JP3040366B2 - 光学活性な(r)−または(s)−1−(4−メトキシベンジル)−オクタヒドロイソキノリン誘導体の製法 - Google Patents

光学活性な(r)−または(s)−1−(4−メトキシベンジル)−オクタヒドロイソキノリン誘導体の製法

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JP3040366B2
JP3040366B2 JP9352502A JP35250297A JP3040366B2 JP 3040366 B2 JP3040366 B2 JP 3040366B2 JP 9352502 A JP9352502 A JP 9352502A JP 35250297 A JP35250297 A JP 35250297A JP 3040366 B2 JP3040366 B2 JP 3040366B2
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    • C07D217/12Heterocyclic compounds containing isoquinoline or hydrogenated isoquinoline ring systems with radicals, substituted by hetero atoms, attached to carbon atoms of the nitrogen-containing ring
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、式(I):
【0002】
【化4】
【0003】〔式中、HXは、HBF4 、H2 SO4
HPF6 、HBr、HI、HCl、HSbF6 、および
HClO4 からなる群より選択される鉱酸、あるいはC
1-8 −アルキルSO3 H、ピクリン酸、ギ酸、低級アル
キルカルボン酸もしくはアリールカルボン酸(例えば、
酢酸、プロピオン酸または安息香酸など)、およびジカ
ルボン酸(例えば、シュウ酸、コハク酸、マレイン酸ま
たはフタル酸など)からなる群より選択される強有機酸
を表わす〕で示される光学活性な化合物の、新規な、触
媒による製造方法であって、式(II):
【0004】
【化5】
【0005】〔式中、HXは、上述の意味を有する〕で
示される化合物から出発する方法に関する。
【0006】
【従来の技術】式(I)の化合物は、その遊離塩基の形
で、それ自体公知であり、例えばデキストロメトルファ
ンなどの薬理学的に有用な化合物を得るための有用な中
間体である。
【0007】イミンにおける炭素−窒素二重結合の不斉
水素化は、公知である。ロジウム、イリジウム、または
チタン触媒(J. Mol. Catal. 1990, 62, 243; J. Am. C
hem.Soc., 1994, 116, 8952およびJ. Am. Chem. Soc.,
1990, 112, 9400)がこれまで使用されてきた。イミン
は、常に遊離塩基として使用されてきた。ルテニウム触
媒は、特に官能的な基質のために知られている(Tetrah
edron Letters 1990,31, 4117)。
【0008】式(II)の化合物を遊離塩基として水素化
することには、問題が多い。式(II)の化合物が、この
形では不安定であり、対応する1−(4−メトキシ−ベ
ンジル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−イソキノリ
ン(テトラベース)とrac−1−(4−メトキシ−ベ
ンジル)−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒ
ドロ−イソキノリン(rac−オクタベース)が、不均
衡に得られるからである。さらに、例えばデキストロメ
トルファンの製法などの公知の方法は、ラセミ化合物を
分離する必要があるなどの欠点を有している。式(II)
の化合物を不均一系触媒の存在下で水素化する公知の方
法では、ラセミ化合物が得られ、式(I)の(S)−エ
ナンチオマーのみが使用されるため、ラセミ化合物を分
離する必要があるからである。さらに、式(I)の化合
物のうち、必要ではない(R)−エナンチオマーを、い
くつかの反応行程を経て処理し、ラセミ化し、リサイク
ルする必要がある。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の目的は、エニミンをその
塩の形で、不斉水素化することを可能とし、上述の欠点
を有さない新規な方法を提供することである。
【0010】本発明による方法は、式(II):
【0011】
【化6】
【0012】〔式中、HXは、上述の意味を有する〕で
示される化合物を、光学活性なジホスフィンリガンドと
イリジウムからなる錯体の存在下、必要であれば添加剤
の存在下で、不斉水素化して、式(I)の化合物とする
ことを特徴とする。
【0013】式(I)および(II)の化合物(ここで、
HXは、HBF4 、H2 SO4 、HPF6 、HBr、H
I、HCl、HSbF6 、およびHClO4 からなる群
