JP2000325241A - 合成樹脂製断熱容器とその製造方法 - Google Patents

合成樹脂製断熱容器とその製造方法

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JP2000325241A
JP2000325241A JP11142469A JP14246999A JP2000325241A JP 2000325241 A JP2000325241 A JP 2000325241A JP 11142469 A JP11142469 A JP 11142469A JP 14246999 A JP14246999 A JP 14246999A JP 2000325241 A JP2000325241 A JP 2000325241A
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Japan
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container
synthetic resin
wall
heat
gas
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JP11142469A
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English (en)
Inventor
Takafumi Fujii
孝文 藤井
Masashi Yamada
雅司 山田
Atsuhiko Tanaka
篤彦 田中
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Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
Original Assignee
Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温に曝しても外観が熱変形せず、高温洗浄
が可能で、長期間断熱性能を維持し得る軽量な合成樹脂
製断熱容器とその製造方法の提供。 【解決手段】 合成樹脂製の内容器3を、これより稍大
きい合成樹脂製外容器4内に空隙部5を隔てて配置して
収容し、それぞれの開口部端3a、4aを結合して一体
化した二重壁構造の断熱容器1であって、内容器3、外
容器4の空隙部5を隔てて相対向する壁面の少なくとも
一方の面に突起6又は7を設けて、その突起6又は7の
先端を他方の相対向する壁面に接合して一体化した構造
の合成樹脂製の断熱容器1とこれを製造する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、魔法瓶、クーラー
ボックス、アイスボックス、断熱コップ、断熱食器及び
保温弁当箱等の断熱容器並びに断熱容器の開口部を被蓋
する断熱蓋体を包含する断熱容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】魔法瓶、クーラーボックス、アイスボッ
クス、断熱コップ、断熱食器及び保温弁当箱等の断熱容
器においては、従来より、軽量化、成形加工の容易性、
製造コストが安価であること等の利点から、合成樹脂製
の断熱容器の開発、製品化が進められて来ている。この
ような合成樹脂製の断熱容器は、合成樹脂製の内容器を
これより稍形状が大きく、相似に近い合成樹脂製の外容
器内に、空隙を隔てて配して収容し、これらそれぞれの
開口端部を結合して一体化してなるものである。
【0003】そして、前記内容器と外容器の壁によって
形成された空隙部を有する二重壁構造の容器とし、前記
空隙部に空気を充填した空気断熱容器としたり、発泡ス
チロール等の断熱材を配した断熱容器としている。又、
更に断熱性能を向上せしめるとともに、有効利用空間率
を高めるために、前記空隙部にクリプトンガス、キセノ
ンガス、及びアルゴンガスの少なくとも一種よりなる空
気より熱伝導率の低いガス(以下「低熱伝導率ガス」と
いう)を充填封入して断熱層を形成した断熱容器があ
る。又、この断熱容器に被蓋する合成樹脂製断熱蓋体も
同様であって、被蓋する容器の開口部に合わせた形状と
した浅底状の蓋内・外容器により空隙部を形成して二重
壁構造とし、前記空隙部を断熱層として断熱蓋体とする
ものである。
【0004】しかるに、空隙部に低熱伝導率ガスを封入
して断熱層を形成する方法としては、前記内容器と外容
器との結合一体化によって、これらの間に形成される空
隙部に直接低熱伝導率ガスを封入する方法や、予め別途
にガスバリア性の高い合成樹脂を用いて、前記空隙部の
形状に合わせた形状にしてガス封入用容器体を作製し、
該ガス封入用容器体に低熱伝導率ガスを封入して断熱層
として、これを前記空隙部に収容配置する方法がある。
【0005】そして、前者の低熱伝導率ガスを内容器と
外容器との間に形成した空隙部に直接充填封入する断熱
容器にあっては、断熱性能保持のため、封入した低熱伝
導率ガスが使用経時に従って、空隙部より大気に漏出し
ないようにガスバリア性が高い合成樹脂を使用してい
る。しかし、ガスバリア性が高い合成樹脂は、一般的に
水分や湿気に接触したりして、吸湿するとガスバリア性
が低下する。しかるに、本発明の如きこれらの断熱容器
は、利用目的機能上、湯水等を収容して貯湯するもので
あるため、容器の材料であるガスバリア性合成樹脂は、
水分との接触は避けることはできない。このため、合成
樹脂は吸湿してガスバリア性が低下し、空隙部に充填し
て封入しておいた低熱伝導率ガスが合成樹脂の容器壁を
透過して大気に漏出してしまい、その結果断熱性能が低
下して断熱性能を維持することが困難となる。
【0006】このようなことに鑑み、湯水を収容貯湯し
て容器壁が湯水と接触しても、空隙部に封入したガス
が、容器壁を透過して大気に漏出するのを防止した、耐
水性の高い合成樹脂を使用した断熱容器として、前記し
た後者の如き断熱層を設けた断熱容器が提案されてい
る。即ち、この断熱容器では、内・外容器に耐水性の高
い合成樹脂を用いて、空隙部を隔てた二重壁容器とし、
そして別途にガスバリア性の高い合成樹脂で作製したガ
ス封入用容器に低熱伝導率ガスを封入してなる断熱層体
を用意して、これを前記空隙部に収容配置して断熱容器
としたものである。
【0007】このような合成樹脂製断熱容器及び合成樹
脂製断熱蓋体は、その使用目的機能から、容器内に熱い
飲料や食物を収容して、可及的に高い温度に維持するた
めに使用される。又、かかる断熱容器は、使用後に洗浄
する場合、熱湯を用いて洗浄したり、又その後に高温度
の乾燥器や熱風乾燥器を使用して乾燥させる。特に業務
用に使用する当該断熱容器の洗浄に当たっては、衛生面
が厳しく考慮され、長時間にわたる熱湯洗浄や高熱乾燥
が行われる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、合成樹脂は
一般に高い温度に曝されると、機械的強度が低下してき
て、外的応力によって作用されて変形しやすくなる。即
ち、一定時間以上、当該の合成樹脂製断熱容器及び合成
樹脂製断熱蓋体を、熱湯に浸したり、高温乾燥器等に入
れておくと、合成樹脂が加熱されてその温度が上昇す
る。その結果、これらの内容器と外容器との間に形成せ
しめた空隙部内に充填封入した低熱伝導率ガスが膨張
し、該ガスによって、内容器と外容器のそれぞれの壁面
を、空隙部側から外方向に向け膨圧せしめる。そして、
この膨圧により熱により軟化している内・外容器は変形
を起こすこととなっていた。特に平面部分よりなる壁面
は外圧に対する対抗強度が弱く変形し易い。このように
して生ずる膨らみによる変形は、一度生ずると、熱湯等
の熱より解放して元の形状に復元することはなく、変形
した合成樹脂製断熱容器や合成樹脂製断熱蓋体は、断熱
性能の保持機能が劣化し、使用することができないとと
いう、大きな問題があった。
【0009】このような問題の対応策として、断熱容器
や断熱蓋体の強度を高めるために、内・外容器の各壁面
の肉厚を厚くする方法がとられているが、高温下では合
成樹脂の機械的強度は極端に低下するため、抜本的な解
決策とはならない。又、肉厚を厚くすると、重量が重く
なるばかりでなく、有効利用空間率が低下し、全体の品
姿の大きさに比べて、利用空間容量が小さいという、い
わゆる「上げ底」感を抱かせることとなり、しかもその
上、価格が高くなる問題を有することとなっていた。
【0010】本発明は、上記不都合、問題点の存在に鑑
みなされたもので、その解決すべき課題とするところ
は、使用時又は洗浄時等において、熱的に高温の環境下
に曝されても外観が変形することなく、高温洗浄や乾燥
が可能で、衛生的、且つ長期にわたって断熱性能を維持
し得る合成樹脂製の断熱容器及び断熱蓋体を提供するこ
とにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記不都合、問題点を解
決し、課題を達成するため、請求項1に係わる本発明の
合成樹脂製断熱容器は、合成樹脂製の内容器を、該内容
器より稍大きな寸法の合成樹脂製の外容器内に空隙部を
隔て配置して、それぞれの端部で結合一体化して、前記
空隙部を断熱層とした二重壁構造よりなる合成樹脂製断
熱容器であって、前記空隙部を形成して相対向する内容
器及び外容器の壁面の少なくとも一方の壁面に突起を設
けてなるとともに、該突起の先端が他方の壁面に接合し
