JPH1180657A - 塗料用熱硬化性組成物 - Google Patents

塗料用熱硬化性組成物

Info

Publication number
JPH1180657A
JPH1180657A JP20522798A JP20522798A JPH1180657A JP H1180657 A JPH1180657 A JP H1180657A JP 20522798 A JP20522798 A JP 20522798A JP 20522798 A JP20522798 A JP 20522798A JP H1180657 A JPH1180657 A JP H1180657A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
component
silanol
molecule
composition according
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP20522798A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaharu Inoue
正治 井上
Hisao Furukawa
久夫 古川
Yasushi Kato
康 加藤
Katsuhiko Isayama
克彦 諫山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP20522798A priority Critical patent/JPH1180657A/ja
Publication of JPH1180657A publication Critical patent/JPH1180657A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低毒性、耐アルカリ性、耐衝撃性、外観性、
硬度が良好で、硬化性に対する湿度の影響の少ない、塗
料用熱硬化性組成物を提供する。 【解決手段】 (A) 主鎖が実質的にビニル系重合体鎖か
らなり、主鎖末端および(または)側鎖に加水分解性基
と結合したケイ素原子を1分子中に1個をこえて有する
シリル基含有ビニル系重合体10〜99重量部、(B) 1分子
中にシラノール基を平均して1個以上含むシラノール含
有オルガノポリシロキサン1〜90重量部ならびに(C)特
定のアルコキシまたはアシロキシシランおよび(また
は)該アルコキシまたはアシロキシシランの加水分解生
成物を必須成分とし、該成分が(A) 成分および(B) 成分
の合計量 100重量部に対して11重量部以下からなる塗料
用熱硬化性組成物を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低毒性、耐アルカ
リ性、耐衝撃性の改良された塗料用熱硬化性組成物に関
する。さらに詳しくは、とくに自動車上塗用塗料として
有用な熱硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従
来、建築物の外装、自動車、産業機械、スチール製家
具、家電用品、プラスチックスなどに用いられている塗
料用樹脂は、主としてアルキドメラミンやアクリルメラ
ミンのようなメラミン樹脂または2液型ウレタン樹脂で
ある。
【0003】これらのうち、メラミン樹脂では、硬化時
に有害なホルマリンが発生したり、硬化塗膜が耐酸性に
劣り、酸性雨に侵されるという問題がある。
【0004】また、2液型ウレタン樹脂では、使われる
イソシアナート化合物の毒性が問題となっている。
【0005】これらの問題を解決するため、本発明者ら
は、加水分解性基と結合したケイ素原子(加水分解性シ
リル基)を有するビニル系重合体を塗料用に検討してき
ている。その結果、この重合体が上記の問題を解決し、
耐候性に優れた塗料用硬化性樹脂となることを見出し、
先に特許出願を行なっている(特開昭63-132977 号公報
など)。
【0006】しかし、この加水分解性シリル基を有する
ビニル系重合体を自動車上塗用塗料として用いた場合、
つぎのような3つの問題がある。
【0007】第1にアルコキシシランの加水分解物およ
び(または)部分加水分解物を塗料の低粘度化や硬度上
昇のために増量すると、耐アルカリ性が著しく低下し、
また、耐衝撃性も低下する。
【0008】第2に、外観鮮映性が必ずしも充分に満足
できるものでない。
【0009】第3に、硬化反応が湿度に大きく依存する
ため、低湿度下での硬化反応が遅い。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記問題を
解決すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに
至った。
【0011】すなわち、本発明は、(A) 主鎖が実質的に
ビニル系重合体鎖からなり、主鎖末端および(または)
側鎖に加水分解性基と結合したケイ素原子を1分子中に
1個をこえて有するシリル基含有ビニル系重合体10〜99
部(重量部、以下同様)、(B) 1分子中にシラノール基
を平均して1個以上含むシラノール含有オルガノポリシ
ロキサン1〜90部ならびに(C) 一般式: Ra Si(OR14−a (式中、R は炭素数1〜12の有機基、 R1 は炭素数1
〜4のアルキル基またはアシル基を示し、a は0〜3の
整数である)で表わされるアルコキシまたはアシロキシ
シランおよび(または)該アルコキシまたはアシロキシ
シランの加水分解生成物を必須成分とし、該成分が(A)
成分および(B) 成分の合計量 100部に対して11部以下か
らなる塗料用熱硬化性組成物(請求項1)、(A) 成分で
ある加水分解性シリル基含有ビニル系重合体が、1分子
中に炭素 -炭素2重結合と加水分解性シリル基とを併有
し、数平均分子量が 400〜 10000であるマクロモノマー
(D) と、ビニル系モノマー(E) との共重合体である請求
項1記載の組成物(請求項2)、(B) 成分であるシラノ
ール含有オルガノポリシロキサンが、1分子中にシラノ
ール基を平均して2〜6個有し、数平均分子量が 200〜
5000である請求項1記載の組成物(請求項3)、(B) 成
分であるシラノール含有オルガノポリシロキサンが、フ
ェニル基を有する環状オルガノポリシロキサンである請
求項1記載の組成物(請求項4)、さらに脱水剤として
の加水分解性エステル化合物(F) および溶剤としてのア
ルキルアルコール(G) を含む請求項1記載の組成物(請
求項5)、さらに硬化触媒(H) を含む請求項1記載の組
