JP2023113242A - 多層容器、二層プリフォームの製造方法および多層容器の製造方法 - Google Patents

多層容器、二層プリフォームの製造方法および多層容器の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 透明性に優れた二色成形品を含む多層容器、二層プリフォームの製造方法および多層容器の製造方法の提供。【解決手段】 ポリエステル樹脂を含む外層と、前記外層に接している、ポリアミド樹脂を含む内層とからなり、ポリアミド樹脂の相対粘度が1.8~2.8である二色成形品を含む多層容器。【選択図】 図1

Description

本発明は多層容器、二層プリフォームの製造方法および多層容器の製造方法に関する。
ペットボトルに代表されるポリエステル樹脂容器は、飲料容器をはじめ、各種用途に用いられている。
例えば、特許文献1には、ポリエステル樹脂容器のアルデヒド類が容器内に移動することを抑制するために、ポリエステル樹脂容器にガス遮蔽層を設けることが記載されている。より具体的には、特許文献1には、ガス遮蔽性を有する多層容器において、アルデヒド類低減剤が添加されたポリエステル樹脂内面層、ガス遮蔽性樹脂中間層およびポリエステル樹脂外面層からなる多層容器が開示されている。さらに、ガス遮蔽性樹脂中間層として、メタキシリレン基含有ポリアミド樹脂を用いることが記載されている。さらに、特許文献1では、ポリエステル樹脂層とポリアミド樹脂層を共射出成形してプリフォームを形成し、これをブロー成形してボトルを成形することが記載されている。
特開2006-290436号公報
上述の通り、特許文献1に記載のようにポリエステル樹脂層とポリアミド樹脂層を共射出成形してプリフォームを形成し、これをブロー成形しても多層容器は得られる。
一方で、近年の技術革新に伴い、二色成形で上記のような多層容器を成形する需要がある。しかしながら、ポリエステル樹脂を含む外層と、前記外層に接している、ポリアミド樹脂を含む内層を有する容器を二色成形で成形しようとすると、透明性に劣る場合があることが分かった。
本発明は、かかる課題を解決することを目的とするものであって、透明性に優れた二色成形品を含む多層容器、二層プリフォームの製造方法および多層容器の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題のもと、本発明者が検討を行った結果、ポリアミド樹脂を含む内層に含まれるポリアミド樹脂の相対粘度を調整することにより、上記課題を解決しうることを見出した。
具体的には、下記手段により、上記課題は解決された。
<1>ポリエステル樹脂を含む外層と、前記外層に接している、ポリアミド樹脂を含む内層とからなり、前記ポリアミド樹脂の相対粘度が1.8~2.8である二色成形品を含む多層容器。
<2>前記ポリアミド樹脂が、ジアミンに由来する構成単位とジカルボン酸に由来する構成単位を含み、前記ジアミンに由来する構成単位の70モル%以上がキシリレンジアミンに由来し、前記ジカルボン酸に由来する構成単位の70モル%以上が炭素数4~20のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来するキシリレンジアミン系ポリアミド樹脂を含む、<1>に記載の多層容器。
<3>前記外層と内層の厚み比(外層:内層)が、6:4~9:1である、<1>または<2>に記載の多層容器。
<4>ポリエステル樹脂を含む外層プリフォームと、前記外層プリフォームの内側に配置された内層プリフォーム形成用金型との間に、ポリアミド樹脂を含む内層形成用組成物を射出して前記外層プリフォームと内層プリフォームを二色成形することを含み、前記ポリアミド樹脂の相対粘度が1.8~2.8である、二層プリフォームの製造方法。
<5>前記ポリアミド樹脂が、ジアミンに由来する構成単位とジカルボン酸に由来する構成単位を含み、前記ジアミンに由来する構成単位の70モル%以上がキシリレンジアミンに由来し、前記ジカルボン酸に由来する構成単位の70モル%以上が炭素数4~20のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来するキシリレンジアミン系ポリアミド樹脂を含む、<4>に記載の二層プリフォームの製造方法。
<6>ポリエステル樹脂を含む外層プリフォームと、前記外層プリフォームの内側に配置された内層プリフォーム形成用金型との間に、ポリアミド樹脂を含む内層形成用組成物を射出して、前記外層プリフォームと内層プリフォームを二色成形して二層プリフォームを製造し、前記二層プリフォームをブロー成形することを含み、前記ポリアミド樹脂の相対粘度が1.8~2.8である、多層容器の製造方法。
<7>前記ポリアミド樹脂が、ジアミンに由来する構成単位とジカルボン酸に由来する構成単位を含み、前記ジアミンに由来する構成単位の70モル%以上がキシリレンジアミンに由来し、前記ジカルボン酸に由来する構成単位の70モル%以上が炭素数4~20のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来するキシリレンジアミン系ポリアミド樹脂を含む、<6>に記載の多層容器の製造方法。
本発明により、透明性に優れた二色成形品を含む多層容器、ならびに、二層プリフォームの製造方法および多層容器の製造方法を提供可能になった。
本発明の二層プリフォームの製造方法の一例を示す断面概略図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という)について詳細に説明する。なお、以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明は本実施形態のみに限定されない。
なお、本明細書において「~」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本明細書において、各種物性値および特性値は、特に述べない限り、23℃におけるものとする。
本明細書において、重量平均分子量および数平均分子量は、特に述べない限り、特開2018-165298号公報の段落0047の記載に従って測定することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。
本明細書において、融点は、特に述べない限り、国際公開第2016/084475号の段落0036の記載に従って測定することができ、この内容は本明細書に組み込まれる 本明細書で示す規格で説明される測定方法等が年度によって異なる場合、特に述べない限り、2021年1月1日時点における規格に基づくものとする。
本実施形態の多層容器は、ポリエステル樹脂を含む外層と、前記外層に接している、ポリアミド樹脂を含む内層とからなり、前記ポリアミド樹脂の相対粘度が1.8~2.8である二色成形品を含むことを特徴とする。
ポリエステル樹脂を含む外層とポリアミド樹脂を含む内層とが接している容器を二色成形で成形すると、得られる多層容器(二層容器)の透明性が劣る場合があった。これは、二色成形の製造方法に由来すると推定された。この点について、図1に従って説明する。図1において、1は外層プリフォームを、2は内層プリフォーム形成用金型を、3は内層形成用組成物を、4は内層プリフォーム、5は外層プリフォームと内層プリフォームからなる二層プリフォームをそれぞれ示している。
