JP3045424B2 - 立体駐車場 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、多数の自動車を駐車さ
せる立体駐車場に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、立体駐車場としては、特公昭５８
−５２０７１号公報により公表されているように、立設
されたパーキングフレームの前面に沿って昇降可能なリ
フトを有し、そのリフトに、左または右に回動可能でか
つその前面にパーキングパレットを着脱自在に片持状に
保持するガイドレールの固定された上下２つのターンテ
ーブルを設けるとともに、そのガイドレールからパーキ
ングパレットを左または右に移動させる手段を設け、前
記パーキングフレームの両側面で各駐車階に対応する位
置に前記ターンテーブルのガイドレールと同様のパーキ
ングパレットを着脱自在に片持状に保持する上下２本の
パーキング用ガイドレールを固設し、前記ターンテーブ
ルのガイドレールと前記パーキング用ガイドレールとの
間でパーキングパレットを乗り移し可能に構成した立体
駐車場が知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前記従来の立体駐車場
の場合は、ガイドレールを有するターンテーブルを上下
２段に設けると共に、パーキングパレットを支持するパ
ーキング用ガイドレールを上下２段に設ける必要がある
ので、立体駐車場の全体構造が複雑になり、かつ上下の
ターンテーブルを旋回させる旋回駆動手段も複雑であ
り、さらにパーキングパレットの片持状態で支持するの
で、自動車を搭載したパーキングパレットの支持強度お
よび安定性に不安がある。また前記従来の立体駐車場の
場合は、１つの駐車場建屋ごとに、パーキングフレーム
の前面に沿って昇降可能なリフトを設け、かつそのリフ
トに、パーキングパレットを保持するガイドレールとタ
ーンテーブルとを設ける必要があるので、多数の自動車
を駐車できる立体駐車場を製作する場合は、その製作費
が著しく高くなるという問題がある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】前述の問題を有利に解決
するために、本発明の立体駐車場においては、横方向に
隣り合うと共に上下方向に重なる２列の駐車スペース１
を備えている一対の駐車場建屋２を、間隔をおいて対向
するように設置し、各駐車場建屋２における対向端部の
巾方向中央部に、垂直なガイドタワー３を固定し、各ガ
イドタワー３によりガイドされて昇降用駆動装置４によ
り昇降される昇降フレーム５の中央部に、旋回用駆動装
置６により旋回される水平旋回レール７を取付け、その
水平旋回レール７によりガイドされて横行用駆動装置８
により移動される横行フレーム９の下部に、水平な半円
形レール１０を固定し、２階以上に位置する駐車スペー
ス１の中央上部に、昇降移動される前記半円形レール１
０の端面に近接して配置される端面を有する駐車用吊り
レール１１を固定し、駐車支持台１２の上部に、前記半
円形レール１０および駐車用吊りレール１１に沿って転
動する車輪１３を取付け、前記半円形レール１０の中心
部に、駐車支持台旋回用駆動装置１４により旋回される
駐車支持台移動用旋回アーム１５を取付ける。

【０００５】

【実施例】図面は本発明の実施例に係る立体駐車場を示
すものであって、鋼製駐車場建屋２に、横方向（左右方
向）に隣り合うと共に上下方向に重なる２列の駐車スペ
ース１が設けられ、一対の駐車場建屋２は間隔をおいて
前後方向に並ぶように設置され、各駐車場建屋２の前部
（対向する駐車場建屋側の端部）における巾方向中央部
に、Ｈ形断面の垂直な鋼製ガイドタワー３が固定され、
そのガイドタワー３の下端部は基礎に固定されている。

【０００６】水平部材１６の両端部に縦部材１７が固定
されて昇降フレーム５が構成され、各縦部材１７の上部
および下部に、ガイドタワー３に係合するガイドローラ
１８が取付けられ、各ガイドタワー３の上端部に支持シ
ーブ１９が取付けられ、一方の駐車場建屋２に電動巻上
機からなる昇降用駆動装置４が固定され、その昇降用駆
動装置４のドラムから繰り出された２本のロープ２０
は、それぞれ前記支持シーブ１９に巻掛けられて昇降フ
レーム５に連結され、前記昇降用駆動装置４により昇降
フレーム５が昇降移動される。

