JP3040137B2 - 特殊加工用ポリエステル糸条 - Google Patents

特殊加工用ポリエステル糸条

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,着心地感の優れた快適衣料を得るための特
殊加工用ポリエステル糸条に関するものであり,さらに
詳しくは,延伸あるいは延伸仮撚加工,さらにはこれら
の加工に撚糸や交絡処理等の加工を付加することによ
り,フイラメント間及びフイラメント内に物性差,捲縮
差等の構造差やフイラメント間の糸長差による毛羽を有
する等の各種の特殊加工糸を得るための特殊加工用ポリ
エステル糸条に係るものである。
(従来の技術) 従来,ポリエステル加工糸は均斉で,製編織時の取扱
い性がよく,さらにウオツシユアンドウエア性がよいの
で広く外衣用途等に用いられているが,天然繊維,特に
羊毛等に比べ,外観が金属的であり,ロウ質的な触感が
嫌われ,高級衣料用途には制約されているのが現状であ
る。
羊毛等のもつ快適性は,構成繊維のイレギユラーな配
置,長手方向の繊度斑,繊維間の繊度斑や微妙に異なっ
たクリンプの存在等,イレギユラー性があることから得
られるものであり,このような羊毛の構造特性を持っ
た,すなわちイレギユラー性に富み,しかも取扱い性の
よいポリエステル加工糸の出現が望まれていた。
糸条にイレギユラー性を与える手段として,例えば,
未延伸糸を熱ピンにより不均一延伸したシツクアンドシ
ンヤーンを仮撚加工する方法が挙げられるが,この方法
で得られる糸条は太繊度部が脆く,かつ伸度が大きすぎ
て実用できない。
一方,高配向未延伸糸を熱ピンにより不均一延伸した
シツクアンドシンヤーンもあるが,この糸条は繊度斑が
少なく,また,太繊度部の伸度が100%前後以下なので
仮撚加工やその他の変形を加えても変性できる量が少な
くて十分な糸長差やイレギユラーな構造が得られず,本
発明を求めるイレギユラーな物性,構造の加工糸を得る
ことができない。
さらに,異なる性状の2本の糸条を合糸,複合してイ
レギユラー性を与える試みもなされてきた。例えば,特
公昭62−57728号公報,特公昭58−53088号公報,特開昭
56−26024号公報等には,シツクアンドシンヤーンと高
配向未延伸糸あるいは延伸糸引き揃えて仮撚加工して得
られた捲縮糸が記載されている。しかしながら,上記で
得られる捲縮糸の供給糸であるシツクアンドシンヤーン
や高配向未延伸糸及び延伸糸は伸度がいずれも150%未
満であり,また,これらのフイラメント群には糸長差が
存在することがない。このため,延伸仮撚時の変形量は
100%未満となり,100%以上の大変形をさせることはで
きず,フイラメント間及びフイラメント内に物性差,捲
縮差を起生できない。さらに,フイラメント間に糸長差
が存在しないため,実撚や仮撚を施しても,撚線の間か
らループ毛羽が飛び出し難く,このため,本発明が求め
る,延伸や捩じりの変形作用を受ける部分と受けない部
分を形成させることはできず,本発明が求めるフイラメ
ント間及びフイラメント内に物性差,捲縮差及び糸長差
が極めて大きいイレギユラー性を与えることはできな
い。
また,特公昭60−11130号公報には,100%以上の伸度
差を有する少なくとも2種のフイラメント糸を延伸仮撚
して得られた捲縮糸が記載されている。しかしながら,
この捲縮糸を得るための供給糸となる糸条は,少なくと
も一方の糸条は伸度が150%未満であること,さらに,
これらの糸条を構成するフイラメント群間には糸長差が
なく,前述した本発明が求めるフイラメント間及びフイ
ラメント内に物性差,捲縮差及び糸長差が極めて大きい
イレギユラー性を与えることはできない。
さらに,前述した何れの捲縮糸を製造する場合にも,2
種以上の供給糸を用いる必要があり,このため,加工し
