JP3032484U - 版板交換装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷装置構成要素に、例えば保守の目的で作
業するために近づくことを制限しないような版板交換装
置を提供する。 【解決手段】 鉛直な装入位置に旋回可能な版板装入ユ
ニット（２）が保持部材（５）の近傍に旋回可能であ
り、該保持部材に、版胴（１２）から除去したい版板
（１４）のための走入範囲（１３）と、版胴に載着した
い版板（２２）のための搬送装置（６）とが設けられて
いる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、印刷機の胴に設けられた版板を交換するための装置であって、旋回 可能な版板装入ユニットが設けられており、該版板装入ユニットが版板供給フレ ームと版板除去フレームとを有しており、版板装入ユニットが、クランプ装置を 有した版胴の溝における作業位置と装入位置とに旋回可能であり、装入位置にお いて、版板装入ユニットが作業位置から引き戻されている形式のものに関する。

【０００２】

【従来の技術】

欧州特許第０５１９５８３号明細書から、印刷機のための版板交換装置が公知 となった。プレート保持ユニットは、印刷装置の上方に配置された傘歯車伝動装 置によって上昇・下降運動される。プレート保持ユニットの後ろ側部分に設けら れたラックは、傘歯車軸に配置された歯車に噛み合う。これにより、プレート保 持ユニットの鉛直方向運動を行うことができる。

【０００３】 欧州特許出願公開第０５３０５７７号明細書には、自動式の版板交換に用いら れるマガジンを位置決めする装置が開示されている。複数の位置に移動可能なマ ガジンは、この場合、機械全体に調和している。マガジンは版板交換位置、マガ ジンにおける版板交換位置、保守位置及び通常運転位置をとることができる。マ ガジンは鉛直案内部で移動可能であり、水平方向の軸線を中心として旋回可能で ある。即ち、更に、マガジンを移動させるための駆動装置と傾動させるための駆 動装置とが設けられている。この構成により、枚葉紙印刷装置の排紙装置側のカ バーが、マガジンの通常運転位置で得られるので、マガジンは保護装置として働 く。

【０００４】 欧州特許出願公開第０５２０５９４号明細書には、印刷機における版板交換装 置が開示されている。版板マガジンは作業位置と装入位置との間で旋回可能に支 承されている。マガジンの、印刷装置に面した端部には、回転可能なローラが設 けられている。このローラは、版板交換時、即ちマガジンを版胴のクランプ装置 に接近させる場合に、マガジンを版胴において支持する。これによりマガジンは 、版板交換中に所定の位置を維持する。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の課題は、冒頭で述べた形式の版板交換装置を改良して、印刷装置構成 要素に、例えば保守の目的で作業するために近づくことを制限しないような版板 交換装置を提供することである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

この課題を解決するために本考案の手段では、鉛直な装入位置に旋回可能な版 板装入ユニットが保持部材の近傍に旋回可能であり、該保持部材に、版胴から除 去したい版板のための走入範囲と、版胴に載着したい版板のための搬送装置とが 設けられているようにした。

【０００７】

【考案の効果】

本考案による構成の利点は特に、版板と保持部材との間の接触範囲で、古い版 板を除去して新しい版板を供給する際に追従する調節部材を使用しなくてよいこ とにある。なぜならば版板自体の弾性が、版板の除去時及び載着時に十分に利用 されるからである。版板マガジンが旋回することにより、マガジンの装入位置に おいて、印刷装置及びマガジンが露出して、例えば保守の目的でプラットホーム から直接に作業することが妨害されない。

【０００８】 本考案の構成では、保持部材の走入範囲を、版板装入ユニットの版板除去フレ ームに対応させているので、一貫して延びる搬送平面が形成される。搬送装置は 、版板除去フレームの搬送平面に到達するように支承されている。

【０００９】 保護装置は、版板交換中に、版板装入ユニットを支持するために利用される。 従って別個の支持装置又は印刷装置胴における支承は不要となる。版板を版胴の 表面に適合させるためには、既に機械に設けられているローラ、例えば水着けロ ーラが利用される。即ち、別個の押圧ユニットは使用しなくてよい。