ポリエステル樹脂を含む外層形成用組成物とポリアミド樹脂を含む内層形成用組成物を二色成形して二色成形品(二色容器)を成形する場合、まず、外層となるポリエステル樹脂を含む外層形成用組成物を金型に射出して、ポリエステル樹脂を含む外層プリフォーム1を形成する。その後、外層プリフォーム1と外層プリフォームの内側に配置された内層プリフォーム形成用金型2の間に内層形成用組成物3を射出する。このとき、外層プリフォーム1と内層プリフォーム形成用金型2の間は狭い。すなわち、内層形成用組成物3は狭い領域に射出される。そのため、内層形成用組成物3は、狭い流路を進行することになる。そして、本発明者が検討を行ったところ、内層形成用組成物3に含まれるポリアミド樹脂の粘度が高いと、この狭い流路を内層形成用組成物3が進行する際に外層プリフォーム1との界面が荒れてしまうと推測された。この荒れが、得られる多層容器のヘイズを高くする原因であると推測された。本実施形態においては、内層形成用組成物3に含まれるポリアミド樹脂として、相対粘度が所定の範囲のものを用いることにより、前記界面の荒れを効果的に抑制した二層プリフォーム5を得られたと推測される。結果として、得られる二色成形品のヘイズが低くなり、得られる多層容器の透明性が向上したと推測される。
以下、本実施形態の詳細を説明する。
<多層容器>
本実施形態の多層容器は、ポリエステル樹脂を含む外層(以下「ポリエステル樹脂層」ということがある)と、前記外層に接している、ポリアミド樹脂を含む内層(以下、「ポリアミド樹脂層」ということがある。)からなる二色成形品を含む。
また、本実施形態の多層容器は、ポリエステル樹脂層とポリアミド樹脂層をそれぞれ1層ずつ有する二色成形品(二層容器)が含まれていればよいが、二色容器の内側または外側に他の層を含んでいてもよい。他の層としては、酸素吸収層、接着層、ポリアミド樹脂層以外のガスバリア層、保護層、意匠層等が例示される。これらの詳細は、特開2021-080025号公報の段落0012~0046の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。本実施形態では、他の層はポリエステル樹脂層とポリアミド樹脂層以外の層であることが好ましい。
本実施形態の一例は、ポリエステル樹脂層とポリアミド樹脂層からなる二色成形品のみからなる二層容器であり、他の一例は、前記二色成形品と、その外側および/または内側に他の層を含む多層容器である。
本実施形態の多層容器は、ポリエステル樹脂層とポリアミド樹脂層が多層容器の胴部において、厚さ方向に接しているが、多層容器のすべての部位において、ポリエステル樹脂層とポリアミド樹脂層が接していることを必須とするものではない。多層容器の開口部は、接していない部位もあろう。通常は、多層容器の外層の内側の表面積の80%以上において、内層(ポリアミド樹脂層)と接している。
例えば、多層容器がボトルである場合、ボトルの胴部にポリアミド樹脂層が含まれており、開口部(口栓部)付近にはポリアミド樹脂層が含まれていない態様などが例示される。但し、ポリアミド樹脂層がボトルの開口部付近まで存在している方がバリア性能はさらに高くなるため好ましい。
本実施形態の多層容器は、通常、中空容器であり、胴部が、ポリエステル樹脂層とポリアミド樹脂層の二層構造を有する。そして、通常は、胴部におけるポリエステル樹脂層の厚み(W)のポリアミド樹脂層の厚み(S)に対する比(厚み比W:S)が、6:4~9:1となることが好ましい。なお、層の厚みとは、平均厚みを意味する。上記厚み比(W:S)は、6:4~8:2であることがより好ましく、6.5:3.5~7.5:2.5であることがさらに好ましい。このような範囲とすることにより、吸湿時の外容積保持率がより向上する傾向にある。
多層容器の胴部におけるポリエステル樹脂層とポリアミド樹脂層の合計厚みは、好ましくは50μm以上であり、より好ましくは100μm以上であり、さらに好ましくは150μm以上であり、一層好ましくは200μm以上であり、より一層好ましくは300μm以上であり、さらに一層好ましくは400μm以上であり、500μm以上であってもよい。前記下限値以上とすることにより、ボトルの落下耐衝撃性がより向上する傾向にある。また、多層容器の胴部におけるポリエステル樹脂層とポリアミド樹脂層の合計厚みは、好ましくは5mm以下であり、より好ましくは3mm以下であり、さらに好ましくは2mm以下であり、1mm以下であってもよく、700μm以下であってもよい。前記上限値以下とすることにより、ボトルの軽量化がより図れる。
多層容器の胴部におけるポリエステル樹脂層の厚み(W)は、好ましくは50μm以上であり、より好ましくは75μm以上であり、さらに好ましくは100μm以上である。前記下限値以上とすることにより、吸湿時の外容積保持率がより向上する傾向にある。また、前記ポリエステル樹脂層の厚み(W)は好ましくは2mm以下であり、より好ましくは1mm以下であり、さらに好ましくは500μm以下である。本実施形態の多層容器がポリエステル樹脂層を2層以上有する場合、それぞれのポリエステル樹脂層の厚みは同一であってもよいし、異なっていてもよい。
多層容器の胴部におけるポリアミド樹脂層の厚み(S)は、好ましくは1μm以上であり、より好ましくは3μm以上であり、さらに好ましくは10μm以上である。前記下限値以上とすることにより、ガスバリア性がより向上する傾向にある。また、前記ポリアミド樹脂層の厚み(S)は、好ましくは200μm以下であり、より好ましくは150μm以下である。前記上限値以下とすることにより、吸湿時の外容積保持率がより向上する傾向にある。
本実施形態における多層容器(特に、ボトル)においてポリアミド樹脂層の質量は、多層容器の総質量に対して1~40質量%とすることが好ましく、より好ましくは2~35質量%、特に好ましくは3~30質量%である。ポリアミド樹脂層の質量を上記範囲とすることにより、ガスバリア性が良好な多層容器が得られる。
多層容器の容量は特に限定されないが、酸素バリア性、および、製造上の観点から、好ましくは30mL以上、より好ましくは50mL以上、さらに好ましくは100mL以上、一層好ましくは200mL以上、より一層好ましくは250mL以上であり、また、好ましくは3,000mL以下、より好ましくは2,000mL以下、さらに好ましくは1,500mL以下、一層好ましくは1,000mL以下、より一層好ましくは600mL以下である。
本実施形態の多層容器は、上述の通り、酸素バリア性に優れることが好ましい。
具体的には、本実施形態の多層容器は、酸素透過率が10.0×10-3cc/(pkg・day)以下であることが好ましく、8.0×10-3cc/(pkg・day)以下であることがより好ましく、7.0×10-3cc/(pkg・day)以下であることがさらに好ましく、6.5×10-3cc/(pkg・day)以下であることが一層好ましい。前記酸素透過率は、例えば、ポリアミド樹脂層に酸素バリア性に優れたポリアミド樹脂を用いることによって達成される。下限値は0cc/(pkg・day)が理想であるが、1.0×10-3cc/(pkg・day)以上であっても十分に要求性能を満たす。このような優れた酸素バリア性はキシリレンジアミン系ポリアミド樹脂を用いることによって達成される。酸素透過率は、後述する実施例の記載に従って測定される。
