JP3039086B2 - 鍵盤楽器 - Google Patents

鍵盤楽器

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鍵盤楽器に関し、アコー
スティックピアノで用いる打弦機構の運動状態に応じ
て、予め記憶しているアコースティックピアノの弦等の
振動データに基づいて響板を駆動して発音させることに
より、アコースティックピアノの鍵タッチ感や音色を損
なうことなく、アコースティックピアノより優れた音量
可変機能等を有する軽量小型の鍵盤楽器を実現したもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、アコースティックピアノの音と電
子楽音とを共に発音可能な技術として、例えば特開昭6
1−289393号公報に開示された「鍵盤楽器」が知
られている。すなわち、この鍵盤楽器は、打弦機構等の
メカ的に楽音を発生する手段と、電子的に楽音を発生す
る手段と、を共に具備するものである。そして、これら
の手段を切り換えて楽音を生成していたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術にあっては、鍵盤楽器は、弦、および、この弦を
張設したフレーム等をそのまま備えていたので、その重
量が重く、その弦長確保のためその寸法が大きくなって
いる。また、弱音側の音量調整範囲は、アコースティッ
クピアノと同等であっても、より弱音(おおむねppp
より小さい音)での演奏性に対する要求に応じられない
という課題があり、未だ改善の余地があった。
【0004】そこで、本願出願人は、弦およびフレーム
を除去し、響板をアクチュエータにより直接駆動するこ
とにより、上記欠点を解消した鍵盤楽器を提案してい
る。ところが、この鍵盤楽器では、弦を除去したため、
打弦機構としてグランドピアノのアクションをそのまま
適用することができない。すなわち、ダンパーヘッドと
ダンパーブロックを取り外した場合、鍵のタッチがアコ
ースティックピアノのそれと一致しなくなっていた。ま
た、ダンパーレバーが踊り易くなり、押鍵終了後、その
ばたつきが指に感じられ不快なタッチを生じていた。
【0005】そこで、本発明は、軽量、小型で、鍵タッ
チ感、音色等を損なうことなく、音量調整が広範囲に亘
って可能な鍵盤楽器を提供することを、その目的として
いる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、打鍵に応じて
動作する打弦機構と、少なくともこの打弦機構の運動状
態を検出する操作子状態検出手段と、少なくとも弦を含
むアコースティックピアノの部材の振動状態を記憶する
振動状態記憶手段と、上記操作子状態検出手段の検出結
果に応じ、上記振動状態記憶手段に記憶されている振動
状態を選択する選択手段と、該選択された振動状態を響
板を介して音響に変換する発音手段と、を備えた鍵盤楽
器であって、上記打弦機構が、重力作用方向と逆方向に
被打撃体を打撃するハンマーと、上記鍵の奥端部に配設
され、該鍵の奥端部を重力の作用する方向に付勢可能な
疑似ダンパー機構と、を有し、しかも、上記響板をこの
疑似ダンパー機構より鍵の奥側に配設した鍵盤楽器であ
る。
【0007】
【作用】本発明に係る鍵盤楽器では、少なくとも打弦機
構の運動状態を検出し、この検出結果に対応して、少な
くともアコースティックピアノの弦の振動状態を選択
し、この振動状態に基づいて響板を駆動して音響に変換
して出力する。この場合、打弦機構としてグランドピア
ノのアクションを改良したものを使用し、特に、鍵の奥
端部を下方に向かって付勢する疑似ダンパー機構を設け
ている。この結果、鍵タッチ感を損なうことなく、か
つ、アコースティックピアノによる音色を保持した状態
で演奏することができる。また、その音量調整等も行う
ことができる。さらに、弦およびこれを支持するフレー
ム等の部材を廃止することができ、鍵盤楽器そのものを
小型、軽量化することができる。
【0008】
【実施例】以下、本発明に係る鍵盤楽器の実施例につい
て図面を参照して説明する。図1〜図4は本発明の一実
施例を説明するための図である。図1は本発明の一実施
例に係る鍵盤楽器(竪型ピアノ)の概略構成を示す断面
図である。図2はそのアクションを示す側面図である。
図3は一実施例に係る制御部を示すブロック図である。
【0009】この実施例におけるピアノは、竪型のアコ
