JP3029473B2 - 溶融金属中の水素濃度測定用センサプローブ - Google Patents

溶融金属中の水素濃度測定用センサプローブ

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JP3029473B2
JP3029473B2 JP3074046A JP7404691A JP3029473B2 JP 3029473 B2 JP3029473 B2 JP 3029473B2 JP 3074046 A JP3074046 A JP 3074046A JP 7404691 A JP7404691 A JP 7404691A JP 3029473 B2 JP3029473 B2 JP 3029473B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は溶融金属中に溶解した水
素の濃度を測定する溶融金属中の水素濃度測定用センサ
プローブに関する。
【0002】
【従来の技術】溶融金属中の水素濃度を測定する方法と
しては、以下に示すものがある。例えば、イニシャルバ
ブル法においては、減圧中のサンプルの表面に最初に気
泡が発生したときの圧力と、サンプルの温度とから溶融
金属中の水素ガス量を算出する。減圧凝固法において
は、減圧下で凝固させたサンプル中の気泡の状態を観察
し、標準試料の比重と比較することにより溶融金属中の
水素ガス量を測定する。また、テレガス法においては、
少量のガスを溶湯に注入して循環させ、溶融金属中の水
素ガス中に拡散させて、平衡状態になったところで、ガ
スクロマトグラフ法により水素ガスを分析する。
【0003】しかしながら、これらの方法では、多大な
測定時間を必要とすると共に、測定精度が悪いため、鋳
造現場等で溶融金属中の水素濃度を測定するには好まし
くない。また、基準ガスの循環装置等が必要であるた
め、測定装置が大きく、測定費用が多大なものになると
いう欠点もある。
【0004】そこで、本願発明者等は、特開昭63−2
69053号に示すように、ストロンチウムとセリウム
との複合酸化物を主成分とし、高温でプロトン導電性を
示す固体電解質(例えば、SrCe0.95Yb0.05
3-Y )からなるセンサ素子を使用してガルバニ電池式の
センサプローブを構成し、前記センサ素子の基準電極側
の固体電解質の水素濃度(活量)と溶融金属中の水素濃
度(活量)との差によって生じる起電力から、溶融金属
中の水素濃度を測定する方法を提案した。
【0005】このような水素濃度測定用センサプローブ
を使用すれば、溶融金属中の水素濃度の変化を起電力と
して経時的に測定することができるので、測定時間を短
縮できると共に、測定に要する費用を低減できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の溶融金属中の水素濃度測定用センサプローブ
は、そのセンサ素子がSrCe0.95Yb0.053-Y 等に
より形成されている。このストロンチウムとセリウムと
の複合酸化物を主成分とした固体電解質は、アルミニウ
ム溶湯のように平衡酸素分圧が極めて低い溶融金属中に
おいて還元されやすく、これにより溶融金属が酸化され
るため、400乃至1100℃のセンサ使用温度にてセ
ンサ素子と溶融金属との界面に絶縁性の酸化物相が生成
される。このため、酸化物相の生成により水素濃度を長
時間連続して測定することができなくなるという問題点
がある。
【0007】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、溶融金属中の水素濃度を長時間連続して測
定することができる溶融金属中の水素濃度測定用センサ
プローブを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る溶融金属中
の水素濃度測定用センサプローブは、カルシウムとジル
コニウムとの複合酸化物を主成分とするペロブスカイト
型プロトン導電性固体電解質により形成されたセンサ素
子と、このセンサ素子の基準面に形成された多孔質の基
準電極と、前記センサ素子の前記基準面に接触して配置
されガルバニ起電力の基準となる固体基準物質と、前記
センサ素子に配設され前記固体基準物質及び前記基準電
極を溶融金属から気密的にシールするシール部と、前記
溶融金属中に浸漬される測定電極とを有することを特徴
とする。
【0009】