成物(請求項6)、さらに紫外線吸収剤(I) および(ま
たは)光安定剤(J) を含む請求項1記載の組成物(請求
項7)、マクロモノマー(D) が、分子中に
【0012】
【化2】
【0013】を含む請求項2記載の組成物(請求項8)
およびマクロモノマー(D) が、分子中にウレタン結合を
含む請求項2記載の組成物(請求項9)に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明における(A) 成分の加水分
解性シリル基含有ビニル系重合体は、主鎖が実質的にビ
ニル系重合体鎖からなり、主鎖末端および(または)側
鎖に加水分解性基と結合したケイ素原子を1分子中に1
個をこえて、好ましくは2〜10個有する重合体であり、
一般にビニル系モノマーと加水分解性シリル基含有モノ
マーとの共重合などにより得られ、主鎖または側鎖にウ
レタン結合またはシロキサン結合などを一部含んでいて
もよい。
【0015】前記実質的にビニル系重合体鎖からなると
は、得られる重合体の性質がビニル系重合体としての性
質を主として示すという意味であり、通常主鎖を構成す
る単位の60%程度以上、好ましくは80%程度以上がビニ
ル系単位からなる場合に相当する。
【0016】前記ビニル系モノマーにはとくに限定はな
く、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル
(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アク
リレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル
(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリ
レート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペ
ンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、不飽和ポ
リカルボン酸(マレイン酸、フマル酸、イタコン酸な
ど)と炭素数1〜20の直鎖または分岐のアルコールとの
ジエステルまたはハーフエステルなどの不飽和ポリカル
ボン酸エステル;スチレン、α- メチルスチレン、クロ
ロスチレン、スチレンスルホン酸、4-ヒドロキシスチレ
ン、ビニルトルエンなどの芳香族炭化水素系ビニル化合
物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ジアリルフタレ
ートなどのビニルエステルやアリル化合物;(メタ)ア
クリロニトリルなどのニトリル基含有ビニル化合物;グ
リシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基含有ビ
ニル化合物;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ビニ
ルピリジン、アミノエチルビニルエーテルなどの塩基性
チッ素原子含有ビニル化合物;(メタ)アクリルアミ
ド、イタコン酸ジアミド、α- エチル(メタ)アクリル
アミド、クロトンアミド、マレイン酸ジアミド、フマル
酸ジアミド、N-ビニルピロリドン、N-ブトキシメチル
(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミ
ド、N-メチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン
などのアミド基含有ビニル化合物;2-ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)
アクリレート、2-ヒドロキシエチルビニルエーテル、N-
メチロール(メタ)アクリルアミド、アロニクス5700
(東亜合成(株)製)、Placcel FA-1、Placcel FA-4、
Placcel FM-1、Placcel FM-4(以上、ダイセル化学
(株)製)などの水酸基含有ビニル化合物;(メタ)ア
クリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、それら
の塩(アルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩な
ど)、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの不飽和カ
ルボン酸、それらの塩、酸無水物;ビニルメチルエーテ
ル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、クロロプレン、プロ
ピレン、ブタジエン、イソプレン、マレイミド、N-ビニ
ルイミダゾール、ビニルスルホン酸などのその他のビニ
ル化合物などがあげられる。
【0017】前記加水分解性シリル基含有モノマーとし
ては、たとえば一般式:
【0018】
【化3】
【0019】(式中、 R2 は水素原子または炭素数1〜
10のアルキル基、アリール基、アラルキル基よりえらば
れる1価の炭化水素基、X はハロゲン原子、アルコキシ
基、アシロキシ基、アミノキシ基、フェノキシ基、チオ
アルコキシ基、アミノ基よりえらばれる加水分解性基、
b は0〜2の整数、Siに結合するX および R2 がそれぞ
れ2個以上の場合、それらは同一の基であっても異なる
基であってもよい)で表わされる基を有するモノマーが
あげられ、その代表例としてはアルコキシシリル基含有
ビニルモノマーがあげられる。
【0020】前記アルコキシシリル基含有ビニルモノマ
ー(K) の具体例としては、たとえば
【0021】
【化4】
【0022】などがあげられる。
【0023】前記説明は、本発明における(A) 成分を比
較的低分子量のビニル系モノマーおよび加水分解性シリ
ル基含有モノマーから製造する場合についてのものであ
るが、塗膜の耐衝撃性および耐溶剤性をより向上させる
ためには、(A) 成分の加水分解性シリル基含有ビニル系
重合体を、マクロモノマー(D) とビニル系モノマー(E)
との共重合によって得るのが好ましい。
【0024】前記マクロモノマー(D) とは、1分子中に
炭素- 炭素2重結合と加水分解性シリル基とを併有し、
数平均分子量が 400〜 10000、好ましくは 500〜5000の
ものであり、具体的には、たとえばつぎのような構造の
ものがあげられる。
【0025】
【化5】
【0026】(式中、 R2 は水素原子または炭素数1〜
10のアルキル基、アリール基、アラルキル基よりえらば
