。
【0049】あるいは図8に示した二色成形された上面
壁82に代えて、図13および図14に示すように、上
面壁下層102aと上面壁上層102cの間に上面壁中
間層102bをサンドイッチ状に挟んだ状態にサンドイ
ッチ成形された上面壁102を用いることも可能であ
る。この上面壁102の上面壁中間層102bは、高ガ
スバリア性樹脂、例えばポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
トなどのポリエステル、あるいは、ポリアミド、エチレ
ンビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリ
ロニトリル、ポリビニルアルコールなどの各種の樹脂を
用いて形成される。また、上面壁内層102aと上面壁
外層102cには耐熱性、耐湿性(耐透湿度)および機
械的強度を備えた耐湿性樹脂、例えばポリプロピレン、
耐熱耐湿性ポリカーボネート、ABS、ポリスチレン、
AS、ポリエチレン、塩化ビニル、ポリアミドイミドな
どの樹脂を用いて形成されている。上面壁102を、高
ガスバリア性樹脂を耐湿性樹脂で挟むようにサンドイッ
チ成形によって形成したことにより、上面壁102の内
面に電気メッキ等の金属被膜を形成しなくとも、高ガス
バリア性を備えた上面壁102とすることができる。ま
た、上面壁102の大気側の層は、耐熱性、耐湿性およ
び機械的強度の優れたものとなる。また上面壁102の
内面も耐湿性樹脂で形成されるので、上面壁102を部
品として保管するとき、上面壁中間層102bの高ガス
バリア性樹脂が吸湿して性能劣化するのを防ぐことがで
きる。また、上面壁102をサンドイッチ成形するの
で、上下の壁体に分ける場合に比べて部品点数を減らす
ことができ、部品の保管場所が節約されるほか、管理し
易くなる。
【0050】下面壁は上壁体84と下壁体83から構成
されている。下面壁下壁体83の肉厚に下面壁上壁体8
4の肉厚を足した肉厚は、上面壁82の肉厚とほぼ同等
とされ、通常、強度等を考慮して下面壁下壁体83の肉
厚とに下面壁上壁体84の肉厚はほぼ同じ厚さに形成さ
れる。下面壁上壁体84は上面壁82の内層と同様に、
高ガスバリア性樹脂を用いて成形されている。これによ
り下面壁上壁体84の上面に電気メッキ等の金属被膜を
形成しなくとも、高ガスバリア性を備えた下面壁上壁体
84とすることができ、上面壁82と下面壁上壁体84
をそれぞれの端部82cと84aで前記溶着法により接
合することにより、高ガスバリア性を備えた二重壁蓋構
造体を得ることができる。また下面壁下壁体83は、前
記いずれかの耐湿性樹脂を用いて形成される。これによ
り、二重壁蓋構造体とした上面壁端部82cに、二重壁
蓋構造体の下面壁上壁体84の内面(下面)を覆って下
面壁下壁体83の端部83aを接合することにより、蓋
81を組み上げたとき、蓋81の大気側を耐熱性、耐湿
性および機械的強度の優れたものとすることができる。
下面壁上壁体84の上面には輻射防止材90が配設され
る。また二色成形された上面壁82の下面またはサンド
イッチ成形された上面壁102の下面にも輻射防止材9
0を配してよい。
【0051】上面壁82と下面壁上壁体84はそれぞれ
の端部82c、84aで振動溶着法、スピン溶着法、熱
板溶着法等の溶着法で接合されている。これらの溶着法
によれば、上面壁82と下面壁上壁体84とでその間に
空間層85を形成してなる蓋用二重壁構造体は、その接
合部の接合強度が高く、高い気密性が得られるので、空
間層85に後述する低熱伝導率ガスを封入した際、封入
された低熱伝導率ガスが接合部から漏れることはない。
特に上面壁82下層82a(あるいは上面壁102中間
層102b)と下面壁上壁体84に高ガスバリア性樹脂
を用いれば、高ガスバリア性を備えた蓋用二重壁構造体
を得ることができる。
【0052】二重壁容器構造体の空間層85に封入され
るガスとしては、キセノン、クリプトン、アルゴンのう
ち少なくとも1種のガスを用いることが好ましい。これ
らのガスは、単独で、あるいは2種以上の混合ガスとし
て常温で大気圧程度、またはそれ以下の封入圧力、即ち
80〜100kPaで封入される。空間層85にこれら
のガスを封入することにより、つまみ91または101
の部分(つまみ91または101の立ち上がり部)を除