て得られる捲縮糸は2本以上に分離しやすいという欠点
がある。また,この分離を防止するために,実撚を加え
たり,空気交絡を必要とする等使用上の制約があった。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は,前述した欠点を解消し,通常の延伸機ある
いは延伸仮撚機等に供給して,糸長差,捲縮差や長手方
向に熱収縮率が変化する物性差等の構造差を有する加工
糸や,ループ毛羽を有し,さらにこれらのイレギユラー
な構造に加えて濃淡染着性差を有する加工糸等,各種の
特殊加工糸を得るための特殊加工用ポリエステル糸条を
提供することを技術的な課題とするものである。
(課題を解決するための手段) すなわち,本発明は,単フイラメントの平均繊度差が
1.5d以上の太繊度フイラメント群と細繊度フイラメント
群からなるポリエステルマルチフイラメント糸であり,
太繊度及び細繊度フイラメント群の伸度はいずれも150
%以上であって,太繊度フイラメント群は細繊度フイラ
メント群より伸度が50%以上大きくて糸長が短く,か
つ,少なくとも太繊度フイラメント群を構成する単フイ
ラメントにはフィラメント径の変動率にして5%以上の
繊度斑が存在することを特徴とする特殊加工用ポリエス
テル糸条を要旨とするものである。
以下,本発明をさらに詳細に説明する。
第1図は,本発明の特殊加工用ポリエステル糸条を構
成するフイラメントの一実施態様を示す外観模式図であ
る。
第1図において,a1,a2は細繊度フイラメント群を構成
する単フイラメント(細繊度フイラメント)であり,長
手方向にクリンプを有し,かつ太さ斑を有している。ま
た,b1,b2は太繊度フイラメント群を構成する単フイラメ
ント(太繊度フイラメントであり,やはり長手方向にク
リンプを有し,かつ太さ斑を有している。そして,細繊
度フイラメントは太繊度フイラメントよりも糸長が長
い。第1図では,細繊度フイラメント群と太繊度フイラ
メント群を構成するフイラメントとして各2本を描いて
いるが,本発明糸では,細繊度フイラメント群と太繊度
フイラメント群は各2本以上のフイラメントで構成され
るものである。フイラメントa1とa2,フイラメントb1とb
2はそれぞれほぼ同繊度であるが,本発明糸では,細繊
度フイラメント群と太繊度フイラメント群の他に中間の
繊度の各種フイラメントが多数存在してもよい。また,
第1図では,細繊度フイラメント群と太繊度フイラメン
ト群の両方の単フイラメントに繊度斑が存在している
が,少なくとも太繊度フイラメント群が繊度斑を有して
いればよい。
また,太繊度フイラメント群と細繊度フイラメント群
を構成する単フイラメントの平均繊度差は1.5d以上であ
る必要がある。平均繊度差が1.5d未満の場合,延伸ある
いは延伸仮撚操作を施すと,太繊度糸が比較的優先して
伸長され,繊度は細繊度糸に近づき,繊度差から得られ
る不均質感が表現できない。ポリエステルマルチフイラ
メント糸の場合,快適性を向上させるには,フイラメン
ト糸のもつ均質な構造を,不均質にフイラメントが錯綜
し斑のある構造,糸長差をもった構造にすることにより
改善されることがこれまでの経験や研究から知られてお
り,その1つの方策として,繊度差の表現,すなわち柔
らかさと硬さの入り混じった触感が重要である。本発明
糸の場合,特殊加工後の加工糸でこの繊度差の触感を得
るには,少なくとも平均繊度差は1.5d以上が必要であ
る。
次に,本発明糸では,太繊度フイラメント群が200%
以上,細繊度フイラメント群が150%以上の伸度を有
し,太繊度フイラメント群は細繊度フイラメント群より
伸度が50%以上大きい。
本発明糸を後次加工に適用する場合,低伸度糸である
細繊度フイラメント群に合わせて延伸倍率あるいは延伸
仮撚倍率を選定する。すなわち,低伸度糸が取扱い性に
