JP3045814B2 - 金属球の表面均一加熱方法 - Google Patents

金属球の表面均一加熱方法

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JP3045814B2
JP3045814B2 JP3163848A JP16384891A JP3045814B2 JP 3045814 B2 JP3045814 B2 JP 3045814B2 JP 3163848 A JP3163848 A JP 3163848A JP 16384891 A JP16384891 A JP 16384891A JP 3045814 B2 JP3045814 B2 JP 3045814B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼球等の金属球の表面
を均一に高周波誘導加熱するための方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、鋼球の表面の高周波焼入れに際し
ては、図11又は図12に示す方法によって鋼球の表面
を高周波誘導加熱するようにしていた。
【0003】まず、図11(A),(B)に示す加熱方
法は、内部を水冷できる銅パルプを用いて、焼入すべき
鋼球101の直径に応じて複数巻きの螺旋状高周波誘導
加熱コイル102を構成し,このコイル102内に鋼球
101をセラミックス製載置台103により配置し、こ
のコイル102に図外の高周波電源より高周波電流を供
給して鋼球101の表面を所要焼入温度まで高周波誘導
加熱した後に、コイル102の周辺に配置された図外の
冷却環より焼入冷却液を噴射し、鋼球101の表面を急
速冷却することにより焼入するようにしたものである。
【0004】また、図12に示す方法は、鋼球101に
あらかじめ設けられたセンタ穴101a,101bに、
上下センタ104a,104bを挿入して鋼球101を
保持し、鋼球101に対して斜め方向に単巻き、または
鋼球101の直径に応じた複数巻きの加熱コイル105
を配置し、鋼球101に回転を与えながらその表面を前
記と同様に所要焼入温度まで高周波誘導加熱した後に、
コイル105の周辺に配置された図外の冷却環より焼入
冷却液を噴射し、鋼球101の表面を急速冷却すること
により焼入するようにしたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図11
(A)に示す方法では、鋼球101は加熱コイル102
に最も近い部分が最も深く加熱され、加熱コイル102
から遠ざかるにしたがって、浅く加熱される。特に、セ
ラミックス製載置台103と接触している部分は、被加
熱物から載置台103へ熱伝導があるため、最も浅く加
熱される。このような加熱パターン状態にある鋼球10
1を焼入冷却すると、焼入硬化層パターンは同図におい
ての斜線で示す如く、コイル102に最も近接している
部分が最も深くなり、加熱コイル102から最も遠い上
下面は浅くなる。特に載置台103に接触している下面
部分は最も浅くなる。
【0006】従って、この加熱方法では、回転加熱や回
転冷却も不可能で、前記鋼球101の表面を均一に加熱
できず、そのため焼入硬化層を得ることができないとい
う問題点があった。また、図11(B)に示す加熱方法
では、コイル102を鋼球101の周面に沿うように巻
回しているので、前記加熱に比べると加熱パターン(加
熱領域)の不均一差は少なくなるものの、完全な均一加
熱はできない。
【0007】他方、図12に示す加熱方法は、前記図1
1(A),(B)による方法に比べて、鋼球101の表
面をより均一に加熱し得て、より均一な焼入硬化層パタ
ーンを得ることができるが、上下センタ104により鋼
球101が保持されているため、センタ穴101a,1
01bの近傍は熱伝導により浅い加熱パターンになる。
また、この方法では、鋼球101の表面にあらかじめセ
ンタ穴101a,101bの加工を必要とするため、鋼
球101の使用目的によっては、センタ穴101a,1
01bの加工ができないものは、図11(A),(B)
の方法を採らざるを得ない。
【0008】かくして、従来のいずれの加熱方法でも、
鋼球101の表面を均一な深さに亘って均一な温度に加
熱ができず、均一な焼入硬化層を得ることができないと
いう問題点がある。このため、焼入れに伴う鋼球101
