JP3038825B2 - ノルボルネン系(共)重合体 - Google Patents

ノルボルネン系(共)重合体

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JP3038825B2
JP3038825B2 JP2184271A JP18427190A JP3038825B2 JP 3038825 B2 JP3038825 B2 JP 3038825B2 JP 2184271 A JP2184271 A JP 2184271A JP 18427190 A JP18427190 A JP 18427190A JP 3038825 B2 JP3038825 B2 JP 3038825B2
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全 小宮
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、射出成形を行った場合に、シルバーストリ
ーク(線状痕)の発生がなく、フィッシュアイと呼ばれ
る透明性が不均一になった欠陥(成形不良)が著しく少
なく、良好な外観、透明性を持った成形品を与え、長時
間にわたって安定に成形を続けることができるノルボル
ネン系(共)重合体に関する。
〔従来の技術〕
ノルボルネン誘導体をメタセシス触媒により開環重合
(メタセシス重合)させた重合体を水素添加して得られ
る熱安定性に優れた樹脂は、例えば特開平1−240517号
公報などにおいて提案されている。
しかしながら、ノルボルネン誘導体をメタセシス重合
し、さらに水素添加を行って得られる水添重合体は、加
熱されるとゲルを生成する傾向がある。
この傾向は、水素添加の割合(水添率)を高めたり、
適当な酸化防止剤などを用いることによってある程度は
抑制することができることが知られている。ゲルを含有
する水添重合体は、射出成形時にゲルが流動してシルバ
ーストリークが発生するだけでなく、ひどい場合にはフ
ィッシュアイと呼ばれる透明性の不均一な部分を含んだ
成形品を与えてしまう。このような現象は、特に透明性
を重視する成形品、光ディスク、レンズなどの場合には
致命的な欠陥となる。
〔発明が解決しようとする課題〕 本発明は、前記従来技術の課題を背景になされたもの
で、射出成形時のシルバーストリークやフィッシュアイ
による成形不良が改良されるばかりでなく、成形品の表
面の一部が金型に付着し、それが成形品の表面から剥が
れて金型表面に残る剥離現象も抑制され、良好な成形品
が連続的に成形できるノルボルネン系(共)重合体を提
供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、下記一般式(I)で表される少なくとも1
種のノルボルネン誘導体または該ノルボルネン誘導体と
共重合可能な不飽和環状化合物とをとをメタセシス重合
して得られる重合体を水素添加して得られる水添重合体
からなり、該水添重合体の、ゲル含有量が0.1重量%以
下、かつ水分量が300ppm以下であることを特徴とするノ
ルボルネン系(共)重合体を提供するものである。
(式中、Rは、炭素数1〜20の炭化水素基を示す。) また、前記一般式(I)において、ノルボルネン誘導
体の具体例としては、 8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ〔4.
4.0.12,5.17,10〕ドデカ−3−エン、 8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ〔4.
4.0.12,5.17,10〕ドデカ−3−エン、 8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシク
ロ〔4.4.0.12,5.17,10〕ドデカ−3−エン、 8−メチル−8−プロポキシカルボニルテトラシクロ
〔4.4.0.12,5.17,10〕ドデカ−3−エン、 8−メチル−8−ブトキシカルボニルテトラシクロ〔4.
4.0.12,5.17,10〕ドデカ−3−エン、 8−メチル−8−(2−メチルプロポキシ)カルボニル
テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕ドデカ−3−エン、 8−メチル−8−(1−メチルプロポキシ)カルボニル
テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕ドデカ−3−エン、 8−メチル−8−(2,2−ジメチルエトキシ)カルボニ
ルテトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕ドデカ−3−エ
ン、 8−メチル−8−シクロヘキシルオキシカルボニルテト
ラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕ドデカ−3−エン、 8−メチル−8−(4′−t−ブチルシクロヘキシルオ
キシ)カルボニルテトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕ド
デカ−3−エン、 8−メチル−8−フェノキシカルボニルテトラシクロ
〔4.4.0.12,5.17,10〕ドデカ−3−エン、 などが挙げられる。
これらのノルボルネン誘導体は、単独で用いられても
よいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。ま
た、得られる水添重合体〔ノルボルネン系(共)重合
体〕の耐熱性を重視する場合には、ノルボルネン誘導体
として、テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕ドデカ−3
−エン誘導体を主として用いるのが好ましい。
一方、水添重合体〔ノルボルネン系(共)重合体〕の
成形性を重視する場合には、前記テトラシクロ〔4.4.0.