て一体化してなることを特徴としたものである。又、請
求項2に係わる発明の合成樹脂製断熱容器は、合成樹脂
製の内容器を、該内容器より稍大きな寸法の合成樹脂製
の外容器内に空隙部を隔て配置して、それぞれの端部で
結合一体化し、前記空隙部に、該空隙部の形状に合わせ
てなる合成樹脂製のガス封入用容器に気体を封入した断
熱層体を、配してなるととともに、前記合成樹脂製のガ
ス封入容器内の対向する壁面の少なくとも一方の壁面に
突起を設けてなり、且つ該突起の先端が他方の壁面に接
合して一体化してなることを特徴としたものである。
【0012】更に、請求項3に係わる発明は、合成樹脂
製断熱容器の製造方法であって、合成樹脂製の内容器の
外壁と該内容器より稍大きな寸法の外容器の内壁の少な
くとも一方の壁面に、内容器を外容器内に収容した時に
形成せしめる空隙部寸法にほぼ合わせた長さの突起を形
成せしめた内容器と外容器とを、内容器を外容器内にそ
れぞれが空隙部を隔てて配されるようにして収容し、次
いで内容器と外容器との端部を結合するとともに、前記
突起の先端を対向する壁面に接合して一体化することを
特徴としたものである。又更に、請求項4に係わる本発
明の合成樹脂製断熱容器の製造方法は、合成樹脂製の合
成樹脂製の内容器を、該内容器より稍大きな寸法の合成
樹脂製の外容器内に空隙部を隔て配置するに先立って、
少なくとも一方の壁体に突起を設けた合成樹脂製内壁体
と外壁体とを、前記突起先端が他方の壁体に対向するよ
うに配して、両壁体間に空間部を形成せしめて一体に結
合するとともに、前記空隙部の形状に合わせた形状とし
たガス封入用容器に気体を封入して断熱層体を形成して
用意しておいて、該断熱層体を前記内容器の外壁又は外
容器の内壁に配した後内容器を外容器内に収容して、前
記内容器と外容器との間の空隙部に前記断熱層体を配置
して内容器と外容器との各端部を結合一体化することを
特徴としたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の合成樹脂製断熱容器は、
容器及び該容器の開口部に着脱自在に被蓋する蓋体を包
含するものであり、これらは飲食物を収容した時に、収
容した飲食物と接触する内容器と、大気側に面して位置
する外容器とをそれぞれ合成樹脂製で形成して、内容器
を外容器内に空隙部を隔てて配置して収容し、内・外容
器の開口部端を結合して一体化して、空隙部を断熱層と
して介在せしめた二重壁構造の断熱容器である。そし
て、この二重壁構造の断熱層を形成する空隙部を介在せ
しめて内・外容器を一体化するにあたって、内容器の外
壁及び外容器の内壁の少なくとも一方の壁面に前記形成
する空隙部の空隙寸法にほぼ合わせた長さ寸法の突起を
設けておいて、内・外容器の開口部端の結合とほぼ同時
に、突起の先端を対向する壁面に溶着して一体化してな
るものである。そして、これにより、高温に曝されて軟
化した合成樹脂が封入した気体の膨張圧を受けても、突
起で結合して一体化した内・外容器の両壁面で支持する
ようにしてあるので、それによる変形を防止し得るよう
にしたものである。
【0014】又、別の実施の形態では、前記、内容器と
外容器で形成せしめた空隙部内に、別途にガスバリア性
が高い合成樹脂よりなるガス封入用容器に気体を封入し
てなる断熱層体を、収容して配置し、そして内容器と外
容器のそれぞれの開口部端を結合して一体化した二重壁
構造の断熱容器である。そして前記空隙部に配置する別
途に作製して断熱層体となすガス封入用容器として、こ
れを形成する合成樹脂製の内壁体と外壁体のそれぞれの
相対向する壁面の少なくとも一方の壁面に、前記空隙部
の寸法にほぼ合わせた長さ寸法の突起を設けておいて、
内・外壁体によってガス封入用容器の形成の際の結合と
同時に、突起の先端を対向する壁面に溶着して一体化し
てなるものである。そして、これにより、高温に曝され
て軟化した合成樹脂が応力を受けても、内・外容器の両
壁面は、別途に作製して、前記内・外容器で形成した空
隙内に収容されている断熱層体で支持されていて、変形
が防止し得るとともに、断熱層体を形成しているガス封
入用容器の内壁体と外壁体が突起で結合されて一体化
し、気体が封入されているので、封入した気体の膨張圧
を受けても、これによる変形を防止することができる。
【0015】なお、上記した如き断熱容器に被蓋する合
成樹脂製の断熱蓋体も、上記した断熱容器と同様に、合
成樹脂製の二重壁構造を形成する蓋体の蓋内容器の外壁
面と蓋外容器の内壁面の少なくとも一方の壁面に突起を
設けて、これらを空隙部を隔てて結合して一体化すると
ともに、前記突起の先端部を対向する壁面に結合する
と、上記した如き断熱容器と同様に、該種合成樹脂製の
断熱蓋体が高温に曝されても、空隙部に封入した気体の
高温による膨張圧によって、蓋内・外容器壁面が変形す
るのを防止することができる。
【0016】なお更に、別の実施の形態で、蓋内・外容
器で形成される空隙部に、別途に作製する断熱層体を収
容配置する合成樹脂製の蓋内容器、蓋外容器の二重壁構
造でなる合成樹脂製の断熱蓋体にあっても、上記した断
熱容器と同様に断熱層体を合成樹脂製のガス封入用容器
の内壁体と外壁体のそれぞれの相対向する壁面の少なく
とも一方の壁面に、前記空隙部の寸法に合わせた長さ寸
法の突起を設けておいて、内・外壁体によってガス封入
用容器の形成の際の結合と同時に、突起の先端を対向す
る壁面に溶着して一体化して形成することによって、該
種合成樹脂製の断熱蓋体が高温に曝されても、空隙部に
封入した気体の高温による膨張圧によって、蓋内・外容
器壁面が変形するのを防止することができる。
【0017】[実施の形態1]以下に本発明の合成樹脂
製の断熱容器の一例を[実施の形態1]として、図面を
参照して詳細に説明する。図1は本発明の[実施の形態
1]の合成樹脂製断熱容器と断熱蓋体の一例を説明する
部分断面図である。図2は本発明の[実施の形態1]の
合成樹脂製断熱容器を構成する内容器の部分断面図、図
3は本発明の[実施の形態1]の合成樹脂製断熱容器を
構成する内容器の下面図である。又、図4は本発明の
[実施の形態1]の合成樹脂製断熱容器を構成する外容
器の上面図、図5は本発明の[実施の形態1]の合成樹
脂製断熱容器を構成する外容器の部分断面図である。
【0018】図1において、符号1は合成樹脂製の断熱
容器で、開口部2を有する椀状又は丼形状をした容器で
ある。又、符号101は、前記断熱容器1の開口部2に
着脱自在に被蓋する合成樹脂製の断熱蓋体である。前記
断熱容器1は、ガスバリア性が高く、且つ耐熱性、耐水
性の優れた例えば液晶ポリエステル等の如き合成樹脂製
の内容器3を、これとほぼ相似な形状で、稍寸法の大き
い耐水性の合成樹脂でなる外容器4内に、形状に合わせ
て収容し、空隙部5を隔てて配置して、内容器3の開口
部端3aと外容器4の開口部端4aとを溶着等により結
合して一体化してなり、空隙部5を挟んで内容器3と外
容器4とによって二重壁構造を形成している。
【0019】そして、前記内容器3と外容器4を形成す
るガスバリア性の高い合成樹脂としては、「ASTM
D1434−58」に準拠して、気体透過率(対象気
体:O2、N2、及びCO2)が1.0g/m2/24hr/
atm 以下の合成樹脂である。又、耐熱・耐水性(耐透
湿度)の合成樹脂としては、「JIS Z 0280」に
準拠して、温度40℃、相対湿度90%の環境下で、水
分の透過率が50g/m2/24hr 以下であることで
ある。更に、機械的強度は、曲げ弾性率が「ASTM
D 790」に準拠して、10000kg/cm2以上、
及び/又はアイゾット衝撃強度(ノッチあり)が「AS
TM M D256」に準拠して、5kg・cm/cm 以
上の合成樹脂である。例えばポリプロピレン、耐熱耐湿
性ポリカーボネート、ABS、ポリスチレン,AS、ポ
リエチレン、塩化ビニル、ポロアミドイミド等の合成樹
脂が適しており、これらから適宜選択して使用すると良
い。
【0020】このような合成樹脂でなる内容器3と外容
器4との間に形成される空隙部5には、空気又は空気の
熱伝導率24.3mW/m・K(0℃、1atm)より低い
熱伝導率を有するガスZが、常温でほぼ大気圧程度、又
はそれより幾分高い圧力にして気密を保って充填封入さ
れている。そのガスとしてはクリプトンガス(熱伝導
率:8.83mW/m・K)、キセノンガス(熱伝導率:
5.19mW/m・K)、アルゴンガス(熱伝導率:1
6.1mW/m・K)の少なくとも一種よりなる低熱伝導
率ガスZが好適に使用することができる。
【0021】かかる構造の断熱容器1において、本発明
は更にその上、内容器3の底部の外壁3bには、外方に
向けて尾根状に突出する4つの突起6、6、…、…が中
心部3cより放射状に配して設けられている(図2及び
図3参照)。又、一方当該内容器3が空隙部5を隔てて
収容されて配置される外容器4の底部内壁4bには、内
容器3が外容器4内に収容されて、これらが一体化した
時に、前記内容器3の底部外壁3bに設けた放射状に配
した突起6、6、…、…と交叉した接点が得られるよう
に、図4及び図5に図示する如く内側に向けて中心4c
と同心円周状に突出する突起7が形成されている。な
お、これらの突起6又は突起7aに、適宜な数の切り欠
き6a又は7aを設けておくと、空隙部5内を低熱伝導
率ガスZを封入する時に、これら突起が気体の流通をを
妨げること無く流通し、空隙部5に均一に導入、充填す
ることができる。
