JP3158581B2 - 電気自動車の制動制御装置 - Google Patents

電気自動車の制動制御装置

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JP3158581B2 JP33897691A JP33897691A JP3158581B2 JP 3158581 B2 JP3158581 B2 JP 3158581B2 JP 33897691 A JP33897691 A JP 33897691A JP 33897691 A JP33897691 A JP 33897691A JP 3158581 B2 JP3158581 B2 JP 3158581B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液圧制動手段及び回生
制動手段を搭載する電気自動車に関し、特に回生特性に
応じた油圧制御を行う制動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電気自動車はモータを駆動源とする車両
であり、その制動装置としては、例えば油圧ブレーキ等
の液圧ブレーキや、モータの一次電流制御等を用いた回
生ブレーキがある。
【0003】油圧ブレーキは他の種類の車両においても
広く用いられている制動手段である。すなわち、ブレー
キペダルの踏み込みに応じて油圧を発生させ、この油圧
を配管を介して伝達することにより車輪を制動するブレ
ーキである。このブレーキは、伝達させる油圧により車
輪を機械的に制動するものであるから、車輪が駆動輪で
あるか否かにかかわらず用いることができる。
【0004】回生ブレーキは、走行用モータの回生を原
理とするものであり、従ってモータを走行用に使用する
車両(通常の電気自動車のほか、ハイブリッド車のよう
にエンジンをも搭載する車両を含む)に専ら搭載され
る。例えば誘導モータを走行用モータとして用いている
場合、この誘導モータの一次電流を制御することによ
り、必要な出力トルクを得ることができる。この制御
は、例えばインバータ回路をPWM制御し一次電流をベ
クトル制御するといった手法で行われる。回生制動は、
このトルク制御の一部として、すなわちモータが発電機
として動作し回生トルクが得られるように一次電流を制
御することで、実現される。従って、回生ブレーキは、
専ら駆動輪を制動するブレーキである。
【0005】油圧ブレーキと回生ブレーキを併せ用いる
場合、要求ブレーキ力を両ブレーキでどのように得るか
が問題となる。例えば特開昭64−43001号公報に
記載されているように、要求ブレーキ力から回生ブレー
キ力を減じた値に油圧ブレーキ力を調整する手法があ
る。このようにすると、走行用モータの回生によるエネ
ルギー回収を好適に行うことができ、バッテリ一充電当
たりの走行可能距離が延長する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、誘導モ
ータの回生ブレーキ力(回生トルク)は、図2(b)に
示されるように、回転数が高い領域で低下する。フロン
トホイールを油圧及び回生ブレーキで制動する場合、こ
の特性に起因して、図3(a)及び(b)に示されるよ
うに、モータが高速回転している高速時には低速時に比
べ、回生ブレーキ力、従って油圧ブレーキ力との合計で
あるトータルブレーキ力も小さくなる。また、回生ブレ
ーキ力が大きい低速時において、要求ブレーキ力が回生
ブレーキ力を下回る場合でも、油圧ブレーキ力が働き、
ブレーキの効き過ぎとなることがある。
【0007】本発明は、このような問題点を解決するこ
とを課題としてなされたものであり、回生ブレーキを有
効に利用しつつ、高速時と低速時の回生ブレーキ力の相
違に適合した綿密なブレーキ制御を実現することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明は、ブレーキペダルの踏み込みに応じ
て液圧を発生させ駆動輪を機械的に制動する液圧制動手
段と、走行用モータの回生により駆動輪を制動する回生
制動手段と、を含む電気自動車の制動装置において、液
圧制動手段から駆動輪への液圧伝達経路上に縦続して設
けられ液圧制動手段において発生した液圧を所定値まで
遮断する複数の遮断手段と、縦続接続された複数の遮断
手段の前後に遮断により発生した差圧を検出する差圧検
