JP3047366B2 - 役物タイルの製造方法 - Google Patents

役物タイルの製造方法

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JP3047366B2
JP3047366B2 JP6139183A JP13918394A JP3047366B2 JP 3047366 B2 JP3047366 B2 JP 3047366B2 JP 6139183 A JP6139183 A JP 6139183A JP 13918394 A JP13918394 A JP 13918394A JP 3047366 B2 JP3047366 B2 JP 3047366B2
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    • B28BSHAPING CLAY OR OTHER CERAMIC COMPOSITIONS; SHAPING SLAG; SHAPING MIXTURES CONTAINING CEMENTITIOUS MATERIAL, e.g. PLASTER
    • B28B1/00Producing shaped prefabricated articles from the material
    • B28B1/002Producing shaped prefabricated articles from the material assembled from preformed elements
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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    • B28BSHAPING CLAY OR OTHER CERAMIC COMPOSITIONS; SHAPING SLAG; SHAPING MIXTURES CONTAINING CEMENTITIOUS MATERIAL, e.g. PLASTER
    • B28B3/00Producing shaped articles from the material by using presses; Presses specially adapted therefor
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Finishing Walls (AREA)
  • Press-Shaping Or Shaping Using Conveyers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、階段、道路等の段違い
部分、門柱、あるいは建造物等の施工物の、特に、その
コーナ部のタイル貼り施工に使用する、直角若しくはそ
の他の角度に折れ曲がった形状の、または、彎曲した形
状の役物タイルの製造方法に関するものであり、特に、
その表面に着色模様を有する役物タイルの製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、タイル張りにおけるコーナ部
の施工には、そのコーナ部の角度に合った折れ曲がりを
有するアングル板状等の役物タイルが使用されている。
そしてこのような役物タイルは、粉末原料のプレス成形
によって一般に製造され、具体的には、断面山形状また
は谷形状の下型と上型とによって役物形状のプレス空間
を形成するプレス型を用い、下型の両斜面部及び稜部の
全面にバインダーを加えた粉末原料を配置し、上型との
間でプレス成形して役物形状のタイル成形体を形成した
後、焼成することによって製造される。このような技術
は、例えば実公平4−30011号公報等において開示
されている。
【0003】そしてこのように製造された役物タイル
は、角部を含めて全体が継ぎ目なく一体に形成されてい
るために、見栄えが良く、また十分な角部強度を有す
る。しかしその反面、表面の模様は無地または斑点模様
のような単純な着色模様に限定される。
【0004】ところで、近年ではタイルにも色彩のより
豊かさが求められ、このために、多彩な模様を有するタ
イルが種々提案され、また使用されるようになってきて
いる。例えば、特公平2−42323号公報等には粉末
材料のプレス加工により紋様材を素地表面に埋め込んだ
象眼模様のタイルが開示されており、また特公平2−8
883号公報には坏土の素材塊に着色顔料粉をまぶした
ものをプレス型内に並べて押圧成形した不定形紋様を有
するタイルが開示されている。
【0005】ところが、このような多彩な模様は平面型
を用いて形成されるため、平板状の平面タイルには適用
することができるが、型面が傾斜したプレス型を用いて
製造する上述の役物タイルには適用することが困難であ
る。このため、このような着色模様を有するタイルを用
いてコーナ部分を施工する場合は、施工の際に二枚のタ
イルを直角に接着剤で張り合わせる方法、あるいは、二
枚のタイルをセメントで直角に接合している場合、金
属、樹脂等のアングル部材を用いて繋ぎ合わせる方法等
が採られているのが現状である。
【0006】なお、階段の左右両端のコーナ部のよう
に、前側面、上側面及び左側面または右側面が互いに三
角錐状をなすよう交差するコーナ部のタイル貼り施工に
は、それら3つの面を覆う役物タイルとして、いわゆる
コーナキャップが使用されるが、このコーナキャップに
ついても、やはり、前記アングル板状の役物タイルと同
様の製造方法が採られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの方法
は施工に負担が掛かるばかりでなく、接着剤による接合
の場合はタイルの切断面が現れて見栄えが損なわれるこ
とがあり、またセメント繋ぎの場合は摩耗の虞れもあ
る。このため、多彩な模様を有するタイルの場合でも、
アングル板状、コーナキャップ状等、種々の形状の役物
タイルが得られれば、タイル張り施工の工数、耐久性、
美観などが大幅に改善されるはずであり、業界ではその
出現が早くから望まれていた。
【0008】そこで、本発明は、一般の役物タイルの成
形型では得ることができないような着色模様であっても
容易に形成することができる役物タイルの製造方法の提
供を課題とする。
【0009】また、本発明は、一般の役物タイルの成形
型では得ることができないような着色模様であっても容
易に形成することができ、かつ、十分な角部強度を有す
る役物タイルの製造方法の提供を課題とする。
【0010】更に、本発明は、一般の役物タイルの成形
型では得ることができないような着色模様であっても容
易に形成することができ、かつ、見栄え品質が良好な役
物タイルの製造方法の提供を課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明にかかる
役物タイルの製造方法は、坏土から、塑性変形可能で、
かつ、表面に着色模様を有する板状のタイル予備成形体
第1のプレス圧で成形するタイル予備成形体成形工程
と、施工物のコーナ部の形状に対応する形状のプレス面
を有する一方の型の前記プレス面に、複数の前記タイル
予備成形体を、前記施工物のコーナ部の形状に対応する
形状となるよう、互いの端部を当接させた状態で配置す
るタイル予備成形体配置工程と、下型となる谷形状のプ
レス面の隣接する互いに接合される前記タイル予備成形
体の当接側の端部は対応する斜面状の端面とし、前記両
タイル予備成形体の当接側の端部の斜面状の端面を互い
に当接させて配置し、前記一方の谷形状のプレス面の型
のプレス面と対応する形状のプレス面を有する他方の
型となる山形状のプレス面の型を前記一方の型に接近駆
動し、他方の型のプレス面と一方の型のプレス面との間
で前記複数のタイル予備成形体をプレスした前記第1の
プレス圧より大きい第2のプレス圧でプレス成形して互
いに接合し、前記施工物のコーナ部の形状に対応する形
状のタイル成形体を得るタイル成形体成形工程と、前記
タイル成形体を焼成する焼成工程とを具備するものであ
る。
【0012】請求項2の発明にかかる役物タイルの製造
方法は、前記複数のタイル予備成形体は合計2枚であ
り、前記一方の型のプレス面はアングル状に交差する一
対の平面であり、タイル成形体成形工程において、前記
タイル成形体は、アングル板状に成形されるものであ
る。
【0013】請求項3の発明にかかる役物タイルの製造
方法は、前記複数のタイル予備成形体は合計3枚であ
り、前記一方の型のプレス面は六面体の6面のうちの任
意の3面を開放した形状をなし、タイル成形体成形工程
において、前記タイル成形体は、六面体の6面のうちの
任意の3面を開放した形状に成形されるものである。
【0014】請求項4の発明にかかる役物タイルの製造
方法は、タイル成形体成形工程において、前記タイル成
形体は、断面円弧状に成形されるものである。
【0015】請求項5の発明にかかる役物タイルの製造
方法は、タイル成形体成形工程において、前記複数のタ
イル予備成形体の任意の一つの当接側の端部は、その意
匠面となる側面を厚さ方向に突出されて水切り部とした
ものである。
【0016】請求項6の発明にかかる役物タイルの製造
方法は、坏土を第1のプレス圧でプレス成形して、塑性
変形可能で、かつ、表面に着色模様を有する板状のタイ
ル予備成形体を成形するタイル予備成形体成形工程と、
施工物のコーナ部の形状に対応する形状のプレス面を有
する一方の型の前記プレス面に、複数の前記タイル予備
成形体を、前記施工物のコーナ部の形状に対応する形状
となるよう下型となる谷形状のプレス面の隣接する互い
に接合される前記タイル予備成形体の当接側の端部は対
応する斜面状の端面とし、前記両タイル予備成形体の当
接側の端部の斜面状の端面を互いに当接させて配置する
タイル予備成形体配置工程と、前記一方の谷形状のプレ
ス面の型のプレス面と対応する形状のプレス面を有する
他方の上型となる山形状のプレス面の型を前記一方の型
に接近駆動し、他方の型のプレス面と一方の型のプレス
面との間で前記複数のタイル予備成形体をプレスした
記第1のプレス圧より大きい第2のプレス圧でプレス成
形して互いに接合し、前記施工物のコーナ部の形状に対
応する形状のタイル成形体を得るタイル成形体成形工程
と、前記タイル成形体を焼成する焼成工程とを具備する
ものである。
【0017】請求項7の発明にかかる役物タイルの製造
方法は、坏土から、塑性変形可能で、かつ、表面に着色
模様を有する板状のタイル予備成形体を第1のプレス圧
成形するタイル予備成形体成形工程と、施工物のコー
ナ部の形状に対応する形状のプレス面を有する一方の型
の前記プレス面に、複数の前記タイル予備成形体を、前
記施工物のコーナ部の形状に対応する形状となるよう、
互いの端部を接近状態で配置するタイル予備成形体配置
工程と、隣接する前記タイル予備成形体の接近端部間に
接合媒体を介装する接合媒体介装工程と、下型となる
形状のプレス面の隣接する互いに接合される前記タイル
予備成形体の当接側の端部は対応する斜面状の端面と
し、前記両タイル予備成形体の当接側の端部の斜面状の
端面を互いに当接させて配置し、前記一方の谷形状のプ
レス面の型のプレス面と対応する形状のプレス面を有す
る他方の上型となる山形状のプレス面の型を前記一方の
型に接近駆動し、他方の型のプレス面と一方の型のプレ
ス面との間で前記複数のタイル予備成形体を、前記複数
のタイル予備成形体をプレスした第1のプレス圧より大
きい第2のプレス圧でプレス成形することにより互いに
接合し、プレス成形して互いに接合し、前記施工物のコ
ーナ部の形状に対応する形状のタイル成形体を得るタイ
ル成形体成形工程と、前記タイル成形体を焼成する焼成
工程とを具備するものである。
【0018】
【作用】請求項1の発明にかかる役物タイルの製造方法
においては、表面に着色模様を有する予め第1のプレス
圧で形成された板状のタイル予備成形体を用いて最終製
品たる役物タイルを得るため、タイル予備成形体の着色
模様はそのまま役物タイルの表面に現出される。また、
複数のタイル予備成形体は、タイル成形体の成形時に、
当接側の端部が互いに接合し、施工物のコーナ部の形状
に対応して、継ぎ目のない所定の一体形状の成形体に形
成され、その後焼成されて強固に焼結する。更に、単
に、隣接する一対のタイル予備成形体の端部を当接した
状態で配置して接合及び焼成することにより、役物タイ
ルを得ることができる。そして、下型となる谷形状のプ
レス面の隣接する互いに接合される前記タイル予備成形
体の当接側の端部は対応する斜面状の端面とし、前記両
タイル予備成形体の当接側の端部の斜面状の端面を互い
に当接させて配置して、前記複数のタイル予備成形体を
プレスした前記第1のプレス圧より大きい第2のプレス
圧でプレスするものであるから、表面の着色模様の絵柄
合せが、そのまま役物タイルの表面に正確に現出され
る。また、谷形状のプレス面の隣接する互いに接合され
る前記タイル予備成形体の当接側の端部は対応する斜面
状の端面とし、前記両タイル予備成形体の当接側の端部
の斜面状の端面を互いに当接させて配置して上型となる
山形状のプレス面でプレスするものであるから、プレス
による圧力がタイル予備成形体の当接側の端面の圧力が
増加し、その斜状の端部を互いに当接して接合されるか
ら、その接合面積が増大し、その接合強度が増加し、両
端面の接合が良好に行われる。
【0019】請求項2の発明にかかる役物タイルの製造
方法においては、請求項1記載の発明に加えて、アング
ル板状の役物タイルを得ることができ、役物タイルを、
階段等の段差部または柱の角部等、施工物のコーナ部の
形状に対応して提供することができる。
【0020】請求項3の発明にかかる役物タイルの製造
方法においては、請求項1記載の発明に加えて、六面体
の6面のうちの任意の3面を開放した、いわゆるコーナ
キャップ状の役物タイルを得ることができ、役物タイル
を、階段等の段差部の両端部または柱の角部の両端部
等、施工物のコーナ部の形状に対応して提供することが
できる。
【0021】請求項4の発明にかかる役物タイルの製造
方法においては、請求項1の発明に加えて、断面円弧状
の役物タイルを得ることができ、役物タイルを、面取し
た彎曲角部等、施工物のコーナ部の形状に対応して提供
することができる。
【0022】請求項5の発明にかかる役物タイルの製造
方法においては、請求項1乃至4の何れか1つに記載の
