JP3048372B2 - 塗装物 - Google Patents

塗装物

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JP3048372B2 JP2091512A JP9151290A JP3048372B2 JP 3048372 B2 JP3048372 B2 JP 3048372B2 JP 2091512 A JP2091512 A JP 2091512A JP 9151290 A JP9151290 A JP 9151290A JP 3048372 B2 JP3048372 B2 JP 3048372B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、メタリック粉末を含有する塗料(メタリッ
クベースコート)および(または)着色顔料を含有する
塗料(ソリッドカラー)(以下、ベースコートといい、
メタリックベースコートおよびソリッドカラーの総称と
する)を塗装し、ついでトップコートクリアー塗料を塗
り重ねたのち、加熱硬化せしめるいわゆる2コート1ベ
ーク方式、またはベースコートを塗装し、加熱硬化せし
め、ついでトップコートクリアー塗料を塗り重ねたのち
さらに加熱硬化せしめるいわゆる2コート2ベーク方式
の塗装仕上げ方法によってえられる塗装物に関する。
[従来の技術・発明が解決しようとする課題] 自動車の上塗り塗装仕上げにはメタリックカラー仕上
げおよびソリッドカラー仕上げがある。メタリックカラ
ー仕上げのばあいには、メタリックベースコートを塗装
後ウエット・オン・ウエットでクリアー塗料を塗装し、
2コート1ベーク方式で加熱硬化させる方法が一般に行
なわれているが、クリアー塗料としてアクリルメラミン
樹脂塗料が用いられているため、えられる塗膜は耐酸
性、耐汚染性などの性能において問題を残しており、改
善が望まれている。
一方、ソリッドカラー仕上げのばあいにはアルキドメ
ラミン樹脂塗料が用いられ、1コート1ベーク方式で加
熱硬化させる方法が一般に行なわれている。しかし、最
近は仕上がりの外観のさらなる向上、耐候性、耐酸性、
耐汚染性などの向上に対する要求が高まってきており、
ソリッドカラー上に、クリアー塗料を塗装する方法が提
案されているが、満足すべき塗装物はえられていない。
また、建築物の外装、自動車、産業機械、スチール製
家具、家電用品、プラスチックスなどの各種塗装に使用
される従来の熱硬化性塗料は、アクリルメラミン、アル
キドメラミンなどのように、メラミンが架橋剤として使
用されたもので、メラミン樹脂からの臭気の問題が未解
決のまま残されたものである。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは前述の問題を解決すべく鋭意検討を重ね
た結果、2コート方式における透明性トップコートクリ
アー塗料として下記の特定の熱硬化性塗料を使用するこ
とにより、上記の問題が解決可能となり、耐酸性、耐汚
染性、耐候性などに優れた塗装物がえられることを見出
した。
すなわち、本発明は、メタリック粉末および(また
は)着色顔料を含有する塗料が塗装され、該塗装面にト
ップコートクリアー塗料が塗装された塗装物であって、
該トップコートクリアー塗料が、 (A)(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル1モル
に対してε−カプロラクトン1〜4モルを反応させるこ
とにより生成する水酸基を有するアクリル樹脂、 (B)一般式: (式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基、R2は水素原子
またはアルキル基、アリール基およびアラルキル基より
なる群から選ばれた1価の単価水素基、aは0、1また
は2を示す)で表わされる基を有するアルコキシシリル
基含有アクリル共重合体および (C)硬化触媒 からなる組成物を主成分とするシロキシ架橋および(ま
たは)シロキサン架橋型 熱硬化性塗料であることを
特徴とする塗装物に関する。
[実施例] 本発明に用いるトップコートクリアー塗料について説
明する。
トップコートクリアー塗料に含有される(メタ)アク
リル酸2−ヒドロキシエチル1モルに対してε−カプロ
ラクトン1〜4モルを反応させることにより生成する水
酸基を有するアクリル樹脂(以下、水酸基を有する樹脂
(A)または(A)成分ともいう)は、その主鎖が実質
的にアクリル共重合体鎖からなるため、塗膜の耐候性、
耐薬品性、耐水性などを向上させる。
水酸基を有する樹脂(A)は、たとえば(メタ)アク
リル酸2−ヒドロキシエチル1モルに対してε−カプロ
ラクトン1〜4モルを反応させることにより生成する水
酸基含有モノマーとアクリル酸、メタクリル酸、それら
の誘導体などとの共重合によりうることができる。
前記水酸基含有モノマーの具体例としては、ダイセル
化学工業(株)製のプラクセルFA-1、プラクセルFA-4、
プラクセルFM-1、プラクセルFM-4があげられる。これら
水酸基含有モノマーは1種を用いてもよく、2種以上を
併用してもよい。
前記水酸基含有モノマーと共重合可能なアクリル酸ま
たはメタクリル酸の誘導体の具体例としては、たとえば
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレ
ート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシ
ル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレ
ート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル
(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メ
タ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシル(メ
タ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、グリシ
ジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アク
リレート、(メタ)アクリルアミド、α−エチル(メ
タ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アク
リルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチ
ルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N−メチ
ロール(メタ)アクリルアミド、東亜合成化学工業
(株)製のアロニクスM-5700、東亜合成化学工業(株)
製のマクロマーであるAS-6、AN-6、AA-6、AB-6、AK-5な
ど、(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル
類などとリン酸もしくはリン酸エステル類との縮合生成
物たるリン酸エステル基含有ビニル化合物、ウレタン結
合やシロキサン結合を含む(メタ)アクリレート、前記
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル1モルに対し
てε−カプロラクトン1〜4モルを反応させることによ
り生成する水酸基含有モノマー以外の水酸基含有モノマ
ーである2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒ
ドロキシエチルビニルエーテルなどがあげられる。
水酸基を有する樹脂(A)は、50%(重量%、以下同
様)をこえない範囲で、主鎖にウレタン結合やシロキサ
ン結合による部分を含んでいてもよく、また(メタ)ア
クリル酸誘導体以外のモノマーを含んでいてもよい。該
モノマーの具体例としては、たとえばスチレン、α−メ
チルスチレン、クロロスチレン、スチレンスルホン酸、
ビニルトルエンなどの芳香族炭化水素系ビニル化合物;
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽和カルボ
ン酸、それらの塩(アルカリ金属塩、アンモニウム塩、
アミン塩など)、それらの酸無水物(無水マレイン酸な
ど)、それらと炭素数1〜20の直鎖または分岐のアルコ
ールとのジエステルまたはハーフエステルなどの不飽和
カルボン酸のエステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、ジアリルフタレートなどのビニルエステルやアリル
化合物;ビニルピリジン、アミノエチルビニルエーテル
などのアミノ基含有ビニル化合物;イタコン酸ジアミ
ド、クロトンアミド、マレイン酸ジアミド、フマル酸ジ
アミド、N−ビニルピロリドンなどのアミド基含有ビニ
ル化合物;メチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニ
ルエーテル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、クロロプレ
ン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、マレイミ
ド、N−ビニルイミダゾール、ビニルスルホン酸などの
その他のビニル化合物などがあげられる。
水酸基を有する樹脂(A)は、合成の容易さの点から
アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系ラジカル開始
剤を用いた溶液重合法により製造するのが好ましい。
溶液重合においては、必要に応じてn−ドデシルメル
カプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ブチルメル
カプタンなどの連鎖移動剤を用い、分子量を調整するこ
とができる。また、重合溶剤は、非反応性の溶剤であれ
ばとくに限定はない。このような水酸基を有する樹脂
(A)は、有機溶剤に不溶性の重合体粒子を、たとえば
ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどに分散させた非水デ
ィスパージョンタイプでもよい。
水素基を有する樹脂(A)の分子量、水酸基価などに
とくに限定はなく、通常使用されているものであれば使
用しうるが、数平均分子量が1,500〜40,000、さらに好
ましくは3,000〜25,000であるのが塗膜物性(強度、耐
久性など)の点から好ましく、また水酸基価が10〜300m
gKOH/g、さらに好ましくは20〜250mgKOH/gであるのが塗
膜物性(強度、耐久性など)の点から好ましい。このよ
うな(A)成分は1種を用いてもよく、2種以上を併用
してもよい。
トップコートクリアー塗料に含有されるアルコキシシ
リル基含有アクリル共重合体(以下、アルコキシシリル
基含有重合体(B)または(B)成分ともいう)は、末
端および(または)側鎖に一般式: で表わされるアルコキシシリル基を1分子中に少なくと
も1個、好ましくは2個〜100個有する重合体である。
前記式中、R1は好ましくは炭素数1〜10、さらに好ま
しくは炭素数1〜4のアルキル基である。該炭素数が10
をこえたり、R1がアルキル基以外のたとえばフェニル
基、ベンジル基のばあいには、アルコキシシリル基の反
応性が低下する。R1の具体例としては、たとえばメチル
基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n
−ブチル基、iso−ブチル基などがあげられる。
前記式中、R2は、水素原子、またはアルキル基、好ま
しくは炭素数1〜10のアルキル基、アリール基およびア
ラルキル基よりなる群から選ばれた1価の炭化水素基で
ある。
R2の1種である炭素数1〜10のアルキル基の具体例と
しては、R1と同様の基があげられ、アリール基の具体例
としては、たとえばフェニル基、トリル基、キシリル基
などがあげられ、アラルキル基の具体例としては、たと
えばベンジル基などがあげられる。
前記式中、aは0、1または2を示す。
前記一般式で表わされるアルコキシシリル基の例とし
ては、たとえば一般式 (式中、R1、R2、aは前記と同じ、R3はR2と同様の基で
あって、水素原子またはアルキル基、アリール基および
アラルキル基よりなる群から選ばれた1価の炭化水素基
を示す)で表わされる基があげられる。
前記一般式で表わされるアルコキシシリル基の具体例
としては、たとえば後述するアルコキシシリル基含有モ
ノマーに含まれる基があげられる。
アルコキシシリル基含有重合体(B)は、その主鎖が
実質的にアクリル共重合体鎖からなるため、塗膜の耐候
性、耐薬品性、耐水性などを向上させる。さらにアルコ
キシシリル基は炭素に結合しているため、塗膜の耐水
性、耐アルカリ性、耐酸性などをより向上させる。該ア