優れた伸度,例えば,20〜50%程度の伸度になるように
延伸倍率,仮撚延伸倍率を選定すると,高伸度糸である
太繊度フイラメント群の延伸程度は,まだ応力−伸度曲
線にいう自然延伸領域にあり,このため,フイラメント
の繊度斑が拡大されて細くなった部分に応力が集中し,
不均一延伸が生じて強い太さ斑が得られる。
また,本発明糸は,いずれのフイラメント群も150%
以上の極めて高伸度糸であり,延伸倍率,仮撚延伸倍率
を大きくできるため,冷延伸によって太繊度フイラメン
ト群の太さ斑を大きくすることができる。さらには,延
伸仮撚を施せば,細繊度フイラメント群との間の仮撚の
捩じり変形差が大きくなり,太繊度フイラメント群と細
繊度フイラメント群間に極めて大きな糸長差を付与する
ことができる。
一方,低伸度糸である細繊度フイラメント群の伸度が
150%未満であれば,延伸や延伸仮撚時の変形量が100%
未満となり,本発明が求める大変形時に生じる変形斑が
得られず,フイラメント間及びフイラメント内の物性
差,捲縮差等が得られない。
さらに,本発明糸は,伸度差が50%以上存在する少な
くとも2種以上のフイラメント群で構成されているの
で,伸度差の存在により,延伸や延伸仮撚加工時にフイ
ラメント群間の糸長差を拡大させることができる。この
伸度差が50%未満では,延伸や延伸仮撚加工を施して
も,加工後の糸条のフイラメント群間の糸長差は極めて
少なく,本発明の目的を達成できない。すなわち,本発
明糸は最も低い伸度の細繊度フイラメント群の後次加工
後の残留伸度が好ましくは50%以下になるように各種の
変形加工が施されるが,この時伸度差が大きいほど糸長
差が大きくなり,フイラメント間及びフイラメント内の
物性差,捲縮差を起生させることができる。
また,本発明糸は,フイラメント群間に糸長差を有す
るため,このまま撚糸すると,糸長の長い細繊度フイラ
メントは糸条からループ毛羽として飛び出し,これを延
伸すると,ループ毛羽部は伸長されず,他部が伸長され
るため,フイラメント内の太さ斑は大きく拡大する。さ
らに,延伸仮撚を施すと,糸長の長い細繊度フイラメン
トは完全に延ばされない状態で撚が挿入され,延伸−熱
固定されるため,捲縮が不均一で,複雑な捲縮が付与さ
れるとともに,フイラメント間及びフイラメント内に熱
収差が発現し,より一層不均質な構造の加工糸が得られ
る。一方,この糸長差が存在しない場合,特に延伸仮撚
時の撚挿入が均一化しやすく,本発明が求める構造,物
性の不均質化が達成できない。本発明の目的を達成する
ためには,細繊度フイラメント群と太繊度フイラメント
群間の糸長差は5%以上,好ましくは10%以上存在させ
るのがよい。
さらに,本発明糸は,少なくとも伸度の大きい太繊度
フイラメント群のフイラメントに繊度斑が存在するが,
この繊度斑は,本発明糸に後次加工段階で繊度斑を拡大
させたり,長手方向の熱収縮や捲縮を変化させるために
不可欠なものであり,この繊度斑は,フイラメント径の
変動率にして少なくとも5%,好ましくは10%以上の太
さ斑を有するのが好ましい。この繊度斑が存在しない場
合,延伸しても均一延伸されて太さ斑が起生されないの
で,フイラメントの長手方向に熱収差を与えることがで
きず,また,延伸仮撚しても均一な捲縮となるため,長
手方向に変化した捲縮が得られず,目的とする複雑な構
造や物性差,糸長差を有する構造加工糸を得ることはで
きない。
なお,本発明にいうフイラメント径とは,円形断面糸
の場合はその直径をいい,異形断面糸の場合は,異形断
面の断面積に相当する円形断面を想定し,この円形断面
の直径をフイラメント径と称する。
本発明の特殊加工用ポリエステル糸条に延伸,延伸仮
撚加工あるいはこれらの加工に撚糸や交絡処理等の加工
を付加して得られる特殊加工糸は,糸条の長手方向に沿
って明瞭な太さ斑,熱収縮斑,捲縮斑が存在するととも
