JP3031016B2 - 電気自動車の制動制御装置 - Google Patents

電気自動車の制動制御装置

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JP3031016B2
JP3031016B2 JP33854591A JP33854591A JP3031016B2 JP 3031016 B2 JP3031016 B2 JP 3031016B2 JP 33854591 A JP33854591 A JP 33854591A JP 33854591 A JP33854591 A JP 33854591A JP 3031016 B2 JP3031016 B2 JP 3031016B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液圧制動手段及び回生
制動手段を搭載する電気自動車に関し、特にブレーキフ
ィーリングを改善する手段を備えた制動制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】電気自動車はモータを駆動源とする車両
であり、その制動装置としては、例えば油圧ブレーキ等
の液圧ブレーキや、モータの一次電流制御等を用いた回
生ブレーキがある。
【0003】油圧ブレーキは他の種類の車両においても
広く用いられている制動手段である。すなわち、ブレー
キペダルの踏み込みに応じて油圧を発生させ、この油圧
を配管を介して伝達することにより車輪を制動するブレ
ーキである。このブレーキは、伝達させる油圧により車
輪を機械的に制動するものであるから、車輪が駆動輪で
あるか否かにかかわらず用いることができる。
【0004】回生ブレーキは、走行用モータの回生を原
理とするものであり、従ってモータを走行用に使用する
車両(通常の電気自動車のほか、ハイブリッド車のよう
にエンジンをも搭載する車両を含む)に専ら搭載され
る。例えば誘導モータを走行用モータとして用いている
場合、この誘導モータの一次電流を制御することによ
り、必要な出力トルクを得ることができる。この制御
は、例えばインバータ回路をPWM制御し一次電流をベ
クトル制御するといった手法で行われる。回生制動は、
このトルク制御の一部として、すなわちモータが発電機
として動作し回生トルクが得られるように一次電流を制
御することで、実現される。従って、回生ブレーキは、
専ら駆動輪を制動するブレーキである。
【0005】油圧ブレーキと回生ブレーキを併せ用いる
場合、駆動輪と非駆動輪の間のブレーキ力配分を調整す
る必要がある。例えばフロントホイールを駆動輪、リア
ホイールを非駆動輪とする車両において、フロントホイ
ールを油圧ブレーキ及び回生ブレーキにより、リアホイ
ールを油圧ブレーキにより、それぞれ制動する構成を考
える。この構成では、フロントホイールに対するブレー
キ力が回生ブレーキ力の分だけリアホイールに対するブ
レーキ力より大きくなる。
【0006】このような点に鑑み、フロント/リアのブ
レーキ力配分を良好にして電気自動車をスムーズに制動
する構成が、すでに提案されている(実開昭63−29
301号)。この従来技術では、例えば駆動輪たるフロ
ントホイールを回生ブレーキにより、非駆動輪たるリア
ホイールを油圧ブレーキにより、それぞれ制動させるこ
ととしている。さらに、フロントとリアのブレーキ力の
配分が最適となるよう、油圧を変更するようにしてい
る。これにより、モータの回生を効率良く行うことがで
き、バッテリ1充電当たりの走行可能距離が長くなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ブレー
キ力の調整を油圧の変更により行うと、ブレーキ力の配
分を最適化することが可能になり例えばフロントホイー
ルの早期ロックは防止できるが、反面、ブレーキペダル
のストロークが変化し、ブレーキフィーリングが悪くな
る。
【0008】本発明は、このような問題点を解決するこ
とを課題としてなされたものであり、最適なブレーキ力