12,5.17,10〕ドデカ−3−エン誘導体に加えて、ビシク
ロ(2.2.1)ヘプト−2−エン誘導体を組み合わせて用
いるのが好ましい。
また、前記ノルボルネン誘導体と共重合可能な不飽和
環状化合物を95モル%以下、好ましくは50モル%以下程
度使用して、共重合体とすることもできる。このような
不飽和環状化合物としては、例えばシクロブテン、シク
ロペンテン、シクロオクテン、1,5−シクロオクタジエ
ン、1,5,9−シクロドデカトリエン、ノルボルネン、4
−エチリデンノルボルネン、5−メチルノルボルネン、
ジシクロペンタジエン、テトラシクロ〔4.4.0.12,5.1
7,10.01,6〕ドデカ−3−エン、8−エチリデン−テト
ラシクロ〔4.4.12,5.17,10.01,6〕ドデカ−3−エンな
どを挙げることができる。
これらのノルボルネン誘導体、あるいはこれと共重合
可能な不飽和環状化合物の混合物は、例えば(a)W、
Mo、ReおよびTaの化合物から選ばれた少なくとも1種
と、(b)デミングの周期律表I a、II a、II b、III
a、IV aあるいはIV b族元素の化合物で少なくとも1つ
の元素−炭素結合あるいは元素−水素結合を有するもの
から選ばれた少なくとも1種との組み合わせを含むメタ
セシス触媒によりメタセシス重合される。
(a)成分のW、Mo、ReあるいはTaの化合物は、ハロ
ゲン化物、オキシハロゲン化物、アルコキシハロゲン化
物、アルコキシド、カルボン酸塩、(オキシ)アセチル
アセトナート、カルボニル錯体、アセトニトリル錯体、
ヒドリド錯体、およびその誘導体、あるいはこれらの組
み合わせであるが、WおよびMoの化合物、特にこれらの
アルコキシ化物、ハロゲン化物、オキシハロゲン化物、
およびアルコキシハロゲン化物が、重合活性、実用性の
点から好ましい。また、これらの化合物は、適当な錯化
剤、例えばP(C6H5、C5H5Nなどによって錯化され
ていてもよい。
(a)成分の具体例としては、WCl6、WCl5、WBr6、WF
6、WI6、MoCl5、MoCl4、MoCl3、ReCl5、WOCl4、ReOC
l3、ReOBr3、W(OC6H5、WCl2(OC6H5、Mo(OC
2H52Cl3、Mo(OC2H5、MoO2(acac)、W(OCO
R)、W(CO)、Mo(CO)、Re2(CO)10、ReOBr3
P(C6H5、WCRl5P(C6H5、WCl6C5H5N、W(CO)
5P(C6H5、W(CO)(CH3CN)などが挙げられ
る。
また、(b)成分は、デミングの周期律表I a、II
a、II b、III a、IV aあるいはIV b族元素の有機金属化
合物ならびに水素化物から選ばれた少なくとも1種であ
る。
(b)成分の具体例としては、n−C4H9Li、n−C5H
11Na、C5H5Na、CH3MgI、C2H5MgBr、CH3MgBr、n−C3H7M
gCl、t−C4H9MgCl、CH2=CHCH2MgCl、(C2H52Zn、
(C2H52Cd、CaZn(C2H5)、(CH33B、(C2H53B、
(n−C4H93B、(CH33Al、(CH32AlCl、(CH33
Al2Cl3、(CH3)AlCl2、(C2H53Al、LiAl(C
2H5、(C2H53AlO(C2H5、(C2H52AlCl、C2
H5AlCl2、(C2H52AlH、(i−C2H92AlH、(C2H52
AlOC2H5、(i−C4H93Al、(C2H53Al2Cl3、(CH3
4Ga、(CH34SN、(n−C4H94Sn、(C2H53SiH、
(s−C6H133Al、(n−C8H173Al、LiH、NaH、B
2H6、NaBH4、AlH3、LiAlH4、BiH4、TiH4などが挙げられ
る。また、反応によってこれらの化合物を生成する2種
以上の化合物の混合物を用いることもできる。
特に好ましい(b)成分としては、(CH33Al、(CH
32AlCl、(CH31.5Al1.5、CH3AlCl2、(C2H53Al、
(C2H52AlCl、(C2H51.5Al1.5、C2H5AlCl、(C
2H52AlH、(C2H52AlOC2H5、(C2H52AlCN、(C
3H73Al、(i−C4H93Al、(i−C4H92AlH、(C6H
133Al、(C8H173Al、(C6H53Alなどを挙げること
ができる。
(a)成分と(b)成分の量的関係は、金属原子比で
(a):(b)が1:1〜1:40、好ましくは1:2〜1:20の範
囲で用いられる。
上記の(a)〜(b)2成分から調製された触媒は、
メタセシス重合反応に対して高い活性を示すが、さらに
次に挙げるような(c)成分(活性化剤)を添加して、
より高活性の触媒を得ることもできる。
(c)成分としては各種の化合物が使用できるが、特
に良好な結果が得られる化合物には、次の化合物、すな
わち 単体ホウ素、BF3、BCl3、B(O−n−C4H9、(C
2H5O)2BF、B2O3、H3BO3などのホウ素の非有機金属化合
物、Si(OC2H5などのケイ素の非有機金属化合物、 アルコール類、 水、 酸素、 アルデヒド、エステルおよびケトンなどのカルボニル
化合物およびその重合物、 エチレンオキシド、エピクロルヒドリン、オキセタン
などの環状エテール類、 N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトア
ミドなどのアミド類、アニリン、モルホリン、ピペリジ
ンなどのアミン類およびアゾベンゼンなどのアゾ化合
物、 N−ニトロソジメチルアミン、N−ニトロソジフェニ
ルアミンなどのN−ニトロソ化合物、 トリクロルメラミン、N−クロルサクシノイミド、フ
ェニルスルフェニルクロリドなどのSーCl、N−Cl基を
含む化合物、 などが含まれる。
また、(a)成分と(c)成分の量的関係は、添加す
る(c)成分の種類によってきわめて多様に変化するた
め一律に規定できないが、多くの場合に(c)/(a)
(モル比)が、0.005〜10、好ましくは0.005〜2.0の範
囲で用いられる。
重合溶媒は、モノマー(ノルボルネン誘導体または該
ノルボルネン誘導体と共重合可能な不飽和環状化合物)
と生成する重合体を溶解しメタセシス重合を阻害しない
ものであれば特に制限はない。
このような目的に適合した溶媒としては、次のような
化合物が挙げられる。
すなわち、飽和炭化水素系溶媒としては、ペンタン、
ヘキサン、ヘプタン、シクロペンタン、シクロヘキサ
ン、デカリンなどが使用できる。
芳香族系溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、エチルベンゼンなどが挙げられる。
ハロゲン化溶媒としては、塩化メチレン、クロロホル
ム、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタ
ン、クロルベンゼンなどが挙げられる。
エーテル系溶媒としてはジエチルエーテル、1,2−ジ
メトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジエチレン
グリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジ
エチルエーテル、1,4−ブタンジオールジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−
ジオキサン、アニソールなどが挙げられる。
エステル系溶媒としては、酢酸メチル、酢酸エチル、
酢酸プロピル、酢酸ブチルなどが用いられる。
重合溶媒としては、前記に挙げた溶媒の混合系として
使用することもできる。前記溶媒のうち、本発明の重合
体を製造するのに特に好ましい溶媒は、シクロヘキサ
ン、ベンゼン、トルエン、キシレン、1,2−ジメトキシ
エタン、酢酸ブチルおよびこれらの混合物が挙げられ
る。
本発明に使用される重合体は、適当な分子量調節剤を
用いて、望まれる分子量の重合体を合成することができ
る。分子量調節剤としては、エチレン、プロペン、1−
プテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテンが
好適に用いられる。
本発明に使用される重合体の分子量は、クロロホルム
中、30℃で測定される溶液粘度(〔η〕inh〕が、0.4〜
1.5の範囲のものがより好ましい。
このようにして得られる重合体は、適当な水添触媒に
よって重合体中の炭素−炭素不飽和結合が水添される。
水素添加の触媒としては、一般に用いられる触媒をその
まま適用することができる。
例えば、不均一触媒系触媒としては、パラジウム、白
金、ニッケル、ロジウム、ルテニウムなどの貴金属触媒
を、カーボン、シリカ、アルミナ、チタニア、シリカマ
グネシアなどの担体に担持させた固体触媒などが挙げら
れる。触媒の形態は、粉末でも粒状でもよい。また、反
応は、固定床でも懸濁床でもよい。
また、均一系触媒としては、ナフテン酸ニッケル/ト
リエチルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナート
/トリエチルアルミニウム、オクテン酸コバルト/n−ブ
チルリチウム、チタノセンジクロライド/ジエチルアル
ミニウムモノクロリド、酢酸ロジウム、クロロトリス
(トリフェニルホスフィン)ロジウムなどのロジウム触
媒などを挙げることができる。
水素添加反応は、常圧〜300気圧、好ましくは3〜200
気圧の水素ガス雰囲気下において、0〜200℃、好まし
くは20〜180℃で行うことができる。
水素添加反応に用いる溶媒は、重合に用いた溶媒のう
ち、炭素−炭素不飽和結合を持たない溶媒がそのまま使
用できる。ただし、水素添加触媒によっては、ハロゲン
元素が阻害剤として働くものがあるため、その場合には
ハロゲン含有溶媒の使用は避けなければならない。
水素添加反応用として好ましい溶媒は、エーテル系溶
媒、すなわちテトラヒドロフラン、エチレングリコール
ジメチルエーテルなど、炭化水素系溶媒、すなわちヘキ
サン、シクロヘキサン、デカリンなど、およびこれらの
混合溶媒などが挙げられる。
このようにして水素添加することにより、得られる水
添重合体は、優れた熱安定性を有するものとなり、成形
加工時や製品としての使用時の加熱によってその特性が
劣化することが抑制される。
水素添加率は、60MHz、1H−NMRで測定した値が95%以
上、好ましくは98%以上、さらに好ましくは99%以上で
ある。水素添加率が95%未満では、熱安定性の改良効果
が不充分となる。
本発明のノルボルネン系(共)重合体は、このように
して得られる水添重合体のゲル含有量を0.1重量%以下
に低くなされている点に特徴を有する。ゲル含有量が0.
