JP3037702U - 引き戸用鎌錠の施・解錠機構 - Google Patents
引き戸用鎌錠の施・解錠機構Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】引き戸用鎌錠の施・解錠機構において、錠ケー
ス内の機構をシンプル化と少部品化し、かつ室外側手掛
け部に表示機構やシリンダー錠等を付設し易い構成にす
る。 【解決手段】錠ケース3内に、戸枠体等の掛止金具へ掛
止可能な鎌部材と閉戸時に後退するトリガー6とその後
退時に鎌部材を前方へ回動させる作動部材7と鎌部材を
前又は後方へ付勢するねじりコイルバネ8をもつ引き戸
用鎌錠の施・解錠機構において、後退時のトリガーの後
部寄り位置にロック用係止部9を設け、室内側手掛け部
11の施・解錠用操作板12の裏面に、該操作板を押圧
時に錠ケースの窓孔10を介して上記ロック用係止部へ
係合可能なロック用突片14を突設し、かつ円筒状部1
7の周部の対向位置に逆向きの傾斜状長孔18をもち、
奥端に角軸19をもつ直・回動変換部材16を、上記操
作板裏側に横軸20で可回動に軸支する。
ス内の機構をシンプル化と少部品化し、かつ室外側手掛
け部に表示機構やシリンダー錠等を付設し易い構成にす
る。 【解決手段】錠ケース3内に、戸枠体等の掛止金具へ掛
止可能な鎌部材と閉戸時に後退するトリガー6とその後
退時に鎌部材を前方へ回動させる作動部材7と鎌部材を
前又は後方へ付勢するねじりコイルバネ8をもつ引き戸
用鎌錠の施・解錠機構において、後退時のトリガーの後
部寄り位置にロック用係止部9を設け、室内側手掛け部
11の施・解錠用操作板12の裏面に、該操作板を押圧
時に錠ケースの窓孔10を介して上記ロック用係止部へ
係合可能なロック用突片14を突設し、かつ円筒状部1
7の周部の対向位置に逆向きの傾斜状長孔18をもち、
奥端に角軸19をもつ直・回動変換部材16を、上記操
作板裏側に横軸20で可回動に軸支する。
Description
【0001】
本考案は引き戸用鎌錠、例えば引き戸を閉めた際に自動的に鎌部材が出て、戸 枠体等側の掛止部へ引っ掛かり(仮施錠状態,空締まり状態ともいう)、また引 き戸を開ける際に自動的に鎌部材が掛止部から外れ、錠内へ収納されるようにし た引き戸用鎌錠において、本施錠状態にすることを可能とした施・解錠機構の改 良に係るものである。
【0002】
引き戸用鎌錠は、かつては和風家屋の出入り口等の引き戸に設けられることが 多かったが、近時は家屋内で風呂・トイレ・勉強部屋のような個室の出入り口の 引き戸に設けられることも多くなっている。
【0003】 この引き戸用鎌錠は、従来より用途・機能等によって幾つかのものに分類でき るが、大別すると次のようなものがある。 a)第1に、引き戸を閉じた後に手動で鎌部材を突出させて戸枠体等の掛止部 に掛止させ、また引き戸を開ける際も手動で鎌部材を掛止部から外し錠ケース内 へ収納させてから、引き戸を開けるようにしたもの(例えば実開平5−4726 3号公報参照)。
【0004】 b)第2に、引き戸が閉まった際に鎌部材が自動的に錠から出て、戸枠体等の 掛止部へ引っ掛かるが、引き戸を開ける際は手動で鎌部材を掛止部から外して錠 ケース内へ収納させてから、引き戸を開けるようにしたもの(例えば実開昭60 −135460公報、実開平7−26549号公報参照)。
【0005】 c)第3に、引き戸が閉まった際に鎌部材が自動的に錠から出て、戸枠体等の 掛止部へ引っ掛かり、かつ引き戸を開けると鎌部材が自動的に掛止部から外れ、 錠ケース内へ収納されるようにしたもの(例えば特開平8−86132号公報参 照)、がある。