出手段と、検出された差圧に応じて回生トルク指令値を
求め、この回生トルク指令値に基づき回生制動手段を制
御する回生制動制御手段と、液圧を駆動輪に作用させ始
める差圧値を、走行用モータの回転数変化に伴い変化す
る最大可能回生制動力に基づき定めておき、この差圧値
を差圧検出手段により検出された差圧が上回っていると
きには液圧が駆動輪に作用し下回っているときには作用
しないよう、走行用モータの回転数に応じ複数の遮断手
段を選択的にバイパスさせ複数の遮断手段の間の連絡を
切り換える連絡切換手段と、を備えることを特徴とす
る。例えば、連絡切換手段は、走行用モータが高速回転
しており最大可能回生制動力が低下する領域では、走行
用モータの最大回転数における最大可能回生制動力相当
の圧力よりも、差圧検出手段により検出された差圧が高
いときに、また、走行用モータが低速回転しており最大
可能回生制動力が増大する領域では、その領域における
最大可能回生制動力より低くかつ走行用モータの最大回
転数における最大可能回生制動力相当の圧力より高く設
定されている所定の圧力よりも、差圧検出手段により検
出された差圧が高いときに、液圧が駆動輪に作用するよ
う複数の遮断手段の間の連絡を切り換える。
【0009】
【作用】本発明の制動制御装置においては、駆動輪が液
圧制動手段及び回生制動手段により制動される。要求制
動力は、ブレーキペダルの踏み込みにより与えられ、液
圧制動手段はこの要求制動力に応じた液圧を発生させ
る。複数個縦続して設けられた遮断手段のうち少なくと
も1個がバイパスされていない場合、当該遮断手段によ
り液圧が遮断される。液圧が遮断されている状態では、
差圧検出手段により検出された差圧に応じて駆動輪に対
する回生制動が行われる。液圧が所定値を越え液圧伝達
経路上に挿入されている遮断手段がいずれも開放してい
る状態では、さらに液圧による制動も加わる。また、遮
断手段がいずれもバイパスされており液圧伝達経路上に
ない場合には、液圧が駆動輪に作用する。
【0010】本発明においては、複数の遮断手段が、選
択的にバイパスされる。すなわち、走行用モータの回転
数が高回転領域、すなわち最大可能回生制動力が低下す
る領域に属しているときには差圧が比較的低い状態から
液圧が駆動輪に作用するよう、連絡切換手段により複数
の遮断手段の間の連絡が切り換えられる。この場合、回
生制動力の低下分が油圧制動力により補われる。また、
走行用モータの回転数が低回転領域、すなわち最大可能
回生制動力が最大値又はその近傍の値を有する領域に属
しているときには差圧が比較的高い状態にならなければ
液圧が駆動輪に作用しないよう、連絡切換手段により複
数の遮断手段の間の連絡が切り換えられる。従って、高
回転領域と低回転領域での回生制動力の相違に応じ、油
圧制動力が効き始める差圧が相違する。これにより、回
生制動を有効に利用しつつ、回生特性に応じ油圧制動を
調整可能となり、低回転領域での制動の効き過ぎ等が防
止される。
【0011】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について図面に
基づき説明する。図1には、本発明の一実施例に係る制
動制御装置を備えた電気自動車の概略構成が示されてい
る。
【0012】この図に示される電気自動車は、フロント
ホイール10を駆動輪とし、リアホイール(図示せず)
を非駆動輪とする車両である。すなわち、フロントホイ
ール10はトランスミッション12を介してモータ14
によって駆動される。モータ14は、ECU16の制御
のもと、必要なトルクを出力する。
【0013】この実施例におけるモータ14は、その出
力トルクを制御可能な誘導モータである。駆動に当たっ
ては、図示しないバッテリから出力される直流電圧をイ
ンバータ回路により交流電流に変換し、この交流電流を
モータ14に供給する。このとき、インバータ回路を構
成するスイッチング素子をPWM制御することにより、
出力する交流電流をベクトル制御することができ、モー
タ14の出力トルクを制御することができる。
【0014】モータ14の回生によるフロントホイール
10の制動は、このようなトルク制御として実行され
る。モータ14は図2(b)に示されるような回生特性
を有しており、回転数に応じてこの図に示されるような
回生トルク(回生ブレーキ力)を発生可能である。