より選択される鉱酸、あるいはC1-8 −アルキルSO3
H、ピクリン酸、ギ酸、低級アルキルカルボン酸もしく
はアリールカルボン酸(例えば、酢酸、プロピオン酸ま
たは安息香酸など)、およびジカルボン酸(例えば、シ
ュウ酸、コハク酸、マレイン酸またはフタル酸など)か
らなる群より選択される強有機酸を表わす)もまた、本
発明の目的である。
【0014】本発明による方法のための光学的に活性な
イリジウム−ジホスフィン錯体としては、特に以下の
式: 〔Ir(Y)(Ln)〕+- (III−a) 〔Ir(Y)(Ln)B〕 (III−b) (〔Ir(Y)(B)4〕)p -r+ (III−c) 〔IrH(Y)(B)22 (III−e) 〔Ir(Y)(B)32 (III−f) 〔Ir(B)3(Y)〕 (III−g) 〔式中、Lは、中性リガンドを表わし;Aは、酸素酸ま
たは複合酸のアニオンを表わし;Bは、アニオン性配位
リガンドを表わし;nは、0、1または2を表わし;p
は、1または2を表わし;rは、1または2を表わし;
+ は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、またはテト
ラ置換アンモニウムを表わし;Yは、式:
【0015】
【化7】
【0016】(式中、R1 およびR1'は、互いに独立し
て、アリール、ヘテロアリールまたはC3-8−シクロア
ルキルを表わすか、あるいはリン原子と一緒になって9
−ジベンゾホスホリルを表わし;R2 は、C1-8 −アル
キル、C3-8 −シクロアルキル、アリール、またはアラ
ルキルを表わすか;あるいは同一分子中の2つのR2
が、一緒になって、5または8員環を形成し;R3 は、
1-8 −アルキル、ヘテロアリール、アリール、C3-8
−シクロアルキル、またはアラルキルを表わし;R9
10、およびR11は、互いに独立して、水素、C1-8
アルキル、ハロゲン化C1-8 −アルキル、C3-8 −シク
ロアルキル、アリール、またはアラルキルを表わすか、
あるいはR10およびR11は、一緒になって、5もしくは
8員環を形成し;そしてZ1 は、水素、C1-8 −アルキ
ル、アラルキル、−CO22 、−CONR2 2、−SO
210、−POR10 2 、または−COR3 を表わす)で
示されるキラルジホスフィンリガンドを表わす〕で示さ
れる、光学活性な、カチオン性、アニオン性もしくは中
性イリジウム−ジホスフィン錯体を挙げることができ
る。
【0017】光学活性なイリジウム錯体(III−a)〜(I
II−g)は、水素化を行う式(II)の化合物の非存在下
または存在下、原料化合物から、現場で合成または製造
することができる。
【0018】式(III−a)〜(III−g)ならびに式(I
V)および(V)の化合物と関連して、一般的用語の以
下に示す定義は、それらが単独または組み合わせて使用
されているかどうかとはかかわりなく、それぞれ適用さ
れる。
【0019】「中性リガンド」の語は、本発明の範囲内
で、オレフィン(例えば、エチレン、プロピレン、シク
ロオクテン、1,5−ヘキサジエン、ノルボルナジエ
ン、1,5−シクロオクタジエン、ベンゼン、ヘキサメ
チルベンゼン、p−シメンなど)、ニトリル(アセトニ
トリルおよびベンゾニトリルなど)、または溶媒(例え
ば、THF、トルエンなど)などの容易に交換しうるリ
ガンドを表わす。このようなリガンドの1つ以上が存在
する場合、これらは互いに異なっていてもよい。
【0020】「ハロゲン化物」の語は、アルカリ金属、
アルカリ土類金属、またはテトラ置換アンモニウム化合
物の形におけるフッ素、塩素、臭素およびヨウ素化物を
包含する。
【0021】「アニオン性配位リガンド」の語は、例え
ばハロゲン、カルボン酸残基、スルホナト残基(例え
ば、トシラトまたはメタンスルホナトなど)、1,3−
ジケトナト(例えば、アセチルアセトナトなど)、場合
により置換されたフェノラト、ヒドロキシ、ニトリト、
シアナト、ロダニド、シアニド、アリル、および2−メ
チルアリルを包含する。
【0022】「酸素酸または複合酸」の語は、本発明の
範囲内で、H2 SO4 、HClO4、HBrO4 、HI
4 、HNO3 、H3 PO4 、H3 PO3 、CF3 SO
3 H、およびC65 SO3 H、ならびにホウ素、リ
ン、ヒ素、アンチモン、またはビスマスなどの元素との
ハロゲンの複合体の群より選ばれる酸を包含する。HC
lO4 、CF3 SO3 H、HPF6 、HBF4 、HB
(Ph)4、HB(3,5−C63)4 、HSbF6 、お
よびHAsF6 が、好ましい代表的例である。
【0023】「C1-8 −アルキル」の語は、本発明の範
囲内で、アルキレン含有系については、1〜8個の炭素
原子を有する炭化水素、つまり直鎖または分岐鎖状アル
キル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロ
ピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、
イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、tert−ヘキシ
