JP3035554B2 - ステロールエステル化物 - Google Patents

ステロールエステル化物

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はステロールとマカデミアナッツ油脂肪酸エス
テル化物を有効成分とすることを特徴とする相溶性、安
定性に優れ、皮膚との馴染みがよく、ソフトで滑らかな
使用感を有する新規な化粧品用の油性原料に関するもの
である。
[従来の技術と問題点] 従来、皮膚または頭髪用化粧料として各種のエステル
類が使用されている。それらのエステルの中でもコレス
テロール、ジヒドロコレステロール、フィトステロール
などのステロールと高級脂肪酸とのエステルは皮膚の保
湿成分または細胞間脂質としてその重要性が認識され、
これらに関する多くの特許が出願されている。
例えば特開昭59−1407によればコレステロールの分岐
脂肪酸エステルは皮膚組織に対する刺激が極めて低いと
されている。
特開昭57−45199では12−ヒドロキシ脂肪酸またはリ
シノール酸の分子間オリゴエステルとステロールのエス
テルが乳化性、抱水性および保湿性に優れた化粧料を与
えるとされている。しかしながらこのエステルは皮膚に
塗布した場合にべた付き、重い感じを与えるという欠点
がある。
特開昭60−199809ではラノリン脂肪酸のステロールエ
ステルが乳化性、抱水性および保湿性に優れた皮膚にべ
た付のない優れた化粧料基剤であるとされている。しか
しながらこのエステルは融点が高く、脂肪酸の分子量分
布が広いため、融点の巾が広く、体温付近でシャープに
融けないという欠点がある。
また特開昭58−140007ではイソステアリン酸とジヒド
ロコレステロールエステルについて前記の特性に加え、
酸化安定性がよいと述べられている。
しかしいずれのエステルも使用感においてべた付き及
び重い感じがあったり、融点、安定性に問題があるなど
の欠点があった。
また抱水性が高いために従来から用いられているラノ
リンは、比較的稀ではあるがアレルギー発現性を示す人
のいることが知られている。
[問題点を解決するための手段] 本発明者らは上記現状に鑑み、相溶性、安定性に優
れ、皮膚との馴染みがよく、ソフトで滑らかな使用感を
有する新規な化粧品用の油性原料に関する研究を行った
結果ステロールとマカデミアナッツ油脂肪酸とのエステ
ル化物が上記欠点を克服できることを見いだし、本発明
を完成した。
すなわち、本発明はステロールとマカデミアナッツ油
脂肪酸とのエステル化物を有効成分とする新規の化粧品
用の油性原料である。
マカデミアナッツ油(MAO)はオーストラリア、ハワ
イ、アフリカなどで産するヤマモガシ科に属する亜熱帯
性の果樹マカデミアの木の実マカデミアナッツから圧
搾、溶媒抽出などの処理により得られる液状のトリグリ
セリド油であり、その構成脂肪酸はミリスチン酸0.2〜
1%、パルミチン酸7〜10%、パルミトオレイン酸20〜
27%、ステアリン酸2.5〜3.8%、オレイン酸54〜58%、
リノール酸1.5〜2.8%、アラキジン酸2〜3%、エイコ
セン酸2〜3%とからなり、植物油としてはパルミトオ
レイン酸を特異的に多く含んでいる酸化安定性に優れた
低粘度油である。
本発明で使用するアカデミアナッツ油は圧搾、抽出粗
油でもよいが、常法により脱色、脱臭した精製油が好ま
しく、トコフェロール、BHTなどの酸化防止剤を0.002〜
0.2%程度含有するものでもよい。
さらに本発明で使用するアカデミアナッツ油脂肪酸は
このアカデミアナッツ油より得られるが、ケン化分解、
精製したものを使用してもよく、またケン化分解するこ
となく直接エステル交換反応によりステロールエステル
化物を得てもよい。
ケン化分解、ステロールエステル合成は酸、アルカリ
触媒を用いる化学的な反応でも、油脂分解酵素(リパー
ゼ、エステラーゼ)をもちいる公知の酵素的な反応でも
よい。(EP−0195311 A2、特願昭62−271487、特願昭6
3−22496、特願昭61−200997、特開平1−218593参照) 化学的な分解は通常行われる方法でよいが、アルカリ
を触媒とするケン化分解が得られる脂肪酸の方が品質が
よいため好ましい。必要なアルカリ触媒の量は原料油脂
のケン化価を基準として通常1.5〜5倍量程度をのアル