1重量%を超えると、射出成形ではいかなる成形条件の
変更を行っても、成形品表面のシルバーストリークやフ
ィッシュアイの発生を防止することができなくなる。ゲ
ル含有量が0.1重量%を下回るにつれて、射出成形の成
形条件の制御により、これらの成形不良を少なく抑える
ことができるようになる。ゲル含有量を0.1重量%以下
に抑えることにより、より高い温度、高い射出速度など
の厳しい条件で射出成形を行うことができる。より精密
な光学部品を成形する場合には、ゲル含有量を0.01重量
%以下、さらに好ましくは0.001重量%以下に抑えるこ
とが好ましい。一方、成形品として、透明のシートを作
製する押し出し成形の場合には、フィッシュアイによる
外観不良を起こすゲル含有量の上限が射出成形より厳し
く、通常の成形条件でもゲル含有量は0.1重量%を下回
る必要がある。
このようなゲル含有量の少ない水添重合体を得る方法
としては、例えば下記のような方法を挙げることができ
る。
仕上げ(溶媒の除去)工程を、すべて不活性雰囲気下
で行う方法。
この仕上げ工程、特に溶媒の除去は、加熱して行われ
るので、ゲル化を防止するためにはチッ素雰囲気下で操
作することが望ましい。具体的には、仕上げ工程に入る
前の(水添)重合体溶液の取り扱いをすべてチッ素雰囲
気下で行う。溶媒の除去を減圧下で行う場合において
も、装置の漏れをできる限り減らすとともに、万一、漏
れがあっても空気ではなくチッ素が漏れるように装置全
体をチッ素雰囲気下に設置する、などの操作が挙げられ
る。
適当な酸化防止剤を、例えば重合体の水添工程後に添
加する方法。
ここで、ゲルの発生を防止するために用いることので
きる酸化防止剤としては、フェノール系などの一般によ
く知られている酸化防止剤が適用できる。具体的には、
ペンタエリスリトール−テトラキス〔3−(3−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−t−
ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,9−ビ
ス〔2−(3−(t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メ
チルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチル
エチル〕2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデ
カン、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−
t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル
イソシアヌレートなどが挙げられる。これらのフェノー
ル系酸化防止剤に、さらにリン系酸化防止剤を組み合わ
せて使用してもよい。例えば、このリン系酸化防止剤と
しては、ビス−(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフ
ェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニルホスファイト)、3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート
ジエチルエステルなどが挙げられる。
仕上げ(溶媒の除去)時の温度をできる下げる方法。
この方法としては、次のような(イ)〜(ハ)の方法
が挙げられる。
(イ)溶媒をできるだけ沸点の低いものを用いる。
しかしながら、あまり沸点の低い溶媒を用いると、重
合時、水添時の内圧が高くなり、装置の耐圧を上げる必
要が生じたり、溶媒そのものが高価なものになるなどの
他の要因を考慮しなければならない。
(ロ)溶媒の除去を減圧下で行う。この方法は、充分に
効果が期待できる。
(ハ)処理される(水添)重合体溶液が、できるだけ薄
い膜となって効率よく溶媒が揮発できるような装置を用
いる。
以上のような方法により、溶媒の除去の際の温度は、
酸化防止剤を用いない条件では300℃以下に保つことが
好ましい。また、適当な酸化防止剤を用いた場合では、
380℃以下に保つことが好ましい。
また、前記〜の方法によってもゲルが発生してし
まった場合や、前記〜の方法を行わなかった場合な
どでゲルが発生してしまった場合には、ろ過により除去
してもよい。
発生したゲルのろ過による除去は、次のような方法で
行われる。すなわち、(水添)重合体を適当な良溶媒に
20重量%以下、好ましくは15重量%以下の濃度に溶か
し、この溶液を孔径が1μm程度のフィルターでろ過す
る。より完全にゲルを除去する必要がある場合には、0.
