JP3043900U - プレス製品搬出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 プレス機で成形された製品パネルの端部が傾
斜していても角度調整することなく、しかも無理な力を
加えないで確実に捉えて搬出できるようにしたプレス製
品搬出装置を提供する。 【解決手段】 アームの先端部にパネル吸着用バキュー
ムカップを取り付けると共に、アームの後端部を、戻し
スプリングを介してアーム取付ブラケットに上下方向に
首振り可能に枢支する。アーム取付ブラケットをガイド
レールに沿って進退させると共に、アームの後端部寄り
に取り付けたローラをプレス下型の要所に取り付けたモ
ーションカーブゲージに係合させ、このモーションカー
ブゲージにより山なりの倣い動作をアームに付与する。
製品プレスの端部が傾斜していても、バキュームカップ
がそれを飛び越えて確実に吸着し搬出することができ
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、プレス製品搬出装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

トランスファープレス等のプレス機には、プレス後の製品を搬出するための装 置が組み込まれており、従来は例えば図２に示すようにグリッパージョーＡと称 する搬出装置が公知である。このグリッパージョーＡは、支持材Ｂを介してガイ ドレールＣ上を進退自在に形成され、先端部には開閉する一対の把持片Ｄを備え 、この把持片Ｄにてプレス後の製品パネルＥを把持してプレス機から搬出するよ うにしている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前記従来のグリッパージョーＡによると、製品パネルＥの端部 Ｅａが水平ではなく角度をもって傾斜している場合には、把持ミスが発生するば かりか、把持片Ｄでホールドした際に無理な力が掛かって製品パネルＥを変形さ せ、製品パネルＥを不良品にしてしまう欠点があった。 このような欠点を防ぐには、製品パネルＥの端部Ｅａの傾斜角度に合わせてグ リッパージョーＡを角度調整する必要があるが、そのような角度調整は容易なこ とではなく搬出作業性を低下させる原因にもなる。

【０００４】 本考案は、上記従来の事態に鑑みなされたもので、製品パネルの端部が傾斜し ていても角度調整することなく、しかも無理な力を加えないで確実に捉えて搬出 できるようにしたプレス製品搬出装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この目的を達成するための技術的手段として、本考案は、ガイドレールに沿っ て進退するアーム取付ブラケットと、このアーム取付ブラケットに後端部が枢支 されると共に戻しスプリングを介して上下方向に首振り可能に取り付けられたア ームと、このアームの先端部に取り付けられたパネル吸着用のバキュームカップ と、アームの後端部寄り下方に設けられたローラーと、プレス下型の要所に取り 付けられ前記ローラーと係合するモーションカーブゲージとを備えて成り、前記 アーム取付ブラケットの進退に伴って、前記ローラーがモーションカーブゲージ のカーブ面に沿って移動することで、そのカーブ面の形状に倣ったモーションカ ーブを前記アームに付与したプレス製品搬出装置を要旨とするものである。

【０００６】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の実施の態様を添付図面に基づいて詳説する。 図１において、１はアーム取付ブラケットであり、ガイドレール２に沿って進退 自在に形成されている。

【０００７】 ３はアームであり、その後端部の取付部３ａが前記アーム取付ブラケット１に ピン軸４を介して枢支されると共に、取付部３ａとアーム取付ブラケット１との 間に戻しスプリング５が取り付けられている。

【０００８】 又、アーム３は後端部寄りの下方にほぼ三角状の支持片３ｂを有し、その下端 部にはローラー６が取り付けられ、更にアーム３の先端部にはパネル吸着用のバ キュームカップ７が取り付けられている。

【０００９】 ８はトランスファープレス等のプレス下型であり、その要所に取付部８ａが設 けられ、この取付部８ａにモーションカーブゲージ９が支持片９ｂを介して着脱 可能に取り付けられている。

【００１０】 このモーションカーブゲージ９は、上面に山なりのカーブ面９ａを有しており 、このカーブ面９ａに沿って前記ローラー６が移動するように係合されている。

【００１１】 上記のように構成されたプレス製品搬出装置は、プレス時にはアーム３が退避 位置即ち前記アーム取付ブラケット１がガイドレール２の後退位置にあり、この 時前記ローラー６はモーションカーブゲージ９の後端Ｐ点に位置している。

【００１２】 プレスが終了すると、駆動装置（図略）によってアーム取付ブラケット１がガ イドレール２に沿って前進させられ、この前進に伴ってローラー６はモーション カーブゲージ９の頂上Ｑ点に向かってカーブ面９ａを上昇する。

【００１３】 すると、アーム３は前進しながら上向きの力を受け、戻しスプリング５に抗し て前記ピン軸４を支点として時計回り方向に徐々に回転する。この回転は、ロー ラー６がモーションカーブゲージ９の頂上Ｑ点に至るまで続行され、そのＱ点に おいて回転角度は最大となる。