カリ水溶液を加えればよい。分解反応条件は特に制限な
く、温度、圧力ともにかなり広い範囲で選択可能である
が低温(70〜150℃)、低圧力(0〜8kg/cm2)のほうが
得られる脂肪酸の品質がよく好ましい。反応後食塩水を
加えて塩析しグリセリンと分離後、硫酸、塩酸、燐酸な
どで分解し、水洗して脂肪酸を得る。
酵素的な分解では化学的な分解に比べて反応条件が穏
やかなため、脂肪酸の品質がよくなり、好ましい。酵素
としては油脂分解酵素の中から位置特異性のないものを
選び、各々の酵素に適した反応条件で反応させればよ
い。
酵素の添加量は各々の酵素の力価により決定し、温
度、PH、反応時間、無機塩類の濃度なども最適条件にあ
わせれば良い。
分解後グリセリンを静置により分離し、脂肪酸を回収
して使用すればよい。このとき、酵素活性を疎外しない
溶媒を用いると分離、精製が簡単になり好ましい。
また酵素法の場合には、酵素によるステロールエステ
ルの合成の反応の平衡が合成側に著しく偏っており、し
かも分解酵素が合成活性をも持っていることを利用し
て、分解後、静置などによりグリセリンを大ざっぱに除
去し、その後ステロールを添加してそのまま合成反応に
移ることもできる。
分解、精製した脂肪酸にステロール、酵素を添加して
ステロールエステルを合成してもよい。反応の平衡は合
成側に偏っているため系内の水を除去しなくても95%程
度の合成率を得ることはできるが、公知の方法で生成す
る水を除去すると100%近くの合成率を得ることができ
る。
あらかじめ加水分解を行わず、直接エステル交換によ
って本発明のエステルを得ることもできる。この場合、
反応系に溶媒を添加すると、ステロールとMAOが疎水性
の溶媒相にとけるため、好ましい。ステロールははじめ
から必要量を添加してもよく、また反応の進行に伴い段
階的に添加していってもよい。とけずに懸濁しているス
テロールは反応の進行により、溶解したステロールがエ
ステルになって消費されるに従って溶媒中に溶けること
によって補給される。反応系内の水の量は反応の平衡が
ステロールエステル合成側に偏っているのでとくに厳密
な制御を必要としない。
しかしながら最終的にはステロールエステルの中に1
部グリセリンエステルが残存するので、途中の段階で遊
離してきたグリセリンを静置分離して系外へ除去するこ
とがエステル純度を高くするために好ましい。
化学的なステロール合成法としては特開昭59−1407、
特開昭57−45199、特開昭60−199809、特開昭58−14000
7などの公知の方法を用いれば良い。
また通常、反応後期の合成率は徐々に変化するので、
経時分析により容易に任意のエステル化度のエステル化
物を得ることができる。
本発明者らは本発明のエステル化物がそのエステル化
度によって異なる抱水性を示すという興味深い事実を見
いだした。すなわち、エステル化物中の未反応の遊離ス
テロールと含水価(W/U)の間には強い相関関係があ
り、ステロール含有量が2.5〜10%の間で最大のW/Uを示
した。
マカデミアナッツ油脂肪酸コレステリル(MAC)、マ
カデミアナッツ油脂肪酸ジヒドロコレステリル(MA
D)、マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル(MAS)
について遊離のステロールとW/Uの関係を下記表に示
す。
従って、クリーム、乳液などの乳化系の医薬、化粧料
に用いる場合はエステル化度を調製し、ステロール含有
量が2.5〜10%のものを用いることが好ましい。
皮膚に塗布した場合、エステル化度によって使用感は
ほとんど変化しないので用途によってエステル化度を調
製してもなんら問題は起こらない。
ステロールとしてはコレステロール、ジヒドロコレス
テロールおよびブラシカステロール、β−シトステロー
ル、カンペステロール、スチグマステロールの混合物と
して得られるフィトステロールなどを用いることができ
る。フィトステロールは通常ブラシカステロール0〜8
%、カンペステロール22〜42%、スチグマステロール2
〜30%、β−シトステロール35〜70%の混合物として得
られる。
ステロールとマカデミアナッツ油脂肪酸とのエステル
化物の配合量は化粧料の種類により変化するが、一般的
には0.1〜50重量%程度で効果を発揮する。本発明のエ