【0022】この結果、内容器3を外容器4内に収容し
て空隙部5を隔てて配して、これらを結合一体化する際
に、前記した内容器3の底部外壁3bに放射状に配して
設けた突起6、6、…、…と、外容器4の底部内壁4b
に中心と同心円周状に設けた突起7とは、方向性を考慮
せずに必然的に接合される交叉位置が位置決めされて、
接合一体化せしめることができる。そして、内容器3と
外容器4とのそれぞれの開口部端3aと4aとの結合の
溶着とほぼ同時に、前記した内容器3に設けた放射状に
配した各突起6、6、…、…と外容器4に設けた円周状
の突起7とを、溶着すればよい。これを行うためには、
突起6の高さと突起7の高さの和を、前記内・外容器3
と4で形成する空隙部5の厚み寸法より0.5〜2mm
程度長くなるよう、突起6と突起7の高さ寸法を設定す
ることが望ましい。しかし、この寸法は、設計に応じて
その都度適宜な寸法を選択して用いられるので、この寸
法が最適であるとは一概に特定し得るものではない。
【0023】又、内容器3と外容器4との空隙部5を隔
てて対向していて空隙部5に面しているそれぞれの壁面
には、アルミニウムや銅等の熱反射率の高い金属よりな
る金属箔やメッキ膜等の輻射熱遮断材8が設けられてい
る。なお、該輻射熱遮断材8の配設は、前記した両壁面
でも良く、又いずれか一方の壁面でも良い。この場合内
容器3の壁面に配設する方がより効果的である。そし
て、輻射熱反射材8として金属箔用いる場合には、金属
箔の、内容器3に設けた突起6又は外容器4に設けた突
起7を配した位置に応じた場所に、切欠きを設けること
により、金属箔の配置の位置決めが容易となって好都合
である。なお又、符号9は低熱伝導率ガスZの充填口で
あり、符号10は該ガス充填口9を気密に封止する封止
板である。
【0024】次に、上記した断熱容器1の開口部2に被
蓋する断熱蓋体101について図1を参照して説明す
る。該断熱蓋体101は、容器となる凹部が上方に向い
ている上記断熱容器1とは、その凹部を下方に向けて上
下を逆の状態にした底浅の容器である点の差異はある
が、その構成構造は両者ほとんど同じである。即ち、当
該本発明の断熱蓋体101は、断熱容器1の開口部2に
被蓋した際、断熱容器1に収容した飲食物と対面して位
置する合成樹脂製の蓋内容器103を、これとほぼ相似
で稍大きな形状よりなっていて大気に曝された状態にあ
る合成樹脂製の蓋外容器104内に、形状に合わせて収
容し、空隙部105を隔てて配置して、蓋内容器103
の開口部端103aと蓋外容器104の開口部端104
aとを溶着等により結合して一体化してなり、空隙部1
05を挟んで蓋内容器103と蓋外容器104とによっ
て二重壁構造を形成している。
【0025】そして、前記断熱蓋体101の蓋内容器1
03及び蓋外容器104を形成する合成樹脂としては、
ガスバリア性が高く、且つ耐熱性、耐水性の優れた合性
樹脂が用いられる。このガスバリア性の高い合成樹脂と
は、「ASTM D1434−58」に準拠して、気体
透過率(対象気体:O2、N2、及びCO2)が1.0g/
2/24hr/atm 以下の合成樹脂である。又、耐熱
・耐水性(耐透湿度)の合成樹脂としては、「JIS
Z 0280」に準拠して、温度40℃、相対湿度90
%の環境下で、水分の透過率が50g/m2/24hr
以下であることである。更に、機械的強度は、曲げ弾性
率が「ASTM D 790」に準拠して、10000k
g/cm2以上、及び/又はアイゾット衝撃強度(ノッ
チあり)が「ASTM M D256」に準拠して、5k
g・cm/cm 以上である合成樹脂である。例えばポリ
プロピレン、耐熱耐湿性ポリカーボネート、ABS、ポ
リスチレン,AS、ポリエチレン、塩化ビニル、ポロア
ミドイミド等の合成樹脂が適しており、これらから適宜
選択して使用すると良い。
【0026】このような合成樹脂でなる蓋内容器103
と蓋外容器104との間に形成される空隙部105に
は、空気又は空気の熱伝導率24.3mW/m・K(0
℃、1atm)より低い熱伝導率を有するガスZが、常温
でほぼ大気圧程度、又はそれより幾分高い圧力にして気
密を保って充填封入されている。そのガスとしてはクリ
プトンガス(熱伝導率:8.83mW/m・K)、キセノ
ンガス(熱伝導率:5.19mW/m・K)、アルゴンガ
ス(熱伝導率:16.1mW/m・K)の少なくとも一種
よりなる低熱伝導率ガスZが好適に使用することができ
る。
【0027】かかる構造の断熱蓋体101において、本
発明では更に、図2乃至3で図示した断熱容器1の内容
器3と同様に、蓋内容器103の底部の外壁103bに
は、外方に向けて尾根状に突出する4つの突起106、
106、…、…が中心部103cより放射状に配して設
けられている(図1参照、図2及び図3援用参照)。
又、一方蓋内容器103が空隙部105を隔てて収容さ
れて配置される蓋外容器104の底部内壁104bには
図1に図示されている如く、蓋内容器103が蓋外容器
104内に収容されてこれらが一体化した時に、前記蓋
内容器103の底部外壁103bに設けた放射状に配し
た突起106、106、…、…と交叉した接点が得られ
るように、図4及び図5に図示した断熱容器1の外容器
4と同様に、内側に向けて中心104cと同心円周状に
突出する突起107が形成されている(図1参照、図4
乃至5援用参照)。
【0028】この結果、蓋内容器103を蓋外容器10
4内に収容して空隙部105を隔てて配して、これらを
結合一体化する際に、前記した蓋内容器103の底部外
壁103bに放射状に配して設けた突起106、10
6、…、…と、蓋外容器104の底部内壁104bに中
心と同心円周状に設けた突起107とは、方向性を考慮
せずに必然的に接合される交叉位置が位置決めされて、
接合一体化せしめることができる。そして、蓋内容器1
03と蓋外容器104とのそれぞれの開口部端103a
と104aとの結合の溶着とほぼ同時に、前記した蓋内
容器103に設けた放射状に配した各突起106、10
6、…、…と蓋外容器104に設けた円周状の突起10
7とを、溶着すればよい。これを行うためには、突起1
06の高さと突起107の高さの和を、前記蓋内・外容
器103と104で形成する空隙部105の厚み寸法よ
り0.5〜2mm程度長くなるよう、突起106と突起
107の高さ寸法を設定することが望ましい。
【0029】又、蓋内容器103と蓋外容器104との
空隙部105を隔てて対向していて空隙部105に面し
ているそれぞれの壁面には、アルミニウムや銅等の熱反
射率の高い金属よりなる金属箔やメッキ膜等の輻射熱遮
断材108が設けられている。なお、該輻射熱遮断材1
08の配設は、前記した両壁面でも良く、又いずれか一
方の壁面でも良い。この場合蓋内容器103の壁面に配
設する方がより効果的である。そして、輻射熱反射材1
08として金属箔用いる場合には、金属箔の、蓋内容器
103に設けた突起106又は蓋外容器104に設けた
突起107を配した位置に応じた場所に、切欠きを設け
ることにより、金属箔の配置の位置決めが容易となって
好都合である。なお又、符号109は低熱伝導率ガスZ
の充填口であり、符号110は該ガス充填口109を気
密に封止する封止板である。
【0030】以上の如き構造よりなる本発明の合成樹脂
製の断熱容器1と断熱蓋体101は、以下の如き方法に
より製造される。なお、本発明の断熱容器1と断熱蓋体
101とは、上記した如く、ほぼ同じ構成をした構造よ
りなっていて、その製造方法もほぼ同じであるので、断
熱容器1の製造方法のみを採り上げて説明し、断熱蓋体
101の製造方法についての説明は省略する。そして、
本発明の断熱蓋体101の製造方法については、以下の
断熱容器1の製造方法の説明における「内容器3」を
「蓋内容器103」と読み替え、「外容器4」を「蓋外
容器104」と読み替えるとともに、断熱蓋体101の
符号は、「断熱容器1」で図示する図示符号と共通する
構成には、100の値の下1桁乃至2桁を同一符号で表
示してあるので、以下の断熱容器1の製造方法の説明
で、断熱蓋体101の製造方法についても十分理解し得
るものである。
【0031】先ず、ガスバリア性を有し、その上耐熱・
耐水性を有する合成樹脂、例えば液晶ポリアミド樹脂に
より、丼形状の如き所望する形状とした内容器3、及び
該内容器3より稍大きな寸法でほぼ相似形状をした外容
器4とを成型する。この外容器4は、肉厚1.0〜2.5
mmとして、底面内壁4bに高さ約2mmの円周上突起
7を有し、且つ底部中心部4cにガス充填口9を穿孔し
た形状にして製造する。又、内容器3は、肉厚を外容器
4と同じの1.0〜2.5mmとして、底面外壁3bに高
さ約4mmの放射状の突起6を4本有する形状として製
造する。この時、気体の膨圧に影響されやすい平面部が
より広く外容器4の底面に占めていることから、外容器
4の方が内容器3より加熱によって膨圧する気体により
変形しやすいので、特に広い平面部には変形が生じない
ように突起6、7の数を増やしたり、溶着する面積を増
やすことによって、内容器3と外容器4とを突起によっ
てより強固に結合せしめておくことが望ましい。
【0032】そして、内容器3の空隙部5に面する側の
壁面(外壁面)に、銅箔よりなる輻射熱遮断材8を貼着
して設けた後、この内容器3を外容器4内に収容して空
隙部5を隔てて配置する。続いて内容器3の開口部端3
aと外容器4の開口部端4bを振動溶着機や超音波溶着
機等により溶着して結合せしめるとともに、同時に各突