発明に加えて、役物タイルの角部の意匠面側に水切り部
が一体に形成される。更に、水切り部が、隣接する一対
のタイル予備成形体のプレス成形による接合時に、その
接合部分に加わるプレス圧力の方向を変更し、また、接
合部分の強度を向上する。
【0023】請求項6の発明にかかる役物タイルの製造
方法においては、表面に着色模様を有する予め形成され
た板状のタイル予備成形体を用いて最終製品たる役物タ
イルを得るため、タイル予備成形体の着色模様はそのま
ま役物タイルの表面に現出される。また、複数のタイル
予備成形体は、タイル成形体の成形時に、当接側の端部
が互いに接合し、施工物のコーナ部の形状に対応して、
継ぎ目のない所定の一体形状の成形体に形成され、その
後焼成されて強固に焼結する。更に、単に、隣接する一
対のタイル予備成形体の端部を当接した状態で配置して
接合及び焼成することにより、役物タイルを得ることが
できる。加えて、タイル予備成形体のプレス成形時のプ
レス圧より、タイル成形体のプレス成形時のプレス圧を
大きくすることにより、タイル予備成形体及びタイル成
形体の両者とも、プレス成形により成形される。そし
て、下型となる谷形状のプレス面の隣接する互いに接合
される前記タイル予備成形体の当接側の端部は対応する
斜面状の端面とし、前記両タイル予備成形体の当接側の
端部の斜面状の端面を互いに当接させて配置してプレス
するものであるから、表面の着色模様の絵柄合せが、そ
のまま役物タイルの表面に正確に現出される。また、谷
形状のプレス面の隣接する互いに接合される前記タイル
予備成形体の当接側の端部は対応する斜面状の端面と
し、前記両タイル予備成形体の当接側の端部の斜面状の
端面を互いに当接させて配置して上型となる山形状のプ
レス面でプレスするものであるから、プレスによる圧力
がタイル予備成形体の当接側の端面の圧力が増加し、そ
の斜状の端部を互いに当接して接合されるから、その接
合面積が増大し、その接合強度が増加し、両端面の接合
が良好に行われる。
【0024】請求項7の発明にかかる役物タイルの製造
方法においては、表面に着色模様を有する予め形成され
た板状のタイル予備成形体を用いて最終製品たる役物タ
イルを得るため、タイル予備成形体の着色模様はそのま
ま役物タイルの表面に現出される。また、複数のタイル
予備成形体は、タイル成形体の成形時に、当接側の端部
が互いに接合し、施工物のコーナ部の形状に対応して、
継ぎ目のない所定の一体形状の成形体に形成され、その
後焼成されて強固に焼結する。更に、単に、隣接する一
対のタイル予備成形体の端部を接近した状態で配置して
接合及び焼成することにより、役物タイルを得ることが
できる。なお、このとき、接合媒体がその接合を促進及
び強化する。
【0025】ここにおいて、タイル予備成形体は、平板
状、彎曲板状等の板状に形成された任意のものであるこ
とができ、また、その表面の着色模様も全く任意であ
り、もし望まれるのであれば、無地の着色模様とするこ
ともできる。そして、このタイル予備成形体は、通常の
タイルの場合と同様に、例えば粉体材料または坏土のプ
レス成形によって形成することができるが、この場合、
そのプレス圧は低めに設定することが望ましい。それに
よって、そのタイル予備成形体は最終的な形状にプレス
成形される際に更に圧縮され、それらの間に強固な接合
を形成することができる。ただし、余りに低い圧力で成
形することは、その形状にプレス成形する際に、形成し
た着色模様の変形を生じるので好ましくない。そのため
一般的には、タイル予備成形体を形成する際のプレス圧
は、最終的にタイル成形体とする際のプレス圧の1/2
〜2/3が好適である。なお、その所定形状にプレス成
形する際の圧力は、通常のタイルまたは役物タイル及び
コーナキャップ等のコーナ部用タイルを成形する場合の
圧力である。また、タイル予備成形体は、一方の型に配
置することを容易とするために、一方の型の幅より少し
だけ小さい幅のものとして形成することが好ましい。そ
して、下型となる谷形状のプレス面の隣接する互いに接
合される前記タイル予備成形体の当接側の端部は対応す
る斜面状の端面とし、前記両タイル予備成形体の当接側
の端部の斜面状の端面を互いに当接させて配置してプレ
スするものであるから、表面の着色模様の絵柄合せが、
そのまま役物タイルの表面に正確に現出される。また、
谷形状のプレス面の隣接する互いに接合される前記タイ
ル予備成形体の当接側の端部は対応する斜面状の端面と
し、前記両タイル予備成形体の当接側の端部の斜面状の
端面を互いに当接させて配置して上型となる山形状のプ
レス面でプレスするものであるから、プレスによる圧力
がタイル予備成形体の当接側の端面の圧力が増加し、そ
の斜状の端部を互いに当接して接合されるから、その接
合面積が増大し、その接合強度が増加し、両端面の接合
が良好に行われる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例の役物タイルの製造方
法について説明する。
【0027】まず、本発明によって得られる、意匠面と
しての表面に各種の着色模様を有する役物タイルの例
を、まとめて図1に示す。なお、これらの各実施例の役
物タイルは、いずれも、階段、道路等の段違い部分のコ
ーナ部のタイル貼り施工に使用する、直角の角部の両側
にそれぞれ長短若しくは同一長さのタイルを配して構成
したアングル板状のものである。なお、以下の説明にお
いて、長い方のタイルを本体部、短い方のタイルを折曲
部という。
【0028】図1において、(a)に示す役物タイル
は、長寸矩形平板状の本体部10cを2本の対角線によ
り区画して4つの三角部11c,12c,13c,14
cを形成し、対称配置された第1の対の三角部11c,
13c及び対称配置された第2の対の三角部12c,1
4cのそれぞれに異色を配し、短寸矩形平板状の折曲部
20cには隣接する三角部12cと同色を配したもので
ある。(b)に示す役物タイルは、長寸矩形平板状の本
体部30cに一対の半円部31c,33cを対称的に配
置すると共に、両半円部31c,33c間に略三角形状
の三角部32c,34cを対称的に配置し、半円部31
c,33c及び三角部32c,34cにそれぞれ異色を
配し、短寸矩形板状の折曲部40cには前記半円部33
cと同色を配したものである。(c)に示す役物タイル
は、本体部50c及び折曲部60cを同一長さに形成
し、そのいずれにも、第1の部分51c,61c、第2
の部分52c,62c及び第3の部分53c,63cか
らなる流れ状の紋様を施したものである。
【0029】これらの役物タイルは、その模様を構成す
る各色部分11c〜14c,31c〜34c,51c〜
53c,61c〜63cが、いずれもタイルの厚さ方向
全体に貫通して延び、表面の磨耗による模様の消失を防
止している。なお、本発明は、模様を構成する各色部分
がタイルの厚さ方向全体に貫通して延びる限りにおい
て、以下に述べる製造方法により、上記役物タイル以外
の種々の模様の役物タイルに具体化することも無論可能
である。
【0030】〈第一実施例〉 本発明の第一実施例を図1(a)の役物タイルを例とし
て、図2乃至図6に基づき説明する。
【0031】図1(a)において、役物タイルは直角の
角部25を介して、その両側に本体部10cと折曲部2
0cとを形成したものであり、本体部10cの表面に形
成された4つの三角部11c〜14c中、一方の対の三
角部11c,13cには黒色地に淡い灰色の斑点模様を
配色し、他方の対の三角部12c,14cには白色地に
淡い青色の斑点模様を配色した紋様を有している。折曲
部20cは、隣接する本体部10cの三角部12cと同
一の白色地に淡い青色の斑点模様を配色した紋様を有
し、その表面には、三角部12cの斑点模様に連続する
斑点模様が露出している。
【0032】この役物タイルは以下のようにして製造し
た。
【0033】図2は本発明の第一実施例による役物タイ
ルの製造工程を示す工程図であり、Aは着色原料を調整
する着色原料調整工程、Bは着色原料から、表面に着色
模様を有する平板状のタイル予備成形体を成形するタイ
ル予備成形体成形工程、Cはタイル予備成形体を断面山
形状または谷形状の一方の型、即ち、下型の両斜面部に
それぞれ配置するタイル予備成形体配置工程、Dは下型
に配置されたタイル予備成形体を他方の型、即ち、上型
との間でプレスして、一体化された役物形状のタイル成
形体を形成する役物タイル成形体成形工程、Eは成形さ
れた役物タイル成形体を焼成する焼成工程である。
【0034】図3は図2のタイル予備成形体成形工程B
で使用する平板タイル用プレス機の概略を示す斜視図で
ある。図4はタイル予備成形体成形工程Bで使用する平
板タイル用プレス機の断面図を示し、(a)は本体部1
0c形成用のタイル予備成形体10aを成形する平板タ
イル用プレス機の断面図、(b)は折曲部20c形成用
のタイル予備成形体20aを成形する平板タイル用プレ
ス機の断面図である。図5はタイル予備成形体を示し、
(a)は本体部10c形成用のタイル予備成形体10a
の斜視図、(b)は折曲部20c形成用のタイル予備成
形体20aの斜視図である。
【0035】図3において、平板タイル用プレス機10
0は、上型101及び下型103からなり、下型103
には前記本体部10c及び折曲部20cの一次成形体と
しての平板状のタイル予備成形体10a,20aの外形
と同一形状をなし、これらを成形する成形部105が設
けられている。成形部105の底面には成形部の平面形
状と同一平面形状の押上部107が配設され、油圧シリ
ンダ等の駆動手段(図示略)により成形部105内を上
下動自在となっている。上型101は、成形部105の
平面形状と同一形状の板状をなし、油圧シリンダ等の駆
動手段(図示略)により駆動軸109を介して上下動さ
れ、成形部105に接近及び離間するようになってい
る。なお、図3は平板タイル用プレス機100の概略構
成を示したものであり、タイル予備成形体の寸法及び形
状に応じて、その上型101、下型103、成形部10
5、押上部107の寸法及び形状も変更される。例え
ば、本実施例では、本体部10cと折曲部20cの寸法
及び形状が異なるため、本体部用タイル予備成形体10
a成形用の平板タイル用プレス機100aと、折曲部用
タイル予備成形体20a成形用の平板タイル用プレス機
100bとでは、その基本的機構は同一であるが、図4
に示すように、下型103a,103bの成形部105
a,105b及び押上部107a,107bの寸法及び
形状が相違し、図示はしないが、これに対応して上型1
01の寸法及び形状が相違している。
【0036】図5において、前記タイル予備成形体に
は、本体部10cを形成する本体部用タイル予備成形体
10aと、折曲部20cを形成する折曲部用タイル予備
成形体20aとがある。本体部用タイル予備成形体10
aは、最終的に本体部10cの三角部11c,12c,
13c,14cとなる成形部11a,12a,13a,
14aを有している。なお、15及び21は、タイル予
備成形体成形工程Bにおいて本体部用タイル予備成形体
10a及び折曲部用タイル予備成形体20aに連続して
成形される捨部であり、両タイル予備成形体10a,2
0aが互いに接合されて焼成され最終的に役物タイルと
される際に、図中二点鎖線で示す部分にてそれらから切
除されるものである。即ち、役物タイルの本体部10a
と折曲部20aとの長さが異なる本実施例では、前記下
型101の成形部105は、本体部用タイル予備成形体
10a成形用のものと、折曲部用タイル予備成形体20
a成形用のものとの2種類が用意される。
【0037】なお、本実施例では、本体部用タイル予備
成形体10a成形用の成形部105a及び押上部107
aにより形成される成形空間は、巾103mm×長さ12
0mm×深さ13mmのサイズの直方体状とされ、折曲部用
タイル予備成形体20a成形用の成形部105b及び押
上部107bにより形成される成形空間は、巾103mm
×長さ55mm×厚さ13mmのサイズの直方体状とされて
いる。また、これに合わせて、本体部用タイル予備成形
体10a成形用の上型101のプレス面である下面のサ
イズは、巾103mm×長さ120mmとされ、折曲部用タ
イル予備成形体20a成形用の上型101のプレス面で
ある下面のサイズは、巾103mm×長さ55mmとされて
いる。更に、本実施例では、本体部用タイル予備成形体
10a及び折曲部用タイル予備成形体20aの当接側
(接合側)の端部は、外側面側(図4中上側)の先端角
度を45度とし、内側面側(図4中下側)の先端角度を
135度とした斜状の接合面16及び22とされ、両接
合面16及び22を当接接合したときに、両タイル予備
成形体10a,20aが90度の角度で交差するように
なっている。これにより、本体部用タイル予備成形体1
0a及び折曲部用タイル予備成形体20aの接合面積を
増大し、接合力の向上及び角部強度の増加を図ってい
る。よって、これに対応して、平板タイルプレス機10
0a,100bの押上部107a,107bの一端側
も、図4に示すように、外側面側(図4中上側)の先端
角度を45度とし、内側面側(図4中下側)の先端角度
を135度とした傾斜面とされている。
【0038】図6は図2のタイル成形体成形工程Dで使
用する役物タイル用プレス機の使用状態を概略的に示す
断面図である。役物タイル用プレス機は主型111、下
型113及び上型115を備えている。前記下型113
は、柱及び階段等の施工物のコーナ部の形状に対応して
アングル状(谷形状)に交差する一対のプレス面113
a及び113bを有している。また、上型115は、下
型113の両プレス面113a,113bと対応してア
ングル状(山形状)に交差する一対のプレス面115a
及び115bを有している。本実施例では、両プレス面
113a,113bは直角に交差し、それらの間に稜線
を形成している。同様に、両プレス面115a,115
bは直角に交差し、それらの間に稜線を形成している。
なお、前記上型115は、下型113に対し、油圧シリ
ンダ等の駆動手段により接近及び離間するよう上下動自
在とされている。また、下型113は、油圧シリンダ等
の駆動手段(図示略)により主型111内を上下動自在
となっている。
【0039】次に、上記のような平板タイル用プレス機
及び役物タイル用プレス機を使用した本実施例の役物タ
イルの製造方法を説明する。
【0040】まず、着色原料調整工程Aにおいて、タイ
