JP3107794B2 - 顔料分散樹脂組成物 - Google Patents

顔料分散樹脂組成物

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JP3107794B2 JP11085910A JP8591099A JP3107794B2 JP 3107794 B2 JP3107794 B2 JP 3107794B2 JP 11085910 A JP11085910 A JP 11085910A JP 8591099 A JP8591099 A JP 8591099A JP 3107794 B2 JP3107794 B2 JP 3107794B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば建築物の
外装、自動車、産業機械、スチール製家具、家電用品、
プラスチックスなどの各種塗装、とくに耐久性の要求さ
れる塗装に使用される塗料用の組成物であって、鮮かな
色調を有し、ツヤびけのない顔料分散樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】水酸基を
有するアクリル樹脂およびアルコキシシリル基含有アク
リル共重合体からなる組成物を加熱硬化させることによ
って形成された塗膜が優れた耐久性を示すことが見出さ
れ、すでに特許出願されている(特開平1−14195
2号明細書)。しかしながら、前記組成物にカーボン、
フタロシアニンブルー、キナクリドン系などの有機顔料
を加えてエナメルを作製した場合、分散性がわるく、そ
の結果鮮やかな色調がえられない、塗装面のツヤが出な
いなどの問題がある。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記問題を
解決するため鋭意検討を重ねた結果、水酸基を含むビニ
ル系単量体を共重合成分の1つとしたポリエステル変性
水酸基含有アクリル樹脂(A)で顔料を分散させたもの
と、一般式:
【0004】
【化2】
【0005】(式中、R1は炭素数1〜10のアルキル
基、R2は水素原子または炭素数1〜10のアルキル
基、アリール基およびアラルキル基よりなる群から選ば
れた1価の炭化水素基、aは0、1または2を示す)で
示される基を有するアルコキシシリル基含有アクリル共
重合体(B)とからなる顔料分散樹脂組成物を用いるこ
とにより前記問題を解決することができることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明においては、まず水酸基を
含むビニル系単量体を共重合成分の1つとしたポリエス
テル変性水酸基含有アクリル樹脂(A)(以下、ポリエ
ステル変性樹脂(A)ともいう)で顔料が分散せしめら
れる。
【0007】ポリエステル変性樹脂(A)で顔料を分散
させるとは、えられるものが顔料を分散させたポリエス
テル変性樹脂(A)であるかぎり、その方法にはとくに
限定がないことを意味する。
【0008】前記ポリエステル変性樹脂(A)と顔料と
からなる分散物の調製方法の例としては、たとえばポリ
エステル変性樹脂(A)に顔料を加えて分散させる方
法、顔料にポリエステル変性樹脂(A)を加えて分散さ
せる方法、これらを同時に加えながら分散させる方法、
顔料とポリエステル変性樹脂(A)の一部とをまず混合
したものとのこりのポリエステル変性樹脂(A)とを混
合して分散させる方法などの方法があげられるが、これ
らの方法に限定されるものではない。
【0009】また、分散させる際の具体的な方法にもと
くに限定はなく、一般の塗料、コーティング剤、接着
剤、シーラント、プライマーなどの分散に用いられてい
る方法が採用可能であり、ロールミル法、ボールミル
法、サンドミル法、高速インペラーミル法、ディスパー
ザー法、ニーダー法などの方法が適用可能である。
【0010】前記ポリエステル変性樹脂(A)で顔料を
分散させる際に、適宜粘度を調節するための溶剤、希釈
剤、分散剤、その他の添加剤などを使用してもよいこと
は当然のことである。
【0011】前記ポリエステル変性樹脂(A)で顔料を
分散させる際のポリエステル変性樹脂(A)と顔料との
割合としては、使用する顔料の種類、えられる顔料分散
樹脂組成物に要求される色調、該組成物の組成などによ
っても異なるため一概には規定できないが、通常、ポリ
エステル変性樹脂(A)100部(重量部、以下同様)
に対して顔料1〜500部程度であり、5〜400部程
度が好ましい。
【0012】このようにまずポリエステル変性樹脂
(A)で顔料を分散させるため、顔料表面への樹脂の濡
れ、吸着性が向上し、分散状態が安定化するという効果
がえられる。とくに、ポリエステル変性樹脂(A)が、
ポリエステル樹脂に由来する部分を含むため、これを含
まないアクリル樹脂などよりも顔料の分散性を向上させ
うる。
【0013】ポリエステル変性樹脂(A)は種々の方法
で製造しうるが、重合性不飽和基を有するポリエステル
樹脂と、これと共重合可能な水酸基含有ビニル系モノマ
ーと、アクリル酸、メタクリル酸、それらの誘導体など
との共重合による方法が工業的に有効である。
【0014】前記重合性不飽和基を有するポリエステル
樹脂には、樹脂中にビニル系モノマーと共重合可能な不
飽和基を少なくとも1個有する以外、とくに限定はな
い。
【0015】このような重合性不飽和基を有するポリエ
ステル樹脂は従来から知られている方法で製造すること
ができ、その際に使用される成分としては、サフラハ
油、大豆油、アマニ油、ヒマシ油、ヤシ油、パーム核
油、キリ油、脱水ヒマシ油などの油、またはこれらの脂
肪酸;マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、メサコ
ン酸、シトラコン酸、イタコン酸、塩素化マレイン酸な
どの不飽和2塩基酸;フタル酸、無水フタル酸、テトラ
ヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、テトラヒドロフタ
ル酸、アジピン酸、セバシン酸、ヘキサヒドロ無水フタ
ル酸、テトラクロロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フ
タル酸、マロン酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット
酸、無水ハイミック酸、トリメリット酸、無水トリメリ
ット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸無水物な