起6と突起7との接点部を同様に溶着して結合せしめ、
これら内容器3と外容器4とを空隙部5を隔てて一体化
して二重壁構造の容器とする。
【0033】続いて外容器4の底部に設けたガス充填口
9を介して、空隙部5内の空気を真空ポンプ等の排気手
段によって排気し、約10Torr以下の圧力に排気した
後、前記空隙部5内に前記した如き低熱伝導率ガスZを
導入し、常温でほぼ大気圧の圧力充填して、前記ガス充
填口9を封止板10で気密に封止する。なお、封止板1
0は外容器4と同じ合成樹脂の材料を使用して、ガス充
填口9に接着剤により接着して封止したり、振動溶着機
や超音波溶着機等によって気密に溶着して封止しても良
い。又、接着剤による封止では、水分硬化性瞬間接着剤
を使用して接着すると、極めて気密性良く、且つ作業性
良く封止することができるが、この場合封止板10とし
て、吸湿性ある合成樹脂を使用するとなお一層効果的で
ある。
【0034】このようにして製造した断熱容器1は、内
容器3と外容器4の一部の壁面が突起により一体化され
ているため、たとえ高温の環境下に曝されて、各容器を
構成している合成樹脂の温度が上昇して機械的強度が弱
くなり、しかも断熱容器1の空隙部5に封入された低熱
伝導率ガスZが膨張したとしても、断熱容器1が突起
6、7による内・外容器の一体化で強度が強化されてい
て変形し難く、耐久性の優れた断熱容器とすることがで
きる。
【0035】なお、上記の[実施の形態1]では、内・
外容器3、4を構成する合成樹脂として、ガスバリア性
と耐熱・耐水性の機能の優れた単一材料の合成樹脂を使
用した断熱容器1について説明した。しかし、内容器3
又は外容器4をそれぞれで形成する空隙部5に面する壁
面をガスバリア性の高い合成樹脂とし、飲食物や大気に
触れる壁面を耐水、耐熱性合成樹脂とするよう機能の異
なる合成樹脂を積層にした、いわゆる多色合成樹脂を用
いた断熱容器にも適用することは勿論であり、同様の作
用効果を奏する。
【0036】なお又、上記の[実施の形態1]では突起
を、空隙部5を挟んで対向する内容器3と外容器4の両
方の壁面に設けた例について説明したが、本発明はこれ
に限定されるものでなく、前記対向する壁面の一方の壁
面のみに突起を形成しておいて、この先端を対向する壁
面に接合して一体化すれば、同様な作用効果を奏するこ
とは勿論である。
【0037】[実施の形態2]次に、本発明の合成樹脂
製断熱容器と断熱蓋体の別の実施形態の一例を、[実施
の形態2]として、図6乃至図10を参照して説明す
る。図6は本発明の[実施の形態2]の合成樹脂製断熱
容器と断熱蓋体の一例を説明する部分断面図である。図
7は本発明の[実施の形態2]の合成樹脂製断熱容器を
構成するガス封入用容器の内壁体の部分断面図、図8
は、本発明の[実施の形態2]の合成樹脂製断熱容器を
構成するガス封入用容器の内壁体の下面図である。又、
図9は本発明の[実施の形態2]の合成樹脂製断熱容器
を構成するガス封入用容器の外壁体の上面図、図10は
本発明の[実施の形態2]の合成樹脂製断熱容器を構成
するガス封入用容器の外壁体の部分断面図である。
【0038】この実施の形態における断熱容器21の特
徴は、図6に図示する如く、内容器23と外容器24と
の間に形成する空隙部25に、別途に作製した低熱伝導
率ガスZを封入してなる断熱層体を31を配設したもの
である。即ち、図6において、符号21は合成樹脂製の
断熱容器で、開口部22を有する椀状又は丼形状をした
容器である。又、符号121は、前記断熱容器21の開
口部22に着脱自在に被蓋する合成樹脂製の断熱蓋体で
ある。
【0039】前記断熱容器21は、ガスバリア性が高
く、且つ耐熱性、耐水性の優れた例えば液晶ポリエステ
ル等の如き合成樹脂製の内容器23を、これとほぼ相似
な形状で、稍寸法の大きい耐水性の合成樹脂でなる外容
器24内に、形状に合わせて収容し、空隙部25を隔て
て配置して、内容器23の開口部端23aと外容器24
の開口部端24aとを溶着等により結合して一体化して
なり、空隙部25を挟んで内容器23と外容器24とに
よって二重壁構造を形成している。そして前記空隙部2
5には、ガスバリア性の高い合成樹脂よりなる内壁体3
3と外壁体34とで容器状に形成したガス封入用容器3
2に低熱伝導率ガスZを封入した断熱層体31が配置さ
れている。
【0040】しかるに、前記内容器23と外容器24を
形成する、ガスバリア性の高い合成樹脂としては、「A
STM D1434−58」に準拠して、気体透過率
(対象気体:O2、N2、及びCO2)が1.0g/m2
24hr/atm 以下の合成樹脂である。又、耐熱・耐水
性(耐透湿度)の合成樹脂としては、「JIS Z 02
80」に準拠して、温度40℃、相対湿度90%の環境
下で、水分の透過率が50g/m2/24hr 以下であ
ることである。更に、機械的強度は、曲げ弾性率が「A
STM D 790」に準拠して、10000kg/cm
2以上、及び/又はアイゾット衝撃強度(ノッチあり)
が「ASTM M D256」に準拠して、5kg・cm
/cm 以上である合成樹脂である。例えばポリプロピ
レン、耐熱耐湿性ポリカーボネート、ABS、ポリスチ
レン,AS、ポリエチレン、塩化ビニル、ポロアミドイ
ミド等の合成樹脂が適しており、これらから適宜選択し
て使用すると良い。
【0041】又、ガス封入用容器32(断熱層体31を
形成する容器)の内壁体33と外壁体34を形成するガ
スバリア性の高い合成樹脂としては、例えばポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
エチレンナフタレート等のポリエステル、あるいはポリ
アミド、エチレンビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール等の
合成樹脂が効果的に使用することができる。
【0042】更に、前記断熱層体31を形成せしめるた
め、ガス封入用容器32に封入する低熱伝導率ガスZと
しては、先の実施の形態で説明したガスと同様に、空気
又は空気の熱伝導率24.3mW/m・K(0℃、1at
m)より低い熱伝導率を有するガスが用いられる。その
好適な例としては、クリプトンガス(熱伝導率:8.8
3mW/m・K)、キセノンガス(熱伝導率:5.19m
W/m・K)、アルゴンガス(熱伝導率:16.1mW/
m・K)の少なくとも一種よりなる低熱伝導率ガスZが
好適に使用することができる。そして、これらのガスは
常温でほぼ大気圧程度、又はそれより幾分高い圧力にし
て気密を保ってガス封入用容器32に充填封入されて断
熱層体31を形成する。
【0043】このような構成でなる、本発明のこの[実
施の形態2]の断熱容器21での特徴である断熱層体3
1は、次のような構造よりなっている。即ちガス封入用
容器32を形成する内壁体33及び外壁体34が、前記
内容器23と外容器24とで形成した空隙部25の形状
に合わせて成型加工されてなるとともに、これらの内・
外壁体33、34との間に空間部35を形成するよう、
内・外壁体33、34とを空間部35を隔てて重ね合わ
せて配置し、これらの端部33aと34aとを溶着等に
より気密に結合し一体化して、ガス封入用容器32を形
成している。なお符号39は、外壁体34の底部に設け
たガス充填口であり、符号40は該ガス充填口39を封
止するための封止板である。
【0044】そして、前記内壁体33の底部の外壁面3
3b(外壁体34と一体化したとき空間部35に面する
壁面)には、図7及び図8に図示する如く、底部の中心
部33cを中心にして同心円周に沿って連続する尾根状
の形状をなして、間欠的に配された4つの突起36、
…、…、…が設けられている。この突起36の連続幅w
は、必要とする強度に応じて設定すればよい。図7及び
図8においては、その連続幅wは、4つの突起36のう
ち相対向する2つは中心部33cを中心に仰角角度90
度の幅とし、他の相対向する2つの突起は中心部33c
を中心に仰角角度10度の幅として、それぞれ間隙を保
って配置して、ガスの充填封入時にガスが流通可能なよ
うに配設した例を示してある。本発明はこれに限定され
るものでなく、この突起36の設ける数を、必要な強度
に応じて適宜な数として選択して設けることができるこ
とは勿論である。又、前記した如き複数個を間欠的に配
することなく、連続的な1つの突起を配した状態にして
も良く、この場合封入気体が全領域に均一に通気拡散す
るよう、この突起を貫通した通気孔を設けるようにすれ
ばよい。
【0045】一方、外壁体34にも前記内壁体33に設
けた突起36に合わせて、図9及び図10に図示する如
く、その底部内壁面34b(内壁体33と一体化したと
き空間部35に面する壁面)にその中心部34cを中心
とした同心円周に沿って連続する尾根状の形状をなした
突起37が形成されている。この外壁体34に設ける突
起37も、前記した内壁体33に設けた突起36と合わ
せた数の4つ突起37、…、…、…のうち、相対向する
2つは中心部34cを中心に仰角角度90度の幅とし、
他の相対向する2つの突起は中心部34cを中心に仰角
角度10度の幅として、それぞれ間隙を保って配置して
設けると、内壁体33と接合一体化する時に、方向性を
考慮しなくても確実に4つの突起36と突起37同士を
接合することができる。なお、これら内壁体33と外壁
体34を、それらの端部33aと34a同士を溶着結合