ル予備成形体10aの形成に使用する着色粉粒体を次の
ように調整して作成した。ここにおいては、長石50
%、陶土20%、カオリン10%、粘土20%からなる
混合粉砕原料を使用し、この混合粉砕原料に黒色顔料
(CoO,Cr23 ,Fe23 系)、青色顔料(Z
rSiO4 (V)系またはZr02 −SiO2 −V2
5 系)をそれぞれ5%ずつ加えたもの及び顔料を添加し
ないものからなる3種類の着色混合粉砕原料を作成し、
これらにそれぞれ水を加え、トロンミル等を使用して混
合粉砕し、泥獎化してからスプレードライヤによって所
定含水率の粉粒体(粒子径;約70μm)に造粒し、黒
色、青色、及び無着色(白色)の着色粉粒体を作成し
た。
【0041】これらの着色粉粒体を使用して、以下のよ
うにしてタイル予備成形体を形成した。
【0042】次に、タイル予備成形体成形工程Bにおい
て、図5(a)に示すように、押上部107aを下動し
て成形位置とし、平板タイル用プレス機100aの下型
103aの本体部用タイル予備成形体10a成形用の成
形部105aの側面と押上部107a上面との間に成形
空間(サイズ;巾103mm×長さ120mm×深さ13mm
の直方体状)を形成した後、高さ(幅)15mmのX字状
の仕切板(図示略)を、タイル成形体10bのタイル予
備成形体10aに対応する平面正方形部分の対角線状に
延びるよう立設配置し、前記成形空間を4つの平面直角
二等辺三角形状の小空間に分割した。その後、成形空間
に形成された4つの小空間の内、前記成形部11a,1
3aに対応する一対の小空間(図5(a)中紙面と直交
する前後方向に配置される小空間)に、前記無着色(白
色)粉粒体及び黒色粉粒体を等量に混合して得た混合粉
粒体を充填し、前記成形部12a,14aに対応する残
り一対の小空間(図5(a)中左右方向に配置される小
空間)には、前記無着色(白色)粉粒体及び青色粉粒体
を等量に混合して得た混合粉粒体を充填した。また、成
形部12aに隣接する成形空間(図5(a)中二点鎖線
より右側の部分)には、捨部15形成用として、成形部
12aと同色の前記無着色(白色)粉粒体及び青色粉粒
体を等量に混合して得た混合粉粒体を充填した。その
後、仕切板を取除き、平板タイル用プレス機100aの
上型101を下動して成形空間内の混合粉粒体をプレス
し、図5(a)に示す、紋様状の着色模様を有する本体
部用タイル予備成形体10a及び捨部15を一体形成し
た。この本体部用タイル予備成形体10aは、上記のよ
うに、接合側端部下面を、押上部107aの傾斜面に合
わせて傾斜させた接合面16としている。
【0043】また、巾103mm×長さ55mm×厚さ13
mmのサイズの成形空間を有する下型103bを使用し
て、その成形空間に無着色(白色)粉粒体及び青色粉粒
体の混合粉粒体を充填し、同様にプレスして、折曲部用
タイル予備成形体20aを得た。即ち、図4(b)に示
すように、押上部107bを下動して成形位置とし、平
板タイル用プレス機100bの下型103bの折曲部用
タイル予備成形体20a成形用の成形部105bの側面
と押上部107b上面との間に成形空間(サイズ;巾1
03mm×長さ55mm×深さ13mmの直方体状)を形成し
た。その後、成形空間に、役物タイル成形時に隣接する
ことになる前記成形部14aと同色の混合粉粒体、即
ち、前記無着色(白色)粉粒体及び青色粉粒体を等量に
混合して得た混合粉粒体を充填した。また、成形部12
aに隣接する成形空間(図5(a)中二点鎖線より右側
の部分)には、捨部15形成用として、成形部14aと
同色の前記無着色(白色)粉粒体及び青色粉粒体を等量
に混合して得た混合粉粒体を充填した。その後、平板タ
イル用プレス機100bの上型101を下動して成形空
間内の混合粉粒体をプレスし、図5(b)に示す、単一
着色模様を有する折曲部用タイル予備成形体20a及び
捨部21を一体形成した。この折曲部用タイル予備成形
体20aは、上記のように、その一側端部下面を、押上
部107bの傾斜面に合わせて傾斜させた接合面22と
している。
【0044】このタイル予備成形体成形工程Bとしての
両タイル予備成形体10a,20aの一次プレス成形
は、いずれも50〜100kg/cm2 のプレス圧で実施
し、プレス後の各タイル予備成形体10a,20aの厚
さは10±0.5mmであった。なお、このプレス圧は、
上記範囲に限定するものでなく、原材料としての坏土の
種類、CMC等の接着剤の種類、その配合割合等に応じ
て、一次プレス成形後に、役物タイルプレス機への移動
までの間、その形状を維持できる限りにおいて、その他
の範囲としてもよい。しかし、プレス圧を50kg/cm2
以上とすると、通常使用される原材料によるプレス成形
では、タイル予備成形体10a,20aの形状をより確
実に維持することができる。また、プレス圧を100kg
/cm2 以下とすると、後述する二次プレス成形である役
物タイル成形工程Dにおいて役物形状のタイル成形体を
成形する際に、一次プレス圧力と二次プレス圧力との圧
力比をより大きくして、両タイル予備成形体10a,2
0aのプレス接合をより強固に行うことができる。
【0045】ところで、本体部用タイル予備成形体10
a、折曲部用タイル予備成形体20aの長さ方向一端部
には、上記のように、いずれも、タイルとして必要な部
分の外側に20mm程度の捨部15,22が設けられてお
り、これは、後工程で切断して除去されるものであるた
め、この捨部15,22に形成する部分には、前記のよ
うに無着色(白色)の粉粒体を充填した。なお、捨部1
5,22は、後工程で除去されるものであり、最終製品
たる役物タイルの外観には影響を及ぼさないため、単に
無着色の粉粒体を充填してもよい。また、本体部用タイ
ル予備成形体10a前記仕切板は、本体部用タイル予備
成形体10aを成形するに際して、下型103aの成形
部105bと押上部107aとの間の成形空間内に対角
線状に配設する場合、この約20mmの捨部15を形成す
る部分を除外し、成形空間の巾寸法である103mmを一
辺とした正方形の2本の対角線に沿って配設するように
した。
【0046】上記のようにしてプレス成形した本体部用
タイル予備成形体10a及び折曲部用タイル予備成形体
20aは、押上部107a,107bを上動して、下型
103a,103bの成形部105a,105bから上
方に配置してその取出を容易にし、外部に取出した。
【0047】次に、タイル予備成形体配置工程Cにおい
て、タイル予備成形体成形工程Bで形成した2種類のタ
イル予備成形体10a,20aを最終製品たる役物タイ
ルの形状に対応する役物形状に配置する。即ち、図6に
示すように、前記役物タイル用プレス機の下型113を
下動して、図中実線で示す成形位置とし、下型113の
プレス面113a,113bと主型111の内側面との
間に、役物形状のタイル成形体に対応する形状の成形空
間を形成した。そして、下型113一方のプレス面11
3aに本体部用タイル予備成形体10aを、他方のプレ
ス面113bに折曲部用タイル予備成形体20aをそれ
ぞれ配置した。具体的には、まず、本体部用タイル予備
成形体10aを、その長さ方向一端(図中左端)の傾斜
面たる接合面16の鋭角部を下方とし、その鋭角部が谷
形の下型113の両プレス面113a,113b間に形
成される直角の角部の稜線と一致するよう、一方のプレ
ス面113aに配置した。
【0048】次いで、折曲部用タイル予備成形体20a
を、本体部用タイル予備成形体10aが既に配置された
下型113の他方のプレス面113bに、その長さ方向
一端(図中右端)の傾斜面たる接合面22の鋭角部を下
方とし、その鋭角部が両プレス面113a,113b間
に形成される直角の角部の稜線と一致するよう、配置し
て、接合面22を前記本体部用タイル予備成形体10a
の接合面16に密接させた。このとき、両タイル予備成
形体10a,20aは同一厚さとされ、接合面16,2
2の傾斜角度も鋭角部を45度として同一とされている
ため、接合面16,22の形状及び面積は同一となり、
両接合面16,22はずれることなく完全に一致して接
触する。また、密接配置した後の両接合面16,22の
鋭角部により形成される角部は90度の角度となるた
め、下型113の両プレス面113a,113b間の稜
線部の角度と同一となり、両タイル予備成形体10a,
20aは、両プレス面113a,113bに対しても確
実に密接する。
【0049】なお、本体部用タイル予備成形体10a及
び折曲部用タイル予備成形体20aは、それぞれの捨部
15,22に相当する幅方向他端部分が外側となるよう
に配置した。
【0050】こうして谷形の下型113の両プレス面1
13a,113bに両タイル予備成形体10a,20a
を配置した状態は図6に示すようになった。
【0051】そして、役物タイル成形体形成工程Dにお
いて、両タイル予備成形体10a,20aが配置された
下型113に対し上型115を下動して接近させ、谷形
状の下型113のプレス面113a,113bと、これ
に対応する山形状の上型115のプレス面115a,1
15bとの間で、両タイル予備成形体10a,20aを
プレスして、これらを前記接合面16,22で接合して
一体に成形し、本体部用タイル予備成形体10aを本体
部用タイル成形体10bとし、折曲部用タイル予備成形
体20aを折曲部用タイル成形体20bとした。これに
より、図6に示す用に、上面及び下面が隙間なく連続し
て、角部の接続境界線が露出せず消失したアングル板状
のタイル成形体10b,20bが得られた。
【0052】ここで、前記両タイル予備成形体10a,
20aを配置する下型113のプレス面113a,11
3bのサイズは、本体部用タイル予備成形体10a用の
部分では、巾105mm×長さ123mmとし、折曲部用タ
イル予備成形体20a用の部分では、巾105mm×長さ
57mmとすると共に、下型113の下動範囲は、主型の
内側面上端から下方に10mmとした。これにより、前記
役物形状の成形空間のサイズは、本体部用タイル予備成
形体10a用の部分では、巾105mm×長さ123mm×
深さ10mm、折曲部用タイル予備成形体20a用の部分
では、巾105mm×長さ57mm×深さ10mmとなってい
る。ここで、かかる二次プレス成形における役物タイル
用プレス機の成形空間の深さが、前記タイル予備成形体
成形工程Bの一次プレス成形における平板タイル用プレ
ス機の成形空間の深さより若干(数mm程度)小さいの
は、二次プレス成形時においてタイル予備成形体10
a,20aを厚さ方向に圧縮してプレス圧により接合面
16,22で確実かつ強固に接合するためである。ま
た、二次プレス成形における役物タイル用プレス機の成
形空間の巾及び長さが、タイル予備成形体成形工程Bの
一次プレス成形における平板タイル用プレス機の成形空
間の巾及び長さより若干(数mm程度)大きいのは、二次
プレス成形時において、タイル予備成形体10a,20
aの厚さ方向への圧縮に伴い、材料が面方向に延伸する
ことを考慮して逃げ空間を用意するためである。
【0053】なお、本実施例では、役物タイル成形体形
成工程Dとしての二次プレス成形のプレス圧は、前記タ
イル予備成形体成形工程Bの一次プレス圧を50〜10
0kg/cm2 とした関係上、300kg/cm2 とし、プレス
後の役物形状のタイル成形体10b,20bは、厚さ約
8mmまで圧縮された。なお、このプレス圧は、上記圧力
に限定するものでなく、原材料としての坏土の種類、C
MC等の接着剤の種類、その配合割合、一次プレス圧等
に応じて、二次プレス成形により両タイル予備成形体1
0a,20aを角部で確実に接合できる限りにおいて、
その他の値としてもよい。しかし、二次プレス圧を一次
プレス圧の好ましくは2倍以上、更に好ましくは3倍以
上とすると、両タイル予備成形体10a,20aの接合
をより確実かつ強固に行うことができ、役物形状のタイ
ル成形体全体の形状も強固なものとでき、最終製品たる
役物タイル自体の製品品質をも向上できる。即ち、一次
プレス圧との圧力比が大きくなればなる程、両タイル予
備成形体10a,20aのプレス接合をより強固に行う
ことができる。
【0054】上記のようにして成形した役物形状のタイ
ル成形体10b,20bは、上型115を上動して引上
げ、下型113から離間した後、下型31を捕集レベル
まで押上げて、タイル成形体10b,20bの上面を図
6中二点鎖線で示す位置とし、主型111上端から上方
に配置してその取出を容易とし、外部に取出した。
【0055】こうして成形された役物形状のタイル成形
体10b,20bの両端部には、前述したようにタイル
必要部分の外側に20mm程度の捨部15、21が連続し
て一体的に設けられており、この捨部15,21は、図
6に示す二点鎖線を切断線として、カッターで切断して
除去された。なお、この役物形状のタイル成形体10
b,20bは、一次プレス成形時の数倍という十分な二
次プレス圧を掛けて成形されたプレス成形体であるか
ら、壊そうと意図しない限り、捨部15,21の切断ま
たは整形等、手作業による工程にも十分耐え得る強度を
有するものであった。また、両タイル予備成形体10
a,20aの接合部分である角部は、端部を直角とした
場合より大面積の接合面16,22で接合されているた
め、角部強度も十分大きくすることができた。
【0056】そして、次の焼成工程Eにおいて、タイル
成形体成形工程Dで形成された役物形状のタイル成形体
を、シャモット質サヤ中に適当な間隔を開けて詰め、1
200℃で4時間焼成し、焼結した。焼結により、役物
形状のタイル成形体の厚さは、前記約8mmから約7.5
mmとなり、最終製品たる役物タイルが得られた。
【0057】即ち、この役物タイルは、図1(a)に示
すように、直角の角部25の両側に、巾100mm,長さ
100mm,厚さ7.5mmの本体部10cと、巾100m
m,長さ35mm,厚さ7.5mmの折曲部20aを有して
いる。また、本体部10cの表面には、その表面を仕切
る2本の対角線により形成された4つの三角部11c〜
14c中の対向するそれぞれの部分に、一方の対の三角
部11c,13cには黒色地に淡い灰色の斑点模様を配
色した紋様を有し、他方の対の三角部12c,14cに
は白色地に淡い青色の斑点模様を有している。そして、
折曲部20aの表面には、隣接する本体部10aの三角
部12cの着色部分と同じ、白色地に淡い青色の斑点模
様が連続して形成されている。
【0058】以上、説明したように、本実施例の役物タ
