JP3038538U - 超薄型直流無ブラシ式ファン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 放熱効果が良好で実体高度が実用高度に等し
くされた超薄型直流無ブラシ式ファン。 【解決手段】 カバー板上に、上向きに突出する結合座
を設けて、結合座の外周に複数の通風口を設け、羽根を
コイル軸に枢接し、コイル軸と電気回路板をカバー板の
結合座に固定し、羽根を電気回路板で制御して運転させ
られるようにし、取付けシートの上面に一つの円形の凹
所を設け、該円形の凹所に羽根を収容し、該凹所の一側
に通風口を設け、取付けシートの上面に複数の凹孔と突
出リブを設け、取付けシート上面に一つの凹凸面を形成
して放熱面積を増し、速やかに放熱できるようにし、複
数のねじでカバー板を取付けシート上面に結合すると共
に、電気回路板の硬質導線を取付けシートとカバー板外
に穿出させてなる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、ノート型パソコン等の装置内部の放熱用に広く用いられる、一種の 超薄型直流無ブラシ式ファンに関し、特に、ファンの実用高度が実体高度に等し く、空間をとらず、羽根、コイル軸及び電気回路板をカバー板に、懸垂式に固定 する方式が採用され、それにより羽根、コイル軸、電気回路板に高温による寿命 の短縮がもたらされることなく、また羽根がカバー板に良好な密着度を以て固定 されて、入風量を有効に増すことができ、良好な放熱効果を提供でき、また、電 気回路板の導線の連接に便利なものに関する。

【０００２】

【従来の技術】

図１には周知の一種の超薄型直流無ブラシ式ファンが示され、それは、ノート 型パソコン等の装置内部の放熱に広く用いられている。該ファンは、羽根１０ａ 、コイル軸２０ａ、電気回路板３０ａ、取付けシート４０ａ、及びカバー板５０ ａを備えてなり、コイル軸２０ａと電気回路板３０ａは熱伝導性の良好なアルミ ニウムで製造した取付けシート４０ａ上に固定され、羽根１０ａは軸心でコイル 軸２０ａに枢接され、電気回路板３０ａ上の電気回路の制御により運転し、取付 けシート４０ａ底面が、マイクロプロセッサチップ６０ａ等の発熱体上に貼られ てそれを被覆しており、取付けシート４０ａがマイクロプロセッサチップ６０ａ 上の温度を吸収可能とされ、これにより、傾斜した羽根１０ａが駆動されること で、カバー板５０ａ上の通風口５１ａより冷気が吸入され、取付けシート４０ａ の熱気が吹き動かされ、取付けシート４０ａ側面の一つの通風口（図には表示せ ず）より吹き出され、以て放熱の作用を達成していた。

【０００３】 ファンが順調に空気の吸入或いは吹き出しを行えるように、ファン上面と、フ ァンの取り付けられたノート型パソコン等の装置のケーシング７０ａの間には適 当な間隙ａ１が留保される必要があり、このため、ファンを取り付ける時には、 ファン本体の実体高度ａ２のほかにも、間隙高度ａ１を考慮する必要があり、即 ち、ファンの実用高度は少なくともａ１＋ａ２を維持する必要があった。しかし 、この種の超薄型直流無ブラシ式ファンでは、ファン取付けの実用高度の増加は 、超薄型直流無ブラシ式ファンが有しているべき取り付け空間の節約という特性 に対して厳重な影響をもたらし、超薄型直流無ブラシ式ファンが実際に取付けに 必要とする空間、即ち実用空間が大きいために、ノート型パソコン等の装置内で の取付け空間の削減が有効に行われなかった。

【０００４】 さらに、周知の超薄型直流無ブラシ式ファンは、取付けシート４０ａの底面が マイクロプロセッサ６０ａ等発熱体上を被覆するよう貼着してあり、羽根１０ａ 、コイル軸２０ａ及び電気回路板３０ａが高温の取付けシート４０ａ上に固定さ れるため、羽根１０ａの軸心とコイル軸２０ａ間の組合せが、それ自体が高温を 発生しうるのに加え、取付けシート４０ａの高温により、羽根１０ａ、コイル軸 ２０ａ、及び電気回路板３０ａが高温の影響を受けて寿命が短縮する結果をまね いた。

【０００５】 また、該周知の超薄型直流無ブラシ式ファンは、羽根１０ａが下方の取付けシ ート４０ａ上の固定されているため、羽根１０ａとカバー板５０ａが結合させら れる時にもなお比較的大きな間隙があり、有効に風量を増大することができなか った。