【0015】図1に示される電気自動車は、このような
回生ブレーキの他、油圧ブレーキを搭載している。すな
わち、ブレーキペダル18の踏み込み量に応じた油圧を
発生させるブレーキマスタシリンダ20を備え、さらに
このブレーキマスタシリンダ20において発生した油圧
が、配管22及び24を介してフロントホイール10に
設けられたフロントブレーキ26に、配管28を介して
リアホイールに、それぞれ伝達されるように構成されて
いる。従って、本実施例の装置は、駆動輪たるフロント
ホイール10を回生制動及び油圧制動し、非駆動輪たる
リアホイールを油圧制動する構成である。
【0016】さらに、この実施例においては、フロント
/リアのホイール間のブレーキ力配分を最適化可能にす
るため、配管22と24の間に油圧を遮断する手段を設
けている。また、油圧が遮断されている場合に消費油量
をシミュレートし、ブレーキフィーリングを良好にする
手段が設けられている。
【0017】まず、油圧を遮断する手段としては、減圧
弁30及び32が設けられている。減圧弁30は、ソレ
ノイドバルブ34がオフしているときに配管22と24
の間に挿入され、オンしているときにはバイパスされる
よう設けられている。ソレノイドバルブ34がオフして
いるときには、減圧弁30は、両配管22、24の間の
差圧ΔPが設定値(開弁値)以下の状態では油圧を遮断
し、開弁値を越える状態では開放して油圧を伝達させ
る。
【0018】減圧弁32も、減圧弁30と同様、対応す
るソレノイドバルブ36のオン/オフにより選択的に配
管22と24の間に挿入される。減圧弁30と異なり、
減圧弁32は、ソレノイドバルブ36がオンしていると
きに配管22と24の間に挿入され、オフしているとき
にバイパスされる。減圧弁32も、開弁値以下では油圧
を遮断し、開弁値を越えると開放する。
【0019】減圧弁30と32の開弁値は、それぞれ図
2(b)に示されるように設定されている。すなわち、
減圧弁30の開弁値は最大回転数での回生ブレーキ力
(回生トルク)a相当の圧力に、減圧弁32の開弁値は
車両の官能試験等により決定される回生ブレーキ力b相
当の圧力に、それぞれ設定されている。この設定に関し
ては、本発明の特徴に関わる点であり、後に動作と共に
説明する。
【0020】さらに、差圧ΔPを保持するため減圧弁3
0及び32と並行してチェックバルブ38が設けられて
おり、差圧ΔPに応じた回生ブレーキ力の調整を可能に
するため差圧ΔPを検出する油圧センサ40が設けられ
ている。
【0021】また、油圧が遮断されている場合に消費油
量をシミュレートしブレーキフィーリングを良好にする
手段としては、ストロークシミュレータ42及び44が
設けられている。ストロークシミュレータ42及び44
は、それぞれ、減圧弁30又は32により油圧が遮断さ
れている場合に、ブレーキマスタシリンダ20の油量を
フロントブレーキ26と類似した形で消費する。ストロ
ークシミュレータ42及び44の最大消費油量は減圧弁
30の開弁値に応じ設定され、対応する減圧弁30又は
32が開くときストロークシミュレータ42の消費油量
が最大となる(ボトミング)。
【0022】図2には、この実施例の動作が示されてい
る。特に図2(a)にはECU16の制御フローチャー
トが、図2(b)にはソレノイドバルブ34及び36を
オン/オフさせるポイントが、それぞれ示されている。
【0023】図2(a)に示されるように、ECU16
は、ストップランプスイッチ46によりブレーキペダル
18が踏まれたか否かを判別する(100)。ブレーキ
ペダル18が踏まれていない場合には、ECU16はソ
レノイドバルブ34及び36をオフさせ(102)、減
圧弁30により配管22と24の間が遮断された状態と
する。さらに、ECU16はモータ14に対する回生ト
ルク指令値を0とする(104)。従って、この場合、
フロントホイール10にもリアホイールにもブレーキ力
は加わらない。
【0024】ストップランプスイッチ46によりブレー
キペダル18が踏まれたことが検出された場合、ECU
16は、回転センサ48により検出されるモータ14の
回転数がω2 を越えているか否かを判定する(10
6)。ω2 は、図2(b)に示されるように、回生ブレ
ーキ力が低下し始める高回転領域の境界近傍に設定され
ており、ステップ106の判定はモータ14が高速回転
