JP3036283B2 - ヒータ付酸素濃度センサ - Google Patents

ヒータ付酸素濃度センサ

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JP3036283B2
JP3036283B2 JP5021263A JP2126393A JP3036283B2 JP 3036283 B2 JP3036283 B2 JP 3036283B2 JP 5021263 A JP5021263 A JP 5021263A JP 2126393 A JP2126393 A JP 2126393A JP 3036283 B2 JP3036283 B2 JP 3036283B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ジルコニア(Zr
2 )固体電解質を利用した酸素濃度センサに関し、よ
り詳しくは、積層型のヒータ付酸素濃度センサに関す
る。
【0002】
【従来の技術】ジルコニア酸素センサには従来の試験菅
状型構造から、小型化およびコスト低減を図るように、
積層シート法を応用した積層型構造のものが提案されて
いる。積層型酸素センサは小型化されて熱容量が小さく
なっているので、一般的には、エンジン始動後からセン
サが活性となるまでの時間「ライトオフタイム」が短縮
できる。しかしながら、実際の車両において、特に、寒
冷地での低温時の始動では、センサの熱容量が小さいた
めに、排気ガスへの熱逃げが大きく、コールドエミッシ
ョンの点で不利であり、ヒータによるセンサの付加加熱
がなされている(例えば、特開昭63−149551号
公報、特開平4−194662号公報参照)。
【0003】従来の積層型のヒータ付酸素濃度センサの
一例を図1の断面図に示す。このセンサは、両面に多孔
性の白金(Pt)電極2a、2bを配した酸素検知部で
あるジルコニア(固体電解質)層1と、大気につながっ
た空気空間3を有するセラミックス(アルミナ)ダクト
部4と、ヒータ5を有するセラミックス(アルミナ)基
板部6とからなる。まず、アルミナ基板部6のグリーン
シートの上にPtペーストをスクリーン印刷でヒータパ
ターンに塗布する。アルミナダクト部4のグリーンシー
トを射出成形法で内部にL字型貫通孔を有するように形
成する。また、ジルコニア層1のグリーンシートの両面
にPtペーストを電極形状にスクリーン印刷する。これ
らを図1に示すように、積層して全体を同時に焼成する
ことによって一体になった酸素濃度センサが得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ヒータ内蔵の積層型酸
素濃度センサでは、ヒータが外気につながった空気空間
を介してその上方のジルコニアセンサ部を加熱するよう
になっているので、ヒータからの発熱がジルコニア(固
体電解質)層の加熱に有効に利用されていない。そこ
で、ヒータの加熱効率を上げるために、ヒータパターン
の改良、ヒータ面積の拡大、ヒータ容量の増大などが考
えられているが、いずれも、信頼性の低下(例えば、ヒ
ータの断線など)やセンサ素子全体の大型化、消費電力
の増大を招きあまり実用的でない。
【0005】本発明の目的は、ヒータ付の積層型酸素濃
度センサでのヒータ発熱を効率よくジルコニア固体電解
質センサ部の加熱に利用できるようにした酸素濃度セン
サを提供することである。本発明の別の目的は、「ライ
トオフタイム」を短縮することのできる酸素濃度センサ
を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の目的が、ヒータを
有するセラミックス基板部および該基板部の上に一体的
に形成されかつ空気空間を有するセラミックスダクト部
からなるセラミックス基体と、該ダクト部の上に搭載さ
れかつ両面に外側電極および内側電極を備えたジルコニ
アセンサ部とからなるヒータ付酸素濃度センサにおい
て、前記ジルコニアセンサ部に対応する前記セラミック
ス基体の領域の上に、全赤外域で放射率が高い遠赤外線
輻射層を設けることを特徴とするヒータ付酸素濃度セン
サによって達成される。
【0007】放射効率の高い遠赤外線輻射層には、全赤
外域で放射率が高く、黒体に近い放射特性を持つ遷移元
素酸化物、例えば、MnO2 、Fe2 3 、CuO、C
oOなどを一種または複数組み合わせたものをベースと
して、セラミックス(アルミナ)ダクト部との密着性お
よび耐熱衝撃性を確保するために、コージェライト(2M
gO・2Al2O3・5SiO2 ) 、β−スポジュメン(Li2O・Al2O
3 ・4SiO2)、チタン酸アルミニウム( Al2O3 ・TiO2) な
どの低膨張性でアルミナ(Al2O3 )含有のセラミックス
を添加混合したものであるのが好ましい。ベースに添加
混合するセラミックスはアルミナをその組成中に含有し
ているので、セラミックスダクト部との強固な密着を達
成するのに寄与している。セラミックスダクト部がアル
ミナ以外のセラミックスである場合には、それに応じた
添加セラミックスを用いることになる。
【0008】
【作用】本願発明では、図1に示したような従来の積層
型であるヒータ付酸素濃度センサにおいて、セラミック
ス基体(セラミックスダクト部)でのジルコニアセンサ
部に対応する領域の上に放射効率の高い遠赤外線輻射層
を付加形成してある。この遠赤外線輻射層によってヒー
タの熱が直接輻射で従来よりも効率良くジルコニアセン
サ部に伝達されて、加熱効果を高めることができる。
【0009】
【実施例】以下、添付図面を参照して、本発明の実施態
様例および比較例によって本発明を詳細に説明する。図
2に本発明に係るヒータ付酸素濃度センサを示す。この
センサの構造は基本的には図1での従来のヒータ付酸素
