JP2986924B2 - 合成樹脂製断熱容器および合成樹脂製断熱蓋 - Google Patents

合成樹脂製断熱容器および合成樹脂製断熱蓋

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孝文 藤井
雅司 山田
憲輔 古山
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、魔法瓶、クーラーボックス、アイスボック
ス、断熱コップ、保温弁当箱等に使用される断熱容器お
よび断熱蓋に関し、詳しくは低熱伝導率ガスが封入され
た断熱層を挟む二重壁構造を有する合成樹脂製断熱容器
あるいは合成樹脂製断熱蓋で、二重壁構造の一方の壁の
断熱層側に、ガス置換時に弾性変形する他方の壁を支え
るための密着防止突起を形成し、効率的なガス置換を可
能として、良好な断熱性能を有する合成樹脂製断熱容器
および合成樹脂製断熱蓋に関する。
背景技術 従来より、魔法瓶や保温弁当箱などに用いられる断熱
容器において、軽量、成形の容易性、製造コストの低い
利点を有する合成樹脂製断熱容器の開発が進められてい
る。このような合成樹脂製断熱容器として、以外の構成
の容器体とこれに係合する蓋体からなる蓋付容器が提供
されている。その容器体は内容器と外容器を合成樹脂で
形成し、内容器とそれよりも寸法の大きい外容器とを空
間をもたせて組み合わせ、それら内・外容器をそれぞれ
の口元で結合して二重壁容器とし、その内・外容器の間
に形成される空間部に、キセノン、クリプトン、アルゴ
ンのうちの少なくとも1種からなる低熱伝導率ガスを封
入してなる断熱容器である。また同様にして蓋体は、上
面壁と下面壁を合成樹脂で形成し、下面壁とそれよりも
寸法の大きい上面壁とを空間をもたせて組み合わせ、こ
れら上・下面壁をそれぞれの口元で結合して二重壁蓋と
し、その上・下面壁の空隙に、キセノン、クリプトン、
アルゴンのうちの少なくとも1種からなる低熱伝導率ガ
スを封入してなる断熱蓋である。
前記合成樹脂製断熱容器は、内・外容器を結合して二
重壁容器とした後、この内・外容器の間に形成される空
間部からの真空排気工程とそれに続くガス充填工程を要
するので、そのために排気口、ガス充填口となる貫通孔
(以下貫通孔という)が、内容器あるいは外容器のいず
れかに設けられる。
同様に前記合成樹脂製断熱蓋も、上・下面壁を結合し
て二重壁蓋とした後、この上・下面壁の間に形成される
空間部からの真空排気工程とそれに続くガス充填工程を
要するので、そのために排気口、ガス充填口となる貫通
孔が、上面壁あるいは下面壁のいずれかに設けられる。
上記構成の内・外容器間、あるいは上・下面壁間の断
熱層内を真空排気する際に、内部の圧力の低下にともな
い、大気圧の荷重によって内容器と外容器、上面壁と下
面壁が変形して断熱層の幅が徐々に狭くなる。このた
め、これらの断熱層側の面、すなわち内容器の外面と外
容器の内面、あるいは下面壁の上面と下面壁の下面が接
触して、ガス置換用の貫通孔を塞いでしまうという問題
があった。そして貫通孔が塞がれると以下のような不都
合が生じる。
まず、排気工程において、排気抵抗が大きくなって十
分な真空度が得られるまでに長時間を要する。また貫通
孔の閉塞の度合いは一様ではないため、排気時間の設定
が難しい。もし排気時間の設定値が短い場合には真空度
が低くなり、真空排気後に導入される低熱伝導率ガスを
十分に導入することができない。
また真空排気できた場合でも、その後のガス充填工程
において、塞がれた穴が低熱伝導率ガスを封入する抵抗
となり、設定時間中に低熱伝導率ガスの導入が終わら
ず、減圧状態のまま大気開放されるため、低熱伝導率ガ
スが十分に導入できない。
さらに、食品のようなシンメトリック構造の容器を射
出成形する場合には、充填性が良く、ウェルド発生が少
なく、成形加工後の偏心を最も小さくできることから、
一般に底面中央にゲートを設けている。
しかし、二重壁構造の場合には、上述のごとく真空排
気工程において、大気圧の影響で、内容器底面中央にあ
るゲート(特にピンゲート)が外容器底部中央にあるガ
ス置換用孔にはまり込んで孔を塞いで、真空排気が不可
能となる。このため、容器の成形においてピンゲートを
用いることが制限され、成形の自動化、サイクルタイム
の安定化に問題があった。
このような真空排気による変形を避けるため、これま
では容器あるいは蓋の肉厚を厚く成形する必要があっ
た。例えば材質がポリカーボネートの場合には3mm前後
の肉厚を必要とした。しかしながら肉厚を厚くすること
はコスト高になる他、肉厚が厚くなる分、断熱空間層を
狭くするか、内・外容器あるいは上・下面壁を大きく形
成する必要があった。断熱層を狭くする場合は、保温保
冷効果を損ない、また容器を大きくする場合には有効容
積率が悪化して、保管場所を増加し上げ底感を助長して
しまうという問題があった。
発明の開示 本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、二重壁構
造を有する容器および蓋の空間部の真空排気において、
空間部両側の壁(内・外容器あるいは上・下面壁など)
が変形しても前記貫通孔が塞がれず、真空排気およびガ
ス置換を効率的に行うことができる構造の合成樹脂製断
熱容器と断熱蓋を提供することを目的としている。
本発明の合成樹脂製断熱容器は、内容器と外容器とを
一体に接合した二重壁容器の内容器と外容器との間に形
成される空間部に空気より熱伝導率の小さい低熱伝導率
ガスを封入した断熱層を形成してなる合成樹脂製断熱容
器において、内容器と外容器のいずれか一方の容器の底
部中央部にガス置換用貫通孔が形成され、該ガス置換用
貫通孔の近傍に、該ガス置換用貫通孔が形成された面及
び対向する面の少なくとも一つの面から前記断熱層側に
向けて突出した密着防止突起が設けられたことを特徴と
している。
あるいは、本発明の合成樹脂製断熱容器、内容器と外
容器とを一体に接合した二重壁容器の内容器と外容器と
の間に形成される空間部に、内壁体の外壁体とを一体に
接合した二重壁構造を有し前記内壁体と外壁体との間に
形成される空間部に空気より熱伝導率の小さい低熱伝導
率ガスを封入して断熱層を形成してなる断熱層体が収納
された合成樹脂製断熱容器において、内壁体と外壁体の
いずれか一方の壁体の底部中央部にガス置換用貫通孔が
形成され、該ガス置換用貫通孔の近傍に、該ガス置換用
貫通孔が形成された面及び対向する面の少なくとも一つ
の面から前記断熱層側に向けて突出した密着防止突起が
設けられたことを特徴としている。
さらに、本発明の合成樹脂製断熱容器は、機能特性の
異なる合成樹脂を層状にして多色成形にて成形されてな
る内、外容器を、一体に接合した二重壁容器の内容器と
外容器との間に形成される空間部に、空気より熱伝導率
の小さい低熱伝導率ガスを封入して断熱層を形成してな
る合成樹脂製断熱容器において、内容器の外層と外容器
の内層のいずれか一方の容器の前記層の底部中央にガス
置換用貫通孔が形成され、該ガス置換用貫通孔の近傍
に、該ガス置換用貫通孔が形成された面及び対向する面
の少なくとも一つの面から前記断熱層側に向けて突出し
た密着防止突起が設けられたことを特徴としている。
本発明の合成樹脂製断熱蓋は、上面壁と下面壁とを一
体に接合した二重壁蓋の上面壁と下面壁との間に形成さ
れる空間部に空気より熱伝導率の小さい低熱伝導率ガス
を封入した断熱層を形成してなる合成樹脂製断熱蓋にお
いて、上面壁と下面壁の一方の壁中央部にガス置換用貫
通孔が形成され、該ガス置換用貫通孔の近傍に、該ガス
置換用貫通孔が形成された面及び対向する面の少なくと
も一つの面から前記断熱層側に向けて突出した密着防止
突起が設けられたことを特徴としている。
あるいは、本発明の合成樹脂製断熱蓋は、上面壁下面
壁とを一体に接合した二重壁蓋の上面壁と下面壁との間
に形成される空間部に、上壁体と下壁体とを一体に接合
した二重壁構造を有し前記上壁体と下壁体との間に形成
される空間部に空気より熱伝導率の小さい低熱伝導率ガ
スを封入して断熱層を形成してなる蓋用断熱層体が収納
された合成樹脂製断熱蓋において、上壁体と下壁体の一
方の壁体中央部にガス置換用貫通孔が形成され、該ガス
置換用貫通孔の近傍に、該ガス置換用貫通孔が形成され
た面及び対向する面の少なくとも一つの面から前記断熱
層側に向けて突出した密着防止突起が設けられたことを
特徴としている。
さらに、本発明の合成樹脂製断熱蓋は、機能特性の異
なる合成樹脂を層状にして多色成形にて成形されてなる
上面壁と下面壁とを、一体に接合した二重壁容器の上面
壁と下面壁との間に形成される空間部に、空気より熱伝
導率の小さい低熱伝導率ガスを封入して断熱層を形成し
てなる合成樹脂製断熱蓋において、上面壁と下面壁の一
方の壁の中央部にガス置換用貫通孔が形成され、該ガス
置換用貫通孔の近傍に、該ガス置換用貫通孔が形成され
た面及び対向する面の少なくとも一つの面から前記断熱
層側に向けて突出した密着防止突起が設けられたことを
特徴としている。
そして前記した各密着防止突起の先端の少なくとも一
部が、対向面から離間するように構成しても良い。
図面の簡単な説明 図1は、本発明の合成樹脂製断熱容器と合成樹脂製断
熱蓋の一実施例を示す一部断面図である。
図2は、本発明の合成樹脂製断熱容器の内容器の断面
図である。
図3は、図2に示した、本発明の合成樹脂製断熱容器
の内容器の下面図である。
図4は、本発明の合成樹脂製断熱容器の内容器の外面
中央部に設けられた密着防止突起の一例を示すもので、
(a)は密着防止突起の下面図、(b)は内容器の底面
中央の側面図である。
図5は、本発明の合成樹脂製断熱容器の内容器の外面
中央部に設けられた密着防止突起の別の例を示すもの
で、(a)は密着防止突起の下面図、(b)は内容器の
底面中央の側面図である。
図6は、本発明の合成樹脂製断熱容器の内容器の外面
中央部に設けられた密着防止突起の更に別の例を示す斜
視図である。
図7は、本発明の合成樹脂製断熱蓋の上面壁の断面図
である。
図8は、図7に示した本発明の合成樹脂製断熱蓋の上
面壁の下面図である。
図9は、本発明の合成樹脂製断熱蓋の上面壁の下面に
設けられた密着防止突起の一例を示すもので、(a)は
密着防止突起の下面図、(b)は上面壁の上面中央の側
面図である。
図10は、本発明の合成樹脂製断熱蓋の上面壁の下面に
設けられた密着防止突起の別の例を示すもので、(a)
は密着防止突起の下面図、(b)は上面壁の上面中央の
側面図である。
図11は、本発明の合成樹脂製断熱蓋の上面壁の下面に
設けられた密着防止突起の更に別の例を示すもので、
(a)は密着防止突起の下面図、(b)は上面壁の下面
中央の部分断面図である。
図12は、本発明の合成樹脂製断熱容器と合成樹脂製断
熱蓋の別の実施例を示す一部断面図である。
図13は、図12に示した本発明の合成樹脂製断熱容器の
底部中央を拡大した部分断面図である。
図14は、図12に示した、本発明の合成樹脂製断熱蓋の
上面中央を拡大した部分断面図である。
図15は、本発明の合成樹脂製断熱容器の内壁体の外面
中央部に設けられた密着防止突起の一例を示すもので、
(a)は密着防止突起の下面図、(b)は内容器の底面
中央の側面図である。
図16は、本発明の合成樹脂製断熱容器の内壁体の外面
中央部に設けられた密着防止突起の別の例を示すもの
で、(a)は密着防止突起の下面図、(b)は内容器の
底面中央の側面図である。
図17は、本発明の合成樹脂製断熱蓋の下壁体の上面に
設けられた密着防止突起の一例を示すもので、(a)は
密着防止突起の上面図、(b)は下面壁の上面中央の側
面図である。
図18は、本発明の合成樹脂製断熱蓋の下壁体の上面に
設けられた密着防止突起の別の例を示すもので、(a)
は密着防止突起の上面図、(b)は下面壁の上面中央の
側面図である。
図19は、本発明の多色成形された合成樹脂製断熱容器
と合成樹脂製断熱蓋の実施例を示す一部断面図である。
図20は、図19に示した本発明の多色成形された合成樹
脂製断熱容器の底部中央の拡大した一部断面図である。
図21は、本発明の多色成形された合成樹脂製断熱容器
の内容器の外層中央部に設けられた密着防止突起の一例
を示すもので、(a)は密着防止突起の下面図、(b)