して一体化すると同時に、突起36と突起37との溶着
結合を行うため、突起36の高さと突起37の高さの和
を、前記内・外容器23と24で形成する空隙部25の
厚み寸法より0.5〜2mm程度長くなるよう、突起3
6と突起37の高さ寸法を設定することが望ましい。
【0046】なお、この突起37の連続幅wは、必要と
する強度に応じて設定すればよい。又、前記突起37は
内壁体33に設けた突起36に合わせて、図9及び図1
0に図示した如くその連続幅wとして、4つの突起37
のうち相対向する2つは中心部34cを中心に仰角角度
90度の幅とし、他の相対向する2つの突起は中心部3
4cを中心に仰角角度10度の幅として、それぞれ間隙
を保って配置して、ガスの充填封入時にガスが流通可能
なように配設した例を示してある。本発明はこれに限定
されるものでなく、この突起37の設ける数を、必要な
強度に応じて適宜な数として選択して設けることができ
ることは勿論である。又、前記した如き複数個を間欠的
に配することなく、連続的な1つの突起を配した状態に
しても良く、この場合封入気体が全領域に均一に通気拡
散するよう、この突起を貫通した通気孔を設けるように
すればよい。
【0047】このようにして構成されたガス封入用容器
32の内壁体33の空間部35に面する壁面には、アル
ミニウム、銅等の熱反射率の高い金属の箔やメッキ膜等
の輻射熱遮断材38が配設されている。なお、この輻射
遮断材38は外壁体34の空間部35に面する壁面に配
設してもよく、又内壁体33及び外壁体34の両方の当
該壁面に配設すれば、なお一層輻射熱遮断効果を奏す
る。そして、この輻射熱遮断材38として金属箔を用い
て、当該壁面にこれを配設する時は、これらの壁面に配
設した突起36、又は突起37の配置場所に対応する金
属箔における位置には、切り欠きを設けることにより金
属箔の配置の位置決めを容易にして作業性が向上する。
【0048】次に、上記した[実施の形態2]の断熱容
器21の開口部22に被蓋する断熱蓋体121について
図6を参照して説明する。該断熱蓋体121は、容器と
なる凹部が上方に向いている上記断熱容器21とは、そ
の凹部を下方に向けて上下を逆の状態にした底浅の容器
である点の差異はあるが、その構成構造は両者ほとんど
同じである。即ち、当該本発明の[実施の形態2]の断
熱蓋体121は、断熱容器21の開口部22に被蓋した
際、断熱容器21に収容した飲食物と対面して位置する
合成樹脂製の蓋内容器123を、これとほぼ相似で稍大
きな形状よりなっていて大気に曝された状態にある合成
樹脂製の蓋外容器124内に、形状に合わせて収容し、
空隙部125を隔てて配置して、蓋内容器123の開口
部端123aと蓋外容器124の開口部端124aとを
溶着等により結合して一体化してなり、空隙部125を
挟んで蓋内容器123と蓋外容器124とによって二重
壁構造を形成している。そして前記空隙部125には、
ガスバリア性の高い合成樹脂よりなる内壁体133と外
壁体134とで容器状に形成したガス封入用容器132
に低熱伝導率ガスZを封入した断熱層体131が配置さ
れている。
【0049】しかるに、前記蓋内容器123と蓋外容器
124を形成する、ガスバリア性の高い合成樹脂として
は、「ASTM D1434−58」に準拠して、気体
透過率(対象気体:O2、N2、及びCO2)が1.0g/
2/24hr/atm 以下の合成樹脂である。又、耐熱
・耐水性(耐透湿度)の合成樹脂としては、「JISZ
0280」に準拠して、温度40℃、相対湿度90%
の環境下で、水分の透過率が50g/m2/24hr 以
下であることである。更に、機械的強度は、曲げ弾性率
が「ASTM D 790」に準拠して、10000kg
/cm2以上、及び/又はアイゾット衝撃強度(ノッチ
あり)が「ASTM M D256」に準拠して、5kg
・cm/cm 以上である合成樹脂である。例えばポリプ
ロピレン、耐熱耐湿性ポリカーボネート、ABS、ポリ
スチレン,AS、ポリエチレン、塩化ビニル、ポロアミ
ドイミド等の合成樹脂が適しており、これらから適宜選
択して使用すると良い。
【0050】又、断熱層体131を形成するガス封入用
容器132の内壁体133と外壁体134を形成するガ
スバリア性の高い合成樹脂としては、例えばポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
エチレンナフタレート等のポリエステル、あるいはポリ
アミド、エチレンビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール等の
合成樹脂が効果的に使用することができる。
【0051】そして、断熱層体131となるガス封入用
容器132内に充填して封入する低熱伝導度ガスZとし
て、空気又は空気の熱伝導率24.3mW/m・K(0
℃、1atm)より低い熱伝導率を有するガスZが、常温
でほぼ大気圧程度、又はそれより幾分高い圧力にして気
密を保って充填封入される。そのガスとしてはクリプト
ンガス(熱伝導率:8.83mW/m・K)、キセノンガ
ス(熱伝導率:5.19mW/m・K)、アルゴンガス
(熱伝導率:16.1mW/m・K)の少なくとも一種よ
りなる低熱伝導率ガスZが好適に使用することができ
る。
【0052】このような構成でなる、本発明のこの[実
施の形態2]の断熱蓋体121での特徴である断熱層体
131は、次のような構造よりなっている。即ちガス封
入用容器132を形成する内壁体133及び外壁体13
4が、前記蓋内容器123と蓋外容器124とで形成し
た空隙部125の形状に合わせて成型加工されてなると
ともに、これらの内・外壁体133、134との間に空
間部135を形成するよう、内・外壁体133、134
とを空間部135を隔てて重ね合わせて配置し、これら
の端部133aと134aとを溶着等により気密に結合
し一体化して、ガス封入用容器32を形成している。な
お符号139は、外壁体34の底部に設けたガス充填口
であり、符号140は該ガス充填口139を封止するた
めの封止板である。
【0053】そして、前記内壁体133の底部の外壁面
133b(外壁体134と一体化したとき空間部135
に面する壁面)には、図7及び図8に図示する断熱容器
21の内壁体33と同様に、底部の中心部133cを中
心にして同心円周に沿って連続する尾根状の形状をなし
て、間欠的に配された4つの突起136、…、…、…が
設けられている。この突起136の連続幅wは、必要と
する強度に応じて設定すればよい。図7及び図8に図示
したのと同様に、その連続幅wは、4つの突起136の
うち相対向する2つは中心部133cを中心に仰角角度
90度の幅とし、他の相対向する2つの突起は中心部1
33cを中心に仰角角度10度の幅として、それぞれ間
隙を保って配置して、ガスの充填封入時にガスが流通可
能なように配設した例を示してある。本発明はこれに限
定されるものでなく、この突起136の設ける数を、必
要な強度に応じて適宜な数として選択して設けることが
できることは勿論である。又、前記した如き複数個を間
欠的に配することなく、連続的な1つの突起を配した状
態にしても良く、この場合封入気体が全領域に均一に通
気拡散するよう、この突起を貫通した通気孔を設けるよ
うにすればよい。
【0054】一方、外壁体134にも前記内壁体133
に設けた突起136に合わせて、図9及び図10に図示
した断熱容器21の外壁体34と同様な態様で、その底
部内壁面134b(内壁体133と一体化したとき空間
部135に面する壁面)にその中心部134cを中心と
した同心円周に沿って連続する尾根状の形状をなした突
起137が形成されている。この外壁体134に設ける
突起137も、前記した断熱容器21の外壁体34に設
けた突起37と同様に、内壁体133に設けた突起13
6と合わせた数の4つの突起137、…、…、…のう
ち、相対向する2つは中心部134cを中心に仰角角度
90度の幅とし、他の相対向する2つの突起は中心部1
34cを中心に仰角角度10度の幅として、それぞれ間
隙を保って配置して設けると、内壁体133と接合一体
化する時に、方向性を考慮しなくても確実に4つの突起
136と突起137同士を接合することができる。な
お、これら内壁体133と外壁体134を、それらの端
部133aと134a同士を溶着結合して一体化すると
同時に、突起136と突起137との溶着結合を行うた
め、突起136の高さと突起137の高さの和を、前記
蓋内・外容器123と124で形成する空隙部125の
厚み寸法より0.5〜2mm程度長くなるよう、突起1
36と突起137の高さ寸法を設定することが望まし
い。
【0055】なお、この突起137の連続幅wは、必要
とする強度に応じて設定すればよい。又、前記突起13
7は内壁体133に設けた突起136に合わせて、図9
及び図10に図示した断熱容器21の外壁体134と同
様に、その連続続幅wとして、4つの突起137のうち
相対向する2つは中心部134cを中心に仰角角度90
度の幅とし、他の相対向する2つの突起は中心部134
cを中心に仰角角度10度の幅として、それぞれ間隙を
保って配置して、ガスの充填封入時にガスが流通可能な
ように配設した例を示してある。本発明はこれに限定さ
れるものでなく、この突起137の設ける数を、必要な
強度に応じて適宜な数として選択して設けることができ
ることは勿論である。又、前記した如き複数個を間欠的
に配することなく、連続的な1つの突起を配した状態に