配分を実現しつつ、ブレーキフィーリングを改善するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明は、ブレーキペダルの踏み込みに応じ
て液圧を発生させ駆動輪及び非駆動輪を機械的に制動す
る液圧制動手段と、走行用モータの回生により駆動輪を
制動する回生制動手段と、を含む電気自動車の制動装置
において、液圧制動手段から駆動輪への液圧伝達経路上
に設けられ、液圧制動手段において発生した液圧を所定
条件下で遮断する遮断手段と、遮断手段により液圧が遮
断されている際に、遮断された液圧に相当する液量を遮
断手段の液圧制動手段側において消費する液量消費手段
と、遮断により遮断手段前後に発生した差圧を検出する
差圧検出手段と、検出された差圧に応じて回生トルク指
令値を求め、この回生トルク指令値に基づき回生制動手
段を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
【作用】本発明の制動制御装置においては、非駆動輪は
液圧制動手段によりブレーキペダルの踏み込みに応じて
機械的に制動され、駆動輪は液圧制動手段及び回生制動
手段により制動される。
【0011】駆動輪の制動において、例えばブレーキペ
ダルの踏み込みが浅く液圧制動手段において発生する液
圧が低い状態では、この液圧は遮断手段により遮断され
る。液圧が遮断されると、遮断手段前後に差圧が発生す
る。本発明においては、遮断による差圧相当分だけ、回
生ブレーキ力が発生する。すなわち、差圧検出手段によ
り差圧が検出され、検出された差圧に応じて制御手段に
より回生トルク指令値が決定され、この回生トルク指令
値に基づき回生制動手段が制御される。
【0012】このように、非駆動輪の制動は、ブレーキ
ペダルの踏み込みに応じた油圧ブレーキ力により行わ
れ、駆動輪の制動は、ブレーキペダルの踏み込みに応じ
た回生ブレーキ力(遮断時)又は回生及び液圧ブレーキ
力(開放時)により行われる。従って、回生ブレーキ力
の調整によりブレーキ力配分の最適化、例えばフロント
ホイールの早期ロック防止等が実現される。
【0013】一方、遮断手段により液圧が遮断されてい
る時、駆動輪側における液量消費が少なくなる。この液
量消費の減少をカバーし、液圧制動手段から見た合計の
液量消費が遮断手段の動作・非動作に関係しないように
するため、本発明では液量消費手段が設けられている。
液量消費手段は、遮断された液圧に相当する液量を遮断
手段の液圧制動手段側において消費する。この結果、ブ
レーキフィーリングが向上する。
【0014】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について図面に
基づき説明する。図1には、本発明の第1実施例に係る
制動制御装置を備えた電気自動車の概略構成が示されて
いる。
【0015】この図に示される電気自動車は、フロント
ホイール10を駆動輪とし、リアホイール(図示せず)
を非駆動輪とする車両である。すなわち、フロントホイ
ール10はトランスミッション12を介してモータ14
によって駆動される。モータ14は、ECU16の制御
のもと、必要なトルクを出力する。
【0016】例えば、モータ14として誘導モータを用
いている場合、図示しないバッテリから出力される直流
電圧をインバータ回路により交流電流に変換し、この交
流電流によりモータを駆動する。このとき、インバータ
回路を構成するスイッチング素子をPWM制御すること
により、出力する交流電流をベクトル制御することがで
き、モータの出力トルクを制御することができる。
【0017】モータ14の回生によるフロントホイール
10の制動は、このようなトルク制御として実行され
る。モータ14は図2(b)に示されるような回生特性
を有しており、回転数に応じてこの図に示されるような
回生トルク(回生ブレーキ力)を発生可能である。
【0018】図1に示される電気自動車は、このような
回生ブレーキの他、油圧ブレーキを搭載している。すな
わち、ブレーキペダル18の踏み込み量に応じた油圧を
発生させるブレーキマスタシリンダ20を備え、さらに
このブレーキマスタシリンダ20において発生した油圧