5μm程度のフィルターを用いることができる。
本発明においては、これらの方法のいずれも有効に活
用することができるし、これらの方法を組み合わせて水
添重合体〔ノルボルネン系(共)重合体〕を製造すると
さらに効果的である。
本発明のノルボルネン系(共)重合体は、前記のよう
にして得られる水添重合体中に含まれる水分量を300ppm
以下に抑えることにより、射出成形時のシルバーストリ
ークおよびフィッシュアイの発生、成形品の表面の剥離
などがさらに抑制され、より安定した成形を行うことが
できる。
より高い温度、高い射出速度などの厳しい条件で射出
成形を行う場合には、水添重合体の水分量を100ppm以下
に抑えると良好な結果が得られる。
さらに、長期にわたって安定に成形を行いたい場合に
は、水添重合体の水分量を50ppm以下に抑えることが望
ましい。
このように、水分の含有量の少ない水添重合体を得る
方法としては、一般の重合体の乾燥に用いられている方
法、例えば真空乾燥法、乾燥空気もしくは乾燥チッ素に
よる気流乾燥法などが挙げられる。
特に、水添重合体の酸化劣化を嫌う場合には、真空乾
燥法あるいは乾燥チッ素を用いた気流乾燥法が好まし
い。
なお、本発明のノルボルネン系(共)重合体は、前記
のようにして得られる水添重合体中に含まれるハロゲン
含有量を100ppm以下に抑えた場合には、加熱時のノルボ
ルネン系(共)重合体のゲルの発生や着色に対して良好
な結果を与えることができる。特に、ハロゲン含有量が
50ppm以下、さらに好ましくは20ppm以下に抑えた場合に
は、より良好な耐熱性が得られる。
ハロゲン含有量の少ない水添重合体を得る方法として
は、 ハロゲン原子を含まない触媒や溶媒を使用して、(水
添)重合体を得る方法(以下「方法」という)、 (水添)重合体製造時に、ハロゲン原子を除く工程を
取り入れる方法(例えば、抽出法および/または水添触
媒への吸着方法、以下「方法」という)、などが挙げ
られる。
前記方法は、最も簡便で、ハロゲン原子が本質的に
(水添)重合体中に取り込まれないことから効果が大き
い。しかしながら、方法は、触媒が高価であることな
どの問題点もある。この方法で使用する触媒として
は、前記(a)成分として、タングステンまたはモリブ
デンのアルコキシ誘導体が、また(b)成分としては、
有機リチウム化合物、有機マグネシウム化合物、有機亜
鉛化合物、トリアルキルアルミニウム誘導体、テトラア
ルキルスズ化合物などが挙げられる。また、方法にお
ける重合溶媒としては、トルエン、キシレン、ペンタ
ン、シクロペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、デカ
リンなどの芳香族炭化水素、1,2−ジメトキシエタン、
ジメチレングリコールジメチルエーテル、アニソールな
どのエーテル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プ
ロピル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒などが挙げら
れる。
これらの重合溶媒は、混合系として使用することもで
きる。
さらに、方法における水素添加反応のための溶媒と
しては、前記重合に用いられる好ましい溶媒のうち、水
素添加される危険性のある芳香族系化合物を除いたすべ
ての溶媒を使用することができる。
一方、前記方法における抽出法は、特開平2−3622
4号公報に開示されているように、重合後または水素添
加後の(水添)重合体溶液に、(水添)重合体の貧溶媒
を加えて(水添)重合体を回収する方法が挙げられる。
この抽出法でハロゲン原子を除く場合には、貧溶媒とし
てメタノール、エタノール、プロパノールなどの低級ア
ルコール、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸
エチルなどの低級アルコールのエステル類、アセトン、
メチルエチルケトンなどのケトン類などが好ましい。こ
れらの貧溶媒は、組み合わせて用いることもできる。
また、前記方法における水添触媒への吸着方法は、
パラジウム、ロジウム、ルテニウムおよびプラチニウム
の群から選ばれた少なくとも1種の金属触媒を用いて、
重合体を水素添加反応させることにより、重合体中のハ
ロゲン原子を除去する方法である。この際、金属触媒
は、担体に担持させて使用することが好ましい。
この担体としては、カーボン、シリカ、アルミナ、シ
リカマグネシア、チタニア、ジルコニア、ゼオライト、
シリカ−アルミナなどが挙げられる。
担持率は、0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量
%、さらに好ましくは0.2〜7重量%である。この金属
触媒のなかでは、塩素除去率が高いことから、特にパラ
ジウムが好ましい。また、担体としては、比重、触媒、
調製のし易さから、アルミナ、シリカ、シリカマグネシ
アが好ましい。
この水添触媒への吸着方法の詳細については、特開平
1−244659号明細書において詳述されている。
