JP2854952B2 - 三弗化窒素ガスの製造方法 - Google Patents

三弗化窒素ガスの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は三弗化窒素ガス(NF3)の製造方法に関す
る。
更に詳しくは、フッ化水素とアンモニアを原料とする
NH4F・HF系溶融塩の電解法によるNF3ガスの製造方法に
関する。
(従来の技術及び発明が解決しようとする課題) NF3は沸点が−129℃、融点が−207℃の物性を示す無
色の気体である。
NF3ガスは半導体のドライエッチング剤やCVD装置のク
リーニングガスとして近年注目されているが、これらの
用途に使用されるNF3ガスは、高純度のものが要求され
ている。
しかしながら製造されるNF3ガスは、窒素(N2)、二
弗化二窒素(N2F2)、亜酸化窒素(N2O)、二酸化炭素
(CO2)、二弗化酸素(OF2)、四弗化炭素(CF4)、酸
素(O2)、未反応の弗化水素(HF)等の不純物を比較的
多量に含んでおり、本発明で対象とするNH4F・HF系溶融
塩電解法で製造されたNF3ガスも同様である。従って、
上記用途としての高純度のNF3ガスを得るためには精製
が必要である。
NF3ガス中のこれらの不純物を除去する精製方法とし
ては、下記する方法が知られている。
これらの不純物のN2F2、HF、CO2、N2、O2は比較的容
易に除去あるいは含有量を低減させる方法が知られてい
る。
即ち、1)N2F2はKI、Na2S、Na2S2O3等の水溶液と接
触させる方法〔J.Massonne,ケミー・インジェニュール
・テヒニール(Chem.Ing.Techn.)41,(12),695,(196
9)〕や148.9〜537.8℃の温度で金属と接触させる方法
(特公昭59−15081号)等を用い、ガススクラッバーあ
るいは熱分解装置を設置することで工業的にも簡単に除
去することができる。2)HFは水あるいは弱アルカリ性
水溶液への吸収が容易なことから、ガススクラッバーを
設置することで簡単に除去することが可能である。3)
CO2はアルカリ性水溶液への吸収が良好であるため、HF
同様にガススクラッバーを設置することで工業的にも簡
単に除去が可能である。4)N2やO2等の低沸点成分は、
−150〜−190℃の温度に冷却してNF3を液化することで
除去することができる。
しかし、OF2、N2Oも下記する方法で除去することは可
能であるが、工業的には完全とは言えない。5)OF
2は、Na2S2O3、KI、Na2SO3、HI、Na2S等の水溶液と接触
させる方法で除去することができる。しかし、吸収効率
が比較的低いため、OF2を含有するガスと該水溶液の接
触効率を上げるべく、大型のスクラッバーを設置した
り、高い濃度の水溶液を使用しなくてはならず、付帯す
る問題が多い、また、6)N2Oはゼオライト等の吸着剤
と接触させることで効率よく除去することができる〔Ch
em.Eng.,84,116,(1977)等〕。しかし、N2Oを含有する
ガスの通気後、ゼオライトの再生が必要であること、ま
た吸着能力の劣化によりゼオライトの更新が必要となる
等の問題がある。
しかしながら、CF4は上記した各方法では除去され
ず、その効果的な除去方法は未だ知られていない。また
CF4は沸点が−128℃であって、NF3の沸点と非常に接近
しているのでNF3の深冷蒸留によっても分離が困難であ
る。このためCF4の含有量を減らすためには、発生量そ
のものを抑制することが最も有効な方法である。
本発明で対象とするNH4F・HF系溶融塩中で耐蝕性に最
も優れた陽極材料は炭素である。しかしながら、炭素電
極で電解を行なうと、NF3中に対し数100容量ppmの割合
でCF4が生成するため、高純度のNF3製造には全く適して
いない。さらに、炭素電極においては陽極効果の発生が
実際の使用上の障害となる。
陽極効果とは、表面エネルギーの極めて低い膜が炭素
電極表面に形成されることによる二次的現像として電圧
が異常に上昇し、電流が殆ど流れなくなる現象を言う。
この現象が発生すると電解を継続できなくなるばかりで