【0006】 これは、引き戸を閉めた際にトリガーが後退することで、変換機構を介して鎌 部材が前方へ回動し先端部が戸枠体等の掛止部に掛止されて仮施錠状態となる。 また引き戸を開ける際には、先端部が掛止部に引っ掛かった鎌部材が強制的に引 かれるので、鎌部材が後方へ回動し始めるが、それに伴い変換機構によりトリガ ーは前方へ移動され、かつストッパー部材も係合凹部から外れて前方へ突出し、 同時に鎌部材がさらに後方へ回動して掛止部から外れて錠ケース内へ没入し、仮 施錠状態が解かれるというものである。
【0007】 本考案は、上記c)の第3の引き戸用鎌錠における施錠機構に関するものであ るから、それらを少し詳しく述べる。 上記特開平8−86132号公報の請求項2および図面には、錠ケース内にト リガーバネにより出没自在に嵌装されたトリガーと、該トリガーとの間に形成さ れたラックとピニオンの変換機構を介して、トリガーの後退により突出され、か つトリガーの突出により後退される鎌部材と、回動突出された鎌部材の係止部を 施解錠操作部材の作動により係止して、該鎌部材の後退を阻止し本施錠状態とす る係止片とを備え、上記トリガーには係合凹部を形成すると共に、閉戸時にトリ ガーが後退位置へきた際に係合凹部へ係合するストッパー部材をバネにより付勢 して設けたものが記載されている。
【0008】
ところが、上記従来の引き戸用鎌錠における施錠機構では、手掛け部の施解錠 操作部材はテコ状に操作部を動かすものであるが、該操作部が作動スライダーを 摺動させて係止片を回動させ、突出状態の鎌部材の係止部を該係止片が係止する ことにより、鎌部材の回動を阻止して本施錠するようにしたものである。このよ うに、錠ケース内の錠本体の機構が複雑な構成となっており、部品数も多い構成 になっている。
【0009】 また、この引き戸用鎌錠を例えば屋外用に用いるような場合には、施錠機構と して室外側手掛け部にシリンダー錠等を付設する必要があるが、上記施錠機構で は手掛け部に室内・外を軸線とする回動機構をもたぬために、室外側にシリンダ ー錠を内蔵して作動させることが難しく、この引き戸用鎌錠を屋外用として用い るには無理があった。
【0010】 本考案は、引き戸の閉または開により、自動的に仮施錠状態となったり解除さ れたりする構造の引き戸用鎌錠において、上記問題点の解決を課題として考案さ れたものである。即ち本考案の目的は、錠ケース内の錠本体の機構をシンプル化 して部品数も少ない構成にし、かつ特に屋外用として用いる場合に室外側手掛け 部にシリンダー錠等を付設し易い構成にした、引き戸用鎌錠の施・解錠機構を提 供することにある。
【0011】
本考案に係る引き戸用鎌錠の施・解錠機構は、 引き戸1側部内に設ける錠ケース3内に、先端部が戸枠体等2の掛止金具4へ 掛止可能に回動する鎌部材5と、戸枠体等2への当接で後退するトリガー6と、 その後退で鎌部材5を前方へ回動させる作動部材7と、一定の基準線Lを境に鎌 部材5を前方または後方へ付勢するねじりコイルバネ8とを備えた引き戸用鎌錠 において、 上記トリガー6の後部寄り位置にロック用係止部9を設けると共に、該トリガ ー6が後退位置にある際のロック用係止部9に対応する錠ケース3の位置に窓孔 10を形成し、 室内側手掛け部11前部に、施・解錠用操作板12の上下の中間寄り部分を横 軸13で可回動に軸支し、該操作板12裏側の上部寄りまたは下部寄り位置に、 該操作板12を押圧時に上記窓孔10からロック用係止部9へ係合可能なロック 用突片14を突設し、 施・解用錠操作板12裏側の下部寄りまたは上部寄り位置に縦向き平行状の軸 支板15を設け、円筒状部17の周部の対向位置に逆向きの傾斜状長孔18を形 成し、側端に室外側手掛け部29側へ連結可能な角軸19をもつ直・回動変換部 材16を、該軸支板15間に横軸20で可回動に軸支したものである。
【0012】