ルコキシシリル基は、水酸基を有する樹脂(A)の水酸
基と反応し、シロキシ架橋を形成するとともに、アルコ
キシシリル基同士も反応してシロキサン架橋を形成する
成分である。このように本発明に用いるトップコ−トク
リアー塗料は、水酸基を有する樹脂(A)の水酸基がア
ルコキシシリル基含有重合体(B)のシリル基と反応す
る架橋反応を利用した塗料であり、従来のメラミンを架
橋剤としたものと明確に区別される。
前記(B)成分1分子中のアルコキシシリル基の個数
が1個未満になると、トップコートクリアー塗膜物性の
耐溶剤性が低下する。
(B)成分の数平均分子量は、1,000〜30,000、さら
に好ましくは3,000〜25,000であるのがトップコートク
リアー塗膜物性の点から好ましい。 アルコキシシリル
基含有重合体(B)は、たとえばアクリル酸、メタクリ
ル酸、それらの誘導体などと前記アルコキシシリル基含
有モノマーとの共重合によりうることができる。
前記アクリル酸またはメタクリル酸誘導体の具体例と
しては、たとえばメチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、
2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル
(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレー
ト、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、(メタ)ア
クリロニトリル、グリシジル(メタ)アクリレート、ジ
メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルア
ミノエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルア
ミド、α−エチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキ
シメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアク
リルアミド、N−メチルアクリルアミド、アクリロイル
モルホリン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N
−メチロール(メタ)アクリルアミド、東亜合成化学工
業(株)製のアロニクスM−5700、東亜合成化学工業
(株)製のマクロマーであるAS−6、AN−6、AA−6、
AB−6、AK−5など、ダイセル化学工業(株)製のプラ
クセルFA−1、プラクセルFA−4、プラクセルFM−1、
プラクセルFM−4など、(メタ)アクリル酸のヒドロキ
シアルキルエステル類などとリン酸もしくはリン酸エス
テル類との縮合生成物たるリン酸エステル基含有ビニル
化合物、ウレタン結合やシロキサン結合を含む(メタ)
アクリレートなどがあげられる。
前記アルコキシシリル基含有モノマーとしては、重合
性不飽和2重結合を有し、前記一般式で表わされるアル
コキシシリル基を有するということ以外とくに限定はな
く、その具体例としては、たとえば CH2=CHCOO(CH2)3Si(OCH3)3CH2=C(CH3)COO(CH2)3Si(OCH3)3CH2=C(CH3)COO(CH2)3Si(OC2H5)3 などの末端にアルコキシシリル基をウレタン結合または
シロキサン結合を介して有する(メタ)アクリレートな
どがあげられる。これらは1種を用いてもよく、2種以
上を併用してもよい。
これらアルコキシシリル基含有モノマーに由来する単
位のアルコキシシリル基含有重合体(B)中の割合は、
トップコートクリアー塗膜物性の点から5〜90%が好ま
しく、11〜70%がさらに好ましい。
また、アルコキシシリル基含有重合体(B)は、50%
をこえない範囲で、主鎖にウレタン結合やシロキサン結
合による部分を含んでいてもよく、(メタ)アクリル酸
誘導体以外のモノマーを含んでいてもよい。該モノマー
の具体例としては、たとえばスチレン、α−メチルスチ
レン、クロロスチレン、スチレンスルホン酸、4−ヒド
ロキシスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族炭化水素
系ビニル化合物;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸な
どの不飽和カルボン酸、それらの塩(アルカリ金属塩、
アンモニウム塩、アミン塩など)、それらの酸無水物
(無水マレイン酸など)、それらと炭素数1〜20の直鎖
または分岐のアルコールとのジエステルまたはハーフエ
ステルなどの不飽和カルボン酸のエステル;酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、ジアリルフタレートなどのビ
ニルエステルやアリル化合物;ビニルピリジン、アミノ
エチルビニルエーテルなどのアミノ基含有ビニル化合
物;イタコン酸ジアミド、クロトンアミド、マレイン酸
ジアミド、フマル酸ジアミド、N−ビニルピロリドンな
どのアミド基含有ビニル化合物;2−ヒドロキシエチルビ
ニルエーテル、メチルビニルエーテル、シクロヘキシル
ビニルエーテル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、クロロ
プレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、フルオ
ロオレフィン、マレイミド、N−ビニルイミダゾール、
ビニルスルホン酸などのその他のビニル化合物などがあ
げられる。
アルコキシシリル基含有重合体(B)は、たとえば特
開昭54-36395号公報、同57-36109号公報、同58-157810
号公報などに示される方法により製造することができる
が、合成の容易さの点からアゾビスイソブチロニトリル
などのアゾ系ラジカル開始剤を用いた溶液重合法により
製造するのが好ましい。
前記溶液重合において分子量の調節が必要なばあいに
は、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプ
タン、n−ブチルメルカプタン、γ−メルカプトプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエ
トキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキ
シシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシ
ラン、(CH3O)3Si-S-S-(OCH3)3、(CH3O)3Si-S8-Si(OCH3)
3などの連鎖移動剤を用いて分子量の調節を行なえばよ
い。とくに前記のアルコキシシリル基を分子中に有する
連鎖移動剤、たとえばγ−メルカプトプロピルトリメト
キシシランを用いて分子量の調節を行なえば、重合体の
末端にアルコキシシリル基を導入することができる。
前記溶液重合に用いられる重合溶剤は、炭化水素類
(トルエン、キシレン、n−ヘキサン、シクロヘキサン
など)、酢酸エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチルな
ど)、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプ
ロパノール、n−ブタノールなど)、エーテル類(エチ
ルセロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテー
トなど)、ケトン類(メチルエチルケトン、アセト酢酸
エチル、アセチルアセトン、ジアセトンアルコール、メ
チルイソブチルケトン、アセトンなど)のごとき非反応
性の溶剤であればとくに限定はない。
このようなアルコキシシリル基含有重合体(B)は1
種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
アルコキシシリル基含有重合体(B)の使用割合には
とくに限定はなく、用途などに応じて適宜選択すればよ
いが、(A)成分/(B)成分が重量比で9/1〜1/9が好
ましく、8/2〜2/8がさらに好ましい。(A)成分/
(B)成分が9/1をこえると、トップコートクリアー塗
膜物性の耐水性が低下し、1/9未満になると(A)成分
を配合する効果が外観性、硬度などを高めるうえで充分
えられなくなる。
トップコートクリアー塗料に含有される硬化触媒(以
下、硬化触媒(C)ともいう)の具体例としては、たと
えばジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジマレー
ト、ジオクチルスズジラウレート、ジオクチルスズジマ
レート、オクチル酸スズなどの有機スズ化合物;リン
酸、モノメチルホスフェート、モノエチルホスフェー
ト、モノブチルホスフェート、モノオクチルホスフェー
ト、モノデシルホスフェート、ジメチルホスフェート、
ジエチルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオク
チルホスフェート、ジデシルホスフェートなどのリン酸
またはリン酸エステル;プロピレンオキサイド、ブチレ
ンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、グリシジル
メタクリレート、グリシドール、アクリルグリシジルエ
ーテル、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、 油化シエルエポキシ(株)製のカーデュラE、油化シエ
ルエポキシ(株)製のエピコート828、エピコート1001
などのエポキシ化合物とリン酸および(または)モノ酸
性リン酸エステルとの付加反応物;有機チタネート化合
物;有機アルミニウム化合物;マレイン酸、パラトルエ
ンスルホン酸などの酸性化合物;ヘキシルアミン、ジ−
2−エチルヘキシルアミン、N,N−ジメチルドデシルア
ミン、ドデシルアミンなどのアミン類;これらアミンと
酸性リン酸エステルとの混合物または反応物;水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ性化合物など
があげられる。
これらの硬化触媒(C)のうち、有機スズ化合物、酸
性リン酸エステル、酸性リン酸エステルとアミンとの混
合物もしくは反応物、飽和もしくは不飽和多価カルボン
酸またはその酸無水物、反応性シリコン化合物、有機チ
タネート化合物、有機アルミニウム化合物またはこれら
の混合物が活性も高く好ましい。
このような硬化触媒(C)は1種を用いてもよく、2
種以上を併用してもよい。
硬化触媒(C)の使用量にとくに限定はないが、
(A)成分および(B)成分の固形分100部(重量部、
以下同様)に対して、通常0.1〜20部、好ましくは0.1〜
10部である。(C)成分の使用量が0.1部未満になると
硬化性が低下する傾向があり、20部をこえるとトップコ
ートクリアー塗膜の外観性が低下する傾向がある。
トップコートクリアー塗料には脱水剤は用いてもよ
く、用いなくてもよいが、脱水剤を用いることにより長
期にわたる安定性、繰返し使用しても問題のない安定性
を確保することができる。
脱水剤の具体例としては、たとえばオルトギ酸メチ
ル、オルトギ酸エチル、オルト酢酸メチル、オルト酢酸
エチル、メチルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキ
シプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシ
ラン、メチルシリケート、エチルシリケートなどのアル
コキシエステル化合物があげられる。これらのアルコキ
シエステル化合物は、アルコキシシリル基含有重合体
(B)の重合前に加えておいてもよく、重合後に加えて
もよく、重合中に加えてもよい。
脱水剤の使用量にとくに限定はないが、(A)成分お
よび(B)成分の固形分100部に対し、通常100部以下、
好ましくは50部以下である。
さらに脱水促進剤を併用することにより、脱水剤の効
果を高めることが可能である。
脱水促進剤としては、たとえば塩酸、硫酸、リン酸、
硝酸などの無機酸;ギ酸、酢酸、シュウ酸、安息香酸、
フタル酸、p−トルエンスルホン酸、アクリル酸、メタ
クリル酸などの有機酸;アルキルチタン酸塩、オクチル
酸鉛などのカルボン酸の金属塩;オクチル酸スズ、ジブ
チルスズラウレート、ジオクチルスズマレートなどのカ
ルボン酸型有機スズ化合物;モノブチルスズサルファイ
ド、ジオクチルスズメルカプタイドなどのスルフィド
型、メルカプチド型有機スズ化合物;ジオクチルスズオ
キサイドなどの有機スズオキサイド;有機スズオキサイ
ドとエチルシリケート、エチルシリケート40、マレイン
酸ジメチル、フタル酸ジオクチルなどのエステル化合物