れる1価の炭化水素基、 R3 、 R5 、 R8 、 R9 は水素
原子または炭素数1〜10のアルキル基、 R4 、 R6 は炭
素数1〜10の2価のアルキル基、アリール基またはアラ
ルキル基、 R7 は炭素数1〜30のアルキル基、アリール
基、アラルキル基または
【0027】
【化6】
【0028】Xはハロゲン原子、アルコキシ基、アシロ
キシ基、アミノキシ基、フェノキシ基、チオアルコキシ
基、アミノ基よりえらばれる加水分解性基、Y は-S- ま
たは
【0029】
【化7】
【0030】(ただし、 R10 は水素原子または炭素数
1〜10のアルキル基である)、Z はポリメチレン基、ポ
リエーテル基、ポリエステル基、オルガノポリシロキサ
ン基、ポリアミド基、ポリウレタン基より1個または2
個以上えらばれる有機基を含む2価の有機基、b は0〜
2の整数、m は1〜10の整数、lは1〜10の整数)。
【0031】マクロモノマー(D) のうちでは、1分子中
【0032】
【化8】
【0033】が1〜30個程度あるものが塗膜に柔軟性を
付与するという点から好ましく、-NH-COO-基が1〜10個
程度あるものが塗膜に耐溶剤性を付与するという点から
好ましい。
【0034】これらのマクロモノマー(D) の製造方法と
しては、たとえば特開昭63-112605号公報や、特開昭63-
112610 号公報などに記載されている方法があげられ
る。
【0035】また、マクロモノマー(D) と共重合するビ
ニル系モノマー(E) にはとくに限定はなく、(A) 成分の
加水分解性シリル基含有ビニル系重合体を得るのに用い
る前述のビニル系モノマーがそのまま利用できる。
【0036】さらに、共重合に際して、マクロモノマー
(D)とビニル系モノマー(E) は以上の群から1種または
2種以上併用してもよい。また、比較的低分子量の加水
分解性シリル基含有モノマーを併用してもよい。
【0037】マクロモノマー(D) を含む加水分解性シリ
ル基含有モノマーからの単位は、(A) 成分中に5〜90%
(重量%、以下同様)含まれるのが好ましく、11〜70%
含まれるのがさらに好ましい。
【0038】加水分解性シリル基含有モノマーとビニル
系モノマーとの共重合体の製造法としては、たとえば特
開昭54-36395号公報、同57-36109号公報、同58-157810
号公報などに示される方法などが例示されるが、アゾビ
スイソブチロニトリルなどのアゾ系ラジカル開始剤を用
いた溶液重合法により製造するのが最も好ましい。
【0039】また必要に応じて、n-ドデシルメルカプタ
ン、t-ドデシルメルカプタン、n-ブチルメルカプタン、
γ- メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ- メル
カプトプロピルトリエトキシシラン、γ- メルカプトプ
ロピルメチルジメトキシシラン、γ- メルカプトプロピ
ルメチルジエトキシシラン、
【0040】
【化9】
【0041】などの連鎖移動剤を用い、分子量調節をし
てもよい。とくに加水分解性シリル基を分子中に有する
連鎖移動剤、たとえばγ- メルカプトプロピルトリメト
キシシランなどを用いれば、製造されるビニル系共重合
体の末端に加水分解性シリル基を導入することができ
る。
【0042】前記溶液重合に用いる重合溶剤としては、
炭化水素類(トルエン、キシレン、n-ヘキサン、シクロ
ヘキサンなど)、酢酸エステル類(酢酸エチル、酢酸ブ
チルなど)、アルコール類(メタノール、エタノール、
イソプロパノール、n-ブタノールなど)、エーテル類
(エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブア
セテートなど)、ケトン類(メチルエチルケトン、アセ
ト酢酸エチル、アセチルアセトン、ジアセトンアルコー
ル、メチルイソブチルケトン、アセトンなど)のごとき
非反応性の溶剤があげられ、このような溶剤であればと
くに限定なく使用し得る。
【0043】(A) 成分の分子量としては、低分子量化し
すぎると非架橋成分量がふえるため数平均分子量で2000
以上が好ましく、3000〜 10000のものがさらに好まし
い。また、(A) 成分は単独で用いてもよく、2種以上併
用してもよい。
【0044】本発明に用いる(B) 成分であるシラノール
含有オルガノポリシロキサンは、1分子中にシラノール
基を平均して1個以上、好ましくは平均して2〜6個含
む化合物である。シラノール基が1分子当り平均して1
個未満では本発明の効果である外観性、硬化性の改良効
果が小さい。一方、シラノール基が平均して6個をこえ
ると粘度が高くなることがあり、たとえばハイソリッド
化しようとする場合にハイソリッド化が難しくなること
がある。
【0045】また、(B) 成分の数平均分子量は 200〜50
00であることが好ましく、 500〜3000であることがさら
に好ましい。前記数平均分子量が 200未満では耐衝撃
性、耐溶剤性が低下する傾向にある。また、数平均分子
量が5000をこえると粘度が増大するため、たとえばハイ
ソリッド化しようとする場合にハイソリッド化が困難に
なることがある。
【0046】このような(B) 成分の具体例としては、
【0047】
【化10】
【0048】東芝シリコーン(株)製のTSR160、YR316
8;東レシリコーン(株)製のSH6018;信越化学工業
(株)製のKR-211、KR-212、KR-214、KR-216などがあげ
られる。これらの中では、シラノール含有フェニル置換
環状オルガノポリシロキサンである東レシリコーン
(株)製のSH6018や信越化学工業(株)製のKR-216のよ
うな化合物が、硬化塗膜の外観性、硬化性、耐溶剤性の
点で優れたものとなり、好ましい。
【0049】このような(B) 成分であるシラノール含有
オルガノポリシロキサンが硬化塗膜の外観性、硬化性を
改良する原因は必ずしも明らかではないが、(B) 成分の
添加により、(B) 成分のシラノール基と(A) 成分の加水
分解性シリル基が、水分の必要な加水分解反応をへずに
直接縮合反応して架橋反応が進行するために、硬化反応
の湿度依存性が小さいこと、また、その結果、架橋反応
が塗膜の内部からも均一に進行するために外観性が改良
されることによるためと考えられる。また、改良効果が
再現性よく現われると考えられる。
【0050】(B) 成分のシラノール含有オルガノポリシ
ロキサンの添加量は、(A) 成分のシリル基含有ビニル系
重合体10〜99部、好ましくは20〜95部、さらに好ましく
は30〜90部に対し、1〜90部、好ましくは5〜80部、さ