どの飽和または芳香族の多塩基酸;エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジ
プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、
2,3−ブタンジオール、2,3−ブチレングリコー
ル、ビスフェノールジオキシプロピルエーテル、ビスフ
ェノールジオキシエチルエーテル、ネオペンチルグリコ
ール、1,4−ブテンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、グリセリン、トリエチレングリコール、トリメチ
ロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリ
スリトール、トリエチレングリコール、水素化ビスフェ
ノールA、ビスフェノール、ジヒドロキシプロピルエー
テル、トリメチロールエタン、トリスヒドロキシメチル
アミノメタンなどの多価アルコールがあげられる。
【0016】また、アリルアルコール、アリルグリシジ
ルエーテル、トリメチロールプロパンのジまたはモノア
リルアルコール、グリシジルアクリレート、グリシジル
メタクリレートなどを多価アルコールの一部のかわりに
用いる方法、クロトン酸、ソルビン酸、アクリル酸、メ
タクリル酸などを多塩基酸の一部のかわりに用いる方
法、また一般のカルボキシル基含有ポリエステル樹脂と
アリルグリシジルエーテル、グリシジルアクリレート、
グリシジルメタクリレートなどとの反応によっても製造
しうる。さらに、エポキシ化合物とカルボン酸無水物と
を3級アミンの存在下で反応させ、ポリエステル樹脂を
合成する場合に、エポキシ化合物の一部にアリルグリシ
ジルエーテル、グリシジルアクリレート、グリシジルメ
タクリレートなどを用いることによっても、ビニル系モ
ノマーと共重合可能なポリエステル樹脂を製造すること
ができる。
【0017】ポリエステル変性樹脂(A)におけるポリ
エステル部分の含有量としては1%(重量%、以下同
様)以上が好ましく、2〜30%がさらに好ましい。該
含有量が1%未満の場合には分散性の改善があまりみら
れない。
【0018】前記水酸基含有ビニル系モノマーとして
は、たとえば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2
−ヒドロキシエチルビニルエーテル、N−メチロール
(メタ)アクリルアミド、東亜合成化学工業(株)製の
アロニクス5700、4−ヒドロキシスチレン、日本触
媒化学工業(株)製のHE−10、HE−20、HP−
10およびHP−20(いずれも末端に水酸基を有する
アクリル酸エステルオリゴマー)、日本油脂(株)製の
ブレンマーPPシリーズ(ポリプロピレングリコールメ
タクリレート)、ブレンマーPEシリーズ(ポリエチレ
ングリコールモノメタクリレート)、ブレンマーPEP
シリーズ(ポリエチレングリコールポリプロピレングリ
コールメタクリレート)、ブレンマーAP−400(ポ
リプロピレングリコールモノアクリレート)、ブレンマ
ーAE−350(ポリエチレングリコールモノアクリレ
ート)、ブレンマーNKH−5050(ポリプロピレン
グリコールポリトリメチレンモノアクリレート)および
ブレンマーGLM(グリセロールモノメタクリレー
ト)、水酸基含有ビニル系化合物とε−カプロラクトン
との反応によりえられるε−カプロラクトン変性ヒドロ
キシアルキルビニル系モノマーなどがあげられる。
【0019】前記ε−カプロラクトン変性ヒドロキシア
ルキルビニル系モノマーの代表的なものとしては、たと
えば式:
【0020】
【化3】
【0021】(式中、RはHまたはCH3、nは1以上
の整数を示す)で表わされる構造を有するダイセル化学
工業(株)製のPlaccel FA−1(R=H、n
=1)、Placcel FA−4(R=H、n=
4)、Placcel FM−1(R=CH3、n=
1)、Placcel FM−4(R=CH3、n=
4)など、UCC(株)製のTONE M−100(R
=H、n=2)、TONEM201(R=CH3、n=
1)などがあげられる。水酸基含有ビニル系モノマーと
して、とくにε−カプロラクトン変性ヒドロキシアルキ
ルビニル系モノマーを用いることにより、本発明によっ
てえられる組成物から形成される塗膜の耐衝撃性および
可撓性の改善をはかることができる。
【0022】これら水酸基含有ビニル系モノマーは、1
種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0023】前記アクリル酸やメタクリル酸の誘導体に
とくに限定はなく、その具体例としては、たとえばメチ
ル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレー
ト、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル
(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)ア
クリレート、ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレ
ート、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト、(メタ)アクリロニトリル、グリシジル(メタ)ア
クリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、(メ
タ)アクリルアミド、α−エチル(メタ)アクリルアミ
ド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,
N−ジメチルアクリルアミド、N−メチルアクリルアミ
ド、アクリロイルモルホリン、N−メチロール(メタ)
アクリルアミド、東亜合成化学工業(株)製のマクロマ
ーであるAS−6、AN−6、AA−6、AB−6、A
K−5など、(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキル
エステル類などのα,β−エチレン性不飽和カルボン酸
のヒドロキシアルキルエステル類とリン酸もしくはリン
酸エステル類との縮合生成物たるリン酸エステル基含有
ビニル系化合物、ウレタン結合やシロキサン結合を含む
(メタ)アクリレートなどがあげられる。
【0024】ポリエステル変性樹脂(A)中には、50
%をこえない範囲で、主鎖にウレタン結合やシロキサン
結合などにより形成される単位が含まれていてもよく、
