JP3037464B2 - 三弗化窒素ガスの製造方法 - Google Patents

三弗化窒素ガスの製造方法

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JP3037464B2 JP3139543A JP13954391A JP3037464B2 JP 3037464 B2 JP3037464 B2 JP 3037464B2 JP 3139543 A JP3139543 A JP 3139543A JP 13954391 A JP13954391 A JP 13954391A JP 3037464 B2 JP3037464 B2 JP 3037464B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は三弗化窒素ガス(N
3 )の製造方法に関する。更に詳しくは、高耐久性炭
素電極を陽極とする、フッ化アンモニウム(NH4 F)
‐フッ化水素(HF)2成分系溶融塩の電解によるNF
3 ガスの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近のエレクトロニクス産業の飛躍的な
発展に伴い、半導体素子の高密度化、高性能化が進めら
れ、超大規模集積回路の生産が増加している。これに伴
い、該集積回路製造過程に使用されるドライエッチング
用のガスとして、また、CVD装置のクリナー用のガス
として高純度のNF3 ガスが要求されるようになった。
【0003】NF3 ガスの製造方法は大きく化学法と電
解法とに分けられる。化学法は、第一段階として電解に
よりフッ素ガス(F2 )を製造し、第二段階において得
られたF2 と窒素含有原料とを反応させることによりN
3 ガスを製造するものである。一方、電解法は、窒素
分およびフッ素分を含有する非水溶液系溶融塩を電解液
とし、これを電解することによりNF3 ガスを製造する
ものである。電解法は化学法と比較した場合、一段階
で、かつ高収率でNF3 ガスを製造できる利点を有して
いる。また、化学法について述べると、現状の工業的な
2 製造技術においては、F2 中に数千ppm という多量
の四弗化炭素(CF4 )が含まれるため、必然的に多量
のCF4 がNF3 ガス中へ混入する。ところがCF4
沸点はNF3の沸点に極めて接近している等、物性が極
めて似ているため、NF3 ガス中のCF4 を精製により
除去することは極めて困難である。このため、化学法に
より得られたNF3 ガスはCF4 で汚染されたままとな
り、一般に製品の純度は低い。一方、現状における電解
法による工業的なNF3 ガスの製造においては、CF4
発生の原因となる炭素源を原料および工程中にほとんど
有しないため、CF4 の生成が少ない。このため電解法
では必然的に高純度の製品が得られる。この点でも化学
法と比較して有利である。
【0004】次に電解法に関して、さらに詳しく述べ
る。電解法において使用可能な陽極材料はニッケルと炭
素であるが、工業的には、実質的にニッケルが唯一の陽
極材料である。これは炭素を陽極材として使用した場
合、次のような問題点があることによる。 (イ)一般に炭素は機械的耐久性に乏しく、NH4 F‐
HF系溶融塩中では、電解中に、局部的な崩壊や、炭素
電極表面の炭素粒子の脱落により徐々に電極が消耗す
る。F2 ガスの電解製造に用いるKF‐HF系溶融塩に
おいては一般的な炭素電極が使用可能であるのに対し、
NH4 F‐HF系溶融塩中では炭素電極が使用できない
原因は次のように考えられている。電解時の溶融塩温度
でのHF蒸気圧がNH4 F‐HF系溶融塩では高いた
め、炭素粒子の粒界や炭素粒子内に存在する微細な層状
結晶の層間にHFが浸入しやすい。このため、HFが侵
入した部分では膨脹が起こり、機械的な歪みが発生し、
崩壊や消耗が起こる。このHF蒸気圧を下げるには、フ
ッ化カリウム(KF)の添加が効果がある。KFを含有
するKF‐NH4 F‐HF3成分系溶融塩を使用した場
合、一般的な炭素電極でもある程度の電解が可能である
ことが実験的に確かめられている。しかし、工業的観点
からは溶融塩の組成管理が難しくなるため好ましくな
い。 (ロ)該3成分系溶融塩を電解液とした場合、2A・d
-2以上の電流密度においては、NF3 ガス生成電流効
率がニッケル陽極を使用した場合に比べて低く、工業的
観点より考えた場合、実用的ではない。 (ハ)電解中に突然、陽極電位が異常に高くなり、つい
には電流がほとんど流れなくなる現象(いわゆる陽極効
果)が発生するため、長時間安定した操業が期待できな
い。 (ニ)電極自身を炭素源としてCF4 が生成するため、
高純度NF3 ガスの製造が期待できない。
【0005】ニッケルを陽極として使用した場合は前記