は内容器の底面中央の側面図である。
図22は、本発明の多色成形された合成樹脂製断熱容器
の内容器の外層中央部に設けられた密着防止突起の別の
例を示すもので、(a)は密着防止突起の下面図、
(b)は内容器の底面中央の側面図である。
図23は、本発明の多色成形された合成樹脂製断熱蓋の
上面壁の下層に設けられた密着防止突起の一例を示すも
ので、(a)は密着防止突起の下面図、(b)は上面壁
の上面中央の側面図である。
図24は、本発明の多色成形された合成樹脂製断熱蓋の
上面壁の下層に設けられた密着防止突起の別の例を示す
もので、(a)は密着防止突起の下面図、(b)は上面
壁の上面中央の側面図である。
図25は、本発明の合成樹脂製断熱容器の製造工程を説
明するための図であって、空間部のガス置換のため、容
器の底部にガス置換用治具を取り付けた状態を示す図で
ある。
図26は、本発明の合成樹脂製断熱容器の製造工程を説
明するための図であって、空間部を真空排気した時の状
態を示す図である。
発明を実施するための最良の形態 本発明の合成樹脂製断熱容器(以下断熱容器という)
および合成樹脂製断熱蓋(以下断熱蓋という)は、低熱
伝導率ガスが封入された断熱層を挟む二重壁構造を有す
る断熱容器あるいは断熱蓋の一方の壁の断熱層側に、ガ
ス置換時に弾性変形する他方の壁を支えるための密着防
止突起が形成されたものであり、この密着防止突起によ
り、ガス置換用貫通孔が断熱層を挟んだ対向面あるいは
該対向面に形成されたピンゲートによって閉塞されるこ
とを防ぐものである。
以下図面を参照して、本発明をさらに詳しく説明す
る。
図1は本発明の断熱容器1およびこの断熱容器1の開
口部を係合可能に覆う断熱蓋2の好適な実施の形態を示
すものである。
この断熱容器1は耐熱水性のポリカーボネート樹脂、
ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂、ポリエステル樹脂等で
射出成形で成形された外容器3と内容器4からなり、内
・外容器の間の空間部5を断熱層6とする二重壁構造の
どんぶり状または椀状の断熱容器である。外容器3と内
容器4はピンゲート方式により射出成形されたものであ
る。
外容器3底部の中央には貫通孔7が形成され、貫通孔
7の周囲には外容器3の外面側に貫通孔7を中心に同心
円状に凹部8が形成される。この凹部8は封止板9を嵌
合するためのものである。そして、外容器3の底部の中
央近傍の肉厚が他の部位と同等になるように、この凹部
8と対応して外容器3の内面側(断熱層側)に凸部10が
貫通孔7を中心に同心円状に形成されている。
外容器3底部中央部の肉厚を他の部分の肉厚とほぼ均
一になるように成形すると、外容器3底部の中央部の強
度を損なわないようにすることができ、クーラーボック
スや保温弁当箱等に比べて内・外容器の肉厚を薄くしな
ければならない二重壁容器からなる食品の場合に特に有
効である。
前記凹部8は封止板9を嵌合接着するためのもので、
凹部8の深さは、内・外容器と同じ樹脂で形成される封
止板9の厚みと同じになるように形成されている。この
ような構成により、断熱容器1を組み上げたとき、断熱
容器1の底部を平滑にすることが可能となり、外観上あ
るいは取扱い上優れており、洗浄も容易である。
前記貫通孔7は、外容器3底部に設けられており、断
熱容器1の製造工程において、内・外容器を接合して二
重壁容器とした後、低熱伝導率ガスで置換封入するため
排出および導入口とされ、封入後接着剤で封止されたも
のである。この貫通孔7の径は、封止の工程で、接着剤
が垂れ落ちないようにするために0.1〜3mmであることが
望ましい。
図1に示した例は、中心に貫通孔7が形成された凹部
8を外容器3に設けた例を示したが、これに代えて内容
器に設けてもよい。好ましくは製造工程の作業性の便宜
上および美観上から、外容器3の底部中央に形成するの
が望ましい。
前記外容器3と内容器4は、それぞれの端部11、12に
おいて、振動溶着あるいはスピン溶着などの方法で、二
重壁容器となるように接合されている。このように振動
溶着あるいはピストン溶着によって接合されているの
で、内・外容器の接合部の密閉度が高く、その接合強度
も大きい。
外容器3と内容器4の間に形成された断熱層6には、
キセノン、クリプトン、アルゴンのうち少なくとも1種
の低熱伝導率ガスが封入されている。これらのガスの熱
伝導度はキセノン(k=0.52×10-2W・m-1・K-1;0
℃)、クリプトン(k=0.87×10-2W・m-1;K-1;0℃)、
アルゴン(k=1.63×10-2W・m-1・K-1;0℃)で、空気
(k=2.41×10-2W・m-1・K-1;0℃)よりも小さい。そ
れらのガスはを単独で用いたり、2種以上の混合ガスに
して用いることができる。これらの低熱伝導率ガスを用
いることにより、断熱性能の高い断熱容器にすることが
できる。
前記貫通孔7、外容器3の凹部8への封止板9の嵌合
接着により封止されている。なお、貫通孔7はシアノア
クリレート系の接着剤で封止後、封止板9にシアノアク
リレート系の接着剤を付してこれを外容器3の凹部8に
嵌合接着してもよい。いずれの場合も貫通孔7の封止部
が外部より保護される。また、凹部8に封止板9が嵌合
接着されるので、二重壁容器製造の際に封止板9の位置
決めも容易になり、封止板9が位置ズレすることもな
い。
内容器4と外容器3の間に形成される空間部5に面す
る面には、少なくとも内容器4の表面に金属製の輻射防
止材13が設けられており、これにより断熱容器の輻射伝
熱を抑えることができる。さらに図1に示すように外容
器3の内面にも輻射防止材13を設けておけば、輻射伝熱
をより少なくすることができる。
前記輻射防止材13としては、メッキ膜、アルミ箔、銅
箔、銀箔のうちから選ばれた1種が用いられる。アルミ
箔、銅箔、銀箔などの金属箔は、接着剤や両面テープに
より取り付けることができ、安価にしかも簡易に取り付
けることができる。また、メッキ膜は化学メッキの上に
電気メッキで付けられる。メッキ膜の場合は輻射伝熱の
低減化に加えて、ガスバリアー性を高めるという利点も
ある。
前記内容器の外面側の底部中央近傍には、密着防止突
起14が形成されている。
この密着防止突起14は、上述のごとく断熱容器1の製
造工程において、内容器4と外容器3を結合して二重壁
容器を形成した後に貫通孔7から空間部5の空気を真空
排気する際、外容器3を断熱層6側から支えるものであ
る。これによって、内容器4の外面と外容器3の内面が
大気圧荷重を受けて弾性変形しても、外容器3に設けた
貫通孔7を内容器4のピンゲート跡によって塞ぐことを
防止する。
図2および図3に、貫通孔7に対して空間部を挟んで
対向する側すなわち内容器4の外面に、1個の円柱状の
密着防止突起14を立設した例を、内容器の低面中央の側
面図、下面図として示す。これらの図は、いずれも後述
する輻射防止材を設ける前の状態の内容器4を示したも
のである。
この密着防止突起14は外容器3と内容器4が真空排気
の際に弾性変形したときに、貫通孔7を塞がない位置に
設けられることが必要で、かつ貫通孔7になるべく近い
位置に設けられることが好ましい。密着防止突起14の数
は複数でも良く、密着防止突起14を複数個設ければ、特
に底面がより広い平面形状の場合においても、貫通孔7
の閉塞を防止することができる。
密着防止突起14の先端は、少なくともその一部が、密
着防止突起14と対向する外容器3の内面と離間している
ことが好ましい。これにより真空排気後、低熱伝導ガス
の封入により内・外容器4、3が元の形状に復帰したと
き、密着防止突起14の先端と外容器3の内面との接触に
よる断熱容器1の断熱性能低下が防止できる。
図4および図5に、密着防止突起14の形状として、内
容器4の外面に断熱層6側が開口した円筒状体を配し、
この周壁に真空排気およびガス充填のための通気路とな
るスリットあるいは切り欠きを設けた例を、内容器4の
外面中央の下面図と側面図で示す。
図4に示した例は、密着防止突起14の形状を断熱層6
側が開口した円筒状体とし、この円筒状体に、円筒状体
の基端に達する長さで、幅1〜3mm程度のスリット15,1
5,15を設けたものである。スリット15の数や位置はこれ
に限定されない。
図5に示した例は、密着防止突起14の形状を断熱層6
側が開口した円筒状体とし、この円筒状体先端に、複数
の切り欠き16…を設けたものである。切り欠き16の数や
位置はこれに限定されない。
また、円筒状の密着防止突起14の側面に直径1〜3mm
程度の穴を設けてもよい。穴の数や位置は特に限定され
ない。なお、円筒状形状はこれに限定されるものでな
く、楕円筒、角筒状でもよく、同様に密着防止の作用効
果を奏する。
図6に別の形状の密着防止突起14の例を図示する。こ
の密着防止突起14の形状は、断熱層側に凸状態として放
射状に延出する突起17を配置したものである。この放射
状突起17の突出高さは断熱空間層5(6)の距離より短
く、そしてその突起17の数は特定の数に限定されない。
またこの放射状の突起17の長さについても空間部に収ま
れば良く、特に限定されるものではない。
図4、図5のように構成された密着防止突起14を設け
れば、真空排気の際に、密着防止突起14に形成されたス
リット15や切り欠き16、穴が通気路として機能し、真空
排気が効率的に行われるので好ましい。また低熱伝導率
ガスを充填するときも、スリット15、切り欠き16、穴が
通気路となって充填されるので、充填が遅れることがな
い。
また図6のように放射状に構成された突起17よりなる
密着防止突起14を設ければ、真空排気の際に放射状に延
びる突起17間が通気路になり、真空排気が極めて速やか
に行われる。また低熱伝導率ガスの充填の際にも、放射
状の突起17間が通気路となって極めて容易に充填するこ
とが出来る。
さらに、この放射状の突起17を密着防止突起14として
用いると、外容器3と内容器4とのそれぞれの端部を振
動溶着あるいはピストン溶着で接合して一体化した二重
壁構造の容器を溶着機より取り外す場合、外容器3の底
部を突き出し治具で押しても、前記放射状突起17によっ
て支えられて、外容器3が変形するのを防止することが
出来、亀裂等の発生を防ぐことが出来る。
また例えば本発明で得られる断熱容器1に熱い飲料等
を入れた場合、外容器3と内容器4との間に形成されて
いる空間部5に封入されている低熱で伝導率ガスが膨張
する。これによって、平面で形成されていて圧力負荷に
よる強度が弱い底部に荷重が負荷される。しかし、前記
図6の放射状突起17を密着防止突起14として底部に配置
することにより、前記膨張による圧力負荷に対応する強
度が得られて、内容器4や外容器3の底部の肉厚を厚く
することを必要とせず、薄肉に設計することが出来る。
この結果軽量化やコストの低減化をすることが出来る。
このようなことは、前記した熱い飲料を入れた場合だけ
ではなく、容器の使用後の、熱湯による洗浄や、消毒、
あるいは乾燥機による乾燥の際にも同様な効果を発揮す
る。
いずれの形状の密着防止突起14の場合も、密着防止突
起14の先端面の面積が広い方が、真空排気時の圧力をこ
の面で広く均等に支えることができるので、対向面の
傷、破損防止の観点から好ましい。したがって密着防止
突起の先端形状は平面もしくは曲面になっていることが
好ましい。
図2、図3、図4、図5、及び図6に示した密着防止
突起14は、空間部5を挟んで貫通孔7に対向する内容器
4外面に形成されているが、これに代えて、貫通孔7と
同じ側の外容器3内面(断熱層6側)に同様の構成の密
着防止突起14を設けることもできる。また内・外容器
4、3の前記面の両方に設けてもよい。
密着防止突起14を内容器4と外容器3の両方に形成す
る場合は、密着防止突起14の長さが同じになるようにす
ることが好ましい。また密着防止突起14を図4または図
5に示したような筒状体として外容器3と内容器4の両
方に設ける場合には、双方の密着防止突起が貫通孔7を
中心に同心円状になるように形成することが好ましい。
また図6に示したような放射状の突起17を密着防止突起
14として外容器3と内容器4との両方に設ける場合に
は、真空排気時に外容器3の放射状突起17と内容器4の