本実施形態の多層容器は、酢酸ブチルバリア性に優れていることが好ましい。具体的には、本実施形態の多層容器は、酢酸ブチルバリア性が、0.015g/(bottle・day)以下であることが好ましく、0.011g/(bottle・day)以下であることがより好ましく、0.008g/(bottle・day)以下であることがさらに好ましい。下限値は、0が理想であるが、0.0001g/(bottle・day)以上でも十分に要求性能を満たす。酢酸ブチルバリア性は、キシリレンジアミン系ポリアミド樹脂等のバリア性に優れる樹脂を用いることによって達成される。
本実施形態の多層容器(胴部)のヘイズが低いことが好ましい。具体的には、ヘイズは、5.0%以下であることが好ましく、4.5%以下であることがより好ましく、4.0%以下であることがさらに好ましく、3.5%以下であることが一層好ましい。前記全光線透過率の下限値は、0%が理想であるが、0.1%以上、さらには0.5%以上であっても要求性能を満たすものである。ヘイズは後述する実施例の記載に従って測定される。このような低いヘイズは、ポリエステル樹脂層とポリアミド樹脂層を二色成形によって成形することによって達成される。
次に、本実施形態におけるポリエステル樹脂を含む外層(ポリエステル樹脂層)の詳細について説明する。
ポリエステル樹脂層が含有するポリエステル樹脂は、ジカルボン酸とジオールとの重縮合ポリマーが好ましく、ジカルボン酸に由来する構成単位(ジカルボン酸単位)とジオールに由来する構成単位(ジオール単位)とを有することが好ましい。
ジカルボン酸単位としては、芳香族ジカルボン酸に由来する構成単位、脂環式ジカルボン酸に由来する構成単位、脂肪族ジカルボン酸に由来する構成単位が挙げられ、芳香族ジカルボン酸に由来する構成単位が好ましい。
芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテル-ジカルボン酸、ジフェニルスルホン-ジカルボン酸、ジフェニルケトン-ジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸および2,7-ナフタレンジカルボン酸等が挙げられ、コストと製造の容易性の観点から、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、および、4,4’-ビフェニルジカルボン酸が好ましく、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸がより好ましく、成形性の観点から、テレフタル酸およびイソフタル酸がさらに好ましく、テレフタル酸が一層好ましい。
なお、芳香族ジカルボン酸として、芳香族ジカルボン酸の炭素数1~4のアルキルエステルを使用してもよい。
芳香族ジカルボン酸として、スルホフタル酸、スルホフタル酸金属塩を用いてもよい。スルホフタル酸、スルホフタル酸金属塩の詳細は、国際公開第2017/057463号の段落0018の内容を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
脂環式ジカルボン酸としては、シクロヘキサンジカルボン酸、ノルボルネンジカルボン酸およびトリシクロデカンジカルボン酸等が挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸としては、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸およびセバシン酸等が挙げられる。
ジオール単位としては、脂肪族ジオールに由来する構成単位、脂環式ジオールに由来する構成単位、芳香族ジオールに由来する構成単位が挙げられ、脂肪族ジオールに由来する構成単位が好ましい。
脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、2-ブテン-1,4-ジオール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、メチルペンタンジオールおよびジエチレングリコールが挙げられる。これらの中では、エチレングリコールが好ましく、エチレングリコールがより好ましい。
脂環式ジオールとしては、シクロヘキサンジメタノール、イソソルビド、スピログリコール、2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール、ノルボルネンジメタノールおよびトリシクロデカンジメタノールが挙げられる。
芳香族ジオールとしては、ビスフェノール化合物およびヒドロキノン化合物が挙げられる。
本実施形態で用いられるポリエステル樹脂は、ジカルボン酸に由来する構成単位(ジカルボン酸単位)の50モル%以上が芳香族ジカルボン酸に由来する構成単位であり、かつ、ジオールに由来する構成単位(ジオール単位)の50%以上が脂肪族ジオールに由来することが好ましく、ジカルボン酸単位の50モル%以上がテレフタル酸に由来する構成単位であり、かつ、ジオール単位の50モル%以上がエチレングリコールに由来する構成単位であることがより好ましく、ジカルボン酸単位の80モル%以上がテレフタル酸に由来する構成単位であり、かつ、ジオール単位の80モル%以上がエチレングリコールに由来する構成単位であることがさらに好ましく、ジカルボン酸単位の90モル%以上がテレフタル酸に由来する構成単位であり、かつ、ジオール単位の90モル%以上がエチレングリコールに由来する構成単位であることが一層好ましい。
以下の説明において、ジカルボン酸単位の50モル%以上がテレフタル酸に由来する構成単位であり、かつ、ジオール単位の50モル%以上がエチレングリコールに由来する構成単位であるポリエステル樹脂を、ポリエチレンテレフタレートともいう。
ポリエステル樹脂としてポリエチレンテレフタレートを使用する場合、ポリエステル樹脂は、ポリエチレンテレフタレート単体で構成されてもよいが、ポリエチレンテレフタレートに加えて、ポリエチレンテレフタレート以外のポリエステル樹脂を含んでいてもよい。ポリエチレンテレフタレートは、好ましくはポリエステル樹脂全量に対して80~100質量%、より好ましくは90~100質量%含有される。
ポリエステル樹脂がポリエチレンテレフタレートである場合の好ましい態様について、以下に説明する。ポリエチレンテレフタレートは、テレフタル酸、エチレングリコール以外の二官能性化合物由来の構成単位を含むものであってもよいが、その二官能性化合物としては、テレフタル酸およびエチレングリコール以外の上記した芳香族ジカルボン酸および脂肪族ジオール、並びに芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジオール以外の二官能性化合物が挙げられる。この際、テレフタル酸、エチレングリコール以外の二官能性化合物由来の構成単位は、ポリエステル樹脂を構成する全構成単位の総モルに対して、20モル%以下が好ましく、より好ましくは10モル%以下である。
なお、ポリエステル樹脂が、ポリエチレンテレフタレート以外の場合であっても、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジオール以外の二官能性化合物由来の構成単位を含むものであってもよい。脂肪族ジオール、芳香族ジカルボン酸以外の二官能性化合物の詳細は、国際公開第2017/057463号の段落0022および0023の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