【作用】本発明においては、センサ素子はカルシウムと
ジルコニウムとの複合酸化物(CaZrO3 )を主成分
とするペロブスカイト型プロトン導電性固体電解質によ
り形成されている。このCaZrO3 系のペロブスカイ
ト型プロトン導電性固体電解質は約300乃至1100
℃のセンサ使用温度においてプロトン導電性を有すると
共に、このセンサ使用温度において還元されにくい。こ
のため、このセンサプローブを平衡酸素分圧が低いアル
ミニウム溶湯等の溶融金属中に挿入しても、センサ使用
温度にてセンサ素子と溶融金属との界面に絶縁性の酸化
物相が生成することを防止できる。従って、固体基準物
質の水素濃度と溶融金属中の水素濃度との差に基づいて
前記センサ素子に発生するガルバニ起電力を、基準電極
及び測定電極で検出することにより、溶融金属中の水素
濃度を長時間連続して測定することができる。
【0010】前記測定電極は単独で溶融金属中に浸漬す
るものであってもよく、又はセンサ素子の測定面に形成
した多孔質のものであってもよい。前記測定電極を単独
で溶融金属中に浸漬する場合は、センサ素子の起電力は
溶融金属を介して前記測定電極と前記基準電極との間で
検出される。
【0011】なお、本発明におけるペロブスカイト型プ
ロトン導電性固体電解質は、その主成分であるCaZr
3 のZrをIn、Y、Ga、Al、Yb及びScから
なる群から選択された少なくとも1種の元素で約1乃至
20モル%だけ置換することにより、プロトン導電性を
与えることができる。即ち、このペロブスカイト型プロ
トン導電性固体電解質はCaをA成分とし、ZrをB成
分とし、In、Y、Ga、Al、Yb及びScからなる
群から選択された少なくとも1種の元素をM成分とした
場合、一般式AB1-XX3-Y にて表されるペロブス
カイト型複合酸化物である。
【0012】また、本発明においては、固体基準物質は
センサ素子に配設されたシール部により基準電極と共に
溶融金属から気密的にシールされている。センサ素子を
構成するペロブスカイト型プロトン導電性固体電解質
(例えば、CaZr0.9 In0.13-Y )は300乃至
1100℃のセンサ使用温度における熱膨張係数が通常
8.5×10-6乃至9.8×10-6/℃であるので、前
記シール部は前記センサ使用温度における熱膨張係数が
8.0×10-6乃至 10×10-6/℃であることが好
ましい。この場合、センサプローブが高温の溶融金属中
に挿入されて、センサ素子を構成する固体電解質が熱膨
張しても、シール部もセンサ素子と略同様に熱膨張する
ので、このシール部とセンサ素子との間で隙間が生じた
り、固体電解質が破損したりして、溶融金属又はこの溶
融金属に溶解したガスがセンサプローブの内部に侵入す
ることはない。このため、この固体基準物質を溶融金属
又はガスから確実にシールして保護することができる。
【0013】また、前記シール部はセンサ使用温度以下
の軟化点を有するシール材を使用することができる。こ
の場合、センサプローブを溶融金属中に挿入すると、セ
ンサプローブ自体が加熱されて前記シール材が昇温し、
この昇温の過程で前記シール材は軟化温度を超え、前記
センサ素子に融着する。これにより、固体基準物質はシ
ール材の軟化により形成されたシール部によって溶融金
属から気密的にシールされる。従って、室温でシール部
を形成した後にセンサプローブを測定時の使用温度まで
昇温させる場合と異なり、そのシール性が極めて優れて
いる。
【0014】このようなシール部として、流動点がセン
サ使用温度以上の緻密質ガラスシール材を使用すると、
センサ使用温度下での耐熱性が優れており、流動化する
ことなく十分な強度を有し、緻密なシール部を形成する
ことができる。また、この緻密質ガラスシール材はセン
サ素子を構成する固体電解質との間で反応性がなく、固
体電解質との間の濡れ性が優れていて接合性がよい。
【0015】このように、固体基準電極を使用してセン
サプローブを構成するので、従来のような基準ガスを基
準物質とするセンサとは異なって基準ガスを循環させる
ための装置が不要になり、小型で信頼性が高い溶融金属
中の水素濃度測定用センサプローブが得られる。
【0016】
【実施例】次に、本発明の実施例について添付の図面を
参照して具体的に説明する。
【0017】図1は本発明の第1の実施例に係る溶融金
属中の水素濃度測定用センサプローブを示す断面図であ
る。
【0018】センサ素子1は一端が閉塞された管状をな