上記構成において、錠ケース3内のねじりコイルバネ8は、鎌部材5の支軸2 6と該コイルバネ8の他端部28とを結ぶ線を一定の基準線Lとし、鎌部材5に 取り付けた該コイルバネ8の一端部27の位置Qが、該基準線Lよりも前方(図 2で左方)にある際に、該コイルバネ8は鎌部材5を前方へ回動するように付勢 し、該基準線Lよりも後方(同図2で右方)にある際に、鎌部材5を後方へ回動 するように付勢してある。
【0013】 上記のロック用突片14は、後退位置でのトリガー6のロック用係止部9へ係 合してトリガー6の前進を阻止し、戸枠体等2の掛止金具4へ掛止状態にある鎌 部材5を、そのままの状態で維持して本施錠状態にするためのものである。
【0014】 上記の直・回動変換部材16とは、直線運動と回転運動とを変換する部材を意 味し、円筒状部17周部の対向位置に逆向きの傾斜状長孔18を形成すると共に 一端に角軸19を設けたものであり、該傾斜状長孔18間に横軸20を通挿して 操作板12裏側の平行状の軸支板15に軸支して、操作板12の前後動を円筒状 部17を介して一体の角軸19を回動させ、また角軸19の回動で操作板12を 前後動させるようにしてある。
【0015】 上記室内側・室外側の各手掛け部11,19の各内側板部24,25は、上下 方向の中央部寄り位置ほど対向状に表面が窪むような、各断面が円弧状の凹曲面 に形成しておくことが望ましい(図3参照)。
【0016】 また、上記室内側の各手掛け部11に設けた施・解錠用操作板12は、施錠ま たは解錠状態において、該手掛け部11から前方へ突出せぬように、横軸13で 軸支しておくことが望ましい(図3参照)。
【0017】 さらに、施・解錠用操作板12裏側に、圧縮バネ21で押圧したセクション用 ボール22を設け、室内側手掛け部11裏側に、施錠用と解錠用のセクション凹 凸部23を設けて、操作板12の上部寄りまたは下部寄りを押圧時に、上記ボー ル22がセクション凹凸部23へ選択的に係合可能としておくことが望ましい。
【0018】 室外側手掛け部29には、室内側手掛け部11からの角軸19により回動して 表示する入・出表示機構30を設けてもよいが(図3参照)、室外側手掛け部2 9内にシリンダー錠31を設けて、そこへ差し入れる合鍵32の先端を、上記角 軸19後端と一体的に連結可能とした室外側施錠機構を設けておいてもよい(図 10参照)。
【0019】 上記引き戸用鎌錠の施・解錠機構の作動状態は、次のようになる。 a)引き戸用鎌錠の施・解錠機構において、引き戸1を閉じると、トリガー6 の先端が戸枠体等2の前面に当接して押され錠ケース3内へ後退し始める。それ に伴い該トリガー6に連結した作動部材7が、ねじりコイルバネ8のバネ力に抗 して回動し、該作動部材7と連結した鎌部材5を前方へ押して回動させ始める。
【0020】 該鎌部材5の前方への回動で、ねじりコイルバネ8の一端部27の位置Qが、 鎌部材5の支軸26と該コイルバネ8の他端部28とを結ぶ基準線L上より前方 へ出ると、該コイルバネ8のバネ力は鎌部材5を前方へ回動させる方向へ付勢す ることになる。そのため、鎌部材5は自動的に前方へ回動されて、その先端部6 が戸枠体等2の掛止金具4内へ入って掛止され、該引き戸用鎌錠は自動的に仮施 錠状態となる(図2参照)。
【0021】 この仮施錠状態を更に本施錠状態にしようとすれば、その際に後退位置へきて いるトリガー6に対し、室内側手掛け部11の施・解錠用操作板12の上部寄り 部分(または下部寄り部分)を押して横軸13を中心に少し回動させると、その 裏側のロック用突片14が錠ケース3の窓孔10を介してトリガー6のロック用 係止部9へ係合させればよい。
【0022】 これで、トリガー6が後退位置で固定・維持されるため、該トリガー6に一端 部が連結された作動部材7も回動が阻止され、該作動部材7の他端部が連結され た鎌部材5も、先端部が戸枠体等2の掛止金具4に掛止された状態を維持される から、本施錠状態となる(図1・図2・図3・図4参照)。