ポリエステル樹脂は、さらに、モノカルボン酸、モノアルコール等の単官能性化合物由来の構成単位を含んでもよい。これらの詳細は、国際公開第2017/057463号の段落0024の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
さらに、ポリエステル樹脂は、必要な物性を得るために、カルボキシル基、ヒドロキシ基およびそれらのエステル形成基から選択される少なくとも3つの基を有する多官能性化合物を共重合成分としてもよい。これらの詳細は、国際公開第2017/057463号の段落0025の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
ポリエステル樹脂の製造方法は、例えば、国際公開第2017/057463号の段落0026の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
ポリエステル樹脂の固有粘度は、特に制限はないが、好ましくは0.5~2.0dL/gであり、より好ましくは0.6~1.5dL/gである。固有粘度が0.5dL/g以上であるとポリエステル樹脂の分子量が充分に高いために、多層容器は構造物として必要な機械的性質をより効果的に発現することができる。
なお、固有粘度は、フェノール/1,1,2,2-テトラクロロエタン(=6/4質量比)混合溶媒に、ポリエステル樹脂を溶解して0.2、0.4、0.6g/dL溶液を調製し、25℃にて自動粘度測定装置(マルバーン製、Viscotek)により測定する。
ポリエステル樹脂層におけるポリエステル樹脂(好ましくは、ポリエチレンテレフタレート)の含有量は、ポリエステル樹脂層の90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であることがより好ましく、98質量%以上であることがさらに好ましく、99質量%以上であってもよい。前記含有量の上限値は100質量%であってもよい。
本実施形態におけるポリエステル樹脂層は、ポリエステル樹脂を、1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
ポリエステル樹脂層には、ポリエステル樹脂以外の成分を含有してもよい。その他の成分としては、ポリエステル樹脂以外の樹脂、熱安定剤、光安定剤、防湿剤、防水剤、滑剤、展着剤、顔料、染料などが挙げられる。
ポリエステル樹脂層は、上記成分を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。これらの成分は、ポリエステル樹脂100質量部に対し、10質量部以下の割合で配合されることが好ましい。
次に、本実施形態におけるポリアミド樹脂を含む内層(ポリアミド樹脂層)の詳細について説明する。
本実施形態で用いるポリアミド樹脂は、相対粘度が1.8~2.8である。前記下限値以上とすることにより、機械物性がより向上する傾向にある。また、前記上限値以下とすることにより、二色成形時のポリエステル樹脂層との間の表面荒れを効果的に抑制し、得られる多層容器の透明性を高くすることができる。
前記ポリアミド樹脂の相対粘度は、1.9以上であることが好ましく、2.0以上であることがより好ましく、2.1以上であることがさらに好ましい。また、前記ポリアミド樹脂の相対粘度は、2.7以下であることが好ましく、2.6以下であることがより好ましく、2.5以下であることがさらに好ましく、2.4以下であることが一層好ましく、2.3以下であることがより一層好ましく、2.2以下であることがさらに一層好ましい。ポリアミド樹脂の相対粘度は、ポリアミド樹脂の合成時のジアミンとジカルボン酸のモル比や重合条件によって調整できる。
本実施形態において、ポリアミド樹脂の相対粘度は、ポリアミド樹脂0.2gを96%硫酸20mLに溶解し、キャノンフェンスケ型粘度計にて25℃で測定した落下時間(t)と、同様に測定した96%硫酸そのものの落下時間(t0)の比であり、次式で示される。
相対粘度=t/t0
本実施形態におけるポリアミド樹脂層が2種以上のポリアミド樹脂を含む場合、混合物の相対粘度とする。
本実施形態で用いるポリアミド樹脂は、脂肪族ポリアミド樹脂であっても、半芳香族ポリアミド樹脂であっても、脂肪族ポリアミド樹脂と半芳香族ポリアミド樹脂の混合物であってもよいが、少なくとも半芳香族ポリアミド樹脂を含むことが好ましい。ポリアミド樹脂としては、特開2011-132550号公報の段落0011~0013の記載を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。
脂肪族ポリアミド樹脂としては、ポリアミド6、ポリアミド66が例示され、ポリアミド66が好ましい。
本実施形態で用いるポリアミド樹脂は、半芳香族ポリアミド樹脂を含むことが好ましい。例えば、本実施形態の樹脂組成物に含まれるポリアミド樹脂の80質量%以上(好ましくは85質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上)が半芳香族ポリアミド樹脂であることが好ましい。ここで、半芳香族ポリアミド樹脂とは、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位から構成され、ジアミン由来の構成単位およびジカルボン酸由来の構成単位の合計構成単位の20~80モル%が芳香環を含む構成単位であることをいう。このような半芳香族ポリアミド樹脂を用いることにより、得られる多層容器の機械的強度を高くすることができる。半芳香族ポリアミド樹脂としては、テレフタル酸系ポリアミド樹脂(ポリアミド6T、ポリアミド9T、ポリアミド10T)、テレフタル酸およびイソフタル酸系ポリアミド樹脂(ポリアミド6T/6I、ポリアミド9T/9I、ポリアミド10T/10I)、後述するキシリレンジアミン系ポリアミド樹脂などが例示され、キシリレンジアミン系ポリアミド樹脂が好ましい。
本実施形態では、ジアミンに由来する構成単位とジカルボン酸に由来する構成単位を含み、前記ジアミンに由来する構成単位の70モル%以上がキシリレンジアミンに由来し、前記ジカルボン酸に由来する構成単位の70モル%以上が炭素数4~20のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来するキシリレンジアミン系ポリアミド樹脂を含むことが好ましい。キシリレンジアミン系ポリアミド樹脂を用いることにより、ガスバリア性により優れた多層容器が得られる。
キシリレンジアミン系ポリアミド樹脂のジアミン由来の構成単位は、より好ましくは75モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上、一層好ましくは85モル%以上、より一層好ましくは90モル%以上、さらに一層好ましくは95モル%以上が、特に一層好ましくは97モル%以上がメタキシリレンジアミンおよび/またはパラキシリレンジアミンに由来する。