ル、ヘプチル、イソヘプチル、オクチル、およびイソオ
クチルなど)を表わす。
【0024】「C1-8 −アルコキシ」の語は、酸素原子
を介して結合した、上記で定義したアルキル基を表わ
す。メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキ
シ、ブトキシなどを、例として挙げることができる。
【0025】「C3-8 −シクロアルキル」の語は、本発
明の範囲内で、シクロプロピル、シクロブチル、シクロ
ペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシ
クロオクチルを表わす。
【0026】「ハロゲン化アルキル」の語は、本発明の
範囲内で、1個以上のハロゲン原子(特に塩素またはフ
ッ素、好ましくは少なくとも1個のハロゲン原子)を有
するアルキル基を表わし、例えばトリフルオロメチル、
トリクロロメチル、ペンタフルオロエチルなどの過フッ
素化または過塩素化化合物が挙げられる。
【0027】「アリール」の語は、非置換ばかりでな
く、オルト、メタ、もしくはパラ位でモノ−置換されて
いることのできる、またはポリ−置換されていることの
できるフェニル基を表わす。置換基としては、フェニ
ル、C1-8 −アルキルもしくはアルコキシ基、ハロゲン
化C1-8 −アルキル、ジ−C1-8 −アルキルアミノ、ジ
フェニルアミノ、ジベンジルアミノ、モルホリノ、ピペ
リジノ、ピロリジノ、ハロゲン、トリアルキルシリル
(例えば、トリメチルシリル)などを考慮することがで
きる。さらにこの語は、ナフチルを表わすこともでき
る。
【0028】「アラルキル」の語は、アリール基が上記
の意味を有し、アルキル基が同様に上述の意味を有する
基を表わす。ベンジルなどが、例として挙げられる。
【0029】「ヘテロアリール」の語は、窒素、酸素お
よび硫黄からなる群より選択される1個以上のヘテロ原
子を含有する、5または6員のヘテロ芳香環基(これ
は、さらに芳香環基と縮合していることができる)を表
わす。5員環のヘテロ芳香環基であるピロリル、チエニ
ル、およびフラニルを例として挙げることができる。6
員環のヘテロ芳香環基の群からは、例えばピリジルを挙
げることができる。ヘテロ芳香環基は、上述したアリー
ルと同様に置換されていることができ、窒素含有ヘテロ
芳香環基の場合、その窒素原子は、例えばアルキルまた
はアルコキシ基により置換されていることができる。
【0030】式(IV)および(V)のリガンドは、それ
自体公知の化合物であり、例えばSYNLETT 1992, 169 に
記載されているように調製することができる。
【0031】式(II)の化合物の式(I)の化合物への
本発明による不斉水素化は、反応条件下で不活性である
適当な有機溶媒中で行う。このような溶媒としては、特
に低級アルコール(メタノール、エタノール、およびイ
ソプロパノールなど);エステル;ハロゲン化炭化水素
(例えば、塩化メチレン、クロロホルムなど);トルエ
ン、キシレンなどの群より選択される炭化水素;エーテ
ル(例えば、tert−ブチルメチルエーテル、ジエチルエ
ーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンおよびフラン
など);アミド(ジメチルホルムアミド(DMF)な
ど);ニトリル(アセトニトリルなど);カルボン酸
(酢酸など);およびスルホキシド(ジメチルスルホキ
シド(DMSO)など)を考慮に入れることができる。
さらに、これらの溶媒を互いに混合した混合物や、水と
の混合物を使用することができる。炭化水素、アルコー
ル、および水、またはこれらの混合物が、好ましい溶媒
である。特に好ましい溶媒混合物は、アルコールと炭化
水素の混合物(トルエン−メタノールなど)である。3
種類の溶媒を含む特に好ましい溶媒混合物は、トルエ
ン、メタノールおよび水を含む。
【0032】本発明による方法は、好ましくは、塩基で
ある添加剤の存在下で行う。塩基は、カルボン酸塩(例
えば、酢酸ナトリウム、ギ酸ナトリウムなど)、炭酸
塩、第一級、第二級および第三級アミン(例えば、ジイ
ソプロピルアミン、トリエチルアミンおよびジイソプロ
ピルエチルアミンなど)、ジアミン(エチレンジアミン
およびテトラメチルエチレンジアミン型)、イミド(ス
クシンイミドおよびフタルイミドなど)、アルカリアル
コラート(ナトリウムメチラートなど)、水酸化ナトリ
ウム、ならびにリン酸塩からなる群より選択される化合
物である。(RまたはS)−1−(4−メトキシ−ベン
ジル)−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒド
ロイソキノリンを、更なる添加剤として挙げることがで
きる。ジイソプロピルアミンおよびトリエチルアミンな
どの第二級および第三級アミンが、特に好ましい。炭酸
塩(炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カ
リウムなど)、およびリン酸塩(リン酸水素二ナトリウ
ムなど)もまた、好ましい添加剤である。
【0033】添加剤を加えることによって、鏡像異性体
の純度と収率の両方がかなり増大する。