放射状突起17が接触しないように配置することが望まし
い。
次に図1に示した断熱蓋2について説明する。この断
熱蓋2はポリカーボネートとポリエステルとの混合樹脂
などの樹脂で射出成形された上面壁21と下面壁22からな
り、上・下面壁の間の空間部23を断熱層24とする帽子状
のものである。上面壁21と下面壁22はピンゲート方式に
より射出成形されたものである。
下面壁22の中央には貫通孔25が形成され、貫通孔25の
周囲には下面壁22の下面側に貫通孔25を中心に同心円状
に凹部26が形成される。この凹部26は封止板27を嵌合す
るためのものである。そして、下面壁22の底部の中央近
傍の肉厚が他の部位と同等になるように、この凹部26と
対応して下面壁22の上面側(断熱層24側)に凸部28が貫
通孔25を中心に同心円状に形成されている。下面壁22中
央部の肉厚を他の部分の肉厚とほぼ均一になるように成
形すると、下面壁22の中央部の強度を損なわないように
することができ、軽量化のため肉厚を薄くしなければな
らない合成樹脂製の断熱蓋の場合に特に有効である。
前記凹部26は封止板27を嵌合接着するためのもので、
凹部26の深さは、上面壁21、下面壁22と同じ樹脂で形成
される封止板27の厚みと同じになるように形成されてい
る。このような構成により、断熱蓋2を組み上げたと
き、断熱蓋2の下部を平滑にすることが可能となり、外
観上あるいは取扱い上も優れており、洗浄も容易であ
る。
前記貫通孔25は、断熱蓋2の製造工程において、上・
下面壁を接合して二重壁構造の蓋とした後、低熱伝導率
ガスで置換封入するための排出および導入口とされ、封
入後接着材で封止されたものである、この貫通孔25の径
は、封止の工程で、接着剤が垂れ落ちないよいにするた
めに0.1〜3mmであることが望ましい。
図1に示した例は、中心に貫通孔25が形成された凹部
26を下面壁22に設けた例を示したが、これに代えて上面
壁21に設けても良い。しかしながら、製造工程の便宜上
および美観上、通常下面壁22の底部中央に形成される。
そして断熱蓋2は上面壁21と下面壁22との間に空間部
23を隔てて上・下面壁21,22の端部29,30で一体に連結し
て、振動溶着あるいはスピン溶着などの方法で、二重壁
蓋となるように接合されている。このように振動溶着あ
るいはスピン溶着によって接合されているので、接合部
の密閉度が高く、その接合強度も大きい。
上面壁21と下面壁22の間に形成された断熱層24には、
キセノン、クリプトン、アルゴンのうち少なくとも1種
の低熱伝導率ガスが封入されている。これらのガスの熱
伝導度は、空気よりも小さい。これらのガスは単独で用
いたり、2種以上の混合ガスにして用いることができ
る。これらの低熱伝導率ガスを用いることにより、断熱
性能の高い断熱蓋2にすることができる。
前記貫通孔25は、下面壁22の凹部26への封止板27の嵌
合接着により封止されている。なお、貫通孔25はシアノ
アクリレート系の接着剤で封止後、封止板27にシアノア
クリレート系の接着剤を付してこれを下面壁22の凹部26
に嵌合接着してもよい。いずれの場合も貫通孔25の封止
部は外部より保護される。また、凹部26に封止板27が嵌
合接着されるので、断熱蓋2の製造の際に封止板27の位
置決めも容易になり、封止板27が位置ズレすることもな
い。
上面壁21と下面壁22の間に形成される空間部23に面す
る面には、少なくとも下面壁22の表面に金属製の輻射防
止材31が設けられており、これにより断熱蓋2の輻射伝
熱を抑えることができる。さらに図1に示すように上面
壁21の内面にも輻射防止材31を設けておけば、輻射伝熱
をより少なくすることができる。
前記輻射防止材31としては、メッキ膜、アルミ箔、銅
箔、銀箔のうちから選ばれた1種が用いられる。アルミ
箔、銅箔、銀箔などの金属箔は、接着剤や両面テープに
より取り付けることができ、安価にしかも簡易に取り付
けることができる。また、メッキ膜は化学メッキの上に
電気メッキで付けられる。メッキ膜の場合は輻射伝熱の
低減化に加てえ、ガスバリアー性を高めるという利点も
ある。
前記上面壁21の下面には密着防止突起32が形成されて
いる。
この密着防止突起32は、上述のごとく断熱蓋2の製造
工程において、上面壁21と下面壁22を結合して二重壁蓋
を形成した後に貫通孔25から空間部23の空気を真空排気
する際、下面壁22を断熱層24側から支えるものである。
これによって、上面壁21の下面と下面壁22の上面が大気
圧荷重を受けて弾性変形しても、上面壁21のつまみ部分
の下面が下面壁22の凹部に面接触することがなく、気体
通路を塞ぐことを防止する。
図7および図8に、円柱状の密着防止突起32が、上面
壁21のつまみ部の内壁33の1箇所から断熱層24側に延設
されている例を示す。これらの図は、いずれも後述する
輻射防止材を設ける前の状態の上面壁21を示したもので
ある。なお、円柱状の密着防止突起32を複数個設けても
よい。
密着防止突起32の先端は、少なくともその一部が、密
着防止突起32と対向する上面壁22の内面と離間している
ことが好ましい。これにより真空排気後、低熱伝導ガス
の封入により上・下面壁21,22が元の形状に復帰したと
き、密着防止突起32の先端と下面壁22の上面との接触に
よる断熱蓋2の断熱性能低下が防止できる。
図9および図10に、密着防止突起32の形状として、上
面壁21の中央に断熱層24側が開口した円筒状体を配し、
この周壁に真空排気およびガス充填のための通気路とな
るスリットあるいは切り欠きを設けた例を、上面壁21中
央の下面図と側面図で示す。
図9に示した例は、密着防止突起32の形状を、つまみ
部内壁33が内方(断熱層24側)に延設されかつ断熱層24
側が開口した円筒状体とし、この円筒状体に円筒状体の
基端に達する長さで、幅1〜3mm程度のスリット34,34,3
4を設けたものである。スリット34の数や位置はこれに
限定されない。
図10に示した例は、密着防止突起32の形状を、つまみ
部内壁33が内方(断熱層24側)に延設されかつ断熱層24
側が開口した円筒状体とし、この円筒状体先端に、複数
の切り欠き35…を設けたものである。切り欠き35の数や
位置はこれに限定されない。
また、円筒状の密着防止突起32の側面に直径1〜3mm
程度の穴を設けてもよい。穴の数や位置は特に限定され
ない。なお、上記円筒状形状はこれに限定されるもので
なく、楕円筒や角筒状でもよく、同様に密着防止の作用
効果を奏する。
図11は、密着防止突起32の形状として別の例を図示し
たもので、断熱層24側に突出する凸状部を放射状に延出
した突起37として配置したものである。この放射状の突
起37の数は、図示したものに限定されるものではない。
また放射状の突起37の長さについても特定の長さに限定
されるものではない。
図9、図10のように構成された密着防止突起32を設け
れば、真空排気の際に、密着防止突起32に形成されたス
リット34や切り欠き35、あるいは穴が通気路として機能
し、真空排気が効率的に行われるので好ましい。また低
熱伝導ガスを充填するときも、スリット34、切り欠き3
5、あるいは穴が通気路となって充填されるので、充填
が遅れることがない。
また図11のように放射状に構成された突起37よりなる
密着防止突起32を設ければ、真空排気の際に放射状に延
びる突起37間が通気路になり、真空排気が極めて速やか
に行われる。また低熱伝導率ガスの充填の際にも、放射
状の突起37間が通気路となって極めて容易に充填するこ
とが出来る。
さらに、この放射状の突起37を密着防止突起32として
用いると、上面壁21と下面壁22とのそれぞれの端部を振
動溶着あるいはピストン溶着で接合して一体した二重壁
構造の蓋を、溶着機より取り外す場合、上面壁21の底部
を突き出し治具で押しても、前記放射状突起37によって
支えられて、これによって上面壁21が変形するのを防止
することが出来、亀裂等の発生を防ぐことが出来る。
また例えば本発明で得られる断熱容器1に熱い飲料等
を入れ、断熱蓋2とした場合、上面壁21と下面壁22との
間に形成されている空間部23に封入されている低熱伝導
率ガスが膨張する。これによって、平面で形成されてい
て圧力負荷による強度が弱い上面壁21や下面壁22のほぼ
中央部に荷重が負荷される。しかし前記図11の放射状突
起37を密着防止突起32として配置することにより、前記
膨張による圧力負荷に対応する強度が得られる。それ故
上面壁21や下面壁22のほぼ中央部の肉厚を厚くすること
を必要とせず、薄肉に設計することが出来る。この結果
軽量化、コストの低減化をすることが出来る。このよう
なことは、前記した熱い飲料を入れた場合だけではな
く、容器の使用後の、熱湯による洗浄や、消毒、あるい
は乾燥機による乾燥の際にも同様な効果を発揮する。
いずれの形状の密着防止突起32の場合も、密着防止突
起32の先端面の面積が広い方が、真空排気時の圧力をこ
の面で広く均等に支えることができるので、対向面の
傷、破損防止の観点から好ましい。したがって密着防止
突起の先端形状は平面もしくは曲面になっていることが
好ましい。
図9、図10及び図11に示した密着防止突起32は、空間
部23を挟んで貫通孔25に対向する上面壁21下面に形成さ
れているが、これに代えて、貫通孔25と同じ側の下面壁
22上面(断熱層24側)に密着防止突起32を設けることも
できる。また上・下面壁21、22の前記面の両方に設けて
もよい。
密着防止突起32を上面壁21と下面壁22の両方に形成す
る場合は、密着防止突起32の長さが同じになるように
し、特に密着防止突起32を図9または図10に示したよう
な筒状体として上面壁21と下面壁22両方に設ける場合、
双方の密着防止突起32が貫通孔25を中心に同心円状にな
るように形成することが好ましい。また図11に示したよ
うな放射状突起37を密着防止突起32として上面壁21と下
面壁22との両方に設ける場合には、真空排気時に上面壁
21の放射状突起37と下面壁22の放射状突起37とが接触し
ないように配置することが望ましい。
図12、13、14は本発明の断熱容器と断熱蓋の別の実施
形態を示す。
この断熱容器41は、ポリプロピレン等の樹脂で射出成
形された内容器42と外容器43からなる二重壁容器の空間
部44内に、好ましくはガスバリア性に優れる樹脂で射出
成形された内壁体45,外壁体46からなり、これらの間の
空間部47を断熱層48とした二重壁構造の合成樹脂製の断
熱層体49を保持した構造のどんぶり状または椀状のもの
である。内容器42、外容器43、内壁体45、および外壁体
46はピンゲート方式により射出成形されたものである。
前記ガスバリア性に優れる合成樹脂材料(以下、高ガ
スバリア性樹脂という)は、具体的にはフィルム材の気
体透過率(ASTM D 1434−58)がO2、N2、CO2に関し
て1.0g/m2/24hr/atm以下の合成樹脂材料、例えばポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、
ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル、或いは
ポリアミド、エチレンビニルアルコール、ポリ塩化ビニ
リデン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール
などの各種の樹脂のうちから選択されたものである。
外壁体46底部の中央には貫通孔50が設けられている。
この貫通孔50は断熱層体49の製造工程において、内・外
壁体45,46を接合した後、低熱伝導率ガスで置換封入す
るため排出および導入口とされ、封入後接着剤で封止さ
れるものである。この貫通孔50の径は、封止の工程で、
接着剤が垂れ落ちないようにするために0.1〜3mmである
ことが望ましい。
前記貫通孔50は、封止板51の嵌合接着により封止され
ている。また貫通孔50はシアノアクリレート系の接着剤
で封止後、封止板51にシアノアクリレート系の接着剤を
付してこれを嵌合接着してもよい。
図13に示した例は、貫通孔50を外壁体46に設けた例を
示したが、これに代えて内壁体45に設けても良い。しか
しながら、通常外壁体46の底部中央に形成される。