ースティックピアノから弦、フレーム、チューニングピ
ンを取り除き、アクションとしてはグランドピアノのア
クションを一部改良して用いて構成したものである。
【0010】これらの図において、11は鍵であって、
例えば88鍵で鍵盤は構成されている。各鍵11は棚板
12上に筬中13を支点として上下方向に揺動自在に支
持されている。また、各鍵11についてその後端部の上
方にはアクション(打弦機構)14がそれぞれ配設され
ている。
【0011】このアクション14は、グランドピアノ用
の打弦機構として周知の構成であって、鍵11の後端部
(筬中13より後部)上面に立設されたキャプスタンス
クリュ15により突き上げられるウイペン16、このウ
イペン16に揺動自在に支持されたジャック17、ウイ
ペン16の上方に回動自在に設けられたレペティション
レバー18、図1中時計回り方向に回動自在にハンマー
フレンジ19に支持されたハンマー20等を有してい
る。なお、21はハンマーシャンクである。
【0012】このハンマー20の上方には所定間隔離れ
て断面矩形の棒状の被打撃体22が配設されており、こ
の被打撃体22の下面には所定の厚さのクッション部材
23が固着されている。このクッション部材23のハン
マー20当接面(下面)には圧力センサが取り付けら
れている。この圧力センサはハンマー20による打撃
力を検出するものである。この圧力センサは例えば圧
電素子で構成することができ、また、その他の機械−電
気変換素子で構成することもできる。
【0013】また、ハンマー20とともに回動するハン
マーシャンク21に対向して反射型の光センサが配設
されており、この光センサはハンマー20の回動速度
を検出する。さらに、上記各鍵11の下方には押圧され
た鍵11およびその下降速度を検出するためのキーセン
サが配設されている。これらのキーセンサは反射光
型の光センサ(例えばLEDとフォトトランジスタ)で
構成されている。このキーセンサからの信号はキーア
サイナ(後述)に入力されている。また、鍵11の中間
部の上方にはキー衝撃力センサ(加速度ピックアップ)
が配設されている。
【0014】図2に詳示するように、鍵11の奥端部に
はバックチェック24が立設されている。このバックチ
ェック24に近接して例えば金属板製の疑似ダンパーレ
バー25が配設されている。疑似ダンパーレバー25は
バックチェック24より奥側の鍵11の上面に近接する
ようにダンパーレバー板バネ26を介してダンパーレバ
ーレール27に支持されている。すなわち、鍵11の奥
端上面に固着したクッション28の直上に疑似ダンパー
レバー25は配設されており、鍵11が打鍵されて揺動
しその奥端のクッション28(フェルト製)が上昇する
と、疑似ダンパーレバー25の下面に当接するものであ
る。ダンパーレバー板バネ26の一端は疑似ダンパレバ
ー25に、その他端はダンパーレバーレール27にそれ
ぞれ固着されており、その中間部の上面はクッション2
9(フェルト製)を介してダンパーレバーストップレー
ル30に当接している。このダンパーレバーストップレ
ール30は支柱等に固定されて鍵配列方向に掛け渡され
ている。また、同様に鍵配列方向に延設されたダンパー
レバーレール27は棚板12の奥端部上面に固定されて
いる。
【0015】さらに、上記鍵11の奥端に近接してリフ
ティングレール31が鍵配列方向に延設されており、こ
のリフティングレール31の上面は上記疑似ダンパーレ
バー25の下面に当接可能に設けられている。このリフ
ティングレール31は垂直に延設された突き上げ棒32
を介してダンパーペダル33に連結されており、ダンパ
ーペダル33の踏み込みにより上昇して疑似ダンパーレ
バー25を上方に向かって押し上げるものである。すな
わち、これらの疑似ダンパーレバー25、ダンパーレバ
ー板バネ26、ダンパーレバーストップレール30、リ
フティングレール31等は、全体として、アコースティ
ックピアノのグランドアクションのダンパーに対応する
機構によるダンパー効果を付与するものであり、疑似ダ
ンパー機構を構成するものである。
【0016】また、この竪型ピアノにおいては、この鍵
11の奥端部よりもさらに奥側に響板34が枠35に取
り付けられて直立して支持されている。響板34は、図
3に示すように、小面積の高音用響板34Aと、これよ
り大面積の低音用響板34Bと、に分割されている。こ
れらの響板34A、34Bの所定位置には、4個の響板