はなく、電極表面の再生処理、著しい場合は電極の交換
も必要となる等、極めて深刻な状況となる。
陽極効果は、溶融塩中の微量水分によって引き起こさ
れるものであり、炭素電極で電解を行ない、陽極効果発
生を防ぐための水分の許容上限は、数100ppmとされてい
る。
ところが、本発明で対象とする溶融塩は、原料自体が
既に数1000ppmの水分を含有する酸性フッ化アンモニウ
ム(NF4F2H)あるいはフッ化アンモニウム(NH4F)にフ
ッ化水素を加えて調製されるものであるため、該調製さ
れた溶融塩には少なくとも数1000ppmの水分混入は避け
られず、この溶融塩をそのまま使用して炭素電極での電
解を行なうことは上記理由により困難である。
さて、このような場合、一般的には溶融塩中の水分を
除去する方法が採られる。これには通常、脱水電解を呼
ばれる方法が用いられ、このためには陽極効果を起こさ
ない電極材料、即ち、Niを電極として使用する方法が好
ましい。
脱水電解を伴う操業形態としては、脱水電解の実施後
に引続き電極を、炭素電極に切り替えて本電解を行な
い、溶融塩が消費されるに従い、溶融塩を補給して再び
脱水電解に戻る回分的方法と、脱水電解終了後の炭素電
極での本電解中に、消費量見合い分の溶融塩を少量づつ
補給し、本電解を行なう連続的方法とがある。
前者の回分的方法は、溶融塩中の水分量の許容範囲は
比較的広いものの、たびたびNi電極を使用することによ
る後述のスラッジの問題、及び頻繁な電極の切り替えが
必要であることから実際的な方法とは言えなない。
後者の連続的方法の操業形態としては、理想的である
が補給する溶融塩の水分含有量は、好ましくは500ppm以
下である必要があり、現状の溶融塩中の水分含有量では
陽極効果が発生するために好ましくない。補給する溶融
塩も脱水電解により脱水することも出来るが、やはり後
述のスラッジの問題を避けることはできない。
これらの理由により、CF4発生量低減のために従来は
炭素電極を使用せず、専らニッケル(Ni)あるいはNiを
主体とする合金が陽極として使用されてきた。
NiあるいはNiを主体とする合金は該溶融塩中におい
て、最も耐蝕性に優れた金属材料である。NiあるいはNi
を主体とする合金を電極として使用した場合、CF4の生
成も極めて低く抑えることができ、また、陽極効果の発
生も起こらない。
しかし、電解に供される電流の内、Niの溶解に使われ
る電流の割合(溶解の電流効率)は数%程度あり、陽極
Niの消耗は避けられない。このため、陽極Niの更新、あ
るいはNiの溶解により生成した溶融塩中のスラッジの除
去を、頻繁に実施しなくてはならず、大きな問題となっ
ている。
(課題を解決するための手段) 本発明者等はかかる状況に鑑み、鋭意検討を重ねた結
果、曲げ破壊強度の極めて高い炭素質材料を陽極として
使用し、また、NH4F・HF系溶融塩の原料として、NH4F2H
あるいはNH4Fを使用せず、溶融塩中のアンモニア源とし
て水分含有量の少ないアンモニア、並びに水分含有量の
少ないフッ化水素を使用すれば、陽極効果を引き起こさ
ない500ppm以下の水分含有量である原料溶融塩を供給で
きることを見出したものである。
該溶融液を供給しながら、耐蝕性の最も優れた炭素質
電極で、かつCF4の生成を抑えながら、該溶融塩の連続
的な電解を可能とし、さらに、水分に由来するN2O、OF2
等の不純物の低減が図れることを突き止め、本発明を完
成するに至ったものである。
即ち、溶融塩電解法により三弗化窒素ガスを製造する
において、フッ化水素とアンモニアより調製された溶融
塩を原料とし、曲げ破壊強度が1000kg/cm2以上である炭
素質電極を陽極とし、溶融塩電解法により電解を行なう
ことを特徴とする三弗化窒素ガスの製造方法に関する。
(発明の詳細な開示) 以下、本発明を詳細に説明する。
本発明を実施するためには、まず、調製された溶融塩
に外部から水分が侵入しない、密閉された溶融塩調製用
容器を用意する。該溶融塩調製用容器はフッ化水素ガス
とアンモニアガスの導入口を備え、また、溶融塩の抜き
出し、溶融塩調製用容器内部の圧力調整用の乾燥不活性
