JP3049145B2 - 車両の後輪操舵装置 - Google Patents

車両の後輪操舵装置

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JP3049145B2 JP2260792A JP2260792A JP3049145B2 JP 3049145 B2 JP3049145 B2 JP 3049145B2 JP 2260792 A JP2260792 A JP 2260792A JP 2260792 A JP2260792 A JP 2260792A JP 3049145 B2 JP3049145 B2 JP 3049145B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、前輪の操舵角(ハンド
ル舵角)及び車速に応じて後輪を操舵する車両の後輪操
舵装置に関し、特に、旋回初期での回頭性を高めるため
の補正を行うものの改良に係わる。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両の後輪操舵装置として、
低車速時に後輪を前輪の操舵方向と逆方向の逆位相に操
舵し、高車速時に後輪を前輪の操舵方向と同じ方向の同
位相に操舵することにより、低車速時での旋回性と高車
速時での操縦安定性とを共に確保するようにしたものは
一般によく知られている。
【0003】そして、このような後輪操舵装置において
は、後輪を同位相に操舵するときには、操縦安定性が向
上する反面、特に旋回初期での回頭性が低下するという
問題がある。そこで、従来、この問題を解決するため
に、前輪の操舵角及び車速に応じて算出される後輪の目
標操舵角に対し、前輪の操舵角速度又は操舵角加速度に
応じた補正量を逆位相方向に付加する補正を行うように
したものなどが提案され、公知となっている(特開平2
−234881号公報等参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の如く
前輪の操舵角速度に応じた補正量を逆位相方向に付加す
る補正を行うものの場合、旋回開始直後は操舵角速度自
体が余り大きな値とならないので、旋回初期での回頭性
を充分に高めることはできない。また、前輪の操舵角加
速度に応じた補正量を逆位相方向に付加する補正を行う
ものの場合、旋回開始直後から操舵角加速度が比較的大
きな値となり、旋回初期での回頭性を充分に高めること
は可能であるが、操舵角加速度は変動し易いため、これ
に応じて補正量を算出すると、後輪が不必要に操舵され
チャタリングが発生する虞がある。
【0005】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、特に、前輪の操舵角の逆数が旋回開始直後には大
きな値になることに着目し、この前輪の操舵角の逆数を
用いて補正量を適切に設定し、この補正量を、前輪の操
舵角及び車速に応じて算出される後輪の目標操舵角に対
し逆位相方向に付加する補正を行うことにより、チャタ
リングの発生を防止しつつ旋回初期での回頭性を充分に
高め得る車両の後輪操舵装置を提供せんとするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、前輪の操舵角及び車速に応
じて後輪の目標操舵角を算出し、この目標操舵角となる
よう後輪を操舵する車両の後輪操舵装置において、前輪
の操舵角速度を検出する舵角速度検出手段と、前輪の操
舵角の逆数を算出する逆数算出手段と、上記前輪の操舵
角速度と上記前輪の操舵角の逆数との積に応じた補正量
を算出し、上記目標操舵角に対しこの補正量を逆位相方
向に付加する補正を行う補正手段とを備える構成とす
る。
【0007】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明に従属するものであって、車両のレーンチェンジ時等
でステアリングハンドルを切り返す際に車両の回頭性が
高いと走行不安定になることから、これに対処するため
に、上記補正手段を、車両の所定状態のときは前輪の操
舵角速度のみに応じた補正量を算出するよう構成するも
のである。
【0008】ここで、上記車両の所定状態のときは、請
求項3記載の発明では前輪の操舵角速度の符号が反転す
るときであり、請求項4記載の発明では車両に作用する
ヨーレートの変化率の符号が反転するときであり、さら
に、請求項5記載の発明では車両に作用する横加速度の
変化率の符号が反転するときである。
【0009】また、請求項6記載の発明は、請求項1記
載の発明に従属するものであって、旋回初期での旋回性
が過大にならないようにするために、上記補正手段を、