し、CaZr0.9 In0.13-Y 等のペロブスカイト型
複合酸化物からなるプロトン導電性固体電解質から成形
されている。このセンサ素子1の閉塞端側の略半分の内
面には、Pt,Ni又は酸化物導電体等の多孔質材料を
焼き付けることにより基準電極2が形成されている。な
お、センサ素子1の閉塞端側の略半分の外面には、多孔
質の測定電極(図示せず)が設けられている。また、こ
の測定電極はプローブ本体から分離して構成してもよ
い。
【0019】センサ素子1の内部には、固体基準物質3
が充填されており、この固体基準物質3をセンサ素子1
内に封入するようにしてセンサ素子1の開放端側に円柱
状をなすセラミックチップ5aが挿入されている。この
固体基準物質3としては、例えば特開昭63−2690
53号に示されるような、硫酸セリウムとアルカリ炭酸
塩との混合塩にNi粉末を混合したもの、又はリン酸ア
ルミニウムと電子導電性酸化物粉末との混合物がある。
一方、セラミックチップ5aの中心には基準電極2に接
続されたリード線4が挿通していて、このリード線4に
より基準電極2がセンサ素子1の外部に電気的に導出さ
れている。このリード線4としては、Pt線又はNi線
等の通常の導線を使用すればよい。また、セラミックチ
ップ5aとセンサ素子1の内面との間には、多孔質の基
準電極2とリード線4との電気的導通を確保するため
に、金属ペースト6が介装されている。この金属ペース
ト6はPt又はNi等を含有し、導電性を有していて、
セラミックチップ5aの周面に塗付した後、このセラミ
ックチップ5aをセンサ素子1内に嵌入することにより
両者間に介装される。
【0020】センサ素子1の開放端には、センサ素子1
の内面とセラミックチップ5aとの間、及びセラミック
チップ5aとリード線4との間を気密的にシールするた
めに、シール部7aが盛り付けられている。このシール
部7aとセンサ素子1内に充填された固体基準物質3と
はセラミックチップ5aによって離隔されているので、
高温下において両者が融合することはない。
【0021】シール部7aはNa23 ・B23 ・S
iO2 等の組成を有する緻密質ガラスを、例えば電気炉
内で加熱してセンサ素子1に融着することにより形成す
ることができる。この場合に、緻密質ガラスは、その熱
膨張係数がセンサ使用温度で8.0×10-6乃至10×
10-6/℃であって、流動点がセンサ使用温度以上のも
のを選択する。
【0022】このように構成された溶融金属中の水素濃
度測定用センサプローブにおいては、その固体電解質で
形成されたセンサ素子1の先端部を水素が溶解した溶融
金属中に挿入すると、溶融金属と接触するセンサ素子1
の外面と、固体基準物質3と接触するセンサ素子1の内
面との間を、溶融金属中の水素濃度と固体基準物質3の
基準水素濃度との間の相違に起因して、プロトンが移動
する。このプロトンの移動により、センサ素子1の外面
の測定電極と基準電極2との間にはガルバニ起電力が発
生する。この起電力を、リード線4等を介して検出する
ことにより、溶融金属中の水素濃度を測定することがで
きる。
【0023】本実施例においては、センサ素子1はCa
ZrO3 を主成分とするペロブスカイト型プロトン導電
性固体電解質により形成されており、このCaZrO3
系の固体電解質がセンサ使用温度において還元されにく
い。このため、センサプローブを平衡酸素分圧が低いア
ルミニウム溶湯等の溶融金属中に挿入しても、センサ使
用温度にてセンサ素子と溶融金属との界面に絶縁性の酸
化物相が生成することを防止できる。従って、溶融金属
中の水素濃度を長時間連続して測定することができる。
【0024】また、本実施例においては、固体基準物質
3は基準電極2と共に、シール部7aにより気密的にシ
ールされてセンサ素子1内に収納されているから、セン
サプローブを溶融金属中に挿入しても、固体基準物質3
が溶融金属又はこの溶融金属中に溶解したガスと反応し
てその濃度が変動してしまうことはない。従って、従来
のテレガス法等のように基準ガスを循環させる必要がな
く、小型のセンサプローブを溶融金属中に挿入するだけ
で、この溶融金属中に溶解している水素の濃度を測定で
きるので、鋳造現場等において溶融金属中の水素濃度を
容易に測定でき、その測定コストを低減できる。
【0025】シール部7aは、センサ使用温度域で8.
0×10-6乃至10×10-6/℃の熱膨張係数を有し、
センサ素子1を構成する固体電解質の熱膨張係数(8.