イルの製造方法で得た役物タイルは、坏土を第1のプレ
ス圧でプレス成形して、塑性変形可能で、かつ、表面に
着色模様を有する板状のタイル予備成形体を成形し、施
工物のコーナ部の形状に対応する形状のプレス面を有す
る下型の前記プレス面に、複数の前記タイル予備成形体
を、前記施工物のコーナ部の形状に対応する形状となる
よう、互いの端部を当接させた状態で配置し、前記下型
のプレス面と対応する形状のプレス面を有する上型を前
記下型に接近駆動し、上型のプレス面と下型のプレス面
との間で前記複数のタイル予備成形体を前記第1のプレ
ス圧より大きい第2のプレス圧でプレス成形して互いに
接合し、前記施工物のコーナ部の形状に対応する形状の
タイル成形体を得ると共に、前記タイル成形体を焼成し
てなるものである。
【0059】したがって、本実施例によれば、表面に着
色模様を有する予め形成された板状のタイル予備成形体
を用いて最終製品たる役物タイルを得るため、タイル予
備成形体の着色模様はそのまま役物タイルの表面に現出
される。その結果、タイル予備成形体の着色模様をその
まま用いて、役物タイルの一般の成形型では得ることが
できないような種々の所望の着色模様を有する役物タイ
ルを得ることができる。また、複数のタイル予備成形体
は、タイル成形体の成形時に、当接側の端部が互いに接
合し、施工物のコーナ部の形状に対応して、継ぎ目のな
い所定の一体形状の成形体に形成され、その後焼成され
て強固に焼結する。その結果、この役物タイルは、見栄
えが良く、かつ、十分な角部強度を有するものとするこ
とができる。更に、単に、隣接する一対のタイル予備成
形体の端部を当接した状態で配置して接合及び焼成する
ことにより、役物タイルを得ることができる。その結
果、原材料部品点数が少なくてすみ、役物タイルの製品
コストを減少することができる。加えて、タイル予備成
形体のプレス成形時のプレス圧より、タイル成形体のプ
レス成形時のプレス圧を大きくすることにより、タイル
予備成形体及びタイル成形体の両者とも、プレス成形に
より成形される。その結果、これらの成形に、比較的簡
単な工程である乾式タイル成形方法としてのプレス成形
を使用して、その製造コストを低減することができる。
【0060】また、本実施例の役物タイルの製造方法
は、坏土を第1のプレス圧でプレス成形して、塑性変形
可能で、かつ、表面に着色模様を有する板状のタイル予
備成形体を成形するタイル予備成形体成形工程と、施工
物のコーナ部の形状に対応する形状のプレス面を有する
下型の前記プレス面に、複数の前記タイル予備成形体
を、前記施工物のコーナ部の形状に対応する形状となる
よう、互いの端部を当接させた状態で配置するタイル予
備成形体配置工程と、前記下型のプレス面と対応する形
状のプレス面を有する上型を前記下型に接近駆動し、上
型のプレス面と下型のプレス面との間で前記複数のタイ
ル予備成形体を前記第1のプレス圧より大きい第2のプ
レス圧でプレス成形して互いに接合し、前記施工物のコ
ーナ部の形状に対応する形状のタイル成形体を得るタイ
ル成形体成形工程と、前記タイル成形体を焼成する焼成
工程とを具備するものである。
【0061】したがって、本実施例によれば、表面に着
色模様を有する予め形成された板状のタイル予備成形体
を用いて最終製品たる役物タイルを得るため、タイル予
備成形体の着色模様はそのまま役物タイルの表面に現出
される。その結果、タイル予備成形体の着色模様をその
まま用いて、役物タイルの一般の成形型では得ることが
できないような種々の所望の着色模様を有する役物タイ
ルを得ることができる。また、複数のタイル予備成形体
は、タイル成形体の成形時に、当接側の端部が互いに接
合し、施工物のコーナ部の形状に対応して、継ぎ目のな
い所定の一体形状の成形体に形成され、その後焼成され
て強固に焼結する。その結果、この役物タイルは、見栄
えが良く、かつ、十分な角部強度を有するものとするこ
とができる。更に、単に、隣接する一対のタイル予備成
形体の端部を当接した状態で配置して接合及び焼成する
ことにより、役物タイルを得ることができる。その結
果、原材料部品点数が少なくてすみ、かつ、製造工程数
を減少して、役物タイルの製造作業性を向上し、製品コ
ストを減少することができる。加えて、タイル予備成形
体のプレス成形時のプレス圧より、タイル成形体のプレ
ス成形時のプレス圧を大きくすることにより、タイル予
備成形体及びタイル成形体の両者とも、プレス成形によ
り成形される。その結果、これらの成形に、比較的簡単
な工程である乾式タイル成形方法としてのプレス成形を
使用して、製造工程を簡単にし、その製造コストを低減
することができる。
【0062】更に、本実施例では、接合面26を45度
の傾斜面としたため、プレス圧が均等に加わり、より確
実な接合が可能となる。また、タイル予備成形体10
a,20aのいずれの端面も意匠面として外部に露出す
ることはなく、表面と端面とで模様が異なるタイル予備
成形体の場合でも、適用可能である。
【0063】〈第二実施例〉 次に、本発明の第二実施例を図1(b)の役物タイルを
例として、図7乃至図9に基づき説明する。なお、以下
に説明する各実施例において、第一実施例と同一符号及
び同一記号は、第一実施例の構成部分と同一または相当
部分を示すものであるから、重複する説明は省略する。
【0064】図1(b)において、役物タイルは、直角
の角部35の両側に、本体部30c、折曲部40cを有
し、本体部30cの表面には、その表面に対称的に配さ
れた一対の半円部31c,33cにそれぞれ黄色及びピ
ンク色を、その間の部分である三角部32c,34cに
白色を対称的に配した紋様を有しており、折曲げ部40
cの表面には、隣接する半円部33cの着色部分と同色
のピンク色を配した反転紋様が連続で形成されている。
なお、角部35の本体部30c表面は厚さ方向に彎曲し
て膨出する水切部37cとされ、キッチンのシンク付近
等の場所に使用された場合に、本体部30c表面に滞留
する水等を本体部30c表面から排出することができる
ようになっている。
【0065】この役物タイルは、図2に示す第一実施例
の製造工程と同様の製造工程により、以下のようにして
製造した。
【0066】図7は本実施例のタイル予備成形体成形工
程Bで使用する平板タイル用プレス機の断面図を示し、
(a)は本体部30c形成用のタイル予備成形体30a
を成形する平板タイル用プレス機の断面図、(b)は折
曲部40c形成用のタイル予備成形体40aを成形する
平板タイル用プレス機の断面図である。図8はタイル予
備成形体を示し、(a)は本体部30c形成用のタイル
予備成形体30aの斜視図、(b)は折曲部40c形成
用のタイル予備成形体40aの斜視図である。
【0067】図7において、平板タイル用プレス機10
0c,100dは、図3に示す第一実施例の平板タイル
用プレス機100と同様の構成を有する一方、押上部1
07c,107dの構成において相違する。また、本実
施例でも、本体部30cと折曲部40cの寸法及び形状
が異なるため、本体部用タイル予備成形体30a成形用
の平板タイル用プレス機100cと、折曲部用タイル予
備成形体40a成形用の平板タイル用プレス機100d
とでは、その基本的機構は同一であるが、図7に示すよ
うに、下型103a,103bの成形部105a,10
5b及び押上部107c,107dの寸法及び形状が相
違し、図示はしないが、これに対応して上型101の寸
法及び形状が相違している。更に、成形部105a,1
05bと共にタイル予備成形体30a,30b用の成形
空間を形成する押上部107c,107dの上面は、単
なる平面状に形成され、タイル予備成形体30a,30
bの当接側端部の接合面は厚さ方向に延びる垂直状とさ
れている。
【0068】図8において、前記タイル予備成形体に
は、本体部30cを形成する本体部用タイル予備成形体
30aと、折曲部40cを形成する折曲部用タイル予備
成形体40aとがある。本体部用タイル予備成形体30
aは、最終的に本体部30cの半円部31c,33c及
び三角部32c,34cとなる成形部31a,32a,
33a,34aを有している。なお、35及び41は、
タイル予備成形体成形工程Bにおいて本体部用タイル予
備成形体30a及び折曲部用タイル予備成形体40aに
連続して成形される捨部であり、両タイル予備成形体3
0a,40aが互いに接合されて焼成され最終的に役物
タイルとされる際に、図中二点鎖線で示す部分にてそれ
らから切除されるものである。即ち、役物タイルの本体
部30aと折曲部40aとの長さが異なる本実施例にお
いても、前記下型101の成形部105は、本体部用タ
イル予備成形体30a成形用のものと、折曲部用タイル
予備成形体40a成形用のものとの2種類が用意され
る。
【0069】なお、本実施例では、本体部用タイル予備
成形体30a成形用の成形部105a及び押上部107
cにより形成される成形空間は、巾103mm×長さ12
0mm×深さ13mmのサイズの直方体状とされ、折曲部用
タイル予備成形体40a成形用の成形部105b及び押
上部107dにより形成される成形空間は、巾103mm
×長さ55mm×厚さ13mmのサイズの直方体状とされて
いる。また、これに合わせて、本体部用タイル予備成形
体30a成形用の上型101のプレス面である下面のサ
イズは、巾103mm×長さ120mmとされ、折曲部用タ
イル予備成形体40a成形用の上型101のプレス面で
ある下面のサイズは、巾103mm×長さ55mmとされて
いる。しかし、上記のように、役物タイルの角部側とな
る成形空間の一端部は、90度で交差する直角状に形成
されている。即ち、本実施例では、本体部用タイル予備
成形体30a及び折曲部用タイル予備成形体40aの当
接側(接合側)の端部は、90度で交差する直角状とさ
れ、本体部用タイル予備成形体30aの接合側の端部
(図7中左端)下面に、折曲部用タイル予備成形体40
aの接合側の端面(図7中左端面)を当接接合して、両
タイル予備成形体30a,40aを90度の角度で交差
配置するようになっている。よって、これに対応して、
平板タイルプレス機100c,100dの押上部107
c,107dの一端側も、図7に示すように、90度の
直角状の垂直面とされている。しかし、本体部用タイル
予備成形体30a成形用の上型101のプレス面である
下面は、図示はしないが、図7(a)に示すタイル予備
成形体30aの上面形状に合致する形状とされ、タイル
予備成形体30aの接合側端部の水切り部37c形成用
の彎曲部37cをプレス成形するようになっている。
【0070】図9は本実施例のタイル成形体成形工程D
で使用する役物タイル用プレス機の使用状態を概略的に
示す断面図である。役物タイル用プレス機は図6に示す
第一実施例の役物タイル用プレス機と同様の構成を有す
る一方、本体部30cに水切部37cを形成するため、
下型123のプレス面123a,123b,123cの
構成において相違する。即ち、前記下型123は、柱及
び階段等の施工物のコーナ部の形状に対応して略アング
ル状(谷形状)に交差する一対のプレス面123a及び
123bと、両プレス面123a,123b間の稜線部
に位置し、前記水切部37cに対応した面形状を有する
凹部123cとを有している。本実施例では、両プレス
面123a,123bは直角に交差している。なお、上
型115は、下型123の両プレス面123a,123
bと対応してアングル状(山形状)に交差する一対のプ
レス面115a及び115bを有している。また、下型
123は、油圧シリンダ等の駆動手段(図示略)により
主型111内を上下動自在となっている。
【0071】次に、上記のような平板タイル用プレス機
及び役物タイル用プレス機を使用した本実施例の役物タ
イルの製造方法を説明する。
【0072】まず、着色原料調整工程Aにおいて、第一
実施例と同一の混合粉砕原料を使用し、この混合粉砕原
料に黄色顔料(チタン黄)、ピンク色顔料(マンガンピ
ンク)をそれぞれ5%加えたもの及び顔料を添加しない
ものからなる3種類の着色混合粉砕原料を作成し、これ
らにそれぞれ水を加え、第一実施例と同様にして粒子径
約70μmに造粒し、黄色、ピンク色、及び無着色(白
色)の着色粉粒体を作成した。
【0073】次に、タイル予備成形体成形工程Bにおい
て、図7(a)に示すように、押上部107cを下動し
て成形位置とし、平板タイル用プレス機100aの下型
103aの本体部用タイル予備成形体30a成形用の成
形部105aの側面と押上部107c上面との間に成形
空間(サイズ;巾103mm×長さ120mm×深さ13mm
の直方体状)を形成した後、2枚の半円形の仕切板(図
示略)を頂点で接するよう、成形部10bのタイル予備
成形体10aに対応する平面正方形部分に立設配置し、
前記成形空間を2つの平面半円状の小空間と、2つの平
面略三角形状の小空間とに分割した。その後、成形空間
に形成された4つの小空間の内、前記成形部31aに対
応する平面半円状の小空間(図7(a)中右端側に配置
される小空間)に、前記無着色(白色)粉粒体及び黄色
粉粒体を混合して得た混合粉粒体を充填し、前記成形部
33aに対応する残りの小空間平面半円状の小空間(図
7(a)中左端側に配置される小空間)には、前記無着
色(白色)粉粒体及びピンク色粉粒体を混合して得た混
合粉粒体を充填した。また、成形部31aに隣接する成
形空間(図4(a)中二点鎖線より右側の部分)には、
捨部35形成用として、前記無着色(白色)粉粒体を充
填した。更に、前記成形部32a,34aに対応する平
面三角状の一対の小空間(図7(a)中紙面と直交する
方向に配置される小空間)には、前記無着色(白色)粉
粒体を充填した。その後、仕切板を取除き、平板タイル
用プレス機100aの上型101を下動して成形空間内
の混合粉粒体をプレスし、図8(a)に示す、紋様状の
着色模様を有する本体部用タイル予備成形体30a及び
捨部35を一体形成した。この本体部用タイル予備成形
体30aは、上記のように、接合側意匠面となる成形部
32a側端部上面を彎曲状に膨出形成した彎曲部37a
としている。
【0074】また、巾103mm×長さ55mm×厚さ13
mmのサイズの成形空間を有する下型103bを使用し
て、その成形空間に無着色(白色)粉粒体及びピンク色
粉粒体の混合粉粒体を充填し、同様にプレスして、折曲
部用タイル予備成形体40aを得た。即ち、図8(b)
に示すように、押上部107dを下動して成形位置と
