JP3037687B1 - 高比重木質セメント板および該高比重木質セメント板の製造方法 - Google Patents
高比重木質セメント板および該高比重木質セメント板の製造方法Info
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Abstract
【要約】
【課題】本発明は高比重高強度でかつ生産性の良い木質
セメント板を提供することを課題とする。 【解決手段】木質セメント板に木質補強材として使用す
る木質繊維の表面を毛羽立たせ、更に木片あるいは木片
と木粉を添加し、更にワラストナイトを添加することに
よって、乾式法においてフォーミングされるマットを高
密度として型崩れを防止し、そしてマットのプレス時に
圧縮比を小さくして生産性を高め、製品には良好な靱性
を付与する。
セメント板を提供することを課題とする。 【解決手段】木質セメント板に木質補強材として使用す
る木質繊維の表面を毛羽立たせ、更に木片あるいは木片
と木粉を添加し、更にワラストナイトを添加することに
よって、乾式法においてフォーミングされるマットを高
密度として型崩れを防止し、そしてマットのプレス時に
圧縮比を小さくして生産性を高め、製品には良好な靱性
を付与する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は例えば屋根材として
使用される高比重木質セメント板およびその製造方法に
関するものである。
使用される高比重木質セメント板およびその製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、環境汚染の原因となる石綿に代え
て、パルプ繊維とワラストナイトとを補強材として使用
した繊維補強セメント板が提供されている(特開平1−
138160号)。上記繊維補強セメント板を製造する
には、セメントとパルプ繊維とワラストナイトとを含有
する原料混合物を成形ベルト上に層状に供給し、加水の
上プレスして板状に成形し、該成形物を所定形状に切出
して養生硬化させる乾式法が適用されている。パルプ繊
維は原料混合物中で集塊を形成し易く分散性が悪いがワ
ラストナイトを添加すると該分散性が改良出来、またパ
ルプ繊維は成形後の形戻り(スプリングバック)がある
が、ワラストナイトを添加すると該形戻りが改良され、
またワラストナイトは硬くて脆い繊維であるから補強効
果が小さいが、可撓性のあるパルプ繊維を添加すると、
脆性が改良される。
て、パルプ繊維とワラストナイトとを補強材として使用
した繊維補強セメント板が提供されている(特開平1−
138160号)。上記繊維補強セメント板を製造する
には、セメントとパルプ繊維とワラストナイトとを含有
する原料混合物を成形ベルト上に層状に供給し、加水の
上プレスして板状に成形し、該成形物を所定形状に切出
して養生硬化させる乾式法が適用されている。パルプ繊
維は原料混合物中で集塊を形成し易く分散性が悪いがワ
ラストナイトを添加すると該分散性が改良出来、またパ
ルプ繊維は成形後の形戻り(スプリングバック)がある
が、ワラストナイトを添加すると該形戻りが改良され、
またワラストナイトは硬くて脆い繊維であるから補強効
果が小さいが、可撓性のあるパルプ繊維を添加すると、
脆性が改良される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術において
は、ワラストナイトによる分散性や形戻りの改良効果お
よびパルプ繊維による脆性改良効果が充分でなく、高比
重高強度の木質セメント板が得られにくかった。
は、ワラストナイトによる分散性や形戻りの改良効果お
よびパルプ繊維による脆性改良効果が充分でなく、高比
重高強度の木質セメント板が得られにくかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記従来の課題
を解決するための手段として、表面を毛羽立たせた木質
繊維と、木片または木片と木粉と、ワラストナイトと、
セメント系無機粉体とを含有する混合物の硬化物からな
り、全体の比重が1.4g/cm3 以上であることを特徴
とする高比重木質セメント板を提供するものである。該
木質繊維は長径5mm以下、短径0.5mm以下、厚み0.
