JP3034975U - エレベータ戸の安全装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エレベータの出入口柱４と戸５との隙間Ａに
乗客の手等が挟まれようとすると、応動体７が後退して
スイッチ１２を動作させる安全装置において、戸５の戸
閉時にいたずらによって応動体７が頻繁に押され、スイ
ッチ１２等が故障する可能性がある。 【解決手段】 戸５の戸開側端部に阻止体２０を設け、
戸閉時には阻止体２０によって、応動体７が後退できな
いようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、エレベータの出入口に設けられる自動開閉戸の安全装置に係り、特 に戸開動作中に戸と出入口枠との間に乗客の手等が挟まれる事故を防止する安全 装置の改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

この種の安全装置の従来技術としては、例えば実公昭５５−２２０６６号に示 すものがある。この技術を、図４及び図５により説明する。図４はエレベータか ごの出入口部分の横断面図、図５は図４のＸ部拡大図である。

【０００３】 図において、１はかご床２の上に箱状に組立てられたかご３の一側に設けられ た出入口、４は出入口１の縁部を構成する戸袋側の柱、５は一方の側縁部が柱４ の前縁に隙間Ａを保って対向し、戸閉時には出入口１のほぼ右半分をおおい、矢 印Ｃ方向へ開かれる戸、６は戸５の前側に隙間Ｂを保って配置され、戸閉時には 出入口１の左半分をおおう戸で、戸５のほぼ２倍の速さで戸５と同期して矢印Ｃ 方向へ開かれる。

【０００４】 ７は裏面に適当な間隔でねじ棒８が立設され、出入口柱４の高さとほぼ等しい 長さを持ち、柱４の前縁に配置された鋼板製の応動体、９は一辺が柱４に固定さ れ、他の一辺が戸５側へ突出するとともにねじ棒８の貫通穴を有するＬ形の保持 片である。１０はねじ棒８に嵌装され、応動体７と保持片９との間に配置した押 しばね、１１はねじ棒８に螺合され、応動体７の前進位置を保持するナットであ る。１２は作動部をねじ棒８の先端に接触させ、柱４に固定された支持片１３に ねじ止めされたスイッチ、１４は警報装置、１５は電線である。

【０００５】 本従来装置では、戸５が矢印Ｃ方向へ開くときに、隙間Ａに乗客の手等が挟ま れようとすると、応動体７が後退してスイッチ１２を動作させる。これにより、 戸５の停止又は反転戸閉、警報装置１４の作動等が行われ、事故の発生が未然に 防止される。 また、戸５の出入口１の中央側の側端部に、上記と同様の装置を設けることに よって、隙間Ｂへの手等の挟み込みを防止できる。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

上記の従来装置では、いたずらによって応動体７が押される可能性がある。そ うすると、応動体７が後退してスイッチ１２を作動させるため、いたずらが頻繁 に行われるとスイッチ１２等の故障の原因になるという問題がある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は、戸閉時には応動体の動きを機械的に阻止又は制限することにより、 いたずらによるスイッチ等の故障発生を防止するものである。

【０００８】

【考案の実施の形態】

本考案は、戸の戸開側端部に応動体の動きを阻止する手段を設けることにより 、戸閉時には応動体の動きを機械的に阻止又は制限するものである。

【０００９】

【実施例】

本考案の一実施例を図１により説明する。図１は図５に相当する図であり、図 ５と同一符号は同一のものを示している。図において２０は戸５に固定された阻 止体であり、戸開閉動作中にスイッチ１２等と干渉しないように、ねじ棒８等の 上方及び下方に位置している。 本実施例によれば、戸５の戸閉時には、阻止体２０が応動体７の戸袋側直近の 位置にくるため、いたずらによって応動体７が押されても、応動体７の動きは阻 止体２０によって阻止又は制限されるため、スイッチ１２が動作することはない 。