との反応による有機スズ化合物;テトラエチレンペンタ
ミン、トリエチレンジアミン、N-β−アミノエチル−γ
−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミン;水
酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ触媒が
有効であるが、とくに有機酸、無機酸および有機スズ化
合物が有効である。
脱水促進剤は脱水剤100部に対し、0.0001〜20部、好
ましくは0.001〜10部用いられる。脱水促進剤として前
記(C)成分でもある化合物を使用するばあいは、
(C)成分の使用量で用いられる。
トップコートクリアー塗料には溶剤を用いてもよく、
用いられる溶剤としては非反応性の溶剤であればよい。
このような溶剤の具体例としては、たとえば一般の塗
料、コーティング剤などに用いられている脂肪族炭化水
素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、アル
コール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、アルコ
ールエステル類、ケトンアルコール類、エーテルアルコ
ール類、ケトンエーテル類、ケトンエステル類、エステ
ルエーテル類などがあげられる。これらのなかでも、ア
ルキルアルコールを含む溶剤を用いたばあい、トップコ
ートクリアー塗料の安定性を向上させるという点から好
ましい。
前記アルキルアルコールとしては、アルキル基の炭素
数が1〜10のアルコールが好ましく、たとえばメチルア
ルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、
イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert
−ブチルアルコール、n−アミルアルコール、イソアミ
ルアルコール、ヘキシルアルコール、オクチルアルコー
ル、セロソルブなどが用いられる。アルコールの使用量
にとくに限定はないが、(A)成分および(B)成分の
固形分100部に対し、通常100部以下、好ましくは50部以
下である。
アルコール、とくにアルキルアルコールと脱水剤の併
用は、トップコートクリアー塗料の(A)成分および
(B)成分を混合保存したばあいの保存安定性に顕著な
効果がみられる。溶剤の使用量は、(A)成分および
(B)成分の分子量または組成により異なり、実用上必
要な固形分濃度または粘度に合わせて調整される。
トップコートクリアー塗料には硬化塗膜に撥水性、汚
染性などを付与するためにポリオルガノシロキサンを添
加してもよい。
前記ポリオルガノシロキサンは、反応性官能基を有
し、水酸基を有する樹脂(A)およびアルコキシシリル
基含有重合体(B)と相溶するものであれば自由に選択
することができ、とくに限定されない。該ポリオルガノ
シロキサンの構造は、線状、分岐状、網状、環状などの
任意の構造でよく、またオルガノ基としては水素原子ま
たはアルキル基、アルケニル基、アリール基、メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ア
リル基、フェニル基などがあげられる。これらのオルガ
ノ基のなかでは工業的に製造されており、安価なメチル
基、ビニル基、フェニル基が実用上有利である。前記反
応性官能基としてはシラノール基、アルコキシシリル
基、アルコール性水酸基、グリシジル基、アミノ基、メ
ルカプト基、カルボキシル基、アミド基、ビニル基、
(メタ)アクリロキシ基などがあげられ、なかでもシラ
ノール基、アルコキシシリル基およびアルコール性水酸
が好ましい。ポリオルガノシロキサン中の反応性官能基
の個数は1分子中に1個以上が好ましい。
ポリオルガノシロキサンの分子量は、相溶性がある範
囲であれば自由に選択可能であるが、分子量が高くなる
にしたがい相溶性が低下することから、ケイ素原子が2
〜300個のものが好ましく、2〜100個のものがさらに好
ましく、3〜50個のものがとくに好ましい。
このようなポリオルガノシロキサンの具体例として
は、たとえばシリコーンゴム、シリコーンワニス、有機
ポリマー変性用シリコーン中間体、反応性シリコーンオ
イルとして用いられている反応性ポリジメチルシロキサ
ン、反応性ポリジフェニルシロキサン、ジメチルとジフ
ェニルの共重合タイプの反応性ポリメチルフェニルシロ
キサン、 などがあげられる。
ポリオルガノシロキサンの使用量は(A)成分および
(B)成分の固形分量100部に対し、通常100部以下、好
ましくは50部以下である。
トップコートクリアー塗料には密着性、硬度、耐溶剤
性などの性能を改善するためにシラン化合物、その縮合
物、その反応物またはこれらの混合物を添加してもよ
い。
前記シラン化合物の具体例としては、たとえばメチル
シリケート、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメ
トキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、オクチルト
リメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、フェ
ニルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−
アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメ
トキシシラン、N−β−アミノエチル−γ−プロピルト
リメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチ
ルジメトキシシラン、ジブチルジメトキシシラン、ジフ
ェニルジメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、トリメチルメトキシシラン、トリエチルメトキシシ
ラン、トリフェニルメトキシシラン、エチルシリケー
ト、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシ
ラン、ブチルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキ
シシラン、ドデシルトリエトキシシラン、フェニルトリ
エトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタ
クリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロ
キシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルト
リエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシ
ラン、N−β−アミノエチル−γ−プロピルトリエトキ
シシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジエト
キシシラン、ジブチルジエトキシシラン、ジフェニルジ
エトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、γ−
メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、トリ
メチルエトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、ト
リフェニルメトキシシランなどがあげられる。
また、これらシラン化合物の部分加水分解縮合物など
の縮合物は、前記シラン化合物を単独または複数混合
し、必要量の水を加え、また必要に応じて塩酸、硫酸な
どの縮合触媒を少量加え、常温〜100℃にし、生成する
アルコールを除去しながら縮合を進めることにより容易
にえられる。
たとえばメチルシリケートの部分加水分解縮合物でメ
トキシシリル基を含有する化合物としては、日本コルコ
ート化学(株)製のメチルシリケート47、メチルシリケ
ート51、メチルシリケート55、メチルシリケート58、メ
チルシリケート60などがあげられる。メチルトリメトキ
シシラン、ジメチルジメトキシシランなどの部分加水分
解縮合物でメトキシシリル基を含有する化合物として
は、信越化学工業(株)製のAFP-1、AFP-2、AFP-6、KR2
13、KR217、KR9218;東芝シリコーン(株)製のTSR165、
TR3357;日本ユニカー(株)製のY-1587、FZ-3701、FZ-3
704などがあげられる。また、エチルシリケートの部分
加水分解縮合物でエトキシシリル基を含有する化合物と
しては、日本コルコート化学(株)製のエチルシリケー
ト40、HAS-1、HAS-6、HAS-10などがあげられる。
前記シラン化合物の反応物としては、たとえばアミノ
基を含むシランカップリング剤とエポキシ基を含むシラ
ンカップリング剤との反応物、アミノ基を含むシランカ
ップリング剤とエチレンオキシド、ブチレンオキシド、
エピクロルヒドリン、エポキシ化大豆油、その他油化シ
エルエポキシ(株)製のエピコート828、エピコート100
1などのエポキシ基を含む化合物との反応物;エポキシ
基を含むシランカップリング剤とエチルアミン、ジエチ
ルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、ヘキ
サンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテ
トラミン、テトラエチレンペンタミンなどの脂肪族アミ
ン類、アニリン、ジフェニルアミンなどの芳香族アミン
類、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミンなど
の脂環式アミン類、エタノールアミン類などのアミンと
の反応物などがあげられる。
これらシラン化合物、その縮合物、その反応物または
それらの混合物の使用量はとくに限定されないが、
(A)成分および(B)成分の固形分量100部に対し、
通常100部以下、好ましくは50部以下である。
トップコートクリアー塗料に、紫外線吸収剤や光安定
剤を配合することにより、一層耐候性を向上させること
ができる。
前記紫外線吸収剤としては従来公知のものを広く使用
でき、たとえばベンゾフェノン系、トリアゾール系、フ
ェニルサリシレート系、ジフェニルアクリレート系、ア
セトフェノン系などの紫外線吸収剤が好ましい。
前記光安定剤としては従来公知のものを広く使用で
き、たとえばビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピぺ
リジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル
−4−ピペリジル)セバケート、2−(3,5−ジ−tert
−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチル
マロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリ
ジル)、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
ペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレー
ト、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペ
リジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレートな
どがあげられる。これらは単独で用いてもよく、2種以
上を併用してもよい。
トップコートクリアー塗料に紫外線吸収剤と光安定剤
とを併用することにより、耐候性をより一層向上させる
ことができる。
紫外線吸収剤の配合量は、トップコートクリアー塗料
の固形分量100部に対し、通常0.1〜10部、好ましくは1
〜5部である。また光安定剤の配合量は、トップコート
クリアー塗料の固形分量100部に対し、通常0.1〜10部、
好ましくは1〜5部である。
トップコートクリアー塗料には、用途に応じて希釈
剤、ハジキ防止剤、レベリング剤などの添加剤;ニトロ
セルロース、セルロースアセテートブチレートなどの繊
維素系化合物;エポキシ樹脂、メラミン樹脂、塩化ビニ
ル樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩化ゴム、ポリビニル
ブチラールなどの樹脂を添加してもよい。
前記のごとき成分からなるトップコートクリアー塗料
の調整法にはとくに限定はないが、たとえば(A)成分
と(B)成分とをコールドブレンドするか、または
(A)成分と(B)成分とを混合したのち加熱(ホット
ブレンド)などして部分反応させたものを、(C)成分
と混合するなどすることにより調製される。
