JP2587689B2 - 軌道車両用の乗降場の扉装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は軌道車両用の乗降場に関する。とくに本発明
は、軌道に面する側に壁や柵等の仕切りが形成され、乗
降位置には開閉扉が設けられた軌道車両用の乗降場に関
する。さらに詳細には、本発明は、このような形式の乗
降場のための扉装置に関する。

〔従来技術〕

乗降客の安全のため、あるいは乗降場の空調効率を高
めるため、軌道車両用の乗降場の軌道に面する側に柵や
壁を形成し、車両への乗降位置には開閉扉を設けること
が提案されている。このような乗降場の構造では、到着
する車両の動揺を考慮して、車両と乗降場の扉との間に
は、相当に大きい間隔が保たれている。このような配置
のため、車両と乗降場の扉との間に乗客が閉じ込められ
る可能性が生じる。この危険を防止するために、従来は
乗降場の扉を車両の扉より遅れて閉じるようにするとと
もに、光電的な手段により乗降場の扉の外側に人がいな
いことを確認して、はじめて乗降場の扉を閉じ列車を出
発させるような手段が実行されている。

〔発明が解決しようとする課題〕

乗降場の軌道に面する側に壁または柵のような仕切り
を有する乗降場構造において従来採用されている光電的
な検知手段は、設備費が嵩むだけでなく、人の乗降場側
の扉と車両との間に閉じ込められるのを防止する手段で
はない、という点で問題がある。

本発明は、このような点に鑑み、構造が簡単で人が乗
降場の扉と車両との間に閉じ込められるのを確実に防止
できる扉構造を提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記課題を解決するため、本発明においては、乗降場
の扉を両引き戸とし、左右の各扉部分の戸先部を開位置
において車両側に屈折するように構成する。そして、扉
が開位置から閉位置に移動するとき、各扉部分の戸先部
が屈折位置から反屈折位置に回動するように構成する。

〔作 用〕

本発明の上記構成により、乗降場の扉が開いた状態で
は、各扉部分の戸先部が車両側に屈曲して仕切りと車両
との間の間隔を塞ぐので、扉の開いた状態で仕切りと車
両との間に入り込む恐れはなくなる。また、扉が閉じる
ときには、扉部分の閉方向への移動に伴って戸先部が屈
曲位置から直線位置に戻されるので、この間に乗客は確
実に仕切りの内側に誘導されることになる。したがっ
て、人が車両と乗降場側の扉との間に閉じ込められる可
能性は確実に排除される。

〔実施例〕

以下、本発明の実施例を図について説明する。第１図
において、軌道車両の乗降場のプラットフォーム１には
軌道に面する側に壁２が形成されている。この壁２に
は、車両への乗降位置に開口３が形成され、この開口に
扉装置４が設けられる。車両５は乗降用の開口６を有
し、この開口には左右に開かれる両引き戸７が設けられ
る。扉装置４の扉８は、左右に開かれる扉部分９を有す
る両引き戸形式である。

第２図に示すように、各扉部分９は、戸先部9aが扉本
体部9bに対してヒンジ10等の適当な機構により回動自在
に取り付けられた構成を有する。扉本体部9bの上部には
バネ受け11が設けられ、戸先部9aには該バネ受け11に対
応する高さに、第３図に示すように横方向に突出するア
ーム12が形成されている。バネ受け11とアーム12との間
には圧縮バネ13が配置される。圧縮バネ13はアーム12を
押して戸先部9aを第３図に想像線で示す屈折位置に付勢
する。戸先部9aを扉本体部9bに取り付けるヒンジ機構10
には、戸先部9aをこの屈折位置に規制するストッパを設
ける。乗降場の上部には、扉部分９が閉位置に来たとき
戸先部9aのアーム12に係合して該アームを圧縮バネ13の
作用に抗して押すための戸先閉じ部材14が設けられてい
る。この閉じ部材14は固定された部材であり、扉部分９
が閉方向に移動するときアーム12に係合して、該扉部分
の閉方向移動に伴ってアーム12を圧縮バネ13の作用に抗
して押し、戸先部9aを第３図に実線で示す閉位置に動か
す。