ステルは単独で用いることもできるが従来より用いられ
ている他の化粧料成分(水溶性基剤、油性成分など)お
よび添加剤と併用することもできる。添加剤としては例
えばカップリング剤、可塑剤、緩和剤、シックナー、潤
滑剤、皮膜形成樹脂、浸透剤、緩衝剤、界面活性剤、香
料、染料、顔料、保存剤、紫外線吸収剤、気泡安定剤、
柔軟剤および酸化防止剤などがあげられる。
化粧料の種類としては乳液、口紅、リップクリーム、
クレンジングクリーム、コールドクリーム、ハンドクリ
ーム、パウダー、ファンデーション、マスカラ、アイシ
ャドウ、ローションなどの皮膚化粧料、あるいはヘアー
ブロー、ポマード、ヘアークリーム、ヘアーオイル、チ
ック、ヘアースプレイ、セットローション、ヘアーリン
ス、ヘアートリートメントなどの頭髪用化粧料をあげる
ことができる。
これらのうち、乳液、クリームなどの場合には他の油
性成分と共に、水、グリセリン、アルコール、その他の
有機溶剤などの媒体に分散して化粧料とされる。また口
紅、リップクリーム、ポマードなどの場合は他の固形油
性成分と配合して化粧料とされる。
[発明の効果] 本発明によれば本発明のエステル自体が高い抱水性と
皮膚温近くでのシャープな融点、皮膚との高い親和性、
他の油性原料との相溶性を持つため、化粧料とした場
合、安定性が高く、保存性に優れ、皮膚との馴染みがよ
く、保湿性に優れた安全で使用感がさっぱりとした優れ
た化粧料が得られる。さらに本発明のエステルは抱水性
に優れているため、クリーム、乳液とした場合には皮膚
にしっとりとしたうるおいを与えることが見いだされ
た。
また本発明のエステル化物中のステロール含量とW/U
の関係について検討した結果、ステロール含量が2.5〜1
0%のときもっとも高いW/Uが得られ、このものは従来高
いW/Uを持つ化粧品用基剤として多用されているラノリ
ンよりははるかに優れたW/Uを示すことを見いだした。
ラノリンは、比較的稀ではあるがアレルギー発現性を
示す人のいることが知られており、その原因物質はラノ
リン中に存在する遊離のアルコールをはじめとする極性
物質であるとされているが、本発明のエステルにはこれ
らの極性物質は全くなく、従ってアレルギー発現性の心
配のない安全性の高い基剤である。
[実施例] 以下ステロールとマカデミアナッツ油脂肪酸のエステ
ル調製例について説明し、更に化粧料としての配合例を
挙げ、本発明を説明する。各例中、%は重量%である。
調製した化粧料の評価は10人のパネラーにより行い、そ
の総合評価をまとめてしめした。
調製例1.マカデミアナッツ油脂肪酸ジヒドロコレステリ
ル(以下、MADと表示) ケニア産のマカデミアナッツを圧搾抽出して得た粗油
を24時間静置し、水分とオリをデカンテーションにより
除去した後、真空下105℃に加熱、活性白土2%を添加
し5分間脱色処理し、活性白土をロカにより除去した。
この油を190℃にて2時間、水蒸気蒸留を行い、無色、
無臭のマカデミアナッツ油を得た。原油および精製油
(MAO)の一般分析値を下表に示す。
このMAO1kgと15%カセイソーダー水溶液2.8kgを5Lオ
ートクレーブにいれ140℃で5時間反応させた。反応液
を取りだし食塩水を加えて塩析し、上層を回収。ヘプタ
ンを加えてナトリウム石鹸を硫酸で酸分解、水洗後脱溶
剤して脂肪酸を得た。
この脂肪酸の組成はCLC分析(FID検出器、面積%)に
よれば、ミリスチン酸0.4%、パルミチン酸8.0%、パル
ミトオレイン酸22.0%、ステアリン酸3.0%、オレイン
酸57.3%、リノール酸2.0%、アラキジン酸2.5%、エイ
コセン酸2.5%であった。
このマカデミアナッツ油脂肪酸510gに、ジヒドロコレ
ステロール500g、パラトルエンスルフォン酸2.5gを添加
し、チッソガスを吹き込みながら、減圧下、100〜110℃
で48時間攪拌、反応させた。反応後アルカリ脱酸、脱
色、水洗し触媒および未反応脂肪酸を除去してMADを得
た。MADの組成、分析値は次のとおりであった。
エステル (%) 93.8 未反応ステロール (%) 6.2 酸価 0.1 ケン化価 81.8 ヨウソ価 34.2 mp(粧原基第2法) (℃) 43.4 色調(ガードナーホルツ) 4 含水価 (%) 360 調製例2.マカデミアナッツ油脂肪酸コレステリル(以