【0034】使用する添加剤の量は、式(II)および式
(III−a)〜(III−g)の化合物に対して、それぞれ
0.001〜100モル当量の範囲内である。
【0035】上述の群より選択される塩基、特にカルボ
ン酸塩および第一級、第二級または第三級アミンからな
る群より選択される塩基を添加剤として使用する場合、
その量は、式(II)の化合物に対して、0.001〜1
00モル当量、好ましくは0.001〜10モル当量、
特に好ましくは0.001〜2モル当量の範囲内であ
る。
【0036】上述の定義によるアニオン性配位リガンド
を、反応混合物に、式(III−a)〜(III−g)の化合物
に対して、0.1〜100モル当量、好ましくは0.5
〜50モル当量、特に好ましくは1〜10モル当量の量
で含めることができる。
【0037】不斉水素化の方法の特別な実施態様による
と、液状または超臨界二酸化炭素を、単一の溶媒とし
て、あるいは上述のそのほかの溶媒と組み合わせて使用
する。反応混合物中に少量の二酸化炭素が存在するだけ
で、実施例1.6〜1.8および比較例である実施例
1.5から明らかなように、生成物の収率が増大する。
【0038】式(II)の化合物の塩は、それ自体公知の
方法により、例えば公知である式(II)の化合物の塩酸
塩から出発して、塩交換または酸置換により調製するこ
とができる。これによって、水および/または塩素化溶
媒を使用しないですむ。
【0039】不斉水素化は、好都合には、約10〜20
0℃、好ましくは約10〜100℃、特に好ましくは約
20〜100℃の温度範囲内で、約1〜250bar 、好
ましくは約1〜180bar 、特に好ましくは約10〜9
0bar の圧力下で行う。
【0040】水素化を行う式(II)の化合物と式(III−
a)〜(III−g)のイリジウム錯体との間の、触媒に対
する基質のモル比(S/C)は、好都合には20〜8
0,000、好ましくは100〜50,000、特に好
ましくは100〜30,000である。
【0041】式(IV)および(V)の光学的に活性なジ
ホスフィンリガンドとのイリジウム錯体を、式(II)の
化合物の不斉水素化に使用することができる。
【0042】式(VI)および(V)の特に好ましいリガ
ンドの例は、以下のとおりである: (2R,3R)−O−イソプロピリデン−2,3−ジヒ
ドロキシ−1,4−ビス−〔ビス−(4−メトキシ−
3,5−ジメチル−フェニル)ホスフィノ〕ブタン;te
rt−ブチル (2S,4S)−4−(ジ−m−トリルホ
スフィノ)−2−〔(ジ−m−トリルホスフィノ)メチ
ル〕−1−ピロリジンカルボキシレート;(2R,3
R)−O−イソプロピリデン−2,3−ジヒドロキシ−
1,4−ビス−〔ビス−(4−メトキシ−3,5−ジイ
ソプロピル−フェニル)ホスフィノ〕ブタン;(2R,
3R)−O−イソプロピリデン−2,3−ジヒドロキシ
−1,4−ビス−〔ビス−(3,5−ジ−tert−ブチル
−フェニル)ホスフィノ〕ブタン;(2R,3R)−O
−イソプロピリデン−2,3−ジヒドロキシ−1,4−
ビス−〔ビス−(3,5−ジ−N−モルホリノ−フェニ
ル)ホスフィノ〕ブタン;(2R,3R)−O−イソプ
ロピリデン−2,3−ジヒドロキシ−1,4−ビス−
〔ビス−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)ホス
フィノ〕ブタン;(2R,3R)−O−イソプロピリデ
ン−2,3−ジヒドロキシ−1,4−ビス−〔ビス−
(2−ナフチル)ホスフィノ〕ブタン;(2R,3R)
−O−イソプロピリデン−2,3−ジヒドロキシ−1−
(ジシクロヘキシルホスフィノ)−4−〔ビス−(4−
メトキシ−3,5−ジ−tert−ブチル−フェニル)ホス
フィノ〕ブタン;(2R,3R)−O−イソプロピリデ
ン−2,3−ジヒドロキシ−1−(ジフェニルホスフィ
ノ)−4−〔ビス−(4−メトキシ−3,5−ジ−tert
−ブチル−フェニル)ホスフィノ〕ブタン;(2R,3
R)−O−イソプロピリデン−2,3−ジヒドロキシ−
1−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−4−〔ビス−
(3,5−ジ−tert−ブチル−フェニル)ホスフィノ〕
ブタン;tert−ブチル (2S,4S)−4−〔ビス−
(4−メトキシ−3,5−ジメチル−フェニル)ホスフ
ィノ〕−2−〔ビス−(4−メトキシ−3,5−ジメチ
ル−フェニル)ホスフィノメチル〕−1−ピロリジン−
カルボキシレート;tert−ブチル (2S,4S)−4
−〔ビス−(3,5−ジ−tert−ブチル−フェニル)ホ
スフィノ〕−2−〔ビス−(3,5−ジ−tert−ブチル
−フェニル)ホスフィノメチル〕−1−ピロリジン−カ
ルボキシレート;tert−ブチル (2S,4S)−4−
〔ジフェニルホスフィノ〕−2−〔ビス−(3,5−ジ
−tert−ブチル−フェニル)ホスフィノメチル〕−1−
ピロリジン−カルボキシレート;およびtert−ブチル
(2S,4S)−4−〔ビス−(4−メトキシ−3,5
−ジ−tert−ブチル−フェニル)ホスフィノ〕−2−
〔ビス−(4−メトキシ−3,5−ジ−tert−ブチル−