以上述べた実施例の作用について説明する。第１図の
実線は車両の扉７および乗降場の扉８がともに閉じた状
態を示し、想像線は開いた状態を示す。開いた位置で
は、扉部分９の戸先部9aのアーム12は戸先閉じ部材から
離れているので、戸先部9aはバネ13の作用により屈折位
置に保持される。このバネ13が戸先部9aの屈折方向に付
勢する付勢手段を構成する。この状態では、第１図に示
すように戸先部9aが屈折位置にあって車両５と壁２との
間の間隔を塞ぐので、乗客がこの間隔に入り込む恐れが
ない。車両５の扉７を閉じ、次いで乗降場側の扉８を閉
じるとき、扉８の閉じ行程の前半では戸先部9aは屈折位
置にあり、この戸先部9aの動きにより壁２の開口３付近
にいる乗客は壁より内側へ誘導される。扉８が閉位置付
近に達すると、戸先部9aのアーム12が閉じ部材14に係合
して、該戸先部9aを反屈折方向に押し、扉８を完全に閉
じる。この閉じ部材14が戸先部9aをバネ13の作用に抗し
て反屈折方向に押して戸先部を閉じる戸先部閉じ手段を
構成する。したがって、扉８の外側に乗客が残される恐
れはなくなる。

〔効 果〕

以上述べたように、本発明においては、乗降場の軌道
に面する側に設けられた壁または柵等の仕切りの開口部
に設けられる扉は、左右に引き開けられる二つの扉部分
からなる両引き戸として構成され、各々の扉部分の戸先
部は扉が開かれたときに車両側に向かって屈折され、閉
じられるとき延ばされて閉じられるので、乗客が車両と
乗降場の扉との間に取り残される恐れがなくなる。ま
た、本発明の構成は別に取先部9aを屈折させるための動
力装置等は要せず簡単な機械的構造によって実現でき、
作動も確実で信頼性を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す車両乗降部分の平面
図、第２図は乗降場の扉の一例を示す正面図、第３図は
戸先部の作動を示す拡大平面図である。 １……プラットフォーム、２……壁、３……開口、４…
…扉装置、８……扉、９……扉部分、9a……戸先部、13
……圧縮バネ、14……閉じ部材

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−18516（ＪＰ，Ａ) 実開 昭64−41466（ＪＰ，Ｕ)

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】軌道車両用の乗降場の軌道に面する側に仕
   切りを設け、前記仕切りには車両への乗降を行う部分に
   開口を形成し、前記開口に扉を配置した、軌道車両用の
   乗降場のための扉装置において、前記扉は該扉の平面内
   でほぼ平行移動することにより左右に引き開けられる二
   つの扉部分からなる両引き戸であり、各々の扉部分の戸
   先部は扉が開かれたときに車両側に向かって屈折される
   ように構成され、各々の扉部分には前記戸先部を屈折方
   向に付勢する手段が設けられ、前記乗降場には、前記扉
   の閉位置において前記戸先を前記付勢手段の作用に抗し
   て反屈折方向に押して戸先部を閉じる戸先部閉じ手段が
   設けられたことを特徴とする、軌道車両用の乗降場のた
   めの扉装置。
2. 【請求項２】請求項１に記載した扉装置において、前記
   戸先部は扉本体に回転自在に取り付けられ、前記取先部
   には横方向に突出するアームが形成され、前記アームと
   扉本体のバネ受けとの間に配置されたバネにより前記付
   勢手段が形成され、前記戸先部閉じ手段は、前記乗降場
   に設けられて、前記扉が閉位置に移動する際に前記戸先
   部の前記アームに係合して、前記扉の閉方向への移動に
   伴い前記バネの作用に抗して前記戸先部を反屈折方向に
   押す固定の閉じ部材からなる、軌道車両用の乗降場のた
   めの扉装置。