らに好ましくは10〜70部である。なお、(A) 成分と(B)
成分の合計量は100 部である。(B) 成分の添加量が1部
未満であると、前述のような硬化塗膜の外観性、硬化性
への改良効果が認められにくくなる。一方、その添加量
が90部をこえると、相溶性や耐衝撃性などの塗膜の基本
物性が全般に低下する。
【0051】なお、このような(B) 成分は、2種以上併
用しても差し支えない。
【0052】本発明に用いる(C) 成分は、一般式: Ra Si(OR14-a で表わされるアルコキシまたはアシロキシシラン、該ア
ルコキシまたはアシロキシシランの加水分解物、加水分
解縮合物、部分加水分解物、部分加水分解縮合物を含む
加水分解生成物である。
【0053】前記一般式中のR は炭素数1〜12の有機基
であり、その具体例としては、たとえばメチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基、2-エチルヘキシル基など
のアルキル基の他、γ -メタクリロキシプロピル基、ビ
ニル基、γ -アクリロキシプロピル基、γ -アミノプロ
ピル基、γ -メルカプトプロピル基、フェニル基、3,4-
エポキシシクロヘキシルエチル基などがあげられる。
【0054】また、前記一般式中の R1 は、炭素数1〜
4のアルキル基またはアシル基であり、その具体例とし
ては、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基、アセチル基などがあげられる。
【0055】さらに、前記a は、0〜3の整数である
が、通常0または1が好ましい。a が0の場合の具体例
としては、たとえばテトラアルコキシシランがあげら
れ、またa が1の場合の具体例としては、たとえばモノ
アルキルトリアルコキシシランがあげられる。
【0056】前記一般式で表わされるアルコキシまたは
アシロキシシランの加水分解生成物は、加水分解性シラ
ン化合物を単独または複数混合し、必要量の H2O を加
え、また必要に応じて塩酸、硫酸などの縮合触媒を少量
加え、常温〜 100℃にし、生成するアルコールを除去し
ながら縮合を進めることにより容易に得られる。
【0057】前記加水分解性シラン化合物の具体例とし
ては、たとえばメチルシリケート、メチルトリメトキシ
シラン、エチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキ
シシラン、オクチルトリメトキシシラン、ドデシルトリ
メトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ビニル
トリメトキシシラン、γ -メタクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン、γ -アクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン、γ -グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ -メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ -
アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β -アミノエチ
ル -γ -アミノプロピルトリメトキシシラン、ジメチル
ジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジブチ
ルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ビ
ニルメチルジメトキシシラン、γ -メタクリロキシプロ
ピルメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラ
ン、トリエチルメトキシシラン、トリフェニルメトキシ
シラン、エチルシリケート、メチルトリエトキシシラ
ン、エチルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシ
ラン、オクチルトリエトキシシラン、ドデシルトリエト
キシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリ
エトキシシラン、γ -メタクリロキシプロピルトリエト
キシシラン、γ -アクリロキシプロピルトリエトキシシ
ラン、γ -グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、
γ -メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ -アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、N-β -アミノエチル -γ -ア
ミノプロピルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシ
シラン、ジエチルジエトキシシラン、ジブチルジエトキ
シシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ビニルメチル
ジエトキシシラン、γ -メタクリロキシプロピルメチル
ジエトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエ
チルエトキシシラン、トリフェニルメトキシシランなど
があげられる。
【0058】たとえばメチルシリケートの部分加水分解
縮合物でメトキシシリル基を含有する化合物としては、
日本コルコート化学(株)製のメチルシリケート47、メ
チルシリケート51、メチルシリケート55、メチルシリケ
ート58、メチルシリケート60などがあげられる。メチル
トリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシランなどの
部分加水分解縮合物でメトキシシリル基を含有する化合
物としては、信越化学工業(株)製のAFP-1 、AFR-2 、
AFP-6 、KR213 、KR217 、KR9218; 東芝シリコーン
(株)製のTSR165、TR3357;日本ユニカー(株)製のY-
1587、FZ-3701 、FZ-3704 などがあげられる。また、エ
チルシリケートの部分加水分解縮合物でエトキシシリル
基を含有する化合物としては、日本コルコート(株)製
のエチルシリケート40、HAS-1 、HAS-6 、HAS-10などが
あげられる。
【0059】前記加水分解性シラン化合物は、他の化合