し、平板タイル用プレス機100dの下型103bの折
曲部用タイル予備成形体40a成形用の成形部105b
の側面と押上部107d上面との間に成形空間(サイ
ズ;巾103mm×長さ55mm×深さ13mmの直方体状)
を形成した。その後、成形空間に、役物タイル成形時に
隣接することになる前記成形部33aと同色の混合粉粒
体、即ち、前記無着色(白色)粉粒体及びピンク色粉粒
体を混合して得た混合粉粒体を充填した。また、成形部
40aに隣接する成形空間(図7(b)中二点鎖線より
右側の部分)には、捨部42形成用として、前記無着色
(白色)粉粒体を充填した。その後、平板タイル用プレ
ス機100bの上型101を下動して成形空間内の混合
粉粒体をプレスし、図8(b)に示す、単一着色模様を
有する折曲部用タイル予備成形体40a及び捨部42を
一体形成した。
【0075】このタイル予備成形体成形工程Bとしての
両タイル予備成形体10a,20aの一次プレス成形
は、いずれも100kg/cm2 のプレス圧で実施し、プレ
ス後の各タイル予備成形体10a,20aの厚さは約1
0mmであった。なお、このプレス圧は、第一実施例同
様、上記値に限定するものでなく、原材料としての坏土
の種類、CMC等の接着剤の種類、その配合割合等に応
じて、一次プレス成形後に、役物タイルプレス機への移
動までの間、その形状を維持できる限りにおいて、その
他の範囲としてもよい。
【0076】ところで、本体部用タイル予備成形体30
a、折曲部用タイル予備成形体40aの長さ方向一端部
には、第一実施例同様、いずれも、タイルとして必要な
部分の外側に20mm程度の捨部15,22が設けられて
おり、これは、後工程で切断して除去される。
【0077】上記のようにしてプレス成形した本体部用
タイル予備成形体30a及び折曲部用タイル予備成形体
40aは、押上部107c,107dを上動して、下型
103a,103bの成形部105a,105bから上
方に配置してその取出を容易にし、外部に取出した。
【0078】次に、タイル予備成形体配置工程Cにおい
て、タイル予備成形体成形工程Bで形成した2種類のタ
イル予備成形体30a,40aを最終製品たる役物タイ
ルの形状に対応する役物形状に配置する。即ち、図9に
示すように、前記役物タイル用プレス機の下型123を
下動して、図中実線で示す成形位置とし、下型123の
プレス面123a,123b,123cと主型111の
内側面との間に、役物形状のタイル成形体に対応する形
状の成形空間を形成した。そして、下型123の一方の
プレス面123aに本体部用タイル予備成形体30a
を、他方のプレス面123bに折曲部用タイル予備成形
体40aをそれぞれ配置した。具体的には、まず、本体
部用タイル予備成形体30aを、その長さ方向一端(図
中左端の彎曲部37aが位置する側)を下方とし、その
彎曲部37aが谷形の下型123の直交する両プレス面
123a,123b間に形成される彎曲凹状のプレス面
123cを有する稜線部と一致するよう、一方のプレス
面123aに配置した。
【0079】このとき、本体部用タイル予備成形体30
aの角部の彎曲部37aと下型123内の角部のプレス
面123cとは、共に整合する彎曲状に形成されている
ため、本体部用タイル予備成形体30aの長さ方向他端
部を下型123の稜線部に密接して配置することができ
る。
【0080】次いで、折曲部用タイル予備成形体40a
を、本体部用タイル予備成形体30aが既に配置された
下型123の他方のプレス面123bに、その長さ方向
一端(図中右端)の直角部を下方とし、その直角部の端
面が本体部用タイル予備成形体30aの端部上面に配置
して密接させた。このとき、密接配置した後の両タイル
予備成形体30a,40aは90度の角度で交差するた
め、両タイル予備成形体30a,40aは、3つのプレ
ス面123a,123b,123cに対して確実に密接
する。
【0081】また、このとき、折曲部用タイル予備成形
体40aは、その長さ方向他端角部を直角に形成されて
いるため、本体部用タイル予備成形体30aの上面に密
接して配置することができ、本体部用タイル予備成形体
30a及び折曲部用タイル予備成形体40aを、上面及
び下面が隙間なく連続する略アングル板状に接続するこ
とができる。
【0082】なお、本体部用タイル予備成形体30a及
び折曲部用タイル予備成形体40aは、それぞれの捨部
35,42に相当する幅方向他端部分が外側となるよう
に配置した。
【0083】こうして谷形の下型123のプレス面12
3a,123b,123cに両タイル予備成形体30
a,40aを配置した状態は図9に示すようになった。
【0084】そして、役物タイル成形体形成工程Dにお
いて、両タイル予備成形体10a,20aが配置された
下型113に対し上型115を下動して接近させ、谷形
状の下型123のプレス面123a,123b,123
cと、これに対応する山形状の上型115のプレス面1
15a,115bとの間で、両タイル予備成形体30
a,40aをプレスして、これらを稜線部側で接合して
一体に成形し、本体部用タイル予備成形体30aを本体
部用タイル成形体30bとし、折曲部用タイル予備成形
体40aを折曲部用タイル成形体40bとした。これに
より、図9に示す様に、上面及び下面が隙間なく連続し
て、角部の接続境界線が露出せず消失したアングル板状
のタイル成形体30b,40bが得られた。
【0085】ここで、前記両タイル予備成形体30a,
40aを配置する下型123のプレス面123a,12
3b,123cのサイズは、本体部用タイル予備成形体
30a用の部分では、巾105mm×長さ123mmとし、
折曲部用タイル予備成形体20a用の部分では、巾10
5mm×長さ57mmとすると共に、下型113の下動範囲
は、主型の内側面上端から下方に10mmとした。また、
上記のように、本体部用タイル予備成形体30a用の部
分において、前記プレス面123cは、彎曲部37aに
対応して所定深さの彎曲凹状とされている。これによ
り、前記役物形状の成形空間のサイズは、本体部用タイ
ル予備成形体30a用の部分では、巾105mm×長さ1
23mm×深さ10mm、折曲部用タイル予備成形体40a
用の部分では、巾105mm×長さ57mm×深さ10mmと
なり、彎曲部37a用の部分では更に大きい深さの彎曲
凹状となっている。
【0086】なお、本実施例では、役物タイル成形体形
成工程Dとしての二次プレス成形のプレス圧は、前記タ
イル予備成形体成形工程Bの一次プレス圧を100kg/
cm2とした関係上、400kg/cm2 とし、プレス後の役
物形状のタイル成形体30b,40bは、彎曲部37a
以外では厚さ約8mmまで圧縮された。なお、このプレス
圧は、第一実施例同様、上記圧力に限定するものでな
く、原材料としての坏土の種類、CMC等の接着剤の種
類、その配合割合、一次プレス圧等に応じて、二次プレ
ス成形により両タイル予備成形体30a,40aを角部
で確実に接合できる限りにおいて、その他の値としても
よい。
【0087】しかし、本実施例は、タイル予備成形体3
0a,40aの接合端部を、第一実施例のように45度
の斜状として接合面積を均等かつ大きくする構成とせ
ず、端に90度の直交状としたため、一次プレス圧に対
する二次プレス圧の圧力比も大きくしている。即ち、二
次プレス圧を400kg/cm2 と大きくすれば、実用に耐
え得る強度の役物タイルを得ることができる。しかし、
この様に二次プレス圧を大きくする場合、接合端部の肉
厚を大きくして、プレス時の圧壊を防止するようにする
ことが好ましい。本実施例は、前記彎曲部37a部分で
肉厚となり、プレス時の圧壊が防止される。また、本実
施例のように接合端部を単に重ね合わせる構成とした場
合、その接合面積が小さく、圧力の偏せきを生じ易い。
したがって、本実施例では、これを補うため、二次プレ
ス圧をより大きくし、接合部分の表面部の肉厚をより大
きくすることにより、圧力バランスを図ると共に、接合
部分の付近で再結合される粒子数を増加することができ
るようになっている。
【0088】上記のようにして成形した役物形状のタイ
ル成形体30b,40bは、上型115を上動して引上
げ、下型123から離間した後、下型123を捕集レベ
ルまで押上げて、タイル成形体30b,40bの上面を
図9中二点鎖線で示す位置とし、主型111上端から上
方に配置してその取出を容易とし、外部に取出した。
【0089】こうして成形された役物形状のタイル成形
体30b,40bの両端部には、前述したようにタイル
必要部分の外側に20mm程度の捨部35、41が連続し
て位置して、カッターで切断して除去された。なお、こ
の役物形状のタイル成形体30b,40bは、一次プレ
ス成形時の数倍という十分な二次プレス圧を掛けて成形
されたプレス成形体であるから、壊そうと意図しない限
り、捨部35,41の切断または整形等、手作業による
工程にも十分耐え得る強度を有するものであった。
【0090】そして、次の焼成工程Eにおいて、タイル
成形体成形工程Dで形成された役物形状のタイル成形体
を、シャモット質サヤ中に適当な間隔を開けて詰め、1
200℃で4時間焼成し、焼結した。焼結により、役物
形状のタイル成形体の彎曲部37a以外の部分の厚さ
は、前記約8mmから約7.5mmとなり、最終製品たる図
1(b)に示す役物タイルが得られた。
【0091】この様にして得られた役物タイルは、本体
部30cと折曲部40cの角部35となる端部を端に重
ね合わせて接合しているため、本体部30cの端面が折
曲部40cから露出するが、連続する本体部30cの半
円部33cと折曲部40cとは同一の色及び模様である
ため、外観に影響を及ぼすことはない。また、プレス成
形により両者は高圧で接合されるため、その表面に境界
線となる接合線が現れて意匠的効果を損なうこともな
い。
【0092】とくに、本実施例は、水切り部37cによ
り、キッチンテーブルの角部用の水止め等の使用目的に
最適であり、かかる分野における利用が期待できる。
【0093】〈参考例〉 次に、本発明の参考例を図1(c)の役物タイルを例と
して、図10乃至図12に基づき説明する。なお、図1
2は参考図であり、役物タイルの製造方法の一工程を示
すものではない。
【0094】図1(c)において、役物タイルは、直角
の角部65の両側に、本体部50c、折曲部60cを有
し、本体部50c及び折曲部60cのいずれの表面に
も、白色、青色、褐色の3色からなる流れ状の紋様が連
続して形成されている。
【0095】この役物タイルは、図2に示す第一実施例
の製造工程と同様の製造工程により、以下のように製造
した。
【0096】図10は本参考例のタイル予備成形体成形
工程Bで使用する平板タイル用プレス機を示す断面図で
ある。図11はタイル予備成形体を示す斜視図である。
本参考例は、同一の平板タイル用プレス機を使用して、
同一寸法及び形状のタイル予備成形体50aを成形す
る。そして、同一のタイル予備成形体50aを2枚使用
して、1枚はそのままの長寸矩形板状の本体部50c形
成用として使用し、他の1枚は、その長さを所定長に切
断して、短寸の矩形板状の折曲部60c形成用として使
用し、1枚の役物タイルを形成する。ここで、この平板
タイル用プレス機は、第一実施例のものと同様の構成を
有し、下型103aの平面正方形の成形部105aと、
上面一端に傾斜面を有する押上部107aとの間に成形
空間を形成するものであるが、その成形空間は、一辺を
105mmとした平面正方形とされている。
【0097】図12は参考として示すタイル成形体成形
工程Dで使用する役物タイル用プレス機の使用状態を概
略的に示す断面図である。役物タイル用プレス機は主型
131、下型133及び上型135を備えている。前記
下型133は、柱及び階段等の施工物のコーナ部の形状
に対応してアングル状(山形状)に交差する一対のプレ
ス面133a及び133bを有している。また、上型1
35は、下型133の両プレス面133a,133bと
対応してアングル状(谷形状)に交差する一対のプレス
面135a及び135bを有している。本参考例では、
両プレス面133a,133bは直角に交差し、それら
の間に稜線を形成している。同様に、両プレス面135
a,135bは直角に交差し、それらの間に稜線を形成
している。なお、前記上型135は、下型133に対
し、油圧シリンダ等の駆動手段により接近及び離間する
よう上下動自在とされている。また、下型133は、油
圧シリンダ等の駆動手段(図示略)により主型131内
を上下動自在となっている。
【0098】次に、上記のような平板タイル用プレス機
及び役物タイル用プレス機を使用した本参考例の役物タ
イルの製造方法を説明する。
【0099】まず、着色原料調整工程Aにおいて、タイ
ル予備成形体を以下に説明するように形成した。
【0100】第一実施例と同様の混合粉砕原料に、白色
顔料(ZrO2 −SiO2 系またはジルコン)、褐色顔
料(Fe23 −ZnO系)、青色顔料(ZrO2 −S
iO2 −V25 系またはジルコン青系)の各顔料をそ
れぞれ5%加え、そして、含水率20%となるように水
を更に加えて混練し、白色、褐色及び青色の3種類の着
色坏土を作成した。そして、それら3種類の着色坏土
を、それぞれ、図11に示す、押出成形機(図示略)に
投入し、直径25mmの図示しない口金を通して、直径2
5mmの円形の断面で1000mmの長さを有する白色、褐
色及び青色の着色丸棒材を成形後、それら3種類の着色
丸棒材を、4列、4段に、無作為に配色して集積した。
そして、その集積体を25mmの巾で、長さ方向に垂直に
切断し、その切断片を50℃で風乾等して半乾燥し、こ
の半乾燥した切断片を、第一実施例で用いた平板タイル
用プレス機100aの下型103aの成形部105a
に、切断面を上にして配置し、プレス圧50kg/cm2
プレスし、タイル予備成形体50aの未乾燥物を成形し
た。なお、このプレス時に、この切断片は変形し、押し
広げられて、表面に流れ状の紋様が形成されたタイル予
備成形体50cの未乾燥物が得られた。形成されたタイ
ル予備成形体50aの未乾燥物は、100℃で長時間乾
燥した。このようにして、図11に示す予備タイル成形
体50aが得られた。なお、このタイル予備成形体50
aは、上記のように、接合側端部下面を、押上部107
aの傾斜面に合わせて傾斜させた接合面56としてい
る。
【0101】ここで、本参考例では、上記のように、一
辺が105mmで、第一実施例同様、一端に傾斜角45度