する問題がない。しかし、ニッケル陽極は唯一つ次の欠
点を有している。即ち、ニッケル陽極は、電解により溶
解電流効率で僅かに数パーセントの割合で溶解する。し
かし、工業的に長期間の電解を継続すると、ニッケル陽
極は消耗し、やがて電極の更新が必要となる。さらには
溶解したニッケルがニッケル錯塩スラッジとして溶融塩
電解液中に蓄積し、電解液を汚染するため、電解液の更
新も必要となる。電極や溶融塩電解液の更新頻度は電流
量や電極の大きさによって異なるが、工業的には操業効
率を低下させる最大の原因であり、大きな問題となって
いる。上述のごとく、電解法によるNF3 ガスの合成
は、フッ化カリウム(KF)‐HF‐NH4 F系3成分
電解浴中で炭素系材料を電極として使用する方法と、フ
ッ化アンモニウム(NF4 F)‐フッ化水素(HF)2
成分系電解浴中でニッケル電極を使用する方法に大別さ
れる。これについて更に詳述する。
【0006】KF‐HF‐NH4 F系電解浴中のKF
は、この該KF‐HF‐NH4 F系の電解浴の構成成分
であるNH4 FやHFの蒸気圧を低下させる効果を持っ
ている。KF‐HF‐NH4 F系内のKFの占める割合
が減少すると、HFの蒸気圧が上昇する。この場合、炭
素電極を構成する炭素粒子の粒界や、炭素粒子内に存在
する微細な層状結晶の層間にHFが浸入しやすくなる。
このため、HFが侵入した部分では膨脹が起こり、機械
的な歪みが発生し、局部的な崩壊や、炭素電極表面の炭
素粒子の脱落により徐々に電極が消耗する。このことに
加えて、KFの割合が減少すると電解浴の表面張力が著
しく低くなるため、炭素電極に電解浴の構成成分が侵入
し、膨潤を起こす。そうなると上記と同様の崩壊や消耗
が発生する。このため、従来の炭素系材料を使用してN
3 ガスを電解合成する際には、KFの存在は必要不可
欠なのである。通常の使用可能な電解浴の組成は、KF
・4HF・NH4 Fである。KF比率がこれ以上小さく
なると上述の如く炭素電極の消耗、崩壊が著しくなる。
また、NH4 F比率が小さくなるとNF3 の発生効率が
悪化する。このため、仮に工業的に3成分系電解浴と炭
素電極を組み合わせて、NF3 ガスの電解製造を行う場
合は、電解浴の組成を厳しく管理する必要がある。とこ
ろで、KF‐HF‐NH4 Fの3成分のうち、電解で消
費されるのはNH4 FとHFであり、これらは随時補給
する必要があるが、電解槽内各部で常に一定の該3成分
組成を維持することは運転管理上極めて困難であり、ま
た、電解浴組成比率を求めるにも、工場現場分析は容易
に行うことは出来ない。これらのことは炭素電極を使用
する工業的NF3 ガス製造を妨げる要因の一つとなって
いる。
【0007】KF‐HF‐NH4 F系電解浴中で従来の
炭素系材料を陽極とした場合、陽極での分極による突然
の急激な電圧の上昇および電流の減少という、いわゆる
溶融フッ化物の電解で一般にいわれる陽極効果という現
象が起こる。これは、フッ化物イオンが炭素電極表面上
で放電した際、その表面上に表面エネルギーの極めて低
いフッ化物グラファイトを生成し、これにより電解浴と
電極との接触性が著しく低下する現象である。一度この
陽極効果の状態によると定常の運転に戻すことは極めて
困難で、電極の研磨あるいは電極および電解浴の交換と
いった作業が必要となる。これらの作業は操業管理上大
きな問題であり、炭素電極を使用する工業的NF3 ガス
製造を妨げる要因となっている。
【0008】このための改善策としてKF‐HF‐NH
4 F系電解浴に溶解度以上のフッ化リチウムまたはフッ
化カルシウム、フッ化ニッケルを添加して電解する方法
が知られている。しかしこれらのフッ化物の電解浴への
添加による陽極効果を抑制する効果は十分とはいえな
い。また、電解浴中に溶解度以上の添加という操作は、
電解槽底部にこれら添加物のスラッジが溜ることを意味
し、電解浴抵抗の増加に伴うIR損の原因になるのみな
らず、熱伝導が不均一となって電解槽内に温度偏差を生
じたり、あるいは電解中に発生するジュール熱の除去を
妨げる要因になる。また、このスラッジが電解槽底部に
固着、蓄積し、除去できないといった問題も生じる。こ
のため、この改善策を工業的に実施することは困難であ
る。
【0009】炭素系材料のもうひとつの欠点として、陽
極が炭素電極自身を炭素源としてCF4 が生成し、NF
3 ガス中に数千ppm 程度混入する。このCF4 はNF3
ガスと物性が極めて似ているため、CF4 の除去を、吸
着剤による吸着除去や、吸収剤との接触による分離除
去、更には深冷蒸留による分離除去で行うことは、現在
のところ極めて難しい。このためCF4 含有量の低い高
純度のNF3ガスを製造するためには、CF4 発生量そ
のものを抑制する以外に方法はない。このため炭素電極
を用いて高純度NF3 ガスを製造することは極めて困難