1mm以下の粉体パルプであり、該木片は長径1.0〜3
5mm、短径0.5〜8.0mm、厚み0.05〜2.0mm
の寸法を有し、該木粉は100メッシュ以下の大きさを
有することが望ましく、更に該木質繊維とワラストナイ
トの配合比率は重量比で1:15〜1:1の範囲に設定
されることが望ましい。更に本発明では表面を毛羽立た
せた木質繊維と、木片または木片と木粉と、ワラストナ
イトと、セメント系無機粉体とを含有する原料混合物を
基板上に散布してマットとし、該マットを水分存在下に
圧締養生硬化せしめる高比重木質セメント板の製造方法
が提供される。
を解決するための手段として、表面を毛羽立たせた木質
繊維と、木片または木片と木粉と、ワラストナイトと、
セメント系無機粉体とを含有する混合物の硬化物からな
り、全体の比重が1.4g/cm3 以上であることを特徴
とする高比重木質セメント板を提供するものである。該
木質繊維は長径5mm以下、短径0.5mm以下、厚み0.
1mm以下の粉体パルプであり、該木片は長径1.0〜3
5mm、短径0.5〜8.0mm、厚み0.05〜2.0mm
の寸法を有し、該木粉は100メッシュ以下の大きさを
有することが望ましく、更に該木質繊維とワラストナイ
トの配合比率は重量比で1:15〜1:1の範囲に設定
されることが望ましい。更に本発明では表面を毛羽立た
せた木質繊維と、木片または木片と木粉と、ワラストナ
イトと、セメント系無機粉体とを含有する原料混合物を
基板上に散布してマットとし、該マットを水分存在下に
圧締養生硬化せしめる高比重木質セメント板の製造方法
が提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。 〔木質繊維〕本発明に用いられる木質繊維とは、主とし
て針葉樹から得られ通常長径5mm以下、短径0.5mm以
下、厚み0.1mm以下の大きさのもので表面を毛羽立た
せたものが用いられる。該木質繊維の長径が5mmを越え
た場合および/または短径が0.5mmを越えた場合およ
び/または厚みが0.1mmを越えた場合は表層の緻密性
が低下し、吸水性、吸湿性が大きくなって耐凍結融解性
能が低下するおそれがある。また上記表面を毛羽立たせ
た木質繊維の長径が5mmを越えた場合には、繊維が糸ま
り状になったり繊維相互が絡み易くなり、原料混合物を
攪拌して均一に混合することが困難になり、原料混合物
中に集塊が生じ易くなり、かつ後記する乾式法による製
造の際に、基板上に原料混合物を散布してマットをフォ
ーミングする場合にほぐれにくゝ、散布に支障をきたし
均一なマットをフォーミングすることが出来なくなるお
それがある。望ましい木質繊維としては、シート状のパ
ルプ集塊をターボミル等で粉砕しかつ表面を毛羽立たせ
たいわゆる粉体パルプが望ましい。該粉体パルプを使用
すると、原料混合物を均一に混合することが容易にな
り、したがって原料混合物中に集塊が生ぜず、また非常
に散布し易くなる。更に針葉樹の晒しクラフトパルプ
(NBKP)のような粉体パルプにおいては木材に含ま
れる糖質等のセメント硬化阻害物質の大部分が除去され
ているので、粉体パルプを使用すればセメント硬化阻害
が起きにくい。
する。 〔木質繊維〕本発明に用いられる木質繊維とは、主とし
て針葉樹から得られ通常長径5mm以下、短径0.5mm以
下、厚み0.1mm以下の大きさのもので表面を毛羽立た
せたものが用いられる。該木質繊維の長径が5mmを越え
た場合および/または短径が0.5mmを越えた場合およ
び/または厚みが0.1mmを越えた場合は表層の緻密性
が低下し、吸水性、吸湿性が大きくなって耐凍結融解性
能が低下するおそれがある。また上記表面を毛羽立たせ
た木質繊維の長径が5mmを越えた場合には、繊維が糸ま
り状になったり繊維相互が絡み易くなり、原料混合物を
攪拌して均一に混合することが困難になり、原料混合物
中に集塊が生じ易くなり、かつ後記する乾式法による製
造の際に、基板上に原料混合物を散布してマットをフォ
ーミングする場合にほぐれにくゝ、散布に支障をきたし
均一なマットをフォーミングすることが出来なくなるお
それがある。望ましい木質繊維としては、シート状のパ
ルプ集塊をターボミル等で粉砕しかつ表面を毛羽立たせ
たいわゆる粉体パルプが望ましい。該粉体パルプを使用
すると、原料混合物を均一に混合することが容易にな
り、したがって原料混合物中に集塊が生ぜず、また非常
に散布し易くなる。更に針葉樹の晒しクラフトパルプ
(NBKP)のような粉体パルプにおいては木材に含ま
れる糖質等のセメント硬化阻害物質の大部分が除去され
ているので、粉体パルプを使用すればセメント硬化阻害
が起きにくい。
【0006】〔木片〕本発明に用いられる木片とは、主
として針葉樹から得られ通常長径1.0〜35mm、望ま
しくは5〜20mm、短径0.5〜8.0mm、望ましくは
0.5〜5mm、厚み0.05〜2.0mm望ましくは0.