【0023】 上記の如く、施・解錠用操作板12の上部寄り部分(または下部寄り部分)を 押した際の前後の直線運動は、該操作板12の裏側に設けた直・回動変換部材1 6により、室外側手掛け部29へ伝達される。即ち、直・回動変換部材16は、 円筒状部17を軸支した横軸20が、円筒状部17周部の対向位置に逆向きに形 成した傾斜状長孔18に通挿されているので、上記操作板12を押した際に横軸 20が前後に直線運動すると、傾斜状長孔18を介して動きが変換されて円筒状 部17が回転運動することになる。そのため、該円筒状部17端部の角軸19が 回動して、室外側手掛け部29に入・出表示機構30が設けてあれば、該入・出 表示機構30が作動し本施錠状態であることを表示する。
【0024】 上記は室内側からの操作であるが、室外側手掛け部29にシリンダー錠31を 設けたものであれば(図10参照)、そこへ合鍵32を挿入することで、その先 端部が直・回動変換部材16の角軸19と連結させられる。そのため、該合鍵3 2の回動により角軸19が円筒状部17を回動させられ、傾斜状長孔18を介し て横軸20が前後に直線運動し、施・解錠用操作板12を作動させて、ロック用 突片14をトリガー6のロック用係止部9に係合させ、本施錠状態になる。
【0025】 上記の場合に、施・解錠用操作板12裏側に圧縮バネ21で押圧したセクショ ン用ボール22を設け、室内側手掛け部11裏側に施・解錠用のセクション用凹 凸部23を設けたものでは、操作板12の上部寄り部分(または下部寄り部分) を押圧時に、ボール22が凹凸部23へ係合されてその状態を維持する。
【0026】 また、上記室内・外側の各手掛け部11,29を、その内側板部24,25が 上下方向の中央部寄り位置ほど対向状に窪むような凹曲面に形成してあれば、そ の上・下部寄りに連結用ネジ座部33を形成しながら、各手掛け部11,29は 指が掛かるのに十分な深さを得たものになっている(図3参照)。
【0027】 さらに、上記室内側手掛け部11に設けた施・解錠用操作板12を、施錠また は解錠状態時において、該手掛け部11から前方へ突出せぬように横軸13で軸 支してあれば、引き戸1を戸袋へ収納するような場合に、操作板12が戸袋に衝 突して損傷するようなことが無くなる(図3参照)。
【0028】 b)次に、本施錠状態を解錠するには、室内側の施・解錠用操作板12の下部 寄り部分(または上部寄り部分)を押せば、横軸13を中心に少し回動して、そ の裏側のロック用突片14が後退しトリガー6のロック用係止部9から離脱し、 引き戸用鎌錠が仮施錠状態となる。
【0029】 後は引き戸1を開ければ、鎌部材5の先端部が戸枠体等2の掛止金具4の内側 に引っ掛かった状態で、錠ケース3と一体の支軸26が後方へ離れていくから、 遂には鎌部材5が該支軸26を中心に後方へ回動し始め、その先端部が掛止金具 4から外れると共に、ねじりコイルバネ8のバネ力がそれまでの鎌部材5を前方 へ付勢する状態から、後方へ回動させる方向へ付勢することになり、鎌部材5は 錠ケース3内へ自動的に没入する。
【0030】 なおこの解錠時にも、室外側手掛け部29にシリンダー錠31を設けた構成の ものでは、合鍵32を差し入れて回動させれば、円筒状部17・傾斜状長孔18 ・横軸20を介して施・解錠用操作板12を作動させられるので、ロック用突片 14をトリガー6のロック用係止部9から離脱させ、本施錠状態を解ける。
【0031】
上記本考案に係る引き戸用鎌錠の施・解錠機構の実施例を示すと、次のように なる。
【0032】 錠ケース3は、引き戸1の前部に形成した凹所内に取付けられており、該錠ケ ース3内で前上部寄りに、鎌部材5が基部を支軸26で回動可能に設けてあり、 該鎌部材5は、先細の先端部が錠ケース3の開口から出て戸枠体等2の前部に取 り付けた掛止金具4に掛止可能としてある。また上記鎌部材5の支軸26は、錠 ケース3の両側板に形成した前後方向の長孔に係合させてあり、上部寄りに設け たねじりコイルバネで常時は該長孔の前部寄りへ付勢されている。