ガス導出入ができる構造となっている。その他に温度
計、圧力計、液面計が取り付けられる構造となっていれ
ば更に好ましい。また、溶融塩調製中の除熱、溶融塩保
存時の保温ができるよう加熱、冷却ができる構造となっ
ている。
溶融塩調製用容器は、テフロン製のものが好ましい。
ニッケル等の耐蝕性金属材料も使用できるが、フッ素樹
脂製あるいはフッ素樹脂をライニングあるいはコーティ
ングした溶融塩調製用容器が望ましい。尚、使用直前に
おいて該溶融塩調製用容器内部は、十分な乾燥を行なう
必要がある。
次に該溶融塩調製用容器内部を液体窒素より得た乾燥
窒素(N2)ガスで十分に置換する。アルゴン(Ar)、ヘ
リウム(He)等の不活性ガスも使用可能であるが、液化
ガスを気化させた乾燥ガスを使用する必要があり、コス
トを勘案するとN2ガスが好ましい。溶融塩調製用容器の
内圧はガスシールと乾燥窒素を供給する圧力調整器によ
り調製され、常時大気圧よりやや高く保たれるようにす
る。NH3およびHFはいずれもNH3及びHFの気化ガスを用い
た。これらに含まれる水分含有量は、一般的に100〜300
ppm以下であり、外部からの水分侵入が無ければ、調製
された溶融塩の水分含有量も低く保つことができる。
NH3ガスおよびHFガスは、ガス導入口を通じ溶融塩調
製用容器内部へ導入されるが、NH3ガスとHFガスの反応
は極めて速やかに進み、また発熱も大きいため、一時に
多量に導入することは避けるべきである。供給速度は溶
融塩調製用容器の大きさ、除熱能力を勘案し、適宜選択
される。
次に、調製された溶融塩の水分の定量を行なう。該溶
融塩が含有する水分は、およそ500ppm以下であり、簡易
な水分測定法であるカールフィシャー法で水分を定量す
ることは難しい。そこで、溶融塩中の水分含有量は、19
88年(財)電気化学協会秋季大会において、同志社大
学、堀雅彦等によって発表された論文「溶融フッ化物浴
中の水分定量法の検討」に記載の方法によって測定し
た。
該測定方法は、バインダーレスカーボを試験電極して
陽極に用い、白金/電解液の示す基準電極電位に対し電
位走査を行なう。この時現れる2つの電流ピークの高さ
の比率より、水分を定量する。即ち、2V付近に現れるピ
ーク高さは、試験電極の有効表面積に接する溶融塩中の
水分含有量に比例する。試験電極の有効表面積は8V付近
に現れるピーク高さに比例する。よって2つのピークの
高さの比は溶融塩中の水分含有量に比例するので、これ
により電解液中の水分含有量の検量線を求めることがで
きる。
これにより求めた溶融塩中の水分含有量は、400ppm以
下であり、NH4F2HあるいはNH4Fより調製した場合と比較
して半分以下であった。
次に電解を行なうが、炭素電極を用いたNH4F・HF系溶
融塩電解の運転形態は前述した理由により連続的方法を
適用する。
まず電解槽に溶融塩を仕込む。溶融塩は前述で調製し
たNH3ガスとHFガスからの溶融塩を用いたが、電解開始
時だけならば脱水電解を行なうことは差し支えないの
で、NH4F・HFあるいはNH4Fを原料として調製された溶融
塩を用いても構わない。
脱水電解はNi電極を陽極として、電流密度20mA/cm2
度で通電量40 A・hr/−溶融塩、以上の電解を行な
う。尚、陰極には鉄(Fe)を使用する。
次に電極の曲げ破壊強度が、1000kg/cm2以上を有する
炭素質電極(東洋炭素株式会社製)に切り替えて本電解
に移行する。
炭素質電極の曲げ破壊強度は1000kg/cm2以上が好まし
い。また、その他の特性として、ショア硬度100以上、
弾性係数1500kg/cm2以上、かさ比重1.6以上を有するも
のが、より好ましい。
曲げ破壊強度が1000kg/cm2未満では、電解により生成
するNH3ガス中のCF4の含有量が100ppmを越えるため、好
ましくない。
連続電解において供給される溶融塩は、電解槽とは別
に設けられた溶融塩調製用容器中で調製された、溶融塩
を供給しながら行なうこともできるが、電解槽そのもの
を該溶融塩調製用容器と考えても、本発明ではこれを等
価に実施出来るものである。
即ち、電解槽にNH3ガスとHFガスの導入口、槽内圧力