(メタ)アクリル酸誘導体以外のモノマーに由来する単
位が含まれていてもよい。該モノマーには限定はなく、
その具体例としては、たとえばスチレン、α−メチルス
チレン、クロロスチレン、スチレンスルホン酸、ビニル
トルエンなどの芳香族炭化水素系ビニル系化合物;マレ
イン酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン
酸、それらの塩(アルカリ金属塩、アンモニウム塩、ア
ミン塩など)、それらの酸無水物(無水マレイン酸な
ど)、それらと炭素数1〜20の直鎖または分岐のアル
コールとのジエステルまたはハーフエステルなどの不飽
和カルボン酸のエステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビ
ニル、ジアリルフタレートなどのビニルエステルやアリ
ル化合物;ビニルピリジン、アミノエチルビニルエーテ
ルなどのアミノ基含有ビニル系化合物;イタコン酸ジア
ミド、クロトンアミド、マレイン酸ジアミド、フマル酸
ジアミド、N−ビニルピロリドンなどのアミド基含有ビ
ニル化合物;メチルビニルエーテル、シクロヘキシルビ
ニルエーテル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、クロロプ
レン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、フルオロ
オレフィン、マレイミド、N−ビニルイミダゾール、ビ
ニルスルホン酸などのその他のビニル系化合物などがあ
げられる。
【0025】ポリエステル変性樹脂(A)の共重合成分
に、カルボン酸基、酸無水物基、エポキシ基、アミノ
基、アミド基などの極性基を含むビニル系モノマー、と
くに(メタ)アクリル酸を使用することにより、顔料の
分散性をさらに向上させることができる。極性基を含む
ビニル系モノマーに由来する単位の含有量は、保存安定
性の面からポリエステル変性樹脂(A)中に20%以下
であるのが好ましい。
【0026】ポリエステル変性樹脂(A)を製造する際
の重合方法は、合成の容易さからアゾビスイソブチロニ
トリルなどのアゾ系ラジカル開始剤を用いた溶液重合法
が好ましい。溶液重合においては、必要に応じてn−ド
デシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−
ブチルメルカプタンなどの連鎖移動剤を用いることによ
り、分子量を調整することができる。重合溶剤は、非反
応性の溶剤であればとくに限定はない。
【0027】ポリエステル変性樹脂(A)は、ペンタ
ン、ヘキサンなどの非極性有機溶剤に不溶性の重合体粒
子を分散させた非水ディスパージョンタイプでもよい。
【0028】ポリエステル変性樹脂(A)の分子量、水
酸基価などにはとくに限定はなく、通常使用されている
ものであれば使用しうるが、数平均分子量が1,500
〜40,000であるのがえられる組成物から形成され
る塗膜の外観性(光沢)、耐候性、耐薬品性などの物性
の点から好ましく、また、水酸基価が10〜300mg
KOH/gであるのが前記塗膜物性の点から好ましく、
30〜150mgKOH/gであるのがさらに好まし
い。
【0029】本発明に用いる顔料にはとくに限定はな
く、一般の塗料、コーティング剤、接着剤、シーラン
ト、プライマーなどに用いられる顔料であればとくに限
定なく使用しうる。このような顔料の具体例としては、
たとえば群青、紺青、亜鉛黄、ベンガラ、黄鉛、鉛白、
チタン白、カーボンブラック、透明酸化鉄、アルミ粉な
どの無機顔料;アゾ系、トリフェニルメタン系、キノリ
ン系、アントラキノン系、フタロシアニン系などの有機
顔料などがあげられるが、これらに限定されるものでは
ない。これらのうちではとくにカーボンブラック、有機
顔料が一般に分散させるのが難しく、分散性向上の点か
ら本発明の組成物がとくに有利である。
【0030】本発明においては、ポリエステル変性樹脂
(A)で顔料を分散させたのち、調製された分散物とア
ルコキシシリル基含有アクリル共重合体(B)とを混合
することにより、顔料分散樹脂組成物が製造される。
【0031】前記分散物とアルコキシシリル基含有アク
リル共重合体(B)とを混合する際の方法にはとくに限
定はなく、これらが均質に混合する方法であるかぎり採
用しうる。たとえばボールミル法で数十分攪拌する程度
で充分である。
【0032】前記混合の際に、適宜溶剤、希釈剤、分散
剤、レベリング剤、紫外線吸収剤などの添加剤などを使
用してもよいことは当然のことである。
【0033】前記分散物とアルコキシシリル基含有アク
リル共重合体(B)とを混合させる際の割合としては、
製造される顔料分散樹脂組成物の用途によっても異なる
ため一概には規定できないが、通常、分散物中のポリエ
ステル変性樹脂(A)/アルコキシシリル基含有アクリ
ル共重合体(B)が重量比で9/1〜1/9が好まし
く、8/2〜2/8がさらに好ましい。前記割合が9/
1をこえるとえられる組成物から形成される塗膜の耐水
性が低下する傾向が生じ、1/9未満になると顔料分散
性が低下する傾向が生じる。
【0034】前記アルコキシシリル基含有アクリル共重
合体(B)は、末端および(または)側鎖に、一般式:
【0035】
【化4】
【0036】で示されるアルコキシシリル基を1分子中
に少なくとも1個、好ましくは2個以上有するシリル基
含有アクリル共重合体であり、その主鎖が実質的にアク
リル共重合鎖からなるために、えられる硬化物の耐候
性、耐薬品性、耐水性などが向上する。さらにアルコキ
シシリル基は炭素に結合しているために、えられる硬化
物の耐水性、耐アルカリ性、耐酸性などがより向上す
る。前記アルコキシシリル基の個数が1分子中に1個未
満では製造される顔料分散樹脂組成物から形成される塗
膜の耐溶剤性が低下しやすくなる。
【0037】前記式中、R1は炭素数1〜10、好まし
くは1〜4のアルキル基である。該炭素数が10をこえ
るとアルコキシシリル基の反応性が低下し、R1がアル
キル基以外のたとえばフェニル基やベンジル基の場合に
も反応性は低下する。R1の具体例としては、たとえば
メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピ
ル基、n−ブチル基、iso−ブチル基などがあげられ
る。
【0038】前記式中、R2は水素原子、または炭素数
1〜10、好ましくは1〜4のアルキル基、アリール基
およびアラルキル基よりなる群から選ばれた1価の炭化
水素基である。