1〜0.5mm程度の大きさのものが用いられる。該木片
の長径が1.0mm未満の場合、短径が0.5mm未満の場
合、あるいは厚みが0.05mm未満の場合には、セメン
トマトリックスのつなぎ作用が顕著でなくなり補強効果
が低下し、また木片の長径が35mmを越える場合、短径
が8mmを越える場合、あるいは厚みが2mmを越える場合
には、原料混合物マットが嵩高くなり過ぎて比重が1.
4g/cm3 以上の高密度の製品が得られにくい。
として針葉樹から得られ通常長径1.0〜35mm、望ま
しくは5〜20mm、短径0.5〜8.0mm、望ましくは
0.5〜5mm、厚み0.05〜2.0mm望ましくは0.
1〜0.5mm程度の大きさのものが用いられる。該木片
の長径が1.0mm未満の場合、短径が0.5mm未満の場
合、あるいは厚みが0.05mm未満の場合には、セメン
トマトリックスのつなぎ作用が顕著でなくなり補強効果
が低下し、また木片の長径が35mmを越える場合、短径
が8mmを越える場合、あるいは厚みが2mmを越える場合
には、原料混合物マットが嵩高くなり過ぎて比重が1.
4g/cm3 以上の高密度の製品が得られにくい。
【0007】〔木粉〕本発明に使用される木粉は100
メッシュ以下の大きさのものを使用することが望まし
い。
メッシュ以下の大きさのものを使用することが望まし
い。
【0008】〔ワラストナイト〕ワラストナイトは粘土
鉱物中に含まれる針状の鉱物結晶であって、繊維長が
0.1〜5mmの寸法を有するものが使用される。繊維長
が0.1mm未満の場合には、繊維補強効果が顕著でな
く、また繊維長が5mmを越える場合には、糸まり状に絡
み合って分散性改良効果が顕著でない。
鉱物中に含まれる針状の鉱物結晶であって、繊維長が
0.1〜5mmの寸法を有するものが使用される。繊維長
が0.1mm未満の場合には、繊維補強効果が顕著でな
く、また繊維長が5mmを越える場合には、糸まり状に絡
み合って分散性改良効果が顕著でない。
【0009】〔セメント系無機粉体〕本発明に用いられ
るセメント系無機粉体としては、ポルトランドセメン
ト、高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセ
メント、アルミナセメント等のセメント類や高炉スラ
グ、フライアッシュ等の無機粉体等があげられる。
るセメント系無機粉体としては、ポルトランドセメン
ト、高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセ
メント、アルミナセメント等のセメント類や高炉スラ
グ、フライアッシュ等の無機粉体等があげられる。
【0010】〔ケイ酸含有物質〕本発明においては、上
記セメント系無機粉体と共にケイ酸含有物質を併用する
ことが望ましい。上記ケイ酸含有物質としては、例えば
砂、砂利、砕石、ケイ砂、ケイ石の粉末、シリカヒュー
ム、高炉スラグ、フライアッシュ、シラスバルーン、パ
ーライト等のケイ酸含有物質等が例示される。
記セメント系無機粉体と共にケイ酸含有物質を併用する
ことが望ましい。上記ケイ酸含有物質としては、例えば
砂、砂利、砕石、ケイ砂、ケイ石の粉末、シリカヒュー
ム、高炉スラグ、フライアッシュ、シラスバルーン、パ
ーライト等のケイ酸含有物質等が例示される。
【0011】〔その他の原料〕上記原料以外、本発明に
おいては、二水石膏、半水石膏、無水石膏、消石灰、生
石灰等の活性石灰含有物質、例えばセピオライト、ガラ
ス繊維、ロックウール等の無機繊維、例えばポリエチレ
ン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ポリ
アミド繊維等の有機繊維、水ガラス、硫酸マグネシウ
ム、硫酸アルミニウム、炭酸ナトリウム等の単独または
二種以上の混合物からなる硬化促進剤、あるいは極く少
量の添加によってセメント硬化促進作用を示すアルミナ
セメントのような添加剤、ポリビニルアルコール、カル