の傾斜面56を有する正方形板状の同一のタイル予備成
形体50aを2枚使用するが、これは、押出成形及びそ
の後の切断により、タイル予備成形体50aの表面と裏
面に現れる模様に殆ど差がないため、本体部50c用の
タイル予備成形体と折曲部60c用のタイル予備成形体
とをあえて区別して形成する必要がないためである。即
ち、本参考例では、同一のタイル予備成形体50aを形
成し、本体部50c用としては、そのままの長寸矩形板
状のものを使用し、折曲げ部60c用としては、その長
さを所定長に切断した短寸の矩形板状のものを使用して
いる。
【0102】このタイル予備成形体成形工程Bとしての
タイル予備成形体50aの一次プレス成形は、50kg/
cm2 のプレス圧で実施したが、このプレス圧は、上記値
に限定するものでなく、原材料としての坏土の種類、C
MC等の接着剤の種類、その配合割合等に応じて、押出
成形後の棒状体を所定形状に一次プレス成形できる限り
において、その他の範囲としてもよい。
【0103】なお、上記のように、本参考例のタイル予
備成形体50aには捨部は設けられていない。
【0104】次に、タイル予備成形体配置工程Cにおい
て、タイル予備成形体成形工程Bで形成した2枚のタイ
ル予備成形体50aを最終製品たる役物タイルの形状に
対応する役物形状に配置する。即ち、参考図としての
12に示すように、前記役物タイル用プレス機の下型1
33を下動して、図中実線で示す成形位置とし、下型1
33のプレス面133a,133bと主型131の内側
面との間に、役物形状のタイル成形体に対応する形状の
成形空間を形成した。そして、下型133の一方のプレ
ス面133aにタイル予備成形体50aを本体部用とし
て、他方のプレス面133bにタイル予備成形体50a
を折曲部用としてそれぞれ配置した。具体的には、ま
ず、本体部用タイル予備成形体50aを、その長さ方向
一端(図中左端)の傾斜面たる接合面56の鋭角部を上
方とし、その鈍角部側端縁が谷形の下型133の両プレ
ス面133a,133b間に形成される直角の角部の稜
線と一致するよう、一方のプレス面133aに配置し
た。
【0105】次いで、折曲部用タイル予備成形体50a
を、本体部用タイル予備成形体50aが既に配置された
下型133の他方のプレス面133bに、その長さ方向
一端(図中右端)の傾斜面たる接合面22の鋭角部を上
方とし、その鈍角部側端縁が両プレス面133a,13
3b間に形成される直角の角部の稜線と一致するよう、
配置して、その接合面56を前記本体部用タイル予備成
形体50aの接合面56に密接させた。このとき、両タ
イル予備成形体50aは同一であり、接合面56の傾斜
角度も鋭角部を45度として同一であるため、接合面5
6の形状及び面積は同一となり、両接合面56はずれる
ことなく完全に一致して接触する。また、密接配置した
後の両接合面56の鋭角部により形成される角部は90
度の角度となるため、下型133の両プレス面133
a,133b間の稜線部の角度と同一となり、両タイル
予備成形体50aは、両プレス面133a,133bに
対しても確実に密接する。
【0106】こうして山形の下型133の両プレス面1
33a,133bに両タイル予備成形体50aを配置し
た状態は図12に示すようになった。
【0107】なお、本参考例においてこのように切断し
て折曲げ部1cを形成したのは、タイル予備成形体2の
表面に施される紋様が流れ状の紋様であり、角型以外で
は同一の模様が得にくいためであり、そして切断された
捨部は別の役物タイルの製造に利用するようにした。
【0108】そして、役物タイル成形体形成工程Dにお
いて、両タイル予備成形体50aが配置された下型13
3に対し上型135を下動して接近させ、山形状の下型
133のプレス面133a,133bと、これに対応す
る谷形状の上型135のプレス面135a,135bと
の間で、両タイル予備成形体50aをプレスして、これ
らを前記接合面56で接合して一体の役物形状に成形
し、この役物タイル形状の成形体を100℃以下で十分
に乾燥し、本体部用タイル予備成形体50aを本体部用
タイル成形体50bとした。また、折曲部用タイル予備
成形体50aは、折曲部60cの長さに対応して、接合
面56側端から50mmの位置(図12中二点鎖線で示す
位置)で、両側面と直角にカッターで切断し、折曲部用
タイル成形体60bとした。これにより、図12に示す
ように、上面及び下面が隙間なく連続して、角部の接続
境界線が露出せず消失したアングル板状のタイル成形体
50b,60bが得られた。
【0109】ここで、前記両タイル予備成形体50aを
配置する下型133のプレス面133a,133bのサ
イズは、いずれも、巾107mm×長さ107mmの平面正
方形とし、下型133の下動範囲は、主型の内側面上端
から下方に15mmとした。これにより、前記役物形状の
成形空間のタイル予備成形体50a用部分のサイズは、
巾107mm×長さ107mm×深さ15mmとなっている。
【0110】なお、本参考例では、役物タイル成形体形
成工程Dとしての二次プレス成形のプレス圧は、前記タ
イル予備成形体成形工程Bの一次プレス圧を50kg/cm
2 とした関係上、300kg/cm2 とした。これにより、
本体部用のタイル成形体50bは巾100mm×長さ10
0mm×厚さ8mmの正方板状となり、折曲部用のタイル成
形体60bは巾100mm×長さ50mm×厚さ8mmの長方
板状となった。なお、このプレス圧は、上記圧力に限定
するものでなく、原材料としての坏土の種類、CMC等
の接着剤の種類、その配合割合、一次プレス圧等に応じ
て、二次プレス成形により両タイル予備成形体10a,
20aを角部で確実に接合できる限りにおいて、その他
の値としてもよい。しかし、一次プレス圧との圧力比が
大きくなればなる程、両タイル予備成形体50aのプレ
ス接合をより強固に行うことができ、最終製品たる役物
タイルの角部強度を増大することができる。
【0111】上記のようにして成形した役物形状のタイ
ル成形体50b,60bは、上型135を上動して引上
げ、下型133から離間した後、下型133を捕集レベ
ルまで押上げて、タイル成形体50b,60bの上面を
図12中二点鎖線で示す位置とし、主型131上端から
上方に配置してその取出を容易とし、外部に取出した。
【0112】なお、この役物形状のタイル成形体50
b,60bは、湿式による棒状体成形後に一次プレス成
形を行い、更にその時の数倍という十分な二次プレス圧
を掛けて成形されたプレス成形体であるから、壊そうと
意図しない限り、手作業による工程にも十分耐え得る強
度を有するものであった。また、両タイル予備成形体5
0aの接合部分である角部は、端部を直角とした場合よ
り大面積の接合面56で接合されているため、角部強度
も十分大きくすることができた。
【0113】そして、次の焼成工程Dにおいて、タイル
成形体成形工程Cで形成された役物形状のタイル成形体
を、シャモット質サヤ中に適当な間隔を開けて詰め、1
200℃で4時間焼成し、焼結した。
【0114】このようにして得られた役物タイルは、図
1(c)に示すように、直角の角部65の両側に、巾1
00mm,長さ100mm,厚さ10mmの本体部50cと巾
100mm,長さ50mm,厚さ10mmの折曲部60cを有
している。また、本体部50c及び折曲部60cの表面
には、白色、青色、褐色の3色からなる3つの部分51
c,52c,53c,61c,62c,63cより構成
される流れ状のまだら紋様が連続して形成されている。
【0115】本参考例では、タイル予備成形体を湿式加
工により形成するため、粒子間の距離が小さくなってお
り、一次成形時のプレス圧力は50kg/cm2 とし、二次
成形時のプレス圧を300kg/cm2 として、十分な強度
のタイル成形体を得ることができる。
【0116】〈第四実施例〉 本発明の第四実施例を図13に基づき説明する。
【0117】図13は役物タイル用プレス機の上型の稜
線部を示す要部斜視図であり、(a)は第一及び第二実
施例で使用した役物タイル用プレス機の上型の稜線部
を、(b)は第1の変更例としての上型の稜線部を、
(c)は第2の変更例としての上型の稜線部を示す。
【0118】即ち、図13(a)の上型115の両プレ
ス面115a,115b間の稜線部は、単なる直角に形
成されている。しかし、図13(b)に示す上型145
の両プレス面145a,145b間の稜線部は、直角部
分から更に下方に突出する断面略半円状の加圧補助突部
145cとされている。また、図13(c)に示す上型
155の両プレス面155a,155b間の稜線部に
は、直角部分から更に下方に突出する断面略半円状の複
数の加圧補助突部155cが、稜線方向に所定間隔で配
置されている。
【0119】例えば、上記実施例のように、タイルの寸
法が巾100mm、厚さ10mm以下のように通常の寸法で
ある場合は、タイル予備成形体の一次成形時のプレス圧
を100kg/cm2 とし、これを役物形状とする二次成形
時のプレス圧を400kg/cm2とするように、単にプレス
圧を調整するだけで、両タイル予備成形体の接合はその
稜線方向全体にわたって良好に行われる。これは、第二
実施例のように、接合端部を単に重ね合わせた場合も同
様である。しかし、タイルの寸法がそれ以上の値、例え
ば、巾150mmまたは厚さ20mmを超える値となる場合
は、役物形状のタイル成形体を成形する二次プレス成形
においては、単にプレス圧を増加するだけでは、上型の
稜線部から、両タイル予備成形体の接合部の特に稜線方
向両端部に十分なプレス圧が加わらない可能性がある。
よって、特に両タイル予備成形体の接合部の特に稜線方
向両端部等、プレス圧が十分伝達されないと考えられる
部分に他の部分より一層大きなプレス圧を加えるべく、
前記加圧補助突部145c、155cを設ける。これに
より、接合部の粒子密度をより高くし、加圧効果を一層
向上して、十分な角部強度を得ることができる。
【0120】〈第五実施例〉 次に、本発明の第五実施例を図14の役物タイル(キャ
ップコーナタイル)を例として、図14乃至図16に基
づき説明する。
【0121】図14は本発明の第五実施例の役物タイル
を示す斜視図である。
【0122】図14に示す役物タイルは、上記各実施例
の製造方法により製造された3枚の平板部201,20
2,203より、六面体のうちの任意の3面を開放した
形状に形成されている。そして、第1の平板部201の
意匠面(上面)において、第2及び第3の平板部20
2,203との接合部には、第二実施例の水切り部と同
様の水切部201aが形成され、上面に滞留する水等の
排出を行うようになっている。この役物タイルは、図2
に示す製造方法と同様の製造方法により、上記各実施例
の平板状のタイル予備成形体を二次プレス成形、焼成等
して得られるものであるが、3枚の平板部201,20
2,203を使用して六面体のうちの任意の3面を開放
した形状に形成される点において、アングル板状に形成
される上記第一乃至第二実施例と異なる。
【0123】図15は本発明の第五実施例の役物タイル
を製造する役物タイル用プレス機を示す斜視図であり、
(a)は上型としての雄型を、(b)は下型としての雌
型を示す。図16は本発明の第五実施例の役物タイルを
製造する役物タイル用プレス機を示す断面図である。
【0124】この役物タイル用プレス機は、プレス面2
11a,211b,211c,211dを有する大寸立
方体状の雌型211及びプレス面213a,213b,
213cを有する小寸立方体状の雄型213からなる。
雌型211のプレス面211a〜211dは、製造する
役物タイルの3つの直交する表面(意匠面)の各々と対
応する凹部形状をなし、プレス面211aのプレス面2
11b側端部及びプレス面211c側端部には、前記水
切部201aに対応する彎曲凹状のプレス面211dが
連続してアングル状に延びるよう設けられている。雄型
213のプレス面213a〜213cは、雌型211の
プレス面211a〜211cに対応して、製造する役物
タイルの3つの直交する裏面の各々と対応する平面形状
をなしている。そして、雄型213は、駆動手段(図示
略)により雌型211に接近及び離間する方向(図15
の紙面と直交する方向)に移動自在とされ、雌型211
のプレス面211a〜211dからなる切欠き内に完全
に収容され、プレス面211a〜211cの周囲の面に
密接された状態で、プレス面211a〜211dとの間
に、製造する役物タイルに対応する形状の成形空間を形
成するようになっている。なお、雄型213のプレス面
213a〜213cと反対側の角部は切欠かれ、前記駆
動手段に駆動接続される駆動側面213dとされてい
る。
【0125】本実施例の役物タイルを製造するには、ま
ず、上記各実施例と同様、着色原料調整工程Aにより所
望の着色原料を用意し、タイル予備成形体成形工程によ
り各平板部201,202,203形成用のタイル予備
成形体を成形し、タイル予備成形体配置工程Cにおい
て、これら3枚のタイル予備成形体を図15及び16の
役物タイル用プレス機の雌型211の所定プレス面21
1a〜211dに配置した。そして、タイル成形体成形
工程Dにおいて、雄型213を駆動して雌型214に接
近駆動し、プレス面211a〜211dの各々に対しプ
レス面213a〜213cの対応する各々を所定のプレ
ス圧力でプレスして、それらの間でタイル予備成形体を
一次プレス成形し、役物形状(コーナキャップ形状)の
タイル成形体を得た。その後、タイル成形体を雌型21
1から取り出し、焼成工程Eにおいて焼成して図14に
示す役物タイルを得ることができた。
【0126】なお、上記タイル成形体成形工程Dにおい
て、雌型211は、そのプレス面211a〜211d
を、図16に示す内方の成形位置と、前記成形位置から
外方に突出して、二次プレス後のタイル成形体の取出し
を容易にする取りだし位置との間で移動自在な構成とす
ることが好ましい。そのため、タイル成形体の開放端部
は、二次プレス成形まではプレス面211a〜211d
の移動方向と平行に延びる斜状に形成されており、焼成
前にカッターにより切除されて直角端部とされる。な
お、上記各工程における製造条件等は、上記各実施例に
準じる。また、各タイル予備成形体の接合部は、第二実
施例と同様の直交面とされているが、第一実施例と同様
の傾斜する接合面としてもよい。
【0127】〈第六実施例〉 本発明により製造可能な種々の役物形状の役物タイルを