である。
【0010】これに対して、NH4 F‐HF2成分系電
解浴中でニッケル電極を使用した場合、炭素を陽極とし
た場合の様々な欠点は有さず、高純度のNF3 ガスが製
造できる。しかし、ニッケル陽極は唯一、次の欠点を有
している。ニッケル陽極は電解により、溶解電流効率で
僅かに数%の割合で溶解する。しかし、工業的に長期間
の電解を継続すると、ニッケル陽極は消耗し、やがて電
極の更新が必要となる。このスラッジが電解槽底部に堆
積して掃除の際にも困難を伴う。さらには溶解したニッ
ケルがニッケル錯塩スラッジとして溶解塩電解液中に蓄
積して電解液を汚染するために、浴抵抗を増加させ、I
R損の原因になる。このため、電解液の更新も余儀なく
される。電極や溶融塩電解液の更新頻度は電流量や電極
の大きさによって異なるが、工業的には操業効率を低下
させる最大の原因であり、大きな問題となっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以上、現状の問題点を
述べてきたが、本発明は電解法によるNF3 ガスの製造
方法を改良しようとするものである。即ち、この方法に
おいて、(A)ニッケル電極に匹敵するNF3 ガス生成
電流効率が得られること、(B)陽極が不溶解性である
こと、(C)CF4 生成量が少ないこと、(D)二成分
系溶融塩を用い得ること、(E)陽極効果を起さないこ
と、という課題を解決しようとするものである。例え
ば、ニッケル以外の金属材料では、溶解電流効率がさら
に大きい場合、または強固な不働態化を起こして電流が
殆ど流れない場合のいずれかである。従って、金属材料
でニッケルに代替しうる陽極材料を求めることは難し
い。種々の溶融塩を電解液として、ニッケル陽極の溶解
抑制も試みられたが、達成されていない。
【0012】
【課題を解決するための手段】炭素電極を使用する上
で、前記の問題点(イ)を抑制することが出来た場合、
ニッケル陽極での電解で使用されるNH4 F‐HF系溶
融塩も使用できるため、問題点(ロ)も解決される可能
性がある。また、CF4 発生の原因は問題点(イ)にお
いて述べた、脱落した炭素粒子がCF4 の主な炭素源と
考えられるため、問題点(ニ)も解決される可能性があ
る。本発明者等は、特に電極材料について鋭意検討を重
ねた結果、後記において詳細に述べられる高耐久性炭素
電極を陽極とした場合、前述の(イ)(ニ)の問題点を
解決出来るだけでなく、問題点(ハ)も軽減されること
が分かった。さらに、所定の電流密度範囲で電解を行え
ば、ニッケル陽極に匹敵するNF3 ガス生成電流効率で
NF3 ガスを製造できることを見いだし、問題点(ロ)
に関しても解決することが出来た。以上により、新しい
技術に要求される項目(A),(B),(C),
(D),(E)を満足するに至り、本発明を完成するに
至ったものである。
【0013】本発明は前記諸課題を解決するために、フ
ッ化アンモニウム‐フッ化水素2成分系溶融塩を電解浴
とし、曲げ強度が50MPa以上である多孔性炭素ブロ
ックの気孔中に金属フッ化物を有する高耐久性炭素電極
を陽極として電解することを特徴とする三弗化窒素ガス
の製造方法を提供するものである。好ましくは電解電流
密度を4〜30A・dm-2とする。また好ましくはフッ
化水素のフッ化アンモニウムに対するモル比(HF:N
4 F)が1〜3であるフッ化アンモニウム‐フッ化水
素2成分系溶融塩を用いる。この電流密度とモル比を併
用することも好ましい。金属フッ化物としては、好まし
くはフッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化セシウ
ム、フッ化アルミニウム、フッ化マグネシウム、フッ化
カルシウム、フッ化ニッケルからなる群より選ばれた少
なくとも1種の金属フッ化物を用いる。
【0014】フッ化アンモニウム‐フッ化水素2成分系
溶融塩の調製方法としては、例えば、アンモニアガスと
無水フッ化水素より調製、酸性フッ化アンモニウム、例
えば一水素二フッ化アンモニウムと、無水フッ化水素よ
り調製、フッ化アンモニウムと無水フッ化水素より調製
する等の方法がある。
【0015】まず、本発明の実施に供される高耐久性炭
素電極について述べる。該高耐久性炭素電極は曲げ強度
が50MPa以上である多孔性炭素ブロックの気孔中に
金属フッ化物を有するものである。該高耐久性炭素電極
の製造方法の一例を以下に示す。母材となる多孔性炭素
ブロックは、熱処理段階で大きい収縮を示す微細な骨材
コークスとピッチバインダーを用い、加圧成形後、熱処
理により緻密化をはかる。あるいは、微小モザイク組織
(ピッチを加熱してメソフェーズ小球体が生成する過程
でそのサイズが10μm以下のものがモザイク様に等方
性マトリックス中に一様に分散しているもの)構造を持