5×10-6乃至9.8×10-6/℃)と同様の熱膨張係
数を有しているから、センサプローブが高温の溶融金属
中に挿入されても、シール部7aとセンサ素子1との間
の熱膨張係数の差に起因してシール部7a又はセンサ素
子1に割れが発生したり、剥離が発生したりすることは
ない。従って、このシール部7aにより高温下でも固体
基準物質3を完全にシールすることができる。また、シ
ール部7aはセンサ使用温度以上の流動点を有する緻密
質ガラスで形成されているから、センサ使用温度域にて
流動化せず、十分な強度を有すると共に、緻密であって
十分な耐熱性も有している。また、この種のガラスは固
体電解質との間で反応せず、その性質が劣化することが
ないと共に、固体電解質に対して濡れ性がよいため、固
体電解質であるセンサ素子1に十分な強度で被着され
る。
【0026】なお、本実施例においては、固体電解質3
及び基準電極2を溶融金属から気密的にシールするシー
ル部7aは、センサ素子1の他端部に粉末状等のガラス
シール材を被着し、加熱炉等により加熱して、シール部
7aをセンサプローブの使用に先立ち予め融着させてあ
るが、粉末状等のガラスシール材を被着した後、センサ
プローブを溶融金属中に挿入し、センサプローブ使用時
に溶融金属により加熱することによってセンサ素子1の
他端部にガラスシール材を融着させて形成するものであ
ってもよい。
【0027】図2は本発明の第2の実施例に係る溶融金
属中の水素濃度測定用センサプローブを示す断面図であ
る。本実施例は図1に示す実施例と、セラミックチップ
及びシール部のみが異なり、他の構成は同一であるの
で、同一物には同一符号を付してその詳細な説明は省略
する。
【0028】即ち、このセラミックチップ5bは図1の
セラミックチップ5aよりも短寸であり、センサ素子1
におけるセラミックチップ5bよりも開放端側に形成さ
れる凹部には粉末ガラスシール材を充填してシール部7
bが形成されている。従って、この粉末ガラスシール材
からなるシール部7bはセンサ素子1の内部に詰め込ま
れているので、その内面に対して被着される。このた
め、本実施例に係る溶融金属中の水素濃度測定用センサ
プローブは、第1の実施例に比して、シール部7bをセ
ンサ素子1に更に一層密着させて設けることができる。
【0029】次に、上述の本実施例に係る溶融金属中の
水素濃度測定用センサプローブを使用して実際に水素濃
度を測定した結果について説明する。
【0030】この水素濃度測定には図2に示す構成のセ
ンサプローブを使用した。このセンサプローブのセンサ
素子1はCaZr0.9 In0.13-Y の組成を有するペ
ロブスカイト型プロトン導電性固体電解質で成形されて
いる。このセンサ素子1の内面に白金多孔質電極(基準
電極2)を900℃で焼き付けた後、所定の成分組成に
調整した固体基準物質3をセンサ素子1内に充填した。
【0031】そして、Ptからなるリード線4を通した
ムライトチップ(セラミックチップ5b)に白金ペース
ト(金属ペースト6)を塗付してセンサ素子1内に挿入
した。次いで、組成がNa23 ・B23 ・SiO2
の粉末ガラスシール材をセンサ素子1内に充填した。こ
のガラスシール材は熱膨張係数が9.5×10-6/℃で
あり、軟化点が695℃、流動点が880℃である。こ
のようにして組み立てたものを、電気炉に装入して加熱
し、粉末ガラスシール材をセンサ素子1に融着させてシ
ール部7bを形成した。この場合に、電気炉における昇
温速度及び降温速度はいずれも5℃/分であり、850
℃に10分間保持した。
【0032】次に、図3に示すように、センサ素子1の
開放端側の一部を、アルミナ挿入管9の先端部内に挿入
し、センサ素子1の測定電極の部分が外部に出るように
して無機接着剤10により固定した。この挿入管9には
その外面に白金ペーストを焼き付けることにより、セン
サ素子1の外面の測定電極に電気的に接続されたプリン
トリード配線8が形成されている。
【0033】図4は水素濃度分析装置を示す模式図であ
る。この図4に示すように、管状の電気炉21に取り囲
まれた黒鉛るつぼ12内にアルミニウム溶湯を貯留し
た。そして、このアルミニウム溶湯の貯留部分にセンサ
素子1が配置されるように、アルミナ挿入管9を黒鉛る
つぼ12内に挿入設置した。この水素濃度分析装置にお
いては、水素ガスボンベ16及びアルゴンガスボンベ1
7から供給される水素ガス及びアルゴンガスがガス混合
器15に一旦集められ、このガス混合器15にて所定の
配合量に混合された後、この混合ガスが黒鉛るつぼ12
内に導入されるようになっている。そして、この混合ガ
スの水素分圧を変化させることにより、アルミニウム溶
湯中の水素濃度を制御できる。また、黒鉛るつぼ12内
のアルミニウム溶湯には半球状の集気用部材がその縁部
を下方にして浸漬され、窒素ガスボンベ18からこの集
気用部材内のアルミニウム溶湯中に窒素ガスが導入され
るようになっている。そして、この集気用部材内に集め
られたガスは循環ポンプ20を介して再び集気用部材内