いた空間層85の厚みを5〜10mmにすることが可能
である。
【0053】下面壁上壁体84の中央には、空間層85
に低熱伝導率ガスを封入するための開孔部84bが形成
されている。さらに開孔部84bは、下面壁上壁体の下
側から、シアノアクリレート系あるいはアセトニトリル
系等の接着剤により封止板89で封止されている。これ
らの接着剤は固化後の気密性が高く、かつ、瞬間的に強
力な接着力が得られるので、空間層85に充填された低
熱伝導率ガスの確実な封止が可能となる。また封止板8
9は、下面壁上壁体84と同じ高ガスバリア性樹脂で形
成されることが好ましい。このように、上記開孔部84
bは、下面壁上壁体84に形成されかつ封止板89によ
りその下側から封止され、さらにその下側を下面壁下壁
体83が覆う構造となっており、封止部が外観面に露出
することがない。したがって外観に優れ、また外的環境
に対する封止部の耐久性を考慮する必要がない。また上
面壁側に開孔部を設けると、ガス置換を行いやすく好ま
しい。
【0054】前記下面壁下壁体83は、上述の耐湿性樹
脂を用いて形成されている。これにより、蓋81を組み
上げたとき、耐熱性、耐湿性および機械的強度の優れた
ものとすることができる。上面壁82と下面壁下壁体8
3はそれぞれの端部82c、84aで振動溶着法、スピ
ン溶着法、熱板溶着法等の溶着法またはシアノアクリレ
ート系あるいはアセトニトリル系等の接着剤で接合され
ている。溶着法による接合の場合は、接合部の接合強度
が高いので、好ましい。また、上面壁82と下面壁下壁
体84にポリプロピレン系の樹脂を用いれば、機械的強
度、耐薬品性、成形性が向上するので好ましく、また塗
装性の良好なABS系樹脂を用いれば、ウレタン塗装品
や漆塗品などを製造することができる。
【0055】このような構造の断熱蓋の製造工程におい
て、空間層85に低熱伝導率ガスを封入する際は、蓋用
二重壁構造体の上部にある開孔部84bを通して、二重
壁蓋構造体の空間層85の空気を真空排気し、続いて低
熱伝導率ガスを充填する。ついで、開孔部84bにシア
ノアクリレート系あるいはアセトニトリル系の接着剤を
垂らし、封止板89を接着して開孔部84bを封止す
る。
【0056】図8に示した蓋は以下のように製造され
る。ます、上面壁82を多層成形し、下面壁下壁体8
3、下面壁上壁体84を射出成形する。ついで、下面壁
上壁体84の端部84aと上面壁82の端部82cとを
合わせて、上面壁82の上面をほぼ全面に亘って支持す
る治具と、下面壁上壁材84の下面をほぼ全面に亘って
支持する治具により押さえて、これらの治具に均等に力
を加えて溶着して蓋用二重壁構造体を形成する。このよ
うな方法は、上面壁82の中心軸と下面壁上壁体84の
中心軸のズレを小さくすることができるので好ましい。
【0057】ついで、蓋用二重壁構造体の底部に形成さ
れた開孔部84bを通して、蓋用二重壁構造体の空間層
85の空気を真空排気し、続いて低熱伝導率ガスを充填
する。この操作は、例えば、排気ポンプが接続された排
気系と低熱伝導率ガスの供給系を切換え可能でかつ管路
先端にパッキンを配した装置を用い、このパッキンを開
孔部84bに押し当てて、開孔部84bを外気と遮断し
た状態で排気系によって空間層85内を真空排気し、引
き続いて低熱伝導率ガスの供給系に切り換えて、空間層
85内に低熱伝率ガスを充填することによって実行して
もよい。ついで開孔部84bに、シアノアクリレート系
あるいはアセトニトリル系等の接着剤を垂らし、高ガス
バリア性樹脂からなる封止板89で開孔部84bを塞ぐ
ように封止する。これらの接着剤は固化後の気密性が高
く、かつ、瞬間的に強力な接着力が得られるので、空間
層85に充填された低熱伝導率ガスの確実な封止が可能
となる。
【0058】あるいは、下面壁上壁体と上面壁とを溶着
する際に、下面壁上壁体を支持する治具と、上面壁を支
持する治具の間の空間を真空排気し、ここに低熱伝導率
ガスを封入した状態で、下面壁上壁体と上面壁との溶着
を行えば、溶着とガス置換を同時に行うことができ、上
記開孔部の形成が不要となる。ついで上面壁82の端部
82cに下面壁下壁体83の端部83aを溶着する。こ
こで、下面壁下壁体83の上面と下面壁上壁体84の下
面との間に均等にクリアランスを設けることができるの
で、下面壁下壁体83の端部83aと上面壁82の端部