フェニル)ホスフィノメチル〕−1−ピロリジンカルボ
キシレート。
【0043】
【実施例】以下の実施例は、本発明を説明するものであ
るが、何らかの限定を示すものではない。実施例中に使
用している略語は、以下の意味を有する: HPLC: 高速液体クロマトグラフィー; RT: 室温; HV: 高真空; GC: ガスクロマトグラフィー; e.e.: エナンチオマー過剰率; (R,R)−MOD−DIOP: (4R,5R)−O
−イソプロピリデン−2,3−ジヒドロキシ−1,4−
ビス−〔ビス−(4−メトキシ−3,5−ジメチル−フ
ェニル)ホスフィノ〕ブタン; (S,S)−mTol−BPPM: tert−ブチル
(2S,4S)−4−(ジ−m−トリルホスフィノ)−
2−〔(ジ−m−トリルホスフィノ)メチル〕−1−ピ
ロリジンカルボキシレート; (R,R)−3,5−tBu,4−Me−O−DIO
P: (2R,3R)−O−イソプロピリデン−2,3
−ジヒドロキシ−1,4−ビス−〔ビス−(4−メトキ
シ−3,5−ジ−tert−ブチル−フェニル)ホスフィ
ノ〕ブタン; (R,R)−3,5−MOR−DIOP: (2R,3
R)−O−イソプロピリデン−2,3−ジヒドロキシ−
1,4−ビス−〔ビス−(3,5−ジ−N−モルホリノ
−フェニル)ホスフィノ〕ブタン; (R,R)−3,4,5−MeO−DIOP: (2
R,3R)−O−イソプロピリデン−2,3−ジヒドロ
キシ−1,4−ビス−〔ビス−(3,4,5−トリメト
キシ−フェニル)ホスフィノ〕ブタン; (R,R)−2−ナフチル−DIOP: (2R,3
R)−O−イソプロピリデン−2,3−ジヒドロキシ−
1,4−ビス−〔ビス−(2−ナフチル)ホスフィノ〕
ブタン; (R,R)−(Cy)2(3,5−tBu,4−MeO)2
−DIOP: (2R,3R)−O−イソプロピリデン
−2,3−ジヒドロキシ−1−(ジシクロヘキシルホス
フィノ)−4−〔ビス−(4−メトキシ−3,5−ジ−
tert−ブチル−フェニル)−ホスフィノ〕ブタン; (R,R)−(3,5−tBu,4−MeO)2−DIO
P: (2R,3R)−O−イソプロピリデン−2,3
−ジヒドロキシ−1−(ジフェニルホスフィノ)−4−
〔ビス−(4−メトキシ−3,5−ジ−tert−ブチル−
フェニル)−ホスフィノ〕ブタン; (R,R)−(Cy)2(3,5−tBu)2−DIOP:
(2R,3R)−O−イソプロピリデン−2,3−ジ
ヒドロキシ−1−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−4
−〔ビス−(3,5−ジ−tert−ブチル−フェニル)−
ホスフィノ〕ブタン;
【0044】(S,S)−MOD−BPPM: tert−
ブチル (2S,4S)−4−〔ビス−(4−メトキシ
−3,5−ジメチル−フェニル)ホスフィノ〕−2−
〔ビス−(4−メトキシ−3,5−ジメチル−フェニ
ル)ホスフィノメチル〕−1−ピロリジンカルボキシレ
ート; (S,S)−3,5−tBu−BPPM: tert−ブチ
ル (2S,4S)−4−〔ビス−(3,5−ジ−tert
−ブチル−フェニル)ホスフィノ〕−2−〔ビス−
(3,5−ジ−tert−ブチル−フェニル)ホスフィノメ
チル〕−1−ピロリジンカルボキシレート; (S,S)−(3,5−tBu)2(Ph)2−BPPM:
tert−ブチル (2S,4S)−4−〔ジフェニルホ
スフィノ〕−2−〔ビス−(3,5−ジ−tert−ブ
チル−フェニル)ホスフィノメチル〕−1−ピロリジン
カルボキシレート; (S,S)−3,5−tBu,4−MeO−BPPM:
tert−ブチル (2S,4S)−4−〔ビス−
(4−メトキシ−3,5−ジ−tert−ブチル−フェニ
ル)ホスフィノ〕−2−〔ビス−(4−メトキシ−3,
5−ジ−tert−ブチル−フェニル)ホスフィノメチル〕
−1−ピロリジンカルボキシレート; (R,R)−3,5−tBu−DIOP: (4R,5
R)−O−イソプロピリデン−2,3−ジヒドロキシ−
1,4−ビス−〔ビス−(3,5−ジ−tert−ブチル−
フェニル)ホスフィノ〕ブタン; (R,R)−3,5−iProp,4−MeO−DIO
P: (4R,5R)−O−イソプロピリデン−2,3
−ジヒドロキシ−1,4−ビス−〔ビス−(4−メトキ
シ−3,5−ジイソプロピル−フェニル)ホスフィノ〕
ブタン; (R,R)−DIOP: (2R,3R)−O−イソプ
ロピリデン−2,3−ジヒドロキシ−1,4−ビス−
(ジフェニルホスフィノ)ブタン; (S,S)−3,5−Me,4−MeO−BPPM:
tert−ブチル (2S,4S)−4−〔ビス−(4−メ
トキシ−3,5−ジメチル−フェニル)ホスフィノ〕−
2−〔ビス−(4−メトキシ−3,5−ジメチル−フェ
ニル)ホスフィノメチル〕−1−ピロリジンカルボキシ
ラート; (S,S)−BPPM: tert−ブチル (2S,4
S)−4−(ジフェニルホスフィノ)−2−(ジフェニ
ルホスフィノメチル)−1−ピロリジンカルボキシラー
ト; (S,S)−(3,5−tBu,4−MeO)2(Ph)2
−BPPM: tert−ブチル (2S,4S)−4−
(ジフェニルホスフィノ)−2−〔ビス−(4−メトキ