【0039】R2の1種である炭素数1〜10のアルキ
ル基の具体例としては、R1と同様の基があげられ、ア
リール基の具体例としては、たとえばフェニル基などが
あげられ、アラルキル基の具体例としては、たとえばベ
ンジル基などがあげられる。
【0040】前記式中、aは0、1または2を示す。
【0041】アルコキシシリル基含有アクリル共重合体
(B)の数平均分子量は、えられる組成物から形成され
る塗膜物性(外観性(光沢)、耐候性、耐薬品性など)
の点から1,000〜30,000であるのが好まし
い。
【0042】アルコキシシリル基含有アクリル共重合体
(B)は、たとえばアルコキシシリル基含有モノマーと
アクリル酸、メタクリル酸、それらの誘導体などとの共
重合によりうることができる。
【0043】前記アルコキシシリル基含有モノマーとし
てはアルコキシシリル基を有するということ以外とくに
限定はなく、その具体例としては、たとえば
【0044】
【化5】
【0045】末端にアルコキシシリル基をウレタン結合
またはシロキサン結合を介して有する(メタ)アクリレ
ートなどがあげられる。これらアルコキシシリル基含有
モノマーに由来する単位の割合は、アルコキシシリル基
含有アクリル共重合体(B)中5〜90%が好ましく、
11〜70%がさらに好ましい。該割合が少なすぎると
えられる顔料分散樹脂組成物から形成される塗膜の物性
(耐水性など)が低下し、多すぎるともろくなる。
【0046】アルコキシシリル基含有モノマーと共重合
させうるアクリル酸やメタクリル酸の誘導体にとくに限
定はなく、その具体例としては、たとえばメチル(メ
タ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチ
ル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)
アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベン
ジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)ア
クリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレー
ト、ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、パ
ーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、(メ
タ)アクリロニトリル、グリシジル(メタ)アクリレー
ト、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエ
チルアミノエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アク
リルアミド、α−エチル(メタ)アクリルアミド、N−
ブトキシメチル(ルタ)アクリルアミド、N,N−ジメ
チルアクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、アク
リロイルモルホリン、2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ
ート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、東亜合
成化学工業(株)製のアロニクスM−5700、東亜合
成化学工業(株)製のマクロマーであるAS−6、AN
−6、AA−6、AB−6、AK−5など、ダイセル化
学工業(株)製のPlaccel FA−1、Plac
cel FA−4、Placcel FM−1、Pla
ccel FM−4など、(メタ)アクリル酸のヒドロ
キシアルキルエステル類などのα,β−エチレン性不飽
和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル類とリン酸
もしくはリン酸エステル類との縮合生成物たるリン酸エ
ステル基含有ビニル系化合物、ウレタン結合やシロキサ
ン結合を含む(メタ)アクリレートなどがあげられる。
【0047】該共重合体中には、50%をこえない範囲
で、主鎖にウレタン結合やシロキサン結合などにより形
成される単位が含まれていてもよく、(メタ)アクリル
酸誘導体以外のモノマーに由来する単位が含まれていて
もよい。該モノマーに限定はなく、その具体例として
は、たとえばスチレン、α−メチルスチレン、クロロス
チレン、スチレンスルホン酸、4−ヒドロキシスチレ
ン、ビニルトルエンなどの芳香族炭化水素系ビニル化合
物;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽和カ
ルボン酸、それらの塩(アルカリ金属塩、アンモニウム
塩、アミン塩など)、それらの酸無水物(無水マレイン
酸など)、それらと炭素数1〜20の直鎖または分岐の
アルコールとのジエステルまたはハーフエステルなどの
不飽和カルボン酸のエステル;酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニル、ジアリルフタレートなどのビニルエステルや
アリル化合物;ビニルピリジン、アミノエチルビニルエ
ーテルなどのアミノ基含有ビニル化合物;イタコン酸ジ
アミド、クロトンアミド、マレイン酸ジアミド、フマル
酸ジアミド、N−ビニルピロリドンなどのアミド基含有
ビニル化合物;2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、
メチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテ
ル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、クロロプレン、プロ
ピレン、ブタジエン、イソプレン、フルオロオレフィ
ン、マレイミド、N−ビニルイミダゾール、ビニルスル
ホン酸などのその他のビニル化合物などがあげられる。
【0048】アルコキシシリル基含有アクリル共重合体
(B)は、たとえば特開昭54−36395号公報、同
57−36109号公報、同58−157810号公報
などに示される方法により製造することができるが、合
成の容易さの点からアゾビスイソブチロニトリルなどの
アゾ系ラジカル開始剤を用いた溶液重合法により製造す
るのが最も好ましい。
【0049】前記溶液重合においては、必要に応じてn
−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、