しているか否かの判定に相当する。
【0025】モータ14の回転数がω2 を越えている場
合、ECU16は、ソレノイドバルブ34及び36をオ
フさせる(108)。このとき、配管22と24の間に
減圧弁30が介在する状態となる。差圧ΔPが小さく減
圧弁30の開弁値を越えていなければ減圧弁30は閉じ
たままである。逆に、差圧ΔPが大きく減圧弁30の開
弁値を越えているならば、減圧弁30は開放し、フロン
トブレーキ26に油圧が伝達可能な状態となる。
【0026】従って、ステップ108を実行した時点で
差圧ΔPが回生ブレーキ力a相当分以下であれば減圧弁
30は閉じたままであり、ブレーキマスタシリンダ20
の油圧は遮断される。また、差圧ΔPが回生ブレーキ力
a相当分を越えているならば、減圧弁30は開放し、配
管22から24に油圧が伝達可能な状態となる。ステッ
プ108実行後は、ステップ110及び112を実行す
る。
【0027】ステップ110では、ECU16は、油圧
センサ40により検出される差圧ΔPに基づき、回生ト
ルク指令値を演算する。さらに、演算した回生トルク指
令値をモータ14に(より詳細には図示しないインバー
タ回路に)出力する(112)。
【0028】このとき、差圧ΔPが小さく減圧弁30に
より油圧が遮断されていれば、ブレーキマスタシリンダ
20の油圧はフロントブレーキ26には伝わらず、フロ
ントホイール10は回生ブレーキのみにより、リアホイ
ールは油圧ブレーキのみにより、制動される。逆に、差
圧ΔPが大きく配管22から24に油圧が伝達可能な状
態となっていれば、フロントホイール10及びリアホイ
ールは共に油圧ブレーキにより制動される。さらに、チ
ェックバルブ38により差圧ΔPが保持されているた
め、フロントホイール10は回生ブレーキによっても制
動される。この後、ステップ100に戻る。
【0029】また、ステップ106において、モータ1
4の回転数がω2 を越えていない場合、モータ14の回
転数がω1 以上ω2 未満であるか否かの判定が実行され
る(114)。この条件が満たされる場合、ソレノイド
バルブ34がオフされソレノイドバルブ36がオンされ
る(116)。すなわち、減圧弁30及び36が共に配
管22と24の間に介在している状態となる。
【0030】従って、ステップ116を実行した時点で
差圧ΔPが回生ブレーキ力b相当分以下であれば、減圧
弁30及び32によりブレーキマスタシリンダ20の油
圧が遮断される。また、差圧ΔPが回生ブレーキ力b相
当分を越えているならば、減圧弁30及び32は開き、
配管22から24に油圧が伝達可能な状態となる。
【0031】ステップ116実行後は、ステップ110
及び112と同様、回生トルク指令値の演算(118)
及びその出力(120)が実行される。この後、ステッ
プ100に戻る。
【0032】ステップ114において条件が満たされな
いと判定された場合、モータ14の回転数が低く、十分
な回生ブレーキ力が得られない。このため、油圧ブレー
キ力によりフロントホイール10を制動すべく、ソレノ
イドバルブ34をオン、ソレノイドバルブ36をオフさ
せ、配管22と24を直結させる(122)。ω1 は、
図2(b)に示されるように、モータ回生ブレーキ力の
一定値領域の下限値である。すなわち、モータ14の回
転数がω1 を越えていない場合、回生ブレーキ力が十分
大きくないため、油圧ブレーキ力が減圧されないで働く
ようにしている。この後、ステップ100に戻る。
【0033】次に、以上説明した動作について、ストロ
ークシミュレータ42及び44の動作と併せ、操縦者の
ブレーキペダル操作に即して説明する。
【0034】まず、操縦者がブレーキペダル18を踏み
始めたとき、ストップランプスイッチ40によりこれが
検出され、ECU16はモータ14の回転数に応じ制動
制御を行う。
【0035】モータ14の回転数がω2 を越える高速時
には、ソレノイドバルブ34及び36がオフされる。こ
のとき、ブレーキペダル18の踏み込みが浅く差圧ΔP
が小さければ、減圧弁30により配管22と24の間が
遮断される。ECU16は、油圧センサ40により検出
される差圧ΔPに応じて回生トルク指令値を演算し、回
生ブレーキのみでフロントホイール10を制動する。こ
れにより、ブレーキ力配分を最適化できると共に、スト
ロークシミュレータ42により良好なブレーキフィーリ