本発明のノルボルネン系(共)重合体は、前記のよう
な水添重合体より構成されるが、これに公知の酸化防止
剤、紫外線吸収剤などを添加してさらに安定化すること
ができる。また、加工性を向上させるために、滑剤など
の従来の樹脂加工において用いられる添加剤を添加する
こともできる。
さらに、耐衝撃性の向上、耐薬品性の向上、耐摩耗性
の向上などのために、エチレン−α−オレフィン系ゴム
質重合体;エチレン−α−オレフィン−ポリエン共重合
ゴム;エチレン−メチルメタクリレート、エチレン−ブ
チルアクリレートなどのエチレンと不飽和カルボン酸エ
ステルとの共重合体;エチレン−酢酸ビニルなどのエチ
レンと脂肪酸ビニルとの共重合体;アクリル酸エチル、
アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2
−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリルなどのアクリル
酸アルキルエステルの重合体;ポリブタジエン、ポリイ
ソプレン、スチレン−ブタジエンまたはスチレン−イソ
プレンのランダム共重合体、アクリロニトリル−ブタジ
エン共重合体、ブタジエン−イソプレン共重合体、ブタ
ジエン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合
体、ブタジエン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル
−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−(メタ)ア
クリル酸アルキルエステル−アクリロニトリル−スチレ
ン共重合体などのジエン系ゴム;ブチレン−イソプレン
共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、水
素化スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン
−イソプレンブロック共重合体、水素化スチレン−イソ
プレンブロック共重合体などの芳香族ビニル−共役ジエ
ン系ブロック共重合体;低結晶性ポリブタジエン樹脂、
エチレン−プロピレンエラストマー、スチレングラフト
エチレン−プロピレンエラストマー、熱可塑性ポリエス
テルエラストマー、エチレン系アイオノマー樹脂、アク
リロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹
脂)、アクリロニトリル−エチレン−プロピレン−スチ
レン樹脂(AES樹脂)、メチルメタクリレート−ブタジ
エン−スチレン樹脂(MBS樹脂)、アクリロニトリル−
ブタジエン−メチルメタクリレート−スチレン樹脂(AB
MS樹脂)、アクリロニトリル−n−ブチルアクリレート
−スチレン樹脂(AAS樹脂)、ゴム変性ポリスチレン
(ハイインパクトポリスチレン)、スチレン系樹脂、塩
化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリフェニレンエー
テル樹脂、ポリアリーレンスルフィド樹脂、ポリカーボ
ネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ
エーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリイミド
樹脂などの種々の他の重合体と混合して用いることもで
きる。
本発明のノルボルネン系(共)重合体は、種々の公知
の成形加工法、例えば射出成形法、圧縮成形法、押し出
し成形法などを適用して成形品とすることができる。
〔実施例〕
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明す
るが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。
なお、実施例中、部および%は、特に断らないかぎり
重量基準である。
また、実施例中の各種の測定は、次のとおりである。
ゲル含有量 25℃の温度で、水添重合体50gを1%濃度になるよう
にクロロホルムに溶解し、この溶液をあらかじめ重量を
測定してある孔径0.5μmのメンブランフィルター〔ア
ドバンテック東洋(株)製〕を用いてろ過し、ろ過後の
フィルターを乾燥後、その重量の増加量からゲル含有量
を算出した。
水分量 カールフィッシャー水分測定装置(三菱化成(株)
製、CA−5、VA−21)により、水添重合体を乾燥チッ素
気流下で200℃に加熱して発生する水分量を定量した。
シート成形性(押し出し成形性) 水添重合体を、直径30mmの押し出し機を用い、幅20m
m、厚さ1mmのTダイを通して220〜280℃の温度でシート
化した。得られたシートのフィッシュアイの量は、一定
面積中の数の大小により、○、△および×で評価した。
射出成形性 水添重合体を30mmφの押し出し機で220〜280℃の温度
でペレット化したのち、住友重機(株)製、DISK5M III