【0033】 錠ケース1内の下部寄りには、トリガー6を前後方向へ移動可能に設けて、後 記作動部材7を介して後記ねじりコイルバネ8の付勢を受け、周知のものと同様 に常時は先部寄りが錠ケース3から前方へ突出可能で、かつ先端が戸枠体等2の 前面に当接して押された際に、錠ケース3内へ後退・没入可能としてある。
【0034】 上記鎌部材5とトリガー6間には、長板状の作動部材7を連結させてある。即 ち該作動部材7は、下部寄り部分を錠ケース3に固定の支軸34にて回動可能に 軸支してあり、鎌部材5とは、その上部寄りに設けたピンを鎌部材5中央部寄り に形成の長孔に係合させて連結し、他方トリガー6とは、該作動部材7下部に形 成した二股部に、トリガー6後部寄り側部に突設したピンが係合して連結してあ る。
【0035】 また上記鎌部材5には、該鎌部材5が一定位置から前方へ回動時には前方へ付 勢し、後方へ回動時には後方へ付勢する如くねじりコイルバネ8を設けてある。 即ち、該コイルバネ8の一端部27は、鎌部材5の先端部が突出時に該鎌部材5 の支軸26の下方位置にバネ支持ピンにより取付けてある。。
【0036】 上記トリガー6は、その後部寄りの上部に凹部であるロック用係止部9を形成 してあり、後退位置にあるトリガー5の上記ロック用係止部9に対応して錠ケー ス3に窓孔10を形成し、後記施・解錠用操作板12のロック用突片14が窓孔 10を介して係合し、トリガー6の前進を阻止可能としてある。
【0037】 室内側手掛け部11表側の上部寄りには、表面が窪んだ断面くの字状の施・解 錠用操作板12を横軸13で可回動に軸支し、施錠する際にここでは上部寄り部 分を押圧し、解錠する際には下部寄り部分を押圧するようにしてある。上記操作 板12裏側の上部寄り位置には、上部寄り部分を室外側へ押圧時に、上記窓孔1 0から突出するロック用突片14を突設してある。なお図示例でロック用突片1 4を一対設けてあるのは、引き戸1が左開きか右開きかに対応して、そのいずれ かのロック用突片14を用いられるようにするためである。
【0038】 また、施・解錠用操作板12裏側の下部寄り位置には、縦向き平行状の軸支板 15を設け、ここに直・回動変換部材16を設けてある。即ち、該直・回動変換 部材16は、円筒状部17の周部の対向位置に逆向きの傾斜状長孔18を有する と共に、奥端に角軸19を有するものであり、上記軸支板15間に、円筒状部1 7をその傾斜状長孔18に横軸20を通挿して軸支させてある。角軸19はここ では後端部を二股状に形成してある。
【0039】 さらに本実施例では、施・解錠用操作板12裏側に沿って縦方向に、圧縮バネ 21で押圧して下方へ突出可能なセクション用ボール22を設けておき、室内側 手掛け部11裏側の前後位置に施・解錠用のセクション凹凸部23を設けて、操 作板12の上部寄り部分を押圧時に上記ボール22が手前側の施錠用のセクショ ン凹凸部23へ係合し、下部寄り部分を押圧時にボール22が奥側の解錠用のセ クション凹凸部23へ、選択的に係合可能としてある
【0040】 同じく本実施例では、室内・外側の各手掛け部11,29の各内側板部24, 25を、上下方向の中央部寄り位置ほど対向状に窪むような断面円弧状の凹曲面 に形成してあり、連結ネジ用座部33を設けながらも、指が引っ掛かる中央部が 十分に深くしてある。
【0041】 しかも本実施例では、室内側手掛け部11に設けた施・解錠用操作板12を、 施錠または解錠状態に前方へ突出せぬ位置に横軸13で軸支しておき、引き戸を 戸袋へ収納時に該操作板12が引っ掛かり損傷することのないようにしてある。