の変形量が大きくなって焼歪や焼割れを生じるおそれが
ある。
【0009】本発明は、このような実状に鑑みてなされ
たものであって、その目的は、鋼球等の如き磁性材から
成る球体の表面を均一深さに均一加熱する方法を提供す
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明では、(A)半径方向に沿って放射状に延
びる複数のスリットが形成された金属製の円筒体の外周
を取り囲むように螺旋状の高周波誘導加熱コイルを配設
すると共に、前記円筒体及び高周波誘導加熱コイルの軸
線を鉛直方向に配置し、被加熱体である金属球を前記円
筒体の中空部内であってかつ前記高周波誘導加熱コイル
の中央位置に固定配置し、この状態の下で前記高周波誘
導加熱コイルに高周波電流を供給して前記球体を予備加
熱する工程と、(B)予備加熱された前記金属球を機械
的手段にて前記高周波誘導加熱コイルの中央位置から上
方に移動させることにより、前記金属球に上方に向かう
電磁力を作用せしめて、前記金属球を前記円筒体の中空
部内の空間に浮揚させる工程と、(C)前記高周波誘導
加熱コイルへ供給する高周波電流の大きさを調整するこ
とによって、予備加熱された前記金属球を前記円筒体の
上端位置において浮揚状態で水平方向の軸線を中心に自
転を生ぜしめる工程と、を順次施行し、これにより、前
記球体の全表面を均一に高周波誘導加熱するようにして
いる。
【0011】
【作用】本発明の場合、金属球は高周波誘導加熱コイル
の中央部で予備加熱されて鉛直軸のまわりの周面部分が
相対的に深く加熱され、その後に電磁の作用にて浮揚さ
れかつ水平軸を中心に自転され、これにより金属球の水
平軸のまわりの周面部分が相対的に深く加熱されるので
金属球の表面全体を均一に加熱することが可能となる。
【0012】
【実施例】以下、本発明に係る表面均一加熱方法を鋼球
の焼入処理に適用した一実施例に付き図1〜図9を参照
して説明する。
【0013】図1は、鋼球1の高周波焼入装置2を示す
ものであって、本装置2は、高周波加熱部3、冷焼入冷
却部4及び鋼球移送機構5とから構成されている。
【0014】前記高周波加熱部2は、図2に示すよう
に、半径方向に沿って放射状に延びる複数のスリット6
が等間隔に形成された銅製の円筒体7と、この円筒体7
の外周にこれを取り囲むように配置された高周波誘導加
熱コイル8と、このコイル8に高周波電流を供給する高
周波電源装置9とから構成されている。
【0015】前記円筒体7は、図3に示すように、下端
部において、複数のスリット6間の各セグメント7aが
互いに結合された構造になっている。そして、各セグメ
ント7aを冷却するため、その内部に冷却水通路7bが
形成され、この冷却水通路7bの一端は、導水パイプ1
0に、他端は排水パイプ11に接続されている。
【0016】前記高周波誘導加熱コイル8も同様に、こ
のコイル8自体を冷却するため、導水パイプ12および
排水パイプ13にそれぞれ接続されると共に、導線を介
して、前記高周波電源装置9に接続されている。
【0017】そして、上述の高周波誘導加熱コイル8及
び円筒体7は互いに同軸状に対応配置されると共に、こ
れらはその軸線が鉛直方向に一致するように上下方向に
沿って配置されている。
【0018】前記冷却部4は、図4に示すように冷却槽
14、冷却液噴射環15および鋼球受け具16から構成
されている。そして、この冷却液噴射環15は、前記冷
却液槽14内に設置され、その内周面には多数の冷却液
噴射孔15aが設けられ、この孔15aより、図示しな
いポンプを介して、所定圧力、流量の焼入冷却液17が
噴射されるように構成されている。
【0019】冷却液槽14は、焼入れすべき鋼球1が大
径で、鋼球1の表面積が大きい場合、冷却液槽14に冷
却液17を満たし、鋼球1を侵漬冷却するか、または侵
漬冷却と噴射冷却を併用する場合に用いる。
【0020】前記鋼球受け具16は、加熱が終了した鋼
球1が、冷却焼入のため、加熱位置から自然落下してき
たとき、これを受けるためのものであり、前記冷却液噴
射環15内のほぼ中心部の所定位置に配置されている。
【0021】この鋼球受け具16は、図5に示すよう
に、金属細線または金属製鋼により構成されている。こ
れは、焼入冷却時に、鋼球1表面全体を均一に冷却する
ためである。従って、なるべく網目を大きくした細線を