補正量が許容値を越えるときはその許容値を目標操舵角
に付加して補正を行うよう構成するものである。
【0010】ここで、上記許容値は、請求項7記載の発
明では車速が高い程小さくなるように設定されており、
請求項8記載の発明では車両の前後加速度が大きい程小
さくなるように設定されており、請求項9記載の発明で
は車両に作用するヨーレートが大きい程小さくなるよう
に設定されている。
【0011】さらに、請求項10及び11記載の発明
は、いずれも請求項6記載の発明と同様、請求項1記載
の発明に従属するものであって、旋回初期での旋回性が
過大にならないようにするためのものである。すなわ
ち、請求項10記載の発明は、上記補正手段を、車速が
高い程補正量を小さくするよう構成するものであり、請
求項11記載の発明は、上記補正手段を、車両の制動時
には補正量を小さくするよう構成するものである。
【0012】
【作用】上記の構成により、請求項1記載の発明では、
補正手段において、前輪の操舵角速度と前輪の操舵角の
逆数との積に応じた補正量を算出し、この補正量を、前
輪の操舵角及び車速に応じて算出された後輪の目標操舵
角に対し逆位相方向に付加する補正を行う。そして、こ
の補正後の目標操舵角となるよう後輪が操舵される。こ
こで、車両の旋回開始直後には、上記前輪の操舵角が零
に近い値で、その逆数は大きな値になるので、上記補正
量も比較的大きな値となり、旋回初期での回頭性が充分
に高められる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0014】図1は本発明の一実施例に係わる後輪操舵
装置を備える車両の駆動系及び操舵系の概略構成を示
し、1L及び1Rは左右の前輪、2L及び2Rは左右の
後輪、3は車体前部に横置きに搭載されたエンジン、4
は該エンジン3の左側方に配設された変速機であり、上
記エンジン3の出力は、上記変速機4で変速された後、
差動装置5及び駆動軸6,6を介して左右の前輪1L,
1Rに伝達されて、該前輪1L,1Rを駆動する。従っ
て、この車両はFF(フロントエンジン・フロントドラ
イブ)型車であって、前輪1L,1Rが駆動輪で、後輪
2L,2Rが従動輪である。
【0015】また、11は左右の前輪1L,1Rを操舵
するステアリング装置であって、該ステアリング装置1
1は、一端がステアリングハンドル12と連結されたス
テアリングシャフト13と、車幅方向に延びて配設さ
れ、上記ステアリングシャフト13の回転により軸方向
(つまり車幅方向)に移動するロッド14と、一端が該
ロッド14に連結され、他端が前輪1L,1Rに連結さ
れた左右一対のタイロッド15,15とからなる。
【0016】21は上記ステアリング装置11による前
輪1L,1Rの操舵時に左右の後輪2L,2Rを操舵す
る後輪操舵装置であって、該後輪操舵装置21は、車幅
方向に延びて配置され、左右両端がそれぞれタイロッド
22,22を介して左右の後輪2L,2Rに連結された
ロッド23と、油圧ポンプ24から圧油の供給を受け、
上記ロッド23を軸方向(つまり車幅方向)に移動させ
るアクチュエータ25と、該アクチュエータ25の作動
を制御する後輪操舵用コントローラ26とを備えてい
る。
【0017】さらに、31,32,33及び34はそれ
ぞれ左前輪1L,右前輪1R,左後輪2L及び右後輪2
Rの回転速度(車輪速)を検出する四つの車輪速セン
サ、35は前輪1L,1Rの操舵角をロッド14の軸方
向変位から検出する前輪操舵角センサであり、これらセ
ンサ31〜35の検出信号は上記コントローラ26に入
力される。このコントローラ26は、後輪2L,2Rの
操舵角をロッド23の軸方向変位から検出する後輪操舵
角センサ36からの検出信号を受けて後輪2L,2Rの
操舵をフィードバック制御するようになっている。
【0018】また、41は車両の前後加速度を検出する
前後加速度センサ、42は車両に作用する横加速度を検
出する横加速度センサ、43は車両に作用するヨーレー
トを検出するヨーレートセンサであり、これらのセンサ
41〜43の検出信号も上記コントローラ26に入力さ
れて、該コントローラ26による後輪2L,2Rの操舵
制御に供される。
【0019】上記コントローラ26による後輪2L,2
Rの操舵制御においては、図2に示すフローチャートに
従って目標操舵角θR が算出される。すなわち、図2に
おいて、スタートした後、先ず始めに、ステップS1 で
前輪操舵角センサ35で検出された前輪操舵角θH 及び
車速Vを読み込み、ステップS2 で上記前輪操舵角θH
を一回微分して前輪の操舵角速度ΔθH (=dθH /d
t)を演算する。このステップS2 及び前輪操舵角セン