【００１０】 それぞれ版板装入ユニットに位置する版板のロック及び解放は、ロック装置に よって行われる。ロック装置は、各１つの別個の作動ユニットを介して作動可能 である。ロック装置としては、本実施例ではプレロードをかけられたレバー又は フックが設けられている。レバー又はフックは、案内部で移動可能に又は定置に 版板装入ユニット内に収容することができる。

【００１１】

【考案の実施の形態】

以下に、本考案の実施の形態を図面につき詳しく説明する。

【００１２】 図１には、旋回可能な版板装入ユニットが、鉛直な装入位置で示されている。

【００１３】 旋回可能な版板装入ユニット２は版板除去フレーム２．１と版板供給フレーム ２．２とを有している。版板除去フレーム２．１の後ろ側の部分には可動なロッ ク装置３が設けられている。このロック装置３によって、除去したい版板１４を 完全に版板除去フレーム２．１内に引き込むことができる。フック４によって、 折り曲げられた前縁部１５と後縁部１６とを有した載着したい版板２２は鉛直な 状態で版板供給フレーム２．２に保持される。版板２２の後縁部１６はフック４ を運動させる作動ユニット２３によって解放することができる。旋回ユニット２ １（ここでは、概略的にピストン・シリンダユニットとして示されている）を介 して、版板装入ユニット２を、旋回軸２４と保持点２６とを中心として旋回させ て、保持部材５に接近させることができる。版板装入ユニット２は版板除去フレ ーム２．１の上方に作動ユニット２９を有している。作動ユニット２９によって 、ロック装置３が滑子案内部３１を介して版板除去フレーム２．１に対して平行 に慴動可能である。ロック装置３は回転可能に支承されたレバー３０を有してい る。レバー３０は、プレロード部材２８を介してばね弾性的に支承されていて、 版板除去フレーム２．１に進入した、除去したい版板１４の後縁部１６を把持す る。

【００１４】 渡し胴１０と版胴１２とを有した印刷装置には、保護装置８と保持部材５とが 設けられている。保護装置８は同時に、作業位置に旋回された版板装入ユニット ２のための支持体として働く。保持部材５と保護装置８とは、作動ユニット１８ ；２０を介して旋回可能である。この場合、作動ユニット１８，２０は、ニュー マチック式シリンダ、電動モータ、又はこれと類似のものとして形成することが できる。同様に、作動ユニット１９が設けられている。この作動ユニット１９に よって、ローラ７が版胴１２の表面に対して接近・離反可能である。この時点で 版胴１２の周面に位置してはいるが版胴１２から除去したい版板１４は、前縁部 １５と後縁部１６とが版胴１２の溝１７内で固定されている。この溝１７には自 動式のクランプ装置１が設けられている。このクランプ装置１は、版板１４；２ ２をクランプする。既に述べた旋回可能な保持部材５は上方の案内面９と下方の 案内面１１とを有している。これらの案内面９，１１の間にはホッパ状に延びる 走入範囲１３が形成されている。保持部材５の下面には搬送装置６が設けられて いる。搬送装置６を用いて、版胴１２の周面に載着したい版板２２を版胴１２の 表面に接近させることができる。

【００１５】 図２は、保持部材５に接近した状態の版板装入ユニット２を示している。

【００１６】 版板装入ユニット２が保持部材５に接近させられる前に作動ユニット１８が保 護装置８を旋回させ、保護装置８は版板装入ユニット２の前側部分の支持体とし て働く。搬送装置６は新しく載着したい版板２２の背面を把持する。続いて、作 動ユニット２３によってフック４が作動され、版板２２の後縁部１６が版板供給 フレーム２．２において自由になる。作動ユニット１９によってローラ７が、版 胴１２に位置する版板１４の表面に接触させられる。このローラ７は、既存のロ ーラ、例えば水着けローラ又は同様のものでよい。いずれにせよ、別個の押圧ロ ーラは必要としない。

【００１７】 版胴１２は、溝１７が保持部材５の下側の案内面１１に向き合うまでゆっくり と逆回転する。次いで自動式のクランプ装置１が版板１４の後縁部１６を解放し 、直ちに再び閉鎖して前縁部１５を引き続き固定する。後縁部１６は走入範囲１ ３に走入し、この走入範囲１３を通って、保持部材５に接近させられた版板装入 ユニット２の版板除去フレーム２．１に到達する（図３参照）。