駆動ユニット36A、36B、36C、36Dがそれぞ
れ直支柱に取り付けられて配設され、それぞれが独立し
て駆動されるものである。これらの響板駆動ユニット3
6A〜36Dは、例えば永久磁石、ヨーク、ボイスコイ
ル等から構成され、電磁駆動されて響板34A、34B
をそれぞれ所定の周波数で振動させるものである。例え
ばボイスコイルを響板側に、永久磁石のケーシングをピ
アノの支柱側に、それぞれ固定している。
【0017】さらに、この竪型ピアノにあっては、上記
ダンパーペダル33の他にも2個のペダルを有してお
り、各ペダル33についてそれぞれその揺動を検出する
ための変位センサ、、が配設されている。変位セ
ンサはダンパーペダル33用で、変位センサはシフ
トペダル用で、さらに、変位センサはソステヌートペ
ダル用である。例えば変位センサはダンパーペダル3
3が踏み込まれた場合にペダルON信号を出力するもの
とする。
【0018】再び図1に示すように、これらの各センサ
〜の出力信号はピアノ本体に内装された制御部37
に入力される構成であり、この制御部37は所定の駆動
信号を上記響板駆動ユニット36A〜36Dに出力する
ものである。38はこの制御部37に対する電源を示し
ている。
【0019】ここで、図3にて制御部37とセンサ〜
との関係を示す。図示のように、この制御部37で
は、上記ハンマーセンサ,、キーアサイナ39(キ
ーセンサ,からの信号が入力される)、ペダルセン
サからの各出力信号がデータバスを介してマイク
ロコンピュータ(以下、コントローラ)40に入力され
ている。コントローラ40は、データバスを介して打弦
音ROM41、共鳴音ROM42、FDC(フロッピデ
ィスクドライブ用コントローラ)43、弦スペクトル演
算部44、オーディオ信号送出部45、リモコン46、
共鳴音演算部47、RAM48、および、打弦音演算部
49に接続されている。
【0020】そして、コントローラ40はこれらのセン
サ〜からの入力信号に基づいて所定の処理を行い駆
動信号を生成し、オーディオ信号送出部45から響板用
イコライザ50、パワーアンプ51を介して駆動信号を
響板駆動ユニット36B〜36Dに出力してこれを駆動
することとなる。また、オーディオ信号送出部45を介
して高音用パワーアンプ52より響板駆動ユニット36
Aを駆動することができる構成である。
【0021】打弦音ROM41には、予めサンプラで記
録した音信号、または、予め弦スペクトル演算部44で
算出したピアノ音を主体にした信号を88鍵の打弦音デ
ータとして格納しておくものである。これらの打弦音デ
ータの各スペクトルはハンマースピードに応じてそのイ
ンテンシティが調整される。一般に、強打時には高調波
が強調される。
【0022】共鳴音ROM42は、ペダルセンサ〜
がアクティブなとき(踏み込まれているとき)にアクセ
スが可能とされている。この共鳴音ROM42にはダン
パーペダル33を踏み込んでの打鍵時の各弦についての
共鳴弦の共鳴音データが格納されている。このデータ
は、予めサンプラで記録した音信号、または、予め共鳴
音演算部47で算出しておいたスペクトル信号である。
この共鳴音データとしては、例えば1つのキーについて
最大で6個のキーについての弦が共鳴するものと考えれ
ば十分に実用性があるものである。低音部の1オクター
ブ上の弦は2倍音だけでなく3倍音、4倍音、6倍音ま
で考慮するとよい。No.13キーよりも高音の場合
は、その1オクターブしたのキーの弦についても重要で
ある。また、ピアノのダンパ−は通常71個とされてい
る。さらに、各スペクトルのインテンシティは機種とハ
ンマースピードとにより決定される。
【0023】弦スペクトル演算部44は、打鍵にしたが
ってリアルタイムで弦スペクトルを算出して響板駆動ユ
ニット36A〜36Dを駆動するようにしてもよい。ま
た、このデータを上記打弦音ROM41に格納しておい
てもよい。打鍵されたキーについての弦の基本周波数を
1とすると、各倍音周波数(fn)は、fn=nf(1
+Bn21/2となる。すなわち、倍音は非調和であり、
(1+Bn21/2だけピッチが高くなる。ここに、B
は、B=π2EAK2/(TL2)で表される。但し、E
はヤング率、Aは弦の断面積、Kは回転半径、Tは張
力、Lは弦長をそれぞれ示している。各倍音の相対的な
インテンシティは、|R(ω)|=|sin{(π/
L)×(L/H)×n}|/nで表される。但し、nは
倍音次数、Hは打弦比である。