物との反応物であってもよく、このような反応物の具体
例としては、たとえばアミノ基を含むシランカップリン
グ剤とエポキシ基を含むシランカップリング剤との反応
物、アミノ基を含むシランカップリング剤とエチレンオ
キシド、ブチレンオキシド、エピクロルヒドリン、エポ
キシ化大豆油、その他油化シェルエポキシ(株)製のエ
ピコート 828、エピコート1001などのエポキシ基を含む
化合物との反応物;エポキシ基を含むシランカップリン
グ剤とエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミ
ン、エチレンジアミン、ヘキサンジアミン、ジエチレン
トリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレン
ペンタミンなどの脂肪族アミン類、アニリン、ジフェニ
ルアミンなどの芳香族アミン類、シクロペンチルアミ
ン、シクロヘキシルアミンなどの脂環式アミン類、エタ
ノールアミン類などのアミンとの反応物などがあげられ
る。
【0060】これら(C) 成分は、単独で用いてもよく2
種類以上併用してもよい。
【0061】必須成分であるこれら(C) 成分の添加量
は、(A) 成分、(B) 成分の合計 100部に対して11部以
下、好ましくは 0.5〜9部、さらに好ましくは 0.5〜7
部である。これら(C) 成分を添加することにより塗膜の
硬度が向上し、さらに塗料の粘度および保存安定性が向
上する効果を示すが、(C) 成分が11部をこえると、(A)
成分、(B)成分との相溶性が低下し、耐衝撃性や耐アル
カリ性も悪化する。
【0062】本発明の組成物には、(A) 成分〜(C) 成分
の他に脱水剤としての加水分解性エステル化合物(F) お
よび(または)溶剤としてのアルキルアルコール(G) な
どが含有され得る。
【0063】前記脱水剤(F) の例としては、オルトギ酸
メチル、オルトギ酸エチル、オルト酢酸メチル、オルト
酢酸エチルなどのエステル化合物があげられる。これら
の脱水剤(F) は重合時に加えておいてもよく、また重合
後に加えてもよい。そして添加量は、本発明の組成物中
における(A) 成分、(B) 成分および(C) 成分の分子量や
組成などにより異なり、一概には規定できないが、組成
物が実用上必要な固形分濃度、粘度などになるように調
整すればよく、通常、(A) 成分、(B)成分および(C) 成
分の固形分量100 部に対し、100 部以下が好ましく、50
部以下がさらに好ましい。
【0064】また、溶剤としてのアルキルアルコール
(G) としては、アルキル基の炭素数が1〜10のアルコー
ルがあげられ、このようなアルコールの具体例として
は、たとえばメチルアルコール、エチルアルコール、n-
プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブチ
ルアルコール、イソブチルアルコール、sec-ブチルアル
コール、tert- ブチルアルコール、n-アミルアルコー
ル、イソアミルアルコール、ヘキシルアルコール、オク
チルアルコール、セロソルブなどが用いられ得る。
【0065】前記アルコールの使用量にはとくに限定は
ないが、本発明の組成物中における(A) 成分、(B)成分
および(C) 成分の分子量や組成に応じて、組成物に必要
な固形分濃度、粘度などになるように調整すればよく、
(A) 成分、(B) 成分および(C) 成分の固形分量 100部に
対し、通常 100部以下、好ましくは50部以下である。
【0066】(G) 成分として前記のごときアルコールを
用い、前記脱水剤と併用する場合、(A) 成分、(B) 成分
および(C) 成分からなる組成物を保存した場合と比較し
て保存安定性が顕著に改善される。
【0067】本発明の組成物にはさらに硬化触媒(H) が
使用され得る。このような硬化触媒(H) の例としては、
たとえばジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジマ
レエート、ジオクチルスズジラウレート、ジオクチルス
ズジマレエート、オクチル酸スズなどの有機スズ化合
物;リン酸、モノメチルホスフェート、モノエチルホス
フェート、モノブチルホスフェート、モノオクチルホス
フェート、モノデシルホスフェート、ジメチルホスフェ
ート、ジエチルホスフェート、ジブチルホスフェート、
ジオクチルホスフェート、ジデシルホスフェートなどの
リン酸またはリン酸エステル;プロピレンオキサイド、
ブチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、グリ
シジルメタクリレート、グリシドール、アクリルグリシ
ジルエーテル、γ- グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン、γ- グリシドキシプロピルトリエトキシシラ
ン、γ- グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、
【0068】
【化11】
【0069】油化シェルエポキシ(株)製のカーデュラ
E、油化シェルエポキシ(株)製のエピコート828 、エ
ピコート1001などのエポキシ化合物とリン酸および(ま
たは)モノ酸性リン酸エステルとの付加反応物;有機チ
タネート化合物;有機アルミニウム化合物;マレイン
酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、イタコン
酸、クエン酸、コハク酸、フタル酸、トリメリット酸、
ピロメリット酸およびこれらの酸無水物、パラトルエン
スルホン酸などの酸性化合物;ヘキシルアミン、ジ-2-
エチルヘキシルアミン、N,N-ジメチルドデシルアミン、
ドデシルアミンなどのアミン類;これらアミンと酸性リ
ン酸エステルとの反応物;水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウムなどのアルカリ性化合物などがあげられる。
【0070】これら硬化触媒(H) のうち、有機スズ化合
物、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステルとアミン
との反応物、飽和もしくは不飽和多価カルボン酸または
その酸無水物、有機チタネート化合物、有機アルミニウ
ム化合物またはこれらの混合物が活性も高く好ましい。
【0071】このような硬化触媒(H) は単独で用いても
よく、2種以上を併用してもよい。
【0072】(H) 成分の使用量にはとくに限定はない
が、(A) 成分、(B) 成分および(C) 成分の固形分量 100