本実施形態において、メタキシリレンジアミンとパラキシリレンジアミンの比率は、メタキシリレンジアミン10~100モル%に対し、パラキシリレンジアミン0~90モル%であることが好ましく、メタキシリレンジアミン30~100モル%に対し、パラキシリレンジアミン0~70モル%であることがより好ましく、メタキシリレンジアミン70~100モル%に対し、パラキシリレンジアミン0~30モル%であることがさらに好ましく、メタキシリレンジアミン90~100モル%に対し、パラキシリレンジアミン0~10モル%であることが一層好ましく、メタキシリレンジアミン98~100モル%に対し、パラキシリレンジアミン0~2モル%であることがより一層好ましい。上記範囲とすることにより、ガスバリア性がより向上する傾向にある。
キシリレンジアミン系ポリアミド樹脂の原料ジアミン成分として用いることができるメタキシリレンジアミンおよびパラキシリレンジアミン以外のジアミンとしては、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、2-メチルペンタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4-トリメチル-ヘキサメチレンジアミン、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3-ジアミノシクロヘキサン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、2,2-ビス(4-アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノメチル)デカリン、ビス(アミノメチル)トリシクロデカン等の脂環式ジアミン、ビス(4-アミノフェニル)エーテル、パラフェニレンジアミン、ビス(アミノメチル)ナフタレン等の芳香環を有するジアミン等を例示することができ、1種または2種以上を混合して使用できる。
キシリレンジアミン系ポリアミド樹脂のジカルボン酸由来の構成単位は、より好ましくは75モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上、一層好ましくは90モル%以上、より一層好ましくは95モル%以上が、さらに一層好ましくは98モル%以上が、特に一層好ましくは99.9モル%以上が、炭素数が4~20のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来する。
キシリレンジアミン系ポリアミド樹脂の原料ジカルボン酸成分として用いるのに好ましい炭素数4~20のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、アジピン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸が例示でき、1種または2種以上を混合して使用できるが、これらの中でもポリアミド樹脂の融点が成形加工するのに適切な範囲となることから、アジピン酸および/またはセバシン酸がより好ましく、アジピン酸がさらに好ましい。
上記炭素数4~20のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸以外のジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、テレフタル酸、オルソフタル酸等のフタル酸化合物、1,2-ナフタレンジカルボン酸、1,3-ナフタレンジカルボン酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、1,5-ナフタレンジカルボン酸、1,6-ナフタレンジカルボン酸、1,7-ナフタレンジカルボン酸、1,8-ナフタレンジカルボン酸、2,3-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、2,7-ナフタレンジカルボン酸といったナフタレンジカルボン酸の異性体等を例示することができ、1種または2種以上を混合して使用できる。特に、炭素数4~20のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸以外のジカルボン酸成分としては、イソフタル酸が例示される。
本実施形態におけるキシリレンジアミン系ポリアミド樹脂は、ジアミン由来の構成単位の70モル%以上(より好ましくは75モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上、一層好ましくは90モル%以上、より一層好ましくは95モル%以上が、さらに一層好ましくは98モル%以上)がメタキシリレンジアミンに由来し、ジカルボン酸由来の構成単位の70モル%以上(より好ましくは75モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上、一層好ましくは90モル%以上、より一層好ましくは95モル%以上が、さらに一層好ましくは98モル%以上)がアジピン酸および/またはセバシン酸(好ましくはアジピン酸)に由来するものが特に好ましい。
また、前記キシリレンジアミン系ポリアミド樹脂がイソフタル酸変性されたものであってもよい。例えば、ジカルボン酸由来の構成単位の1~10モル%がイソフタル酸由来の構成単位である場合などが例示される。
なお、本実施形態で用いるキシリレンジアミン系ポリアミド樹脂は、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位を主成分として構成されるが、これら以外の構成単位を完全に排除するものではなく、ε-カプロラクタムやラウロラクタム等のラクタム類、アミノカプロン酸、アミノウンデカン酸等の脂肪族アミノカルボン酸類由来の構成単位を含んでいてもよいことは言うまでもない。ここで主成分とは、キシリレンジアミン系ポリアミド樹脂を構成する構成単位のうち、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位の合計数が全構成単位のうち最も多いことをいう。本実施形態では、キシリレンジアミン系ポリアミド樹脂における、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位の合計は、全構成単位の90質量%以上を占めることが好ましく、95質量%以上を占めることがより好ましく、98質量%以上を占めていてもよい。
キシリレンジアミン系ポリアミド樹脂の製造方法は、公知の方法を採用できる。例えば、国際公開第2017/057463号の段落0041~0043の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
本実施形態で用いるポリアミド樹脂(好ましくは、キシリレンジアミン系ポリアミド樹脂)の数平均分子量は、多層容器の用途や成形方法により適宜選択されるが、多層容器の成形性や強度の観点から、10,000~60,000が好ましく、11,000~50,000がより好ましい。
本実施形態におけるポリアミド樹脂層に含まれるポリアミド樹脂(好ましくは、キシリレンジアミン系ポリアミド樹脂)の含有量は、ポリアミド樹脂層を基準として、30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることがさらに好ましく、90質量%以上であることが一層好ましく、95質量%以上であることがより一層好ましく、98質量%以上であることがさらに一層好ましく、99質量%以上であってもよい。前記下限値以上とすることにより、バリア性がより向上する傾向にある。前記ポリアミド樹脂の含有量の上限は、特に定めるものではないが、例えば、99.9質量%以下である。