サ35により、前輪の操舵角速度ΔθH を検出する舵角
速度検出手段51が構成されている。尚、車速Vは、車
輪速センサ33,34で検出された従動輪たる後輪2
L,2Rの車輪速の平均値又は大きい方の車輪速を採る
ものである。
【0020】続いて、ステップS3 で図4及び図5に示
す予め記憶されたマップを用いて係数K1 ,K2 を算出
する。係数K1 は、前輪と後輪との操舵比であって、低
車速時には車両の旋回性を高めるために後輪2L,2R
を前輪1L,1Rの操舵と反対方向の逆位相に操舵し、
中・高車速時には車両の操縦安定性を高めるために後輪
2L,2Rを前輪1L,1Rの操舵と同一方向の同位相
に操舵するように設定されている。また、係数K2 は、
中車速時には同位相側の一定値に、低車速時及び高車速
時には零に設定されている。
【0021】上記係数K1 ,K2 の算出後、ステップS
4 でキャンセルフラグFが「1」であるか否かを判定す
る。この判定がNOのときには、ステップS5 で、図3
に示すフローチャートに従って算出された係数K4 を読
み込んだ後、ステップS6 で係数K5 を下記の式によ
り、 K5 =1/(θH ・K4 ) … 算出する。つまり、係数K5 は、前輪の操舵角θH と係
数K4 との積の逆数であり、ステップS6 により、前輪
の操舵角θH の逆数(1/θH )を算出する逆数算出手
段52が構成されている。この逆数の算出後、ステップ
S8 へ移行する。
【0022】一方、上記ステップS4 の判定がYESの
ときには、ステップS7 でK5 =0.5とした後、ステ
ップS8 へ移行する。
【0023】ステップS8 では、後輪の補正舵角量(以
下、単に補正量という)ΔθHAを、下記の式により、 ΔθHA=ΔθH ・K5 … 算出する。つまり、補正量ΔθHAは、前輪の操舵角速度
ΔθH と前輪の操舵角の逆数(1/θH )との積に比例
した値となる。
【0024】続いて、ステップS9 で図6に示す予め記
憶されたマップを用いて許容値ΔθHBを算出する。この
許容値ΔθHBは、車速Vが高い程小さくなるように設定
されている。
【0025】しかる後、ステップS10で上記補正量Δθ
HAが上記許容値ΔθHBよりも大きいか否かを判定し、そ
の判定がYESのときには、ステップS11で許容値Δθ
HBを最終の補正量ΔθHTR に置き換える一方、判定がN
Oのときには、補正量ΔθHAを最終の補正量ΔθHTR に
置き換える。続いて、ステップS13で最終の目標操舵角
θR を下記の式により、 θR =K1 ・θH −K2 ・ΔθHTR … 算出し、リターンする。
【0026】上記式は、前輪の操舵角θH 及び車速V
に応じて算出された目標操舵角(K1 ・θH )に対し、
補正量ΔθHTR を逆位相方向に付加することを意味して
いる。また、この補正量ΔθHTR の算出に関連するフロ
ー(図3に示すフローチャートをも含む)によって、前
輪の操舵角速度と上記前輪の操舵角の逆数との積に応じ
た補正量ΔθHTR を算出し、上記目標操舵角に対しこの
補正量ΔθHTR を逆位相方向に付加する補正を行う補正
手段53が構成されている。
【0027】次に、図3に示すフローチャーに従って係
数K4 の算出方法について説明するに、スタートした
後、先ず始めに、ステップS21で各種センサからの信号
を読み込む。この信号には、図2に示すフローチャート
中のステップS2 で演算した前輪の操舵角速度ΔθH の
信号も含む。
【0028】続いて、ステップS22において、上記前輪
の操舵角速度ΔθH が所定値ΔθH0以上でかつその操舵
角速度ΔθH の符号が反転しているか否かを判定すると
ともに、ステップS23において、ヨーレートセンサ43
からの信号に基づいて車両に作用するヨーレートφを一
回微分してヨーレートの変化率Δφを算出し、その変化
率Δφが所定値Δφ0 以上でかつそのヨーレートの変化
率Δφの符号が反転しているか否かを判定する。また、
ステップS24において、横加速度センサ42からの信号
に基づいて車両に作用する横加速度Gを一回微分して横
加速度の変化率ΔGを算出し、その変化率ΔGが所定値
ΔG0 以上でかつその横加速度の変化率ΔGの符号が反
転しているか否かを判定する。
【0029】ここで、上記各所定値ΔθH0,Δφ0 ,Δ
G0 は、いずれも各信号のノイズに相当するものであ
る。また、図7から分るように、ステアリングハンドル
の切り返し時には、前輪の操舵角θH ,ヨーレートφ及
び横加速度Gは、それぞれその符号が反転し、また、こ
れらの変化率ΔθH ,Δφ,ΔGは、ステアリングハン
ドルの切り返し時点よりも早い時点で符号が反転する。
従って、これら変化率ΔθH ,Δφ,ΔGの符号が反転