【０００６】 また、該周知の超薄型直流無ブラシ式ファンは、取付けシート４０ａの上面が 一つの単純な平面とされ、放熱面積が比較的小さいため、良好な放熱効果を達成 しがたく、また電気回路板３０ａの導線（図には表示せず）が、一般にはファン の後ろに引き出された後に随意に置かれて適当に位置決めされてないため、導線 を整理しなければ乱雑となった。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、上述の周知の超薄型直流無ブラシ式ファンの有する欠点を改善すべ くなされたものであり、即ち、本考案は、羽根、コイル軸、電気回路板、取付け シート及びカバー板を備え、カバー板上に、上向きに突出する結合座を設けて、 該結合座をカバー板より高くし、結合座の外周に複数の通風口を設け、羽根をコ イル軸に枢接し、コイル軸と電気回路板をカバー板の結合座上に固定し、羽根を 電気回路板で制御して運転させられるようにし、取付けシートの上面に一つの円 形の凹所を設け、該凹所の一側に通風口を設け、複数のねじでカバー板を取付け シート上面にネジ付け、取付けシート底面がマイクロプロセッサチップ上を被覆 するよう貼り合わせて取付けシートがマイクロプロセッサチップ上の温度を吸収 できるようにし、羽根を駆動して取付けシートの熱気を通風口より吹き出せるよ うにして放熱の効果を達成できるようにし、カバー板の中間に設けた突出する結 合座により、電気回路板が容易に突出する結合座内に取り付け可能で、またカバ ー板の結合座上面をノート型パソコン等の装置のケーシングに密着させられ、カ バー板の通風口の通風が阻害なく順調に行え、ファン取付け時にファン本体の実 体高度のみ考慮すればよく、上記ケーシング間との間隙の高度を考慮せずともよ く、即ちファンの実体高度を実用高度を同じとできて該間隙を不要とでき、ゆえ に取付け空間をとらないようにした、一種の超薄型直流無ブラシ式ファンを提供 することを課題としている。

【０００８】 本考案は次に、上記超薄型直流無ブラシ式ファンにおいて、羽根、コイル軸、 電気回路板を、カバー板に懸吊式に固定し、それにより下方の取付けシートの高 温の影響を受けにくくし、羽根、コイル軸及び電気回路板の高温による寿命の減 少をなくし、羽根のカバー板への固定において、羽根とカバー板の密着度を比較 的高くし、有効に進気量を増加することを課題としている。

【０００９】 本考案はさらに、上記超薄型直流無ブラシ式ファンにおいて、取付けシート上 面に複数の凹孔或いは突出リブを設け、それにより取付けシート上面に凹凸面を 形成して放熱面積を増加し、放熱速度を高めて良好な放熱効果を提供できるもの とすることを課題としている。

【００１０】 本考案は、さらにまた、上記超薄型直流無ブラシ式ファンにおいて、電気回路 板の導線に硬質導線を採用し、該導線を取付けシートとカバー板の外に穿出させ ることで、該導線をファン外に安定して位置決めできて電源との連接に便利なも のとすることを課題としている。

【００１１】

【課題を解決するための手段】

請求項１の考案は、羽根、コイル軸、電気回路板、取付けシート及びカバー板 を備え、カバー板に上向きに突出する結合座が設けられ、該結合座の周囲に複数 の通風口が設けられ、該羽根がコイル軸に枢接され、コイル軸と電気回路板がカ バー板の結合座に取り付けられ、羽根が電気回路板の制御により運転できるもの とされ、取付けシート上面に一つの円形凹所が設けられて羽根の収容に供され、 該円形凹所の一側に通風口が設けられ、複数のねじでカバー板が取付けシート上 面に連結されて、羽根、コイル軸及び電気回路板がカバー板に懸垂式に取り付け られ、ファンの実用高度が実体高度に等しくされたことを特徴とする、超薄型直 流無ブラシ式ファンとしている。

【００１２】 請求項２の考案は、取付けシートの上面に複数の凹孔或いは突出リブが設けら れて、取付けシート上面に一つの凹凸面が形成された、請求項１に記載の超薄型 直流無ブラシ式ファンとしている。

【００１３】 請求項３の考案は、電気回路板の導線が、硬質導線とされて安定してファンの 外周の一側に位置決めされ得るものとされたことを特徴とする、請求項１に記載 の超薄型直流無ブラシ式ファンとしている。