【０００７】前記昇降フレーム５における水平部材１６
の中央下部に、環状内歯歯車２１を有する旋回支持部材
２２が軸受を介して旋回自在に取付けられ、減速機付き
電動機からなる旋回用駆動装置６は、前記水平部材１６
の中央部に固定され、前記旋回用駆動装置６の出力軸に
固定された駆動歯車２３は、前記環状内歯歯車２１に噛
み合わされ、前記旋回支持部材２２の下部に、平行に配
置された一対の水平旋回レール７の基端側部分が固定さ
れ、前記旋回用駆動装置６により水平旋回レール７が旋
回される。

【０００８】横行フレーム９の上部に、各水平旋回レー
ル７の長手方向の両側に載置される複数の車輪２４が取
付けられ、前記一対の水平旋回レール７の間の基端側
に、水平旋回レール長手方向に延長する送り螺杆２５が
配置され、その送り螺杆２５の両端に連設された軸は、
水平旋回レール７に固定された軸受２６により支承さ
れ、水平旋回レール７の基端部に減速機付き電動機から
なる横行用駆動装置８が固定され、その横行用駆動装置
８の出力軸に、前記送り螺杆２５がカップリングを介し
て連結され、前記横行フレーム９に取付けられた雌ねじ
部材２７は、前記送り螺杆２５に螺合され、前記横行用
駆動装置８によって、横行フレーム９が水平旋回レール
７に沿って進退移動される。

【０００９】同心円状に配置された２本の半円形レール
１０の中間部は、前記横行フレーム９の基端側の下部に
固定され、各半円形レール１０の両端部と横行フレーム
９の先端側部分とは連結部材２８を介して連結され、駐
車支持台１２の前後両側に、下向き開口溝形の支持フレ
ーム２９の下端部が固定され、各支持フレーム２９の上
部中央に固定された縦軸３０に、車輪支持部材３１の中
央部が軸受３２を介して回動自在に嵌設され、前記車輪
支持部材３１の左右両側に取付けられた車輪１３は、各
半円形レール１０に載置されている。また各支持フレー
ム２９における縦軸支持部材３３は連結杆３４により連
結されている。

【００１０】減速機付き電動機からなる駐車支持台旋回
用駆動装置１４は、半円形レール１０の中心部に配置さ
れると共に、半円形レール１０に固定された保持部材３
５に固定され、前記駐車支持台旋回用駆動装置１４の出
力軸に、半円形レール１０の半径方向に延長する係合ス
リット３６を有する水平な駐車支持台移動用旋回アーム
１５の基端部が固定され、駐車支持台１２の支持フレー
ム２９における上部中央に、前記係合スリット３６に挿
入される円形縦軸からなる係合部材３７が取付けられて
いる。

【００１１】前記各半円形レール１０の両端部に、互い
にハ字状に傾斜する傾斜端面３８が設けられ、２階以上
に位置する各駐車スペース１の中央上部に、昇降移動さ
れる前記各半円形レール１０と同一間隔で配置された２
本の駐車用吊りレール１１が固定され、各駐車用吊りレ
ール１１の前端部に、互いにハ字状に傾斜する傾斜端面
３９が設けられ、半円形レール１０が駐車用吊りレール
１１と同一レベルになるように昇降移動されたとき、前
記各傾斜端面３８，３９が小間隙を介して対向する。

【００１２】前記各半円形レール１０の両端部に、それ
ぞれ保持金具４０が固定され、その保持金具４０の中央
部に固定され横軸４１にローラ４２が回転自在に嵌合さ
れ、各駐車スペース１に設けられた２本の駐車用吊りレ
ール１１の前端部に固定された支承金具４３の中央上部
に、溝形受金具４４が固定され、各半円形レール１０を
下降させて、ローラ４２を溝形受金具４４の溝内に嵌入
載置すると、半円形レール１０と駐車用吊りレール１１
とが同一レベルに配置されると共に、半円形レール１０
の傾斜端面３８と、駐車用吊りレール１１の傾斜端面３
９とが、横方向に偏心しないように正しく対向して配置
される。