【００１８】 この時点では、載着したい版板２２の前側範囲は、保持部材５の下部に設けら れた搬送装置６によって把持されている。新しく載着したい版板２２はこれによ り版板供給フレーム２．２に固定されている。除去したい版板１４の表面に接触 させられたローラ７によって支持されて、版板１４が版板装入ユニット２の版板 除去フレーム２．１に挿入される。

【００１９】 図４には、前縁部１５の解放後に、除去したい版板１４が保持部材５の下方の 案内面１１に載置されて、さらにプレロード、つまり予荷重をかけられたレバー ３０によって後縁部１６が把持され、版板除去フレーム２．１に引き込まれる状 態が図示されている。新しく載着したい版板２２は、保持部材５の下部に設けら れた搬送装置６によって所定の位置で把持されたままである。この場合、新しく 載着したい版板２２の後縁部１６はフック４によって既に解放されている。

【００２０】 図５からは、版胴１２から除去したい版板１４が作動ユニット２９によって版 板除去フレーム２．１の端部まで送られた状態を見て取ることができる。作動ユ ニット２９は滑子案内部３１を有している。滑子案内部３１には、プレロードを かけられたレバー３０を有したロック装置３が収容されている。除去される版板 １４はこのようにして保持部材５の走入範囲１３から遠ざけられる。保持部材５ によって、既に把持された新しく載着したい版板２２の前側範囲が版胴１２の表 面に接近させられる（図６参照）。

【００２１】 版胴１２の外周面に接近させられた、新しく載着したい版板２２の前縁部１５ は、まだ搬送装置６によって保持されている。溝１７に進入したあとで前縁部１ ５が自動式のクランプ装置１によって締め付け固定され、版板２２が版胴１２の 周面に巻き付けられる。なぜならば、後縁部１６がフック４によって解放されて いるからである。

【００２２】 図７に図示されているように、版板２２に接触させられるローラ７は、版板２ ２の巻き付けを著しく容易にし、版板２２を版胴１２の表面の曲面に沿って曲げ る。新しく載着したい版板２２の後縁部１６が保持部材５の下部の搬送装置６に 接近すると、搬送装置６は版板２２を完全に解放する。これにより版板２２はロ ーラ７に支持されて版胴１２の周面に到達する。版板供給フレーム２．２と版板 除去フレーム２．１との内面には、摩擦を減少させ版板表面を保護する被覆体が 設けられているので、版板の損傷は排除されている。

【００２３】 図８には、版板２２の前縁部１５と後縁部１６とが、最小限のギャップを形成 するように互いに突き合わされている状態が図示されている。作動ユニット１８ を介して、保護装置８は旋回して渡し胴１０と版胴１２との間のギャップ内に戻 る。作動ユニット２０によって、保持部材５は、版胴１２の周面から離れた位置 に移動させられる。旋回可能な版板装入ユニット２は、旋回して装入位置に戻る ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】鉛直方向に向けられた供給したい版板を有した
版板装入ユニットの鉛直位置を示した図である。

【図２】旋回されて保持部材に接近させられた状態の版
板装入ユニットを示す図である。

【図３】版胴から除去したい版板が版板除去フレームに
走入する状態を示した図である。

【図４】除去される版板が版板除去フレームに引き込ま
れる状態を示した図である。

【図５】除去された版板の、版板除去フレーム内におけ
る最終位置を示す図である。

【図６】供給したい版板の前側部分を版胴の表面に接近
させた状態を示す図である。

【図７】新しく載着したい版板の端部が保持部材によっ
て解放された状態を示す図である。

【図８】新しい版板が版胴に張設された状態を示す図で
ある。

【符号の説明】

１ クランプ装置、 ２ 版板装入ユニット、 ２．１
版板除去フレーム、２．２ 版板供給フレーム、 ３
ロック装置、 ４ フック、 ５ 保持部材、 ６
搬送装置、 ７ ローラ、 ８ 保護装置、 ９ 案内
面、 １０渡し胴、 １１ 案内面、 １２ 版胴、
１３ 挿入範囲、 １４ 版板、１５，１６ 後縁部、
１７ 溝、 １８，１９，２０ 作動ユニット、 ２
１旋回ユニット、 ２２ 版板、 ２３ 作動ユニッ
ト、 ２４ 旋回軸、 ２６ 保持点、 ２８ プレロ
ード部材、 ２９ 作動ユニット、 ３０ レバー、
３１ 滑子案内部