シ−3,5−ジ−tert−ブチル−フェニル)−ホスフィ
ノメチル〕−1−ピロリジンカルボキシラート; COD: 1,5−シクロオクタジエン; ヘキサベース: 1−(4−メトキシ−ベンジル)−
3,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−イソキノリ
ン; (S)−オクタベース: (S)−1−〔4−メトキシ
−ベンジル〕−1,2,3,4,5,6,7,8−オク
タヒドロ−イソキノリン。
【0045】温度はすべて摂氏で表示した。
【0046】実施例1 グローブボックス(酸素含有量:<1ppm)中、〔IrC
l(COD)〕2 13.4mg(0.020mmol)および
キラルリガンドとして(R,R)−MOD−DIOP3
2.2mg(0.044mmol)を、ガラス製インサートを
有する35mlオートクレーブ中、メタノール4mlに溶解
した。Bu4+- 59.1mg(0.16mmol)を加
え、30分間撹拌後、1−(4−メトキシベンジル)−
3,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−イソキノリン
テトラフルオロホウ酸塩0.343g(1.0mmo
l)、およびトルエン4mlを、この触媒溶液に加えた。
次に、オートクレーブを密封し、25℃、100bar の
水素圧下で、44時間、撹拌しながら、水素化を行っ
た。黄色の水素化溶液を、ロータリーエバポレーターを
用い、40℃/20mbarで濃縮した。HPLC(カラ
ム:キラルPAK AD、溶離剤:ヘキサン中の10%エタノ
ールと0.2%トリエチルアミン)およびGC((−)
−カンファン酸のアミドとして、カラム:OV−240
OH 15m)による分析によると、完全な変換によ
り、残渣は、e.e.61%の(S)−オクタベース9
0%を含んでいた。
【0047】実施例1.1〜1.10 表1に記載のキラルリガンドを用いて、実施例1と同様
の方法により、水素化を行った。
【0048】
【表1】
【0049】a)Bu4+- の替わりにフタルイミ
ド0.04mmolを添加; c)Et3 N 1.0mmolを添加; d)NaOAc 1.0mmolを添加; e)溶媒としてTHF; f)溶媒としてDMF; g)溶媒としてMeOH4ml/トルエン4ml/CO2
1.3g; h)溶媒としてTHF1ml/CO2 12.0g、45
℃; i)溶媒としてCO2 12.1g、45℃
【0050】実施例2a.1〜2a.17 実施例2a.1については、以下に詳細に記載する。実
施例2a.2〜2a.17は、同様に行った。グローブ
ボックス中、〔IrCl(COD)〕2 1.01mg
(0.0015mmol)と、キラルリガンドとして(R,
R)−3,5−tBu−DIOP3.5mg(0.0033mmo
l)を、185mlのオートクレーブ中、メタノール18m
lに溶解した。Bu4+- 4.3mg(0.012mmo
l)を加え、30分間撹拌した後、ヘキサベース硫酸水
素塩2.12g(6.0mmol)、ジイソプロピルエチル
アミン77.7mg(0.6mmol)、およびトルエン18
mlを、触媒溶液に加えた。次に、オートクレーブを密封
し、80℃で撹拌しながら、40bar の水素圧下で、4
〜6時間、水素化を行った。黄色の水素化溶液を、ロー
タリーエバポレーターで濃縮した。HPLCとGCによ
ると、完全に変換することによって、残渣は、e.e.
80%の(S)−オクタベース95%を含んでいた。
【0051】
【表2】
【0052】実施例2b.1〜2b.13 ヘキサベース硫酸水素塩の水素化を、表2bに記載の溶
媒中、実施例1と同様の方法で行った(塩基として、i
Pr2 NEt 0.1mmolを添加、変換40〜100
%)。
【0053】
【表3】
【0054】a)60℃、総圧力220bar で、65時
【0055】実施例3.1〜3.3 1−(4−メトキシベンジル)−3,4,5,6,7,
8−ヘキサヒドロ−イソキノリン ヘキサフルオロリン
酸塩の、表3に記載のキラルリガンドによる水素化を、
実施例1と同様の方法で行った。
【0056】
【表4】
【0057】a)Bu4+- は添加せず;b)溶媒
としてTHF。
【0058】実施例4 グローブボックス(O2 含有量:<1ppm)中、〔Ir
(COD)2〕BF4 9.9mg(0.020mmol)、およ
びキラルリガンドとして(R,R)−MOD−DIOP
16.1mg(0.022mmol)を、ガラス製インサート
を有する35mlオートクレーブ中、THF4mlに溶解
し、30分間撹拌した。Bu4+- 29.5mg
(0.08mmol)を加え、15分間撹拌した後、1−
(4−メトキシベンジル)−3,4,5,6,7,8−
ヘキサヒドロ−イソキノリン硫酸水素塩0.34g
(1.0mmol)、THF4ml、および水0.5mlを加
え、オートクレーブを密封し、25℃で撹拌しながら、
100bar の水素圧下で、20時間、水素化を行った。
黄色の水素化溶液を、ロータリーエバポレーターによ
り、40℃/20mbarで濃縮した。HPLCとGCによ
る分析によると、完全な変換により、残渣は、e.e.