ボキシメチルセルロース等の水性糊料、スチレン−ブタ
ジエンラテックス、アクリル樹脂エマルジョン等の合成
樹脂エマルジョンの強化剤、ワックス、パラフィン、シ
リコン、高級脂肪酸の金属塩等の撥水剤等が混合されて
もよい。
おいては、二水石膏、半水石膏、無水石膏、消石灰、生
石灰等の活性石灰含有物質、例えばセピオライト、ガラ
ス繊維、ロックウール等の無機繊維、例えばポリエチレ
ン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ポリ
アミド繊維等の有機繊維、水ガラス、硫酸マグネシウ
ム、硫酸アルミニウム、炭酸ナトリウム等の単独または
二種以上の混合物からなる硬化促進剤、あるいは極く少
量の添加によってセメント硬化促進作用を示すアルミナ
セメントのような添加剤、ポリビニルアルコール、カル
ボキシメチルセルロース等の水性糊料、スチレン−ブタ
ジエンラテックス、アクリル樹脂エマルジョン等の合成
樹脂エマルジョンの強化剤、ワックス、パラフィン、シ
リコン、高級脂肪酸の金属塩等の撥水剤等が混合されて
もよい。
【0012】〔原料混合物の調製〕本発明において、木
質補強材としての木質繊維と木片あるいは木質繊維と木
片および木粉との混合比は、通常90:10〜10:9
0重量比、更に望ましくは60:40〜40:60重量
比とする。木片あるいは木片および木粉が上記混合比率
を下回ると原料混合物のマットが嵩高くなり崩れ易く、
また木片あるいは木片および木粉が上記混合比率を上回
ると、高密度製品を得ることが困難になる。また、経年
劣化によって製品表面に存在する木片に剥離現象が起り
易くなり、また表面が粗になって吸水あるいは吸湿し易
く、耐凍結融解性が悪くなるおそれがある。更に木片や
木粉から溶出するセメント硬化阻害物質の量が増加し
て、セメント硬化阻害が惹起されるおそれもある。木片
と木粉とを併用する場合は、木片:木粉の重量比は通常
100:0〜50:50好ましくは75:25〜60:
40の範囲に設定する。上記範囲よりも木片が多いと製
品表面の平滑性が貧しくなり、木粉が多いと補強効果が
貧しくなる。
質補強材としての木質繊維と木片あるいは木質繊維と木
片および木粉との混合比は、通常90:10〜10:9
0重量比、更に望ましくは60:40〜40:60重量
比とする。木片あるいは木片および木粉が上記混合比率
を下回ると原料混合物のマットが嵩高くなり崩れ易く、
また木片あるいは木片および木粉が上記混合比率を上回
ると、高密度製品を得ることが困難になる。また、経年
劣化によって製品表面に存在する木片に剥離現象が起り
易くなり、また表面が粗になって吸水あるいは吸湿し易
く、耐凍結融解性が悪くなるおそれがある。更に木片や
木粉から溶出するセメント硬化阻害物質の量が増加し
て、セメント硬化阻害が惹起されるおそれもある。木片
と木粉とを併用する場合は、木片:木粉の重量比は通常
100:0〜50:50好ましくは75:25〜60:
40の範囲に設定する。上記範囲よりも木片が多いと製
品表面の平滑性が貧しくなり、木粉が多いと補強効果が
貧しくなる。
【0013】上記木質繊維と木片との混合木質補強材
は、原料混合物中に2〜10重量%、望ましくは3〜8
重量%、更に望ましくは4〜6重量%程度添加される。
該混合木質補強材の添加量が2重量%未満であると補強
効果が充分でなく、また10重量%を越えると高密度の
製品を得ることが困難になり、耐水耐湿性、寸法安定
性、耐凍結融解性、更には不燃性等に悪影響が出て来る
し、該混合木質補強材中の木片から溶出するセメント硬
化阻害物質によってセメントの硬化が阻害されるおそれ
もある。更に該木質繊維とワラストナイトとの配合比率
は重量比で1:15〜1:1の範囲に設定する。上記範
囲よりも木質繊維が多いと木質繊維の集塊が形成され易
くなり、また形戻りの傾向が出て来る。また上記範囲よ
