JP3044018U - 螺旋切溝支持ボルトを用いた支持脚 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】溝を設ける部位及び当該溝の形状を工夫して、
現場での接着作業は簡易なままで支持ボルトとレベル調
整用ナットとの固定強度を従来より高めた、乾式置床工
法に用いる支持脚を提供することによって、床面上での
繰返し歩行等によって支持脚の支持ボルトとレベル調整
用ナットとの螺合部に生じるガタ、そしてこれに起因す
る床落ち、床鳴り、床パネル間の段差発生などをより一
層防止することを目的とする。 【解決手段】床パネル又は支持板１７に穿設された挿入
孔１８に挿入され、胴部外周所定箇所に突設された支持
部１６により上記床パネル又は支持板１７の下面を支持
するレベル調整用ナット１５と、該レベル調整用ナット
１５に螺合される支持ボルト１２を有する脚部材１１と
からなる支持脚１において、支持ボルト１２の外周面に
その上端から連続する螺旋切溝１９を設けたことを特徴
とする支持脚１を提供する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、各種建築物において二重床を施工するための乾式置床工法に用いる 支持脚に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来より乾式置床工法による二重床の施工において、床面上での繰返し歩行等 によって支持脚の支持ボルトとレベル調整用ナットとの螺合部に生じるガタ、そ してこれに起因する床落ち、床鳴り、床パネル間の段差発生などを防止するため に、支持脚の支持ボルトとレベル調整用ナットとを接着剤で固定することが行わ れている。 特開平５−３４００７０号公報には、内周ネジ部にネジ山に垂直に１本又は複 数本の溝が上端から下端まで又は下端近傍まで形成されてなるレベル調整用ナッ ト並びにこのレベル調整用ナットを用いた乾式置床工法が開示されている。これ は、レベル調整用ナットの内周ネジ部にネジ山に垂直に１本又は複数本の溝が上 端から下端まで又は下端近傍まで形成されているため、これに脚部材の支持ボル トを螺合した状態においてレベル調整用ナットの上部からネジ部に接着剤を注入 すると、接着剤は上記溝を通って流れるので流れ易くなり、ネジ部全体に充分に 接着剤が行き渡り、簡易に充分な固定強度が得られるようになるというものであ る。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、かかる手段による支持脚の支持ボルトとレベル調整用ナットと の固定においては、レベル調整用ナットの内周ネジ部に垂直に溝を設けるため、 ネジ山がそこで分断され、レベル調整用ナット自体の強度低下をもたらすという 問題がある。そして、支持ボルトとレベル調整用ナットとの固定を強固にする目 的でレベル調整用ナットの内周ネジ部に溝を多く設ける程、当該レベル調整用ナ ットのネジ山の分断箇所が多くなって、却ってレベル調整用ナット自体の強度の 低下をもたらし、その結果余計に床落ち、床鳴り、床パネル間の段差発生等の原 因となってしまう。

【０００４】 そこで本考案は、溝を設ける部位及び当該溝の形状を工夫して、現場での接着 作業は簡易なままで、支持ボルトとレベル調整用ナットとの固定強度を従来より 高めた支持脚を提供することによって、床面上での繰返し歩行等によって支持脚 の支持ボルトとレベル調整用ナットとの螺合部に生じるガタ、そしてこれに起因 する床落ち、床鳴り、床パネル間の段差発生などをより一層防止することを目的 とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

すなわち本考案は、床パネル又は該床パネルを支持する支持板に穿設された挿 入孔に挿入され、胴部外周所定箇所に突設された支持部により上記床パネル又は 該床パネルを支持する支持板の下面を支持するレベル調整用ナットと、該レベル 調整用ナットに螺合される支持ボルトを有する脚部材とからなる支持脚において 、支持ボルトの外周面にその上端から連続する螺旋切溝を設けたことを特徴とす る支持脚である。 このように本考案においては、従来のようにレベル調整用ナットではなく支持 ボルトに切溝が設けられているため、切溝加工が容易になり、切溝加工に要する コストを低減することができる。しかも切溝の形状が支持ボルト外周面に沿った 螺旋状であるため、垂直な切溝を設ける場合に比べて、ネジ山の分断箇所を少な く抑えたままレベル調整用ナットとの螺合部における切溝長さを長くできること になり、その結果、より多くの接着剤を当該螺合部に注入でき、支持ボルトとレ ベル調整用ナットとの固定強度が従来より高まる。そしてこの切溝は支持ボルト 上端から連続しているため、支持ボルトにレベル調整用ナットを螺合した状態に おいて支持ボルトの上部から切溝に接着剤を注入すると、接着剤はこの切溝を通 って流れるので流れ易くなり、ネジ部全体に充分に接着剤が行き渡り、簡易に充 分な固定強度が得られるようになる。

【０００６】

【考案の実施の形態】

以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて、本考案を詳細に説明する。なお 、同一要素には同一符号を用い、重複する説明は省略する。

【０００７】 〔構成・作用〕 図１は、本考案に係る螺旋切溝支持ボルトを用いた支持脚１により床パネル又 は支持板１７を支持した状態を示す部分縦断面図であり、脚部材１１は防振台座 １４とこれに下端部が植設された支持ボルト１２とからなり、支持ボルト１２の 上端部は、床パネル又は支持板１７の挿入孔１８に嵌合されその外周下端部に環 状に突設された支持部１６により床パネル又は支持板１７の下面を支持するレベ ル調整用ナット１５に螺合される。