【００１３】立体駐車場に自動車４５を格納する場合
は、図２に符号１２Ａで示すように、駐車支持台１２
を、各駐車場建屋２の中間において左右方向に延長する
ように配置した状態で、路盤４６に載置し、次いで前記
駐車支持台１２上に自動車４５を走行させて載置する。
次に昇降用駆動装置４を巻上運転して、駐車支持台１２
を駐車すべき駐車スペース１よりも若干高レベルの位置
まで上昇させたのち、横行用駆動装置８を運転して、半
円形レール１０および駐車支持台１２などを支持してい
る横行フレーム９を、図２に符号１２Ｂで示すように、
駐車すべき駐車場建屋２に向かって移動し、次いで昇降
用駆動装置４を若干巻下運転して、図１２ないし図１４
に示すように、半円形レール１０の端部に取付けられて
いるローラ４２を駐車用吊りレール１１の前端部に取付
けられている溝形受金具４４の溝内に嵌入させる。

【００１４】次に駐車支持台旋回用駆動装置１４を運転
して、駐車支持台移動用旋回アーム１５を旋回させるこ
とにより、その駐車支持台移動用旋回アーム１５により
係合部材３７および支持フレーム２９を介して駐車支持
台１２を押圧し、駐車支持台１２の上部の各車輪１３
を、半円形レール１０から駐車スペース１の駐車用吊り
レール１１に移動させる。

【００１５】前述のようにして、自動車４５を駐車場建
屋２の駐車スペース１に格納したのち、昇降用駆動装置
４を若干巻上運転して、駐車支持台移動用旋回アーム１
５を係合部材３７から上方に外し、次いで駐車支持台旋
回用駆動装置１４を運転して、駐車支持台移動用旋回ア
ーム１５を駐車スペース１の外部に旋回させる。次に横
行用駆動装置８を運転して、横行フレーム９およびこれ
により支持されている部分を、自動車４５を格納した駐
車場建屋２から離反する方向に移動させる。

【００１６】立体駐車場の駐車場建屋２に格納されてい
る自動車４５を搬出する場合は、まず昇降用駆動装置４
を運転して、昇降フレーム５およびこれにより支持され
ている部分を、上昇または下降移動させ、次いで横行用
駆動装置８を運転して、横行フレーム９およびこれより
支持されている部分を、搬出すべき自動車４５が格納さ
れている駐車場建屋２に向かって移動する。

【００１７】次に駐車支持台旋回用駆動装置１４を運転
して、駐車支持台移動用旋回アーム１５の係合スリット
３６を、駐車スペース１内の駐車支持台１２の上部に取
付けられている係合部材３７の上部に配置したのち、昇
降用駆動装置４を若干巻下運転して、図１２ないし図１
４に示すように、半円形レール１０の端部のローラ４２
を、駐車用吊りレール１１の前端部に取付けられている
溝形受金具４４に嵌入し、かつ前記係合部材３７を前記
係合スリット３６に挿入させる。

【００１８】次に駐車支持台旋回用駆動装置１４を運転
して、駐車支持台移動用旋回アーム１５により、駐車支
持台１２を図２に符号１２Ｂで示す位置まで移動させ、
次いで横行用駆動装置８を運転して、駐車支持台１２を
図２に符号１２Ａで示す位置まで移動させ、次に昇降用
駆動装置４を巻下運転して、駐車支持台１２を路盤４６
上に降ろす。

【００１９】前記昇降用駆動装置４，旋回用駆動装置
６，横行用駆動装置８および駐車支持台旋回用駆動装置
１４の運転は、駐車場建屋２における前方側部の支柱に
固定されたスイッチボックス（図示を省略した）におけ
る多数の押ボタンスイッチにより行なわれる。

【００２０】

【発明の効果】本発明によれば、横方向に隣り合うと共
に上下方向に重なる２列の駐車スペース１を備えている
一対の駐車場建屋２を、間隔をおいて対向するように設
置し、各駐車場建屋２における対向端部の巾方向中央部
に、垂直なガイドタワー３を固定し、各ガイドタワー３
によりガイドされて昇降用駆動装置４により昇降される
昇降フレーム５の中央下部に、旋回用駆動装置６により
旋回される水平旋回レール７を取付け、その水平旋回レ
ール７によりガイドされて横行用駆動装置８により移動
される横行フレーム９の下部に、水平な半円形レール１
０を固定し、２階以上に位置する駐車スペース１の中央
上部に、昇降移動される前記半円形レール１０の端面に
近接して配置される端面を有する駐車用吊りレール１１
を固定し、駐車支持台１２の上部に、前記半円形レール
１０および駐車用吊りレール１１に沿って転動する車輪
１３を取付け、前記半円形レール１０の中心部に、駐車
支持台旋回用駆動装置１４による旋回される駐車支持台
移動用旋回アーム１５を取付けたので、１つの昇降フレ
ーム５により支持されている水平旋回レール７と横行フ
レーム９と半円形レール１０と駐車支持台移動用旋回ア
ーム１５とにより、間隔をおいて配置された２つの駐車
場建屋２における各駐車スペース１に対する自動車４５
の格納および搬出を行なうことができ、そのため多数の
自動車４５を駐車できる立体駐車場の製作費を安くする
ことができ、かつ立体駐車場の強度および安全性を向上
させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に係る立体駐車場を示す側面図
である。