は、配管22及び24を介してフロントホイール10に
設けられたフロントブレーキ26に、配管28を介して
リアホイールに、それぞれ伝達される。従って、本実施
例の装置は、駆動輪たるフロントホイール10を回生制
動及び油圧制動し、非駆動輪たるリアホイールを油圧制
動する構成である。
【0019】さらに、この実施例においては、フロント
/リアのホイール間のブレーキ力配分を最適化可能にす
るため、配管22と24の間に油圧を遮断する手段を設
けている。また、油圧が遮断されている場合に消費油量
をシミュレートし、ブレーキフィーリングを良好にする
手段が設けられている。これらの手段は、本実施例の特
徴に係る構成である。
【0020】まず、油圧を遮断する手段としては、減圧
弁30が設けられている。減圧弁30は、配管22と2
4の間に設けられ、両配管22、24の間の差圧ΔPが
ある設定値、即ち開弁値以下の状態では油圧を遮断し、
開弁値を越える状態では開放して油圧を伝達させる。ま
た、差圧ΔPが開弁値以下の状態であり減圧弁30が閉
じていても配管22と24の間を連通可能とするためソ
レノイドバルブ32が設けられている。すなわち、ソレ
ノイドバルブ32がオンすると、差圧ΔPのいかんにか
かわらず油圧が配管22から24に伝達し、フロントホ
イール10を油圧制動可能な状態となる。さらに、差圧
ΔPを保持するため減圧弁30と並行してチェックバル
ブ34が設けられており、差圧ΔPに応じた回生ブレー
キ力の調整を可能にするため差圧ΔPを検出する油圧セ
ンサ36が設けられている。
【0021】また、油圧が遮断されている場合に消費油
量をシミュレートし、ブレーキフィーリングを良好にす
る手段としては、減圧弁30から見てブレーキマスタシ
リンダ20側にストロークシミュレータ38が設けられ
ている。ストロークシミュレータ38は、減圧弁30に
より油圧が遮断されている場合、ブレーキマスタシリン
ダ20の油量をフロントブレーキ26と類似した形で消
費する。ストロークシミュレータ38の最大消費油量は
減圧弁30の開弁値に応じ設定され、減圧弁30が開く
ときストロークシミュレータ38の消費油量が最大とな
る。
【0022】図2には、この実施例の動作が示されてい
る。特に図2(a)にはECU16の制御フローチャー
トが、図2(b)にはソレノイドバルブ32をオン/オ
フさせるポイントが、それぞれ示されている。
【0023】図2(a)に示されるように、ECU16
は、ストップランプスイッチ40によりブレーキペダル
18が踏まれたか否かを判別する(100)。ブレーキ
ペダル18が踏まれていない場合には、ECU16はソ
レノイドバルブ32をオフさせ(102)、減圧弁30
により配管22と24の間が遮断された状態とする。さ
らに、ECU16はモータ14に対する回生トルク指令
値を0とする(104)。従って、この場合、フロント
ホイール10にもリアホイールにも、ブレーキ力は加わ
らない。
【0024】ストップランプスイッチ40によりブレー
キペダル18が踏まれたことが検出された場合、ECU
16は、モータ14の回転数がω1 を越えているか否か
を判定する(106)。図示しない回転センサにより検
出されるモータ14の回転数がω1 を越えている場合、
ECU16は、ソレノイドバルブ32をオフさせる(1
08)。このとき、差圧ΔPが小さく減圧弁30の開弁
値を越えていなければ、減圧弁30は閉じたままであ
る。逆に、差圧ΔPが大きく減圧弁30の開弁値を越え
ているならば、減圧弁30は開放し、配管22から24
に油圧が伝達可能な状態となる。
【0025】次のステップ110では、ECU16は、
油圧センサ36により検出される差圧ΔPに基づき、回
生トルク指令値を演算する。さらに、演算した回生トル
ク指令値をモータ14に(より詳細には図示しないイン
バータ回路に)出力する(112)。
【0026】このとき、差圧ΔPが小さく減圧弁30に
より油圧が遮断されていれば、ブレーキマスタシリンダ
20の油圧はフロントブレーキ26には伝わらず、フロ
ントホイール10は回生ブレーキのみにより、リアホイ