調製用の設備を新たに設けるだけでよい。電解槽で、原
料である溶融塩を調製しながら電解を行なうには、NH3
ガスとHFガスを供給すれば良いが、電解槽内の圧力変動
をできるだけ少なくするために、NH3ガスとHFガスの吹
き出し口は、電解槽内の気相部より溶融塩の液中に設け
られているのが好ましい。吹き出し口は出来るだけ接近
している方が電解槽中の溶融塩の組成が均一となるため
好ましい。またNH3ガス、NFガス共に溶融塩にはきわめ
て速やかに吸収されるため、供給量が少ない場合等は供
給管を逆流する虞がある。このためNH3ガスおよびHFガ
スに乾燥N2ガスを10〜20%程度同伴させると、逆流は起
こらずに安定に供給が可能となる。
尚、本発明はNH4F・HF系溶融塩中でCF4生成量を抑制
できる炭素質電極を用いて電解を行なうことを主目的に
実施例されるものであるが、Ni等の金属電極において電
解を行なうことも、水分含有量の少ない溶融塩を供給で
きるため、不純物であるOF2,N2Oの生成量を低く抑えら
れる利点を有している。
(実施例) 以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。
尚、以下において%、ppmは特記しない限り容量基準を
表わす。
実施例1 第1図に示す装置を使用して溶融塩を調製した。
まず、予め内面を十分に乾燥させた容量5の溶融塩
調製用容器1に乾燥N2ガス2を3/minにて30分間供給
し、容器内部を完全に乾燥N2ガスで置換した。
次に、溶融塩調製用容器1本体を80℃の調温浴5に浸
し、液化NH3ボンベより供給されるNH3ガス3、および無
水HFボンベより供給されるHFガス4を各々11g/min、39g
/minにて約100分間供給し、組成NH4F・2HFの溶融塩5kg
を調製した。この間、溶融塩調製用容器内圧の若干の変
動が微圧計6で観測されたが、圧力は正圧に常時保たれ
た。調製された溶融塩7の一部を水分定量用の小型セル
に導入し、水分含有量を測定したところ300ppmであっ
た。
次に容量約20の電解槽9に、溶融塩調製用容器1で
調製された溶融塩7を満たし、曲げ破壊強度1200kg/cm2
を有する炭素質電極を用いて、電流密度20mA/cm2、約10
00A・hrから逐次上昇し、電流密度100mA/cm2、約1000A
・hrで本電解を約1カ月行なった。この間、電解槽中の
溶融塩量を一定に保つため、溶融塩調製用容器1で調製
した溶融塩を適宜補給した。
以上の結果、炭素質電極を使用しての連続運転におい
て、陽極効果は発生せず、電解運転を長時間継続するこ
とが出来た。
また、陽極より発生したガスを液体窒素で冷却され
た、ステンレス製ボンベを用いて捕集した。該ガスを室
温においてボンベ内で気化させた後、ガスクロマトグラ
フィーにて分析を行なったところ、CF4の含有量は約20p
pm、OF2は検出限界以下であった。
実施例2 実施例1において最初に電解槽9に仕込む溶融塩を、
NH4F・HFおよびHF各々17kgと6.5kgにより調製された水
分含有量0.2%の溶融塩を調製し、陽極にNi電極を使用
して、電流密度20mA/cm2、約1000A・hrの脱水電解を行
なった後、陽極のNi電極を実施例1と同様の炭素質電極
に切り替えて、電流密度100mA/cm2で本電解を約1カ月
行なった。
その結果、炭素質電極を使用しての連続運転におい
て、陽極効果は発生せず、電解運転を長時間継続するこ
とが出来た。また、陽極12より発生するガス中に含まれ
るCF4は約25ppm、OF2は検出限界以下であった。
実施例3 実施例1で使用した電解槽9にNH3ガス導入口10とHF
ガス導入口11の供給口を設けた。該電解槽9に実施例1
と同様の方法で調製された溶融塩7を仕込み、炭素質電
極を用いて実施例1に従って電解を行なった。この間、
消費された溶融塩の補給は、乾燥窒素を10%同伴させた
液化NH3ボンベより供給されるNH3ガスおよびHFボンベよ
り供給されるHFガスを直接電解槽中の溶融塩に吹き込む
方法で行なった。
以上の結果、炭素質電極を使用しての連続運転におい