【００１４】

【考案の実施の形態】

本考案の超薄型直流無ブラシ式ファンは、羽根、コイル軸、電気回路板、取付 けシート及びカバー板を備えたものとし、カバー板上に、上向きに突出する結合 座を設けて、結合座の外周に複数の通風口を設け、羽根をコイル軸に枢接し、コ イル軸と電気回路板をカバー板の結合座に固定し、羽根を電気回路板で制御して 運転させられるようにし、取付けシートの上面に一つの円形の凹所を設け、該円 形の凹所に羽根を収容し、該凹所の一側に通風口を設け、取付けシートの上面に 複数の凹孔と突出リブを設け、取付けシート上面に一つの凹凸面を形成して放熱 面積を増し、速やかに放熱できるようにし、複数のねじでカバー板を取付けシー ト上面に結合すると共に、電気回路板の硬質導線を取付けシートとカバー板外に 穿出させてなり、全体上、ファンの実用高度が実体高度に等しく、取付け空間を とらず、以て空間節約の機能を達成し、またファン、コイル軸、電気回路板が懸 垂式にカバー板に固定されているため、下方の取付けシートの高温の影響を受け にくく、羽根、コイル軸及び電気回路板の高温による寿命の短縮が起こらず、羽 根がカバー板に固定され、その羽根片とカバー板の密着度が良好であり、有効に 入風量が増されて、取付けシートの放熱面積増加と合わせて良好な放熱効果を達 成でき、また電気回路板の導線の連接に便利とされている。

【００１５】

【実施例】

図２、３及び図４に示されるように、本考案の超薄型直流無ブラシ式ファンは 、少なくとも、羽根１０、コイル軸２０、電気回路板３０、取付けシート４０及 びカバー板５０で構成され、該カバー板５０中間に、上向きに突出する結合座５ １が設けられ、該結合座５１がカバー板５０より高く設けられ、結合座５０の外 周に複数の通風口５３が設けられ、カバー板５０の外周に、放射状に外向きに突 出する複数の連結片５４が設けられ、連結片５４上にそれぞれ一つの連結孔５５ が設けられている。羽根１０はコイル軸２０上に枢接させられ、電気回路板３０ 上の電気回路の制御により羽根１０がコイル軸２０外周で回転できるものとされ 、コイル軸２０上面の中心に、カバー板５０の結合孔５２に対応する結合柱２１ が設けられ、電気回路板３０の中心に、結合柱２１に対応する結合孔３１が設け られ、コイル軸２０の結合柱２１が、電気回路板３０の結合孔３１を貫通した後 、カバー板５０の結合孔５２に固定されて一体とされることを以て、コイル軸２ ０と電気回路板３０がカバー板５０の結合座５１に固定される。取付けシート４ ０は熱伝導性の良好なアルミニウム或いはその他の材料で製造され、その上面に 一つの円形凹所４１が形成されて、一側に通風口４２が設けられ、取付けシート ４０の上面に複数の凹孔４５が設けられ、或いは凹孔４５に加え複数の突出リブ ４６が設けられ（図５参照）、取付けシート４０上面に一つの凹凸面が形成され て、放熱面積が増されており、放熱速度が増され、またカバー板５０上に一つの 導線座５７が設けられ、導線座５７上に二つの穿孔５８が設けられ、取付けシー ト４０上に該導線座５７に対応する凹溝４７が設けられ、電気回路板３０の導線 ３２に硬質導線が採用され、円形凹所４１の外周に、複数の、連結片５４と対応 する連結ブロック４３が設けられ、連結ブロック４３上にそれぞれ連結孔５５と 対応するねじ孔４４が設けられ、複数のねじ５６が対応する連結孔５５とねじ孔 ４４を貫穿させられることで、カバー板５０が取付けシート４０の上面に取り付 けられ、円形凹所４１が閉口状態とされ、羽根１０が内部に収容され、電気回路 板３０の導線３２が導線座５７の二つの穿孔５８より外部に出され、以上を以て 本考案の超薄型直流無ブラシ式ファンが構成される。

【００１６】 図４に示されるように、本考案の超薄型直流無ブラシ式ファンを取り付ける時 には、取付けシート４０の底面にマイクロプロセッサチップ６０等の発熱体上を 被覆させ、熱伝導性の良好な取付けシート４０がマイクロプロセッサチップ６０ 上の温度を吸収できるようにし、電気回路板３０の電気回路により傾斜した羽根 １０を運転せしめ、通風口５３より冷気を吸入させて取付けシート４０上の熱気 を吹き動かさせ、通風口４２より吹き出させ、こうして放熱作用を達成する。