用い、鋼球1との接触面積が極力小さくなるようにして
いる。
【0022】前記鋼球移送機構5は、図1に示すよう
に、鋼球載置台(鋼球保持治具)18と、この鋼球載置
台18を上下方向に移送する昇降移送装置19と、この
昇降移送装置19を水平方向に移送する水平移送装置2
0より構成されている。前記鋼球載置台18は、高周波
誘導加熱の影響を避けるため、セラミックス材より構成
され、鋼球載置部分は逆円錐形状に溝加工され、鋼球1
が安定載置されるようになっている。
【0023】次に、上述の装置2を用いて鋼球1を表面
焼入れする際の動作並びに作用に付き説明する。
【0024】まず、焼入すべき鋼球1を、前記被加熱体
移送部5の鋼球載置台18上に載置し、この移送部5の
水平移送装置20および昇降移送装置19により、図6
(A)に示すように円筒体7の中空部に移送して高周波
誘導加熱コイル8のほぼ中央部の所定の予備加熱位置H
1 で停止させる。
【0025】次に、高周波電源装置9から所要周波数の
電力を、高周波誘導加熱コイル8に供給し、鋼球1の表
面を所要温度まで所要時間予備加熱する。これに伴い、
図7において斜線で示すように、鋼球1の表面のうち鉛
直軸Mのまわりが深く加熱される。すなわち、高周波誘
導加熱コイル8に最も近い部分が最も深く、かつ、鉛直
軸と交差する部分が最も浅く加熱される。かくして、図
7で示す表面領域Aが加熱される。
【0026】予備加熱後、前記加熱コイル8へ電力を供
給しつつ、図6(B)に示すように、前記移送部5の鋼
球載置台18の機械的作用力により、前記鋼球5を高周
波誘導前記加熱コイル8の上端面22の位置H2 付近ま
で上昇させる。
【0027】次に、この浮揚加熱開始位置H2 付近で、
前記高周波電源装置9の出力を調整して、所要出力によ
る前記電磁力により、鋼球1を空中に浮揚させる。ここ
で、鋼球1の浮揚原理について簡単に説明すれば次の通
りである。すなわち、高周波誘導加熱コイル8に高周波
電流J0 が図1において矢印で示す方向に流れるのに伴
い、この高周波電流J0 によって磁束φが円筒体7の軸
線を中心に発生する。この磁束φは鋼球1を貫通、作用
し、該鋼球1の表面に図示の方向に高周波誘導電流Je
が流れる。この高周波誘導電流Je により、鋼球1の表
面はジュール加熱される。
【0028】他方、鋼球1の表面に流れる誘導電流Je
と、その表面付近の磁束(磁束密度Bの磁束)との相互
作用により、その表面に電磁力Fが発生する。この電磁
力Fは誘導電流Je と磁束密度Bとの積に比例し、その
方向は、フレミング左手の法則により、図示の方向にな
る。
【0029】この電磁力Fは、前記円筒体7の軸心に向
う力FC と、鋼球1を浮揚する力Fu とに分力される。
この浮揚力FU が、該鋼球5の表面全体にわたって発生
し、鋼球1を浮揚するのである。これによって、鋼球1
は空中で浮揚されながら他の部材に対して非接触状態の
下で理想的に加熱されることになる。これにより、鋼球
1の浮揚工程を完了する。
【0030】そして、この直後に、前記昇降移送装置1
9および水平移送装置20を作動させることにより、鋼
球載置台18を円筒体7の直下位置から外れた位置に退
避させる(図6(C)参照)。
【0031】次いで、高周波誘導加熱コイル8に供給す
る高周波電流の大きさを調整することによって円筒体7
に対する鋼球1の高さ位置を調整すると、所定範囲の高
さに配置されるのに伴って鋼球1が図6(D)において
矢印で示すように水平軸Nを中心に自転を生じる。その
高さ位置を実験にて確かめたところ、鋼球1の中心Oが
円筒体7の上端面位置Hよりも上方にあり、かつ、鋼球
1の最下点Lが前記上端面位置Hよりも下方にあること
が確認された。
【0032】上述の高さ位置において鋼球1が水平軸を
中心に自転を生じるのは、次のような作用によるものと
推察される。すなわち、鋼球1には高周波誘導加熱コイ
ル8の最上の巻回部分から最も大きな電磁力を受けるの
であるが、高周波誘導加熱コイル8は螺旋状でありその
最上の巻回部は水平面に対して傾斜している。そのた
め、前記巻回部の最上部側に隣接する鋼球1の表面に流
れる誘導電流及びその表面に作用する磁束密度が、その
表面の反対側表面(前記巻回部の最下部分に対応する鋼
球1の表面)に比べて大きくなるため、前記表面に生じ
る電磁力は反対側表面よりも常に大きくなる。そして、
このような力関係は円筒体7の中空部内にある鋼球1の