つぎにメタリック粉末および(または)着色顔料を含
有する塗料(ベースコート)について説明する。
該ベースコートにもとくに限定はないが、たとえばア
ミノアルキド樹脂、オイルフリーアルキド樹脂、熱硬化
アクリル樹脂、熱硬化ウレタン樹脂、硝化綿ラッカー、
変性アクリルラッカー、ストレートアクリルラッカー、
常温硬化ウレタン樹脂、アクリルエナメル樹脂、酸化硬
化アルキド樹脂、酸化硬化変性(CABなど)アルキド樹
脂、常温または加熱硬化型フッ素樹脂、アルコキシシリ
ル基含有樹脂、水酸基を有する樹脂とアルコキシシリル
基含有重合体との混合物などを主成分とするものにメタ
リック粉末や着色顔料を含有せしめたものがあげられ
る。また塗料のタイプとしては有機溶剤を媒体とした溶
液型塗料、非水ディスパージョン塗料、多液型塗料、粉
体塗料、スラリー塗料、水性塗料などのいずれのタイプ
であってもよい。
前記メタリック粉末および着色顔料は公知の慣用され
ているものでよく、いずれのメタリック粉末および着色
顔料であってもよい。メタリック粉末の具体例として
は、たとえばアルミニウム粉末、銅粉末、雲母粉末など
があげられ、着色顔料の具体例としては、たとえばフタ
ロシアニンブルー、トルイジンレッド、ベンジジンエロ
ーなどの有機系顔料や、酸化チタン、カーボンブラッ
ク、ベンガラなどの無機系顔料があげられる。これらの
メタリック粉末および着色顔料は単独で用いてもよく、
2種以上併用してもよい。
ベースコートに、前述の紫外線吸収剤や光安定剤を配
合することにより、一層耐候性を向上させることができ
る。
さらにベースコートには、その塗膜とトップコートク
リアー塗膜との密着性を向上させるために前記シラン化
合物、その縮合物、その反応物またはそれらの混合物を
添加してもよい。その添加量は、ベースコート100部
中、通常50部以下、好ましくは20部以下である。
つぎに前記のごときトップコートクリアー塗料および
ベースコートが塗装された本発明の塗装物の製法につい
て説明する。
本発明の塗装物の製法にはとくに限定はないが、たと
えば対象物にベースコートを含有する塗料を塗装し、数
分のセッテイングののちウェット・オン・ウェットでト
ップコートクリアー塗料を塗装し、加熱、硬化させる
(2コート1ベーク方式)方法、またはベースコートを
塗装し、加熱、硬化させたのちトップコートクリアー塗
料を塗装し、加熱、硬化させる(2コート2ベーク方
式)方法などにより製造することができる。
トップコートクリアー塗料の塗装は、浸漬、吹付け、
刷毛塗り、ロール−コーターまたはフローコーターを用
いる方法などの通常の方法により行なわれ、そののち、
30℃以上、好ましくは55〜350℃で硬化させることがで
きる。
塗膜の厚さにもとくに限定はないが、メタリック粉末
および(または)着色顔料を含有する塗膜の厚さは、用
途によっても異なり一概に規定できないが、隠ぺい性な
どの点から10〜30μmが好ましく、トップコートクリア
ー塗膜の厚さも一概に規定はできないが、耐久性などの
点から20〜50μmが好ましい。
このようにして形成される塗膜は外観性、耐酸性、耐
候性などの特性において優れた性能を発揮する。
該塗膜が形成される対象物としては、たとえば自動
車、産業機械、家電用品などがあげられ、前記のごとき
塗料が上塗り仕上げに用いられる。
つぎに、本発明の塗装物を実施例に基づき、さらに具
体的に説明する。
製造例1 [アルコキシシリル基含有重合体(B)の合成] 攪拌機、温度計、還流冷却器、チッ素ガス導入管およ
び滴下ロートを備えた反応容器にキシレン45.9部を仕込
み、チッ素ガスを導入しつつ110℃に昇温したのち、下
記混合物(b)を滴下ロートを用いて5時間かけて等速
滴下した。
(混合物(b)) スチレン 12.8部 メタクリル酸メチル 50.1部 メタクリル酸ステアリル 6.9部 γ−メタクリロキシプロピル トリメトキシシラン 30.2部 キシレン 13.5部 2,2′−アゾビスイソブチロニトリル 4.5部 混合物(b)の滴下終了後、2,2′−アゾビスイソブ
チロニトリル0.5部およびトルエン5部を1時間かけて
等速滴下した。滴下終了後、110℃で2時間熟成したの
ち冷却し、樹脂溶液にキシレンを加えて固形分を60%に
調整した。
えられた樹脂溶液(b)の特性を第1表に示す。
製造例2 [水酸基を有する樹脂(A)の合成] 製造例1で用いたキシレン45.9部のかわりに、酢酸ブ
チル31.3部およびキシレン9.5部を仕込み、製造例1と
同様にして下記混合物(a-1)を添加した。
(混合物(a-1)) キシレン 18 部 スチレン 28.3部 メタクリル酸メチル 7.1部 アクリル酸n−ブチル 32.5部 メタクリル酸 0.3部 プラクセルFM-1 31.8部 2,2′−アゾビスイソブチロニトリル 1.8部 (*:ダイセル化学工業(株)製のメタクリル酸2−ヒ
ドロキシエチル/ε−カプロラクトン=1/1付加物) 混合物(a-1)の滴下終了後、2,2′−アゾビスイソブ
チロニトリル0.2部およびトルエン3.8部を1時間かけて
等速滴下した。滴下終了後、110℃で2時間熟成したの
ち冷却し、キシレンで樹脂溶液の固形分を60%に調整し
た。
えられた樹脂溶液(a-1)の特性を第1表に示す。
製造例3 [水酸基を有する樹脂(A)の合成] 製造例1で用いたキシレン45.9部のかわりに、酢酸ブ
チル31.3部およびキシレン9.5部を仕込み、製造例1と
同様にして下記混合物(a-2)を添加し、重合させ、樹
脂溶液(a-2)をえた。
えられた樹脂溶液(a-2)の特性を第1表に示す。
(混合物(a-2)) キシレン 18 部 スチレン 14 部 メタクリル酸メチル 7 部 アクリル酸n−ブチル 26 部 メタクリル酸 0.3部 プラクセルFM-1 39.7部 メタクリル酸2−ヒドロキシ エチル 13 部 2,2′−アゾビスイソブチロ ニトリル 1.8部 製造例4 [水酸基を有しないアクリル樹脂の合成] 製造例2と同様にして下記混合物(a-3)を添加し、
樹脂溶液(a-3)をえた。
えられた樹脂溶液(a-3)の特性を第1表に示す。
(混合物(a-3)) キシレン 18 部 スチレン 28.3部 メタクリル酸メチル 38.9部 アクリル酸n−ブチル 32.5部 メタクリル酸 0.3部 2,2′−アゾビスイソブチロ ニトリル 1.8部 実施例1〜5および比較例1〜4 トップコートクリアー塗料として第2表に示す成分を
混合し、トップコートクリアー塗料を調整した。