断熱層体49は、内壁体45を外壁体46に収納し、空間部
47を隔てて、前記外壁体46と内壁体45がそれぞれの端部
において、振動溶着あるいはスピン溶着などの方法で、
二重壁構造となるように接合されて形成されている。こ
のように振動溶着あるいはスピン溶着によって接合され
ているので、内・外壁体の接合部の密閉度が高く、その
接合強度も大きい。
外壁体46と内壁体45の間に形成された断熱層48には、
キセノン、クリプトン、アルゴンのうち少なくとも1種
の低熱伝導率ガスが封入されている。これらのガスの熱
伝導度は、空気よりも小さい。これらのガスは単独で用
いたり、2種以上の混合ガスにして用いることができ
る。これらの低熱伝導率ガスを用いることにより、断熱
性能の高い断熱容器にすることができる。
内壁体45と外壁体46の間に形成される空間部47に面す
る面には、少なくとも内壁体45表面に金属製の輻射防止
材52が設けられており、これにより断熱容器41の輻射伝
熱を抑えることができる。さらに外壁体46の内面にも輻
射防止材52を設けておげば、輻射伝熱をより少なくする
ことができる(図示せず)。
前記輻射防止材52としては、メッキ膜、アルミ箔、銅
箔、銀箔のうちから選ばれた1種が用いられる。アルミ
箔、銅箔、銀箔などの金属箔は、接着剤や両面テープに
より取り付けることができ、安価にしかも簡易に取り付
けることができる。また、メッキ膜は化学メッキの上に
電気メッキで付けられる。メッキ膜の場合は輻射伝熱の
低減化に加てえ、ガスバリアー性を高めるという利点も
ある。
前記内壁体45の外面側の底部中央近傍には密着防止突
起53が形成されている。
この密着防止突起53は、上述のごとく断熱層体49の製
造工程において、内壁体45と外壁体46を結合して二重壁
構造とした後に貫通孔50から空間部47の空気を真空排気
する際、外壁体46を断熱層側から支えるものである。こ
れによって、内壁体45の外面と外壁体46の内面が大気圧
荷重を受けて弾性変形しても、内壁体45のピンゲート跡
が外壁部46の貫通孔50を塞ぐのを防止するものである。
図12および図13に、貫通孔50に対して空間部47を挟ん
で対向する内壁体45外面に、1個の円柱状の密着防止突
起53を立設した例を示す。この密着防止突起53は外壁体
46と内壁体45が弾性変形したときに貫通孔50を塞がない
位置に設けられることが必要で、かつ貫通孔50になるべ
く近い位置に設けられることが好ましい。密着防止突起
53の数は複数でも良く、密着防止突起53を複数個設けれ
ば、特に底面がより広い平面形状の場合においても、貫
通孔50の閉塞を防止することができる。
密着防止突起53の先端は、少なくともその一部が、密
着防止突起53と対向する外壁体46の内面と離間している
ことが好ましい。これにより真空排気後、低熱伝導ガス
の封入により内・外壁体45,46が元の形状に復帰したと
き、密着防止突起53の先端と外壁体46の内面との接触に
よる断熱層体49の断熱性能低下が防止できる。
図15および図16に、密着防止突起53の形状として、内
壁体45の外面に断熱層48側が開口した円筒状体を配し、
この周壁に真空排気およびガス充填のための通気路とな
るスリットあるいは切り欠きを設けた例を、内壁体45の
外面中央部の下面図と側面図で示す。
図15に示した例は、密着防止突起53の形状を断熱層48
側が開口した円筒状体とし、この円筒状体に、円筒状体
の基端に達する長さで、幅1〜3mm程度のスリット54,5
4,54を設けたものである。スリット54の数や位置はこれ
に限定されない。
図16に示した例は、密着防止突起53の形状を断熱層48
側が開口した円筒状体とし、この円筒状体先端に、複数
の切り欠き55…を設けたものである。切り欠き55の数や
位置はこれに限定されない。
また、円筒状の密着防止突起53の側面に直径1〜3mm
程度の穴を設けてもよい(図示せず)。穴の数や位置は
特に限定されない。なお、上記円筒状形状はこれに限定
されるものでなく、楕円筒、角筒状でもよく、同様に密
着防止の作用効果を奏する。
なおまた、図6に例示した放射状突起17を前記密着防
止突起53として配置してもよい。この場合放射状に延び
る突起17の数は特定数に限定されない。またこの放射状
突起17の長さについても特定の寸法に限定されるもので
はない。
図15、図16のように構成された密着防止突起53を設け
れば、真空排気の際に、密着防止突起53に形成されたス
リット54、切り欠き55、及び穴が通気路として機能し、
真空排気が効率的に行われるので好ましい。低熱伝導率
ガスを充填するときも、スリット54、切り欠き55、ある
いは穴が通気路となって充填されるので、充填が遅れる
ことがない。
また図6のように図示したように構成された放射状突
起17を密着防止突起53として設ければ、真空排気の際に
放射状に延びる突起17間が通気路になり、真空排気が極
めて速やかに行われる。また低熱伝導率ガスの充填の際
にも、放射状の突起17間が通気路となって極めて容易に
充填することが出来る。
さらに、この放射状の突起17を密着防止突起53として
用いると、外壁体46と内壁体45とのそれぞれの端部を振
動溶着あるいはピストン溶着で接合して一体化した二重
壁構造の断熱層体49を溶着機より取り外す時に、外壁体
46の底部を押し出し治具で押しても、該部は前記放射状
突起17によって支えられて、外壁体46が変形されるのを
するのを防止することが出来、亀裂等の発生を防ぐこと
が出来る。
また例えば本発明で得られる断熱容器41に熱い飲料等
を入れた場合、外壁体46と内壁体45との間に形成されて
いる空間部47に封入されている低熱伝導率ガスが膨張す
る。これによって、平面で形成されていて圧力負荷によ
る強度が弱い外壁体46や内壁体45の底部に荷重が負荷さ
れる。しかし前記図6の放射状突起17を密着防止突起53
として底部に配置することにより、前記膨張により圧力
負荷に対応する強度が得られて、内壁体45や外壁体46の
底部の肉厚を厚くすることを必要とせず、薄肉に設計す
ることが出来る。この結果軽量化、コストの低減化をす
ることが出来る。このようなことは、前記した熱い飲料
を入れた場合だけではなく、容器の使用後の、熱湯によ
る洗浄や、消毒、あるいは乾燥機による乾燥の際にも同
様な効果を発揮する。
いずれの形状の密着防止突起53の場合も、密着防止突
起53の先端面が広い方が、真空排気時の圧力をこの面で
広く均等に支えることができるので、対向面の傷、破損
防止の観点から好ましい。したがって例えば密着防止突
起53の先端形状は平面もしくは曲面になっていることが
好ましい。図12、図13、図15および図16に示した密着防
止突起53ならびに図6に図示した放射状突起17を密着防
止突起53として設けた場合、これらは空間部47を挟んで
貫通孔50に対向する内壁体45外面に形成されている例を
示した。これに代えて、貫通孔50と同じ側の外壁体46内
面(断熱層48側)に同様の構成の密着防止突起53を設け
ることもできる。また内・外壁体45、46の前記両方の面
に設けてもよい。
密着防止突起53を内壁体45と外壁体46の両方に形成す
る場合は、密着防止突起53の長さが同じになるようにす
ることが好ましい。また密着防止突起53を図15または図
16に示したような筒状体を外壁体46と内壁体45の両方に
設ける場合、双方の密着防止突起53が貫通孔50を中心に
同心円状になるように形成することが好ましい。
図6に示したような放射状突起17を密着防止突起53と
して外壁体46と内壁体45との両方に設ける場合、真空排
気時に外壁体46の放射状突起17と内壁体45の放射状突起
17とが接触しないように配置することが望ましい。
前記構成の断熱層体49は外容器43と内容器42の間の空
間部44に装填され、前記内容器42と外容器43は、それぞ
れの端部において、振動溶着あるいはスピン溶着などの
方法で、二重壁容器となるように接合されている。この
ように振動溶着あるいはスピン溶着によって接合されて
いるので、内・外容器42,43の接合部の密閉度が高く、
その接合強度も大きい。
上記構成の断熱容器41は開口部を断熱蓋61によって係
合可能に覆われるようになっている。
この断熱蓋61は、ポリプロピレン等の樹脂で射出成形
された上面壁62と下面壁63からなる二重壁蓋の空間部内
に、高ガスバリア性樹脂で射出成形された上壁体64,下
壁体65からなり、これらの間の空間部66を断熱層67とし
た二重壁構造の合成樹脂製の蓋用断熱層体68を保持した
構造の断熱層61である。上面壁62、下面壁63、上壁体6
4、および下壁体65はピンゲート方式により射出成形さ
れたものである。
下壁体65底部の中央には、図14に示すように貫通孔69
が設けられている。この貫通孔69は蓋用断熱層体68の製
造工程において、上・下壁体64,65を接合した後、低熱
伝導率ガスを置換封入するためのものである。この貫通
孔69の開孔径は、封止の工程で、接着剤が垂れ落ちない
ようにするために0.1〜3mmであることが望ましい。
前記貫通孔69は、下壁体65下面から封止板70の嵌合接
着により封止されている。また貫通孔69はシアノアクリ
レート系の接着剤で封止後、封止板70にシアノアクリレ
ート系の接着剤を付してこれを嵌合接着してもよい。い
ずれもこれによって貫通孔69の封止部が外部より保護さ
れる。
図12および図14に示した例は、貫通孔69を下壁体65に
設けた例を示したが、これに代えて上壁体64に設けても
良い。
前記蓋用断熱層体68は、空間部66を隔てて、前記上壁
体64と下壁体65がそれぞれの端部において、振動溶着あ
るいはスピン溶着などの方法で、二重壁構造となるよう
に接合されて形成されている。このように振動溶着ある
いはスピン溶着によって接合されているので、上・下壁
体64,65の接合部の密閉度が高く、その接合強度も大き
い。
上壁体64と下壁体65の間に形成された断熱層67には、
キセノン、クリプトン、アルゴンのうち少なくとも1種
の低熱伝導率ガスが封入されている。これらのガスの熱
伝導度は、空気よりも小さい。これらガスは単独で用い
たり、2種以上の混合ガスにして用いることができる。
これらの低熱伝導率ガスを用いることにより、断熱性能
の高い断熱蓋61にすることができる。
上壁体64と下壁体65の間に形成される空間部66に面す
る面には、少なくとも下壁体65の上面に金属製の輻射防
止材71が設けられており、これにより断熱蓋61の輻射伝
熱を抑えることができる。さらに上壁体64の下面にも輻
射防止材71を設けておけば、輻射伝熱をより少なくする
ことができる。
前記輻射防止材71としては、メッキ膜、アルミ箔、銅
箔、銀箔のうちから選ばれた1種が用いられる。アルミ
箔、銅箔、銀箔などの金属箔は、接着剤や両面テープに
より取り付けることができ、安価にしかも簡易に取り付
けることができる。また、メッキ膜は化学メッキの上に
電気メッキで付けられる。メッキ膜の場合は輻射伝熱の
低減化に加えて、ガスバリアー性を高めるという利点も
ある。
前記下壁体65の上面側の底部中央近傍には密着防止突
起72が形成されている。
この密着防止突起72は、上述のごとく蓋用断熱層体68
の製造工程において、上壁体64と下壁体65を結合して二
重壁構造として後に貫通孔69から空間部66の空気を真空
排気する際、上壁体64を断熱層67側から支えるものであ
る。これによって上壁体64の下面と下壁体65の上面が大
気圧荷重を受けて弾性変形しても、上壁体64のピンゲー
ト跡が下壁体65の貫通孔69を塞ぐのを防止するものであ
る。
図12および図14は、貫通孔69と同じ側、すなわち下壁
体65上面に、1個の円柱状の密着防止突起72を立設した
例を示している。この密着防止突起72は貫通孔69になる
べく近い位置に設けられることが好ましい。密着防止突
起72の数は複数でも良い。
密着防止突起72の先端は、少なくともその一部が、密
着防止突起72と対向する上壁体64の下面と離間している
ことが好ましい。これにより真空排気後、低熱伝導ガス
の封入により下・下壁体64,65が元の形状に復帰したと
き、密着防止突起72の先端と上壁体64の下面との接触に