図17に示す。
【0128】(a)の役物タイルは、上記各実施例と同
様にして得られる一次成形体としてのタイル予備成形体
を合計4枚使用し、下型及び上型(または雌型及び雄
型)の両プレス面間に形成される成形空間を、六面体の
6面のうちの任意の2面を開放した形状として、六面体
の6面のうちの任意の2面を開放した形状にタイル予備
成形体を配置した後、これらを両型により二次プレス成
形してタイル成形体を成形し、かかる形状のタイル成形
体を焼成して得られるものである。
【0129】(b)の役物タイルは、参考として示すも
ので、上記各実施例と同様にして得られる一次成形体と
してのタイル予備成形体を合計5枚使用し、下型及び上
型(または雌型及び雄型)の両プレス面間に形成される
成形空間を、六面体の6面のうちの任意の1面を開放し
た形状として、六面体の6面のうちの任意の1面を開放
した形状にタイル予備成形体を配置した後、これらを、
両型により二次プレス成形してタイル成形体を成形し、
このタイル成形体を焼成して得られるものである。かか
る役物タイルは、長さ方向一端を閉塞すると共に、他端
を開放した中空の四角柱状をなし、石碑等に適用可能で
あり、この場合、通常の石材による石碑と比較して、そ
の製造が容易かつ迅速であり、製品としては軽量となっ
て取扱いが容易となり、コストも低減できる。
【0130】(c)の役物タイルは、上記各実施例と同
様にして得られる一次成形体としての平板状の2枚のタ
イル予備成形体と、上記実施例の平板タイル用プレス機
の成形空間を彎曲板状に変形したプレス機により一次成
形される四分円弧状の2枚のタイル予備成形体とを使用
し、下型及び上型(または雌型及び雄型)の両プレス面
間に形成される成形空間を断面円弧状(U字状)とし、
この成形空間にタイル予備成形体を配置した後、これら
を、両型により二次プレス成形し、図中二点鎖線で示す
位置で接合して断面円弧状(U字状)のタイル成形体を
成形し、このタイル成形体を焼成して得られるものであ
る。
【0131】(d)の役物タイルは、参考として示すも
ので、上記実施例の平板タイル用プレス機の成形空間を
彎曲板状に変形したプレス機により一次成形される四分
円弧状の4枚のタイル予備成形体とを使用し、下型及び
上型(または雌型及び雄型)の両プレス面間に形成され
る成形空間を円筒状とし、この成形空間にタイル予備成
形体を配置した後、これらを、両型により二次プレス成
形し、図中二点鎖線で示す位置で接合して円筒状のタイ
ル成形体を成形し、このタイル成形体を焼成することに
より得られるものである。
【0132】(e)の役物タイルは、上記実施例の平板
タイル用プレス機の成形空間を彎曲板状に変形したプレ
ス機により一次成形される八分円弧状の2枚のタイル予
備成形体とを使用し、下型及び上型(または雌型及び雄
型)の両プレス面間に形成される成形空間を断面四分円
弧状とし、この成形空間にタイル予備成形体を配置した
後、これらを、両型により二次プレス成形し、図中二点
鎖線で示す位置で接合して断面四分円弧状のタイル成形
体を成形し、このタイル成形体を焼成することにより得
られるものである。
【0133】(f)の役物タイルは、上記各実施例と同
様にして得られる一次成形体としての平板状の1枚のタ
イル予備成形体と、上記実施例の平板タイル用プレス機
の成形空間を彎曲板状に変形したプレス機により一次成
形される八分円弧状の2枚のタイル予備成形体とを使用
し、下型及び上型(または雌型及び雄型)の両プレス面
間に形成される成形空間を断面半蒲鉾状とし、この成形
空間にタイル予備成形体を配置した後、これらを、両型
により二次プレス成形し、図中二点鎖線で示す位置で接
合して断面半蒲鉾状のタイル成形体を成形し、このタイ
ル成形体を焼成することにより得られるものである。
【0134】(g)の役物タイルは、参考として示すも
ので、上記各実施例と同様にして得られる一次成形体と
しての平板状の1枚のタイル予備成形体と、上記実施例
の平板タイル用プレス機の成形空間を彎曲板状に変形し
たプレス機により一次成形される四分円弧状の2枚のタ
イル予備成形体とを使用し、下型及び上型(または雌型
及び雄型)の両プレス面間に形成される成形空間を断面
蒲鉾状とし、この成形空間にタイル予備成形体を配置し
た後、これらを、両型により二次プレス成形し、図中二
点鎖線で示す位置で接合して断面半蒲鉾状のタイル成形
体を成形し、このタイル成形体を焼成することにより得
られるものである。
【0135】上記(a)乃至(f)の各変更例において
特に(e)以外の役物タイルを製造するには、役物タイ
ルの外面を形成する雌型を、複数に、例えば、図中二点
鎖線で示す位置で分割した割り型とすることが好まし
く、この場合、製造が一層容易となり、製造効率を更に
向上できると共に、製品品質をより向上できる。また
(e)の役物タイルの製造に、図中二点鎖線で示す位置
で分割した割り型を使用してもよい。この割り型は、所
望により、何分割としても良い。更に、参考として示す
(b),(d),(g)等に示す筒状の役物タイルの場
合、内面を形成する雄型として、ラバープレス等の径方
向に膨脹する型を使用してもよく、この場合、筒状体の
成形をより良好かつ精度良く行うことができ、製造効率
を更に向上できると共に、製品品質をより向上できる。
【0136】〈第七実施例〉 図18は本発明の第七実施例の役物タイルの製造方法を
示す断面図である。
【0137】本実施例の役物タイルは、図18に示すよ
うに、第二実施例の役物タイルの折曲部用タイル予備成
形体40aの接合側端部内面に、その厚さ方向に突出す
る断面半円上の接合補助突部43を、当接側の端部に沿
って形成したものであり、その他の構成は第二実施例と
同様である。
【0138】本実施例は、接合補助突部43が、隣接す
る一対のタイル予備成形体30a,40aのプレス成形
による接合時に、その接合部分に加わるプレス圧力の方
向を接合面と交差する方向へと変更し、プレスによる接
合効果を大きくし、また、接合部分の強度を向上する。
その結果、役物タイルの接合強度が増加し、その角部強
度を一層大きくして、製品品質乃至信頼性を向上するこ
とができる。なお、前記接合補助突部43は、厚さ方向
に突出し、両タイル予備成形体の接合を促進する限りに
おいて、断面半円形以外の形状としてもよい。
【0139】ところで、上記各実施例において、角部を
介して接合されるタイルは、同じ長さであることを含め
て任意の長さであることができ、また、角部も直角以外
の任意の角度のまたは湾曲したものであることができ
る。更に、本発明は、断面三角、五角、六角、八角等の
多角筒状、若しくは、8の字筒状としたり、更にこれら
の一方の端部を閉塞した有底筒状としたり、これらの側
面の任意の面または部分を開放した形状としたり、複数
の平板状、彎曲板状等の板状のタイルを接合して得られ
る種々の形状の役物タイルに適用可能である。加えて、
本発明は、その製品寸法を上記実施例に限定されるもの
ではなく、大型のテーブル等、大寸板状の製品にも適用
できる。
【0140】また、本発明で使用する装置は、上記各実
施例に記載の装置に限定されるものではなく、窯業業界
等で既に使用されている各種の装置を適宜選定して、ま
たは適宜変更して使用すればよい。
【0141】更に、上記各実施例は、着色原料調整工程
A、タイル予備成形体成形工程B、タイル予備成形体配
置工程C、タイル成形体成形工程D及び焼成工程Eから
なり、かかる工程により得られる役物タイルの表面及び
裏面は、素焼きのままの自然な風合い及び質感を有し
て、独特の意匠的効果を奏すると共に、床材等として使
用された場合に、滑り止め効果を有するものである。し
かし、本発明は、焼成工程Eの後に、研磨工程を加え、
役物タイルの少なくとも意匠面を研磨して艶出ししても
よい。この場合、役物タイルの意匠面は釉薬処理を施し
た場合と同等の艶を有すると共に、発水効果を具備し、
キッチン、浴室、トイレ等、意匠性が重要視され、か
つ、水回りの防水処理も必要とされる施工場所のタイル
貼り施工に好適である。
【0142】かかる研磨工程は、公知の多段式研磨装置
(3段乃至5段)を使用して、各段の研磨機により役物
タイルの面粗さを徐々に小さくして、所望の面粗さとす
るものである。この場合、役物タイルの研磨面は、通
常、1〜2mm研磨されるが、本発明は、模様を構成する
各色材料が厚さ方向全体にわたって設けられるため、模
様が消失することはなく、良好な意匠的効果を維持でき
る。また、本発明をテーブル、柱、床等、長期間使用す
るものに使用した場合は、表面が汚れたときに、その表
面を再度研磨することにより、良好な意匠的効果を回復
でき、その製品寿命を延ばすことができる。
【0143】また、本発明は、上記各実施例のように、
複数の板状のタイル予備成形体の端部を密接させて、直
接接合する構成とするほかに、その接合面間に、シート
状の接合用媒体または粉状の接合用媒体を介装し、接着
性を向上して、その接合を促進及び強化してもよい。か
かる接合用媒体は、上記実施例で原材料中に含まれるC
MC等の公知の接着剤等より形成することができる。な
お、この接合用媒体は、タイル予備成形体の二次プレス
成形時に、タイル予備成形体の接合部に一体化して体積
吸収される程度の厚さ、形状、または量とし、役物タイ
ルの外観に影響を及ぼさないようにすることが好まし
い。また、シート状の接合用媒体は、二次プレス成形時
に、圧壊される程度の強度で十分であり、この場合、粉
状の接合用媒体と同様に、タイル予備成形体の接合部へ
の体積吸収及び一体化が促進されるとう効果がある。
【0144】なお、上記実施例の上型と下型は、逆に下
型と上型として使用することもできる。即ち、本発明を
実施する場合には、一方の型と他方の型として実施でき
る。
【0145】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明にかかる
役物タイルの製造方法においては、表面に着色模様を有
する予め形成された板状のタイル予備成形体を用いて最
終製品たる役物タイルを得るため、タイル予備成形体の
着色模様はそのまま役物タイルの表面に現出される。そ
の結果、タイル予備成形体の着色模様をそのまま用い
て、役物タイルの一般の成形型では得ることができない
ような種々の所望の着色模様を有する役物タイルを得る
ことができる。また、複数のタイル予備成形体は、タイ
ル成形体の成形時に、当接側の端部が互いに接合し、施
工物のコーナ部の形状に対応して、継ぎ目のない所定の
一体形状の成形体に形成され、その後焼成されて強固に
焼結する。その結果、この役物タイルは、見栄えが良
く、かつ、十分な角部強度を有するものとすることがで
きる。更に、単に、隣接する一対のタイル予備成形体の
端部を当接した状態で配置して接合及び焼成することに
より、役物タイルを得ることができる。その結果、原材
料部品点数が少なくてすみ、かつ、製造工程数を減少し
て、役物タイルの製造作業性を向上し、製品コストを減
少することができる。そして、下型となる谷形状のプレ
ス面の隣接する互いに接合される前記タイル予備成形体
の当接側の端部は対応する斜面状の端面とし、前記両タ
イル予備成形体の当接側の端部の斜面状の端面を互いに
当接させて配置してプレスするものであるから、表面の
着色模様の絵柄合せが、そのまま役物タイルの表面に正
確に現出される。また、谷形状のプレス面の隣接する互
いに接合される前記タイル予備成形体の当接側の端部は
対応する斜面状の端面とし、前記両タイル予備成形体の
当接側の端部の斜面状の端面を互いに当接させて配置し
上型となる山形状のプレス面でプレスするものである
から、プレスによる圧力がタイル予備成形体の当接側の
端面の圧力が増加し、その斜状の端部を互いに当接して
接合されるから、その接合面積が増大し、その接合強度
が増加し、両端面の接合が良好に行われるという効果が
ある。
【0146】請求項2の発明にかかる役物タイルの製造
方法においては、請求項1の発明に加えて、アングル板
状の役物タイルを得ることができ、役物タイルを、階段
等の段差部または柱の角部等、施工物のコーナ部の形状
に対応して提供することができる。その結果、施工物の
コーナ部の形状が種々変更される場合でも、タイル貼り
施工が簡単になり、作業性が向上する。
【0147】請求項3の発明にかかる役物タイルの製造
方法においては、請求項1の発明に加えて、六面体の6
面のうちの任意の3面を開放した、いわゆるコーナキャ
ップ状の役物タイルを得ることができ、役物タイルを、
階段等の段差部の両端部または柱の角部の両端部等、施
工物のコーナ部の形状に対応して提供することができ
る。その結果、施工物のコーナ部の形状が種々変更され
る場合でも、タイル貼り施工が簡単になり、作業性が向
上する。
【0148】請求項4の発明にかかる役物タイルの製造
方法においては、請求項1の発明に加えて、断面円弧状
の役物タイルを得ることができ、役物タイルを、面取し
た彎曲角部等、施工物のコーナ部の形状に対応して提供
することができる。その結果、施工物のコーナ部の形状
が種々変更される場合でも、タイル貼り施工が簡単にな
り、作業性が向上する。
【0149】請求項5の発明にかかる役物タイルの製造
方法においては、請求項1乃至4の何れか1つに記載の
発明に加えて、役物タイルの角部の意匠面側に水切り部
が一体に形成される。その結果、役物タイルを階段等の
水平面を有する施工物に施工した場合、その水平面に落
下等する水等の液体を、水切り部によって角部と反対方
向に流動して排出することができ、特に、台所のシンク
付近のタイル貼り施工に好適なものとなる。更に、水切
り部が、隣接する一対のタイル予備成形体のプレス成形
による接合時に、その接合部分に加わるプレス圧力の方
向を変更し、また、接合部分の強度を向上する。その結
果、役物タイルの接合強度が増加し、その角部強度を一
層大きくして、製品品質乃至信頼性を向上することがで
きる。
【0150】請求項6の発明にかかる役物タイルの製造
方法においては、表面に着色模様を有する予め形成され
た板状のタイル予備成形体を用いて最終製品たる役物タ
イルを得るため、タイル予備成形体の着色模様はそのま
ま役物タイルの表面に現出される。その結果、タイル予
備成形体の着色模様をそのまま用いて、役物タイルの一
般の成形型では得ることができないような種々の所望の
着色模様を有する役物タイルを得ることができる。ま
た、複数のタイル予備成形体は、タイル成形体の成形時