82cとを合わせて、下面壁下壁体83の下面をほぼ全
面に亘って支持する治具と、上面壁82の上面をほぼ全
面に亘って支持する治具により押さえて、これらの治具
に均等に力を加えて溶着する際に、上面壁端部82cと
下面壁下壁体端部83aとの溶着強度を一定にすること
ができ、製品の溶着強度のばらつきを無くすことができ
る。
【0059】
【実施例】図1に示した容器1と蓋21を作製した。内
容器2は、内層2aにポリエチレンビニルアルコール
(商品名:エバール、クラレ製)、外層2bにポリプロ
ピレンを用い、内外層2a、2bの厚みを共に1mmと
し、二色成形機により射出成形して作製した。外容器内
壁体3は、ポリエチレンビニルアルコール(商品名:エ
バール、クラレ製)を用い、厚みを1mmとし、底部中
央に径1mmの開孔部3bを形成しつつ射出成形により
作製した。さらに外容器外壁体4をポリプロピレンで、
その厚みが1mmになるように射出成形により得た。そ
して、内容器2の外面にアルミ箔を両面テープにより接
着した。次に外容器内壁体3に空間層5を隔てて内容器
2を収容し、それぞれの端部3a、2cを合わせ、外容
器内壁体3の外面のほぼ全面を支持する治具と、内容器
2の内面のほぼ全面を支持する治具により外容器内壁体
3と内容器2を押さえて、振動溶着機(図示せず)によ
り、外容器内壁体3の端部3aと内容器2の端部2cを
溶着して二重壁構造体を得た。
【0060】次に、排気ポンプが接続された排気系と低
熱伝導率ガスの供給系の切換えが可能で、かつ管路先端
にパッキングを配した低熱伝導率ガス置換装置(図示せ
ず)に、二重壁構造体を配置し、このパッキングを開孔
部3bに押し当てて、開孔部3bを外気と遮断した状態
で排気系によって空間層5内を10Torr程度に真空
排気し、引き続いて低熱伝導率ガスの供給系に切り換え
て、空間層5内にクリプトンガスを充填した。開孔部3
bにはシアノアクリレート系の接着剤を垂らして封止板
9を接着し開孔部3bを封止した。次に、内容器2の端
部2cと外容器外壁体4の端部4aを合わせ、内容器2
の内面のほぼ全面を支持する治具と外容器外壁体4の外
面のほぼ全面を支持する治具とにより内容器2と外容器
外壁体4とを押さえて、振動溶着機により、内容器2の
端部2cと外容器外壁体4の端部4aとを溶着した。こ
の容器1はガスバリアー性に優れるとともに、耐湿性に
も優れたものとなった。
【0061】次に蓋21を作製した。下面壁22は、上
層22bにポリエチレンビニルアルコール(商品名:エ
バール、クラレ製)、下層22aにポリプロピレンを用
いて、内外層22a、22bの厚みを共に1mmとし、
二色成形機により射出成形して作製した。上面壁下壁体
23は、ポリエチレンビニルアルコール(商品名:エバ
ール、クラレ製)を用い、厚みを1mmとし、上部中央
に径1mmの開孔部23bを形成しつつ射出成形により
作製した。さらに上面壁上壁体24をポリプロピレン
で、その厚みが1mmになるように射出成形により得
た。そして、下面壁22の上面にアルミ箔を両面テープ
により接着した。
【0062】次に下面壁22の上面を覆うように空間層
25を隔てて上面壁下壁体23を被せ、それぞれの端部
22c、23aを合わせ、下面壁22の下面のほぼ全面
を支持する治具と、上面壁下壁体23の上面のほぼ全面
を支持する治具により下面壁22と上面壁下壁体23を
押さえて、振動溶着機により下面壁22の端部22cと
上面壁下壁体23の端部23aを溶着して蓋用二重壁構
造体を得た。次に、排気ポンプが接続された排気系と低
熱伝導率ガスの供給系の切換えが可能で、かつ管路先端
にパッキンを配した装置に、蓋用二重壁構造体を配置
し、このパッキンを開孔部23bに押し当てて、開孔部
23bを外気と遮断した状態で排気系によって空間層5
内を10Torr程度に真空排気し、引き続いて低熱伝
導率ガスの供給系に切り換えて、空間層25内にクリプ
トンガスを充填した。開孔部23bにはシアノアクリレ
ート系の接着剤を垂らし、封止板29を接着して開孔部
23bを封止した。
【0063】次に、下面壁22の端部22cと上面壁上
壁体24の端部24aを合わせ、下面壁22の下面のほ
ぼ全面を支持する治具と上面壁上壁体24の上面のほぼ
全面を支持する治具とにより下面壁22と上面壁上壁体
24とを押さえて、振動溶着機により、下面壁22の端