ールは油圧ブレーキのみにより、制動される。逆に、差
圧ΔPが大きく配管22から24に油圧が伝達可能な状
態となっていれば、フロントホイール10及びリアホイ
ールは共に油圧ブレーキにより制動される。さらに、チ
ェックバルブ34により差圧ΔPが保持されているた
め、フロントホイール10は回生ブレーキによっても制
動される。
【0027】また、ステップ106において、モータ1
4の回転数がω1 を越えていない場合、ソレノイドバル
ブ32がオンされ(114)、配管22と24の間を油
圧が伝達可能とされる。ω1 は、図2(b)に示される
ように、モータ回生ブレーキ力の一定値領域の下限値で
ある。モータ14の回転数がω1 を越えていない場合、
回生ブレーキ力が十分大きくないため、油圧ブレーキ力
が使用されるものである。
【0028】ステップ104、112、114の後はス
テップ100に戻り、上記動作を繰り返す。
【0029】次に、以上説明した動作及び本実施例の特
徴に係るストロークシミュレータ38の動作について、
操縦者のブレーキペダル操作に即して説明する。
【0030】まず、操縦者がブレーキペダル18を踏み
始めたとき、ストップランプスイッチ40によりこれが
検出され、ECU16はモータ14の回転数に応じ制動
制御を行う。通常走行時であれば、モータ14の回転数
はω1 を越えているため、ソレノイドバルブ32がオフ
される。
【0031】ブレーキペダル18の踏み込みが浅い状態
では、差圧ΔPが小さく、従って減圧弁30により配管
22と24の間が遮断されている。この状態では、EC
U16は、油圧センサ36により検出される差圧ΔPに
応じて回生トルク指令値を演算し、回生ブレーキのみで
フロントホイール10を制動する。この場合、回生ブレ
ーキ力の制御により、フロント/リアのブレーキ力配分
を最適にすることができる。
【0032】しかし、減圧弁30により油圧が遮断され
ているため、本来フロントブレーキ26において消費さ
れるべき油量が消費されないままとなり得る。ストロー
クシミュレータ38は、フロントブレーキ26において
消費されるべき油量を消費することにより、違和感のな
いペダルストローク、すなわち良好なブレーキフィーリ
ングを実現する。
【0033】ブレーキペダル18がさらに踏み込まれる
と、あるところで、配管22と24の差圧ΔPが減圧弁
30の設定値を越える。すると、減圧弁30が開き、油
圧がフロントブレーキ26に加わる。従って、この状態
では、フロントホイール10は油圧により制動される。
また、ストロークシミュレータ38は、減圧弁30が開
く時点でボトミングするよう(すなわち消費油量が最大
値となりそれ以上は油量を消費できなくなるよう)設定
されている。例えば、減圧弁30が10気圧で開く場
合、ストロークシミュレータ38も10気圧でボトミン
グするよう設定される。さらに、この状態では差圧ΔP
がチェックバルブ34により保持されており、従って、
フロントホイール10には保持されている差圧ΔPに対
応する回生ブレーキ力も加わる。
【0034】この後、操縦者がブレーキペダル18を戻
すと、チェックバルブ34により保持されている差圧Δ
Pが減少する。従って、回生ブレーキ力も減少する。差
圧ΔPが減少し0に至ると、チェックバルブ34を介し
てフロントブレーキ10に加わる油圧が減少し、油圧ブ
レーキ力が減少する。
【0035】このような制動により、車両が停止する直
前においては、モータ14の回転数が低下する結果、回
生ブレーキ力が低下する(図2(b)参照)。すなわ
ち、モータ14の回転数が回生ブレーキ力が低下する境
界であるω1 を下回ると、フロントホイール10に加わ
るブレーキ力は概ね油圧ブレーキ力のみとなる。
【0036】本実施例では、このような場合の対策のた
め、ステップ106及び114を実行している。すなわ
ち、モータ14の回転数が回生ブレーキ力が低下する境
界であるω1 を下回ると、配管22と24が直結され、
マスタブレーキシリンダ20の油圧がほぼそのままフロ
ントブレーキ26に加わる。この結果、車両が停止に近
付きモータ14の回転数が低下した場合でも、油圧によ