よる蓋用断熱層体68の断熱性能低下が防止できる。
図17および図18に、密着防止突起72の形状として、下
壁体65の上面にの断熱層67側が開口した円筒状体を設
け、その周壁に真空排気およびガス充填のための通気路
となるスリットあるいは切り欠きを設けた例を、下壁体
65の上面の上面図と側面図で示す。
図17に示した例は、密着防止突起72の形状を断熱層67
側が開口した円筒状体とし、この円筒状体に円筒状体の
基端に達する長さで、幅1〜3mm程度のスリット73,73,7
3を設けたものである。スリット73の数や位置はこれに
限定されない。
図18に示した例は、密着防止突起72の形状を断熱層67
側が開口した円筒状体とし、この円筒状体先端に、複数
の切り欠き74…を設けたものである。切り欠き74の数や
位置はこれに限定されない。
また、円筒状の密着防止突起72の側面に直径1〜3mm
程度の穴を設けてもよい(図示せず)。穴の数や位置は
特に限定されない。なお、上記円筒状形状はこれに限定
されるものでなく、楕円筒や角筒状でもよく、同様に密
着防止の作用効果を奏する。
また、図6に例示した放射状突起17を前記密着防止突
起72として配置してもよい。この場合放射状に延びる突
起17の数は特定数に限定されない。またこの放射状突起
17の長さについても特定の寸法に限定されるものではな
い。
図17、図18のように構成された密着防止突起72を設け
れば、真空排気の際に、密着防止突起72に形成されたス
リット73や切り欠き74…、穴が通気路として機能し、真
空排気が効率的に行われるので好ましい。また低熱伝導
率ガスを充填するときも、スリット73、切り欠き74、穴
が通気路となって充填されるので、充填が遅れることが
ない。
また図11のような放射状に構成された突起37よりなる
密着防止突起72を設ければ、真空排気の際に放射状に延
びる突起37間が通気路になり、真空排気が極めて速やか
に行われる。また低熱伝導率ガスの充填の際にも、放射
状の突起37間が通気路となって極めて容易に充填するこ
とが出来る。
さらに、この放射状の突起37を密着防止突起72として
用いると、上壁体64と下壁体65のそれぞれの端部を振動
溶着あるいはスピン溶着で接合して一体化した二重壁構
造の断熱層体68を溶着機より取り外す場合、上壁体64の
底部を突き出し治具で押しても、前記放射状突起37によ
って支えられて、上壁体64が変形するのを防止し、亀裂
等の発生を防ぐことが出来る。
また例えば本発明で得られる断熱容器41に熱い飲料等
を入れ、断熱蓋61をした場合、上壁体64と下壁体65との
間に形成されている空間部66に封入されている低熱伝導
率ガスが膨張する。これによって、平面で形成されてい
て圧力負荷による強度が弱い上壁体64や下壁体65のほぼ
中央部に荷重が負荷される。しかし前記図11の放射状突
起37を密着防止突起72として底部に配置することによ
り、前記膨張により圧力負荷に対応する強度が得られ
る。このため上壁体64や下壁体65のほぼ中央部の肉厚を
厚くすることを必要とせず、薄肉に設計することが出来
る。この結果軽量化やコストの低減化をすることが出来
る。このようなことは、前記した熱い飲料を入れた場合
だけではなく、容器の使用後の、熱湯による洗浄や、消
毒、あるいは乾燥機による乾燥の際に同様に効果を発揮
する。
いずれの形状の密着防止突起72の場合も、密着防止突
起72の先端面が広い方が、真空排気時の圧力をこの面で
広く均等に支えることができるので、対向面の傷、破損
防止の観点から好ましい。したがって例えば密着防止突
起の先端形状は平面もしくは曲面になっていることが好
ましい。
図12、図14、図17、および図18に示した断熱蓋61の密
着防止突起72や図11に示した放射状突起37を断熱蓋61の
密着防止突起72として用いた場合、これらはいずれも貫
通孔69と同じ側の下壁体65上面に形成したり、これに代
えて、貫通孔69の反対側の上壁体64下面(断熱層67側)
に設けることもできる。また上・下壁体64、65の前記面
の両方に設けてもよい。
密着防止突起72を上壁体64と下壁体65の両方に形成す
る場合は、密着防止突起72の長さが同じになるようにす
ることが好ましく、特に密着防止突起72を図17または図
18に示したような筒状体を上壁体64と下壁体65の両方に
設ける場合、双方の密着防止突起72が貫通孔69を中心に
同心円状になるように形成することが好ましい。また図
11に示したような放射状突起37を密着防止突起72として
上壁体64と下壁体65との両方に設ける場合、真空排気時
に上壁体64の放射状突起37と下壁体65の放射状突起37と
が接触しないように配置することが望ましい。
前記構成の蓋用断熱層体68は、上面壁62と下面壁63の
間の空間部に装填され、上面壁62と下面壁63は、それぞ
れの端部において、振動溶着あるいはスピン溶着などの
方法で、二重壁蓋となるように接合されている。このよ
うに振動溶着あるいはスピン溶着によって接合されてい
るので、上・下面壁62,63の接合部の密閉度が高く、そ
の結合強度も大きい。
図19、図20は、本発明の別の実施形態の断熱容器と断
熱蓋を示すものである。この断熱容器81を形成している
内容器82と外容器83とは、それぞれ機能特性の異なる合
成樹脂を複層にした多色合成樹脂で成形されている。内
容器82は内容器内層82aと内容器外層82bの2層の2色成
形によりなり、また外容器83は外容器内層83aと外容器
外層83bとの2層の2色成形によりなっている。そして
これら内容器82と外容器83とは空間部84を隔ててそれぞ
れの鍔部82c、83cの口元接合部85で一体に接合して二重
壁容器とされる。そして内容器82と外容器83との間に形
成される前記空間部84に金属箔等からなる輻射防止材86
を配設するとともに、キセノン、クリプトン、アルゴン
等のガスの少なくとも1種よりなる低熱伝導率ガスが封
入されて断熱層87を形成している。
そして前記した複層化する合成樹脂として、例えば空
間部84(断熱層87)に面する内容器外層82bと外容器内
層83aには、ガスバリア性に優れる合成樹脂材料(以下
「高ガスバリア性樹脂」という。)を使用する。また一
方大気に面する内容器内層82aと外容器外層83bには耐熱
性、耐湿性(耐透湿度)及び機械的強度を備えた合成樹
脂材料(以下「耐湿性樹脂」という。)が用いられる。
具体的には、高ガスバリア性樹脂としては、気体透過率
(ASTM D 1434−58に基づく。)がO2、N2、CO2のガ
スに関して1.0g/m2/24hr/atm以下の合成樹脂材料であっ
て、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレン
テレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエ
ステル、あるいはポリアミド、エチレンビニルアルコー
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリルニトリル、ポリ
ビニルアルコール等の樹脂から選択することができる。
また耐湿性樹脂としては、熱変形温度(ASTM D648に基
づく。)が100℃以上の耐熱性と、透湿度(JIS Z 02
08に基づく。)が50g/m2/24hr/atm以下である合成樹脂
材料であって、例えばポリプロピレン、耐熱耐湿性ポリ
カーボネート等の樹脂が用いられる。
外容器83底部の中央には貫通孔88が設けられている。
この貫通孔88は断熱容器81の製造工程において、2色形
成された内・外容器82、83を接合した後、低熱伝導率ガ
スで置換封入するため排出および導入口とされ、封入後
接着剤で封止されたものである。この貫通孔88の径は、
封止の工程で、接着剤が垂れ落ちないようにするために
0.1〜3mmであることが望ましい。
封止板89は内・外容器82、83と同様に高ガスバリア性
と耐湿性樹脂とを2色成形したものからなり、高ガスバ
リア性樹脂の面を断熱層87側に、耐湿性樹脂の面を大気
側に向けて貫通孔88に挿入し固着するものである。これ
により、断熱層87側の高ガスバリア性樹脂を耐湿性樹脂
によって保護し、封止板89のガスバリア性が良好に維持
される。それ故、この部位からの低熱伝導率ガスの漏洩
が防止され、断熱性能から劣化する恐れはない。なお、
前記貫通覆孔88はシアノアクリレート系の接着剤で封止
後、シアノアクリレート系の接着剤を塗布した封止板89
を凹部に嵌合接着せしてめ封止されている。
このように構成されている断熱容器81の前記内容器外
層82bの底部中央近傍には、密着防止突起90が形成され
ている。この密着防止突起90は、上述のごとく断熱容器
81の製造工程において、内容器82と外容器83を結合して
二重壁容器を形成した後に貫通孔88から空間部84の空気
を真空排気する際、外容器83を断熱層87側から支えてい
るものである。これによって内容器82の外面と外容器83
の内面が大気圧荷重を受けて弾性変形しても、内容器82
のピンゲート跡が外容器83の貫通孔88を塞ぐのを防止す
るものである。
図19および図20に、貫通孔88に対して空間部84を挟ん
で対向する内容器外層82bに、1個の円柱状の密着防止
突起90を立設した例を示す。この密着防止突起90は外容
器83と内容器82が真空排気の際に弾性変形したときに、
貫通孔88を塞がない位置に設けられることが必要で、か
つ貫通孔88になるべく近い位置に設けられることが好ま
しい。密着防止突起90の数は複数でも良く、密着防止突
起90を複数個設ければ、特に底面がより広い平面形状の
場合においても、貫通孔88の閉塞を防止することができ
る。
密着防止突起90の先端は、少なくともその一部が、密
着防止突起90と対向する外容器内層83aと離間している
ことが好ましい。これにより真空排気後、低熱伝導ガス
の封入により内・外容器82、83が元の形状に復帰したと
き、密着防止突起90の先端と外容器内層83aとの接触に
よる断熱容器81の断熱性能低下が防止できる。
図21よおび図22に、密着防止突起90の形状として、内
容器外層82bに断熱層87側が開口した円筒状体を配し、
この円筒状体周壁に真空排気およびガス充填のための通
気路となるスリットあるいは切り欠きを設けた例を、内
容器外層82bの底部中央の下面図と側面図で示す。
図21に示した例は、密着防止突起90の形状を断熱層87
側が開口した円筒状体とし、この円筒状体に、円筒状体
の基端に達する長さで、幅1〜3mm程度のスリット91、9
1、91を設けたものである。スリット91の数や位置はこ
れに限定されない。
図22に示した例は、密着防止突起90の形状を断熱層87
側が開口した円筒状体とし、この円筒状体先端に、複数
の切り欠き92…を設けたものである。切り欠き92の数や
位置はこれに限定されない。また、円筒状の密着防止突
起90の側面に直径1〜3mm程度の穴を設けてもよい。穴
の数や位置は特定した状態に限定されない。なお、上記
円筒状形状はそれに限定されるものでなく、楕円筒や角
筒状でもよく、同様に密着防止の作用効果を奏する。
また、前記図6に例示した放射状突起17を密着防止突
起90として配置してもよい。この場合放射状に延びる突
起17の数は特定数に限定されない。またこの放射状突起
17の長さについても特定の寸法に限定されるものではな
い。
図21、図22のように構成された密着防止突起90を設け
れば、真空排気の際に、密着防止突起90に形成されたス
リット91や切り欠き92…、穴が通気路として機能し、真
空排気が効率的に行われるので好ましい。また低熱伝導
率ガスを充填するときも、スリット91、切り欠き92、穴
が通気路となって充填されるので、充填が遅れることが
ない。
また図6のような放射状に構成された突起17を密着防
止突起90として設ければ、真空排気の際に放射状に延び
る突起17間が通気路になり、真空排気が極めて速やかに
行われる。また低熱伝導率ガスの充填の際にも、放射状
の突起17間が通気路となって極めて容器に充填すること
が出来る。
さらに、この放射状の突起17を密着防止突起90として
用いると、外容器83と内容器82のそれぞれの端部を振動
溶着あるいはスピン溶着で接合して一体化した二重壁構