下、MACと表示) 調製例1と同様にして得たMAOを1.25kgと、イソオク
タン2Lを攪拌機付きのガラス製4つ口反応器にいれ、油
脂分解酵素リパーゼOF(名糖産業社製)2gを蒸留水100m
lにとかし添加して37℃で4時間反応させ、加水分解し
た。
4時間後蒸留水を加え静置して、分解により生成した
グリセリンを除去した後上層のイソオクタンにコレステ
ロール1.12kg、蒸留水1LにとかしたOF5gを加え、37℃で
48時間エステル合成反応を行った。
48時間後、未反応の脂肪酸、酵素を脱酸水洗除去し、
MACを得た。このMACの組成および一般分析値は次のとお
りであった。
エステル (%) 94.7 未反応エステル (%) 5.3 酸価 0.1 ケン化価 84.3 ヨウソ価 47.4 mp(粧原基第2法) (℃) 42.0 色調(ガードナーホルツ) 1以下 含水価 (%) 360 注)測定法は注記以外は化粧品原料基準法による。
含水価はワセリン/MAC=5g/5gを試料として常法によ
り測定し、試料10gに対する%で表示した。
調製例3.マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル(以
下、MASと表示) コレステロールをフィトステロールに替えて、調製例
2と同様にして60時間反応させMASを得た。フィトステ
ロールの組成はブラシカステロール2%、カンペステロ
ール32%、スチグマステロール10%、β−シトステロー
ル55%のものを使用した。MASの組成、分析値は次のと
おりであった。
エステル (%) 96.5 未反応ステロール (%) 3.5 酸価 0.0 ケン化カ価 78.3 ヨウソ価 45.5 mp(粧原基第2法) (℃) 41.6 色調(ガードナーホルツ) 1以下 含水価 (%) 210 実施例1.エモリエントクリーム [油相成分] % スクワラン 15.0 コレステロール 5.0 MAC 45.0 モノステアリン酸ソルビタン 8.0 モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン (E.O.20) 2.0 パラオキシ安息香酸エステル 0.1 [水相] グリセリン 2.0 精製水 22.9 上記油相成分、水相を各々70℃にて溶解した後、乳化
機にて混合し、クリームを得た。
比較例1. 実施例1のMACをワセリンに置き換え、同様にしてク
リームを調製した。
実施例1のクリームは比較例1にくらべ、クリーム自
体の腰は強いが、皮膚への親和性が良好なため、塗布す
ると柔らかで、べた付きがなく優れた使用感であった。
クリームを調製する際に腰のない素材とあわせて使用
すれば適度な腰を持った柔らかい感触のクリームを調製
できる。
実施例2.乳液 [油相成分] % 流動パラフィン(#70) 8.0 MAC 5.0 ステアリン酸 2.0 グリセリンモノミリスチン酸エステル 2.0 ポリオキシエチレンラノリンアルコール 1.0 (E.O.20) [水相] 精製水 52.0 グリセリン 5.0 カルボキシビニルポリマー(1%水溶液) 20.0 エタノール 5.0 上記油性成分、水相を各々70℃にて溶解した後、乳化
機にて混合し、乳液を得た。
比較例2.乳液 実施例2のMACをワセリンに替えて、実施例2と同様
に乳液を調製した。
実施例2の乳液は比較例2にくらべ、皮膚への親和性
は極めて良好で、塗布時滑らかに延びてべた付がなく、
かつ長期感保存した場合もエマルジョンおよび使用感の
ある経時変化もなかった。
実施例3.口紅 % 二酸化チタン 4.6 カルナウバワックス 5.6 キャンデリラワックス 7.4 固形パラフィン 9.3 液状ラノリン 25.8 MAD 27.8 ミツロウ 9.3 顔料混合物 2.8 流動パラフィン(#70) 7.4 液状油分(液状ラノリン、MAD、流動パラフィン)中
に固形油分(カルナウバワックス、キャンデリラワック
ス、固形パラフィン、ミツロウ)を加え、90〜100℃に
て加熱溶解した後、あらかじめ流動パラフィンの1部で
練った顔料を加えてよく攪拌、分散した後口紅成型器に
流し込み冷却後型から取り出して棒状口紅を得た。
比較例3.口紅 実施例2のMADをワセリンに替えて、実施例3と同様
に口紅を調製した。