下方部分に影響を及ぼして一方向に向かう力が鋼球1に
回転力として作用する。その結果、鋼球1はその水平軸
を中心に自転されながら、高周波誘導加熱される。
【0033】なお、鋼球1の中心Oが円筒体7の上端面
位置Hより下方にある場合には、円筒体7の中空部内に
ある鋼球1部分に一方向の電磁力が作用しても、鉛直軸
Mを中心とする自転は生じない。これは、鋼球1を円筒
体7の中空部内に浮揚保持する保持力が作用しているか
らであると推察される。また、鋼球1の最下点Lを前記
上端面位置H2 より上方に浮揚させると、この鋼球1は
浮揚状態が維持されることなく円筒体7からこぼれ落ち
てしまうが、これは、円筒体7の外部における磁束が均
一でないために円筒体7の上方位置に保持され得ないか
らであると推察される。
【0034】かくして、鋼球1が浮揚されかつ自転され
た状態で高周波誘導加熱されると、鋼球1の全表面は均
一な加熱深さにかつ均一な温度に加熱されることとな
る。更に詳述すると、前もって行なわれる予備加熱の加
熱パターンは、図7に示す如く、鋼球1のうちその水平
軸Nを含む水平面に交差する部分が最も深く加熱される
と共に、この部分から上下に遠ざかるにつれて徐々に浅
く加熱される。一方、未加熱状態の鋼球1を浮揚状態と
して自転させて加熱した場合には、図8に示す如く、鋼
球1のうちその鉛直軸Mを含む鉛直面に交差する部分が
最も深く加熱されると共に、この部分から左右に遠ざか
るにつれて徐々に浅く加熱される。よって、高周波誘導
加熱コイル8の中央部で予備加熱した後に鋼球を上方位
置に浮揚して水平軸を中心に自転せしめると、予備加熱
による加熱パターンと浮揚加熱による加熱パターンとを
重畳した加熱パターンにて鋼球の表面が加熱されること
となる。従って、高周波誘導加熱コイル8へ供給する高
周波電流の大きさや加熱時間等を適宜に選定し、各々の
加熱パターンを調整することによって、図9に示すよう
に鋼球1の表面に均一な加熱領域(加熱パターン)Cを
得ることが可能である。
【0035】このようにして、鋼球1の均一加熱が完了
されると、その直後に高周波誘導加熱コイル8への高周
波電流の供給を停止する。これに伴い、鋼球1に作用し
ていた電磁力が消失するため、鋼球1は自重により下方
へ自然落下され、冷却部3において焼入冷却される。以
上により、一連の焼入作業が終了される。
【0036】このような加熱方法によれば、高周波誘導
加熱コイル8の中央部において予備加熱して、得られる
加熱パターンAと、予備加熱後に自転させつつ浮揚加熱
して得られる加熱パターンBとが互いに重畳されること
となるため、予備加熱及び浮揚加熱時の高周波電流の大
きさ及び加熱時間等を調整することによって鋼球1の全
表面を均一な加熱パターンCとなるように高周波誘導加
熱することができる。そのため、この加熱方法を焼入処
理に適用すれば、鋼球1の焼入冷却時に焼割れや変形
(焼歪)を生じることなく均一な焼入硬化層を得ること
ができる。
【0037】このような作用効果を確認するために、次
のような条件の下で実験を行なった。
【0038】実験例: (1)鋼球の材質:S45C (2)鋼球の寸法:外径43mm (3)高周波誘導加熱コイルの内径:70mm (4)円筒体の内径:46mm 外径:65mm スリット幅:1mm セグメント数:8個 (5)焼入条件 (a)予備加熱条件 (イ)周波数:10kHz (ロ)出力:20kW (ハ)加熱時間:6秒 (b)浮揚加熱(本加熱)条件 (イ)周波数:10kHz (ロ)出力:35kW (ハ)加熱時間:5秒 (c)冷却条件 (イ)冷却液:ユーコンクエンチャントA10% (ロ)液温:30℃ (ハ)圧力:5kg/cm2 (ニ)流量:80l/min
【0039】この試験から得られた鋼球表面の焼入硬さ
を測定したところ、図10に示す結果を得た。この測定
結果から明らかなように、鋼球の表面の水平方向断面お
よび垂直方向断面における焼入硬さはほぼ等しく、鋼球
の表面にほぼ均一な焼入硬化層が形成されていることが
わかる。
【0040】以上、本発明の一実施例に付き述べたが、
本発明は既述の実施例に限定されるものではなく、本発
明の技術的思想に基いて各種の変形及び変更が可能であ
る。例えば、被加熱体としては鋼球1に限らず、アルミ
ニウム球、チタン球等の各種の金属球の表面均一加熱に
も本発明を適用できる。
【0041】以上の如く、本発明は、金属球を高周波誘