造の容器を溶着機より取り外す場合、外容器83の底部を
突き出し治具で押しても、前記放射状突起17によって支
えられて、外容器83の変形を防止し、亀裂等の発生を防
ぐことが出来る。
また例えば本発明で得られる断熱容器81に熱い飲料等
を入れた場合、外容器83と内容器82との間に形成されて
いる空間部84に封入されている低熱伝導率ガスが膨張す
る。これによって、平面で形成されていて圧力負荷によ
る強度が弱い外容器83や内容器82のほぼ中央部に荷重が
負荷される。しかし前記図6の放射状突起17を密着防止
突起90として底部に配置することにより、前記膨張によ
る圧力負荷に対応する強度が得られる。それ故外容器83
や内容器82のほぼ中央部の肉厚を厚くすることを必要と
せず、薄肉に設計することが出来る。この結果軽量化と
コストの低減化をすることが出来る。このようなこと
は、前記した熱い飲料を入れた場合だけではなく、容器
の使用後の、熱湯による洗浄や、消毒、あるいは乾燥機
による乾燥の際にも同様な効果を発揮する。
いずれの形状の密着防止突起90の場合も、密着防止突
起90の先端面が広い方が、真空排気時の圧力をこの面で
広く均等に支えることができるので、対向面の傷、破損
防止の観点から好ましい。したがって例えば密着防止突
起90の先端形状は平面もしくは曲面になっていることが
好ましい。
図19、図20、図21および図22に示した密着防止突起90
ならびに図6に図示した放射状突起17を密着防止突起90
として設けた場合、これらは空間部84を挟んで貫通孔88
に対向する内容器外層82bに形成されている例を示して
いる。これに代えて、貫通孔88と同じ側の外容器内層83
a(断熱層87側)に同様の構成の密度防止突起90を設け
ることもできる。また内外容器82、83の前記各層の両方
の層に設けてもよい。
密着防止突起90を内容器外層82bと外容器内層83aと両
方に形成する場合は、密着防止突起90の長さが同じにな
るようにすることが好ましい。また密着防止突起90を図
21または図22に示したように筒状体を内容器外層82bと
外容器内層83aの両方に設ける場合、双方の密着防止突
起90が貫通孔88を中心に同心円状になるように形成する
ことが好ましい。
また図6に示したような放射状突起17を密着防止突起
90として外容器内層83aと内容器外層82bとの両方に設け
る場合(図示せず)、真空排気時に外容器内層83aの放
射状突起17と内容器外層82bの放射状突起17とが接触し
ないように配置することが望ましい。
前記構成の断熱容器81は、外容器83と内容器82との間
に空間部84を介在させて、前記外容器83と内容器82との
それぞれの端部において、振動溶着あるいはスピン溶着
などの方法で、二重壁容器となるように接合されてい
る。このように振動溶着あるいはスピン溶着によって接
合されているので、内・外容器82、83の接合部の密閉度
が高く、その接合強度も大きい。
上記した構成の断熱容器81は開口部を断熱蓋101によ
って係合可能に覆われるようになっている。
この断熱蓋101は、図19に図示されているように、前
記断熱容器81と同様に、機能特性が異なる合成樹脂を複
層にして多色成形された上面壁102と下面壁103とを空間
部104を介在せしめて、それぞれの端部の口元接合部105
で溶着結合して一体に形成されている。即ち複層の合成
樹脂よりなる上面壁102と下面壁103それぞれは、上面壁
102にあっては上面壁上層102aと上面壁下層102bとによ
ってなり、また下面壁103にあっては下面壁上層103aと
下面壁下層103bとによりなっている。そしてそれぞれの
層は前記した断熱容器81と同様に空間部104に面する層
となる上面壁下層102bと下面壁上層103aは高ガスバリア
性の樹脂で形成する。また一方大気に面する側の層とな
る上面壁上層102aと下面壁下層103bは耐湿性樹脂を用い
て形成している。なお、高ガスバリア性樹脂及び耐湿性
樹脂に関しては、先の2色成形される断熱容器81の実施
の形態での説明で詳細に説明した通りであり、これを同
様に2色成形される断熱蓋101にも有効に活用し得る。
このように構成された断熱蓋101の空間部104には金属
箔からなる輻射防止材106が配されているとともに、キ
セノン、クリプトン、アルゴン等のガスの少なくとも1
種よりなる低熱伝導率ガスが封入されて断熱層107を形
成している。
下面壁103の低部中央には、貫通孔108が設けられてい
る。この貫通孔108は断熱蓋101の製造工程において、2
色成形された上・下面壁102、103を接合した後、低熱伝
導率ガスを置換封入するための排気及びガス導入口とさ
れるもので、ガス封入後に接着剤と封止板109で封止さ
れる。この貫通孔108の孔径は、封止の工程で、接着剤
が垂れ落ちないようにするために0.1〜3mmであることが
望ましい。
封止板109は上・下面壁102、103と同様に高ガスバリ
ア性と耐湿性樹脂との2色成形したものからなってい
る。そして高ガスバリア性樹脂の面を断熱層107側に、
耐湿性樹脂の面を大気側に向けて貫通孔108に挿入し固
着することにより、断熱層107側の高ガスバリア性樹脂
を耐湿性樹脂によって保護する。この結果封止板109の
ガスバリア性が良好に維持され、この部位からの低熱伝
導率ガスの漏洩が防止され、断熱性能が劣化する恐れは
ない。なお、前記貫通孔108はシアノアクリレート系の
接着剤で封止後、封止板109をシアノアクリレート系の
接着剤を付して凹部に嵌合接着されたものである。
断熱蓋101は、上面壁102と下面壁103とを空間部104を
隔てて、前記上面壁102と下面壁103とのそれぞれの端部
の口元接合部105において、振動溶着あるいはスピン溶
着などの方法で、二重壁構造の蓋となるように接合され
て一体化されている。このように振動溶着あるいはスピ
ン溶着によって接合されているので、上・下壁の接合部
の密閉度が高く、その接合強度も大きい。
このように構成されている断熱蓋101の前記下面壁上
層103aの底部中央近傍には、密着防止突起110が形成さ
れている。この密着防止突起110は、上述のごとく断熱
蓋101の製造工程において、上面壁102と下面壁103を結
合して二重壁構造に形成した後に貫通孔108から空間部1
04の空気を真空排気する際、上面壁102を断熱層107側か
ら支えているものである。これによって上面壁102の下
面と下面壁103の上面が大気圧荷重を受けて弾性変形し
ても、上面壁102のピンゲート跡が下面壁103の貫通孔10
8を塞ぐのを防止するものである。
図19および図20に、貫通孔108と同じ側の空間部104
内、すなわち下面壁上層103aに、1個の円柱状の密着防
止突起110を立設した例を示す。この密着防止突起110は
上面壁102と下面壁103が空間部104の真空排気等の際に
弾性変形したときに、貫通孔108を塞がない位置に設け
られることが必要で、かつ貫通孔108になるべく近い位
置に設けられることが好ましい。密着防止突起110の数
は複数でも良く、複数個の密着防止突起110を設けれ
ば、特に底面がより広い平面形状の場合においても、貫
通孔108の閉塞を防止することができる。
密着防止突起110の先端は、大気圧状態では、少なく
ともその一部が、密着防止突起110と対向する上面壁下
層102bと離間していることが好ましい。これにより真空
排気後、低熱伝導ガスの封入により上・下面壁102、103
が元の形状に復帰したとき、密着防止突起110の先端と
上面壁下層102bとの接触による断熱蓋101の断熱性能の
低下が防止できる。
図23および図24は、密着防止突起110の形状として、
上面壁下層102bに断熱層107側が開口した円筒状体を配
し、この円筒状体周壁に真空排気およびガス充填のため
の通気路となるスリットあるいは切り欠きを設けた例
を、上面壁下層102bの中央部の下面図と側面図で示す。
図23に示した例は、密着防止突起110の形状を断熱層1
07側が開口した円筒状体とし、この円筒状体に、円筒状
体の基端に達する長さで、幅1〜3mm程度のスリット11
1、111、111を設けたものである。スリット111の数や位
置はこれに限定されない。
図24図に示した例は、密着防止突起110の形状を断熱
層107側が開口した円筒状体とし、この円筒状体先端
に、複数の切り欠き112…を設けたものである。切り欠
き112の数や位置はこれに限定されない。また、円筒状
の密着防止突起110の側面に直径1〜3mm程度の穴を設け
てもよい。穴の数や位置は特定した状態に限定されな
い。なお、上記円筒状形状はこれに限定されるものでな
く、楕円筒や角筒状でもよく、同様に密着防止の作用効
果を奏する。
また、前記図11に例示した放射状突起37を密着防止突
起110として配置してもよい。この場合放射状に延びる
突起37の数は特定数に限定されない。またこの放射状突
起37の長さについても特定の寸法に限定されるものでは
ない。
図23、図24のように構成された密着防止突起110を設
ければ、真空排気の際に、密着防止突起110に形成され
たスリット111や切り欠き112…、穴が通気路として機能
し、真空排気が効率的に行われるので好ましい。また低
熱伝導率ガスを充填するときも、スリット111、切り欠
き112、穴が通気路となって充填されるので、充填が遅
れることがない。
また図11のような放射状に構成された突起37を密着防
止突起110として設ければ、真空排気の際に放射状に延
びる突起37間が通気路になり、真空排気が極めて速やか
に行われる。また低熱伝導率ガスの充填の際にも、放射
状の突起37間が通気路となって極めて容易に充填するこ
とが出来る。
さらに、この放射状の突起37を密着防止突起110とし
て用いると、上面壁102と下面壁103のそれぞれの端部を
振動溶着あるいはスピン溶着で接合して一体化した二重
壁構造の蓋を溶着機より取り外す場合、下面壁103の底
部を突き出し治具で押しても、前記放射状突起37によっ
て支えられて、下面壁103の変形を防止し、亀裂等の発
生が防ぐことが出来る。
また例えば本発明で得られる断熱容器81に熱い飲料等
を入れ断熱蓋101をした場合、断熱蓋101の下面壁103と
上面壁102との間に形成されている空間部104に封入され
ている低熱伝導率ガスが収容物の熱により加熱されて膨
張する。これによって、平面で形成されていて圧力負荷
による強度が弱い上面壁102や下面壁103のほぼ中央部に
荷重が負荷される。しかし前記図11の放射状突起37を密
着防止突起110として、上面壁及び下面壁103の少なくと
も1つの面に配置することにより、前記膨張による圧力
負荷に対応する強度が得られる。それ故上面壁102や下
面壁103のほぼ中央部の肉厚を厚くすることを必要とせ
ず、薄肉に設計することが出来る。この結果軽量化とコ
ストの低減化をすることが出来る。このようなことは、
前記した熱い飲料を入れた場合だけではなく、容器の使
用後の、熱湯による洗浄や、消毒、あるいは乾燥機によ
る乾燥の際にも同様な効果を発揮する。
上記いずれの形状の密着防止突起110の場合も、密着
防止突起110の先端面が広い方が、真空排気時の圧力を
この面で広く均等に支えることができるので、対向面の
傷、破損防止の観点から好ましい。したがって例えば密
着防止突起110の先端形状は平面もしくは曲面になって
いることが好ましい。
図19、図23、及び図24に示した密着防止突起110なら
びに図11に図示した放射状突起37を密着防止突起110と
して設ける場合、これらは空間部104を挟んで貫通孔108
に対向する上面壁下層102bに形成したり、これに代え
て、貫通孔108と同じ側の下面壁上層103a(断熱層107
側)にも同様に設けることができる。また上・下面壁10
2、103の前記各層の両方の層に設けてもよい。
4 なお密着防止突起110を上面壁下層102bと下面壁上
層103aの両方に形成する場合は、密着防止突起110の長
さが同じになるようにすることが好ましい。また密着防
止突起110を図23または図24に示したような筒状体を上
面壁下層102bと下面壁上層103aの両方に設ける場合、双
方の密着防止突起110が貫通孔108を中心に同心円状にな