【0042】 図3は、室外側手掛け部29に入室・外出を示す表示機構を設けた実施例であ る。即ち、室外側手掛け部29に例えば赤色部分と青色部分とをもつ可回動板付 きの入・外出表示機構30を設け、直・回動変換部材16から延びた角軸19と 連結させてある。
【0043】 この場合は、室内側手掛け部11の施・解錠用操作板12の上部寄り部分を押 圧した施錠時には、横軸20を直・回動変換部材16の円筒状部17の傾斜状長 孔18を介して角軸19が回動し、該角軸19と連結された室外側手掛け部29 の入・外出表示機構30で赤色部分が露出し、入出状態であることを示す。操作 板12の下部寄り部分を押圧した解錠時には、同じく直・回動変換部材16を介 して入・外出表示機構30の青色部分が露出し、外出状態であることを示す。
【0044】 図10は、室外側手掛け部29にシリンダー錠31を付設した実施例である。 即ち、室外側手掛け部29にシリンダー錠31を設けておき、上記直・回動変換 部材16から延びた角軸19端部に二股状部を形成して、シリンダー錠31に合 鍵32を差し入れた際に、その先端が上記角軸19端部の二股状部に係合可能と してある。
【0045】 この場合に、室外側手掛け部29のシリンダー錠31に差し入れた合鍵32を 回動することにより、角軸19を介して直・回動変換部材16の円筒状部17が 回動し、傾斜状長孔18とそこに通挿した横軸20を介して施・解錠用操作板1 2が作動し、室内側から該操作板12を操作するのと同様に、ロック用突片14 をトリガー6のロック用係止部9へ係合又は離脱させて、室外側から本施錠また はその解錠を行える。
【0046】
以上から明らかな如く、本考案に係る引き戸用鎌錠の施・解錠機構では、引き 戸用鎌錠において錠ケース内の錠本体の機構をシンプル化して部品数も少ない構 造にできるし、室外側手掛け部に表示機構を設けたり、特に屋外用の引き戸用鎌 錠とした場合のシリンダー錠等を付設し易い構造にできる。
【0047】 即ち、従来の引き戸用鎌錠の施・解錠機構では、手掛け部の施・解錠用操作部 材で作動させる錠本体の構造が、錠ケース内の作動スライダーを摺動させて係止 片を回動させ、突出状態の鎌部材の係止部を該係止片で係止して鎌部材の回動を 阻止し、本施錠状態にするというものであるから、構造が複雑であり部品点数も 多かった。
【0048】 また、引き戸用鎌錠の施・解錠機構では、室外側の手掛け部に入・出を示す表 示機構や、屋外用とした場合のシリンダー錠を付設する必要があるが、上記従来 の引き戸用鎌錠の施・解錠機構では、室内側と室外側間を連結可能とする角軸を 有さぬために、特に室外側からの施・解錠機構として例えばシリンダー錠を設け る構成にするのが難しかった。
【0049】 これに対して、本考案に係る引き戸用鎌錠の施・解錠機構では、錠ケース内の 錠本体部の構造は、室内側手掛け部の施・解錠用操作板の作動により、後退位置 のトリガーを掛止して可回動板の回動を阻止し、これで鎌部材の掛止状態を維持 するようにした構造である。そのため、本考案に係る引き戸用鎌錠の施・解錠機 構では、錠本体部を含めた機構をシンプル化できており、部品数も少ない構造に できている。
【0050】 また、本考案に係る引き戸用鎌錠の施・解錠機構では、室内側手掛け部の施・ 解錠用操作板の押圧により、直・回動変換部材を介して角軸を回動可能とし、該 角軸を室外側へ向けた構成にしてある。そのため、室外側手掛け部に、上記角軸 と連結する表示機構を設けるだけのシンプルな構成で、入・出状態を示すことが できるようになる。
【0051】 同じく室外側手掛け部に、例えばシリンダー錠を設けてその合鍵を上記角軸と 連結可能とするだけのシンプルな構成により、室外側からも直・回動変換部材を 介して施・解錠用操作板を作動させ、後退位置のトリガーをロック用突片で掛止 して本施錠状態にしたり、それを解錠することができる。
【0052】 さらに、室内側手掛け部の施・解錠用操作板裏側に圧縮バネで押圧されたセク ション用ボールを設け、同手掛け部裏側に施・解錠用の各セクション凹凸部を設 けたものでは、操作板の上部寄り部分(または下部寄り部分)を押圧時に、セク ション用ボールが施錠用のセクション凹凸部へ係合され、施錠または解錠の各状 態が確実に維持できる。
【0053】 しかも、室内・外側各手掛け部を、その内側板部が上下方向の中央部寄り位置 ほど対向状に表面が窪むような、各断面が円弧状の凹曲面に形成したものでは、 その上・下部寄りに連結用ネジ座部を形成しながらも、手掛け部は指が掛かるの に十分な深さを得ることができる。
【0054】 その上、室内側手掛け部に設けた施・解錠用操作板を、施錠または解錠状態に 該手掛け部から前方へ突出せぬように横軸で軸支したものでは、引き戸を戸袋へ 収納するような場合に、操作板が戸袋に衝突して損傷するようなことを無くすこ とができる。
【0055】
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る引き戸用鎌錠の施・解錠機構の実
施例を示す一部切り欠き正面図である。
施例を示す一部切り欠き正面図である。
【図2】図1で示した実施例における引き戸用鎌錠の縦
断正面図である。
断正面図である。
【図3】図1で示した実施例における施・解錠機構の縦
断側面図である。
断側面図である。
【図4】図1で示した実施例における室内側手掛け部の
一部の斜視図である。
一部の斜視図である。
【図5】図3で示した施・解錠機構の施・解錠用操作板
の裏側の斜視図である。
の裏側の斜視図である。
【図6】図5で示した施・解錠用操作板の裏側の逆方向
からの斜視図である。
からの斜視図である。
【図7】図3で示した施・解錠機構の直・回動変換部材
における円筒状部の側面図である。
における円筒状部の側面図である。
【図8】図7で示した円筒状武の縦断側面図である。
【図9】図3で示したの実施例で施・解錠機構の要部の
横断平面図である。
横断平面図である。
【図10】室外側手掛け部にシリンダー錠を用いた施・
解錠機構の実施例の縦断側面図である。
解錠機構の実施例の縦断側面図である。
1−引き戸 11−室内側手掛け部 21
−圧縮バネ 2−戸枠体等 12−操作板 22
−ボール 3−錠ケース 13−横軸 23
−凹凸部 4−掛止金具 14−ロック用突片 24
−内側板部 5−鎌部材 15−軸支板 25
−内側板部 6−トリガー 16−直・回動変換部材 26
−支軸 7−作動部材 17−円筒状部 27
−一端部 8−コイルバネ 18−傾斜状長孔 28
−他端部 9−ロック用係止部 19−角軸 29
−室外側手掛け部 10−窓孔 20−横軸 3
0−入・出表示機構 31−シリンダー錠 32−合鍵 33−連結用ネジ座部
−圧縮バネ 2−戸枠体等 12−操作板 22
−ボール 3−錠ケース 13−横軸 23
−凹凸部 4−掛止金具 14−ロック用突片 24
−内側板部 5−鎌部材 15−軸支板 25
−内側板部 6−トリガー 16−直・回動変換部材 26
−支軸 7−作動部材 17−円筒状部 27
−一端部 8−コイルバネ 18−傾斜状長孔 28
−他端部 9−ロック用係止部 19−角軸 29
−室外側手掛け部 10−窓孔 20−横軸 3
0−入・出表示機構 31−シリンダー錠 32−合鍵 33−連結用ネジ座部
Claims (4)
- 【請求項1】引き戸1側部内に設ける錠ケース3内に、
先端部が戸枠体等2の掛止金具4へ掛止可能に回動する
鎌部材5と、戸枠体等2への当接で後退するトリガー6
と、その後退で鎌部材5を前方へ回動させる作動部材7
と、一定の基準線Lを境に鎌部材5を前方または後方へ
付勢するねじりコイルバネ8とを備えた引き戸用鎌錠に
おいて、 上記トリガー6の後部寄り位置にロック用係止部9を設