【0024】共鳴音演算部47は、最大8倍音までの6
キーを対象としている。各倍音次数は、fn=nf(1
+Bn21/2となる。各スペクトルのインテンシティは
音域によっても異なる。この共鳴音データとしては、ア
コースティックピアノのそれを測定してメモリに格納し
ておくこともできる。この共鳴音の大きさは打弦音に比
べて−10〜−20dBの程度である。また、共鳴音の
立ち上がりは打弦音に対して数秒〜数100msecの
遅れである。また、共鳴音は緩やかな減衰をしながらペ
ダルをOFFしない限り数秒程度持続する。ペダルOF
F時の処理はペダルセンサとオーディオ信号送出部45
とにより行っている。
【0025】打弦音演算部49は打弦音を演算するもの
で上記打弦音ROM41のデータ、センサ〜の入力
信号(ハンマー速度)等に基づいて打鍵に相当する打弦
音データを生成し、オーディオ信号送出部45等に出力
するものである。また、この打弦音演算部49では、例
えば打弦音ROM41の格納データをハンマー速度に応
じて補正する演算を行うこともできる。
【0026】オーディオ信号送出部45は、上記ROM
41,42または音信号演算部44,47,49からの
音データのディジタル信号をアナログ信号に変換し、ま
たは、響板f特逆特性フィルタでイコライジング(ディ
ジタルイコライジング)してからD−A変換を行う。ま
た、キーアサイナ39からのOFF信号にしたがい打弦
音にディケイをかけ、ペダルセンサ〜からの信号に
したがい共鳴音にディケイをかける。但し、ハーフペダ
ルでダンパーペダル33がゆっくりと戻されたときは、
この戻り速度に応じてゆっくりとしたディケイとする。
ダンパーペダル33をOFFしたときは一斉に止音され
る。
【0027】響板用イコライザ50は、アナログ的なイ
コライジングを行うものである。また、パワーアンプ5
1,52は音響信号を増幅して響板駆動ユニット36A
〜36Dに出力するものである。
【0028】次に、本実施例に係る鍵盤楽器の作用につ
いて説明する。実際の演奏時には、コントローラ40の
CPUは図4のフローチャートで示すプログラムを実行
することとなる。
【0029】まず、各センサ〜よりコントローラ4
0の入出力部I/Oにセンサ信号が入力される(S40
1)。例えば打鍵操作された鍵11について、キーセン
サからの検出信号がキーアサイナ39を介して、ハン
マーセンサからはハンマーの速度がキーベロシティ信
号として入力されている。
【0030】次に、ダンパーペダル33の操作が有った
か否かを判断して(S402)、操作(踏み込み)がな
い場合は、その打鍵に対応する打弦音信号を打弦音RO
M41から読み込むか、または、弦スペクトル演算部4
4において上記キーベロシティ信号に基づいて演算する
(S403)。
【0031】そして、この打弦音信号についての出力時
期制御処理を行う(S404)。例えばキー番号、ハン
マー速度、発音時期等の相互関係を定めたマップにした
がって、検出したキー番号、ハンマー速度に対応して適
切な発音時期を算出し発音タイミングを調整するもので
ある。さらに、このようにして算出した発音時期に、各
響板駆動ユニット36A〜36Dについて上記打弦音信
号(駆動信号)を出力する(S405)。この結果、響
板駆動ユニット36A〜36Dは響板34A,34Bを
それぞれ所定周波数で駆動して所望の音色の発音を得る
ものである。信号出力後は、演奏終了か否かをチェック
して(S406)、終了しない場合はステップS401
に戻り、センサ信号の入力を待つ。
【0032】センサ信号の入力により、ダンパーペダル
33の操作がなされていた場合は(S402でYE
S)、ダンパーペダル33は踏み込まれているか否かを
判断し(S407)、踏み込まれている場合は、上記と
同様に当該打鍵に対応する打弦音信号の読込または弦ス
ペクトルの演算処理により打弦音信号を得る(S40
8)。また、共鳴音信号の共鳴音ROM42からの読み
込み、または、共鳴音演算部47において共鳴音信号の
演算を行う(S409)。そして、信号出力時期制御処
理を行い、打弦音信号の出力タイミング、共鳴音信号の
出力タイミングを算出する(S410)。そして、信号
出力処理(S405)により所定タイミングで打弦音
を、これから所定時間だけ遅れて共鳴音の発音がなされ
るように響板駆動ユニット36A〜36Dに出力するも
のとする。
【0033】一方、上記ステップS407にてダンパー