るように形成することが好ましい。
また図11に示したように放射状突起37を密着防止突起
110として上面壁下層102bと下面壁上層103aとの両方に
設ける場合、真空排気時に上面壁下層102bの放射状突起
37と下面壁上層103aの放射状突起37とが接触しないよう
に配置することが望ましい。
前記構成の断熱蓋101は、下面壁103と上面壁102との
間に空間部104を介在させて、前記下面壁103と上面壁10
2とのそれぞれの端部において、振動溶着あるいはスピ
ン溶着などの方法で、二重壁蓋体となるように接合され
ている。このように振動溶着あるいはスピン溶着によっ
て接合されているので、上・下面壁102、103の接合部の
密閉度が高く、その接合強度も大きい。
上述のごとく、本発明の上記各実施例の形態での密着
防止突起14、密着防止突起32、密着防止突起53、密着防
止突起72、密着防止突起90及び密着防止突起110並びに
放射状突起17、37は、いずれも貫通孔から空間部の空気
を真空排気する際、大気圧による荷重を受けても、貫通
孔が閉塞されないように二重壁構造を断熱層側から支え
る機能を有するものである。以下、図面を参照しながら
さらに密着防止突起の機能について説明する。
図25及び図26は、本発明の前記図1に図示した断熱容
器1の製造工程を説明するための図であって、図25は断
熱容器1の空間部5内を低熱伝導率ガスに置換のために
ガス置換用治具を取り付けた状態を示し、図26は空間部
5内のガス置換に先がけて空間部5内を真空排気した時
の内・外容器4、3の状態を示したものである。なおこ
れらの図に示した断熱容器1は、図1に示した断熱容器
1において、外容器3の内面の輻射防止材13を省略し
た。
図25に示すように、空間部5を低熱伝導率ガスで置換
するために、先ず外容器3の貫通孔7が穿孔された外面
に、パッキン121を介してガス通路122が配されてなるガ
ス置換用治具123を気密を保持するように装着する。続
いて空間部5の空気をガス置換用治具123、配管124、弁
125などを介して真空ポンプ126により10Torr以下に排気
する。この際、弁127は閉じておく。真空排気の進行に
ともない、図26に示すように内容器4と外容器3は真空
排気による大気圧荷重を受けて変形するが、内容器4に
設けた密着防止突起14により外容器3の底部が支えられ
て、外容器3の底部に設けた貫通孔7は内容器4により
塞がれることはない。
その後、弁125を閉じ、弁127を開とし、不活性ガスボ
ンベ128より、弁127、配管124ガス置換用治具123を介し
て、空間部5内へ低熱伝導率ガスを大気圧程度の圧力に
充填する。このときも貫通孔7が閉塞されていないの
で、ガスの充填が支障なく行われる。
(実施例1) 図1ないし図3に示す断熱容器1および断熱蓋2を製
造した。
先ず、断熱容器1の製造にあたって、内容器と外容器
3をポリカーボネートとポリエチレンテレフタレートの
混合樹脂である商品名ユーピロン(三菱エンジニアリン
グプラスティックス製)を用いて肉厚2mmに射出成形し
た。この際、内・外容器3,4を組み合わせた際の空間部
5の隙間の幅が5mmになるようにした。また内容器4の
底部の外面に直径2mm、高さ3mmの柱状の密着防止突起を
形成した。外容器3の底部中央には直径1mmの貫通孔7
を形成した。内容器4の外面と外容器3の内面には輻射
防止材13として銅メッキを形成した。その後内・外容器
3,4の端部を振動溶着機(図示せず)を用いて接合一体
化して二重壁構造の容器とした。
その後、図25に示した方法と同様に、外容器3の貫通
孔7が穿孔されている底部外面に、パッキン121を介し
てガス置換用治具123を当て、空間部5の空気をガス置
換用治具123、配管124、弁125などを介して真空ポンプ1
26により10Torr以下に排気した。このとき、図26に示す
ように内容器4と外容器3は真空排気による大気圧荷重
を受けて変形したが、内容器4に設けた密着防止突起14
により外容器3の底部が支えられて貫通孔7が内容器4
により塞がれることはなかった。
その後、弁125を閉じ、弁127を開とし、不活性ガスボ
ンベ128より、空間部5内ヘクリプトンガスを大気圧程
度の圧力に充填した。
その後、パッキン121、ガス置換用治具123を取り外し
て、シアノアクリレート系の接着剤を用いて、封止板9
にて貫通孔7を封止し、断熱層6を有する断熱容器1と
した。
同様にして断熱蓋2を製造した。
上面壁21と下面壁22をポリカーボネートとポリエチレ
ンテレフタレートの混合樹脂である商品名ユーピロン
(三菱エンジニアリングプラスティックス製)を用いて
肉厚2mmに射出成形した。また上面壁21の下面に、径2m
m、高さ3mmの柱状の密着防止突起32を形成した。上面壁
22の底部中央には直径1mmの貫通孔25を形成した。上面
壁21の下面と下面壁22の上面には輻射防止材31として銅
メッキを形成した。その後上・下面壁21,22の端部を振
動溶着機を用いて接合一体化して二重壁構造の蓋とし
た。次いで、上記断熱容器1と同様に、図25に示したガ
ス置換方法により、下面壁22の下面にパッキン121を介
してガス置換用治具123を当て、空間部23の空気を10Tor
r以上に排気した。このとき上面壁21と下面壁22は真空
排気による大気圧荷重を受けて変形したが、上面壁21に
設けた密着防止突起32により下面壁22が支えられて貫通
孔25が上面壁21により塞がれることはなかった。
その後、空間部23内ヘクリプトンガスを大気圧程度に
充填し、パッキン121、ガス置換用治具123を取り外し
て、ジアノアクリレート系の接着剤を用いて、封止板27
にて貫通孔25を封止し断熱蓋2とした。
作製した断熱容器1内に約95℃の湯を300cc入れ、断
熱蓋2で断熱容器1の開口を塞いで試験した結果、1時
間経過後の湯温は72℃であり良好な保温性能を有してい
ることが確認された。
(実施例2) 図12に示す断熱容器41及び断熱蓋61を作製した。
先ず断熱容器41は、内壁体45と外壁体46をポリエチレ
ンビニルアルコール系の合成樹脂である商品名エバール
((株)クラレ製)を用いて肉厚1mmに射出成形した。
この際、内・外壁体45,46を組み合わせた際の空間部47
の幅が5mmになるようにした。また内壁体45の底部の外
面の中心箇所を中心として同心円状に密着防止突起53を
その肉厚が1mm、高さが3mmとなるように形成し、さらに
幅1mmのスリットを等間隔に3箇所形成した。外壁体46
の底部中央には直径1mmの貫通孔50を形成した。内壁体4
5の外面には輻射防止材52としてアルミ箔を両面テープ
で貼着した。その後内・外壁体45,46の端部を振動溶着
機を用いて接合し一体化して二重壁構造の断熱層容器を
得た。次いで、上記実施例1と同様に、外壁体46の外面
にパッキン121を介してガス置換用治具123を当て、空間
部47の空気を10Torr以下に排気した。このとき外壁体46
と内壁体45は真空排気による大気圧荷重を受けて変形し
たが、内壁体45に設けた密着防止突起により外壁体46が
支えられて貫通孔50が内壁体45により塞がれることはな
かった。
その後、不活性ガスボンベ128より、空間部47内ヘク
リプトンガスを大気圧程度に充填し、パッキン121,ガス
置換用治具123を取り外して、シアノアクリレート系の
接着剤を用いて、封止板51にて貫通孔50を封止し断熱層
体49とした。
次いでポリプロピレンにより肉厚1.5mmに射出成形さ
れた内・外容器42,43で形成される空間部44内に断熱層
体49を装填し、内・外容器42,43の端部を振動溶着機を
用いて接合し、断熱容器41とした。ここで内・外容器4
2,43で形成される空間部44の幅は7mmとした。
同様にして断熱蓋61を作製した。上壁体64と下壁体65
をポリエチレンビニルアルコール系の合成樹脂である商
品名エバール((株)クラレ製)を用いて肉厚1mmに射
出成形した。この際、上・下壁体64、65を組み合わせた
際の空間部66の隙間の幅が5mmになるようにした。また
下壁体65の底部の外面の中心箇所を中心として同心円状
に密着防止突起72をその肉厚が1mm、高さが3mmとなるよ
うに形成し、さらに幅1mmのスリットを等間隔に3箇所
形成した。下壁体65の底部中央には直径1mmの貫通孔69
を形成した。下壁体65の外面には輻射防止材71としてア
ルミ箔を両面テープで貼着した。その後上・下壁体64、
65の端部を振動溶着機を用いて接合し一体化して二重壁
構造の蓋用断熱層容器を得た。次いで、下壁体65の下面
にパッキン121を介してガス置換用治具123を当て、空間
部66の空気を10Torr以下に排気した。このとき上壁体64
と下壁体65は真空排気による大気圧荷重を受けて変形し
たが、下壁体65に設けた密着防止突起72により上壁体64
が支えられて貫通孔69が上壁体64により塞がれることは
なかった。
その後、不活性ガスボンベ128より、空間部66内ヘク
リプトンガスを大気圧程度に充填し、パッキン121、ガ
ス置換用治具123を取り外して、シアノアクリレート系
の接着剤を用いて、封止板70にて貫通孔69を封止し蓋用
断熱層体68とした。
次いでポリプロピレンにより肉厚1.5mmに射出成形さ
れた上・下面壁62,63で形成される空間部内に蓋用断熱
層体68を装填し、上・下面壁62,63の端部を振動溶着機
を用いて接合し、断熱蓋61とした。ここで上・下面壁6
2,63で形成される空間部の幅は7mmとした。
このようにして作製した断熱容器41内に約95℃の湯を
300cc入れ、断熱蓋61で断熱容器41の開口を塞いで試験
した結果、1時間経過後の湯温は72℃であり良好な保温
性能を有していることが確認された。
(実施例3) 次に図19に図示した2色成形した断熱容器81及び断熱
蓋101を製作した。
この断熱容器81では、外容器内層83aと内容器外層82b
とには高ガスバリア性の樹脂であるポリアミドを用い、
外容器外層83bと内容器内層82aとには耐湿性樹脂である
耐熱耐湿性ポリカーボネートを用い、それぞれの樹脂の
厚さを1.5mmの層にして2色成形して外容器83と内容器8
2を形成した。そして内・外容器82、83との間に幅5mmの
空間部84を介在せしめるようにした。また内容器82の底
部外層の中央部を中心にして、図6に図示した如く、幅
0.8mm、高さ3mmの突起17を8本放射状に配置して密着防
止突起90とした(図6参照)。
また封止板89もポリアミドと耐熱耐湿性ポリカーボネ
ートの樹脂をそれぞれ1.0mmの厚さの積層として平板状
に2色成形して作成した。
外容器83の底部中央に直径1mmの貫通孔88を形成し、
内容器外層82bの面に輻射防止材86としてアルミ箔を両
面テープにより貼着した。このようにした後内容器82と
外容器83を、それぞれの口元接合部85を振動溶着機によ
り接合し一体化して二重壁構造を容器を得た。なお、接
合後外容器83下部より押し出し治具を用いて、一体化し
た断熱容器81を溶着機より押し出して回収したが、外容
器83には何等傷、亀裂等が生じることなく容易に取り出
すことができた。
ついで実施例1及び実施例2と同様に、図25、図26に
図示したパッキン121を介してガス置換用治具123を外容
器83の貫通孔88が設けられている底部外面に当て、空間
部84の空気をガス置換用治具123、配管124、弁125など
を介して真空ポンプ126にて10Torr以下に排気した。こ
のとき図26に示すように内容器82(図26の符号4に相
当)と外容器83(図26の符号3に相当)は真空排気によ
る大気圧荷重を受けて変形したが、内容器82に設けた密
着防止突起90により外容器83の底部が支えられて貫通孔
88が内容器82により塞がれることはなかった。
その後、図25で図示した弁125を閉、弁127を開とし、
不活性ガスボンベ128より、空間部84内ヘクリプトンガ
スを大気圧程度に充填した。その後、パッキン121、ガ
ス置換用治具123を取り外して、シアノアクリレート系
の接着剤を用いて、封止板89にて貫通孔88を封止し、断
熱容器81とした。
同様にして図19に図示した2色成形された断熱蓋101
を製作した。
この断熱蓋101では、下面壁上層103aと上面壁下層102