しているか否かを判定することは、結局、ステアリング
ハンドルの切り返し時を早期に判定しているのである。
【0030】そして、ステアリングハンドルの切り返し
時でないときには、ステップS25で図8に示す予め記憶
されたマップを用いて係数K4 を算出する。この係数K
4 は、低車速時には1で一定となり、中・高車速時には
車速Vが高くなるに従って一次関数的に増加するように
なっている。続いて、ステップS26において、車両の減
速度(−ΔV)がノイズ値に相当する所定値(−ΔV0
)以上であるか否かを判定する。この判定がYESの
とき、つまり車両の減速時には、ステップS27で上記係
数K4 にα(>1)を乗算した値を新たな係数K4 に置
き換えた後、リターンする一方、判定がNOのときに
は、直ちにリターンする。
【0031】一方、ステアリングハンドルの切り返し時
のときには、ステップS28でキャンセルフラグFを
「1」にセットする。そして、ステップS29及びS30に
おいて、車両の直進走行状態になるまではキャンセルフ
ラグFを「1」に維持し、車両の直進走行状態になった
ときに、キャンセルフラグFを「0」にセットする。
【0032】次に、上記実施例の作用・効果を、図9を
参照しつつ説明する。図9は、車両が直進走行状態から
定常旋回に移行するとき、前輪の操舵角θH 、操舵角速
度ΔθH 、操舵角の逆数(1/θH )及び操舵角速度と
操舵角の逆数との積(ΔθH×1/θH )が時間tの経
過に伴って変化する状態を示すタイムチャート図であ
る。
【0033】この図9において、特に、ハンドル操作時
点t1 から間もない旋回初期について見るに、前輪の操
舵角速度ΔθH は比較的小さな値であるが、前輪の操舵
角の逆数(1/θH )は、前輪の操舵角θH が零に近い
値であることから非常に大きな値となる。また、前輪の
操舵角速度と前輪の操舵角の逆数との積(ΔθH ×1/
θH )も旋回初期に比較的大きな値となる。
【0034】したがって、このような前輪の操舵角速度
と前輪の操舵角の逆数との積(ΔθH ×1/θH )に比
例した補正量ΔθHTR を算出し、この補正量ΔθHTR
を、車両の中車速時前輪の操舵角及び車速Vに応じて算
出された後輪の目標操舵角(K1 ・θH )に対し逆位相
方向に付加する補正を行う本実施例の場合、単に前輪の
操舵角速度ΔθH に比例した補正量でもって補正を行う
従来の場合に比べて旋回初期での回頭性を充分に高める
ことができる。しかも、上記の積(ΔθH ×1/θH )
は、安定した値を取り、その符号が反転することはない
ので、後輪操舵上のチャタリングの発生を防止すること
ができる。
【0035】その上、レーンチェンジ時等ステアリング
ハンドルの切り返し時には、そのことを前輪の操舵角速
度ΔθH 、ヨーレート変化率Δφ及び横加速度変化率Δ
Gの各符号が反転するか否かに基づいて早期にかつ確実
に検出し、K5 =0.5に置き換えることで上記補正量
ΔθHTR を前輪の操舵角速度ΔθH のみに応じて算出し
て、旋回初期での補正量が小さく抑えられるので、車両
の回頭性を抑制して走行不安定を高めることができる。
尚、K5 =0.5としたのは、通常の舵角速度補正の場
合よりも安定した補正値でレーンチェンジを行うためで
ある。
【0036】また、前輪の操舵角速度と前輪の操舵角の
逆数との積(ΔθH ×1/θH )で算出した補正量Δθ
HAが許容値ΔθHBよりも大きいときには、その許容値Δ
θHBを目標操舵角に付加して補正が行われるので、旋回
初期での回頭性が過大になるのを防止することができ、
安全性を確保することができる。しかも、上記許容値Δ
θHBは、車速Vが高い程小さくなるように設定されてい
るので、回頭性が過大になるのを車速Vに応じて適切に
防止でき、安全性の確保をより図ることができる。
【0037】さらに、上記補正量ΔθHAは、前輪の操舵
角速度と前輪の操舵角の逆数との積(ΔθH ×1/θH
)に係数K4 で除した値として算出されるものであ
り、また、上記係数K4 は、車速Vが高い程大きくなる
とともに、車両の制動時には大きくなる。それ故、補正
量ΔθHAは、車速Vが高い程小さくなり、また車両の制
動時にも小さくなるので、車両の走行状態に応じて回頭
性が過大になるのを適切に防止でき、安全性の確保をよ
り一層図ることができる。
【0038】尚、上記実施例では、回頭性が過大になる
のを車両の走行状態に応じて適切に防止するために、車
速Vが高い程補正量ΔθHAを小さくなるようにしたが、
これ以外に、車両の前後加速度が大きい程補正量ΔθHA
を小さくしたり、車両に作用するヨーレートが大きい程
補正量ΔθHAを小さくしたりしてもよい。
【0039】