型射出成形機で130mmφの円盤を340〜380℃の温度で30
秒で連続成形した。得られたディスクを目視で検査し
て、シルバーストリークおよびフィッシュアイの発生と
剥離の有無を検査した。
シルバーストリーク、フィッシュアイおよび剥離の発
生のし易さを、○、△および×で判定した。
参考例1 8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ
〔4.4.0.12,5.17,10〕ドデカ−3−エン(以下「化合物
1」という)10g、1,2−ジメトキシエタン6g、シクロヘ
キサン24g、1−ヘキセン2.5g、およびジエチルアルミ
ニウムクロライド0.96モル/のトルエン溶液0.34ml
を、内容積100mlの耐圧ガラス瓶に加えた。
一方、別のフラスコに、六塩化タングステンの0.05モ
ル/の1,2−ジメトキシエタン溶液2mlとパラアルデヒ
ドの0.1モル/の1,2−ジメトキシエタン溶液1mlを混
合した。
この混合溶液0.49mlを、前記耐圧ガラス瓶中の混合物
に添加した。密栓後、混合物を80℃に加熱して3時間攪
拌を行った。
得られた重合体溶液に、1,2−ジメトキシエタンとシ
クロヘキサンの2/8(重量比)の混合溶媒を加えて重合
体/溶媒が1/10(重量比)にしたのち、トリエタノール
アミン2gを加えて10分間攪拌した。
この重合溶液に、メタノール50gを加えて30分間攪拌
して静置した。2層に分離した上層を除き、再びメタノ
ールを加えて攪拌、静置後、上層を除いた。同様の操作
をさらに2回行い、得られた下層をシクロヘキサン、1,
2−ジメトキシエタンで適宜希釈し、重合体濃度が10%
のシクロヘキサン−1,2−ジメトキシエタン溶液を得
た。
この溶液に2gのパラジウム/シリカマグネシア(日揮
化学(株)製、パラジウム量=5%)を加えて、オート
クレーブ中で水素圧40kg/cm2として165℃で4時間反応
させたのち、水添触媒をろ過によって取り除き、水添重
合体溶液Aを得た。
また、この水添重合体溶液Aをメタノールを用いて凝
固させ、水添重合体Aを得た。
参考例2 参考例1の化合物1の代わりに、化合物1を4g、8−
エチリデン−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕ドデカ
−3−エン(以下「化合物2」という)を6g用いた以外
は、参考例1と同様の操作を行い、水添重合体溶液Bお
よび水添重合体Bを得た。
参考例3 参考例1の化合物1の代わりに、化合物1を8g、5−
メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ〔2.2.1〕ヘ
プト−2−エン(以下「化合物3」という)2gを用いた
以外は、参考例1と同様の操作を行い、水添重合体溶液
Cおよび水添重合体Cを得た。
参考例4 参考例1の化合物1の代わりに、化合物1を8g、テト
ラシクロ〔4.3.12,5.01,6〕−3,7−デカジエン(ジシク
ロペンタジエン、以下「化合物4」という)を2g用いた
以外は、参考例1と同様の操作を行い、水添重合体溶液
Dおよび水添重合体Dを得た。
実施例1 水添重合体溶液Aを280℃で減圧下に脱溶媒を行っ
た。溶融した樹脂を、チッ素雰囲気下で押し出し機によ
りペレット化し、射出成形および押し出し成形によるシ
ート化により成形性を確認した。結果を第1表に示す。
実施例2 水添重合体溶液Aに、酸化防止剤であるペンタエリス
リチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕を水添重合体
に対して0.1%加えてから、380℃で減圧下に脱溶媒を行
った。
溶融した樹脂を、チッ素雰囲気下で押し出し機により
ペレット化し、射出成形および押し出し成形によるシー
ト化により成形性を確認した。結果を第1表に示す。
実施例3 水添重合体溶液Bを280℃で減圧下に脱溶媒を行っ
た。溶融した樹脂を、チッ素雰囲気下で押し出し機によ
りペレット化し、射出成形および押し出し成形によるシ
ート化により成形性を確認した。結果を第1表に示す。
実施例4 水添重合体溶液Cに、酸化防止剤であるペンタエリス
リチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕を水添重合体
に対して0.1%加えてから、380℃で減圧下に脱溶媒を行
った。
溶融した樹脂を、チッ素雰囲気下で押し出し機により
ペレット化し、射出成形および押し出し成形によるシー
ト化により成形性を確認した。
結果を第1表に示す。
実施例5 水添重合体溶液Dを280℃で減圧下に脱溶媒を行っ
た。溶融した樹脂を、チッ素雰囲気下で押し出し機によ
りペレット化し、射出成形および押し出し成形によるシ
ート化により成形性を確認した。結果を第1表に示す。
実施例6 水添重合体溶液Aを、孔径0.5μmのフィルターでろ
過し、メタノール凝固により水添重合体を析出させた。
この水添重合体を、射出成形および押し出し成形による
シート化により成形性を確認した。結果を第1表に示
す。