導加熱コイルの中央部で予備加熱した後に、電磁力にて
浮揚させてその水平軸を中心に自転せしめつつ高周波誘
導加熱するようにしたものであるから、予備加熱による
加熱領域と浮揚・自転状態の下での高周波誘導加熱によ
る加熱領域が重畳される結果、金属球の全表面を均一な
加熱パターンとすることができる。しかも、金属球には
他の部材が接触されることがなく空中浮揚状態の下で加
熱されるので、他の部材に熱が逃げてしまうようなこと
がなく、従って、金属球の表面を理想的にかつ能率良く
均一加熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る表面均一加熱方法を応用した鋼球
の高周波焼入装置の構成図である。
【図2】前記装置の高周波加熱部の平面図である。
【図3】前記高周波加熱部の断面図である。
【図4】前記装置の冷却部の断面図である。
【図5】鋼球受け具の斜視図である。
【図6】鋼球を加熱する工程を示すものであって、
(A)は鋼球が予備加熱位置に配置された状態、(B)
は鋼球が浮揚加熱開始位置まで移送配置された状態、
(C)は鋼球が浮揚加熱開始される状態、(D)は鋼球
が浮揚加熱されている状態をそれぞれ示す断面図であ
る。
【図7】予備加熱による鋼球の加熱状態を示す断面図
で、(A)は縦断面図、(B)は横断面図である。
【図8】浮揚加熱による鋼球の加熱状態を示す断面図
で、(A)は縦断面図、(B)は横断面図である。
【図9】予備加熱及び浮揚加熱後における鋼球の加熱状
態を示す断面図で、(A)は縦断面図、(B)は横断面
図である。
【図10】試験結果としての鋼球の焼入硬さの分布図で
ある。
【図11】従来における鋼球の表面加熱方法を示す断面
図であり、(A)は円筒面に沿って螺旋状に巻回された
高周波誘導加熱コイルによる鋼球の加熱状態を示す図、
(B)は球状面に沿って螺旋状に巻回された高周波誘導
加熱コイルによる鋼球の加熱状態を示す図である。
【図12】従来の他の鋼球表面の高周波焼入説明図で、
鋼球の加熱状態を示す図である。
【符号の説明】
1 鋼球(磁性材から成る球体) 2 高周波焼入装置 5 鋼球移送機構 6 スリット 7 銅製の円筒体 8 高周波誘導加熱コイル 22 上端面 A 予備加熱による加熱領域 B 浮揚加熱による加熱領域 O 中心点 M 鉛直軸 N 水平軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05B 6/10 331 C21D 1/10 C21D 1/42 H05B 6/32

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)半径方向に沿って放射状に延びる複
    数のスリットが形成された金属製の円筒体の外周を取り
    囲むように螺旋状の高周波誘導加熱コイルを配設すると
    共に、前記円筒体及び高周波誘導加熱コイルの軸線を鉛
    直方向に配置し、被加熱体である金属球を前記円筒体の
    中空部内であってかつ前記高周波誘導加熱コイルの中央
    位置に固定配置し、この状態の下で前記高周波誘導加熱
    コイルに高周波電流を供給して前記球体を予備加熱する
    工程と、(B)予備加熱された前記金属球を機械的手段
    にて前記高周波誘導加熱コイルの中央位置から上方に移
    動させることにより、前記金属球に上方に向かう電磁力
    を作用せしめて、前記金属球を前記円筒体の中空部内の
    空間に浮揚させる工程と、(C)前記高周波誘導加熱コ
    イルへ供給する高周波電流の大きさを調整することによ
    って、予備加熱された前記金属球を前記円筒体の上端位
    置において浮揚状態で水平方向の軸線を中心に自転を生
    ぜしめる工程と、を順次施行し、これにより、前記金属
    球の全表面を均一に高周波誘導加熱するようにしたこと
    を特徴とする金属球の表面均一加熱方法。
  2. 【請求項2】 前記金属球を自転させる位置は、前記金
    属球の中心が前記円筒体の上端面より上方にありかつ前
    記金属球の最下点が前記円筒体の上端面より下方にある
    ような高さ位置であることを特徴とする請求項1に記載
    の金属球の表面均一加熱方法。
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