しても良く、この場合封入気体が全領域に均一に通気拡
散するよう、この突起を貫通した通気孔を設けるように
すればよい。
【0056】このようにして構成されたガス封入用容器
132の内壁体133の空間部135に面する壁面に
は、アルミニウム、銅等の熱反射率の高い金属の箔やメ
ッキ膜等の輻射熱遮断材138が配設されている。な
お、この輻射遮断材138は外壁体134の空間部13
5に面する壁面に配設してもよく、又内壁体133及び
外壁体134の両方の当該壁面に配設すれば、なお一層
輻射熱遮断効果を奏する。そして、この輻射熱遮断材1
38として金属箔を用いて、当該壁面にこれを配設する
時は、これらの壁面に配設した突起136、又は突起1
37の配置場所に対応する金属箔における位置には、切
り欠きを設けることにより金属箔の配置の位置決めを容
易にして作業性が向上する。
【0057】以上に如き構造よりなる本発明の[実施の
形態2]の合成樹脂製の断熱容器21と断熱蓋体121
は、以下の如き方法により製造される。なお、本発明の
[実施の形態2]の断熱容器21と断熱蓋体121と
は、上記した如く、ほぼ同じ構成をした構造よりなって
いて、その製造方法もほぼ同じであるので、断熱容器2
1の製造方法のみを採り上げて説明し、断熱蓋体121
の製造方法についての説明は省略する。そして、本発明
の当該[実施の形態2]の断熱蓋体121の製造方法に
ついては、以下の断熱容器21の製造方法の説明におけ
る「内容器23」を「蓋内容器123」と読み替え、
「外容器24」を「蓋外容器124」と読み替えるとと
もに、図6乃至図10における「断熱容器21」の構成
と共通する「断熱蓋体121」の構成部分は、その符号
を、100位の値を付し、下2桁を断熱容器21と同一
符号で表示してあるので、以下の断熱容器21の製造方
法の説明で、断熱蓋体121の製造方法についても十分
理解し得るものである。
【0058】先ず、ガスバリア性を有し、その上耐熱・
耐水性を有する合成樹脂、例えばポリプロピレン樹脂に
より、丼形状に如き所望する形状とした内容器23、及
び該内容器23より稍大きな寸法でほぼ相似形状をした
外容器24とを、肉厚1.0〜2.5mmにして、成型加
工により製造する。一方、前記内容器23と外容器24
との結合一体によって形成される空隙部25内に配設す
る断熱層体31のためガス封入用容器32をガスバリア
性の高い合成樹脂、例えばナイロンの如き合成樹脂によ
り作製する。即ち、該ガス封入用容器32は、前記空隙
部25の形状に合わせて、約1.0mm程度の壁の肉厚
を有する前記合成樹脂をその底部外壁面33bに高さ約
3.0mmの突起36を設けた内壁体33を成形加工し
て得るとともに、同様に空隙部25の形状に合わせて、
同一寸法の肉厚の合成樹脂により、前記内壁体33と一
体化した時に内壁体33と対向するその底部内壁面34
bに高さ約3.0mmの突起37と底部にガス充填口3
9を配して設けた外壁体34を成形加工して得る。
【0059】そして、前記内壁体33の突起36を形成
せしめてある外壁面に輻射熱遮蔽材38として銅箔を貼
着して配設した後、この内壁体33と前記外壁体34と
を、前記これらに設けた突起36と突起37とが相対す
る状態にして、重ね合わせ、次いでこれらの縁端部33
aと34aを接着剤で結合したり、又は、振動溶着機や
超音波溶着等によって気密に結合するとともに、同時に
前記内・外壁体の突起36と突起37とを結合して一体
化して、空間部35を有するガス封入用容器32を得
る。
【0060】続いてガス封入用容器32の外壁体34の
底部に設けたガス充填口39を介して、空間部35内の
空気を真空ポンプ等の排気手段によって、約10Torr
以下の圧力に排気した後、前記空間部35内に前記した
如き低熱伝導率ガスZを導入し、常温でほぼ大気圧の圧
力まで充填して、前記ガス充填口39を封止板40で気
密に封止して断熱層体31を得る。なお、封止板40は
外壁体34と同じ合成樹脂の材料を使用して、ガス充填
口39に接着剤により接着して封止したり、振動溶着機
や超音波溶着機等によって気密に溶着して封止しても良
い。又、接着剤による封止では、水分硬化性瞬間接着剤
を使用して接着すると、極めて気密性良く、且つ作業性
良く封止することができるが、この場合封止板40とし
て、吸湿性ある合成樹脂を使用すると、なお一層効果的
である。
【0061】このようにして製造された合成樹脂製のガ
ス封入用容器32に低熱伝導率ガスZを封入した断熱層
体31は、先に成型加工されている内容器23と外容器
24との組み合わせで、これらの間に形成される空隙部
25内に配置し、内容器23と外容器24とのそれぞれ
の開口部端23aと24aとを振動溶着機、超音波溶着
機等の溶着手段により結合一体化して、所望する断熱性
能が優れた合成樹脂製の断熱容器21を得る。
【0062】以上のようにして得られる、本発明の、
[実施の形態2]の断熱容器21では、別途に作製した
断熱層体31を内容器23と外容器24との間の空隙部
25に配設したので、断熱性能の経時による劣化が低減
し、長期にわたって優れた断熱性能が保持し得る顕著な
効果を発揮する。又、この断熱容器21では、内容器2
3、外容器24、及び断熱層体31のよって形成されて
いるため、例えこの断熱容器21が高温の環境下に曝さ
れて、合成樹脂の温度が上昇して機械的強度が弱くなる
とともに、断熱層体31に封入した低熱伝導率ガスZ
や、内・外容器間の空隙部25の微小空間に残存する空
気が膨張したとしても、前記した如くガス封入空間部3
5を形成している内・外壁体33と34とが突起36と
37とにより結合一体化されていて、強度が強化されて
いるため、これらによって容器の変形が生じ難くなって
おり、耐久性に富んだ合成樹脂製の断熱容器とすること
ができる。
【0063】なお、上記した[実施の形態2]で、内・
外容器23、24を構成する合成樹脂として、ガスバリ
ア性と耐熱・耐水性の機能の優れた単一材料の合成樹脂
を使用した断熱容器21について説明した。しかし、内
容器23又は外容器24をそれぞれで形成する空隙部2
5に面する壁面をガスバリア性の高い合成樹脂とし、飲
食物や大気に触れる壁面を耐水、耐熱性合成樹脂とする
よう機能の異なる合成樹脂を積層にした、いわゆるる多
色合成樹脂を用いた断熱容器にも適用することは勿論で
あり、同様の作用効果を奏する。
【0064】なお又、上記の[実施の形態2]では、ガ
ス封入用容器32に設ける突起を、空間部35を挟んで
対向する内壁体33と外壁体34の両方の壁面に設けた
例について説明したが、本発明はこれに限定されるもの
でなく、前記対向する壁面の一方の壁面のみに突起を形
成しておいて、この先端を対向する壁面に接合して一体
化すれば、同様な作用効果を奏することは勿論である。
【0065】
【実施例】次に、実施例として本発明の合成樹脂製の断
熱容器と断熱蓋体とを上記した実施の形態により作製
し、内・外容器壁間を突起結合していない従来の断熱容
器と断熱蓋体を比較例として、これら実施例と比較例と
の性能を比較した。
【0066】[実施例1]上記した「実施の形態2」に
基づいて、内容器(蓋内容器)と外容器(蓋外容器)と
の間に空隙部25(125)に断熱層体31(131)
を配置した、以下の如き構成仕様諸元を有するお椀状の
断熱容器ーAとこれに被蓋する断熱蓋体ーBを製造し
た。 ●断熱容器ーAの仕様諸元 ・内容器23:材料として、肉厚1.5mmのポリプロ
ピレン(株式会社チッソ製、GL 5046T)を使
用。容量300ccとした。 ・外容器24:材料として、肉厚1.5mmのポリプロ
ピレン(株式会社チッソ製、GL 5046T)を使
用。その大きさは、内容器23の外側に7mmの空隙部
25を隔てて配置する大きさとした。
【0067】・ガス封入用容器32:内壁体33と外壁
体34の材料として、肉厚1.0mmのナイロン6(株
式会社ユニチカ製、M 1030D)を使用。そして、
内壁体33と外壁体34の両方の底部壁面に、先端肉厚
1.0mmの突起を、直径60mmの同心円周状に、中
心仰角角度(w)90度の連続幅の長さとしたものを、
中心を挟んで対向して配した1対と、中心仰角角度
(w)10度の連続幅の長さとしたものを、中心を挟ん
で対向して配した1対との、それぞれ4個の突起36、
37を高さ3.0mmにして設けた。このような内壁体
33の壁面に輻射熱遮断材38として銅箔を貼着し、該
内壁体33と外壁体34とを前記突起36と突起37が
係合するようにして空間部35の間隙幅5mmを隔てて
重ね合わせ、それらの縁端部33aと34aとを溶着機
で気密に結合してガス封入用容器32を得た。 ・断熱層体31:ガス封入用容器32の空間部35を1
0Torr以下に真空排気した後、低熱伝導率ガスZとし
て、クリプトンガスを常温でほぼ大気圧の圧力にて充填
し封入した。
【0068】上記した断熱層体31を先に成形加工して
おいた内容器23と外容器24との間に形成される空隙
部25に配置し、内容器23と外容器24のそれぞれの
開口部端23aと24aとを振動溶着機で気密に溶着結
合して一体化し、所望する合成樹脂製の断熱容器ーA
を得た。
【0069】●断熱蓋体ーBの構成仕様諸元 ・蓋内容器123:材料として、肉厚1.5mmのポリ
プロピレン(株式会社チッソ製、GL 5046T)を
使用。その形状大きさは、上記断熱容器ーAの開口部
に着脱自在に被蓋可能な底浅の容器形状とした。 ・蓋外容器124:材料として、肉厚1.5mmのポリ