本実施形態において、ポリアミド樹脂層は、上記以外の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、ポリアミド樹脂以外の樹脂、酸化促進剤、黄変抑制剤、酸素吸収剤、熱安定剤、光安定剤、防湿剤、防水剤、滑剤(ステアリン酸カルシウム等)、展着剤などが挙げられる。酸化促進剤および黄変抑止剤については、国際公開第2021/177126号の段落0061~0070に記載の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
ポリアミド樹脂層は、上記成分を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。これらの成分は、ポリアミド樹脂100質量部に対し、10質量部以下の割合で配合されることが好ましい。
次に、本実施形態の多層容器の使用形態について説明する。
本実施形態の多層容器の形状は特に限定されず、例えば、ボトル、カップ等の成形容器が挙げられ、ボトルが好ましい。
本実施形態における多層容器に保存される対象は、特に制限されるものではなく、食品、化粧品、医薬品、トイレタリー、機械・電気・電子部品、オイル、樹脂類などが挙げられる。
食品としては、水産加工品、畜産加工品、飯類、液体食品が挙げられる。特に、酸素の影響を受けやすい食品の保存に適している。これらの詳細は、特開2011-037199号公報の段落0032~0035の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。食品の具体例を示すならば、野菜汁、果汁、お茶類、コーヒー・コーヒー飲料類、乳・乳飲料類、ミネラルウォーター、イオン性飲料、酒類、乳酸菌飲料、豆乳等の飲料;豆腐類、卵豆腐類、ゼリー類、プリン、水羊羹、ムース、ヨーグルト類、杏仁豆腐などのゲル状食品;ソース、醤油、ケチャップ、麺つゆ、たれ、食酢、味醂、ドレッシング、ジャム、マヨネーズ、味噌、漬物の素、すり下ろし香辛料等の調味料;サラミ、ハム、ソーセージ、焼鳥、ミートボール、ハンバーグ、焼豚、ビーフジャーキー等の食肉加工品;蒲鉾、貝水煮、煮魚、竹輪等の水産加工品;粥、炊飯米、五目飯、赤飯等の米加工品;ミートソース、マーボーソース、パスタソース、カレー、シチュー、ハヤシソース等のソース類;チーズ、バター、クリーム、コンデンスミルク等の乳加工品;ゆで卵、温泉卵等の卵加工品;煮野菜・煮豆;揚げ物、蒸し物、炒め物、煮物、焼き物等の惣菜類;漬物;うどん、そば、スパゲッティ等の麺類・パスタ類;果物シラップ漬け等が挙げられる。
保存対象によっては、多層容器を、紫外線や電子線、γ線、X線等を用いて殺菌あるいは滅菌してもよい。
<二層プリフォームの製造方法>
本実施形態の二層プリフォームの製造方法は、ポリエステル樹脂を含む外層プリフォームと、前記外層プリフォームの内側に配置された内層プリフォーム形成用金型との間に、ポリアミド樹脂を含む内層形成用組成物を射出して前記外層プリフォームと内層プリフォームを二色成形することを含み、前記ポリアミド樹脂の相対粘度が1.8~2.8であることを特徴とする。このような二色成形において、所定のポリアミド相対粘度を有するポリアミド樹脂を用いることにより、外層と内層の間の界面荒れを効果的に抑制し、得られる二層プリフォーム、さらには多層容器の透明性を向上させることができる。
本実施形態の二層プリフォームの製造方法について、図1を参照しつつ、さらに詳細を説明する。
図1に示す実施形態においては、ポリエステル樹脂を含む外層プリフォーム1が用いられる(図1(a))。ポリエステル樹脂を含む外層形成用組成物は、最終的に二色成形品(二色容器)の外層となる部分である。ただし、上述のとおり、多層容器は、内層と外層の2層のみからなっていてもよいが、他の層を有していてもよく、上記外層が多層容器の最外層とはならない場合もある。外層形成用組成物に含まれるポリエステル樹脂は、上記多層容器の項で説明したポリエステル樹脂と同様である。また、ポリエステル樹脂を含む外層形成用組成物は、ポリエステル樹脂以外の成分を含んでいてもよく、その詳細も外層の項で説明した他の成分と同様である。また、各構成分の質量比率や、外層形成用組成物に含まれるポリエステル樹脂の質量割合も、上記外層の項で説明した内容と同様である。
外層プリフォーム1は、通常、ポリエステル樹脂を含む外層形成用組成物を外層形成用金型に射出して成形される(図示せず)。外層形成用組成物の射出温度(外層側射出シリンダー温度)は、内層形成用組成物の射出温度(内層側射出シリンダー温度)+(5~40)℃であることが好ましく、内層側射出シリンダー温度+(5~30)℃であることがより好ましく、内層側射出シリンダー温度+(10~20)℃であることがさらに好ましい。本実施形態の二層プリフォームは二色成形で成形されるため、同じ射出成形機内で成形される。また、外層プリフォーム1は、通常、完全に冷却固化していない状態で、その内側に内層プリフォームが形成される。
より具体的には、図1に示す実施形態においては、二色成形装置において、外層プリフォーム1の内側に内層プリフォーム形成用金型2が配置される(図1(b))。そして、外層プリフォーム1と、内層プリフォーム形成用金型2の間に、内層形成用組成物3が射出される。ポリアミド樹脂を含む内層形成用組成物は、最終的に二色成形品(二色容器)の内層となる部分である。ただし、上述のとおり、多層容器は、内層と外層の2層のみからなっていてもよいが、他の層を有していてもよく、上記内層が多層容器の最内層とはならない場合もある。内層形成用組成物に含まれるポリアミド樹脂は、上記多層容器の項で説明したポリアミド樹脂と同様である。また、ポリアミド樹脂を含む内層形成用組成物は、ポリアミド樹脂以外の成分を含んでいてもよく、その詳細も内層の項で説明した他の成分と同様である。また、各構成分の質量比率や、内層形成用組成物に含まれるポリアミド樹脂の質量割合も、上記内層の項で説明した内容と同様である。
二層プリフォームの状態において、多層容器の胴部となる部分(二層)の平均厚みは、通常、2.0~7.0mm程度であり、さらには、2.5~6.0mm程度であり、特には、2.5~5.5mm程度である。
本実施形態においては、外層と内層の厚み比率が、6.5:3.5~7.5:2.5であることが特に好ましい。このような比率とすることにより、内層形成用組成物の流路がより十分に確保され、より透明性に優れた二層プリフォームが得られる。
本実施形態においては、外層プリフォーム1と、内層プリフォーム形成用金型2の間に、内層形成用組成物3が射出されるが、この内層形成用組成物3の流路にあたる、外層プリフォーム1と、内層プリフォーム形成用金型2の間が、内層となる部分である。
内層形成用組成物3は、外層プリフォーム1の下方(通常、多層容器の開口部と反対側)となる位置から射出されることが好ましい。このときの内層形成用組成物3は、溶融状態にある。
内層形成用組成物の射出温度(内層側射出シリンダー温度)は、内層形成用組成物3に含まれるポリアミド樹脂の融点+(15~50)℃であることが好ましく、ポリアミド樹脂の融点+(20~40)℃であることがより好ましい。前記範囲とすることにより、ポリアミド樹脂の着色をより効果的に抑制できる傾向にある。
内層形成用組成物3を射出成形する際の、外層プリフォームの温度は、内層形成用組成物3の温度-(60~200)℃であることが好ましく、内層形成用組成物3の温度-(110~180)℃であることがより好ましい。前記範囲とすることにより、ブロー成形前の予備加熱を短縮できる。