のアルミニウム溶湯中に導入され、この循環するガスの
水素濃度が平衡値に達したときにガスクロマトグラフ分
析装置13に供給されるようになっている。このガスク
ロマトグラフ分析装置13の分析結果から、アルミニウ
ム溶湯中の水素濃度が求められる。更に、黒鉛るつぼ1
2内には熱電対14が挿入されていて、この熱電対14
の出力及びセンサ素子1の出力がレコーダ19に入力さ
れて記録されるようになっている。これにより、黒鉛る
つぼ12内のアルミニウム溶湯の温度が検出されると共
に、センサ素子1の起電力が検出される。
【0034】このように構成された装置を使用して、ア
ルミニウム溶湯中の水素濃度とセンサプローブにおける
起電力との関係を求めた。但し、黒鉛るつぼ12内のア
ルミニウム溶湯の温度を700℃とし、ガス混合器15
によりアルミニウム溶湯上の水素濃度を1乃至100%
の範囲で変動させた。
【0035】その結果を図5に示す。図5の横軸はガス
クロマトグラフ分析装置13により測定されたアルミニ
ウム溶湯中の水素濃度であり、縦軸はセンサプローブの
測定電極と基準電極2との間に発生した起電力である。
【0036】この図5に示すように、水素濃度と起電力
との間には相関関係が存在する。このため、この図5の
ように、特定の温度における既知のアルミニウム溶湯中
の水素濃度と起電力との関係を予め求めておき、これを
キャリブレーションとすることにより、起電力の測定値
からアルミニウム溶湯中の未知の水素濃度を測定するこ
とができる。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、センサ素子がカルシウ
ムとジルコニウムとの複合酸化物を主成分とするペロブ
スカイト型プロトン導電性固体電解質により形成されて
いるから、センサプローブを平衡酸素分圧が低いアルミ
ニウム溶湯等の溶融金属中に挿入しても、センサ使用温
度にてセンサ素子と溶融金属との界面に絶縁性の酸化物
相が生成することを防止できる。従って、溶融金属中の
水素濃度を長時間連続して測定することができる。
【0038】また、従来のような基準ガスを基準物質と
するセンサとは異なって基準ガスを循環させるための装
置が不要であるため、本発明に係る溶融金属中の水素濃
度測定用センサプローブは小型であって信頼性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る溶融金属中の水素
濃度測定用センサプローブを示す断面図である。
【図2】本発明の第2の実施例に係る溶融金属中の水素
濃度測定用センサプローブを示す断面図である。
【図3】第2の実施例に係る溶融金属中の水素濃度測定
用センサプローブが組み込まれた検出部材を示す側面図
である。
【図4】水素濃度分析装置を示す模式図である。
【図5】図4に示す水素濃度分析装置による溶融金属中
の水素濃度の分析結果を示すグラフ図である。
【符号の説明】
1;センサ素子 2;基準電極 3;基準固体物質 4;リード線 5a,5b;セラミックチップ 6;金属ペースト 7a,7b;シール部 8;プリントリード配線 9;アルミナ挿入管 10;無機接着剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−269053(JP,A) 特開 昭62−84560(JP,A) 特開 昭64−31044(JP,A) 田辺潤、材料とプロセス、12(1), 1989,p.147 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/406 JICSTファイル(JOIS)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルシウムとジルコニウムとの複合酸化
    物を主成分とするペロブスカイト型プロトン導電性固体
    電解質により形成されたセンサ素子と、このセンサ素子
    の基準面に形成された多孔質の基準電極と、前記センサ
    素子の前記基準面に接触して配置されガルバニ起電力の
    基準となる固体基準物質と、前記センサ素子に配設され
    前記固体基準物質及び前記基準電極を溶融金属から気密
    的にシールするシール部と、前記溶融金属中に浸漬され
    る測定電極とを有することを特徴とする溶融金属中の水
    素濃度測定用センサプローブ。
  2. 【請求項2】 前記ペロブスカイト型プロトン導電性固
    体電解質は、前記複合酸化物のジルコニウムの一部をイ
    ンジウム、イットリウム、ガリウム、アルミニウム、イ
    ッテルビウム及びスカンジウムからなる群から選択され
    た少なくとも1種の元素で置換したことを特徴とする請
    求項1に記載の溶融金属中の水素濃度測定用センサプロ
    ーブ。
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Cited By (1)

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