り十分なブレーキ力が得られる。この動作は、特に坂道
に車両を停車する場合に効果が大きい。車両が停止しブ
レーキペダル18が踏まれていない状態となった後は、
ソレノイドバルブ32がオフし、減圧弁30により油圧
が遮断される状態に復帰する。
【0037】このように、本実施例によれば、フロント
/リアのブレーキ力配分を最適化しフロントホイール1
0の早期ロック等を防止できると共に、ストロークシミ
ュレータ38によりフロントブレーキ26の消費油量を
シミュレートするようにしたため、ブレーキストローク
に違和感がなくなり、ブレーキフィーリングが向上す
る。
【0038】図3には、本発明の第2実施例に係る制動
制御装置を搭載した電気自動車の概略構成が示されてい
る。この実施例は、第1実施例の構成にさらに減圧弁4
2、ソレノイドバルブ44、ストロークシミュレータ4
6を付加した構成である。
【0039】ソレノイドバルブ44は、オンしていると
きに減圧弁30と配管24の間に減圧弁42を介在さ
せ、オフしている場合には減圧弁30と配管24を直結
するよう、設けられている。また、ストロークシミュレ
ータ46はストロークシミュレータ38と同程度の油量
でボトミングするよう設定されており、減圧弁42によ
り油圧が遮断されている場合にフロントブレーキ26の
消費油量をシミュレートする。
【0040】この実施例においては、モータ14の回生
ブレーキ力が、当該モータ14の高回転領域で低下する
ことに着目している。図4(b)に示されるように、モ
ータ14の回生ブレーキ力は、回転数が増大すると低下
し始める。従って、高速時(図5(a))には、低速時
(図5(b))に比べ、回生ブレーキ力が小さくなる。
本実施例では、この変化に着目し、回生ブレーキ力が低
下する高回転領域において、フロントホイール10に係
る油圧ブレーキ力をより精密に制御している。
【0041】図4には、この実施例の動作が示されてい
る。特に図4(a)にはECU16の制御フローチャー
トが、図4(b)にはソレノイドバルブ32及び44を
オン/オフさせるポイントが、それぞれ示されている。
【0042】図4(a)に示されるように、ECU16
は、まず第1実施例と同様ステップ100を実行する。
ブレーキペダル18が踏まれていない場合には、ECU
16はソレノイドバルブ32及び44をオフさせ(11
6)、減圧弁30により配管22と24の間が遮断され
た状態とする。さらに、ステップ104の実行後ステッ
プ100に戻る。従って、この場合には、本実施例は実
質的に第1実施例と同様の機能構成となる。
【0043】ストップランプスイッチ40によりブレー
キペダル18が踏まれたことが検出された場合、ECU
16は、図示しない回転センサにより検出されるモータ
14の回転数がω2 を越えているか否かを判定する(1
18)。ω2 は、図4(b)に示されるように、回生ブ
レーキ力が低下し始める高回転領域との境界近傍に設定
されている。
【0044】モータ14の回転数がω2 を越えている場
合、ECU16は、ソレノイドバルブ32及び44をオ
フさせる(120)。この状態では、第1実施例におけ
るステップ106実行後と同様、配管22と24の間に
減圧弁30が介在している状態となる。
【0045】この実施例においては、減圧弁30の開弁
値は、図4(b)のaに対応する圧力に設定されてい
る。ストロークシミュレータ38は、減圧弁30の開弁
値でボトミングする。さらに、本実施例において設けら
れた減圧弁42は、図4(b)のbに対応する油圧で開
く。ストロークシミュレータ46は、減圧弁42の開弁
値でボトミングする。
【0046】従って、ステップ120を実行した時点で
差圧ΔPが回生ブレーキ力a相当分以下であれば、減圧
弁30は閉じたままであり、ブレーキマスタシリンダ2
0の油圧は遮断される。また、差圧ΔPが回生ブレーキ
力a相当分を越えているならば、減圧弁30は開放し、
配管22から24に油圧が伝達可能な状態となる。ステ
ップ120実行後は、第1実施例と同様ステップ110
及び112を実行しステップ100に戻る。
【0047】また、ステップ118において、モータ1