部に対して通常0.05〜20部、好ましくは0.05〜10部であ
る。(H) 成分の使用量が0.05部未満になると硬化性が低
下する傾向があり、20部をこえると塗膜の外観性が低下
する傾向がある。
【0073】さらに、本発明の組成物がトップコート用
塗料として用いられる場合には、紫外線吸収剤(I) や光
安定剤(J) を配合することにより、一層耐候性を向上さ
せることができる。
【0074】前記紫外線吸収剤(I) としては従来公知の
ものを広く使用することができ、たとえばベンゾフェノ
ン系、トリアゾール系、フェニルサリチレート系、ジフ
ェニルアクリレート系、アセトフェノン系などの紫外線
吸収剤が好ましい。
【0075】前記光安定剤(J) としては従来公知のもの
を広く使用でき、たとえばビス(2,2,6,6-テトラメチル
-4- ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタ
メチル-4- ピペリジル)セバケート、2-(3,5- ジ-tert-
ブチル-4- ヒドロキシベンジル)-2-n- ブチルマロン酸
ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4- ピペリジル)、テト
ラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4- ピペリジル)-1,2,
3,4-ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,
2,6,6-ペンタメチル-4- ピペリジル)-1,2,3,4- ブタン
テトラカルボキシレートなどがあげられる。
【0076】これらは単独で用いてもよく、2種以上併
用してもよい。
【0077】紫外線吸収剤の配合量は、トップコート用
塗料の固形分量 100部に対し、通常0.1〜10部、好まし
くは1〜5部である。また光安定剤の配合量は、トップ
コート用塗料の固形分量 100部に対し、通常 0.1〜10
部、好ましくは1〜5部である。
【0078】トップコート用塗料に紫外線吸収剤と光安
定剤とを併用することにより、耐候性をより一層向上さ
せることができる。
【0079】本発明の組成物がトップコート用塗料とし
て用いられる場合には、用途に応じてさらに希釈剤、ハ
ジキ防止剤、レベリング剤などの添加剤;ニトロセルロ
ース、セルロースアセテートブチレートなどの繊維素系
化合物;エポキシ樹脂、メラミン樹脂、塩化ビニル樹
脂、塩素化ポリプロピレン、塩化ゴム、ポリビニルブチ
ラールなどの樹脂を添加してもよい。
【0080】前記のごとき成分からなる本発明の組成物
の調製法にはとくに限定はなく、全成分を一度にまたは
適当に分けてまたは予め混合しておいたものを用いて混
合調製を行なってもよい。また、混合調製の前、中、後
に加熱を行なう方法も用いられるが、この場合には触媒
である(H) 成分を混合したのちは塗膜形成時以外の加熱
は避ける必要がある。
【0081】
【実施例】つぎに本発明の組成物を実施例に基づき説明
する。
【0082】合成例1 表1に示す部分1-1 (合成例1における部分1)〜部分
4の混合溶液を調製した。
【0083】チッ素雰囲気下、 110℃に加熱した部分2
の混合溶液の中へ、部分1-1 の混合溶液を5時間かけて
等速で滴下した。つぎにこの中へ部分3の混合溶液を1
時間かけて等速で滴下した。そののち、引き続き 110℃
で2時間撹拌したのち、室温まで冷却した。最後に部分
4の混合溶液を加えて撹拌した。
【0084】得られた溶液の固形分濃度は64%であっ
た。また、得られた重合体(以下、重合体(A1 )とい
う)をGPC で分析したところ、数平均分子量は3500であ
った。
【0085】合成例2 表1に示す部分1-2 (合成例2における部分1)〜部分
4の混合溶液を調製した。なお、表1中のマクロモノマ
ー(1) は式:
【0086】
【化12】
【0087】で示される化合物である。
【0088】チッ素雰囲気下、 110℃に加熱した部分2
の混合溶液の中へ、部分1-2 の混合溶液を5時間かけて
等速で滴下した。つぎにこの中へ部分3の混合溶液を1
時間かけて等速で滴下した。そののち、引き続き 110℃
で2時間撹拌したのち、室温にまで冷却した。最後に部
分4の混合溶液を加えて撹拌した。
【0089】得られた溶液の固形分濃度は65%であっ
た。また、得られた重合体(以下、重合体(A2 )とい
う)をGPC で分析したところ、数平均分子量は4100であ
った。
【0090】合成例3 表1に示す部分1-3 (合成例3における部分1)〜部分
4の混合溶液を調製した。
【0091】なお、表1中のマクロモノマー(2) は式:
【0092】
【化13】
【0093】で示される化合物である。
【0094】部分1-3 の混合溶液を用いた他は合成例2
と同様にして反応を行なった。
【0095】得られた溶液の固形分濃度は65%であっ
た。また、得られた重合体(以下、重合体(A3 )とい
う)をGPC で分析したところ、数平均分子量は3900であ
った。
【0096】
【表1】
【0097】実施例1〜2および比較例1 (A) 成分にあたる合成例1〜2で得られた重合体(A1 )
および(A2 )、(B) 成分にあたるSH-6018 (東レシリコ
ーン(株)製)、(C) 成分にあたるAFP−1
【0098】
【化14】
【0099】信越化学工業(株)製)を表2に示す組成
になるように配合したのち、全固形分に対し、レベリン
グ剤として#1970 (楠本化成(株)製) 0.3%;
硬化触媒(H) としてDP-8(ジオクチルホスフェート)
((株)大八化学工業所製)/ファーミンDM20(N,N- ジ
メチルドデシルアミン)(花王(株)製)=1/1 (重量
比)の混合物3%を加えた。得られた混合物をソルベッ
ソ#100(芳香族高沸点溶剤)(エクソン化学社製)で
希釈してフォードカップで15〜20秒の粘度に調整し、ト
ップコート用クリアー塗料を得た。
【0100】得られたトップコート用クリアー塗料をそ
れぞれ用いて下記のごとき塗装を行ない、塗膜の評価を
下記方法により行なった。結果を表2に示す。
【0101】脱脂およびりん酸化成処理を行なった軟鋼
板に、自動車用エポキシアミド系カチオン電着プライマ
ーおよび中塗サーフェーサーを塗装した塗板を試験片と
して用い、そのうえに市販のアクリルメラミン樹脂塗料
(シルバーメタリックスベース)をベースコートとして
施した。つぎに得られたトップコート用クリアー塗料を
ウェット・オン・ウェットで塗装し、20分間セッティン