に,長手方向に不均質な糸長差が存在する構造の加工糸
でありながら,低伸度で取扱い性に優れる。
例えば,残留伸度が20〜50%になるような条件で延伸
を行えば,太繊度フイラメント群には明瞭な太さ斑が形
成されるとともに,太繊度フイラメント群と細繊度フイ
ラメント群の伸長による弾性余効効果が異なり,複雑な
応力を受けるので,長手方向に不均質な糸長差が起生さ
れる。また,一旦延伸し,次いで仮撚を施せば,太繊度
フイラメント群に形成された極めて太い太部が仮撚によ
り最も優先的に伸長され,糸長差が存在する中で,さら
に局部的に糸長差が増大した加工糸が得られる。
一方,残留伸度が20〜50%となるような条件で延伸同
時仮撚を行えば,フイラメント間に存在する糸長差を持
ったまま,いきなり撚が挿入され,延伸−熱固定される
ため,捲縮構造がさらに複雑な加工糸になる。
第2図は,本発明糸を延伸同時仮撚して得られる特殊
加工糸の一実施態様を示す概略図であるが,同図から明
らかなように,太繊度フイラメントcと細繊度フイラメ
ントdの存在により,繊度差がもたらす風合効果が得ら
れるとともに,太繊度フイラメントcは長手方向に明瞭
な太さ斑と局部的な糸長差を有し,長手方向に捲縮が不
均一であり,長手方向に物性差を持ち,構造加工糸の特
徴を担っている。細繊度フイラメントdは,太繊度フイ
ラメントcに比べ糸長が短く,実質的に加工糸の強伸度
を担っており,長手方向にやはり不均一な捲縮を有して
いるが,細繊度フイラメントの局部的の糸長差は少な
い。
なお,本発明の特殊加工用ポリエステル糸条は,一般
的には糸の状態で延伸,延伸仮撚等の仮撚加工,撚糸,
交絡処理等が施されるが,特殊な例としては,冷延伸
後,該糸条を編成又は織成し,次いで熱処理して染着
差,糸長差,物性差等の性状差を発現させてもよい。
次に,本発明の特殊加工用ポリエステル糸条の製法例
について説明する。
ポリエステル系ポリマーを,2種以上の径の紡糸孔をも
つ紡糸口金を用いて,紡糸速度2500m/分以上,好ましく
は3000m/分以上で紡出し,紡糸口金の10〜50cm下方で,
長さ50〜150cmのエアー吹付筒からエアーを吹付けなが
ら,引取部で単糸繊度差が1.2d以上存在する2種以上の
繊度差と伸度差をもつマルチフイラメントとなす。
引き続き,上記で得られたマルチフイラメントを,輻
射熱によるヒータでガラス転移温度(80℃)近傍から結
晶化温度(135℃)近傍の受熱温度となるように加熱し
ながら,30%以上,好ましくは60%以上の弛緩率で収縮
させることにより,太繊度フイラメント群と細繊度フイ
ラメント群間に平均単糸繊度差が1.5d以上存在する本発
明の特殊加工用ポリエステル糸条を得ることができる。
本発明の効果をさらに顕著に得ようする場合,エアー
吹付筒の風量,風速を変化させながら紡糸してもよい。
上記の製法は,収縮処理を紡糸と連続して実施する場
合であるが,一旦,紡糸−巻取りした後,別工程で収縮
処理を施してもよい。
上記の製法において,エア−吹付,紡糸孔の形状等の
条件により,得られる糸条における糸長差,物性差(繊
度,伸度,熱収縮率)が変化する。すなわち,紡糸引取
速度,紡糸孔の形状[孔径,ランド長,断面形状(円
形,多角形,特殊形状)],ポリマーの粘度(重合度)
等により,本発明糸の性状を大きく変化させることがで
きる。
糸長差や伸度差を大きくするためには,紡糸孔の孔径
の差を大きくすればよいことが分かっているが,クリン
プ形成,繊度斑の形成については,前記要因がどのよう
にかかわっているかは,まだ十分に解明するに至ってい
ない。
(実施例) 次に,本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例1 孔径が0.51mmで,L/D=2.15の紡糸孔を18個,孔径が0.