このようにして得られた二層プリフォームは、内層プリフォーム4と外層プリフォーム1との界面荒れが抑制され、透明性に優れたものとなる。
上記二層プリフォームにおいて、外層プリフォームの厚みは、多層容器の胴部になる部分の平均厚みが、1.5mm以上であることが好ましく、2.0mm以上であることがより好ましく、2.8mm以上であってもよく、また、6.0mm以下であることが好ましく、5.0mm以下であることがより好ましい。
上記二層プリフォームにおいて、内層プリフォームの厚みは、多層容器の胴部になる部分の平均厚みが、0.7mm以上であることが好ましく、1.0mm以上であることがより好ましく、また、3.0mm以下であることが好ましく、2.0mm以下であることがより好ましい。
次に、本実施形態の多層容器の製造方法について説明する。
本実施形態の多層容器の製造方法は、ポリエステル樹脂を含む外層プリフォームと、前記外層プリフォームの内側に配置された内層プリフォーム形成用金型との間に、ポリアミド樹脂を含む内層形成用組成物を射出して、前記外層プリフォームと内層プリフォームを二色成形して二層プリフォームを製造し、前記二層プリフォームをブロー成形することを含み、前記ポリアミド樹脂の相対粘度が1.8~2.8であることを特徴とする。
このような二色成形において、所定のポリアミド相対粘度を有するポリアミド樹脂を用いることにより、外層と内層の間の界面荒れを効果的に抑制し、得られる多層容器の透明性を向上させることができる。
二層プリフォームを製造するまでの工程および材料等については、上記二層プリフォームの製造方法と同じである。
また、二層プリフォームをブロー成形することについては、公知の技術を採用できる。例えば、ブロー成形は、二軸延伸ブロー成形することが好ましい。なお、二軸延伸ブロー成形の二層プリフォーム際には、プリフォーム加熱温度を、内層形成用組成物3の射出温度(内層側射出シリンダー温度)+(1~50℃)(好ましくは内層側射出シリンダー温度+(4~40℃)、より好ましくは内層側射出シリンダー温度+(10~30℃))となるようにプリフォームを加熱することが好ましい。また、二層プリフォームが好ましくは90~120℃、より好ましくは95~115℃となるように加熱することが好ましい。また、二軸延伸ブロー成形は、一次ブロー圧力を好ましくは0.5~2.0MPa、より好ましくは0.5~1.2MPa、二次ブロー圧力を好ましくは1.0~5.0MPa、より好ましくは1.5~4.5MPaとすることが好ましい。これにより、厚さムラや延伸ムラの発生が抑制され、優れた強度の多層容器を得ることができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
実施例で用いた測定機器等が廃番等により入手困難な場合、他の同等の性能を有する機器を用いて測定することができる。
1.原料
PET:テレフタル酸とエチレングリコールから合成された熱可塑性ポリエステル樹脂、三菱ケミカル社製、ユニペットBK2180
<MXD6(相対粘度2.6)の合成>
撹拌機、分縮器、冷却器、温度計、滴下槽および窒素ガス導入管を備えたジャケット付反応缶内でアジピン酸を入れ、十分窒素置換し、170℃にて加熱し溶融した後、内容物を撹拌しながら、メタキシリレンジアミン(三菱ガス化学社製、MXDA)をアジピン酸とのモル比が0.996(ジアミン/ジカルボン酸)になるように徐々に滴下しながら、温度を240℃まで上昇させた。滴下終了後、260℃まで昇温し、20分間継続した。その後、反応系内圧を0.08MPaまで連続的に減圧し、反応を継続した。反応終了後、反応缶内を窒素ガスにて0.2MPaの圧力を掛けポリマーを重合槽下部のノズルよりストランドとして取出し、水冷後ペレタイザーにてペレット化することでMXD6(相対粘度2.6)を得た。
<MXD6(相対粘度2.4)の合成>
撹拌機、分縮器、冷却器、温度計、滴下槽および窒素ガス導入管を備えたジャケット付反応缶内でアジピン酸を入れ、十分窒素置換し、170℃にて加熱し溶融した後、内容物を撹拌しながら、メタキシリレンジアミン(三菱ガス化学社製、MXDA)をアジピン酸とのモル比が0.994(ジアミン/ジカルボン酸)になるように徐々に滴下しながら、温度を240℃まで上昇させた。滴下終了後、260℃まで昇温し、20分間継続した。その後、反応系内圧を0.08MPaまで連続的に減圧し、反応を継続した。反応終了後、反応缶内を窒素ガスにて0.2MPaの圧力を掛けポリマーを重合槽下部のノズルよりストランドとして取出し、水冷後ペレタイザーにてペレット化することでMXD6(相対粘度2.4)を得た。
<MXD6(相対粘度2.1)の合成>
撹拌機、分縮器、冷却器、温度計、滴下槽および窒素ガス導入管を備えたジャケット付反応缶内でアジピン酸を入れ、十分窒素置換し、170℃にて加熱し溶融した後、内容物を撹拌しながら、メタキシリレンジアミン(三菱ガス化学社製、MXDA)をアジピン酸とのモル比が0.993(ジアミン/ジカルボン酸)になるように徐々に滴下しながら、温度を240℃まで上昇させた。滴下終了後、260℃まで昇温し、20分間継続した。その後、反応系内圧を0.08MPaまで連続的に減圧し、反応を継続した。反応終了後、反応缶内を窒素ガスにて0.2MPaの圧力を掛けポリマーを重合槽下部のノズルよりストランドとして取出し、水冷後ペレタイザーにてペレット化することでMXD6(相対粘度2.1)を得た。
<MXD10(相対粘度2.1)の合成>
撹拌機、分縮器、冷却器、温度計、滴下槽および窒素ガス導入管を備えたジャケット付反応缶内でセバシン酸(CASDA製)を入れ、十分窒素置換し、170℃にて加熱し溶融した後、内容物を撹拌しながら、メタキシリレンジアミン(三菱ガス化学社製、MXDA)をセバシン酸とのモル比が1:1になるように徐々に滴下しながら、温度を240℃まで上昇させた。滴下終了後、260℃まで昇温し、20分間継続した。その後、反応系内圧を0.08MPaまで連続的に減圧し、反応を継続した。反応終了後、反応缶内を窒素ガスにて0.2MPaの圧力を掛けポリマーを重合槽下部のノズルよりストランドとして取出し、水冷後ペレタイザーにてペレット化することでMXD10(相対粘度2.1)を得た。
<MXD6(相対粘度3.1)の合成>
撹拌機、分縮器、冷却器、温度計、滴下槽および窒素ガス導入管を備えたジャケット付反応缶内でアジピン酸を入れ、十分窒素置換し、170℃にて加熱し溶融した後、内容物を撹拌しながら、メタキシリレンジアミン(三菱ガス化学社製、MXDA)をアジピン酸とのモル比が0.998(ジアミン/ジカルボン酸)になるように徐々に滴下しながら、温度を240℃まで上昇させた。滴下終了後、260℃まで昇温し、20分間継続した。その後、反応系内圧を0.08MPaまで連続的に減圧し、反応を継続した。反応終了後、反応缶内を窒素ガスにて0.2MPaの圧力を掛けポリマーを重合槽下部のノズルよりストランドとして取出し、水冷後ペレタイザーにてペレット化することでMXD6(相対粘度3.1)を得た。
実施例1
<ボトルの製造>
ポリアミド樹脂組成物は、表1に示す相対粘度のポリアミド樹脂100質量部に対し、ステアリン酸カルシウム100質量ppmをドライブレンドして製造した。