グしたのち、 120℃で30分間焼付けた。
【0102】乾燥膜厚はベースコート約10μm、トップ
コート用クリアー塗料が約50μmであった。
【0103】なお、塗装から評価に至るまで、絶対湿度
0.01 wt/wt(gH2O/kgドライエア)の環境下で行なっ
た。
【0104】(デュポン衝撃性)1/2インチ撃芯を用
い、500g荷重で塗膜に異常の認められない最高の値を求
める。
【0105】(MEK ラビング性)MEK(メチルエチルケト
ン)を脱脂綿に含ませ、各試験板を同じ条件で 200回ラ
ビングする。そののち、表面の状態を観察し、変化なし
を◎、少し表面に傷がある状態を○、不良のものを×と
して評価する。
【0106】
【表2】
【0107】表2の結果から、シリル基含有ビニル系重
合体(A) のみを用いたもの(比較例1)よりも、(A)成
分にシラノール含有オルガノポリシロキサン(B) とアル
コキシシラン系化合物(C) を加えたもの(実施例1〜
2)の方が耐衝撃性および耐MEK ラビング性(耐溶剤
性)が大巾に向上することがわかる。さらに、マクロモ
ノマーを使用して(A) 成分を製造したものの方が耐衝撃
性および耐MEK ラビング性がより向上することがわか
る。
【0108】実施例3〜8および比較例2〜3 (A) 成分にあたる合成例3で得られた重合体(A3 )、(B)
成分にあたるKR-216(シラノール含有フェニル置換環
状オルガノポリシロキサン、信越化学工業(株)製)お
よびKR-212(シラノール含有オルガノポリシロキサン、
信越化学工業(株)製)、(C) 成分にあたるAFP-1 およ
びMSi 51(メチルシリケート51)
【0109】
【化15】
【0110】日本コルコート化学(株)製)を表3に示
す組成になるように配合したのち、全固形分に対し、レ
ベリング剤として#1970 (楠本化成(株)製) 0.3
%;硬化触媒(H) としてDP-8(ジオクチルホスフェー
ト)((株)大八化学工業所製)/ファーミンDM20(N,
N-ジメチルドデシルアミン)(花王(株)製)=1/1
(重量比)の混合物3%を加えた。得られた混合物をソ
ルベッソ#100(芳香族高沸点溶剤)(エクソン化学社
製)で希釈してフォードカップで15〜20秒の粘度に調整
し、トップコート用クリアー塗料を得た。
【0111】得られたトップコート用クリアー塗料をそ
れぞれ用いて実施例1と同様にして塗装を行ない、塗膜
の評価を行なった。結果を表3に示す。
【0112】なお、鉛筆硬度、外観性、耐アルカリ性は
下記方法により評価した。
【0113】(鉛筆硬度)JIS K 5400に準拠して測定し
た。
【0114】(外観性)艶および肉持ち感を目視により
総合評価した。
【0115】
【外1】
【0116】の順に、良好、やや良好、普通、やや不
良、不良を示す。
【0117】(耐アルカリ性)5%水酸化ナトリウム水
溶液を各試験板上に4〜5滴ピペットで落として24時間
放置する。そののち各試験板を充分に水洗し、水を拭
い、表面の状態を次の基準で評価した。なお、
【0118】
【外2】
【0119】よりよいレベルでは、実用上問題がないと
されている。
【0120】
【外3】
【0121】
【表3】
【0122】表3の結果から、塗膜外観の良好なハイソ
リッド塗料を得るためには(A) 成分、(B) 成分、(C) 成
分の3成分が必要であることがわかる。つまり比較例2
の塗膜は(B) 成分を含まないため外観性がおとる。ま
た、本発明の範囲をこえて(C)成分を多く使用しすぎる
と、耐アルカリ性が低下することがわかる。
【0123】実施例9および比較例4 実施例3と比較例2とで用いたトップコート用クリアー
塗料を用いて、塗装から評価に至るまでをすべて絶対湿
度0.001wt/wt(gH2O/kgドライエア)の環境下で実施し、
評価した。結果を表4に示す。
【0124】
【表4】
【0125】表4の結果から、本発明の(A) 成分、(B)
成分、(C) 成分の3成分を含む組成物(塗料)の方が、
硬化時の湿度条件を変えても、表3の結果と比較して、
特性の変化が少ないことがわかる。
【0126】
【発明の効果】(A) 成分、(B) 成分、(C) 成分の3成分
を含む本発明の組成物は、耐アルカリ性、外観性、硬度
が良好で、塗料としての粘度も低く、硬化時の湿度の影
響の少ない組成物となる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A) 主鎖が実質的にビニル系重合体鎖か
    らなり、主鎖末端および(または)側鎖に加水分解性基
    と結合したケイ素原子を1分子中に1個をこえて有する
    シリル基含有ビニル系重合体10〜99重量部、(B) 1分子
    中にシラノール基を平均して1個以上含むシラノール含
    有オルガノポリシロキサン1〜90重量部ならびに(C) 一
    般式: Ra Si(OR14-a (式中、R は炭素数1〜12の有機基、 R1 は炭素数1〜
    4のアルキル基またはアシル基を示し、a は0〜3の整
    数である)で表わされるアルコキシまたはアシロキシシ
    ランおよび(または)該アルコキシまたはアシロキシシ
    ランの加水分解生成物を必須成分とし、該成分が(A) 成
    分および(B) 成分の合計量 100重量部に対して11重量部
    以下からなる塗料用熱硬化性組成物。
  2. 【請求項2】 (A) 成分である加水分解性シリル基含有
    ビニル系重合体が、1分子中に炭素 -炭素2重結合と加
    水分解性シリル基とを併有し、数平均分子量が 400〜 1
    0000であるマクロモノマー(D) と、ビニル系モノマー
    (E) との共重合体である請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 (B) 成分であるシラノール含有オルガノ
    ポリシロキサンが、1分子中にシラノール基を平均して
    2〜6個有し、数平均分子量が 200〜5000である請求項
    1記載の組成物。
  4. 【請求項4】 (B) 成分であるシラノール含有オルガノ
    ポリシロキサンが、フェニル基を有する環状オルガノポ
    リシロキサンである請求項1記載の組成物。
  5. 【請求項5】 さらに脱水剤としての加水分解性エステ
    ル化合物(F) および溶剤としてのアルキルアルコール
    (G) を含む請求項1記載の組成物。
  6. 【請求項6】 さらに硬化触媒(H) を含む請求項1記載
    の組成物。