つ炭素材を加圧成形後、加熱成形することにより得られ
る。更に詳しく言えば、粒径が3〜20μmの微粉状の
仮焼した骨材コークス100重量部にコールタールピッ
チ、石油ピッチのごときピッチバインダー約80〜13
0重量部を配合した2元系材料、または、変質ピッチや
メソフェーズマイクロビーズのような1元系材料を熱処
理して得られる炭素材をブロック状に切り出すなどによ
り得ることが出来る。熱処理温度は望まれる機械的強度
および電解中の炭素微結晶層間へのHFの侵入抑制の目
的からも、通常1000〜1500℃、好ましくは10
00〜1200℃である。このようにして得られた炭素
ブロックの特徴を曲げ強度以外の観点から見ると次のよ
うである。
【0016】炭素ブロックは多孔性であるが、構造は比
較的緻密であり、気孔率は2〜10数%である。また、
気孔の平均口径は非常に小さく、例えば1μmである。
かさ比重としては1.50〜1.7g/cm3 程度を有し
ている。また、該炭素ブロックより切り出された電極で
は、25℃濃硫酸中に於て、例えば、電位走査速度5mV
/sec で、電位走査により求められた単掃引ボルタモグ
ラムにおいて、最大の電流密度を有するピークを与える
電位が、硫酸第二水銀を基準電極とする電位で、1.2
V以上であるという大きな特徴を有する。濃硫酸中での
挙動は、炭素微結晶層間へのHFの侵入の難易を測る尺
度として活用でき、該電位が1.2Vに満たないものは
濃硫酸中での電位走査により崩壊等の異常が認められる
こともある。なお、組織または形状が等方的な骨材原料
を用いる(例えば、特公昭50−39427号に開示さ
れた原料製造の工程参照)方法や、原料である骨材粒子
が特定の方向に配列しないような成形方法を選ぶ(例え
ば、特公昭51−20197号に開示された加圧型込め
の工程参照)技術を応用して得られる固有抵抗の異方比
が1.2以下である炭素ブロック(いわゆる等方性炭
素)が電極として用いられるのがより好ましい。
【0017】母材炭素はオートクレーブなどの高温高圧
処理に耐えうる装置に固体フッ化物と共に仕込まれる。
固体フッ化物とは、好ましくは、フッ化リチウム(Li
F)、フッ化ナトリウム(NaF)、フッ化セシウム
(CsF)、フッ化アルミニウム(AlF3 )、フッ化
マグネシウム(MgF2 )、フッ化カルシウム(CaF
2 )、フッ化ニッケル(NiF2 )からなる群より選ば
れた少なくとも1種の金属フッ化物もしくは金属フッ化
物混合物である。AlF3 、MgF2 、CaF2 、Ni
2 は比較的融点が高く、また融点以上で急激に蒸気圧
が上がるものも有る。これらについては他の金属フッ化
物と混合すると融点、蒸気圧を下げることが出来るた
め、混合物とすることが実施上より好ましい。混合物と
した場合、この混合比率については特に制限はない。こ
れは、金属フッ化物の大きな役割として、炭素粒子の粒
界や、炭素粒子内に存在する微細な層状結晶の層間にH
Fが浸入することを防ぐことにあるためである。該固体
フッ化物を仕込んだ後、引続き該装置内部は真空脱気さ
れ、電熱体あるいは高周波により加熱される。該フッ化
物が溶融状態となったのち、装置内部は装置上部より乾
燥不活性ガス、例えば窒素、アルゴンなどにより加圧さ
れ、母材炭素気孔中への金属フッ化物の圧入は完了す
る。装置内部は徐冷されたのち、解放され、該炭素電極
は取り出される(以後、炭素ブロックの気孔中に金属フ
ッ化物を圧入することを「含浸」と称する)。本発明で
使用する該高耐久性炭素電極は母材自体あるいは母材以
上の機械的強度を有している。
【0018】尚、本発明の高耐久性炭素電極の曲げ強度
は、JIS R7222の方法に従って支点間距離40
〜80mmの3点曲げテスト(サンプルを2つの支点で支
持し、支点間の中央で下向きに荷重する)で測定するこ
とが出来る。
【0019】炭素ブロック気孔中に、金属フッ化物が占
める割合(以下、充填率と称する)は、炭素ブロック中
の気孔の量を1とするとき、以下の方法により求めるこ
とが出来る。母材の炭素ブロックのかさ比重をDA、真
比重をDR、気孔率をP、また金属フッ化物含浸後の炭
素ブロックの比重をDIとすると、充填率Xは、式1D
I=DA+X・P・DRにより求められる。気孔率は水
銀ポロシメーターにより測定することが出来る。充填率
は少なくとも30%以上が好ましく、さらに好ましくは
60%以上であれば範囲は特に限定されない。さらに言
えば、電極表面より、電極表面に対して垂直に電極内部
に向かって、数100μm〜数mmより内部の部分まで、
少なくとも充填率が60%以上に金属フッ化物が含浸さ
れていれば、ブロック全体にわたり金属フッ化物が含浸
されている必要は必ずしもない。
【0020】従来の炭素電極としては、F2 の電解製造