2本の射出シリンダーを有する二色成形射出延伸ブロー成形機(日精エー・エス・ビー機械株式会社製)を使用して、一方の射出シリンダーからポリエステル樹脂(PET BK2180 三菱ケミカル製)を射出して、ポリエステル樹脂層(外層)を形成した後、他方の射出シリンダーからポリアミド樹脂組成物を射出して、ポリアミド樹脂層(内層)を形成し、二層プリフォームを得た。得られた二層プリフォームを再加熱して二軸延伸ブロー成形を行い、2層ボトルを得た。2層ボトルの成形条件は、以下に示したとおりである。
外層のプリフォームの胴部厚み :3.3mm
内層のプリフォームの厚みの胴部厚み:1.4mm
外層側射出シリンダー温度 :275℃
内層側射出シリンダー温度 :260℃
ブロー成形前の加熱温度 :280℃
一次ブロー圧力 :1.0MPa
二次ブロー圧力 :3.2MPa
得られたボトルは、胴部の厚さが、外層0.39mm、内層0.14mmであり、質量28g、内容積350mLであった。
得られたボトルを用いて以下の評価を行った。
<酸素バリア性>
得られたボトルに水50mLを充填し、酸素分圧0.21atmの条件下で、ボトル内部湿度100%RH(相対湿度)、外部湿度50%RH(相対湿度)、温度23℃の条件にて、ボトル内部に1atmの窒素を20mL/分で流通させ、24時間後のクーロメトリックセンサーにてボトル内部を流通後の窒素中に含まれる酸素量を検出することで、酸素透過率を測定した。単位は、cc/(pkg・day)で示した。
酸素透過率の測定に際し、酸素透過率測定装置(MOCON社製、商品名「OX-TRAN 2/61」)を使用した。
<酢酸ブチルバリア性>
得られたボトルに350mLの酢酸ブチルを充填して、温度条件50℃、湿度50%RH条件下で2週間静置した。試験前後の質量変化量から酢酸ブチルの揮発量を算出して酢酸ブチルバリア性を評価した。
酢酸ブチルバリア性(単位:g/(bottle・day))
=(酢酸ブチルを充填したボトルの試験前の質量-酢酸ブチルを充填したボトルの試験後の質量)
<吸湿時の外容積保持率>
得られたボトルを50℃、90%相対湿度下に30日間静置した。試験前後のボトルの外容積を測定して、保持率を算出した。外容積は、1Lメスシリンダー内に水を300mL入れて、そこへボトルを浸漬して増加した水量から外容積を確認した。
保持率(単位%)
=[ボトルの試験後の外容積/ボトルの試験前の外容積]×100
<落下試験>
得られたボトルに350mLの水を充填し、胴部を両手で持ち、高さ80cmの位置で静かに手を放して、ボトルの底部が地面に接触するように垂直に落下させて、割れの有無を確認した。
<Haze>
上記で得られたボトルの胴部を取り出し、色彩・濁度同時測定器を用いてヘイズ(単位:%)を測定した。
色彩・濁度同時測定器としては、日本電色工業(株)製「COH400」を用いた。
実施例2~4、比較例1
実施例1において、表1または表2に示す通り、ポリアミド樹脂の種類を変更し、他は同様に行った。
実施例4で用いたポリアミド樹脂(MXD10)の射出シリンダー温度は260℃とした。
比較例2~4
<ボトルの製造>
ポリアミド樹脂組成物は、表2に示す相対粘度のポリアミド樹脂100質量部に対し、ステアリン酸カルシウム100質量ppmをドライブレンドして製造した。
1本の射出シリンダーを有する射出延伸ブロー成形機(日精エー・エス・ビー機械株式会社製)を使用して、射出シリンダーから、表2に示す樹脂(またはステアリン酸カルシウムを含むポリアミド樹脂組成物)を射出し、プリフォームを得た。得られたプリフォームを再加熱してブロー成形を行い、単層ボトルを得た。単層ボトルの成形条件は、以下に示したとおりである。
プリフォームの胴部厚み :4.7mm
射出シリンダー温度 :PETは275℃
:MXD6は260℃
:MXD10は260℃
ブロー成形前の加熱温度 :280℃
一次ブロー圧力 :1.0MPa
二次ブロー圧力 :3.2MPa
得られたボトルは、胴部の厚さが、外層0.39mm、内層0.14mmであり、質量28g、内容積350mLであった。
得られたボトルを用いて実施例1と同様に評価を行った。
Figure 2023113242000002
Figure 2023113242000003
上記結果から明らかなとおり、本発明の二色成形品(ボトル)は、透明性に優れていた。
さらに、本発明の多層容器は、酸素バリア性、酢酸ブチルバリア性、吸湿時の外容積の保持率、耐衝撃性(落下試験後の割れの抑制)、透明性(低いヘイズ)に優れていた。
1 外層プリフォーム
2 内層プリフォーム形成用金型
3 内層形成用組成物
4 内層プリフォーム
5 二層プリフォーム

Claims (7)

  1. ポリエステル樹脂を含む外層と、前記外層に接している、ポリアミド樹脂を含む内層とからなり、前記ポリアミド樹脂の相対粘度が1.8~2.8である二色成形品を含む多層容器。
  2. 前記ポリアミド樹脂が、ジアミンに由来する構成単位とジカルボン酸に由来する構成単位を含み、前記ジアミンに由来する構成単位の70モル%以上がキシリレンジアミンに由来し、前記ジカルボン酸に由来する構成単位の70モル%以上が炭素数4~20のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来するキシリレンジアミン系ポリアミド樹脂を含む、請求項1に記載の多層容器。
  3. 前記外層と内層の厚み比(外層:内層)が、6:4~9:1である、請求項1または2に記載の多層容器。
  4. ポリエステル樹脂を含む外層プリフォームと、前記外層プリフォームの内側に配置された内層プリフォーム形成用金型との間に、
    ポリアミド樹脂を含む内層形成用組成物を射出して前記外層プリフォームと内層プリフォームを二色成形することを含み、
    前記ポリアミド樹脂の相対粘度が1.8~2.8である、二層プリフォームの製造方法。
  5. 前記ポリアミド樹脂が、ジアミンに由来する構成単位とジカルボン酸に由来する構成単位を含み、前記ジアミンに由来する構成単位の70モル%以上がキシリレンジアミンに由来し、前記ジカルボン酸に由来する構成単位の70モル%以上が炭素数4~20のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来するキシリレンジアミン系ポリアミド樹脂を含む、請求項4に記載の二層プリフォームの製造方法。
  6. ポリエステル樹脂を含む外層プリフォームと、前記外層プリフォームの内側に配置された内層プリフォーム形成用金型との間に、ポリアミド樹脂を含む内層形成用組成物を射出して、前記外層プリフォームと内層プリフォームを二色成形して二層プリフォームを製造し、前記二層プリフォームをブロー成形することを含み、
    前記ポリアミド樹脂の相対粘度が1.8~2.8である、多層容器の製造方法。
  7. 前記ポリアミド樹脂が、ジアミンに由来する構成単位とジカルボン酸に由来する構成単位を含み、前記ジアミンに由来する構成単位の70モル%以上がキシリレンジアミンに由来し、前記ジカルボン酸に由来する構成単位の70モル%以上が炭素数4~20のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来するキシリレンジアミン系ポリアミド樹脂を含む、請求項6に記載の多層容器の製造方法。
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