部22cと上面壁上壁体24の端部24aとを溶着し
た。この蓋21はガスバリアー性に優れるとともに、耐
湿性にも優れたものとなった。この容器1に95℃の湯
を300cc入れ、蓋21を被せて20±2℃の部屋に
放置したところ、1時間後の湯温は72℃であった。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の合成樹脂
製断熱容器は、内容器と外容器とその間に形成された断
熱層を備えた断熱容器において、内容器と外容器のいず
れかを多層成形し、一方多層成形しない他方の容器を二
つの互いに沿う壁体で構成したものである。また本発明
の合成樹脂製断熱蓋は、上面壁と下面壁とその間に形成
された断熱層を備えた断熱蓋において、上面壁と下面壁
のいずれかを多層成形し、多層成形しない他方の壁は二
つの互いに添う壁体で構成したものである。本発明にお
いては、内容器と外容器のいずれか一方、あるいは上面
壁と下面壁のいずれか一方のみを2つの壁体で構成する
ので、内容器と外容器の両方、あるいは上面壁と下面壁
の両方を2つの壁体で構成する場合に比べて、クリアラ
ンスが片側だけとなるので、部品の保管や製品のスタッ
キング性が改善され、がたつきを防止するための構造を
設ける必要がなく、管理寸法が少なくなる。また、片側
に均等にクリアランスを設けることが容易となり、内外
容器あるいは上下面壁の溶着強度を一定にすることがで
きる。
【0065】特に内容器を多層成形とし、外容器を2つ
の壁体に分ける構成とすると、内容器側に内外壁体間の
クリアランスがなくなるため、容器内に熱い容器を注入
しても内容器平面部が膨れる現象がほとんど起こらな
い。
【0066】また上記多層成形において、断熱層側を高
ガスバリア性樹脂層とし、多層成形しない他方も断熱層
側を高ガスバリア性樹脂からなる壁体とすることによ
り、メッキ膜の形成が不要となり、断熱性能が高く耐久
性に優れ、製作が容易な合成樹脂製断熱容器や合成樹脂
製断熱蓋を安価に製造することができる。また、輻射防
止のためメッキを形成することがないので合成樹脂の回
収が容易にできるとともに、輻射防止材に用いる金属箔
の回収も容易となる。
【0067】また上記多層成形において、断熱層側を高
ガスバリア性樹脂層、大気側を耐湿性樹脂層とし、多層
成形しない他方も断熱層側を高ガスバリア性樹脂からな
る壁体、大気側を耐湿性樹脂からなる壁体で構成すれ
ば、高ガスバリア性樹脂で成形した層あるいは壁体を、
耐湿性樹脂で成形した他方の大気側の層あるいは壁体で
保護することができ、高ガスバリア性樹脂における高い
吸湿性や、吸湿に伴うガスバリア性、機械的強度の劣化
という問題が解決される。さらに上記多層成形を、内層
と外層とこれらの内外層の間の中間層、あるいは上層と
下層とこれらの内外層の間の中間層からなるサンドイッ
チ成形とし、中間層を高ガスバリア性樹脂で形成し、内
外層あるいは上下層を耐湿性樹脂で形成することによ
り、部品の保管期間における高ガスバリア性樹脂の吸湿
を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の合成樹脂製断熱容器と合成樹脂製断
熱蓋の一実施例を示す一部断面図である。
【図2】 図1に示した合成樹脂製断熱容器の底部中央
を拡大した一部断面図である。
【図3】 図1に示した合成樹脂製断熱容器の側面部を
拡大した断面図である。
【図4】 本発明の合成樹脂製断熱容器の内容器の別の
実施態様を示す一部断面図である。
【図5】 図4に示した合成樹脂製断熱容器の内容器の
側面部を拡大した断面図である。
【図6】 本発明の合成樹脂製断熱蓋の下面壁の別の実
施態様を示す一部断面図である。
【図7】 図6に示した合成樹脂製断熱容器の下面壁の
一部を拡大した断面図である。
【図8】 本発明の合成樹脂製断熱容器と合成樹脂製断
熱蓋の別の実施例を示す一部断面図である。
【図9】 本発明の合成樹脂製断熱容器の底部中央を拡
大した一部断面図である。
【図10】 図9に示した合成樹脂製断熱容器の側面部
を拡大した断面図である。
【図11】 本発明の合成樹脂製断熱容器の外容器の別
の実施態様を示す一部断面図である。
【図12】 図11に示した本発明の合成樹脂製断熱容
器の外容器の側面部を拡大した断面図である。