りもワラストナイトが多いと、製品に脆性が現れ望まし
くない。
は、原料混合物中に2〜10重量%、望ましくは3〜8
重量%、更に望ましくは4〜6重量%程度添加される。
該混合木質補強材の添加量が2重量%未満であると補強
効果が充分でなく、また10重量%を越えると高密度の
製品を得ることが困難になり、耐水耐湿性、寸法安定
性、耐凍結融解性、更には不燃性等に悪影響が出て来る
し、該混合木質補強材中の木片から溶出するセメント硬
化阻害物質によってセメントの硬化が阻害されるおそれ
もある。更に該木質繊維とワラストナイトとの配合比率
は重量比で1:15〜1:1の範囲に設定する。上記範
囲よりも木質繊維が多いと木質繊維の集塊が形成され易
くなり、また形戻りの傾向が出て来る。また上記範囲よ
りもワラストナイトが多いと、製品に脆性が現れ望まし
くない。
【0014】セメント系無機粉体とケイ酸含有物質とを
併用する場合には、該セメント系無機粉体と該ケイ酸含
有物質との混合比率はオートクレーブ養生を行なう場合
には通常40:60〜60:40重量比、自然養生を行
なう場合には通常70:30〜90:10重量比とされ
る。硬化促進剤、撥水剤等のその他の原料は通常原料混
合物中に数重量%(例えば0.1〜2重量%)程度添加
される。
併用する場合には、該セメント系無機粉体と該ケイ酸含
有物質との混合比率はオートクレーブ養生を行なう場合
には通常40:60〜60:40重量比、自然養生を行
なう場合には通常70:30〜90:10重量比とされ
る。硬化促進剤、撥水剤等のその他の原料は通常原料混
合物中に数重量%(例えば0.1〜2重量%)程度添加
される。
【0015】通常は上記原料混合物に対して水15〜5
0重量部が添加され混合される。上記水は添加混合物を
攪拌しながら水をスプレーすることによって行なうこと
が望ましい。このような添加方法によれば、混合物中に
集塊が形成されにくい。
0重量部が添加され混合される。上記水は添加混合物を
攪拌しながら水をスプレーすることによって行なうこと
が望ましい。このような添加方法によれば、混合物中に
集塊が形成されにくい。
【0016】〔木質セメント板の製造〕本発明の木質セ
メント板を製造するには乾式法が適用される。乾式法に
おいては先ず、原料混合物を搬送板、あるいは型板等の
基板上に散布してマットをフォーミングし、更にその上
から基層用原料混合物を散布して基層マットをフォーミ
ングする。該基板の表面にはエンボス模様を付しておい
てもよい。
メント板を製造するには乾式法が適用される。乾式法に
おいては先ず、原料混合物を搬送板、あるいは型板等の
基板上に散布してマットをフォーミングし、更にその上
から基層用原料混合物を散布して基層マットをフォーミ
ングする。該基板の表面にはエンボス模様を付しておい
てもよい。
【0017】上記マットは通常25〜200kg/cm2 程
度の高圧で圧締し、常温で24時間以下の予備硬化、も
しくは50〜80℃、5〜10時間加熱して予備硬化さ
れる。圧締養生後は該予備硬化物をオートクレーブ養
生、高温養生、あるいは自然養生により硬化させ、更に
加熱乾燥あるいは自然乾燥により乾燥させる。その後所
望なれば得られた木質セメント板に塗装、撥水処理等を
施こしてもよい。このようにして得られた本発明の木質
セメント板は通常密度が1.4g/cm3以上、望ましく
は1.6g/cm3 以上、更に望ましくは1.8〜2.0
g/cm3の高密度を有し、高強度かつ耐久性、耐水耐湿
性および寸法安定性を有する。上記密度が1.4g/cm
3 以下であると製品の吸水吸湿性が大きくなり、寸法安
定性や耐凍結融解性能、ひいては耐候性や耐久性が悪く
なる。
度の高圧で圧締し、常温で24時間以下の予備硬化、も
しくは50〜80℃、5〜10時間加熱して予備硬化さ
れる。圧締養生後は該予備硬化物をオートクレーブ養
生、高温養生、あるいは自然養生により硬化させ、更に
加熱乾燥あるいは自然乾燥により乾燥させる。その後所
望なれば得られた木質セメント板に塗装、撥水処理等を
施こしてもよい。このようにして得られた本発明の木質
セメント板は通常密度が1.4g/cm3以上、望ましく
は1.6g/cm3 以上、更に望ましくは1.8〜2.0
g/cm3の高密度を有し、高強度かつ耐久性、耐水耐湿
性および寸法安定性を有する。上記密度が1.4g/cm
3 以下であると製品の吸水吸湿性が大きくなり、寸法安
定性や耐凍結融解性能、ひいては耐候性や耐久性が悪く
なる。
【0018】
【作用・効果】本発明では、表面を毛羽立たせた木質繊
維の表面の毛羽にワラストナイトが捕捉された状態とな
り、したがって該木質繊維はワラストナイトに囲撓され
た状態となって、木質繊維の集塊が形成されにくくな
る。また繊維の可撓性は木質繊維の可撓性に支配される
ようになる。また木質繊維同志が直接密接しないから、
成形後の形戻りは効果的に阻止される。したがって原料
混合物の密度が高くなって、フォーミングされるマット
が嵩高くならず、マットの型崩れが阻止され、また高比
重製品を得るためのプレスによる圧縮比も大きくなら
ず、生産性が向上する。そして該木片は製品の靱性を向
上させて脆さを改善し、曲げ強度や耐衝撃性に優れた製
品を与えるが木粉を添加すれば、該製品表面の平滑性が
保証される。
維の表面の毛羽にワラストナイトが捕捉された状態とな
り、したがって該木質繊維はワラストナイトに囲撓され
た状態となって、木質繊維の集塊が形成されにくくな
る。また繊維の可撓性は木質繊維の可撓性に支配される
ようになる。また木質繊維同志が直接密接しないから、
成形後の形戻りは効果的に阻止される。したがって原料
混合物の密度が高くなって、フォーミングされるマット
が嵩高くならず、マットの型崩れが阻止され、また高比
重製品を得るためのプレスによる圧縮比も大きくなら
ず、生産性が向上する。そして該木片は製品の靱性を向
上させて脆さを改善し、曲げ強度や耐衝撃性に優れた製
品を与えるが木粉を添加すれば、該製品表面の平滑性が
保証される。
【0019】〔実施例1〜4、比較例1〜4〕表1に示
す組成の原料混合物を基板上に17kg/m2 の割合で散
布してマットをフォーミングした。
す組成の原料混合物を基板上に17kg/m2 の割合で散
布してマットをフォーミングした。
【0020】
【表1】
【0021】上記各マットを50kg/cm2 の圧力で圧締
して50℃に加熱して8時間放置することによって予備
硬化せしめ、その後脱型して4日間常温状態に放置して
養生を行なった。この自然養生によって略完全に硬化せ
しめたものを試料とする。該試料の物性測定結果を表2
に示す。
して50℃に加熱して8時間放置することによって予備
硬化せしめ、その後脱型して4日間常温状態に放置して
養生を行なった。この自然養生によって略完全に硬化せ
しめたものを試料とする。該試料の物性測定結果を表2
に示す。
【0022】
【表2】
【0023】表2によれば実施例1〜4の試料は何れも
マットが嵩高くならず、型崩れもみられず、高比重高強
度かつ耐水耐湿性、寸法安定性、耐凍結融解性に優れた
ものが得られるが、木片を添加しない比較例1ではマッ
ト厚が増大して嵩高となり、マットの両端部に型崩れが
みられ、また製品の比重が低くなりヤング率が高く脆く
なっていることが認められ、更に木質繊維を用いない木
粉入り木片のみを木質補強材として使用した比較例2の
場合には、試料の表面に木片の剥離現象がみられ、ワラ
ストナイトを省いた比較例3の場合には低比重となりか
つ曲げ強度が不足し、粉体パルプ、木片、および木粉を
省いた比較例4の場合には、ヤング率が高くかつ曲げ強
度が低く脆くなっていることが認められる。
マットが嵩高くならず、型崩れもみられず、高比重高強
度かつ耐水耐湿性、寸法安定性、耐凍結融解性に優れた
ものが得られるが、木片を添加しない比較例1ではマッ
ト厚が増大して嵩高となり、マットの両端部に型崩れが