脱脂およびリン酸化成処理を行なった軟鋼板に、自動
車用エポキシアミド系カチオン電着プライマーおよび中
塗サーフェーサーを塗装した塗板を試験片とし、その上
に第2表に示すベースコートを施したのち、ウェット・
オン・ウェットで第2表に示すトップコートクリアー塗
料を塗装し、20分間セッティングしたのち140℃で30分
間焼付けた。膜厚はドライ膜厚でベースコート約15μ
m、トップコートクリアー約30μmであった。
えられた塗装物を下記の方法で評価した。結果を第2
表に示す。
(外観) 光沢および鮮映性を目視により総合評価する。○は良
好、△は普通、×は不良を示す。
(密着性) 碁盤目(2mm×2mm)セロハンテープはく離試験を行な
い、25/25を10点、0/25を0点として評価する。
(硬度) JIS K 5400に準拠して測定する。
(耐酸性) 38%H2SO4を5〜6滴スポットし、室温で24時間放置
する。ふき取ったのち、跡形を調べ、下記基準にしたが
って評価する。
○:異常なし △:跡形が残りやや光沢がなくなっている ×:完全に光沢がなくなっている (耐汚染性) 約5000km走行後のエンジンオイルを塗布し、50℃で、
98%RH条件下 に24時間投入したのち取出し、ふき取っ
たのち、未試験部と比較して色差を日本電色工業(株)
製の測色色差計により評価する。
(耐候性) アトラス社製のユウブコンを用い、70℃で8時間の紫
外線照射および50℃で4時間の水凝集(暗黒)を繰返し
て行ない、700時間および2800時間促進試験を行なった
のち、光沢保持率を評価する。
(接触角) 協和界面科学(株)製の接触角計CA-P型を用い、水に
対する接触角(度)を求める。
第2表に示す結果から、本発明の塗装物は従来の塗装
物と比較して耐酸性、耐汚染性に優れた実用性の高い塗
装物であることがわかる。また本発明に用いるトップコ
ートクリアー塗料は実用性に優れた2コート1ベーク塗
料である。
[発明の効果] 本発明の塗装物は優れた外観を有し、耐候性、耐酸
性、耐汚染性、密着性、硬度などに優れた塗膜を有する
塗装物である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−89559(JP,A) 特開 昭60−48172(JP,A) 特開 昭62−252473(JP,A) 特開 昭62−169831(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 133/14 C09D 143/04 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メタリック粉末および(または)着色顔料
    を含有する塗料が塗装され、該塗装面にトップコートク
    リアー塗料が塗装された塗装物であって、該トップコー
    トクリアー塗料が、 (A)(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル1モル
    に対してε−カプロラクトン1〜4モルを反応させるこ
    とにより生成する水酸基を有するアクリル樹脂、 (B)一般式: (式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基、R2は水素原子
    またはアルキル基、アリール基およびアラルキル基より
    なる群から選ばれた1価の炭化水素基、aは0、1また
    は2を示す)で表わされる基を有するアルコキシシリル
    基含有アクリル共重合体および (C)硬化触媒 からなる組成物を主成分とするシロキシ架橋および(ま
    たは)シロキサン架橋型熱硬化性塗料であることを特徴
    とする塗装物。
  2. 【請求項2】(A)成分である(メタ)アクリル酸2−
    ヒドロキシエチル1モルに対してε−カプロラクトン1
    〜4モルを反応させることにより生成する水酸基を有す
    るアクリル樹脂が、水酸基価が10〜300mgKOH/gであり、
    数平均分子量が1,500〜40,000である請求項1記載の塗
    装物。
  3. 【請求項3】(B)成分であるアルコキシシリル基含有
    アクリル共重合体が、一般式: (式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基、R2、R3はそれ
    ぞれ水素原子またはアルキル基、アリール基およびアラ
    ルキル基よりなる群から選ばれた1価の炭化水素基、a
    は0、1または2を示す)で表わされる基を有する重合
    体である請求項1記載の塗装物。
  4. 【請求項4】(B)成分であるアルコキシシリル基含有
    アクリル共重合体が、重合性不飽和2重結合を有するア
    ルコキシシリル基含有モノマーからの単位を5〜90重量
    %含む重合体である請求項1記載の塗装物。
  5. 【請求項5】(C)成分である硬化触媒が、有機スズ化
    合物、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステルとアミ
    ンとの混合物もしくは反応物、飽和もしくは不飽和多価
    カルボン酸、飽和もしくは不飽和多価カルボン酸の酸無
    水物、反応性シリコン化合物、有機チタネート化合物、
    有機アルミニウム化合物またはこれらの混合物である請
    求項1記載の塗装物。
  6. 【請求項6】トップコートクリアー塗料が、脱水剤とし
    ての加水分解性エステル化合物および溶剤としてのアル
    キルアルコールを含む請求項1記載の塗装物。
  7. 【請求項7】トップコートクリアー塗料が、紫外線吸収
    剤および(または)光安定剤を含む請求項1記載の塗装
    物。
  8. 【請求項8】トップコートクリアー塗料が、表面特性改
    質剤としてのポリオルガノシロキサンを含む請求項1記
    載の塗装物。
  9. 【請求項9】トップコートクリアー塗料が、シラン化合
    物、その縮合物、その反応物またはそれらの混合物を含
    む請求項1記載の塗装物。
  10. 【請求項10】メタリック粉末および(または)着色顔
    料を含有する塗料が、シラン化合物、その縮合物、その
    反応物またはそれらの混合物を含む請求項1記載の塗装
    物。
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