【０００８】 そして支持ボルト１２とレベル調整用ナット１５との螺合部において、支持ボ ルト１２の外周部には螺旋切溝１９が支持ボルト１２の上端から連続して加工さ れている。螺旋切溝１９が支持ボルト１２の上端から加工されているのは、支持 ボルト１２にレベル調整用ナット１５を螺合した状態において支持ボルト１２の 上部から螺旋切溝１９に接着剤を注入するのに都合がよいからである。

【０００９】 また同図において、螺旋切溝１９の下端は支持ボルト１２とレベル調整用ナッ ト１５との螺合部より多少下に位置するように加工されているが、本考案におけ る螺旋切溝１９の下端位置はこれに限定されるものではない。もっとも、螺旋切 溝１９の下端位置は上部から注入される接着剤が流れつく終点であり、支持ボル ト１２の下端まで達していても構わないが、支持ボルト１２とレベル調整用ナッ ト１５との螺合部より下方の螺旋切溝１９の部分は、支持ボルト１２とレベル調 整用ナット１５との固定に何ら寄与せず、むしろ支持ボルト１２のネジ山を切断 して支持ボルト１２自身の強度を弱める結果となることから、螺旋切溝１９の下 端位置はあまり下方まで延ばさず、支持ボルト１２とレベル調整用ナット１５と の螺合部より若干下方で留まっているものが望ましい。

【００１０】 また、螺旋切溝１９の螺旋形状・向き等は任意であり、支持ボルト１２のネジ 山を分断することによる支持ボルト１２自身の強度低下と、支持ボルト１２とレ ベル調整用ナット１５との螺合部における螺旋切溝１９に注入された接着剤によ る固定強度増大とを比較考量し、最適な形状等を選択すればよい。 このように構成した本考案に係る螺旋切溝支持ボルトを用いた支持脚１の分解 斜視図を図２に、外観斜視図を図３に示すが、この他に図４に示すようにこれら を連結したユニット支持脚２とすることも可能である。 同図においては、ユニット支持脚２は、ベースプレート２０と、当該ベースプ レート２０から直立するようにかつ回転自在に設けた４本の支持ボルト１２と、 当該支持ボルト１２に螺合して付設された胴長のレベル調整用ナット（図示せず ）とから基本的に構成され、支持ボルト１２の外周面にはその上端から連続する 螺旋切溝１９が設けられている。

【００１１】 〔使用例〕 本考案に係る螺旋切溝支持ボルトを用いた支持脚１の使用は以下の手順で行う 。すなわち従来同様、上記支持脚１を用いて床パネルを敷設し（レベル調整用ナ ット１５が支持板に嵌合される場合には、図５に示すように床パネルを敷設する ）、支持ボルト１２の上端面に形成されたプラス溝１３（マイナス溝や角形凹陥 部であってもよい）にドライバー等の回転用工具の先端をはめ込み、支持ボルト １２（従って脚部材１１）を回転させることによって、それに螺合されているレ ベル調整用ナット１５を上下動させ、床面レベルを調整した後、支持ボルト１２ の上部から接着剤を注入すると、接着剤は支持ボルト１２の上端部から加工され ている螺旋切溝１９を通って流れ、支持ボルト１２とレベル調整用ナット１５と が螺合しているネジ部に行き渡り、強固に接合される。

【００１２】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案に係る螺旋切溝支持ボルトを用いた支持脚におい ては、従来のようにレベル調整用ナットではなく支持ボルトに切溝が設けられて いるため、切溝加工が容易になり、切溝加工に要するコストを低減することがで きる。しかも切溝の形状が支持ボルト外周面に沿った螺旋状であるため、垂直な 切溝を設ける場合に比べて、ネジ山の分断箇所を少なく抑えたままレベル調整用 ナットとの螺合部における切溝長さを長くできることになり、その結果、より多 くの接着剤を当該螺合部に注入でき、支持ボルトとレベル調整用ナットとの固定 強度が従来より高まるので、床面上での繰返し歩行等によって支持脚の支持ボル トとレベル調整用ナットとの螺合部に生じるガタ、そしてこれに起因する床落ち 、床鳴り、床パネル間の段差発生などを従来以上に防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る螺旋切溝支持ボルトを用いた支持
脚により床パネル又は支持板を支持した状態を示す部分
縦断面図である。

【図２】本考案に係る螺旋切溝支持ボルトを用いた支持
脚の一実施例を表す分解斜視図である。

【図３】本考案に係る螺旋切溝支持ボルトを用いた支持
脚の一実施例を表す外観斜視図である。

【図４】本考案に係る螺旋切溝支持ボルトを用いた支持
脚の他の実施例を表す外観斜視図である。

【図５】本考案に係る螺旋切溝支持ボルトを用いた支持
脚を用いて従来の乾式置床工法により床パネルまで施工
した状態を示す破断斜視図である。

【符号の説明】

１ …支持脚 ２ …ユニット支持脚 １１ …脚部材 １２ …支持ボルト １３ …プラス溝 １４ …防振台座 １５ …レベル調整用ナット １６ …支持部 １７ …床パネル又は支持板 １８ …挿入孔 １９ …螺旋切溝 ２０ …ベースプレート

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 床パネル又は該床パネルを支持する支持
   板に穿設された挿入孔に挿入され、胴部外周所定箇所に
   突設された支持部により上記床パネル又は該床パネルを
   支持する支持板の下面を支持するレベル調整用ナット
   と、該レベル調整用ナットに螺合される支持ボルトを有
   する脚部材とからなる支持脚において、支持ボルトの外
   周面にその上端から連続する螺旋切溝を設けたことを特
   徴とする支持脚。