実施例3の口紅は、比較例3のものにくらべなめらか
なのびがあり、適度なフィット感があり、感触は非常に
良好であった。比較例3の口紅は唇へののびが悪く、付
きにくかった。
実施例4.クリーム [油相成分] % ステアリン酸 2.0 セタノール 4.0 ワセリン 6.0 ミツロウ 3.0 流動パラフィン(#70) 20.0 MAC 15.0 グリセリンモノミリスチン酸エステル 2.0 ポリオキシエチレンソルビタンモノステアリン酸 エステル 2.0 [水相] 精製水 40.0 グリセリン 4.0 プロピレングリコール 2.0 上記油相成分、水相を各々70℃にて溶解した後、乳化
機にて混合、冷却しクリームを得た。このクリームの皮
膚への親和性は極めて良好で、べたつきがなく、かつ長
期感保存した場合もエマルジョン、使用感の経時変化も
なかった。油相成分を混合する際、MACを添加するまで
は半透明であったが、MAC添加により透明となり、MACに
優れた相溶性のあることがわかる。比較のためにMACを
ワセリンにかえて同様にクリームを調製したが、相溶性
は悪く、エマルジョンの安定性および皮膚への塗布時の
感触もいつまでも油分が残り、悪かった。
実施例5.リップクリーム % ヒマシ油 35.0 MAD 10.0 キャンデリラワックス 16.0 カルナウバワックス 4.0 ラノリン 15.0 流動パラィン(#70) 20.0 このリップクリームはなめらかなのびと適度なフィッ
ト感があり、塗布後のあつぼったい感触がなくしっとり
とした感じで良好であった。比較のためにMADをワセリ
ンにかえて同様にリップクリームを調製したが、ワック
ス類への相溶性は悪く、塗布後あつぼったい感触があ
り、つきも悪かった。
実施例6.ファンデーション [油相成分] % セタノール 3.5 ステアリン酸 2.0 MAC 7.0 流動パラフィン(#70) 11.0 グリセリンモノステアリン酸エステル 2.5 POE(10)ベヘニルエーテル 0.5 エチルパラベン 0.2 ブチルパラベン 0.2 [水相] グリセリン 2.0 プロピレングリコール 0.5 調合粉末 15.0 精製水 50.7 水酸化カリウム 0.3 油相成分、水相をそれぞれ70℃に加熱し、分散溶解し
た後、油相成分を水相部中に混合し、乳化機にて乳化す
る。乳化物を30℃まで冷却した後充填する。
滑らかで皮膚へのつきもよく、サラとした感触のファ
ンデーションであった。
実施例7.ファンデーション 実施例6のMACをMASに変えたいがいは実施例6と同様
にしてファンデーションを調製した。実施例6とくらべ
てより延びのよい軽い塗布感のファンデーションであっ
た。
比較のために実施例6のMACをワセリン変えたいがい
は実施例6と同様にしてファンデーションを調製した。
粉っぽい感触で、皮膚への付きも実施例6、7より悪か
った。
実施例8.栄養クリーム [油性成分] % セタノール 5.0 ステアリン酸 3.0 MAC 5.0 スクワラン 5.0 流動パラフィン(#70) 10.0 ミリスチン酸イソプロピル 2.0 グリセリンモノステアリン酸エステル 3.0 エチルパラベン 0.2 香料 0.2 [水相] グリセリン 10.0 プロピレングリコール 5.0 精製水 51.4 水酸化カリウム 0.2 皮膚になじみやすく、延びのあるクリームで、塗布後
しっとりとした感じのクリームであった。
実施例9.ヘアークリーム % 流動パラフィン(#70) 31.4 ミツロウ 4.8 MAC 4.8 ワセリン 4.8 液状ラノリン 4.8 ポリオキシエチレンソルビタンモノス テアレート 1.9 ポリエチレングリコール#300 1.1 精製水 全体を100とする 比較のためにMACをワセリンに替えた以外は同様にし
てヘアークリームを調製した。ワセリンを用いたもの
は、いつまでもべとべとし、エマルジョンも不安定であ
ったが、MACを用いたものは髪に馴染んでしっとりして
整髪性も良かった。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ステロールとマカデミアナッツ油脂肪酸と
    のエステル化物を有効成分とする化粧品用の油性原料
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