に用いられる各種炭素質電極が挙げられる。これらはF
2 の電解製造においてKF‐HF系溶融塩中で使用され
ている。これらをNF3 ガスの電解製造のためNH4
‐HF2成分系溶融塩中で使用すると、前述の通り、電
解中に、局部的な崩壊や、炭素電極表面の炭素粒子の脱
落により徐々に電極が消耗する。この現象はKF‐HF
系溶融塩中でも発生するが、NH4 F‐HF系では著し
く、最終的にはブスバー取り付け部付近、あるいは直方
体電極にあってはエッジ部より、大きく崩壊欠損するた
め使用には適さない。原因は前述のように考えられてお
り、実験的にとり得る対策は、前述したが、KFを添加
するのが最も効果的である。しかし、該NH4 F‐HF
2成分系溶融塩にKFが添加された3成分系溶融塩は、
前述の通り組成管理が難しく工業的な実施には不適当で
ある。
【0021】また、該3成分系溶融塩中で、炭素電極を
使用して電解を行うと、電流密度が1〜2A・dm-2
おいては極めて高い生成電流効率でNF3 ガスが得られ
るが、2A・dm-2を超えると該電流効率は、ニッケル
陽極における該電流効率を下回り、著しく減少する。こ
れは製造コスト面より考えると、工業的な実施価値は殆
ど無いと言わざるを得ない。
【0022】さて、本発明で重要な点はKFを全く含ま
ないNH4 F‐HF2成分系電解浴を使用する点であ
る。すなわち、本発明で供される高耐久性炭素電極は元
来フッ素(F2 )を製造する目的で開発されたもので、
KF‐HF系電解浴のようにHFの蒸気圧が低く、しか
も電解浴の表面張力が比較的高い系でしかその効果を発
揮できないものとされていた。また、NH4 F‐HF2
成分系電解浴のごとくHFの蒸気圧が高く、しかも電解
浴の表面張力が低い系では従来の炭素材料と同様に電極
としての機械的強度の低下、破壊といった現象が起きる
ことが予想され、本発明の目的が該高耐久性電極により
達成される期待はまったくといっていいほどなかった。
しかし、これらの高耐久性炭素電極は驚くべきことにK
FによってHFの蒸気圧を下げることなく、また、電解
浴の表面張力を高くすることなしにNH4 F‐HF2成
分系電解浴でのNF3 ガスの製造を可能とした。KFを
含有する3成分系溶融塩で問題であった、NF3 生成電
流効率が、本発明では解決されたが、KFを含まない2
成分系溶融塩の使用が大きく寄与していると考えられ
る。
【0023】この際、使用される溶融塩の詳細な組成と
しては、HFのNH4 Fに対するモル比が1〜3である
ことが望ましい。モル比が1未満の組成での該溶融塩は
熱分解性を帯びるために好ましくない。また、モル比が
3を超えるとHFの蒸気圧が高くなり、HFの損失が多
く、この損失により溶融塩組成の変動が大きくなるため
好ましくない。該モル比が1〜3であれば問題は殆どな
いが、より高い組成安定性を求めるならば、モル比が
1.5〜2の範囲が更に好ましい。
【0024】溶融塩の調製方法は、例えば、次のような
方法で行うことができる。一水素二フッ化アンモニウム
(NH4 HF2 )または/および無水フッ化アンモニウ
ム(NH4 F)と無水HFより調整する方法は、まず、
容器もしくは電解槽にNH4 HF2 または/およびNH
4 Fを所定量投入し、これに所定量の無水HFガスを吹
き込むものである。もうひとつの方法は、容器もしくは
電解槽中で、所定量のNH3 ガスとHFガスを直接反応
させて溶融塩を調整する方法で、さらに、フッ化アンモ
ニウム(NH4 F)と無水HFを反応させる方法であ
る。なかでも、NH3 ガスおよびHFガスの反応におい
ては、5〜70 vol%程度の乾燥不活性ガス、例えば、
窒素、アルゴン、ヘリウム、を同伴させて供給すると、
ガス供給管に溶融塩が逆流することもなく安定に調製で
きる。いずれも該溶融塩を容易に調製することが可能で
ある。尚、NH4 Fは著しい潮解性と熱分解性を有する
が、溶融塩原料として使用することは可能である。
【0025】該溶融塩の温度としては160℃以下が望
ましい。溶融塩の温度が160℃を超えると蒸気圧が著
しく高くなり、溶融塩の損失が多くなるばかりでなく、
電解生成ガスの導出口付近に揮発成分が凝縮固結し、閉
塞を引き起こす問題も生じる。電解浴の温度としては9
0℃〜160℃が望ましい。この時使用する溶融塩の融
点以上であることは当然である。90℃未満では、NF
3 ガスの生成電流効率の低下が問題となる。一方160
℃を超えると、NF3 ガスの生成電流効率より、むしろ
HFの蒸気圧の上昇によるHFの損失、ひいては溶融塩
組成の変動をもたらす。
【0026】次に電流密度について述べる。電流密度は
本発明の好適な態様において重要な項目である。本発明
によれば、電流密度は4〜30A・dm-2である必要が
ある。前記した従来の炭素電極をKF‐NH4 F‐HF