n−ブチルメルカプタン、γ−メルカプトプロピルトリ
メトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシ
シラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、
(CH3O)3Si−S−S−Si−(OCH33、(C
3O)3Si−S8−Si(OCH33などの連鎖移動
剤を用い、分子量を調節することができる。とくにアル
コキシシリル基を分子中に有する連鎖移動剤、たとえば
γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランを用いれ
ば、アルコキシシリル基含有アクリル共重合体の末端に
アルコキシシリル基を導入することができる。
【0050】前記溶液重合に用いられる重合溶剤は、炭
化水素類(トルエン、キシレン、n−ヘキサン、シクロ
ヘキサンなど)、酢酸エステル類(酢酸エチル、酢酸ブ
チルなど)、アルコール類(メタノール、エタノール、
イソプロパノール、n−ブタノールなど)、エーテル類
(エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブア
セテートなど)、ケトン類(メチルエチルケトン、アセ
ト酢酸エチル、アセチルアセトン、ジアセトンアルコー
ル、メチルイソブチルケトン、アセトンなど)のごとき
非反応性の溶剤であればとくに限定はない。
【0051】このようなアルコキシシリル基含有アクリ
ル共重合体(B)は、1種を用いてもよく、2種以上を
併用してもよい。
【0052】前述のような方法により顔料分散樹脂組成
物を製造するため、えられる組成物は原色で着色しても
調色した色で着色しても光沢のある塗膜を与える。
【0053】本発明においてポリエステル変性樹脂
(A)で顔料を分散させる際に、顔料とともに充填剤を
も分散させてもよい。
【0054】前記のごとくポリエステル変性樹脂(A)
で顔料とともに充填剤をも分散させる場合には、ポリエ
ステル変性樹脂(A)100部に対して顔料と充填剤と
の合計量が1〜600部程度、さらには5〜500部程
度になるのが好ましい。また、顔料および充填剤中にお
ける顔料の割合としては20〜100%程度であるのが
耐候性の点から好ましい。
【0055】前記充填剤としては、一般の塗料、コーテ
ィング剤、接着剤、シーラント、プライマーなどに用い
られる充填剤がとくに限定なく使用しうる。このような
充填剤の具体例としては、たとえばシリカ、炭酸カルシ
ウム、炭酸マグネシウム、粘土、アスベスト、雲母、タ
ルク、グラファイト、亜鉛、酸化亜鉛、酸化カルシウ
ム、硫化モリブデン、ガラス繊維などがあげられる。
【0056】本発明の製法においては、ポリエステル変
性樹脂(A)と顔料とを分散させる際、アルコキシシリ
ル基含有アクリル共重合体(B)の混合時または混合し
たのちに、脱水剤、脱水促進剤、溶剤、加水分解性シラ
ン化合物、硬化触媒などを混合してもよい。
【0057】前記脱水剤を用いることにより組成物の長
期にわたる安定性、繰返し使用しても問題のない安定性
を確保することができる。
【0058】脱水剤の具体例として、たとえばオルトギ
酸メチル、オルトギ酸エチル、オルト酢酸メチル、オル
ト酢酸エチル、メチルトリメトキシシラン、γ−メタク
リロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメト
キシシラン、メチルシリケート、エチルシリケートなど
の加水分解性エステル化合物などがあげられる。これら
の加水分解性エステル化合物は、アルコキシシリル基含
有アクリル共重合体(B)の重合前に加えてもよく、重
合後に加えてもよく、重合中に加えてもよい。また、顔
料や充填剤の分散時にポリエステル変性樹脂(A)をあ
らかじめ加えてもよく、アルコキシシリル基含有アクリ
ル共重合体(B)の混合時、さらには最終的にエナメル
などを調製したのちに加えてもよい。
【0059】脱水剤の使用量にとくに限定はないが、ポ
リエステル変性樹脂(A)およびアルコキシシリル基含
有アクリル共重合体(B)の固形分量100部に対し、
通常100部以下、好ましくは50部以下である。
【0060】さらに、脱水促進剤を併用することによ
り、脱水剤の効果をさらに高めることが可能である。
【0061】脱水促進剤としては、塩酸、硫酸、リン
酸、硝酸などの無機酸;ギ酸、酢酸、シュウ酸、安息香
酸、フタル酸、p−トルエンスルホン酸、アクリル酸、
メタクリル酸などの有機酸;アルキルチタン酸塩、オク
チル酸鉛などのカルボン酸の金属塩;オクチル酸錫、ジ
ブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫マレートなどのカ
ルボン酸型有機錫化合物;モノブチル錫サルファイド、
ジオクチル錫メルカプタイドなどのスルフィド型、メル
カプチド型有機錫化合物;ジオクチル錫オキサイドなど
の有機錫オキサイド;有機錫オキサイドとエチルシリケ
ート、エチルシリケート40、マレイン酸ジメチル、フ
タル酸ジオクチルなどのエステル化合物との反応による
有機錫化合物;テトラエチレンペンタミン、トリエチレ
ンジアミン、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピ
ルトリメトキシシランなどのアミン;水酸化カリウム、
水酸化ナトリウムなどのアルカリ触媒などが有効である
が、とくに有機酸、無機酸および有機錫化合物が有効で
ある。
【0062】これら脱水促進剤は脱水剤100部に対
し、通常0.0001〜20部、好ましくは0.001
〜10部用いられる。
【0063】前記溶剤としては、非反応性の溶剤であれ
ばよい。このような溶剤の具体例としては、たとえば一
般の塗料、コーティング剤などに用いられている脂肪族
炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素
類、アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル
類、アルコールエステル類、ケトンアルコール類、エー
テルアルコール類、ケトンエーテル類、ケトンエステル
類、エステルエーテル類などがあげられる。これらのな
かでも、アルキルアルコールを含む溶剤を用いた場合、
えられる組成物の安定性を向上させるという点からとく
に好ましい。
【0064】前記アルキルアルコールとしては、アルキ
ル基の炭素数が1〜10のアルコールが好ましく、たと
えばメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピ
ルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルア
ルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアル
コール、tert−ブチルアルコール、n−アミルアル
コール、イソアミルアルコール、ヘキシルアルコール、
オクチルアルコール、セロソルブなどが用いられる。ア
ルコールの使用量にとくに限定はないが、ポリエステル
変性樹脂(A)およびアルコキシシリル基含有アクリル
共重合体(B)の固形分量100部に対し、通常100
部以下、好ましくは50部以下である。アルコールと前
記脱水剤の併用は、えられる顔料分散樹脂組成物の
(A)成分、(B)成分を混合保存した場合の保存安定
性に顕著な効果を呈する。
【0065】溶剤の使用量は、本発明に用いる(A)成
分および(B)成分の分子量または組成により異なり、
実用上必要な固形分濃度、粘度に合わせて調整される。
【0066】前記加水分解性シラン化合物は末端または
側鎖に加水分解性シリル基を有する化合物であり、組成
物から形成される塗膜の密着性、硬度、耐溶剤性などを
改善する効果がある。
【0067】前記加水分解性シラン化合物の好ましい例
としては、たとえば加水分解性シラン化合物、その部分
加水分解縮合物、その反応物、これらの混合物などがあ
げられる。
【0068】前記加水分解性シラン化合物の具体例とし
ては、たとえばメチルシリケート、メチルトリメトキシ
シラン、エチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキ
シシラン、オクチルトリメトキシシラン、ドデシルトリ
メトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ビニル
トリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−
アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−アミノエ
チル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、ジメチ
ルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジブ
チルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、
ビニルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプ
ロピルメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシ
ラン、トリエチルメトキシシラン、トリフェニルメトキ
シシラン、エチルシリケート、メチルトリエトキシシラ
ン、エチルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシ
ラン、オクチルトリエトキシシラン、ドデシルトリエト
キシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリ
エトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエト
キシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、
γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、N−β−アミノエチル
−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、ジメチルジ
エトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジブチル
ジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ビニ
ルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピ
ルメチルジエトキシシラン、トリメチルエトキシシラ
ン、トリエチルエトキシシラン、トリフェニルメトキシ
シランなどがあげられる。
【0069】また、前記加水分解性シラン化合物の部分
加水分解縮合物は、前記シラン化合物を単独または複数
混合し、必要量のH2Oを加え、また必要に応じて塩
酸、硫酸などの縮合触媒を少量加え、常温〜100℃に
し、生成するアルコールを除去しながら縮合を進めるこ
とにより容易にえられる。
【0070】たとえばメチルシリケートの部分加水分解
縮合物でメトキシシリル基を含有する化合物としては日
本コルコート化学(株)製のメチルシリケート47、メ
チルシリケート51、メチルシリケート55、メチルシ
リケート58、メチルシリケート60などがあげられ、
またメチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシ
ランなどの部分加水分解縮合物でメトキシシリル基を有
する化合物としては信越化学工業(株)製のAFP−
1、AFR−2、AFP−6、KR213、KR21
7、KR9218;東芝シリコーン(株)製のTSR1
65、TR3357;日本ユニカー(株)製のY−15
87、FZ−3701、FZ−3704などがあげられ
る。また、エチルシリケートの部分加水分解縮合物でエ
トキシシリル基を含有する化合物としては日本コルコー
ト化学(株)製のエチルシリケート40、HAS−1、
HAS−6、HAS−10などがあげられる。
【0071】前記加水分解性シラン化合物の反応物とし
ては、たとえばアミノ基を含むシランカップリング剤と
エポキシ基を含むシランカップリング剤との反応物;ア
ミノ基を含むシランカップリング剤とエチレンオキシ
ド、ブチレンオキシド、エピクロルヒドリン、エポキシ
化大豆油、その他油化シエルエポキシ(株)製のエピコ
ート828、エピコート1001などのエポキシ基を含
む化合物との反応物;エポキシ基を含むシランカップリ
ング剤とエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルア
ミン、エチレンジアミン、ヘキサンジアミン、ジエチレ
ントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレ
ンペンタミンなどの脂肪族アミン類、アニリン、ジフェ
ニルアミンなどの芳香族アミン類、シクロペンチルアミ
ン、シクロヘキシルアミンなどの脂環式アミン類、エタ
ノールアミン類などのアミンとの反応物などがあげられ
る。
【0072】このような加水分解性シラン化合物は1種
を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0073】加水分解性シラン化合物の使用量にとくに
限定はないが、ポリエステル変性樹脂(A)およびアル
コキシシリル基含有アクリル共重合体(B)の固形分1
00部に対して通常0.01〜100部、好ましくは
0.1〜30部である。該使用量が0.01部未満にな
ると添加効果が充分えられなくなり、100部をこえる
と組成物から形成される塗膜の物性が低下する傾向があ
る。
【0074】本発明の組成物は加熱により優れた塗膜を
形成するが、この場合、硬化触媒を使用することができ
る。硬化触媒の具体例としては、たとえばジブチルスズ
ジラウレート、ジブチルスズジマレート、ジオクチルス
ズジラウレート、ジオクチルスズジマレート、オクチル
酸スズなどの有機スズ化合物;リン酸、モノメチルホス
フェート、モノエチルホスフェート、モノブチルホスフ
ェート、モノオクチルホスフェート、モノデシルホスフ
ェート、ジメチルホスフェート、ジエチルホスフェー
ト、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、
ジデシルホスフェートなどのリン酸またはリン酸エステ
ル;プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、シク
ロヘキセンオキサイド、グリシジルメタクリレート、グ
リシドール、アクリルグリシジルエーテル、γ−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピ
ルメチルジメトキシシラン、
【0075】
【化6】
【0076】油化シェルエポキシ(株)製のカーデュラ
E、油化シェルエポキシ(株)製のエピコート828、
エピコート1001などのエポキシ化合物とリン酸およ
び(または)モノ酸性リン酸エステルとの付加反応物;
有機チタネート化合物;有機アルミニウム化合物;マレ
イン酸、パラトルエンスルホン酸などの酸性化合物;ヘ
キシルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、N,N
−ジメチルドデシルアミン、ドデシルアミンなどのアミ
ン類;これらアミンと酸性リン酸エステルとの混合物ま
たは反応物;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの
アルカリ性化合物などがあげられる。
【0077】これら硬化触媒のうち、有機スズ化合物、
酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステルとアミンとの
反応物、飽和もしくは不飽和多価カルボン酸またはその
酸無水物、反応性シリコン化合物、有機チタネート化合
物、有機アルミニウム化合物またはこれらの混合物が活
性も高く好ましい。
【0078】このような硬化触媒は1種を用いてもよ
く、2種以上を併用してもよい。
【0079】硬化触媒の使用量にとくに限定はないが、
ポリエステル変性水酸基含有アクリル樹脂(A)および
アルコキシシリル基含有アクリル共重合体(B)の固形
分量100部に対して通常0.1〜20部、好ましくは
0.1〜10部である。硬化触媒の使用量が0.1部未
満になると硬化性が低下する傾向があり、20部をこえ
ると組成物から形成される塗膜の物性が低下する傾向が
ある。
【0080】本発明の組成物には、さらに用途に応じて
希釈剤、紫外線吸収剤、光安定剤、沈降防止剤、レベリ
ング剤などの添加剤;ニトロセルロース、セルロースア
セテートブチレートなどの繊維素;エポキシ樹脂、メラ
ミン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩
化ゴム、ポリビニルブチラール、ポリシロキサンなどの
樹脂などを添加してもよい。
【0081】本発明の組成物は、浸漬、吹付け、刷毛塗
りなど、常法により被塗物に塗布したのち、通常30℃
以上、好ましくは55〜350℃で硬化させることがで
きる。
【0082】つぎに本発明の組成物を実施例に基づき、
さらに具体的に説明する。
【0083】合成例1 [アルコキシシリル基含有アクリル共重合体(B)の合
成]撹拌機、温度計、還流冷却器、チッ素ガス導入管お
よび滴下ロートを備えた反応容器にキシレン45.9部
を仕込み、チッ素ガスを導入しつつ110℃に昇温した
のち、下記組成の混合物(b)を滴下ロートにより、5
時間かけて等速滴下した。
【0084】 (混合物(b)) スチレン 12.8部 メタクリル酸メチル 50.1部 メタクリル酸ステアリル 6.9部 γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 30.2部 キシレン 13.5部 2,2′−アゾビスイソブチロニトリル 4.5部 混合物(b)の滴下終了後、2,2′−アゾビスイソブ
チロニトリル0.5部およびトルエン5部を1時間かけ
て等速滴下した。滴下終了後、110℃で2時間熟成し
たのち、冷却し、樹脂溶液にキシレンを加えて固形分濃
度を60%に調整した。えられた樹脂溶液(B)の物性
を表2に示す。
【0085】合成例2 [重合性不飽和基を有するポリエステル樹脂の合成]ヤ
シ油脂肪酸40部、ペンタエリスリトール13部、トリ
メチロールプロパン15部、無水フタル酸30部および
適当量のキシレンを、攪拌装置、チッ素ガス導入口、温
度計および還流型生成水取出装置をつけた四つ口フラス
コに仕込み、180℃で1時間、230℃で2時間反応
させたのち、無水マレイン酸2部を加え、さらに230
℃で1時間反応させ、酸価4のポリエステル樹脂をえ
た。ついでキシレンで固形分濃度60%に希釈し、23
℃でB型粘度計で測定したところ粘度1000cpsの
ポリエステル樹脂溶液をえた。
【0086】合成例3 [ポリエステル変性水酸基含有アクリル樹脂(A)の合
成]合成例1におけるキシレン45.9部のかわりに酢
酸ブチル31.3部およびキシレン9.5部を仕込み、
合成例1と同様にして表1に示す組成(単位は重量部)
の混合物(a−1)〜(a−3)を滴下した。混合物滴
下終了後、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.