【発明の効果】以上の如く、請求項1記載の発明におけ
る車両の後輪操舵装置によれば、前輪の操舵角速度と上
記前輪の操舵角の逆数との積に応じた補正量を算出し、
この補正量を、前輪の操舵角及び車速に応じて算出され
た後輪の目標操舵角に対し逆位相方向に付加する補正を
行うことにより、後輪操舵上のチャタリングの発生を防
止しながら、旋回初期での回頭性を充分に高めることが
できる。
【0040】特に、請求項2〜5記載の発明では、車両
のレーンチェンジ時等でステアリングハンドルを切り返
す際には、前輪の操舵角速度のみに応じて補正量が算出
されるので、車両の回頭性を抑制して走行不安定を高め
ることができる。
【0041】また、請求項6〜9記載の発明では、補正
量が許容値を越えるときはその許容値を目標操舵角に付
加して補正が行われるので、旋回初期で回頭性が過大に
なるのを防止でき、安全性を確保することができる。
【0042】さらに、請求項10記載の発明では、車速
が高い程補正量が小さくなるように構成され、また請求
項11記載の発明では、車両の制動時には補正量が小さ
くなるように構成されているので、いずれも旋回初期で
回頭性が過大になるのを防止でき、安全性を確保するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係わる車両の駆動系及び操舵
系の概略構成図である。
【図2】後輪の操舵制御における目標操舵角設定用のフ
ローチャート図である。
【図3】係数K4 の算出用のフローチャート図である。
【図4】係数K1 の算出用マップを示す図である。
【図5】係数K2 の算出用マップを示す図である。
【図6】許容値の算出用マップを示す図である。
【図7】ステアリングハンドルの切り返し時の前輪の操
舵角速度等の変化状態を示す図である。
【図8】係数K4 の算出用マップを示す図である。
【図9】車両が直進走行状態から定常旋回に移行すると
きに前輪の操舵角等の変化状態を示すタイムチャート図
である。
【符号の説明】
1L,1R 前輪 2L,2R 後輪 51 舵角速度検出手段 52 逆数算出手段 53 補正手段

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前輪の操舵角及び車速に応じて後輪の目
    標操舵角を算出し、この目標操舵角となるよう後輪を操
    舵する車両の後輪操舵装置において、 前輪の操舵角速度を検出する舵角速度検出手段と、 前輪の操舵角の逆数を算出する逆数算出手段と、 上記前輪の操舵角速度と上記前輪の操舵角の逆数との積
    に応じた補正量を算出し、上記目標操舵角に対しこの補
    正量を逆位相方向に付加する補正を行う補正手段とを備
    えたことを特徴とする車両の後輪操舵装置。
  2. 【請求項2】 上記補正手段は、車両の所定状態のとき
    は前輪の操舵角速度のみに応じた補正量を算出するよう
    になっている請求項1記載の車両の後輪操舵装置。
  3. 【請求項3】 上記車両の所定状態のときは、前輪の操
    舵角速度の符号が反転するときである請求項2記載の車
    両の後輪操舵装置。
  4. 【請求項4】 上記車両の所定状態のときは、車両に作
    用するヨーレートの変化率の符号が反転するときである
    請求項2記載の車両の後輪操舵装置。
  5. 【請求項5】 上記車両の所定状態のときは、車両に作
    用する横加速度の変化率の符号が反転するときである請
    求項2記載の車両の後輪操舵装置。
  6. 【請求項6】 上記補正手段は、補正量が許容値を越え
    るときはその許容値を目標操舵角に付加して補正を行う
    ようになっている請求項1記載の車両の後輪操舵装置。
  7. 【請求項7】 上記許容値は、車速が高い程小さくなる
    ように設定されている請求項6記載の車両の後輪操舵装
    置。
  8. 【請求項8】 上記許容値は、車両の前後加速度が大き
    い程小さくなるように設定されている請求項6記載の車
    両の後輪操舵装置。
  9. 【請求項9】 上記許容値は、車両に作用するヨーレー
    トが大きい程小さくなるように設定されている請求項6
    記載の車両の後輪操舵装置。
  10. 【請求項10】 上記補正手段は、車速が高い程補正量
    を小さくするようになっている請求項1記載の車両の後
    輪操舵装置。
  11. 【請求項11】 上記補正手段は、車両の制動時には補
    正量を小さくするようになっている請求項1記載の車両
    の後輪操舵装置。
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