【図13】 本発明の合成樹脂製断熱蓋の上面壁の別の
実施態様を示す一部断面図である。
【図14】 図13に示した本発明の合成樹脂製断熱容
器の上面壁の一部を拡大した断面図である。
【符号の説明】
1…合成樹脂製断熱容器、2…内容器、2a…内層、2
b…外層、3…外容器内壁体、4…外容器外壁体、5…
空間層、6…断熱層、21…合成樹脂製断熱蓋、22…
下面壁、22a…下層、22b…上層、23…上面壁下
壁体、24…上面壁上壁体、25…空間層、26…断熱
層、42…内容器、42a…内層、42b…中間層、4
2c…外層、52…下面壁、52a…下層、52b…中
間層、52c…上層、61…合成樹脂製断熱容器、62
…内容器内壁体、63…内容器外壁体、64…外容器、
64a…内層、64b…外層、65…空間層、66…断
熱層、81…合成樹脂製断熱蓋、82…上面壁、82a
…下層、82b…上層、83…下面壁下壁体、84…下
面壁上壁体、85…空間層、86…断熱層、94…外容
器、94a…内層、94b…中間層、94c…外層 102…上面壁、102a…下層、102b…中間層、
102c…上層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A47J 41/02 104 A47J 41/02 104Z B29C 45/16 B29C 45/16 B32B 1/02 B32B 1/02 3/26 3/26 Z 7/02 105 7/02 105 C08J 7/04 C08J 7/04 P // B29L 22:00 (72)発明者 田中 篤彦 新潟県西蒲原郡吉田町大字下中野1435 日本酸素株式会社内 (72)発明者 蒲地 秀史 神奈川県川崎市幸区塚越4−320 日本 酸素株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−236620(JP,A) 実開 平3−17081(JP,U) 実開 昭57−68998(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65D 81/38 A01K 97/20 501 A45C 11/20 A47G 19/00 A47J 41/02 102 A47J 41/02 104 B29C 45/16 B32B 1/02 B32B 7/02 105 C08J 7/04

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内壁体と該内壁体の外側を覆う外壁体と
    からなる外容器と、異なる合成樹脂材料で多層成形され
    た内容器とを備え、 前記内容器が前記外容器内壁体に空間層を隔てて収容さ
    れて前記外容器内壁体と一体に接合され、前記空間層に
    キセノン、クリプトン、アルゴンのうちの少なくとも1
    種よりなる低熱伝導率ガスが封入されて断熱層が形成さ
    れ、さらに前記外容器外壁体と前記内容器とが各々の端
    部で接合されてなることを特徴とする合成樹脂製断熱容
    器。
  2. 【請求項2】 前記内容器が、内層と外層が異なる合成
    樹脂材料で二色成形され、かつ内容器外層と前記外容器
    内壁体が高ガスバリア性樹脂で形成され、内容器内層と
    外容器外壁体が耐湿性樹脂で形成されてなることを特徴
    とする請求項1記載の合成樹脂製断熱容器。
  3. 【請求項3】 前記内容器が内層と外層とこれらの内外
    層の間の中間層とを有し、該内外層と中間層が異なる合
    成樹脂材料でサンドイッチ成形されてなり、 かつ内容器内層、内容器外層、および外容器外壁体が耐
    湿性樹脂で形成され、 内容器中間層と外容器内壁体が高ガスバリア性樹脂で形
    成されてなることを特徴とする請求項1記載の合成樹脂
    製断熱容器。
  4. 【請求項4】 外壁体と該外壁体の内側を覆う内壁体と
    からなる内容器と、異なる合成樹脂材料で多層成形され
    た外容器とを備え、 前記内容器外壁体が前記外容器に空間層を隔てて収容さ
    れて前記外容器と一体に接合され、前記空間層にキセノ
    ン、クリプトン、アルゴンのうちの少なくとも1種より
    なる低熱伝導率ガスが封入されて断熱層が形成され、さ
    らに前記内容器内壁体と前記外容器とが各々の端部で接