【００１４】 この後、更にアーム取付ブラケット１の前進に伴って、ローラー６がモーショ ンカーブゲージ９の前端Ｒ点に向かってカーブ面９ａを下降し、アーム３は戻し スプリング５の復元力を受けて前記ピン軸４を支点として反時計回り方向に回転 する。

【００１５】 ローラー６がモーションカーブゲージ９の前端Ｒ点に至ると、アーム取付ブラ ケット１の前進が停止され、この時前記バキュームカップ７は、プレス下型８の 上面に載っている製品パネル１０の上面に吸着する。

【００１６】 このようにして、ローラー６がモーションカーブゲージ９のカーブ面９ａを、 Ｐ点からＱ点を経てＲ点に至るまで、アーム３はその移動の影響を受けて上下方 向に首振り運動を行う。この結果、アーム３の先端部は、モーションカーブゲー ジ９のカーブ面９ａに倣ったモーションカーブＭの動作が付与される。

【００１７】 従って、前記製品パネル１０の端部１０ａが上向き傾斜状態にプレス成形され ていても、その傾斜端部１０ａを飛び越えるようにして製品パネル１０の水平部 １０ｂにバキュームカップ７を吸着させることができる。

【００１８】 このバキュームカップ７の吸着後に、今度は前記アーム取付ブラケット１を後 退させると、ローラー６がモーションカーブゲージ９のＲ点から頂点Ｑに向かっ てカーブ面９ａを上昇し始める。

【００１９】 すると、アーム３は後退しながら上向きの力を受け、戻しスプリング５に抗し て前記ピン軸４を支点として時計回り方向に徐々に回転する。この回転はローラ ー６がモーションカーブゲージ９の頂上Ｑ点に至るまで続行され、そのＱ点にお いて回転角度は最大となる。

【００２０】 これにより、アーム３の先端部は前記モーションカーブＭを逆行する動作が付 与され、前記バキュームカップ７で製品パネル１０を吸着保持したままプレス下 型８の突出端部８ｂを飛び越えることができる。

【００２１】 更に、アーム取付ブラケット１が後退すると、ローラー６がモーションカーブ ゲージ９の後端Ｐ点に向かってカーブ面９ａを下降し、アーム３は戻しスプリン グ５の復元力を受けて前記ピン軸４を支点として反時計回り方向に回転する。

【００２２】 ローラー６がモーションカーブゲージ９の後端Ｐ点に至ると、アーム取付ブラ ケット１の後退が停止され、前記バキュームカップ７により製品パネル１０がプ レス機外に搬出されることになる。つまり、アーム取付ブラケット１を介してア ーム３を進退させるだけで、製品パネル１０を搬出することができる。

【００２３】 この場合、アーム３の進退動作と昇降動作の２つを組み合わせることなく、ア ームの進退動作のみで製品パネル１０の搬出が可能となり、しかも製品パネル１ ０の端部が傾斜状態に成形されていても、バキュームカップ７により確実に吸着 することが可能である。従って、駆動装置は簡単な機構のもので良く、又製品パ ネルには無理な荷重が掛からないので変形が生じることはなく、不良品の発生を 未然に防止することができる。

【００２４】 尚、モーションカーブゲージ９の形状は前記のものに限定されず、製品パネル １０の形状に応じてモーションカーブゲージ９のカーブ面９ａを変えることでア ーム３の動きを自由に変えることができる。

【００２５】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によれば、プレス機で成形された製品パネルを機 外に搬出する場合において、先端部にバキュームカップを装着したアームを進退 させながら、モーションカーブゲージにより山なりの倣い動作を付与したので、 製品パネルの端部が傾斜していても角度調整することなく、しかも無理な力を加 えないで製品パネを確実に捉えて搬出することができる。これにより、製品パネ ルの搬出作業性を著しく向上させると共に、不良品発生率を減少させる等の実用 上優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るプレス製品搬出装置の実施の態様
を示す概略全体図である。

【図２】従来例の説明図である。

【符号の説明】

１…アーム取付ブラケット ２…ガイドレール ３…アーム ４…ピン軸 ５…戻しスプリング ６…ローラー ７…バキュームカップ ８…プレス下型 ９…モーションカーブゲージ １０…製品パネル

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ガイドレールに沿って進退するアーム取付
   ブラケットと、このアーム取付ブラケットに後端部が枢
   支されると共に戻しスプリングを介して上下方向に首振
   り可能に取り付けられたアームと、このアームの先端部
   に取り付けられたパネル吸着用のバキュームカップと、
   アームの後端部寄り下方に設けられたローラーと、プレ
   ス下型の要所に取り付けられ前記ローラーと係合するモ
   ーションカーブゲージとを備えて成り、前記アーム取付
   ブラケットの進退に伴って、前記ローラーがモーション
   カーブゲージのカーブ面に沿って移動することで、その
   カーブ面の形状に倣ったモーションカーブを前記アーム
   に付与したことを特徴とするプレス製品搬出装置。