に、当接側の端部が互いに接合し、施工物のコーナ部の
形状に対応して、継ぎ目のない所定の一体形状の成形体
に形成され、その後焼成されて強固に焼結する。その結
果、この役物タイルは、見栄えが良く、かつ、十分な角
部強度を有するものとすることができる。更に、単に、
隣接する一対のタイル予備成形体の端部を当接した状態
で配置して接合及び焼成することにより、役物タイルを
得ることができる。その結果、原材料部品点数が少なく
てすみ、かつ、製造工程数を減少して、役物タイルの製
造作業性を向上し、製品コストを減少することができ
る。加えて、タイル予備成形体のプレス成形時のプレス
圧より、タイル成形体のプレス成形時のプレス圧を大き
くすることにより、タイル予備成形体及びタイル成形体
の両者とも、プレス成形により成形される。その結果、
これらの成形に、比較的簡単な工程である乾式タイル成
形方法としてのプレス成形を使用して、製造工程を簡単
にし、その製造コストを低減することができる。そし
て、下型となる谷形状のプレス面の隣接する互いに接合
される前記タイル予備成形体の当接側の端部は対応する
斜面状の端面とし、前記両タイル予備成形体の当接側の
端部の斜面状の端面を互いに当接させて配置してプレス
するものであるから、表面の着色模様の絵柄合せが、そ
のまま役物タイルの表面に正確に現出される。また、谷
形状のプレス面の隣接する互いに接合される前記タイル
予備成形体の当接側の端部は対応する斜面状の端面と
し、前記両タイル予備成形体の当接側の端部の斜面状の
端面を互いに当接させて配置して上型となる山形状のプ
レス面でプレスするものであるから、プレスによる圧力
がタイル予備成形体の当接側の端面の圧力が増加し、そ
の斜状の端部を互いに当接して接合されるから、その接
合面積が増大し、その接合強度が増加し、両端面の接合
が良好に行われるという効果がある。
【0151】請求項7の発明にかかる役物タイルの製造
方法においては、表面に着色模様を有する予め形成され
た板状のタイル予備成形体を用いて最終製品たる役物タ
イルを得るため、タイル予備成形体の着色模様はそのま
ま役物タイルの表面に現出される。また、複数のタイル
予備成形体は、タイル成形体の成形時に、当接側の端部
が互いに接合し、施工物のコーナ部の形状に対応して、
継ぎ目のない所定の一体形状の成形体に形成され、その
後焼成されて強固に焼結する。更に、単に、隣接する一
対のタイル予備成形体の端部を接近した状態で配置して
接合及び焼成することにより、役物タイルを得ることが
できる。なお、このとき、接合媒体がその接合を促進及
び強化する。その結果、角部強度が一層向上する。そし
て、下型となる谷形状のプレス面の隣接する互いに接合
される前記タイル予備成形体の当接側の端部は対応する
斜面状の端面とし、前記両タイル予備成形体の当接側の
端部の斜面状の端面を互いに当接させて配置してプレス
するものであるから、表面の着色模様の絵柄合せが、そ
のまま役物タイルの表面に正確に現出される。また、谷
形状のプレス面の隣接する互いに接合される前記タイル
予備成形体の当接側の端部は対応する斜面状の端面と
し、前記両タイル予備成形体の当接側の端部の斜面状の
端面を互いに当接させて配置して上型となる山形状のプ
レス面でプレスするものであるから、プレスによる圧力
がタイル予備成形体の当接側の端面の圧力が増加し、そ
の斜状の端部を互いに当接して接合されるから、その接
合面積が増大し、その接合強度が増加し、両端面の接合
が良好に行われるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の第一及び第二実施例及び参考
例による役物タイルの製造方法によって得られる各種の
着色模様を有する役物タイルの例を示す斜視図である。
【図2】 図2は本発明の各実施例による役物タイルの
製造方法を示す工程図である。
【図3】 図3は図2のタイル予備成形体成形工程Bで
使用する平板タイル用プレス機の概略を示す斜視図であ
る。
【図4】 図4は本発明の第一実施例のタイル予備成形
体成形工程Bで使用する平板タイル用プレス機の断面図
を示し、(a)は本体部10c形成用のタイル予備成形
体10aを成形する平板タイル用プレス機の断面図、
(b)は折曲部20c形成用のタイル予備成形体20a
を成形する平板タイル用プレス機の断面図である。
【図5】 図5は本発明の第一実施例のタイル予備成形
体を示し、(a)は本体部10c形成用のタイル予備成
形体10aの斜視図、(b)は折曲部20c形成用のタ
イル予備成形体20aの斜視図である。
【図6】 図6は本発明の第一実施例のタイル成形体成
形工程Dで使用する役物タイル用プレス機の使用状態を
概略的に示す断面図である。
【図7】 図7は本発明の第二実施例の役物タイルの製
造方法におけるタイル予備成形体成形工程Bで使用する
平板タイル用プレス機の断面図を示し、(a)は本体部
30c形成用のタイル予備成形体30aを成形する平板
タイル用プレス機の断面図、(b)は折曲部40c形成
用のタイル予備成形体40aを成形する平板タイル用プ
レス機の断面図である。
【図8】 図8は本発明の第二実施例のタイル予備成形
体を示し、(a)は本体部30c形成用のタイル予備成
形体30aの斜視図、(b)は折曲部40c形成用のタ
イル予備成形体40aの斜視図である。
【図9】 図9は本発明の第二実施例のタイル成形体成
形工程Dで使用する役物タイル用プレス機の使用状態を
概略的に示す断面図である。
【図10】 図10は参考例の役物タイルの製造方法に
おけるタイル予備成形体成形工程Bで使用する平板タイ
ル用プレス機を示す断面図である。
【図11】 図11は参考例のタイル予備成形体を示す
斜視図である。
【図12】 図12は参考例のタイル成形体成形工程D
で使用する役物タイル用プレス機の使用状態を概略的に
示す断面図である。
【図13】 図13は本発明の役物タイルの製造方法に
おける役物タイル用プレス機の上型の稜線部を示す要部
斜視図であり、(a)は第一及び第二実施例で使用した
役物タイル用プレス機の上型の稜線部を、(b)は第四
実施例における第1の変更例としての上型の稜線部を、
(c)は第四実施例における第2の変更例としての上型
の稜線部を示す。
【図14】 図14は本発明の第五実施例の役物タイル
の製造方法で製造し 役物タイルを示す斜視図である。
【図15】 図15は本発明の第五実施例の役物タイル
の製造方法で使用する役物タイル用プレス機を示す斜視
図である。
【図16】 図16は本発明の第五実施例の役物タイル
の製造方法で役物タイルを製造する役物タイル用プレス
機を示す断面図である。
【図17】 図17は本発明の第六実施例の役物タイル
の製造方法で製造した種々の役物形状の役物タイルを示
す正面図である。
【図18】 図18は本発明の第七実施例の役物タイル
の製造方法を示す断面図である。
【符号の説明】
10a タイル予備成形体 20a タイル予備成形体 30a タイル予備成形体 40a タイル予備成形体 50a タイル予備成形体 113 下型 113a プレス面 113b プレス面 115 上型 115a プレス面 115b プレス面 123 下型 123a プレス面 123b プレス面 123c プレス面 125 上型 125a プレス面 125b プレス面 133 下型 133a プレス面 133b プレス面 135 上型 135a プレス面 135b プレス面 211 雌型(下型) 211a プレス面 211b プレス面 211c プレス面 211d プレス面 213 雄型(上型) 213a プレス面 213b プレス面 213c プレス面 10b タイル成形体 20b タイル成形体 30b タイル成形体 40b タイル成形体 50b タイル成形体 60b タイル成形体 A 着色原料調整工程 B タイル予備成形体成形工程 C タイル予備成形体配置工程 D タイル成形体成形工程 E 焼成工程
フロントページの続き (72)発明者 各務 修吉 岐阜県土岐市下石町994番地の1 美濃 顔料化学株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−106515(JP,A) 特公 平2−42323(JP,B2) 特公 平2−8883(JP,B2) 特公 昭37−7741(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B28B 3/02

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 坏土から、塑性変形可能で、かつ、表面
    に着色模様を有する板状のタイル予備成形体を第1のプ
    レス圧で成形するタイル予備成形体成形工程と、 施工物のコーナ部の形状に対応する形状のプレス面を有
    する一方の型の前記プレス面に、複数の前記タイル予備
    成形体を、前記施工物のコーナ部の形状に対応する形状
    となるよう、互いの端部を当接させた状態で配置するタ
    イル予備成形体配置工程と、下型となる 谷形状のプレス面に隣接して互いに接合され
    る前記タイル予備成形体の当接側の端部は、互いに対応
    する斜面状の端面とし、前記両タイル予備成形体の当接
    側の端部の斜面状の端面を互いに当接させて配置し、前
    記一方の谷形状のプレス面の型のプレス面と対応する形
    状のプレス面を有する他方の上型となる山形状のプレス
    面の型を前記一方の型に接近駆動し、他方の型のプレス
    面と一方の型のプレス面との間で前記複数のタイル予備
    成形体をプレスした前記第1のプレス圧より大きい第2
    のプレス圧でプレス成形して互いに接合し、前記施工物
    のコーナ部の形状に対応する形状のタイル成形体を得る
    タイル成形体成形工程と、 前記タイル成形体を焼成する焼成工程とを具備すること
    を特徴とする役物タイルの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記複数のタイル予備成形体は合計2枚
    であり、前記一方の型のプレス面はアングル状に交差す
    る一対の平面であり、タイル成形体成形工程において、
    前記タイル成形体は、アングル板状に成形されることを
    特徴とする請求項1記載の役物タイルの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記複数のタイル予備成形体は合計3枚
    であり、前記一方の型のプレス面は六面体の6面のうち
    の任意の3面を開放した形状をなし、タイル成形体成形
    工程において、前記タイル成形体は、六面体の6面のう
    ちの任意の3面を開放した形状に成形されることを特徴
    とする請求項1記載の役物タイルの製造方法。
  4. 【請求項4】 タイル成形体成形工程において、前記タ
    イル成形体は、断面円弧状に成形されることを特徴とす
    る請求項1記載の役物タイルの製造方法。
  5. 【請求項5】 タイル成形体成形工程において、前記複
    数のタイル予備成形体の任意の一つの当接側の端部は、
    その意匠面となる側面を厚さ方向に突出されて水切り部
    とされることを特徴とする請求項1乃至の何れか1つ
    に記載の役物タイルの製造方法。
  6. 【請求項6】 坏土を第1のプレス圧でプレス成形し
    て、塑性変形可能で、かつ、表面に着色模様を有する板
    状のタイル予備成形体を成形するタイル予備成形体成形
    工程と、 施工物のコーナ部の形状に対応する形状のプレス面を有
    する一方の型の前記プレス面に、複数の前記タイル予備
    成形体を、前記施工物のコーナ部の形状に対応する形状
    となるよう下型となる谷形状のプレス面の隣接する互い
    に接合される前記タイル予備成形体の当接側の端部を互
    いに対応する斜面状の端面とし、前記両タイル予備成形
    体の当接側の端部の斜面状の端面を互いに当接させて配
    置するタイル予備成形体配置工程と、 前記一方の谷形状のプレス面の型のプレス面と対応する
    形状のプレス面を有する他方の上型となる山形状のプレ
    ス面の型を前記一方の型に接近駆動し、他方の型のプレ
    ス面と一方の型のプレス面との間で前記複数のタイル予
    備成形体をプレスした前記第1のプレス圧より大きい第
    2のプレス圧でプレス成形して互いに接合し、前記施工
    物のコーナ部の形状に対応する形状のタイル成形体を得
    るタイル成形体成形工程と、 前記タイル成形体を焼成する焼成工程とを具備すること
    を特徴とする役物タイルの製造方法。
  7. 【請求項7】 坏土から、塑性変形可能で、かつ、表面
    に着色模様を有する板状のタイル予備成形体を第1のプ
    レス圧で成形するタイル予備成形体成形工程と、 施工物のコーナ部の形状に対応する形状のプレス面を有
    する一方の型の前記プレス面に、複数の前記タイル予備
    成形体を、前記施工物のコーナ部の形状に対応する形状
    となるよう、互いの端部を接近状態で配置するタイル予
    備成形体配置工程と、 隣接する前記タイル予備成形体の接近端部間に接合媒体
    を介装する接合媒体介装工程と、下型となる 谷形状のプレス面の隣接する互いに接合され
    る前記タイル予備成形体の当接側の端部を互いに対応す
    る斜面状の端面とし、前記両タイル予備成形体の当接側
    の端部の斜面状の端面を互いに当接させて配置し、前記
    一方の谷形状のプレス面の型のプレス面と対応する形状
    のプレス面を有する他方の上型となる山形状のプレス面
    の型を前記一方の型に接近駆動し、他方の型のプレス面
    と一方の型のプレス面との間で前記複数のタイル予備成
    形体を、前記複数のタイル予備成形体をプレスした第1
    のプレス圧より大きい第2のプレス圧でプレス成形する
    ことにより互いに接合し、プレス成形して互いに接合
    し、前記施工物のコーナ部の形状に対応する形状のタイ
    ル成形体を得るタイル成形体成形工程と、 前記タイル成形体を焼成する焼成工程とを具備すること
    を特徴とする役物タイルの製造方法。
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