て、陽極効果は発生せず、電解運転を長時間継続するこ
とが出来た。また、陽極12より発生するガス中に含まれ
るCF4は20ppm以下、OF2は検出限界以下であった。
実施例4 実施例1において、炭素質電極の替わりにNiを陽極と
して使用した他は、実施例1と同様に行なった。
本電解中に陽極12より発生するガスを液体窒素で冷却
されたボンベを用いて捕集した。該ガスを室温において
ボンベ内で気化させた後、該ガスをガスクロマトグラフ
ィーにて分析を行なったところ、N2Oの含有量は約300pp
m、OF2は検出限界以下であった。
(比較例) 比較例1 実施例1において、炭素質電極で行なう、本電解中に
補給する溶融塩をNH4F・HFおよびHFにより調製された組
成NH4F・2HF、水分含有量0.12%の溶融塩を使用した他
は、実施例1と同様の方法で行なった。
その結果、本電解開始後3日目に陽極効果が発生し、
電解の継続が不可能となった。
比較例2 実施例1において、曲げ強度800kg/cm2の炭素質電極
を使用した他は実施例1と同様に行った。
その結果、陽極より発生するガス中に含まれるCF4は2
70ppmであった。
比較例3 実施例4において、本電解中に供給する溶融塩にNH4F
・HFおよびHFにより調製された組成、NH4F・2HF、水分
含有量0.2%の溶融塩を使用した他は、実施例1と同様
の方法で行なった。本電解中に陽極より発生するガスを
液体窒素で冷却されたボンベを用いて捕集した。該ガス
を室温においてボンベ内で気化させた後、ガスクロマト
グラフィーにて分析を行なったところ、N2Oの含有量は
約2000ppm、OF2は約200ppmであった。
(発明の効果) 本発明は以上詳細に説明したように、NH4F・HF系溶融
塩の電解法によりNF3ガスを製造するに際し、溶融塩中
の水分含有量を低く抑え、かつ曲げ破壊強度の大きい炭
素質電極を用い、CF4の生成を抑え、なおかつ陽極効果
を起こさずに、安定した電解を継続させることの出来る
非常に有効な方法である。
これにより、曲げ破壊強度の大きい炭素質電極を使用
することにより高純度ガスが製造できるだけでなく、従
来のNiあるいはNiを主体とする合金を陽極とし、原料に
NH4FあるいはNH4F・HFを用いてNF3ガスを製造する際に
問題であった課題が解決した。
即ち、溶解により消耗した電極の更新及びその作業の
簡略化、電極の溶解により溶融塩中に蓄積するスラッジ
の除去、不純物ガス発生の増加等による、製造コスト増
加、危険作業を削減することが可能となった。
更には、低い水分含有量の溶融塩を用い、継続して電
解を行えることから、水分が原因となる不純物であるN2
O、OF2等の不純物生成量も従来に比較して低く抑えられ
る利点も有している。
このことはNiを陽極として使用する従来の製造方法に
採用されても同様の結果を得ることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例及び比較例で使用した溶融塩調製装置及
び電解装置を示す断面図である。 図において、 1……溶融塩調製用容器、 2……N2ガス導入口、 3……NH3ガス導入口、 4……HFガス導入口、 5……調温浴、 6……微圧計、 7……溶融塩、 8……溶融塩抜出口弁、 9……電解槽、 10……NH3ガス導入口(電解槽吹き込み用) 11……HFガス導入口(電解槽吹き込み用) 12……陽極、 13……陰極、 14……隔壁、 15……陽極ガス出口管、 16……陰極ガス出口管、 17……調温用ヒーター及びクーラー、 を示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶融塩電解法により三弗化窒素ガスを製造
    するにおいて、フッ化水素とアンモニアより調整された
    溶融塩を原料とし、曲げ破壊強度が1000kg/cm2以上であ
    る炭素質電極を陽極とし、溶融塩電解法により電解を行
    なうことを特徴とする三弗化窒素ガスの製造方法。
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