ングが実現される。すなわち、減圧弁30により遮断さ
れている消費油量がストロークシミュレータ42により
消費され、違和感のないペダルストローク、良好なブレ
ーキフィーリングが実現される。
【0036】車両が高速のままブレーキペダル18がさ
らに踏み込まれると、差圧ΔPが減圧弁30の開弁値を
越える。すると、減圧弁30が開き、油圧がフロントブ
レーキ26に加わる。さらに、チェックバルブ34によ
り保持されている差圧ΔPにより、回生ブレーキ力も加
わる。また、このとき、ストロークシミュレータ42が
ボトミングする。例えば減圧弁30が10気圧で開く場
合、ストロークシミュレータ42も10気圧でボトミン
グする。
【0037】このような制動により車両が低速(モータ
14の回転数がω1 以上ω2 未満)となった場合や、低
速走行状態からブレーキングする場合には、ソレノイド
バルブ34がオフ、ソレノイドバルブ36がオンされ
る。このときブレーキペダル18の踏み込みが浅けれ
ば、差圧ΔPが小さいため、減圧弁30及び32により
配管22と24の間が遮断される。ECU16は、油圧
センサ40により検出される差圧ΔPに応じて回生トル
ク指令値を演算し、回生ブレーキのみでフロントホイー
ル10を制動する。
【0038】このときの回生ブレーキ力は高速時に比べ
大きくできる。すなわち、減圧弁30のみであれば回生
ブレーキ力a相当の差圧ΔPで配管22と24の間の遮
断が開放されるが、減圧弁30及び32を用いる低速時
には回生ブレーキ力b>a相当の差圧ΔPまで開放され
ない。従って、a以上b未満の回生ブレーキ力によりフ
ロントホイール10が制動される。
【0039】低速時において、ブレーキペダル18がさ
らに踏み込まれ、差圧ΔPが減圧弁30及び32により
遮断できる値を越えると、減圧弁30及び32は開き、
油圧がフロントブレーキ26に加わる。さらに、チェッ
クバルブ38により保持されている差圧ΔPにより、回
生ブレーキ力も加わる。
【0040】このような低速時の動作を高速時の動作と
比較すると、高速時において、油圧ブレーキ力が増加す
ることがわかる。すなわち、高速時には減圧弁30のみ
によって油圧を遮断するため油圧ブレーキが効き始める
差圧ΔPが低く、ブレーキペダル18の踏み込み量が比
較的小さい時点から油圧ブレーキが効き始める。低速時
には、減圧弁30及び32によって油圧を遮断するため
油圧ブレーキが効き始める差圧ΔPが高く、ブレーキペ
ダル18の踏み込み量が比較的大きい時点にならなけれ
ば油圧ブレーキが効き始めない。従って、図3に示され
るような低速時と高速時のアンバランスが補正される。
また、低速時に操縦者が高速時の感覚でブレーキペダル
18を踏み込んだ場合にブレーキが効き過ぎるといった
不具合が防止される。
【0041】この後、操縦者がブレーキペダル18を戻
すと、チェックバルブ38により保持されている差圧Δ
Pが減少する。従って、回生ブレーキ力も減少する。差
圧ΔPが減少し0に至ると、チェックバルブ38を介し
てフロントブレーキ26に加わる油圧が減少し、油圧ブ
レーキ力が減少する。
【0042】さらに、車両が停止する直前においては、
モータ14の回転数が低下する結果回生ブレーキ力が低
下する(図2(b)参照)。すなわち、モータ14の回
転数がω1 を下回ると、回生ブレーキ力は急激に低下す
る。
【0043】本実施例では、このような場合の対策のた
め、ステップ114及び122を実行している。すなわ
ち、モータ14の回転数がω1 を下回ると、配管22と
24が直結され、マスタブレーキシリンダ20の油圧が
ほぼそのままフロントブレーキ26に加わる。この結
果、車両が停止に近付きモータ14の回転数が低下した
場合でも、油圧により十分なブレーキ力が得られる。こ
の動作は、特に坂道に車両を停止する場合に効果が大き
い。車両が停止しブレーキペダル18が踏まれていない
状態となった後は、ソレノイドバルブ34及び36がオ
フし、減圧弁30により油圧が遮断される状態に復帰す
る。
【0044】このように、本実施例によれば、フロント
/リアのブレーキ力配分を最適化しフロントホイール1
0の早期ロック等を防止できると共に、ストロークシミ
ュレータ42及び44によりフロントブレーキ26の消
費油量をシミュレートするようにしたため、ブレーキス
トロークに違和感がなくなり、ブレーキフィーリングが