3成分系溶融塩中で使用した場合、NF3 ガス生成電流
効率が最大を与える電流密度は1〜2A・dm-2であっ
た。ところが意外なことに本発明においては、電流密度
が3A・dm-2未満では生成するガスの大半は窒素(N
2 )であり、NF3 ガス生成電流効率は非常に低く、こ
の電流密度領域でのNF3 ガスの合成は全く期待できな
い。ところが、驚くべきことに電流密度が4A・dm-2
以上では急激にNF3 ガスの生成量が増加し、逆にN2
の生成量は急減した。4A・dm-2以上の電流密度でも
陽極効果は発生せず、安定した電流電位挙動を示した。
但し、電流密度が30A・dm-2を超えると、電極近傍
で発生する熱の除去が難しくなり、安定した電解運転は
難しくなるとともに、NF3 ガス生成電流効率が減少す
る。尚、電流効率および除熱の観点から、電流密度の最
適領域として5〜20A・dm-2の範囲が好ましい。
【0027】なお、電解に用いられる陰極としては、一
般にNF3 ガスの電解製造に用いられている材料、たと
えば鉄、スチール、ニッケル、モネル等を使用すること
ができる。
【0028】
【実施例】以下、実施例及び比較例、参考例を挙げて本
発明を更に具体的に説明するが本発明の範囲はこれら実
施例に限定されるものではない。尚、以下においてppm
は特記しない限り容量基準を表わす。 (実施例1〜12)高耐久性炭素電極として、曲げ破壊
強度がおよそ60MPaおよび110MPaである炭素
を母材とし、これに金属フッ化物として、AlF3 +N
aF、LiF、3AlF3 +NaF、LiF+NiF2
を含浸(充填率0.60〜0.65)させたものを陽極
(たて×よこ×厚さ;100×50×10mm、有効面積
0.5dm2 )として用意した。該炭素陽極は東洋炭素
(株)において所定の処方により製造されたものを入手
した。NH4 F‐HF2成分系溶融塩は、容量約2リッ
トル電解槽中で調製した。真空乾燥したNH4 HF2
2200gを電解槽に仕込み、電解槽中にHFガス約8
00gを50g/min にて送入し調製した。溶融塩組成
はおよそNH4 F・2HFであった。これを電解液と
し、5,10及び20A・dm-2の電流密度について各
々90000C・dm-2を通電量とする電解を行った。
溶融塩の温度は120℃に設定した。この結果、電極の
崩壊はもとより陽極効果も発生せず、電解が可能であっ
た。また、通電量が80000C・dm-2の時点でガス
分析を行ったところCF4 の含有量も非常に低かった。
これらを表1〜4に示す。尚、ガス分析はTCD検出器
を有するガスクロマトグラフィーにて実施した。また、
NF3 ガスの電極近傍での生成反応は化1に示すものと
し、NF3 ガスの生成電流効率算出における反応電子数
は化1に従い、6とした。
【化1】 NH4 F+6F− → NF3 +4HF+6e−
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【0029】(実施例13〜15)実施例1〜3におい
て、充填率を0.4とした他は、実施例1〜3と同様に
行った。その結果、表5に示すように、実施例1〜3よ
りも若干CF4 含有量が高くなった他は、殆ど実施例1
〜3と同様であった。
【表5】
【0030】(製造例1)栓部に、容器底部付近に届く
テフロン製挿入管を2つ、及び1つの排気口を有する、
容量3リットル テフロン製容器を用意し、これを約7
0℃の温浴に浸した。挿入管の一方より50cc/min の
窒素を同伴する無水HFガスをHF重量で35g/min
で送入し、一方の挿入管より50cc/min の窒素を同伴
するNH3 ガスをNH3 重量で10g/min で送入し
た。テフロン容器内部では直ちにNH3 ガスとHFガス
が反応し、溶融塩が凝縮し始めた。約1時間で2リット
ル程の溶融塩、NH4 F・2HFが調製できた。
【0031】(比較例1〜3)既存の炭素陽極として、
曲げ強度が40MPaである炭素電極を使用した他は、
実施例1〜3と同様に行った。その結果、いずれの電流
密度で電解を行った場合でも、通電量がおよそ5000
0C・dm-2前後に達すると、陽極電位が不規則に上下
変動を始めた。また、70000C・dm-2付近でガス
分析を行ったところ、表6に示すように、生成ガス中に
含まれるCF4 量はNF3 生成量に対し、300〜50
0ppm であった。通電量が90000C・dm-2となっ
た時点で電解を停止し、電極を取り出し、電解槽中の溶
融塩表面を観察したところ、電極表面より剥離した炭素
と思われる黒色の浮遊物が認められた。電位の変動は電
極表面状態に対応して生じるものである。
【表6】
【0032】(比較例4〜9)実施例1〜6において、
陽極として使用する炭素母材の曲げ強度が25MPaで
ある他は、実施例1〜6と同様に行った。その結果、い