【００１７】 本考案のカバー板５０の中間に製造された突出する結合座５１内により、結合 座５１内に電気回路板３０が収容され、カバー板５０の結合座５１上面がノート 型コンピュータ等の装置のケーシング７０に密着し、カバー板５０の通風口５３ の空気流通が順調に行われて阻害されることがなく、これにより、ファン取付け 時に、ファン本体の実体高度ｂ１のみ考慮すればよく、間隙の高さを加える必要 がなく、即ち取付けられるファンの実用高度が実体高度ｂ１と同じとなり、ゆえ に本考案のファンの実体高度ｂ１は周知のファンの実体高度ａ１とほぼ等しいと はいえ、本考案では保留すべき間隙の必要がないため、ファン取付けの実用高度 が低くされ、この種の超薄型ファンに関しては、ファンの実用高度の減少は超薄 型ファンの取付け空間の減少につながり、取付け空間を節約する効果を達成でき る。

【００１８】 さらに、羽根１０、コイル軸２０、電気回路板３０が懸垂式にカバー板５０に 固定されているため、下方の取付けシート４０の高温の影響を受けにくく、ゆえ に羽根１０、コイル軸２０、電気回路板３０の寿命が高温により短くなることが なく、羽根１０がカバー板５０に固定されており、その羽根片とカバー板５０の 密着度が高いため、有効に入風量を増加できる。

【００１９】 また、取付けシート４０の上面に複数の凹孔４５と突出リブ４６が設けられて 取付けシート４０上面が一つの凹凸面とされたことで、放熱面積が増されており 、放熱速度が増されており、羽根１０による取付けシート４０上の熱気の排出が 迅速になされ、ゆえにマイクロプロセッサチップ６０など発熱体に対して有効な 放熱効果を達成でき、また電気回路板３０の導線３２に硬質導線が採用されて該 導線３２が取付けシート４０とカバー板５０外に穿出させられて、自ずとファン の周囲に位置決めされるため、電源との連接に便利である。

【００２０】

【考案の効果】

総合すると、本考案は周知の超薄型ファンの、取付け空間を占め、取付け空間 節減の効果を達成できず、羽根、コイル軸、電気回路板が高温の取付けシート上 に取り付けられていたため高温の影響で寿命が短縮され、羽根とカバー板の密着 程度が低く、取付けシートの放熱面積が小さく良好な放熱効果を達成できず、ま た電気回路板の導線に適当な位置決め構造がなかったという各問題を、全て解決 することができ、極めて新規性と進歩性を有し、実用性を有する考案といえよう 。

【図面の簡単な説明】

【図１】周知の超薄型直流無ブラシ式ファンの側面断面
図である。

【図２】本考案の斜視図である。

【図３】本考案の分解斜視図である。

【図４】本考案の超薄型直流無ブラシ式ファンの側面断
面図である。

【図５】本考案のもう一つの実施例の分解斜視図であ
る。

【符号の説明】

１０ 羽根 ２０ コイル軸 ３０ 電気回路板 ３１ 結合孔 ３２ 導線 ４０ 取付けシート ４１ 円形凹所 ４２ 通風口 ４３ 連結ブロック ４４ ねじ孔 ４５ 凹孔 ４６ 突出リブ ４７ 凹溝 ５０ カバー板 ５１ 結合座 ５２ 通風口 ５３ 通風口 ５４ 連結片 ５５ 連結孔 ５６ ねじ ５７ 導線座 ５８ 穿孔 ６０ マイクロプロセッサチップ ７０ ケーシング

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 羽根、コイル軸、電気回路板、取付けシ
   ート及びカバー板を備え、カバー板に上向きに突出する
   結合座が設けられ、該結合座の周囲に複数の通風口が設
   けられ、該羽根がコイル軸に枢接され、コイル軸と電気
   回路板がカバー板の結合座に取り付けられ、羽根が電気
   回路板の制御により運転できるものとされ、取付けシー
   ト上面に一つの円形凹所が設けられて羽根の収容に供さ
   れ、該円形凹所の一側に通風口が設けられ、複数のねじ
   でカバー板が取付けシート上面に連結されて、羽根、コ
   イル軸及び電気回路板がカバー板に懸垂式に取り付けら
   れ、ファンの実用高度が実体高度に等しくされたことを
   特徴とする、超薄型直流無ブラシ式ファン。
2. 【請求項２】 取付けシートの上面に複数の凹孔或いは
   突出リブが設けられて、取付けシート上面に一つの凹凸
   面が形成された、請求項１に記載の超薄型直流無ブラシ
   式ファン。
3. 【請求項３】 電気回路板の導線が、硬質導線とされて
   安定してファンの外周の一側に位置決めされ得るものと
   されたことを特徴とする、請求項１に記載の超薄型直流
   無ブラシ式ファン。