  7. 【請求項7】 さらに紫外線吸収剤(I) および(また
    は)光安定剤(J) を含む請求項1記載の組成物。
  8. 【請求項8】 マクロモノマー(D) が、分子中に 【化1】 を含む請求項2記載の組成物。
  9. 【請求項9】 マクロモノマー(D) が、分子中にウレタ
    ン結合を含む請求項2記載の組成物。
JP20522798A 1998-07-21 1998-07-21 塗料用熱硬化性組成物 Pending JPH1180657A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20522798A JPH1180657A (ja) 1998-07-21 1998-07-21 塗料用熱硬化性組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20522798A JPH1180657A (ja) 1998-07-21 1998-07-21 塗料用熱硬化性組成物

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33897789A Division JP2902022B2 (ja) 1989-12-26 1989-12-26 塗料用硬化性組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1180657A true JPH1180657A (ja) 1999-03-26

Family

ID=16503519

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20522798A Pending JPH1180657A (ja) 1998-07-21 1998-07-21 塗料用熱硬化性組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1180657A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000319512A (ja) * 1999-05-13 2000-11-21 Shigeki Iida 常温硬化性組成物、これを用いた紫外線遮蔽膜形成用塗布液および紫外線遮蔽膜
JP2008101093A (ja) * 2006-10-18 2008-05-01 Daicel Chem Ind Ltd 樹脂組成物およびその用途
JP2008195787A (ja) * 2007-02-09 2008-08-28 Toyo Seikan Kaisha Ltd ガスバリア材形成用組成物、ガスバリア材及びその製造方法並びにガスバリア性包装材
JP2008542476A (ja) * 2005-05-26 2008-11-27 トレムコ インコーポレイティド ポリマー組成物及びそれから製造される接着剤、コーティング、及びシーラント
JP2012521485A (ja) * 2009-03-23 2012-09-13 ダウ コーニング コーポレーション 化学硬化性一体型ウォームエッジスペーサ及びシール

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000319512A (ja) * 1999-05-13 2000-11-21 Shigeki Iida 常温硬化性組成物、これを用いた紫外線遮蔽膜形成用塗布液および紫外線遮蔽膜
JP2008542476A (ja) * 2005-05-26 2008-11-27 トレムコ インコーポレイティド ポリマー組成物及びそれから製造される接着剤、コーティング、及びシーラント
JP2013177637A (ja) * 2005-05-26 2013-09-09 Tremco Inc ポリマー組成物及びそれから製造される接着剤、コーティング、及びシーラント
JP2008101093A (ja) * 2006-10-18 2008-05-01 Daicel Chem Ind Ltd 樹脂組成物およびその用途
JP2008195787A (ja) * 2007-02-09 2008-08-28 Toyo Seikan Kaisha Ltd ガスバリア材形成用組成物、ガスバリア材及びその製造方法並びにガスバリア性包装材
JP2012521485A (ja) * 2009-03-23 2012-09-13 ダウ コーニング コーポレーション 化学硬化性一体型ウォームエッジスペーサ及びシール

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0427293B1 (en) Coating composition
EP0419669B1 (en) Thermosetting composition
EP0635553B1 (en) Curable composition
EP0400303B1 (en) Thermosetting composition
JP3078003B2 (ja) 熱硬化性組成物
JP2902022B2 (ja) 塗料用硬化性組成物
JP2886007B2 (ja) 塗料用硬化性組成物
JPH1036775A (ja) 塗料用硬化性組成物およびそれを用いてなる塗装物
US6316572B1 (en) Curable composition for coatings, coated articles and resin composition for coatings
JP3318805B2 (ja) 熱硬化性上塗り塗料用組成物
JP2898340B2 (ja) 熱硬化性組成物
JPH1180657A (ja) 塗料用熱硬化性組成物
JP2843408B2 (ja) 熱硬化性組成物およびそれを塗装した塗装物
JP2851350B2 (ja) 熱硬化性組成物
JP3108516B2 (ja) 熱硬化性上塗塗料組成物
JP3297854B2 (ja) 下塗り塗料用組成物、及び該組成物を用いた塗装方法
JP3412916B2 (ja) 塗料用硬化性組成物
JP3004223B2 (ja) 一液型組成物
JP3048372B2 (ja) 塗装物
JP2892112B2 (ja) 一液型組成物
JP3130542B2 (ja) 硬化性組成物
JP2002167491A (ja) 熱硬化性樹脂組成物およびトップコートクリアー塗料
JP2918669B2 (ja) 硬化性組成物およびそれを塗装した塗装物
JP3318117B2 (ja) 上塗り塗料用硬化性組成物
JPH07173429A (ja) 上塗り塗料用硬化性組成物