4の回転数がω2 を越えていない場合、モータ14の回
転数がω1 以上ω2 未満であるか否かの判定が実行され
る(122)。この条件が満たされる場合、ソレノイド
バルブ32がオフされソレノイドバルブ44がオンされ
る(124)。すなわち、減圧弁30及び42が共に配
管22と24の間に介在している状態となる。
【0048】従って、ステップ124を実行した時点で
差圧ΔPが回生ブレーキ力b相当分以下であれば、減圧
弁30及び42によりブレーキマスタシリンダ20の油
圧が遮断される。また、差圧ΔPが回生ブレーキ力b相
当分を越えているならば、減圧弁30及び42は開き、
配管22から24に油圧が伝達可能な状態となる。
【0049】ステップ124実行後は、ステップ110
及び112と同様、回生トルク指令値の演算(126)
及びその出力(128)が実行される。この後、ステッ
プ100に戻る。
【0050】ステップ122において、条件が満たされ
ないと判定された場合、第1実施例のステップ106に
おいて条件不成立と判定された場合と同様、モータ14
の回転数が低く、十分な回生ブレーキ力が得られない。
従って、油圧ブレーキ力によりフロントホイール10を
制動すべく、ソレノイドバルブ32をオン、ソレノイド
バルブ44をオフさせ、配管22と24を直結させる
(130)。この後、ステップ100に戻る。
【0051】次に、以上説明した動作及び本実施例の特
徴に係るストロークシミュレータ38及び46の動作に
ついて、操縦者のブレーキペダル操作に即して説明す
る。
【0052】まず、操縦者がブレーキペダル18を踏み
始めたとき、ストップランプスイッチ40によりこれが
検出され、ECU16はモータ14の回転数に応じ制動
制御を行う。
【0053】モータ14の回転数が、車両の官能試験等
によって決定されるω2 を越える高速時には、ソレノイ
ドバルブ32及び44がオフされる。このとき、ブレー
キペダル18の踏み込みが浅ければ、差圧ΔPが小さい
ため、第1実施例の通常走行時と同様、減圧弁30によ
り配管22と24の間が遮断される。ECU16は、油
圧センサ36により検出される差圧ΔPに応じて回生ト
ルク指令値を演算し、回生ブレーキのみでフロントホイ
ール10を制動する。これにより、ブレーキ力配分を最
適化できると共に、回生ブレーキ力a相当分でボトミン
グするよう設定されているストロークシミュレータ38
により、第1実施例と同様、良好なブレーキフィーリン
グが実現される。
【0054】車両が高速のまま、ブレーキペダル18が
さらに踏み込まれると、差圧ΔPが減圧弁30の開弁値
を越える。すると、減圧弁30が開き、油圧がフロント
ブレーキ26に加わる。さらに、チェックバルブ34に
より保持されている差圧ΔPにより、回生ブレーキ力も
加わる。
【0055】このような制動により車両が低速(モータ
14の回転数がω1 以上ω2 未満)となった場合や、低
速走行状態からブレーキングする場合には、ソレノイド
バルブ32がオフ、ソレノイドバルブ44がオンされ
る。このとき、ブレーキペダル18の踏み込みが浅けれ
ば、差圧ΔPが小さいため、減圧弁30及び42により
配管22と24の間が遮断される。ECU16は、油圧
センサ36により検出される差圧ΔPに応じて回生トル
ク指令値を演算し、回生ブレーキのみでフロントホイー
ル10を制動する。
【0056】このときの回生ブレーキ力は、高速時に比
べ大きくできる。すなわち、減圧弁30のみであれば回
生ブレーキ力a相当の差圧ΔPで配管22と24の間の
遮断が開放されるが、減圧弁30及び42を用いる低速
時には回生ブレーキ力b>a相当の差圧ΔPまで開放さ
れない。従って、a以上b未満の回生ブレーキ力により
フロントホイール10が制動される。
【0057】低速時において、ブレーキペダル18がさ
らに踏み込まれ、差圧ΔPが減圧弁30及び44により
遮断できる値を越えると、減圧弁30及び42は開き、
油圧がフロントブレーキ26に加わる。さらに、チェッ
クバルブ34により保持されている差圧ΔPにより、回
生ブレーキ力も加わる。
【0058】このような低速時の動作を高速時の動作と