向上する。
【0045】さらには、減圧弁30及び32を選択的に
油圧伝達経路に挿入し、高速時に低い差圧ΔPから油圧
ブレーキが働くようにしているため、高速時と低速時の
ブレーキ力のアンバランスが排除され、低速時のブレー
キの効き過ぎ等、このアンバランスに起因する不具合も
生じない。
【0046】なお、以上の説明は通常の電気自動車につ
いての説明であるが、モータの他エンジンをも搭載する
ハイブリッド車においても本発明を適用できる。さら
に、油圧を遮断する手段たる減圧弁を2個として説明し
たが、これは、回生特性に応じ、3個以上使用しても構
わない。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高速時と低速時で遮断する差圧を変えるようにしたた
め、高速時の回生ブレーキ力の低下に対応して油圧を調
整でき、例えば低速時のブレーキの効き過ぎ等が防止さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る電気自動車の制動制御
装置の構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施例の動作を示す図であり、図2(a)
はECUの制御フローチャート、図2(b)はモータの
回生特性及びフロントブレーキへの油圧供給の切り換え
ポイントを示す図である。
【図3】回生制動と油圧制動を併せて用いる場合におけ
るモータ高速時と低速時のブレーキ力アンバランスを示
す図である。
【符号の説明】
10 フロントホイール 14 モータ 16 ECU 18 ブレーキペダル 20 ブレーキマスタシリンダ 22,24,28 配管 26 フロントブレーキ 30,32 減圧弁 34,36 ソレノイドバルブ 38 チェックバルブ 40 油圧センサ 42,44 ストロークシミュレータ 46 ストップランプスイッチ 48 回転センサ ΔP 差圧 ω1 ,ω2 モータ回転数の判定値

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキペダルの踏み込みに応じて液圧
    を発生させ駆動輪を機械的に制動する液圧制動手段と、
    走行用モータの回生により駆動輪を制動する回生制動手
    段と、を含む電気自動車の制動装置において、 液圧制動手段から駆動輪への液圧伝達経路上に縦続して
    設けられ、液圧制動手段において発生した液圧を所定値
    まで遮断する複数の遮断手段と、 縦続接続された複数の遮断手段の前後に遮断により発生
    した差圧を検出する差圧検出手段と、 検出された差圧に応じて回生トルク指令値を求め、この
    回生トルク指令値に基づき回生制動手段を制御する回生
    制動制御手段と、液圧を駆動輪に作用させ始める差圧値を、走行用モータ
    の回転数変化に伴い変化する最大可能回生制動力に基づ
    き定めておき、この差圧値を差圧検出手段により検出さ
    れた差圧が上回っているときには液圧が駆動輪に作用し
    下回っているときには作用しないよう、 走行用モータの
    回転数に応じ複数の遮断手段を選択的にバイパスさせ複
    数の遮断手段の間の連絡を切り換える連絡切換手段と、 を備えることを特徴とする電気自動車の制動制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電気自動車の制動制御装
    置において、 連絡切換手段が、走行用モータが高速回転しており最大
    可能回生制動力が低下する領域では、走行用モータの最
    大回転数における最大可能回生制動力相当の圧力より
    も、差圧検出手段により検出された差圧が高いときに、
    また、走行用モータが低速回転しており最大可能回生制
    動力が増大する領域では、その領域における最大可能回
    生制動力より低くかつ走行用モータの最大回転数におけ
    る最大可能回生制動力相当の圧力より高く設定されてい
    る所定の圧力よりも、差圧検出手段により検出された差
    圧が高いときに、液圧が駆動輪に作用するよう複数の遮
    断手段の間の連絡を切り換えることを特徴とする電気自
    動車の制動制御装置。
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