    合されてなることを特徴とする合成樹脂製断熱容器。
  5. 【請求項5】 前記外容器が、内層と外層が異なる合成
    樹脂材料で二色成形されてなり、外容器内層と内容器外
    壁体を高ガスバリア性樹脂で形成し、外容器外層と内容
    器内壁体を耐湿性樹脂で形成してなることを特徴とする
    請求項4記載の合成樹脂製断熱容器。
  6. 【請求項6】 前記外容器が、内層と外層とこれらの内
    外層の間の中間層とを有し、該内外層と中間層が異なる
    合成樹脂材料でサンドイッチ成形されてなり、外容器の
    内層と外層と内容器内壁体を耐湿性樹脂で形成し、外容
    器の中間層と内容器外壁体を高ガスバリア性樹脂で形成
    してなることを特徴とする請求項4記載の合成樹脂製断
    熱容器。
  7. 【請求項7】 下壁体と該下壁体の上側を覆う上壁体と
    からなる上面壁と、異なる合成樹脂材料で多層成形され
    た下面壁とを備え、 前記下面壁と前記上面壁下壁体は空間層を隔てて一体に
    接合され、該空間層にキセノン、クリプトン、アルゴン
    のうちの少なくとも1種よりなる低熱伝導率ガスが封入
    されて断熱層が形成され、さらに前記上面壁上壁体と前
    記下面壁とが各々の端部で接合されてなることを特徴と
    する合成樹脂製断熱蓋。
  8. 【請求項8】 前記下面壁が、上層と下層が異なる合成
    樹脂材料で二色成形されてなり、下面壁上層と上面壁下
    壁体を高ガスバリア性樹脂で形成し、下面壁下層と上面
    壁上壁体を耐湿性樹脂で形成してなることを特徴とする
    請求項7記載の合成樹脂製断熱蓋。
  9. 【請求項9】 前記下面壁が上層と下層とこれらの上下
    層の間の中間層とを有し、該上下層と中間層が異なる合
    成樹脂材料でサンドイッチ成形されてなり、下面壁の上
    下層と上面壁上壁体を耐湿性樹脂で形成し、下面壁の中
    間層と上面壁下壁体を高ガスバリア性樹脂で形成してな
    ることを特徴とする請求項7記載の合成樹脂製断熱蓋。
  10. 【請求項10】 上壁体と該上壁体の下側を覆う下壁体
    からなる下面壁と、異なる合成樹脂材料で多層成形され
    た上面壁とを備え、 前記上面壁と前記下面壁上壁体は空間層を隔てて一体に
    接合され、該空間層にキセノン、クリプトン、アルゴン
    のうちの少なくとも1種よりなる低熱伝導率ガスが封入
    されて断熱層が形成され、さらに前記下面壁下壁体と前
    記上面壁とが各々の端部で接合されてなることを特徴と
    する合成樹脂製断熱蓋。
  11. 【請求項11】 前記上面壁が、上層と下層が異なる合
    成樹脂材料で二色成形されてなり、上面壁下層と下面壁
    上壁体を高ガスバリア性樹脂で形成し、上面壁上層と下
    面壁下壁体を耐湿性樹脂で形成してなることを特徴とす
    る請求項10記載の合成樹脂製断熱蓋。
  12. 【請求項12】 前記上面壁が上層と下層とこれらの上
    下層の間の中間層とを有し、該上下層と中間層が異なる
    合成樹脂材料でサンドイッチ成形されてなり、上面壁の
    上下層と下面壁下壁体を耐湿性樹脂で形成し、上面壁の
    中間層と下面壁上壁体を高ガスバリア性樹脂で形成して
    なることを特徴とする請求項10記載の合成樹脂製断熱
    蓋。
JP8237073A 1996-09-06 1996-09-06 合成樹脂製断熱容器および合成樹脂製断熱蓋 Expired - Fee Related JP3049209B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8237073A JP3049209B2 (ja) 1996-09-06 1996-09-06 合成樹脂製断熱容器および合成樹脂製断熱蓋
KR1019970041066A KR19980024184A (ko) 1996-09-06 1997-08-26 합성수지제 단열 용기 및 합성수지제 단열 뚜껑
EP97115111A EP0827708A1 (en) 1996-09-06 1997-09-01 Thermally insulated synthetic resin container and thermally insulated synthetic resin lid