比較すると、高速時において、油圧ブレーキ力が増加す
ることがわかる。すなわち、高速時には減圧弁30のみ
によって油圧を遮断するため油圧ブレーキが効き始める
差圧ΔPが低く、ブレーキペダル18の踏み込み量が比
較的小さい時点から油圧ブレーキが効き始める。低速時
には、減圧弁30及び42によって油圧を遮断するため
油圧ブレーキが効き始める差圧ΔPが高く、ブレーキペ
ダル18の踏み込み量が比較的大きい時点にならなけれ
ば油圧ブレーキが効き始めない。従って、図5に示され
るような低速時と高速時のアンバランスが補正される。
【0059】さらに、操縦者によりブレーキペダル18
が戻された場合の動作や、モータ14の回転数がω1
下回った場合の動作は、第1実施例とほぼ同様である。
【0060】このように、本実施例によれば、第1実施
例と同様、フロント/リアのブレーキ力配分を最適化し
フロントホイール10の早期ロック等を防止できる。ま
た、高速時と低速時のアンバランスを低減できる。さら
に、ストロークシミュレータ38及び46により、ブレ
ーキストロークに違和感がなくなり、ブレーキフィーリ
ングが向上する。
【0061】なお、以上の説明は通常の電気自動車につ
いての説明であるが、モータの他エンジンをも搭載する
ハイブリッド車においても本発明を適用できる。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
液圧制動手段の液圧を遮断して差圧に応じ回生制動を行
うようにしたため、ブレーキ力配分が最適化すると共
に、液量消費手段により遮断に係る液量を消費するよう
にしたため、ブレーキペダルのストロークが安定し、ブ
レーキフィーリングが向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る電気自動車の制動制
御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施例の動作を示す図であり、図2(a)
はECUの制御フローチャート、図2(b)はモータの
回生特性及びフロントブレーキへの油圧供給の切り換え
ポイントを示す図である。
【図3】本発明の第2実施例に係る電気自動車の制動制
御装置の構成を示すブロック図である。
【図4】第2実施例の動作を示す図であり、図4(a)
はECUの制御フローチャート、図4(b)はモータの
回生特性及びフロントブレーキへの油圧供給の切り換え
ポイントを示す図である。
【図5】回生制動と油圧制動を併せて用いる場合におけ
るモータ高速時と低速時のブレーキ力アンバランスを示
す図である。
【符号の説明】
10 フロントホイール 14 モータ 16 ECU 18 ブレーキペダル 20 ブレーキマスタシリンダ 22,24,28 配管 26 フロントブレーキ 30,42 減圧弁 32,44 ソレノイドバルブ 34 チェックバルブ 36 油圧センサ 38,46 ストロークシミュレータ 40 ストップランプスイッチ ΔP 差圧

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキペダルの踏み込みに応じて液圧
    を発生させ駆動輪及び非駆動輪を機械的に制動する液圧
    制動手段と、走行用モータの回生により駆動輪を制動す
    る回生制動手段と、を含む電気自動車の制動装置におい
    て、 液圧制動手段から駆動輪への液圧伝達経路上に設けら
    れ、液圧制動手段において発生した液圧を所定条件下で
    遮断する遮断手段と、 遮断手段により液圧が遮断されている際に、遮断された
    液圧に相当する液量を遮断手段の液圧制動手段側におい
    て消費する液量消費手段と、 遮断により遮断手段前後に発生した差圧を検出する差圧
    検出手段と、 検出された差圧に応じて回生トルク指令値を求め、この
    回生トルク指令値に基づき回生制動手段を制御する制御
    手段と、 を備えることを特徴とする電気自動車の制動制御装置。
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