bとには高ガスバリア性の樹脂であるポリアミドを用
い、下面壁下層103bと上面壁上層102aとには耐湿性樹脂
である耐熱耐湿性ポリカーボネートを用い、それぞれの
樹脂の厚さを1.5mmの層にして2色成形して下面壁103と
上面壁102を形成した。そして上・下面壁102、103との
間に幅5mmの空間部104を介在せしめるようした。また下
面壁103の底部上層の中央部を中心にして、図11に図示
した如く幅0.8mm、高さ3mmの突起37を6本、放射状に配
置して密着防止突起110とした(図11参照)。
また封止板109もポリアミドと耐熱耐湿性ポリカーボ
ネートの樹脂をそれぞれ1.0mmの厚さの積層として平板
状に2色成形した作成した。
下面壁103の底部中央に直径1mmの貫通孔108を形成
し、下面壁上層103aの面に輻射防止材106としてアルミ
箔を両面テープにより貼着した。このようにした後、上
面壁102と下面壁103を、それぞれの口元接合部105を振
動溶着機により接合して一体化した。なお、接合後下面
壁103の下部より押し出し治具を用いて、一体化した蓋1
01を溶着治具より押し出して回収したが、下面壁103に
は何等傷、亀裂等が生じることなく容易に取り出すこと
ができた。
ついで前記断熱容器81同様に、図25、図26に図示した
パッキン121を介してガス置換用治具123を下面壁103の
貫通孔108設けられている下面に当て、空間部104の空気
をガス置換用治具123、配管124、弁125などを介して真
空ポンプ126にて10Torr以下に排気した。このとき図26
に示すように上面壁102と下面壁103は真空排気による大
気圧荷重を受けて変形したが、下面壁103に設けた密着
防止突起110により上面壁102が支えられて貫通孔108が
上面壁102により塞がれることはなかった。
その後、図25で図示した弁125を閉、弁127を開とし、
不活性ガスボンベ128より、空間部104内ヘクリプトンガ
スを大気圧程度に充填した。その後、パッキン121、ガ
ス置換用治具123を取り外して、シアノアクリレート系
の接着剤を用いて、封止板109にて貫通孔108を封止し、
断熱蓋101とした。
作製した断熱容器81内に約95℃の湯を300cc入れ、断
熱蓋101で断熱容器81の開口を塞いで試験した結果、1
時間経過後の湯温は76℃であり良好な保温性能を有して
いることが確認された。
産業上の利用可能性 本発明の合成樹脂製断熱容器および合成樹脂製断熱蓋
は、低熱伝導率ガスが封入された断熱層を挟む二重壁構
造を有する断熱容器あるいは断熱蓋の一方の壁の断熱層
側に、ガス置換時に弾性変形する他方の壁を支えるため
の密着防止突起が形成されているので、この密着防止突
起により、ガス置換用貫通孔が断熱層を挟んだ対向面あ
るいは該対向面に形成されたピンゲートによって閉塞さ
れることを防ぐことができる。
したがって、断熱容器の内容器、外容器、あるいは断
熱容器の断熱層体の内壁体、外壁体、また断熱蓋の上面
壁、下面壁、あるいは断熱蓋の蓋用断熱層体の上壁体、
下壁体の成形を、ピンゲートを用いた射出成形法で行う
ことができるので、成形の自動化、サイクルタイムの安
定化が容易となる。
また真空排気あるいは低熱伝導率ガスの導入が抵抗な
く行われるので、排気時間と導入時間を短縮化かつほぼ
均一化することができ、自動化が容易となり生産性が向
上する。
また断熱容器の内容器、外容器、あるいは断熱容器の
断熱層体の内壁体、外壁体、さらに多色成形された断熱
容器での内容器外層と外容器内層、また断熱蓋にあって
は、断熱蓋の上面壁、下面壁、あるいは断熱蓋の蓋用断
熱層体の上壁体、下壁体、更に多色成形された断熱蓋の
上面壁下層、下面壁下層等は、従来真空排気時に変形し
ないような高い強度が必要とされていたのに対し、本発
明においては成形性や機械強度を満たすレベルで十分と
なり、設計の自由度が高められる。
例えば、従来と同種の樹脂を用いた場合、肉厚を薄く
することができるので、従来の合成樹脂製断熱容器ある
いは合成樹脂製断熱蓋に対して、同等の保温保冷力でよ
りコンパクトな断熱容器をあるいは断熱蓋を提供するこ
とができ、収納性、容積効率の向上が可能となる。
また、ポリプロピレンのような低鋼性の樹脂を用いて
も、肉厚を厚くする必要がなく、目的に応じた広範な種
類の断熱容器あるいは断熱蓋の提供が可能となる。また
断熱容器の底面部をより広い平面形状にすることができ
る。
そして本発明における密着防止突起は、輻射防止材と
して箔を使用する場合に、該箔に切り欠く密着防止突起
用切り欠きが、箔取り付け位置の位置決めの役目を果た
し、製造作業工程を容易にすることができる。
また本発明における密着防止突起は、設計が容易で、
必要な樹脂量も微量であるので、コスト高とはならな
い。
特に、本発明の合成樹脂製断熱容器の第2の実施態様
または合成樹脂製断熱蓋の第2の実施態様において、断
熱層体または蓋用断熱層体の肉厚を薄くすることができ
るので、これらを高ガスバリア性樹脂で成形しても、コ
スト高とはならない。
さらに密着防止突起の先端の少なくとも一部が、対向
面から離間するように構成すれば、密着防止突起を設け
ても、この突起での伝導による熱損失が無く、製品の断
熱性能が保持されて、保温保冷力が低下することがな
い。
上壁体、下壁体、または断熱蓋の上面壁の下層体、下
面壁の上層体は、従来より排気時に変形しないように高
い強度が必要とされていたのに対して、本発明において
は成形性や機械強度を満たすことで充分となり、設計の
自由が高められる。特に密着防止突起の形状を断熱層側
に凸状態で放射状に延出した形状とした場合には、内容
器と外容器、または内壁体と外壁体、または内容器の外
層と外容器の内層と等を振動溶着等で接合して一体化し
た容器または蓋を取り出す時に、突き出し治具等で押し
出しても、これによって容器または蓋の変形は少なく亀
裂等が発生することがなくなる。
また本発明で得られた断熱容器に熱い飲料物を入れた
場合、断熱容器や断熱蓋の断熱層を形成する空間部に封
入した低熱伝導率ガスが加熱されて膨張し、この膨張に
より壁部に負荷が荷重されても、特に平面部に放射状の
密着防止突起を設けることにより、膨張による荷重に対
応する強度を兼ね備えることが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 篤彦 東京都港区西新橋1丁目16番7号 日本 酸素株式会社内 (72)発明者 蒲地 秀史 東京都港区西新橋1丁目16番7号 日本 酸素株式会社内 (56)参考文献 特開 昭56−75123(JP,A) 実開 平4−32644(JP,U)

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内容器と外容器とを一体に接合した二重壁
    容器の内容器と外容器との間に形成される空間部に空気
    より熱伝導率の小さい低熱伝導率ガスを封入して断熱層
    を形成してなる合成樹脂製断熱容器において、 内容器と外容器のいずれか一方の容器の底部中央部にガ
    ス置換用貫通孔が形成され、該ガス置換用貫通孔の近傍
    に、該ガス置換用貫通孔が形成された面及び対向する面
    の少なくとも一つの面から前記断熱層側に向けて突出し
    た密着防止突起が設けられたことを特徴とする合成樹脂
    製断熱容器。
  2. 【請求項2】前記密着防止突起の先端の少なくとも一部
    が、対向面から離間していることを特徴とする請求の範
    囲第1項記載の合成樹脂製断熱容器。
  3. 【請求項3】内容器と外容器とを一体に接合した二重壁
    容器の内容器と外容器との間に形成される空間部に、内
    壁体と外壁体とを一体に接合した二重壁構造を有し前記
    内壁体と外壁体との間に形成される空間部に空気より熱
    伝導率の小さい低熱伝導率ガスを封入して断熱層を形成
    してなる断熱層体が収納された合成樹脂製断熱容器にお
    いて、 内壁体と外壁体のいずれか一方の壁体の底部中央部にガ
    ス置換用貫通孔が形成され、該ガス置換用貫通孔の近傍
    に、該ガス置換用貫通孔が形成された面及び対向する面
    の少なくとも一つの面から前記断熱層側に向けて突出し
    た密着防止突起が設けられたことを特徴とする合成樹脂
    製断熱容器。
  4. 【請求項4】前記密着防止突起の先端の少なくとも一部
    が、対向面から離間していることを特徴とする請求の範
    囲第3項記載の合成樹脂製断熱容器。
  5. 【請求項5】機能特性の異なる合成樹脂を層状にして多
    色成形にして成形されてなる内、外容器を、一体に接合
    した二重壁容器の内容器と外容器との間に形成される空
    間部に、空気より熱伝導率の小さい低熱伝導率ガスを封
    入して断熱層を形成してなる合成樹脂製断熱容器におい
    て、 内容器の外層と外容器の内層のいずれか一方の容器の前
    記層の底部中央にガス置換用貫通孔が形成され、該ガス
    置換用貫通孔の近傍に、該ガス置換用貫通孔が形成され
    た面及び対向する面の少なくとも一つの面から前記断熱
    層側に向けて突出した密着防止突起が設けられたことを
    特徴とする合成樹脂製断熱容器。
  6. 【請求項6】前記密着防止突起の先端の少なくとも一部
    が、対向面から離間していることを特徴とする請求の範
    囲第5項記載の合成樹脂製断熱容器。
  7. 【請求項7】上面壁と下面壁とを一体に接合した二重壁
    蓋の上面壁と下面壁との間に形成される空間部に空気よ
    り熱伝導率の小さい低熱伝導率ガスを封入して断熱層を
    形成してなる合成樹脂製断熱蓋において、 上面壁と下面壁の一方の壁中央部にガス置換用貫通孔が
    形成され、該ガス置換用貫通孔の近傍に、該ガス置換用
    貫通孔が形成された面及び対向する面の少なくとも一つ
    の面から前記断熱層側に向けて突出した密着防止突起が
    設けられたことを特徴とする合成樹脂製断熱蓋。
  8. 【請求項8】前記密着防止突起の先端の少なくとも一部
    が、対向面から離間していることを特徴とする請求の範
    囲第7項記載の合成樹脂製断熱蓋。
  9. 【請求項9】上面壁と下面壁とを一体に接合した二重壁
    蓋の上面壁と下面壁との間に形成される空間部に、上壁
    体と下壁体とを一体に接合した二重壁構造を有し前記上
    壁体と下壁体との間に形成される空間部に空気より熱伝
    導率の小さい低熱伝導率ガスを封入して断熱層を形成し
    てなる蓋用断熱層体が収納された合成樹脂製断熱蓋にお
    いて、 上壁体と下壁体の一方の壁体中央部にガス置換用貫通孔
    が形成され、該ガス置換用貫通孔の近傍に、該ガス置換
    用貫通孔が形成された面及び対向する面の少なくとも一
    つの面から前記断熱層側に向けて突出した密着防止突起
    が設けられたことを特徴とする合成樹脂製断熱蓋。
  10. 【請求項10】前記密着防止突起の先端の少なくとも一
    部が、対向面から離間していることを特徴とする請求の
    範囲第9項記載の合成樹脂製断熱蓋。
  11. 【請求項11】機能特性の異なる合成樹脂を層状にして
    多色成形にて成形されてなる上面壁と下面壁とを、一体
    に接合した二重壁蓋の上面壁と下面壁との間に形成され
    る空間部に、空気より熱伝導率の小さい低熱伝導率ガス
    を封入して断熱層を形成してなる合成樹脂製断熱蓋にお
    いて、 上面壁と下面壁の一方の壁の中央部にガス置換用貫通孔
    が形成され、該ガス置換用貫通孔の近傍に、該ガス置換
    用貫通孔が形成された面及び対向する面の少なくとも一
    つの面から前記断熱層側に向けて突出した密着防止突起
    が設けられたことを特徴とする合成樹脂製断熱蓋。
  12. 【請求項12】前記密着防止突起の先端の少なくとも一
    部が、対向面から離間していることを特徴とする請求の
    範囲第11項記載の合成樹脂製断熱蓋。
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