CA 2214609 CA2214609A1 (en) 1996-09-06 1997-09-03 Thermally insulated synthetic resin container and thermally insulated synthetic resin lid
TW086112824A TW337991B (en) 1996-09-06 1997-09-05 Synthetic resin thermal insulatiion container and synthetic resin insulation cap
CN 97122791 CN1181225A (zh) 1996-09-06 1997-09-06 合成树脂制隔热容器和合成树脂制隔热盖

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8237073A JP3049209B2 (ja) 1996-09-06 1996-09-06 合成樹脂製断熱容器および合成樹脂製断熱蓋

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1081372A JPH1081372A (ja) 1998-03-31
JP3049209B2 true JP3049209B2 (ja) 2000-06-05

Family

ID=17010022

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8237073A Expired - Fee Related JP3049209B2 (ja) 1996-09-06 1996-09-06 合成樹脂製断熱容器および合成樹脂製断熱蓋

Country Status (6)

Country Link
EP (1) EP0827708A1 (ja)
JP (1) JP3049209B2 (ja)
KR (1) KR19980024184A (ja)
CN (1) CN1181225A (ja)
CA (1) CA2214609A1 (ja)
TW (1) TW337991B (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3418543B2 (ja) * 1998-03-05 2003-06-23 日本酸素株式会社 合成樹脂製断熱容器とその製造方法
JP6386771B2 (ja) * 2014-04-17 2018-09-05 昭和電工パッケージング株式会社 恒温容器
CN109941613A (zh) * 2019-05-07 2019-06-28 广东顺德柏杉电器科技有限公司 一种保鲜装置
WO2021044189A1 (es) * 2019-09-04 2021-03-11 Multidimensionales S.A.S. Contenedor que no colapsa por cambios de temperatura o presión, a base de una resina plástica de post-consumo o virgen o una mezcla de ambos para almacenar alimentos
CN113337195B (zh) * 2021-05-31 2022-02-22 石家庄市海燕包装材料有限公司 塑料用离型油、干拌速食碗盖的加工工艺及干拌速食碗盖
JP2023113242A (ja) * 2022-02-03 2023-08-16 三菱瓦斯化学株式会社 多層容器、二層プリフォームの製造方法および多層容器の製造方法
JP2023113241A (ja) * 2022-02-03 2023-08-16 三菱瓦斯化学株式会社 多層容器、二層プリフォームの製造方法、および、多層容器の製造方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2643021A (en) * 1950-05-24 1953-06-23 Ezekiel Jacob J Heat insulating container
GB1527611A (en) * 1974-08-22 1978-10-04 Toppan Printing Co Ltd Containers