濃度センサと同じであり、遠赤外線輻射層7がジルコニ
ア(固体電解質)層1に面するセラミックスダクト4の
上に付加形成されている。さらに、セラミックス基板部
6およびセラミックスダクト4の外周に、熱逃げを抑制
するための保温層8を付加形成しても良い。この保温層
8は、熱輻射の低い物質(例えば、TiO2 、CeO2
など)を溶射法、浸漬ないし塗布後の焼成法によって配
設することができる。
【0010】本発明に係るヒータ付酸素濃度センサを製
造するには、従来例のセンサを製造して得た後で、下記
組成の遠赤外線輻射層7のスラリーを用意して、それを
マイクロディスペンサーなどでセラミックスダクト4の
開口から内側電極2bの下方に(対向位置に)まで入れ
て、セラミックスダクト4の底面の上に少なくともジル
コニア層1の表出面積程度で配置する。(また、該スラ
リーの粘度を低くして、セラミックスダクト4の底面の
全面に配置することもできる。) MnO2 粉(60wt%)、Fe2 3 粉(20wt%)、
CuO粉(10wt%)およびCoO粉(10wt%)を混
合し、仮焼し、粉砕して仮焼粉を作り、この仮焼粉(3
0wt%)と、コージェライト粉(70wt%)と、バイン
ダーと、溶剤とを混合して、スラリーとする。
【0011】そして、遠赤外線輻射層7の焼成温度まで
加熱して、層7をしっかりとセラミックスダクト4に付
着させ、本発明のセンサが得られる。なお、アルミナの
焼成温度は1500〜1600℃であり、一方、この遠
赤外線輻射層用のセラミックスの焼成温度は1100〜
1200℃であり、2回焼成を行うわけである。このよ
うにして得たヒータ付酸素濃度センサは保温層8のない
ものであり、20Wの電力印加でのヒータ5の加熱によ
る、ジルコニアセンサ部のジルコニア層1の表面温度上
昇を調べて、図3に示す結果(実線)が得られた。比較
例として、遠赤外線輻射層のない従来のヒータ付酸素濃
度センサ(図1)についても、ヒータ5の加熱によるジ
ルコニア層1の表面温度上昇を調べて、図3に示す結果
(破線)が得られた。本発明のセンサは従来のセンサよ
りも早くかつ高温にジルコニア層1を昇温できる。さら
に、酸素濃度センサとしての立ち上がり特性(LA#4
モード)での到達時間は、図4に示すように、本発明の
センサで約15秒と、従来のセンサの約40秒よりもか
なり短くなった。このように、従来の積層型ヒータ付酸
素濃度センサに比較して、本発明のセンサではヒータの
加熱効率、低温時の立ち上がり特性が大幅に向上してい
る。
【0012】材質による赤外線放射率を、アルミナ焼
結板それ自身、アルミナ板の上にコージェライトをコ
ーティングしたもの、アルミナ板の上にTiO2 をコ
ーティングしたもの、そして、本発明のようにアルミ
ナ板の上に上述した組成の遠赤外線輻射層をコーティン
グしたもののそれぞれについて加熱して調べると、図5
に示す結果が得られる。図5から分かるように、本発明
にて用いる遠赤外線輻射層(コージェライト、Mn
2 、Fe2 3 、CuOおよびCoOの混合物層)
では、全赤外域で極めて高い放射率を有する。一方、T
iO2 コーティング層では放射率が全般にわたって低
い。したがって、遠赤外線輻射層からは熱輻射が多く
発せられて、ジルコニアセンサ部を加熱することができ
る。そして、保温層8(図2)をTiO2 層で構成する
ならば、アルミナよりも熱放射を抑制して熱損失を減ら
す(保温効果をもたらす)ことになる。
【0013】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るヒー
タ付酸素濃度センサは遠赤外線輻射層を備えて、直接熱
輻射によるジルコニアセンサ部の加熱効果によって、従
来よりも早く濃度センサが活性となり、正常に機能す
る。さらに、内蔵ヒータによる発熱のみならず、センサ
の置かれている雰囲気(排気ガス)からの熱を受けるこ
とによっても、遠赤外線輻射層が赤外線放射を行うの
で、排気ガスの温度がある程度高い(400〜500
℃)ときには、その熱輻射も加算されて、通常よりも少
ないヒータ電力でセンサの活性を維持することができ
る。これにより、ヒータの低消費電力化ないしヒータパ
ターンの簡素化が可能になり、濃度センサのコンパクト
化、高信頼性化に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の積層型ヒータ付酸素濃度センサの概略断
面図である。
【図2】本発明に係る積層型ヒータ付酸素濃度センサの
概略断面図である。
【図3】ヒータ付酸素濃度センサでのジルコニアセンサ
部の昇温グラフである。
【図4】酸素濃度センサとしての立ち上がり特性(LA
#4モード)での到達時間のグラフである。
【図5】アルミナ板、コーティング層の分光赤外線放射
率曲線のグラフである。
【符号の説明】
1…ジルコニア(固体電解質)層 2a、2b…電極 3…空気空間 4…セラミックスダクト部 5…ヒータ 6…セラミックス基板部 7…遠赤外線輻射層 8…保温層

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒータを有するセラミックス基板部およ
    び該基板部の上に一体的に形成されかつ空気空間を有す
    るセラミックスダクト部からなるセラミックス基体と、
    該ダクト部の上に搭載されかつ両面に外側電極および内
    側電極を備えたジルコニアセンサ部とからなるヒータ付
    酸素濃度センサにおいて、 前記ジルコニアセンサ部に対応する前記セラミックス基
    体の領域の上に、全赤外域で放射率が高い遠赤外線輻射
    層(7)を設けることを特徴とするヒータ付酸素濃度セ
    ンサ。
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