─────────────────────────────────────────────────────

【手続補正書】

【提出日】平成８年７月１６日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】実用新案登録請求の範囲

【補正方法】変更

【補正内容】

【実用新案登録請求の範囲】

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (73)実用新案権者 390009232 ハイデルベルガー ドルツクマシーネン アクチエンゲゼルシヤフト ＨＥＩＤＥＬＢＥＲＧＥＲ ＤＲＵＣＫＭ ＡＳＣＨＩＮＥＮ ＡＫＴＩＥＮＧＥＳＥ ＬＬＳＣＨＡＦＴ ドイツ連邦共和国 ハイデルベルグ クア フユルステン−アンラーゲ 52−60 Ｋｕｒｆｕｅｒｓｔｅｎ−Ａｎｌａｇｅ 52−60，Ｈｅｉｄｅｌｂｅｒｇ，Ｆｅｄｅ ｒａｌ Ｒｅｐｕｂｌｉｃ ｏｆ Ｇｅｒ ｍａｎｙ (72)考案者 ジャック メトロプ フランス国 レヌヴィユ リュ フランス ワ フェルナンデス ７

Claims (11)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 印刷機の胴に設けられた版板を交換する
   ための装置であって、旋回可能な版板装入ユニットが設
   けられており、該版板装入ユニットが版板供給フレーム
   と版板除去フレームとを有しており、版板装入ユニット
   が、クランプ装置を有した版胴の溝における作業位置と
   装入位置とに旋回可能であり、装入位置において、版板
   装入ユニットが作業位置から引き戻されている形式のも
   のにおいて、鉛直な装入位置に旋回可能な版板装入ユニ
   ット（２）が保持部材（５）の近傍に旋回可能であり、
   該保持部材（５）に、版胴（１２）から除去したい版板
   （１４）のための走入範囲（１３）と、版胴（１２）に
   載着したい版板（２２）のための搬送装置（６）とが設
   けられていることを特徴とする版板交換装置。
2. 【請求項２】 前記走入範囲（１３）が、版板装入ユニ
   ット（２）の版板除去フレーム（２．１）に対応してい
   る、請求項１記載の装置。
3. 【請求項３】 前記保持部材（５）に設けられた搬送装
   置（６）が、版板供給フレーム（２．２）の、載着した
   い版板（２２）の搬送平面に到達する、請求項１記載の
   装置。
4. 【請求項４】 版板装入ユニット（２）が、作業位置に
   おいて保護装置（８）によって支持される、請求項１記
   載の装置。
5. 【請求項５】 版板（１４）の除去と載着したい版板
   （２２）の巻き付けとが、版胴（１２）に接近可能なロ
   ーラ（７）によって支持されている、請求項１記載の装
   置。
6. 【請求項６】 前記ローラ（７）が印刷装置の水着けロ
   ーラである、請求項５記載の装置。
7. 【請求項７】 版板装入ユニット（２）の版板除去フレ
   ーム（２．１）と版板供給フレーム（２．２）とに、各
   １つの作動ユニット（２３，２９）が配属されており、
   これらの作動ユニット（２３，２９）が、版板（１４，
   ２２）のためのロック装置（３，４）を作動する、請求
   項１記載の装置。
8. 【請求項８】 前記ロック装置（３）が、プレロードを
   かけられたレバー（２８，３０）を有している、請求項
   ７記載の装置。
9. 【請求項９】 前記ロック装置（３）が、版板除去フレ
   ーム（２．１）に対して平行に移動可能である、請求項
   ７記載の装置。
10. 【請求項１０】 前記ロック装置（３）が滑子案内部
    （３１）において移動可能である、請求項７記載の装
    置。
11. 【請求項１１】 版板供給フレーム（２．２）に配属さ
    れた前記ロック装置（４）が、新しく載着したい版板
    （２２）の後縁部（１６）を把持する、請求項７記載の
    装置。