SE465417B (sv) * 1984-06-21 1991-09-09 Toyo Seikan Kaisha Ltd Plastbehaallare framstaelld av laminat innefattande ett gasbarriaerskikt
JP2920060B2 (ja) * 1994-02-03 1999-07-19 日本酸素株式会社 断熱容器とその製造方法
JP3049204B2 (ja) * 1995-05-10 2000-06-05 日本酸素株式会社 合成樹脂製断熱二重壁容器
KR100260956B1 (ko) * 1995-09-13 2000-09-01 쓰치야 히로오 합성수지제 단열 이중벽 용기 및 합성수지제 단열 이중벽 덮개

Also Published As

Publication number Publication date
CA2214609A1 (en) 1998-03-06
EP0827708A1 (en) 1998-03-11
TW337991B (en) 1998-08-11
CN1181225A (zh) 1998-05-13
KR19980024184A (ko) 1998-07-06
JPH1081372A (ja) 1998-03-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3049204B2 (ja) 合成樹脂製断熱二重壁容器
US5896641A (en) Method of manufacturing a spaced-wall container including a thermally insulating gas-filled bladder
KR100260956B1 (ko) 합성수지제 단열 이중벽 용기 및 합성수지제 단열 이중벽 덮개
US6179155B1 (en) Insulated vessel and method of production therefor
US5273801A (en) Thermoformed vacuum insulation container
WO1998005573A1 (fr) Recipient thermoisolant en resine synthetique et couvercle thermoisolant en resine synthetique
KR100288007B1 (ko) 합성수지제 단열 용기 및 합성수지제 단열 뚜껑
JP3049209B2 (ja) 合成樹脂製断熱容器および合成樹脂製断熱蓋
WO1987005563A1 (en) Plastics films
KR100239158B1 (ko) 단열용기와 단열재료 및 단열용기의 제조방법
KR100221279B1 (ko) 합성수지제 단열 용기 및 합성수지제 단열 덮개
JP2945342B2 (ja) 合成樹脂製断熱容器と合成樹脂製断熱蓋
JPH0820034B2 (ja) 断熱体の製造方法
JP2006206167A (ja) 発泡樹脂成形容器と袋状のガスバリアシート
EP0734674B1 (en) Insulated container and manufacturing method of the insulated container
JPH1122896A (ja) 真空断熱材
JP2694356B2 (ja) 断熱構造体
JP2986924B2 (ja) 合成樹脂製断熱容器および合成樹脂製断熱蓋
JPH06337091A (ja) 真空断熱材パック
KR19980078092A (ko) 진공단열재용 필름복합체
JP2008089098A (ja) 真空断熱物品及びその製造方法
JPH0798091A (ja) 真空断熱体
JP2001054477A (ja) 断熱容器およびその製造方法
JPH07149378A (ja) 断熱容器とその製造方法
JP2005206212A (ja) 発泡樹脂成形容器とそこに用いるガスバリアシート

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20000215

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees