JP3037535B2 - 中間乗入れ部を有する機械式駐車装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、中間乗入れ部を有する
機械式駐車装置に係わり、更に詳しくは、中間乗入れ部
を有する箱型循環方式駐車装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】箱型循環方式の機械式駐車装置は主とし
て地下に設置され、図３に示すように、パレット車輪２
とパレット連結器３を有する複数のパレット１を備え、
パレット１はパレット連結器３で連結されて水平な固定
横行レール５の上を横行し、かつ両端部で昇降する昇降
レール４に載って昇降するようになっている。また、一
方の昇降レール４は地上Ｇまで上昇できるようになって
おり、地上Ｇでパレット１の上に車両Ｃを載せることが
できる。かかる構成により、箱型循環方式駐車装置は、
多数の車両Ｃを地下の狭い空間に数段に積層して格納
し、かつパレット１の横行及び昇降により所望の車両Ｃ
を自由に取り出すことができる。

【０００３】更に、箱型循環方式駐車装置には、装置の
中間部でもパレット１が地上Ｇまで昇降できる中間乗入
れ部を有するものがある。かかる駐車装置は、図４に中
間乗入れ部を示すように、横行兼昇降レール６が吊りチ
ェーン７で吊られ、昇降ガイド（図示せず）で横行兼昇
降レール６の昇降を案内し、かつ、パレットガイド８に
よりパレット車輪２を案内してパレット１の昇降を案内
するようになっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の中間乗
入れ式駐車装置では、横行兼昇降レール６の昇降を案内
する昇降ガイドとは別に、パレット１のパレット車輪２
を案内するパレットガイド８を設けなければならず、装
置が複雑でコストがかかる問題点があった。又、横行兼
昇降レール６が吊りチェーン７により吊られているた
め、積載荷重の差（例えば、車両Ｃの有無）により停止
位置にバラツキが生じる問題点があった。

【０００５】本発明は、かかる問題点を解決するために
創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、部
品点数が少なく、構造がシンプルで、かつ停止位置のバ
ラツキが少ない中間乗入れ部を有する機械式駐車装置を
提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、パレッ
ト車輪を有する複数のパレットを備え、パレット車輪に
よりパレットが水平な固定横行レール上を横行し、かつ
中間部でパレットが昇降できる中間乗入れ部を有する機
械式駐車装置において、中間乗入れ部に上下方向に延び
たガイドレールと、該ガイドレールにより案内されて昇
降可能なリフトフレームと、パレットを上面に載せその
上面が固定横行レールと面一となる下降位置と地上で車
両が乗り降りできる上昇位置との間を昇降可能な横行兼
昇降レールとを備え、前記横行兼昇降レールは、下降位
置でその両端が固定横行レールから張り出した固定ブラ
ケット上に載り、前記リフトフレームは、その上面に下
端が固定され上方に延びた複数の位置決めピンを有し、
該位置決めピンは前記横行兼昇降レールに設けられた垂
直孔を貫通してパレットの複数のパレット車輪の内側に
密接するように設けられており、かつ前記リフトフレー
ムは、パレットの横行時に、位置決めピンの上端が横行
兼昇降レールの上面より下がった位置にあるように横行
兼昇降レールの下降位置よりも更に下がって位置し、パ
レットの昇降時に、前記リフトフレームの上面にパレッ
トを載せて昇降し、これにより、位置決めピンの貫通に
より横行兼昇降レールの水平移動を防止し、位置決めピ
ンのパレット車輪の内側との接触によりパレットの水平
移動を防止する、ことを特徴とする中間乗入れ部を有す
る機械式駐車装置が提供される。

【０００７】

【作用】上記本発明の構成によれば、横行兼昇降レール
は、下降位置で両端が固定横行レールから張り出した固
定ブラケット上に載るので、リフトフレームを位置決め
ピンの上端が横行兼昇降レールの上面より下がった位置
にあるように位置決めすることにより、横行兼昇降レー
ルの上面をパレットが自由に横行することができる。こ
の横行兼昇降レールは両端が固定横行レールから張り出
した固定ブラケット上に載るため、積載荷重の差（例え
ば、車両Ｃの有無）があっても停止位置にバラツキが生
じない。

【０００８】また、最上層にきた目的パレットを中間乗
入れ部で入出庫位置まで上昇する場合、リフトフレーム
で横行兼昇降レールを持ち上げ、同時に位置決めピンが
パレット車輪の内側に接触して車輪ストッパとなり、そ
のまま上昇することができる。下降時はその逆に動作
し、位置決めピンの上端が横行兼昇降レールの上面より
下がった位置にて停止し、パレットが横行を開始するこ
とができる。すなわち、横行兼昇降レールを自由とし別
の受け台（リフトフレーム）で受け位置決め用として位
置決めピンを使用し、更にその位置決めピンにて昇降時
にパレット車輪止めを兼用することができ、部品点数を
少なくし、構造をシンプルとすることができる。

【０００９】

【実施例】以下に本発明の好ましい実施例を図面を参照
して説明する。なお、各図において共通する部分には同
一の符号を付して使用する。図１は、本発明による中間
乗入れ部を有する機械式駐車装置の部分構成図である。
この図において、本発明による機械式駐車装置は、パレ
ット車輪２を有する複数のパレット１を備え、パレット
車輪２によりパレット１が水平な固定横行レール５上を
横行し、かつ中間部でパレット１が昇降できる中間乗入
れ部１０を有している。

【００１０】本発明の機械式駐車装置は、更に、中間乗
入れ部１０に上下方向に延びたガイドレール１２と、ガ
イドレール１２により案内されて昇降可能なリフトフレ
ーム１４と、パレット１を上面に載せその上面が固定横
行レール５と面一となる下降位置Ｌと地上で車両が乗り
降りできる上昇位置Ｈとの間を昇降可能な横行兼昇降レ
ール１６とを備える。リフトフレーム１４はガイド輪１
３を有し、このガイド輪１３によりガイドレール１２に
沿って案内される。また、リフトフレーム１４は、昇降
チェーン１１により吊り下げられて昇降するようになっ
ている。

【００１１】横行兼昇降レール１６は、下降位置Ｌでそ
の両端が固定横行レール５から張り出した固定ブラケッ
ト１７上に載り、水平に支持されるようになっている。
これにより、積載荷重の差（例えば、車両Ｃの有無）が
あっても停止位置にバラツキが生じない。また、リフト
フレーム１４は、その上面に下端が固定され上方に延び
た複数の位置決めピン１５を有し、この位置決めピン１
５は横行兼昇降レール１６に設けられた垂直孔を貫通し
てパレット１の複数のパレット車輪２の内側に密接する
ように設けられている。

【００１２】図２は図１の装置の作動状態を示す図であ
る。図２（Ａ）に示すように、パレット１の横行時に、
リフトフレーム１４は、位置決めピン１５の上端が横行
兼昇降レール１６の上面より下がった位置にあるように
横行兼昇降レール１６の下降位置Ｌよりも更に下がって
位置し、また図２（Ｂ）に示すように、パレットの昇降
時に、リフトフレーム１４の上面にパレットを載せて昇
降する。これにより、位置決めピン１５の貫通により横
行兼昇降レール１６の水平移動を防止し、位置決めピン
１５のパレット車輪２の内側との接触によりパレット１
の水平移動を防止することができる。

【００１３】すなわち、図２（Ａ）に示すように、横行
兼昇降レール１６は、下降位置Ｌで両端が固定横行レー
ル５から張り出した固定ブラケット１７上に載るので、
リフトフレーム１４を位置決めピン１５の上端が横行兼
昇降レール１６の上面より下がった位置にあるように位
置決めすることにより、横行兼昇降レール１６の上面を
パレット１が自由に横行することができる。この横行兼
昇降レール１６は両端が固定横行レール５から張り出し
た固定ブラケット１７上に載るため、積載荷重の差（例
えば、車両Ｃの有無）があっても停止位置にバラツキが
生じない。リフトフレーム１４は通常はこの横行時の状
態にあり、パレット１は横行動作を繰り返すことができ
る。

【００１４】また、図２（Ｂ）に示すように、最上層に
きた目的パレット１を中間乗入れ部１０で入出庫位置
（上昇位置Ｈ）まで上昇する場合、リフトフレーム１４
で横行兼昇降レール１６を持ち上げ、同時に位置決めピ
ン１５がパレット車輪２の内側に入り込んで車輪ストッ
パとなり、そのまま上昇することができる。下降時はそ
の逆に動作し、位置決めピン１５の上端が横行兼昇降レ
ール１６の上面より下がった位置にて停止し、パレット
１が横行を開始することができる。すなわち、横行兼昇
降レール１６を独立したものとし別の受け台（リフトフ
レーム１４）で昇降させ、横行兼昇降レール１６の受け
位置決め用として位置決めピン１５を使用し、更にその
位置決めピン１５を昇降時にパレット車輪止めとして兼
用することができ、部品点数を少なくし、構造をシンプ
ルとすることができる。

【００１５】なお、リフトフレーム１４の上面にレール
受け台１８を設け、横行兼昇降レール１６を正確に水平
保持できるようになっているのがよい。

【００１６】

【発明の効果】上述したように、本発明の中間乗入れ部
を有する機械式駐車装置によれば、横行兼昇降レールを
チェーンより分離して固定ブラケット上に載せるため、
積載荷重の差（例えば、車両Ｃの有無）があっても停止
位置にバラツキが生じない。また、位置決めピンにより
横行兼昇降レールを位置決めすることにより、その位置
決めピンを車輪ストッパとして兼用することができ、組
立時のガイドレールの芯出し作業や昇降レベルの位置決
め作業を軽減することができる。

【００１７】従って、本発明の中間乗入れ部を有する機
械式駐車装置は、部品点数が少なくなり、構造がシンプ
ルで、かつ停止位置のバラツキを少なくすることができ
る、等の優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による中間乗入れ部を有する機械式駐車
装置の部分構成図である。

【図２】図１の装置の作動状態を示す図である。

【図３】従来の中間乗入れ部を有する機械式駐車装置の
全体構成図である。

【図４】従来の機械式駐車装置の中間乗入れ部の部分構
成図である。

【符号の説明】

１ パレット ２ パレット車輪 ３ パレット連結器 ４ 昇降レール ５ 固定横行レール ６ 横行兼昇降レール ７ 吊りチェーン ８ パレットガイド １０ 中間乗入れ部 １１ 昇降チェーン １２ ガイドレール １３ ガイド輪 １４ リフトフレーム １５ 位置決めピン １６ 横行兼昇降レール １７ 固定ブラケット １８ レール受け台 Ｃ 車両 Ｇ 地上 Ｌ 下降位置 Ｈ 上昇位置

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 パレット車輪を有する複数のパレットを
   備え、パレット車輪によりパレットが水平な固定横行レ
   ール上を横行し、かつ中間部でパレットが昇降できる中
   間乗入れ部を有する機械式駐車装置において、 中間乗入れ部に上下方向に延びたガイドレールと、該ガ
   イドレールにより案内されて昇降可能なリフトフレーム
   と、パレットを上面に載せその上面が固定横行レールと
   面一となる下降位置と地上で車両が乗り降りできる上昇
   位置との間を昇降可能な横行兼昇降レールとを備え、 前記横行兼昇降レールは、下降位置でその両端が固定横
   行レールから張り出した固定ブラケット上に載り、 前記リフトフレームは、その上面に下端が固定され上方
   に延びた複数の位置決めピンを有し、該位置決めピンは
   前記横行兼昇降レールに設けられた垂直孔を貫通してパ
   レットの複数のパレット車輪の内側に密接するように設
   けられており、 かつ前記リフトフレームは、パレットの横行時に、位置
   決めピンの上端が横行兼昇降レールの上面より下がった
   位置にあるように横行兼昇降レールの下降位置よりも更
   に下がって位置し、パレットの昇降時に、前記リフトフ
   レームの上面にパレットを載せて昇降し、これにより、
   位置決めピンの貫通により横行兼昇降レールの水平移動
   を防止し、位置決めピンのパレット車輪の内側との接触
   によりパレットの水平移動を防止する、ことを特徴とす
   る中間乗入れ部を有する機械式駐車装置。