プロピレン(株式会社チッソ製、GL 5046T)を
使用。その大きさは、内容器123の外側に7mmの空
隙部125を隔てて配置する大きさとした。
【0070】・ガス封入用容器132:内壁体133と
外壁体134の材料として、肉厚1.0mmのナイロン
6(株式会社ユニチカ製、M 1030D)を使用。そ
して、内壁体133と外壁体134の両方の底部壁面
に、先端肉厚1.0mmの突起を、直径60mmの同心
円周状に、中心仰角角度(w)90度の連続幅の長さと
したものを中心を挟んで配した1対と、中心仰角角度
(w)10度の連続幅の長さとしたものを中心を挟んで
配した1対の、それぞれ4個の突起136、137を高
さ3.0mmにして設けた。このような内壁体133の
壁面に輻射熱遮断材138として銅箔を貼着し、該内壁
体133と外壁体134とを前記突起136と突起13
7が係合するようにして、空間部135の間隙幅5mm
を隔てて重ね合わせ、それらの縁端部133aと134
aとを溶着機で気密に結合してガス封入用容器132を
得た。 ・断熱層体131:ガス封入用容器132の空間部13
5を10Torr以下に真空排気した後、低熱伝導率ガス
Zとして、クリプトンガスを常温でほぼ大気圧の圧力に
て空間部135に充填し封入した。
【0071】上記した断熱層体131を先に成形加工し
ておいた蓋内容器123と蓋外容器124との間に形成
される空隙部125に配置し、蓋内容器123と蓋外容
器124のそれぞれの開口部端123aと124aとを
振動溶着機で気密に溶着結合して一体化し、所望する合
成樹脂製の断熱蓋体ーBを得た。
【0072】[実施例2]上記した「実施の形態2」に
基づいて、実施例1における断熱層体を形成するガス封
入用容器に配設する突起の形状を変えた以外、実施例1
と同様の構成仕様諸元を有する、以下の如き構成仕様諸
元のお椀状の断熱容器ーAとこれに被蓋する断熱蓋体
ーBを製造した。 ●断熱容器ーAの仕様諸元 ・内容器23:実施例1と同じ。 ・外容器24:実施例1と同じ。 ・ガス封入用容器32:内壁体33と外壁体34の材料
として、肉厚1.0mmのナイロン6(株式会社ユニチ
カ製、M 1030D)を使用。そして、内壁体33の
底部壁面に先端肉厚1.0mmとし、長さ25mm、高
さ3.0mmの突起36を中心部より放射状に4本設
け、一方外壁体34の底部壁面には、先端肉厚1.0m
m、高さ3.0mmの突起37を、底部中心を中心にし
て直径60mmの同心円周状に形成して設けた。このよ
うな内壁体33の壁面に輻射熱遮断材38として銅箔を
貼着し、該内壁体33と外壁体34とを前記突起36と
突起37が係合するようにして空間部35の間隙幅5m
mを隔てて重ね合わせ、それらの縁端部33aと34a
とを溶着機で気密に結合してガス封入用容器32を得
た。 ・断熱層体31:実施例1と同様に、ガス封入用容器3
2の空間部35を10Torr以下に真空排気した後、低
熱伝導率ガスZとして、クリプトンガスを常温でほぼ大
気圧の圧力にて充填し封入した。
【0073】上記した断熱層体31を先に成形加工して
おいた内容器23と外容器24との間に形成される空隙
部25に配置し、内容器23と外容器24のそれぞれの
開口部端23aと24aとを振動溶着機を用いて気密に
溶着結合して一体化し、所望する合成樹脂製の断熱容器
ーAを得た。
【0074】●断熱蓋体ーBの構成仕様諸元 ・蓋内容器123:実施例1と同じ。その形状大きさ
は、上記断熱容器ーAの開口部に着脱自在に被蓋可能
な底浅の容器形状とした。 ・蓋外容器124:実施例1と同じ。 ・ガス封入用容器132:内壁体133と外壁体134
の材料として、肉厚1.0mmのナイロン6(株式会社
ユニチカ製、M 1030D)を使用。そして、内壁体
133の底部壁面に先端肉厚1.0mmとし、長さ25
mm、高さ3.0mmの突起136を中心部より放射状
に4本設け、一方外壁体134の底部壁面には、先端肉
厚1.0mm、高さ3.0mmの突起137を、底部中心
を中心にして直径60mmの同心円周状に形成して設け
た。このような内壁体133の壁面に輻射熱遮断材13
8として銅箔を貼着し、該内壁体133と外壁体134
とを前記突起136と突起137が係合するようにして
空間部135の間隙幅5mmを隔てて重ね合わせ、それ
らの縁端部133aと134aとを溶着機で気密に結合
してガス封入用容器132を得た。 ・断熱層体131:上記構造のガス封入用容器132の
空間部135を、実施例1と同様に、10Torr以下に
真空排気した後、低熱伝導率ガスZとして、クリプトン
ガスを常温でほぼ大気圧の圧力にて空間部135に充填
し封入した。
【0075】上記した断熱層体131を先に成形加工し
ておいた蓋内容器123と蓋外容器124との間に形成
される空隙部125に配置し、蓋内容器123と蓋外容
器124のそれぞれの開口部端123aと124aとを
振動溶着機で気密に溶着結合して一体化し、所望する合
成樹脂製の断熱蓋体ーBを得た。
【0076】[実施例3]実施例1においては、ガス封
入用容器32(又は132)の内壁体33(又は13
3)と外壁体34(又は134)の空間部35(又は1
35)を隔てて相対する両壁面に円周状に沿って配した
突起36(又は136)と突起37(又は137)を設
けていた。これを、実施例3として、内壁体33(又は
133)には突起36(又は136)を形成せず、外壁
体34(又は134)のみに、高さを6mmと高くした
突起37(又は137)を設けた点のみ変えて、その他
の点は実施例1と同一な構成仕様諸元を有する断熱容器
ーAと断熱蓋体ーBを製造した。
【0077】[実施例4]実施例2においては、ガス封
入用容器32(又は132)の内壁体33(又は13
3)の底部壁面に中心部より放射状に4本の突起36
(又は136)を設け、一方外壁体34(又は134)
の底部壁面には、底部中心を中心にした同心円周状の突
起37(又は137)に形成して設けていた。これを、
実施例4として、外壁体34(又は134)には突起3
7(又は137)を設けず、内壁体33(又は133)
の壁面のみに、底部の中心を中心にして放射状に、高さ
を6mmと高くした4本の突起36(又は136)を形
成して設けた点のみ変えて、その他の点は実施例2と同
一な構成仕様諸元を有する断熱容器ーAと断熱蓋体ー
Bを製造した。
【0078】[比較例]比較例として、実施例1の構成
仕様諸元のうち、断熱層体31(又は131)を形成す
るガス封入用容器32(又は132)において、内壁体
33(又は133)と外壁体34(又は134)とを結
合一体化せしめるための突起36(又は)136及び突
起37(又は137)を一切設けていないガス封入用容
器32(又は132)として作製して、これに低熱伝導
率ガスを封入して断熱層体31(又は131)とし、そ
の他の点は実施例1と同様な構成仕様諸元を有する断熱
容器ーAと断熱蓋体ーBを製造した。
【0079】[性能の評価]上記した実施例1乃至実施
例4の本発明の合成樹脂製断熱容器と断熱蓋体との保温
性能及び使用後の熱変形膨れ量を、比較例の合成樹製の
断熱容器と断熱蓋体のそれらの性能を試験し評価した。
その結果を表1に表示する。 (イ)保温性能の試験は、雰囲気温度20℃の恒温室内
に各試験サンプルを配置し、熱湯(98℃)300cc
を各断熱容器に充填して収容し、開口部に断熱蓋体を被
蓋して放置した。そして1時間後の熱湯温度を測定し
た。 (ロ)熱変形膨れ量の試験は、上記保温試験を終了後、
断熱容器内の熱湯を排出して、乾燥させた後雰囲気温度
100℃の恒温槽に、断熱容器に断熱蓋体を被蓋してな
い分離状態にして収容した。そしてその状態にして1時
間放置した後に膨れ量を測定した。
【0080】
【表1】
【0081】表1で明らかなように、断熱層体を形成す
るガス封入用容器に壁体を結合するための突起を全く有
しない断熱容器ーAと断熱蓋体ーBよりなる比較例の
ものが、最も保温性能が良く1時間後の熱湯の温度は7
3.0℃であった。そして内壁体と外壁体の両方の壁面
に突起を設けて結合一体化したガス封入用容器を断熱層
体とした断熱容器ーAと断熱蓋体ーBよりなる実施例
1、及び同様の断熱容器ーAと断熱蓋体ーBとよりな
る実施例2での保温性能は、いずれも1時間後の熱湯温
度が72.8℃であった。又、内壁体又は外壁体の一方
のみの壁体の壁面に突起を設けて結合したガス封入用容
器を断熱層体とした断熱容器ーAと断熱蓋体ーBより
なる実施例3の保温性能、及び同様の断熱容器ーAと
断熱蓋体ーBとよりなる実施例4での保温性能は、い
ずれも1時間後の熱湯温度が72.0℃であった。
【0082】一方、熱変形膨れ量については、内壁体と
外壁体との少なくともいずれか一方の壁体の壁面に突起
を設けて、両壁体を突起で結合一体化したガス封入用容
器を断熱層体として使用した実施例1乃至実施例4のい
ずれの断熱容器及び断熱蓋体において、熱変形膨れ量は
小さく、全て1mm以下であった。これに対して、内壁
体と外壁体との両方の壁体の壁面に全く突起を設ず、両
壁体を突起で結合一体化していない封入用容器を断熱層
体として使用した比較例においては、熱変形膨れが生
じ、特に断熱容器ーAの内容器の中央部分の膨れが最
も大きく、その熱変形膨れ量は約10mmにも達するこ
とが確認された。又、この比較例の断熱蓋体ーBにお
いても熱変形膨れが生じ、特に断熱蓋体の蓋内容器の中
央部分の膨れ量が最も大きく、その熱変形膨れ量は約6