71%の(S)−オクタベース67%を含んでいた。
【0059】実施例5 Bu4+- の替わりにBu4+ Br- 25.8mg
(0.08mmol)を用いた以外は、実施例4と同様の方
法で、実験を行った。HPLCとGCによる分析による
と、完全な変換により、残渣は、e.e.66%の
(S)−オクタベース65%を含んでいた。
【0060】実施例6 テトラブチルアンモニウムヨージドを加えなかった以外
は、実施例4と同様の方法で、実験を行った。HPLC
とGCによる分析によると、完全な変換により、残渣
は、e.e.56%の(S)−オクタベース87%を含
んでいた。
【0061】実施例7 N−(2−シクロヘキサ−1−エニルエチル)−2−
(4−メトキシフェニル)−アセトアミド27.34g
(100mmol)を、350mlの四頚スルホン化用フラス
コ中、トルエン30mlに加えた。蒸留したオキシ塩化リ
ン4.73ml(51mmol)を、モーター付ピストンビュ
レットを用い、不活性ガス雰囲気下、80℃で、60分
間かけて、加えた。溶液を放置して、80℃で1時間、
90℃で2時間、そして最後に100℃で1時間、反応
を進行させた。反応混合物は、ビシュラー−ナピエラル
スキー(Bishler-Napieralsky)反応粗生成物である式
(II)の1−(4−メトキシ−ベンジル)−3,4,
5,6,7,8−ヘキサヒドロイソキノリンの溶解物
を、HCl塩および種々のリン酸塩からなる塩混合物の
形で含んでいた。
【0062】実施例8 実施例7で調製したトルエン中の反応混合物に、不活性
ガス雰囲気下、20℃で、97%硫酸20.2g(20
mmol)を30分間以内に、ガス状塩酸を発生させなが
ら、滴下により加えた。次にトルエンを、水流ポンプに
より、留去した。残渣をイソプロパノール250mlに溶
解した。0℃で18時間結晶化した後、結晶物を吸引ろ
過し、氷冷イソプロパノールですすいだ。水流ポンプで
乾燥後、1−(4−メトキシベンジル)−3,4,5,
6,7,8−ヘキサヒドロ−イソキノリン硫酸水素塩3
2.4gが得られた。融点:186〜187℃。 元素分析: C H N S 計算値 57.77 6.56 3.96 9.07 % 実測値 57.39 6.49 3.97 9.14 %
【0063】実施例9 実施例8と同様にして、1−(4−メトキシベンジル)
−3,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−イソキノリ
ン過塩素酸塩(融点:128〜131℃)が単離され
た。
【0064】実施例10 酢酸エチル160mlと、水40mlにフルオロホウ酸ナト
リウム10.98g(100mmol)を溶解した溶液を、
実施例7で調製したトルエン中の反応混合物に、室温、
不活性ガス雰囲気下で連続して加えた。10分間撹拌
後、水相を分離し、有機相を、真空中で慎重に濃縮し
た。残渣を、真空中、酢酸エチル100mlにより共沸的
に2回乾燥し、次に不活性ガス雰囲気下、酢酸エチル5
0mlに溶解した。0℃で8時間結晶化した後、生成物を
吸引ろ過し、酢酸エチル25mlですすいだ。水流ポンプ
による真空下、40℃で乾燥した後、1−(4−メトキ
シベンジル)−3,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロ
−イソキノリン テトラフルオロホウ酸塩28.1gが
得られた。融点:97〜98℃。
【0065】実施例11 実施例10と同様にして、1−(4−メトキシベンジ
ル)−3,4,5,6,7,8−テトラヒドロ−イソキ
ノリン ヘキサフルオロリン酸塩(融点:161〜16
2℃)が単離された。
【0066】実施例12 実施例10と同様にして、1−(4−メトキシベンジ
ル)−3,4,5,6,7,8−テトラヒドロ−イソキ
ノリン ピクリン酸塩(融点:131〜134℃)が単
離された。
【0067】実施例13 実施例10と同様にして、1−(4−メトキシベンジ
ル)−3,4,5,6,7,8−テトラヒドロ−イソキ
ノリン フタル酸塩(融点:116〜120℃)が単離
された。
【0068】実施例14 2リットルの撹拌オートクレーブに、アルゴンを通気し
ながら、ヘキサベース硫酸水素塩148.45g(42
0mmol)、メタノール467ml、トルエン507ml、ト
リエチルアミン4.25mlを加え、密封した。大気圧を
水素で置換後、〔IrCl(COD)〕2 14.1mg
(0.021mmol)、(R,R)−3,5−tBu−D
IOP43.8mg(0.0462mmol)、およびBu4
+- 62.1mg(0.168mmol)をエタノール4
0mlに含む触媒溶液を、触媒添加容器から流入させた。
水素化は、80℃、30bar の水素圧下で、15時間行
った。次にオートクレーブを空にし、水素化溶液を濃縮
した。残渣を水に溶解し、tert−ブチルメチルエーテル
200mlで抽出し、次に過剰量の水酸化ナトリウム溶
液、そしてヘキサンで処理した。ヘキサン相を分離し、
中性状態で洗浄し、ロータリーエバポレーターで溶媒を
留去した。HPLCとGCによると、完全な変換によ
り、残渣(104.9g)は、e.e.78.1%の
(S)−オクタベース93.0%を含んでいた。(S)
−オクタベースとL−(+)−マンデル酸との1:1塩
を水から結晶化することによって、e.e.が増大し
た。明淡黄褐色の結晶状物質(138.2g、収率81
%)を、過剰量の水酸化ナトリウム溶液と、ヘキサンで
処理した。ヘキサン相を、中性状態で洗浄し、溶媒を留
去した。得られた(S)−オクタベース(86.2g、
収率80%)の含有率は、98.0%であり、e.e.
は、98.6%であった。
【0069】実施例15 グローブボックス中、〔IrCl(COD)〕2 6.7
2mg(0.010mmol)、およびキラルリガンドとして
(R,R)−3,5−tBu−DIOP 20.8mg
(0.022mmol)を、ガラス製インサートを有する3
5mlオートクレーブ中、メタノール4mlとトルエン2ml
の混合物に溶解した。Bu4+- 25.8mg(0.