みられ、また製品の比重が低くなりヤング率が高く脆く
なっていることが認められ、更に木質繊維を用いない木
粉入り木片のみを木質補強材として使用した比較例2の
場合には、試料の表面に木片の剥離現象がみられ、ワラ
ストナイトを省いた比較例3の場合には低比重となりか
つ曲げ強度が不足し、粉体パルプ、木片、および木粉を
省いた比較例4の場合には、ヤング率が高くかつ曲げ強
度が低く脆くなっていることが認められる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C04B 14:38) 111:12 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 28/02 C04B 16/02 C04B 18/26 C04B 14/38 C04B 111:12
Claims (4)
- 【請求項1】表面を毛羽立たせた木質繊維と、木片また
は木片と木粉と、ワラストナイトと、セメント系無機粉
体とを含有する混合物の硬化物からなり、全体の比重が
1.4g/cm3 以上であることを特徴とする高比重木質
セメント板 - 【請求項2】該木質繊維は長径5mm以下、短径0.5mm
以下、厚み0.1mm以下の粉体パルプであり、該木片は
長径1.0〜35mm、短径0.5〜8.0mm、厚み0.
05〜2.0mmの寸法を有し、該木粉は100メッシュ
以下の大きさを有する請求項1に記載の高比重木質セメ
ント板 - 【請求項3】該木質繊維とワラストナイトの配合比率は
重量比で1:15〜1:1の範囲に設定される請求項1
または2に記載の高比重木質セメント板 - 【請求項4】表面を毛羽立たせた木質繊維と、木片また
は木片と木粉と、ワラストナイトと、セメント系無機粉
体とを含有する原料混合物を基板上に散布してマットと
し、該マットを水分存在下に圧締養生硬化せしめること
を特徴とする請求項1または2または3に記載の高比重
木質セメント板の製造方法
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13395099A JP3037687B1 (ja) | 1999-05-14 | 1999-05-14 | 高比重木質セメント板および該高比重木質セメント板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13395099A JP3037687B1 (ja) | 1999-05-14 | 1999-05-14 | 高比重木質セメント板および該高比重木質セメント板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3037687B1 true JP3037687B1 (ja) | 2000-04-24 |
JP2000327380A JP2000327380A (ja) | 2000-11-28 |
Family
ID=15116873
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13395099A Expired - Fee Related JP3037687B1 (ja) | 1999-05-14 | 1999-05-14 | 高比重木質セメント板および該高比重木質セメント板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3037687B1 (ja) |
-
1999
- 1999-05-14 JP JP13395099A patent/JP3037687B1/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000327380A (ja) | 2000-11-28 |
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