mmにも達することが確認された。
【0083】以上の結果から、結合用の突起によって壁
体を結合一体化するかしないかは、保温性能へに及ぼす
影響はほとんど認められないが、熱変形膨れ量について
は、突起を設けて、これによって壁体を結合一体化する
ことによって、熱変形の膨れを防止する効果あることが
確認され、熱に対する耐久性に優れていることが判明し
た。これに対して、突起によって壁体を結合一体化され
ていないものについては、熱変形膨れ量が大きく、外観
上、継続して使用できる状態ではないことも確認でき
た。
【0084】上記の各実施例では、内容器と外容器との
間に形成した空隙部に、別途に作製したガス封入用容器
に低熱伝導率ガスを封入した断熱層体を、配置して、前
記内・外容器を結合して一体化した、前記[実施の形態
2]に基づいた断熱容器又は断熱蓋体について説明した
が、前記断熱層体を用いずに、内容器と外容器との間に
形成した空隙部に直接低熱伝導率ガスを封入して、該部
を断熱層とする前記[実施の形態1]に基づく断熱容器
又は断熱蓋体においても同様な作用効果を奏することは
勿論である。
【0085】なお、上記実施例では、内容器と外容器を
開口部端で結合一体化した合成樹脂製の、全壁が二重壁
構造の断熱容器について説明したが、本発明はこれに限
定されるものでなく、胴部のみ二重壁構造とし底部が一
重である合成樹脂製の断熱容器にも適用することができ
る。この場合、二重壁を形成する壁面を突起を設けて、
これによって二重壁面を結合一体化すればよい。又、容
器の形状も、椀状や、丼状容器に限定されるものでな
く、いかなる形状の容器でも、二重壁構造の容器であれ
ば、本発明は適用し得ることは勿論である。
【0086】
【発明の効果】本発明は、以上に説明した如き形態で実
施され、以下に記載するような効果を奏する。二重壁構
造で断熱層を形成する空隙部を隔てて配される合成樹脂
製の内容器と外容器の相対向する壁面の少なくとも一方
の壁面に突起を設けて、その先端を対向する他方の壁面
に接合して、両容器壁を一体化した合成樹脂製断熱容器
であるので、使用時又はその洗浄・乾燥時において、熱
的に高温の環境下に曝されて、合成樹脂の強度が弱くな
り、空隙部に封入した低熱伝導率ガスが膨張したとして
も、この膨張圧によって合成樹脂製の容器を変形せしめ
られることが防止できる。そのため、高温での洗浄、乾
燥が充分満足し得る状態で行えて、衛生上優れた処理が
可能となる。
【0087】又、断熱層を形成する空隙部に低熱伝導率
ガスを充填封入して断熱性能を向上せしめるにあたっ
て、熱による変形が防止し得るので、封入した低熱伝導
率ガスの漏洩が低減され、二重壁構造の容器の気密性が
維持されて、断熱性能を長期にわたって保持し得る合成
樹脂製の二重壁構造の断熱容器が得られる。
【0088】更に、本発明の合成樹脂製断熱容器の製造
にあたって、断熱層とする空隙部を形成する、合成樹脂
製の内容器とこれを収容配置する稍大きい外容器の、空
隙部を挟んで対向する壁面の少なくなくとも一方の壁面
に突起を設けて、この突起の先端を対向壁面に結合する
作業を、内容器と外容器の一体化のための溶着結合とほ
ぼ同時に行うことにより、製造組立作業の作業性を向上
させることができるとともに、生産工程の歩留まりを向
上せしめることができる。
【0089】その上更に、箱状の如き平面部を有する二
重壁容器の断熱層体の場合のように、膨圧による影響が
大きくて、強度を特に強化する必要とする箇所には、設
ける突起の数を必要に応じて適宜増加せしめることによ
って、その強度を調整することができる。かくして、本
発明の合成樹脂製断熱容器にあっては、軽量で、高温度
の熱による熱的変形を防止した、断熱性能を長期にわた
って継続維持し得る保温効果の優れた合成樹脂製の二重
壁構造の断熱容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の[実施の形態1]の合成樹脂製断熱
容器と断熱蓋体の一例を説明する部分断面図である。
【図2】 本発明の[実施の形態1]の合成樹脂製断熱
容器を構成する内容器の部分断面図である。
【図3】 本発明の[実施の形態1]の合成樹脂製断熱
容器を構成する内容器の下面図である。
【図4】 本発明の[実施の形態1]の合成樹脂製断熱
容器を構成する外容器の上面図である。
【図5】 本発明の[実施の形態1]の合成樹脂製断熱
容器を構成する外容器の部分断面図である。
【図6】 本発明の[実施の形態2]の合成樹脂製断熱
容器と断熱蓋体の一例を説明する部分断面図である。
【図7】 本発明の[実施の形態2]の合成樹脂製断熱
容器を構成するガス封入用容器の内壁体の部分断面図で
ある。
【図8】 本発明の[実施の形態2]の合成樹脂製断熱
容器を構成するガス封入用容器の内壁体の下面図であ
る。
【図9】 本発明の[実施の形態2]の合成樹脂製断熱
容器を構成するガス封入用容器の外壁体の上面図であ
る。
【図10】 本発明の[実施の形態2]の合成樹脂製断
熱容器を構成するガス封入用容器の外壁体の部分断面図
である。
【符号の説明】
1、21…断熱容器、 2、22…開口部、 3、23
…内容器、4、24…外容器、 5、105、25、1
25…空隙部、6、106、36、136…突起、
7、107、37、137…突起、8、108、38、
138…輻射熱遮蔽材、9、109、39、139…ガ
ス充填口、 Z…低熱伝導率ガス 10、110、40、140…封止板、101、121
…断熱蓋体、 102、122…開口部、103、12
3…蓋内容器、 104、124…蓋外容器、31、1
31…断熱層体、 32、132…ガス封入用容器、3
3、133…内壁体、 34、134…外壁体、 3
5、135…空間部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 篤彦 東京都港区西新橋一丁目16番7号 日本酸 素株式会社内 Fターム(参考) 3B001 AA01 AA02 AA40 BB01 BB10 CC06 CC07 CC11 CC38 CC40 3E067 BA05A BA07A BB14B BB14C BB15B BB15C BB16B BB16C BC07A CA04 CA07 CA17 CA18 GA01 GA14 GA19 4B002 AA01 AA21 BA01 BA08 BA22 BA41 BA53 CA31 CA43 4B055 AA10 AA17 BA23 BA51 BA56 CA01 CA22 CB03 CB17 CB30 CC52 FB12 FB33 FB35 FB46 FB48 FC08 FC09 FC11 FC14 FD04 FE10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂製の内容器を、該内容器より稍
    大きな寸法の合成樹脂製の外容器内に空隙部を隔て配置
    して、それぞれの端部で結合一体化して、前記空隙部を
    断熱層とした二重壁構造よりなる合成樹脂製断熱容器で
    あって、前記空隙部を形成して相対向する内容器及び外
    容器の壁面の少なくとも一方の壁面に突起を設けてなる
    とともに、該突起の先端が他方の壁面に接合して一体化
    してなることを特徴とする合成樹脂製断熱容器。
  2. 【請求項2】 合成樹脂製の内容器を、該内容器より稍
    大きな寸法の合成樹脂製の外容器内に空隙部を隔て配置
    して、それぞれの端部で結合一体化し、前記空隙部に、
    該空隙部の形状に合わせてなる合成樹脂製のガス封入用
    容器に気体を封入した断熱層体を、配してなるとととも
    に、前記合成樹脂製のガス封入容器内の対向する壁面の
    少なくとも一方の壁面に突起を設けてなり、且つ該突起
    の先端が他方の壁面に接合して一体化してなることを特
    徴とする合成樹脂製断熱容器。
  3. 【請求項3】 合成樹脂製の内容器の外壁と該内容器よ
    り稍大きな寸法の外容器の内壁の少なくとも一方の壁面
    に、内容器を外容器内に収容した時に形成せしめる空隙
    部寸法にほぼ合わせた長さの突起を形成せしめた内容器
    と外容器とを、内容器を外容器内にそれぞれが空隙部を
    隔てて配されるようにして収容し、次いで内容器と外容
    器との端部を結合するとともに、前記突起の先端を対向
    する壁面に接合して一体化することを特徴とする合成樹
    脂製断熱容器の製造方法。
  4. 【請求項4】 合成樹脂製の合成樹脂製の内容器を、該
    内容器より稍大きな寸法の合成樹脂製の外容器内に空隙
    部を隔て配置するに先立って、少なくとも一方の壁体に
    突起を設けた合成樹脂製内壁体と外壁体とを、前記突起
    先端が他方の壁体に対向するように配して、両壁体間に
    空間部を形成せしめて一体に結合するとともに、前記空
    隙部の形状に合わせた形状としたガス封入用容器に気体
    を封入して断熱層体を形成して用意しておいて、該断熱
    層体を前記内容器の外壁又は外容器の内壁に配した後内
    容器を外容器内に収容して、前記内容器と外容器との間
    の空隙部に前記断熱層体を配置して内容器と外容器との
    各端部を結合一体化することを特徴とする合成樹脂製断
    熱容器の製造方法。
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