JPS6020146Y2 - ピアノキヤスタ−止め具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はアップライトピアノ（以下ピアノと言う。

）の敷板上に設置するキャスター止め具に関し特に地震
対策用として有効なキャスター止め具に関する。

一般にピアノは下面に４個のキャスターを有し押して移
動させることができるようになっている。

従って硬い床面にピアノを設置するとピアノが移動しや
すい。

またピアノを畳の上に設置するような場合はキャスター
が畳にくい込むのを防止するため、キャスター取付部の
前後方向とはＳ゛同じ長さを持ち１０ｃＩｎ程度の幅を
持つ平板を敷板として用いているのが普通である。

しかしこの場合、ピアノは重量が大で前後方向の長さに
比して背が高く、重心の位置も高いため、非常に不安定
な状態である。

またピアノはわずかな力でも敷板上を移動しやすく、畳
にも弾力性があるため敷板からキャスターが脱落するこ
とも多い。

その場合元の状態に戻すことは相当に困難であった。

また最近の宮城沖地震の際に、上記のような敷板上に壁
を背に設置されていたピアノが前方へ倒れていた例が多
い。

その現場の状況からゆれによってまずキャスターが敷板
から脱脱し、畳にキャスターがくい込み次にピアノの背
面上部と壁とが衝突し前側のキャスターを支点として前
方へ倒れていることが確認されている。

２００に９を越える重量物であるピアノが倒れることは
非常に危険であり、その対策も望まれている。

ピアノが敷板上を移動しないようにしたものとして、実
開昭５５−３８３２５号公報記載の固定金具がある。

その金具は、ピアノのメーカあるいは機種などの相違に
よってキャスターの形や大きさが異なると、夫々に異な
る金具を準備しなければならないものである。

この考案は従来の敷板上に設置されるピアノに対して、
そのキャスターの形や大きさが異なる場合にも対応でき
、平常時においてピアノが敷板上で移動したり脱落した
りしないようにできると共に、地震の際にピアノの転倒
を防止するキャスター止め具を提供しようとするもので
ある。

以下、この考案を図示の１実施例に基いて説明する。

第１図〜第４図において、１３は固定部、１５は起立部
、１８ａは腕基部、１８ｂ、１８ｂは腕、２０．２１は
締付部材としてのボルト及びちょうナツトである。

固定部１３は、幅が１０ｃｍ程度に形成され、その両端
部には左右それぞれ２個づ）木ねじ挿通孔１４が設けら
れている。

この木ねじ挿通孔１４はピアノの妻土台１２の幅よりも
大きい間隔で幅方向両端部に設けられている。

固定部１３の幅方向に沿う一方の縁の中央部から幅約５
ｏｒＦＢの起立１５が図示のように直角上方に伸延形成
されている。

この起立部１５にはボルト１６の挿通孔１７が設けられ
ている。

この固定部１３と起立部１５とは鋼板を打抜き屈曲させ
て形成したものである。

腕基部１８ａは、起立部１５の幅に対応した幅を有する
長方形に形成され、その両側縁から直角に腕１８ｂ、１
８ｂが伸延形成されている。

この腕基部１８ａと腕１８ｂ、１８ｂとは鋼板を打抜き
屈曲させて平面形状がコ字状となるように形成された一
体のものである。

腕基部１８ａには起立部１５の挿通孔１７に対応した位
置に上下方向に長い長孔２３を設けてあり、ボッ叶１６
が挿通孔１７と長孔２３の双方に挿通され、ちょうナツ
ト２４を螺合されて、腕基部１８ａが起立部１５に対し
所望の高さ位置に結合されるようになっている。

双方の腕１８ｂ、１８ｂには先端部に同一水平軸上に小
孔１９，１９が穿設され、この小孔１９．１９には締付
部材としてボルト２０が挿通され、そのボルト先端にち
ょうナツト２１が螺合するようになっている。

このように構成されたピアノキャスター止め具２５は、
ピアノの各々のキャスター９の位置で第４図に示すよう
に平板状の敷板２６に木ねじ２７て固定される。

そして、ピアノキャスター９は腕基部１８ａ１腕１８ｂ
、１８ｂ、ボルト２０の内側に位置させられた状態で、
ちょうナツト２１を締め付けられることにより主に腕１
８ｂ、１８ｂ間に挾持されることになる。

このとき、腕１８ｂ、１８ｂは若干内側へ撓む。

このキャスター止め具は、腕基部１８ａ１腕１８ｂ、１
８ｂ、ボルト２０がキャスター９を包囲して締め付けて
挟持するから、キャスター９を敷板２６に確実に固定す
ることができる。

ピアノによってはキャスターの大きさや形が違うものも
あるが、ちょうナツト２４を弛めることにより腕基部１
８ａ１腕１８ｂ、１８ｂの高さ位置を任意に移動調節で
き、またちょうナツト２１の締付けによって腕１８ｂ、
１８ｂ間の寸法が変化するから、殆んどのキャスターを
がたつきなく確実に敷板２６に固定できる。

従って、ピアノが敷板２６上から畳の上に移動するよう
なことはなく、地震に対してもピアノの前後方向揺動支
点が確実に敷板の前端縁又は後端縁となるから、容易に
転倒しない状態が得られ、安全である。

なお、地震対策としては第５図に示すような敷板３０を
使用するのが最も好ましく、キャスター止め具２５は前
側の２個のキャスターのみに使用すればよい。

同図において、３１は敷板本体、３２は敷板本体の後端
に結合固定された起立壁部であり、起立壁部３２がピア
ノ背面の枠部に釘あるいは木ねじ３３で固定されている
。

以上のようにこの考案によるときは、キャスターに締め
付は固定でき、キャスターの大きさや形の相違に対応で
き、敷板とキャスターとを確実に固定でき、地震等によ
るピアノの転倒防止にきわめて有効なピアノキャスター
止具を提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の１実施例の平面図、第２図は同実施
例の正面図、第３図は同実施例の右側面図、第４図は同
実施例の使用状態の１例を示す主要部正面図、第５図は
他の使用例を示すピアノの左側面下部概略図である。 ９・・・・・・キャスター １３・・・・・・固定部、
１４・・・・・・木ねじ挿通孔、１６・・・・・・ボル
ト、１７・・・・・・ボルト挿通孔、１８ａ・・・・・
・腕基部、１８ｂ、１８ｂ・・・・・・腕、２０・・・
・・・ボルト、２１・・・・・・ちょうナツト、２３・
・・・・・長孔、２４・・・・・・ちょうナツト、２６
・・・・・・敷板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. アップライトピアノ用の敷板に固定される固定部と、こ
   の固定部から上方に伸延された起立部と、この起立部に
   任意の高さで固定される腕基部と、この腕基部から上記
   アップライトピアノのキャスターの両外側を通って伸延
   された腕と、この腕先端部間に跨って設けられその間を
   締付けて上記キャスターを挾持させる締付部材とからな
   るピアノキャスター止め具。