ずれの電流密度で電解を行った場合でも、通電量がおよ
そ70000C・dm-2前後に達すると、陽極電位が不
規則に上下変動を始めた。また、70000C・dm-2
付近でガス分析を行ったところ、表7〜8に示すよう
に、生成ガス中に含まれるCF4 量はNF3 生成量に対
し、200〜300ppm であった。通電量が90000
C・dm-2となった時点で電解を停止し、電極を取り出
し、電解槽中の溶融塩表面を観察したところ、電極表面
より剥離した炭素と思われる黒色の浮遊物が認められ
た。電位の変動は電極表面状態に対応して生じるもので
ある。
【表7】
【表8】
【0033】(参考例1〜6)実施例1〜6において、
金属フッ化物が含浸されていない母材炭素を陽極として
使用した他は、実施例1〜3と同様に行った。その結
果、電極の崩壊、陽極効果は発生せず、電解が可能であ
ったが、通電量が80000C・dm-2の時点でガス分
析を行ったところCF4 の含有量が実施例1〜6に比較
して若干高かった。これらを表9〜10に示す。
【表9】
【表10】 参考例1〜6は金属フッ化物が含浸されていない炭素ブ
ロックを使用した。
【0034】(実施例16)高耐久性炭素電極として、
曲げ強度がおよそ60MPaおよび110MPaである
炭素電極を母材とし、これに金属フッ化物として、Al
3 +NaF、LiF、3AlF3 +NaF、LiF+
NiF2 を含浸(充填率0.60〜0.65)させたも
のを陽極(たて×よこ×厚さ;50mm×5mm×1mm、有
効面積1cm2 )として用意した。該高耐久性炭素電極は
東洋炭素(株)において所定の処方により製造されたも
のを入手した。陰極には面積8cm2 のニッケル板を使用
した。NH4 F‐HF2成分系溶融塩は、容量約150
ccの電解槽中で調製した。真空乾燥したNH4 HF2
180gを電解槽に仕込み、電解槽中に無水HFガス約
32gを3g/min にて送入し調製した。溶融塩組成は
およそNH4 F・1.5HFであった。これと同様な操
作により、無水HFガス約53gを送入し、NH4 F・
2.5HFの組成の溶融塩を得た。電解浴温度100℃
にて電位走査法により、陽極電流密度−陽極電位曲線を
求めた。得られた結果を図1〜5に示す。電位走査は、
参照電極であるNiに対する電位として、0Vから10
Vvs.Niの間を走査速度0.03V/sec で行っ
た。図1〜5に示すように電位を貴な方向へ走査させた
場合約8Vvs.Ni以上で電流密度は極大となり、こ
れより貴な電位では、陽極効果発生時に見られる電流密
度値の急激な減少は観察されず、僅かな電流密度値の減
少傾向が観察された(貴な電位とは参照Ni電極の電位
に対する電位が、より高い電位であることを指す)。陽
極電流密度−陽極電位曲線を求めた後、陽極電位5Vv
s.Niでの定電位分極を1時間行なった。この後、電
解浴の表面の浮遊物の有無を確認したが、肉眼では何も
観察されなかった。
【0035】(実施例17〜18)高耐久性炭素電極と
して、曲げ強度がおよそ60MPaおよび110MPa
である炭素を母材とし、60MPaの炭素にはフッ化リ
チウムを、また110MPaの炭素にはAlF3 +Na
Fを含浸(充填率はそれぞれ0.65,0.64)させ
たものを陽極(たて×よこ×厚さ;100mm×50mm×
10mm、有効面積0.5dm2 )として用意した。該高
耐久性炭素電極は東洋炭素(株)において所定の処方に
より製造されたものを入手した。NH4 F‐HF2成分
系溶融塩は、容量約2リットルの電解槽中で調製した。
真空乾燥したNH4 HF2 約2200gを電解槽に仕込
み、電解槽中に無水HFガス約800gを50g/min
にて送入し調製した。溶融塩組成はおよそNH4 F・2
HFであった。これを電解液とし、5A・dm-2の電流
密度で各々80000C・dm-2を通電したところでガ
ス分析を行った。この結果を表11に示す。尚、ガス分
析はTCD検出器を有するガスクロマトグラフィーにて
実施した。
【0036】(比較例10)実施例16において、曲げ
強度がおよそ40MPaであり、金属フッ化物を充填し
ない炭素を陽極材とした他は、実施例16と同様に行っ
た。その結果、図6に示すように、電位を貴な方向へ走
査させた場合約6.5Vで電流密度は極大となり、陽極
効果が発生し、電流密度値の急激な減少が観察された。
また、定電位分極後の電解浴表面には黒色の浮遊物が観
察された。また、電極を取り出し、水洗を行ったとこ
ろ、黒色の微粉末が電極表面より遊離するのが観察され
た。黒色の浮遊物は炭素微粉末であると考えられる。
【0037】(比較例11)実施例17において、曲げ
強度がおよそ40MPaである炭素を母材とし、フッ化
リチウムの充填率が0.67である他は実施例17と同