【図２】本発明の実施例に係る立体駐車場を示す平面図
である。

【図３】図１の右上部分を拡大して示す側面図である。

【図４】図１の左側部分を拡大して示す側面図である。

【図５】本発明の実施例に係る立体駐車場を示す縦断正
面図である。

【図６】駐車支持台の駆動装置を示す一部縦断側面図で
ある。

【図７】図６のＡ−Ａ線拡大断面図である。

【図８】昇降フレームの昇降ガイド部を示す側面図であ
る。

【図９】図８のＢ−Ｂ線拡大断面図である。

【図１０】図８のＣ−Ｃ線拡大断面図である。

【図１１】駐車支持台の駆動装置を示す平面図である。

【図１２】半円形レールの端部付近と駐車用吊りレール
の端部付近との関係を示す平面図である。

【図１３】図１２のＤ−Ｄ線拡大断面図である。

【図１４】図１２のＥ−Ｅ線拡大断面図である。

【図１５】駐車支持台を図３に示す状態から９０°旋回
させた状態を示す側面図である。

【図１６】駐車支持台を駐車用吊りレールにより支持し
た状態を示す側面図である。

【図１７】図１６のＦ−Ｆ線拡大断面図である。

【図１８】支持フレームと車輪と係合部材とを備えてい
る駐車支持台を示す平面図である。

【符号の説明】

１ 駐車スペース ２ 駐車場建屋 ３ ガイドタワー ４ 昇降用駆動装置 ５ 昇降フレーム ６ 旋回用駆動装置 ７ 水平旋回レール ８ 横行用駆動装置 ９ 横行フレーム １０ 半円形レール １１ 駐車用吊りレール １２ 駐車支持台 １３ 車輪 １４ 駐車支持台旋回用駆動装置 １５ 駐車支持台移動用旋回アーム １６ 水平部材 １７ 縦部材 １８ ガイドローラ １９ 支持シーブ ２０ ロープ ２１ 環状内歯歯車 ２２ 旋回支持部材 ２３ 駆動歯車 ２４ 車輪 ２５ 送り螺杆 ２６ 軸受 ２７ 雌ねじ部材 ２８ 連結部材 ２９ 支持フレーム ３０ 縦軸 ３１ 車輪支持部材 ３２ 軸受 ３３ 縦軸支持部材 ３４ 連結杆 ３５ 保持部材 ３６ 係合スリット ３７ 係合部材 ３８ 傾斜端面 ３９ 傾斜端面 ４０ 保持金具 ４１ 横軸 ４２ ローラ ４３ 支承金具 ４４ 溝形受金具 ４５ 自動車 ４６ 路盤

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 横方向に隣り合うと共に上下方向に重な
   る２列の駐車スペース１を備えている一対の駐車場建屋
   ２を、間隔をおいて対向するように設置し、各駐車場建
   屋２における対向端部の巾方向中央部に、垂直なガイド
   タワー３を固定し、各ガイドタワー３によりガイドされ
   て昇降用駆動装置４により昇降される昇降フレーム５の
   中央下部に、旋回用駆動装置６により旋回される水平旋
   回レール７を取付け、その水平旋回レール７によりガイ
   ドされて横行用駆動装置８により移動される横行フレー
   ム９の下部に、水平な半円形レール１０を固定し、２階
   以上に位置する駐車スペース１の中央上部に、昇降移動
   される前記半円形レール１０の端面に近接して配置され
   る端面を有する駐車用吊りレール１１を固定し、駐車支
   持台１２の上部に、前記半円形レール１０および駐車用
   吊りレール１１に沿って転動する車輪１３を取付け、前
   記半円形レール１０の中心部に、駐車支持台旋回用駆動
   装置１４により旋回される駐車支持台移動用旋回アーム
   １５を取付けた立体駐車場。