ペダル33が踏み込み中ではない(ペダル解放)と判断
されると、減衰止音処理がなされ(S411)、信号が
出力される。ダンパーペダル33の解放速度に対応して
例えば一斉接弦、傾斜接弦、きわめてゆっくりした止音
のいずれかが選択されて止音を行うものである。算出し
た共鳴音信号について所定の補正処理がなされるもので
ある。
【0034】したがって、この鍵盤楽器では、通常のア
コースティックピアノと同様に、演奏者の押鍵によりア
クションを介してハンマーを回動させ、所定の鍵タッチ
感が得られることとなる。この場合、疑似ダンパー機構
によりダンパー効果を付与するため、アクション部の奥
行きを短くすることができ、外装をコンパクト化するこ
とができる。また、演奏時、この押鍵打撃と同時に、こ
のアコースティックピアノの弦振動信号に関する線スペ
クトルに基づいて響板から所望の発音がなされる。この
場合、押圧された鍵についての打弦音だけでなくその共
鳴音についも所定の遅れを有して発音がなされる。これ
らの結果、アコースティックピアノと同様またはそれ以
上の音色、音量(特に微小な音量)の発音を得ることが
できる。
【0035】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明に係る
鍵盤楽器によれば、弦およびこれに付随するフレーム等
を廃止することができ、鍵盤楽器を小型化、軽量化する
ことができる。また、その演奏に際して鍵タッチ感はア
コースティックピアノのそれと同一で、かつ、その音色
もアコースティックピアノのそれと同一である。さら
に、その音量のコントロールがより広範囲で容易になっ
ている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る鍵盤楽器の概略構成
を示すその断面図である。
【図2】 本発明の一実施例に係る鍵盤楽器のアクショ
ンを示す側面図である。
【図3】 本発明の一実施例に係る鍵盤楽器を示すその
ブロック図である。
【図4】 本発明の一実施例に係るコントローラで実行
されるプログラムを示すフローチャートである。
【符号の説明】
11:鍵(操作子)、 14:アクション(打弦機
構)、 20:ハンマー、22:被打撃体、 25:疑
似ダンパーレバー(疑似ダンパー機構)、 34A,3
4B:響板、 36A〜36D:響板駆動ユニット(発
音手段)、 40:コントローラ(選択手段)、41:
打弦音ROM(振動状態記憶手段)、 42:共鳴音R
OM(振動状態記憶手段)、 、、、:センサ
(操作子状態検出手段)
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−69624(JP,A) 特開 昭61−124098(JP,A) 特開 平5−73038(JP,A) 特開 平5−73039(JP,A) 特開 昭61−289392(JP,A) 特開 平4−56996(JP,A) 特開 平4−362694(JP,A) 特開 平5−313656(JP,A) 特開 平5−80749(JP,A) 特開 平5−80750(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10H 1/00 G10H 1/32 G10H 1/34 G10B 3/12 G10B 3/14 G10C 3/06 G10C 3/16

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 打鍵に応じて動作する打弦機構と、 少なくともこの打弦機構の運動状態を検出する操作子状
    態検出手段と、 少なくとも弦を含むアコースティックピアノの部材の振
    動状態を記憶する振動状態記憶手段と、 上記操作子状態検出手段の検出結果に応じ、上記振動状
    態記憶手段に記憶されている振動状態を選択する選択手
    段と、 該選択された振動状態を響板を介して音響に変換する発
    音手段と、 を備えた鍵盤楽器であって、 上記打弦機構が、 重力作用方向と逆方向に被打撃体を打撃するハンマー
    と、 上記鍵の奥端部に配設され、該鍵の奥端部を重力の作用
    する方向に付勢可能な疑似ダンパー機構と、 を有し、 しかも、上記響板をこの疑似ダンパー機構より鍵の奥側
    に配設したことを特徴とする鍵盤楽器。
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