様に行った。その結果を表11に示す。CF4 含有量は
実施例17と比較して明らかに多いことが分かる。
【表11】
【0038】(製造例2)製造例1と同様な操作によ
り、NH3 ガスをNH3 重量で10g/min で送入し、
無水HFガスをHF重量で22g/min で送入し、NH
4 F・HFの組成の溶融塩を得た(この反応ではNH3
ガスの一部は未反応のまま容器排気口から排出され
た)。また電解槽にNH4 Fを140g仕込み、これに
70gの無水HFガスを3g/min で送入した。かくし
て調製された溶融塩は固液2相となっていたため加温し
た。加温後の溶融塩の組成はほぼNH4 F・HFであっ
た。
【0039】
【発明の効果】本発明の方法によれば、不溶解性の炭素
電極を用いて、なお且つ、ニッケル電極に匹敵するNF
3 ガス生成電流効率が得られ、炭素電極であっても、特
に、CF4 生成量が少ない。且つ、二成分系のフッ化ア
ンモニウム‐フッ化水素系溶融塩を用いるので、これに
フッ化カリウムを添加した三成分系のように溶融塩の組
成管理が難しくない。そして、この三成分系で解決しよ
うとした炭素電極の欠点、即ち、電解中におけるその崩
壊、消耗、も該二成分系で解決している。また、本発明
方法によれば陽極効果の発生が防止できる。したがっ
て、本発明方法によれば、電解法の有利性を生かしたま
ま、ニッケルを陽極として使用したときに見られるよう
な溶解に起因する種々の問題点をも克服し、長時間、安
定的に電解を継続することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】曲げ強度60MPaの炭素ブロックにAlF3
+NaFを含浸、溶融塩組成NH4 F・1.5HFにお
ける、電位走査法による、陽極電流密度−陽極電位曲
線。
【図2】曲げ強度110MPaの炭素ブロックにLiF
を含浸、溶融塩組成NH4 F・2.5HFにおける、電
位走査法による、陽極電流密度−陽極電位曲線。
【図3】曲げ強度60MPaの炭素ブロックに3AlF
3 +NaFを含浸、溶融塩組成NH4 F・1.5HFに
おける、電位走査法による、陽極電流密度−陽極電位曲
線。
【図4】曲げ強度110MPaの炭素ブロックにLiF
+NiF2 を含浸、溶融塩組成NH4 F・1.5HFに
おける、電位走査法による、陽極電流密度−陽極電位曲
線。
【図5】曲げ強度110MPaの炭素ブロックにAlF
3 +NaFを含浸、溶融塩組成NH4 F・2.5HFに
おける、電位走査法による、陽極電流密度−陽極電位曲
線。
【図6】曲げ強度40MPaの炭素電極、溶融塩組成N
4 F・1.5HFにおける、電位走査法による、陽極
電流密度−陽極電位曲線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金丸 宗昭 山口県下関市彦島迫町七丁目1番1号 三井東圧化学株式会社内 (72)発明者 在塚 眞 山口県下関市彦島迫町七丁目1番1号 三井東圧化学株式会社内 (72)発明者 三本 敦久 山口県下関市彦島迫町七丁目1番1号 三井東圧化学株式会社内 審査官 新城 知子 (56)参考文献 特開 平5−5194(JP,A) 特開 平4−183885(JP,A) 特開 平3−104891(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C25B 1/00 - 15/08 C01B 21/083

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ化アンモニウム‐フッ化水素2成分
    系溶融塩を電解浴とし、曲げ強度が50MPa以上であ
    る多孔性炭素ブロックの気孔中に金属フッ化物を有する
    高耐久性炭素電極を陽極として電解することを特徴とす
    る三弗化窒素ガスの製造方法。
  2. 【請求項2】 電解電流密度が4〜30A・dm-2であ
    る請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 フッ化水素のフッ化アンモニウムに対す
    るモル比(HF:NH4 F)が1〜3であるフッ化アン
    モニウム‐フッ化水素2成分系溶融塩を電解浴とする請
    求項1又は2記載の方法。
  4. 【請求項4】 金属フッ化物が、フッ化リチウム、フッ
    化ナトリウム、フッ化セシウム、フッ化アルミニウム、
    フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化ニッケ
    ルからなる群より選ばれた少なくとも1種の金属フッ化
    物である請求項1〜3のいずれか1項の方法。
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