2部およびトルエン3.8部を1時間かけて滴下した。
【0087】滴下終了後、110℃で2時間反応させ、
冷却し、樹脂溶液にキシレンを加えて固形分濃度を60
%に調整した。えられた樹脂溶液(A−1)〜(A−
3)の物性を表2に示す。
【0088】合成例4 [水酸基含有アクリル樹脂(A′)の合成]混合物(a
−1)〜(a−3)のかわりに混合物(a−4)〜(a
〜6)を用いたほかは、合成剤3と同様にして樹脂溶液
をえた。えられた樹脂溶液(A−4)〜(A−6)の物
性を表2に示す。
【0089】
【表1】
【0090】
【表2】
【0091】実施例1〜4および比較例1〜4 表3に示すミルベース樹脂(ポリエステル変性水酸基含
有アクリル樹脂(A)、水酸基含有アクリル樹脂
(A′))と顔料とを、スチールビーズを用いるペイン
トシェーカーにより4時間で分散させた。ついでカット
バック樹脂(アルコキシシリル基含有アクリル共重合体
(B))を加え、30分間で分散させた。
【0092】この際、ミルベース樹脂/カットバック樹
脂の使用割合は重量比で3/7、顔料はPWC:
【0093】
【数1】
【0094】が表3に示す値になるように使用した。
【0095】えられたエナメル10部にキシレンのみを
3部添加して希釈したものと、エナメル10部にキシレ
ン3部、ジオクチルスズマレエート0.1部およびN−
β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン0.1部を添加し、よく混合したものとをそれぞれ
乾燥後の厚さが約10μmになるようにガラス板上に流
し塗りして乾燥させたのちの外観を目視で観察し、さら
に60°光沢値を測定した。結果を表3に示す。
【0096】
【表3】
【0097】表3をみると、ポリエステル変性水酸基含
有アクリル樹脂(A)と顔料とを分散させたのち、アル
コキシシリル基含有アクリル共重合体(B)を分散させ
て調整したエナメルは、ポリエステル変性しないものに
比べ、分散がよくツヤびけを生じないことがわかる。
【0098】
【発明の効果】以上詳述したごとく、本発明の組成物
は、塗装をした場合、他の組成物を用いた場合に比べ、
ツヤびけが小さいか全くない、優れた塗料を与える。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C09D 167/04 C09D 167/04 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 33/14 C08L 43/04 C08L 67/04 C09D 133/14 C09D 143/04 C09D 167/04

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸基を含むビニル系単量体を共重合成
    分の1つとしたポリエステル変性水酸基含有アクリル樹
    脂(A)で顔料を分散させたものと、一般式: 【化1】 (式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基、R2は水素
    原子または炭素数1〜10のアルキル基、アリール基お
    よびアラルキル基よりなる群から選ばれた1価の炭化水
    素基、aは0、1または2を示す)で示される基を有す
    るアルコキシシリル基含有アクリル共重合体(B)とか
    らなる顔料分散樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A)成分であるポリエステル変性水酸
    基含有アクリル樹脂が、水酸基価が10〜300mgK
    OH/gであり、数平均分子量が1,500〜40,0
    00である請求項1記載の顔料分散樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (A)成分であるポリエステル変性水酸
    基含有アクリル樹脂が、極性基を含むビニル系単量体を
    共重合成分の1つとした樹脂である請求項1または2記
    載の顔料分散樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 極性基を含むビニル系単量体が、アクリ
    ル酸および(または)メタクリル酸である請求項3記載
    の顔料分散樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 顔料が有機顔料である請求項1記載の顔
    料分散樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 (B)成分であるアルコキシシリル基含
    有アクリル共重合体が、分子内に重合性不飽和2重結合
    とアルコキシシリル基とを有するアルコキシシリル基含
    有モノマーからの単位を5〜90重量%含む重合体であ
    る請求項1記載の顔料分散樹脂組成物。
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