08mmol)を加え、30分間撹拌後、ヘキサベース シ
ュウ酸塩345mg(1.0mmol)およびトルエン2ml
を、この触媒溶液に加えた。次にオートクレーブを密封
し、25℃、100bar の水素圧下で18時間撹拌しな
がら、水素化を行った。黄色の水素化溶液をロータリー
エバポレーターで濃縮した。HPLCおよびGCによる
と、99%の変換により、残渣は、e.e.70%の
(S)−オクタベース65%を含んでいた。
【0070】実施例16 ジイソプロピルエチルアミンを加えた以外は、実施例1
5と同様の方法で、ヘキサベース シュウ酸塩345mg
(1.0mmol)の水素化を行った。HPLCおよびGC
によると、92%の変換により、残渣は、e.e.75
%の(S)−オクタベース60%を含んでいた。
【0071】実施例17 ジイソプロピルエチルアミンを80℃で加えた以外は、
実施例15と同様の方法で、ヘキサベース シュウ酸塩
345mg(1.0mmol)の水素化を行った。HPLCお
よびGCによると、100%の変換により、残渣は、
e.e.68%の(S)−オクタベース86%を含んで
いた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 クリストフ・ヴェールリ スイス国、ツェーハー−4108 ヴィッテ ルスヴィル、イン・デン・ゲルテン 1 (56)参考文献 特開 昭61−87667(JP,A) 国際公開97/3052(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) CAPLUS(STN) REGISTRY(STN)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I): 【化1】 〔式中、HXは、HBF4 、H2 SO4 、HPF6 、H
    Br 、HI、HCl、HSbF6 、およびHClO4
    らなる群より選択される鉱酸、あるいはC1-8 −アルキ
    ルSO3 H、ピクリン酸、ギ酸、低級アルキルカルボン
    酸もしくはアリールカルボン酸、およびジカルボン酸か
    らなる群より選択される強有機酸を表わす〕で示される
    光学活性な(R)−または(S)−1−(4−メトキシ
    −ベンジル)−1,2,3,4,5,6,7,8−オク
    タヒドロ−イソキノリン付加物の製造方法であって、 式(II): 【化2】 〔式中、HXは、上述の意味を有する〕で示される化合
    物を、光学活性なジホスフィンリガンドとイリジウムか
    らなる錯体の存在下で、不斉水素化することを特徴とす
    る方法。
  2. 【請求項2】 式(II)の化合物の不斉水素化を、添加
    剤として塩基の存在下で行う、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 式(II)の化合物の不斉水素化を、以下
    の式: 〔Ir(Y)(Ln)〕+- (III−a) 〔Ir(Y)(Ln)B〕 (III−b) (〔Ir(Y)(B)4〕)p -r+ (III−c) 〔IrH(Y)(B)22 (III−e) 〔Ir(Y)(B)32 (III−f) 〔Ir(B)3(Y)〕 (III−g) 〔式中、 Lは、中性リガンドを表わし;Aは、酸素酸または複合
    酸のアニオンを表わし;Bは、アニオン性配位リガンド
    を表わし;nは、0、1または2を表わし;pは、1ま
    たは2を表わし;rは、1または2を表わし;M+ は、
    アルカリ金属、アルカリ土類金属、またはテトラ置換ア
    ンモニウムを表わし;Yは、式: 【化3】 (式中、 R1 およびR1'は、互いに独立して、アリール、ヘテロ
    アリールまたはC3-8−シクロアルキルを表わすか、あ
    るいはリン原子と一緒になって9−ジベンゾホスホリル
    を表わし;R2 は、C1-8 −アルキル、C3-8 −シクロ
    アルキル、アリール、またはアラルキルを表わすか;あ
    るいは同一分子中の2つのR2 が、一緒になって、5ま
    たは8員環を形成し;R3 は、C1-8 −アルキル、ヘテ
    ロアリール、アリール、C3-8 −シクロアルキル、また
    はアラルキルを表わし;R9 、R10、およびR11は、互
    いに独立して、水素、C1-8 −アルキル、ハロゲン化C
    1-8 −アルキル、C3-8 −シクロアルキル、アリール、
    またはアラルキルを表わすか、あるいはR10およびR11
    は、一緒になって、5もしくは8員環を形成し;そして
    1 は、水素、C1-8 −アルキル、アラルキル、−CO
    22 、−CONR2 2、−SO210、−POR10 2
    または−COR3 を表わす)で示されるキラルジホスフ
    ィンリガンド表わす〕で示される、光学活性な、カチオ
    ン性、アニオン性もしくは中性イリジウム−ジホスフィ
    ン錯体の存在下で行う、請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 不斉水素化を、10〜200℃の温度範
    囲、1〜250barの圧力下、触媒に対する基質のモル
    比20〜80,000で行う、請求項1〜3のいずれか
    1項記載の式(I)の化合物の製造方法。
  5. 【請求項5】 カルボン酸塩、炭酸塩、第一級、第二級
    もしくは第三級アミン、ジアミン、イミド、アルカリア
    ルコラート、水酸化ナトリウム、およびリン酸塩からな
    る群より選択される塩基を、添加剤として用いる、請求
    項2〜4のいずれか1項記載の方法。
  6. 【請求項6】 第二級または第三級アミンを塩基として
    用いる、請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】 カルボン酸塩、および第一級、第二級ま
    たは第三級アミンからなる群より選択される添加剤の量
    が、式(II)の化合物に対して0.001〜100モル
    当量の範囲である、請求項2〜6のいずれか1項記載の
    方法。
  8. 【請求項8】 1−(4−メトキシ−ベンジル)−3,
    4,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−イソキノリン硫酸
    水素塩;1−(4−メトキシ−ベンジル)−3,4,
    5,6,7,8−ヘキサヒドロ−イソキノリンヘキサフ
    ルオロリン酸塩;1−(4−メトキシ−ベンジル)−
    3,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−イソキノリン
    テトラフルオロホウ酸塩;1−(4−メトキシ−ベンジ
    ル)−3,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−イソキ
    ノリンフタル酸塩;または1−(4−メトキシ−ベンジ
    ル)−3,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−イソキ
    ノリン過塩素酸塩;である、請求項1記載の式(I)の
    化合物。
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