けると共に、該トリガー6が後退位置にある際のロック
用係止部9に対応する錠ケース3の位置に窓孔10を形
成し、 室内側手掛け部11前部に、施・解錠用操作板12の上
下の中間寄り部分を横軸13で可回動に軸支し、該操作
板12裏側の上部寄りまたは下部寄り位置に、該操作板
12を押圧時に上記窓孔10からロック用係止部9へ係
合可能なロック用突片14を突設し、 施・解用錠操作板12裏側の下部寄りまたは上部寄り位
置に縦向き平行状の軸支板15を設け、円筒状部17の
周部の対向位置に逆向きの傾斜状長孔18を形成し、側
端に室外側手掛け部29側へ連結可能な角軸19をもつ
直・回動変換部材16を、該軸支板15間に横軸20で
可回動に軸支したことを特徴とする、引き戸用鎌錠の施
・解錠機構。 - 【請求項2】請求項1に記載の引き戸用鎌錠の施・解錠
機構において、 施・解錠用操作板12裏側に圧縮バネ21で押圧したセ
クション用ボール22を設けると共に、室内側手掛け部
11裏側に施・解錠用の各セクション用凹凸部23を設
けて、操作板12の上部寄りまたは下部寄りを押圧時に
上記ボール22が上記凹凸部23へ選択的に係合可能と
した、引き戸用鎌錠の施・解錠機構。 - 【請求項3】請求項1又は2に記載の引き戸用鎌錠の施
・解錠機構において、 室内・外側の各手掛け部11,29の各内側板部24,
25を、上下方向の中央部寄り位置ほど窪むような凹曲
面に形成した、引き戸用鎌錠の施・解錠機構。 - 【請求項4】請求項1又は2に記載の引き戸用鎌錠の施
・解錠機構において、 室内側手掛け部11に設けた施・解錠用操作板12を、
施錠および解錠状態にも各手掛け部11,19から突出
せぬ位置に横軸13で軸支した、引き戸用鎌錠の施・解
錠機構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1996012101U JP3037702U (ja) | 1996-11-12 | 1996-11-12 | 引き戸用鎌錠の施・解錠機構 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1996012101U JP3037702U (ja) | 1996-11-12 | 1996-11-12 | 引き戸用鎌錠の施・解錠機構 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3037702U true JP3037702U (ja) | 1997-05-20 |
Family
ID=43172410
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1996012101U Expired - Lifetime JP3037702U (ja) | 1996-11-12 | 1996-11-12 | 引き戸用鎌錠の施・解錠機構 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3037702U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017071892A (ja) * | 2015-10-05 | 2017-04-13 | 河淳株式会社 | 引戸用錠前 |
-
1996
- 1996-11-12 JP JP1996012101U patent/JP3037702U/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017071892A (ja) * | 2015-10-05 | 2017-04-13 | 河淳株式会社 | 引戸用錠前 |
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