比較例1 水添重合体溶液Aを380℃で減圧下に脱溶媒を行っ
た。溶融した樹脂を、チッ素雰囲気下で押し出し機によ
りペレット化し、射出成形および押し出し成形によるシ
ート化により成形性を確認した。結果を第1表に示す。
比較例2 水添重合体溶液Aを280℃で減圧下に脱溶媒を行っ
た。溶融した樹脂を、空気雰囲気下で押し出し機により
ペレット化し、射出成形および押し出し成形によるシー
ト化により成形性を確認した。
結果を第1表に示す。
実施例7 水添重合体溶液Cを380℃で減圧下に脱溶媒を行っ
た。溶融した樹脂を、チッ素雰囲気下で押し出し機によ
りペレット化し、射出成形および押し出し成形によるシ
ート化によりにより成形性を確認した。結果を第1表に
示す。
比較例3 重合体溶液Aを380℃で減圧下に脱溶媒を行ったが、
減圧度が50mmHgであったため、滞留時間は約30分間であ
り、実施例2の約2倍となった。溶融した樹脂は、空気
雰囲気下で押し出し機によってペレット化し、射出成形
および押し出し成形によるシート化により成形性を確認
した。
結果を第1表に示す。
比較例4 重合体溶液Aを280℃で減圧下に実施例1と同様に脱
溶媒を行ったが、減圧度が50mmHgであったため、滞留時
間は約30分間であり、実施例1の約2倍となった。溶融
した樹脂は、空気雰囲気下で押し出し機によってペレッ
ト化し、射出成形および押し出し成形によるシート化に
より成形性を確認した。結果を第1表に示す。
比較例5 重合体溶液Cを380℃で減圧下に脱溶媒を行ったが、
減圧度が50mmHgであったため、滞留時間は約30分間であ
り、実施例2の約2倍となった。溶融した樹脂は、空気
雰囲気下で押し出し機によってペレット化し、射出成形
および押し出し成形によるシート化により成形性を確認
した。
結果を第1表に示す。
実施例8 水添重合体Aを真空乾燥機で100℃で4時間乾燥した
のち、チッ素雰囲気下で押し出し機によりペレット化を
行い、射出成形により成形性を確認した。結果を第2表
に示す。
実施例9 水添重合体Aを真空乾燥機で120℃で4時間乾燥した
のち、チッ素雰囲気下で押し出し機によりペレット化を
行い、射出成形により成形性を確認した。結果を第2表
に示す。
実施例10 水添重合体Aを真空乾燥機で120℃で8時間乾燥した
のち、チッ素雰囲気下で押し出し機によりペレット化を
行い、射出成形により成形性を確認した。結果を第2表
に示す。
実施例11 水添重合体Aをチッ素雰囲気の気流乾燥機を用いて10
0℃で24時間乾燥したのち、チッ素雰囲気下で押し出し
機によりペレット化を行い、射出成形により成形性を確
認した。結果を第2表に示す。
実施例12〜14 水添重合体B(実施例14)、水添重合体C(実施例1
5)、水添重合体D(実施例16)をそれぞれ実施例1と
同様にして乾燥し、ペレット化して射出成形により成形
性を確認した。
結果を第2表に示す。
比較例6 水添重合体Aを用いて、乾燥しない以外は、実施例10
と同様にして射出成形した。
結果を第2表に示す。
比較例7〜9 水添重合体B(比較例7)、水添重合体C(比較例
8)、水添重合体D(比較例9)を用いる以外は、それ
ぞれ比較例6と同様にして射出成形した。結果を第2表
に示す。
〔発明の効果〕 本発明のノルボルネン系(共)重合体は、ゲル含有量
が少ないので良好な成形性を示し、さらに水分含有量が
少ないので成形性がより向上する。従って、本発明のノ
ルボルネン系(共)重合体は、成形時のシルバーストリ
ークおよびフィッシュアイの発生が抑制され、しかも成
形品の表面の一部が金型に付着しそれが成形品の表面か
ら剥がれて金型表面に残る剥離現象も抑制され、良好な
成形品を連続的に成形することができる。
本発明のノルボルネン系(共)重合体は、この特徴を
活かして、例えばレンズ、光ディスク、光ファイバー、
光導波路、プラスチックミラーなどの光学用材料のほ
か、自動車のヘッドランプカバー、テールランプカバー
などの自動車部品、窓ガラス用の樹脂板、カーポートの
屋根材などの建材用途、電気製品のハウジング材など、
多岐にわたって使用することができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−317520(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 61/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I)で表される少なくとも1
    種のノルボルネン誘導体または該ノルボルネン誘導体と
    共重合可能な不飽和環状化合物とをメタセシス重合して
    得られる重合体を水素添加して得られる水添重合体から
    なり、該水添重合体の、ゲル含有量が0.1重量%以下、
    かつ水分量が300ppm以下であることを特徴とするノルボ
    ルネン系(共)重合体。 (式中、Rは、炭素数1〜20の炭化水素基を示す。)
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