【００１０】 戸の安全装置は図５の構成の他に色々な構成のものがある。次に他の構成の安 全装置に本考案を適用した実施例について説明する。 図２は応動体が戸の開閉方向と直角方向に移動するように構成された安全装置 に本考案を適用した実施例である。

【００１１】 図において、３０は段付ピンで、太径端は応動体７に固定され、細径端はねじ 棒８を構成している。３１は柱４に固定された略コ字状の保持片であり、一方の 辺には太径端をガイドする孔部、他方の辺にはねじ棒８が貫通する孔部を有して いる。３２は戸５の戸開側端部に固定された阻止体である。また、図５と同一符 号は同一のものを示している。

【００１２】 この安全装置は、隙間Ａに乗客の手等が挟まれると、応動体７は矢印Ｄ方向へ 移動してスイッチ１２を作動させるように構成されている。 本実施例によれば、戸５の戸閉時には、阻止体３２の一部が応動体７の反戸５ 側にくるため、いたずらによって隙間Ａ内に異物等が挿入されて応動体７が押さ れても、応動体７の動きは阻止体３２によって阻止又は制限されるため、スイッ チ１２が動作することはない。

【００１３】 更に、図３は応動体が回転するように構成された安全装置に本考案を適用した 実施例である。 図において、４０は蝶番４１によって、柱４に回動自在に取り付けられた応動 体、４２はスイッチ１２の一部を構成するローラであり、図３の上方向に変位す ることにより、スイッチ１２を動作させる。４３は戸５の戸開側端部に固定した 阻止体である。また、図５と同一符号は同一のものを示している。

【００１４】 この安全装置は、隙間Ａに乗客の手等が挟まれると、応動体４０は蝶番４１を 中心に時計方向に回転し、ローラ４２を押し上げてスイッチ１２を作動させるよ うに構成されている。 本実施例によれば、戸５の戸閉時には、阻止体４３が応動体４０の回転を阻止 又は制限するため、いたずらによって応動体４０が押されても、応動体４０が回 転できないためスイッチ１２が動作することはない。

【００１５】 上記のように、上記各実施例はいずれも戸閉時にいたずらによって応動体が押 されても、阻止体によって応動体の動きを阻止又は制限するため、スイッチを始 めとする安全装置の故障発生を防止することができる。 なお、上記各実施例では２枚戸片開きの戸について説明したが、２枚戸中央開 き等の他の戸についても同様となる。また、上記各実施例ではかごの戸について 説明したが、乗場の戸の場合も、出入口柱が乗場三方枠になるのみで、同様の構 成になる。

【００１６】 即ち、本考案は、出入口を形成するかご出入口柱や乗場三方枠等の出入口枠と 戸との隙間に設けられる安全装置のいたずら防止に有効なものであり、また図４ のように複数戸片開きの場合で戸間の隙間Ｂに安全装置を設ける場合にも同様に 適用することができる。

【００１７】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によれば、出入口枠と戸、又は戸と戸の間の隙間 に設置される戸の安全装置に対するいたずらを防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す図である。

【図２】本考案の他の実施例を示す図である。

【図３】本考案の他の実施例を示す図である。

【図４】従来のエレベータかごの出入口部分の横断面図
である。

【図５】図４のＸ部拡大図である。

【符号の説明】

１ 出入口 ４ 出入口柱 ５，６ 戸 ７，４０ 応動体 １２ スイッチ ２０，３２，４３ 阻止体

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 出入口を形成する出入口枠と、駆動機に
   よって前記出入口を開閉する戸と、移動可能に構成され
   て前記出入口枠と戸、又は前記戸と戸との隙間への物体
   の侵入を検出する応動体とを備えたものにおいて、 前記戸の戸閉時は前記応動体の移動を阻止又は制限する
   手段を備えたことを特徴とするエレベータ戸の安全装
   置。
2. 【請求項２】 前記応動体の移動を阻止又は制限する手
   段は、前記戸の戸開側端部に設けた阻止体であることを
   特徴とする請求項１記載のエレベータ戸の安全装置。