39mmで,L/D=2.05の紡糸孔を18個有する紡糸口金より,
極限粘度0.65のポリエチレンテレフタレートを吐出量4
2.5g/分で溶融紡糸して3500m/分の速度で引取り,一旦
巻取って110d/36fのマルチフイラメントを得た。
なお,紡糸口金から30cm下方の位置で,60cmのエアー
吹付筒から,エアー速度を2〜4m/秒の範囲で脈動させ
ながら,垂下する紡糸糸条の側方へ約20℃のエアーを吹
付けた。
得られた糸条の構成及び物性を第1方に示す。
この糸条を,非接触式の輻射熱によるヒータで設定温
度400℃,弛緩率100%,糸速400m/分で収縮処理を行
い,本発明の特殊加工用ポリエステル糸条を得た。な
お,上記収縮処理時の糸条の受熱温度は約100℃であっ
た(受熱温度の測定は,アメリカ国,トランスメツツエ
ンジニアリング社製,非接触式糸温度計NCT−4400−3
型を使用)。
本発明でいう弛緩率X(%)は,下式により算出する
ものである。
また,沸騰水収縮率は,下式による。
l :沸騰水処理前の荷重1/10(g/d)下の糸長。
l′:沸騰水処理,乾燥後(収縮後)の荷重1/10(g/
d)下の糸長。
得られた糸条の性能を第2表に示す。
得られた特殊加工用ポリエステル糸条に,下記A,B,C
の加工方法,条件で加工を施した。
上記の加工では,冷延伸工程で繊度斑による細部に伸
長応力が集中して太さ斑が増大し,また,太繊度フイラ
メント群と細繊度フイラメント群間で伸長による弾性余
効効果が異なるため糸長差が増大し,さらにこの糸条に
空気交絡処理が施されるため嵩高な加工糸となり,続く
熱処理と若干の伸長により形態が整えられ,製編織時の
工程通過性がよく,糸質的に安定した低伸度加工糸とな
った。
この糸条は,太繊度フイラメントと細繊度フイラメン
トがフイラメント内に繊度差,糸長差,物性差をもって
錯綜し,入り混じった加工糸であった。
上記の加工では,冷延伸工程で太さ斑と糸長差が拡大
し,この糸条に引き続き延伸仮撚加工を施して第2図に
示す外観の加工糸が得られた。
この糸条は,太繊度フイラメントと細繊度フイラメン
トが互いにフイラメント内に繊度差,捲縮差,物性差を
持ち,太繊度フイラメントと細繊度フイラメント間に大
きな糸長差が存在した糸質的に安定した低伸度の加工糸
であった。
上記の加工では,一気に高延伸倍率で延伸仮撚加工を
施すため,糸長差が極めて大きく起生され,フイラメン
ト内の太細差も比較的大きくなった。太繊度フイラメン
ト,細繊度フイラメントのいずれのフイラメント内にも
捲縮差,物性差が存在した糸質的に安定した低伸度の加
工糸が得られた。
これらA,B,Cで得られた加工糸で製織した織物は,い
ずれも従来の加工糸織物とは異なり,梳毛調のふくらみ
感,ぬめり感をもっており,ハリ,腰に優れたものであ
った。
(発明の効果) このように,本発明の特殊加工用ポリエステル糸条
は,延伸あるいは延伸仮撚加工等,各種の加工処理を施
すことにより,繊度差のあるフイラメントで構成され,
しかも各フイラメントは繊度斑や熱収縮率等の物性差,
フイラメント間の糸長差,捲縮斑等,フイラメント構造
が不均質な構造の加工糸にすることができ,しかも伸度
が低く,取扱い性に優れた各種の構造加工糸を得ること
ができしたがって,この加工糸を織物にすると,ふくら
み感,ぬめり感等が優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
第1図は,本発明の特殊加工用ポリエステル糸条の一実
施態様を説明するための模式図,第2図は,本発明糸を
用いて加工して得られる加工糸の一実施態様を示す外観
概略図である。 a1,a2……細繊度フイラメント b1,b2……太繊度フイラメント c……太繊度フイラメント d……細繊度フイラメント
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D02G 1/00 - D02J 13/00 Fタームテーマコード 4L036

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】単フィラメントの平均繊度差が1.5d以上の
    太繊度フィラメント群と細繊度フィラメント群からなる
    ポリエステルマルチフィラメント糸であり,太繊度及び
    細繊度フィラメント群の伸度はいずれも150%以上であ
    って、太繊度フィラメント群は細繊度フィラメント群よ
    り伸度が50%以上大きくて糸長が短く、かつ、少なくと
    も太繊度フィラメント群を構成する単フィラメントには
    フィラメント径の変動率にして5%以上の繊度斑が存在
    することを特徴とする特殊加工用ポリエステル糸条。
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