JP3029100B2 - レリーフ効果を有するテリー織物及びその製造方法 - Google Patents

レリーフ効果を有するテリー織物及びその製造方法

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    • D03WEAVING
    • D03DWOVEN FABRICS; METHODS OF WEAVING; LOOMS
    • D03D27/00Woven pile fabrics
    • D03D27/02Woven pile fabrics wherein the pile is formed by warp or weft
    • D03D27/06Warp pile fabrics
    • D03D27/08Terry fabrics

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Looms (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地経糸、緯糸及び
少なくとも一本のパイル経糸、即ちループ経糸より形成
されるとともに、第一及び第二の緯糸群が供給され、か
つ共に筬打ちされる予め定められた浮きの繰り返し及び
緯糸筬打ちの繰り返しとに基づくレリーフ効果を有する
テリー織物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】広く知られているように、テリー織物
は、地経糸と、緯糸と、同地経糸及び緯糸の間にて同時
に織り込まれるループを形成するパイル経糸とから構成
される。通常、テリー織物は、基礎を形成する浮きの繰
り返し(Bindungsrapport)を用いて、三本緯(Dreisch
uss-)あるいは四本緯(Vierschuss-)の織物として製
造される。
【0003】図1を参照すると、三本緯織物において、
浮きの繰り返しは三本の緯糸からなり、緯糸1及び2で
は部分的に緯糸筬打ちが行なわれ、織り込まれた後に、
織前(Geweberand)から部分筬打ち距離VDに維持され
るとともに、緯糸3が完全に筬打ちされた緯糸を形成す
る。同緯糸3は部分筬打ちされた緯糸1及び2とともに
織前に対して筬打ちされる。これら三本の緯糸は、緯糸
群AあるいはBと称される。四本緯織物においては、浮
きの繰り返しは、三本の部分筬打ちされた緯糸と、一本
の完全筬打ちされる緯糸からなる。
【0004】両面テリー織物のためのループを形成する
方法は、日本国特許出願公開第4−194055号に開
示されている。織物は六本の緯糸の浮きの繰り返しに基
づいており、同緯糸は二つの緯糸群に分けられる。第一
の緯糸群は、織り込まれた後に織前から一定の距離に維
持される三本の部分的に筬打ちされた緯糸からなり、第
二の緯糸群は、二本の部分的に筬打ちされる緯糸と一本
の完全に筬打ちされる緯糸からなり、これらは、織前に
対して、部分筬打ちされる緯糸の全てとともに合わせて
筬打ちされる。地経糸は、五番目及び六番目の緯糸の後
を通り(abgebunden)、パイル経糸は二番目及び/又は
五番目の緯糸のあたりを通る。
【0005】地経糸が五番目及び六番目の緯糸の後のみ
を通ることが上述のテリー織物の欠点として示された。
特に、同織物では、織機を迅速に稼動しようとするあま
り、高いパイルと不規則なループを備えた外観の劣るも
のとなった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、改良
された、レリーフ効果(Reliefeffekt)を有するテリー
織物及びその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明は、地経糸、緯糸及び少なく
とも一本のパイル経糸、即ちループ経糸より形成される
とともに、第一及び第二の緯糸群が供給され、かつ共に
筬打ちされる予め定められた浮きの繰り返し及び緯糸筬
打ちの繰り返しに基づくレリーフ効果を有するテリー織
物において、浮きの繰り返し及び緯糸筬打ちの繰り返し
が地経糸中に通されるとともに完全筬打ちされる付随的
な緯糸を含んでいる。
【0008】請求項2に記載の発明では、第一の緯糸群
は二本の部分筬打ちされる緯糸を含み、第二の緯糸群は
二本の部分筬打ちされる緯糸と一本の完全筬打ちされる
緯糸とを含んでいる。
【0009】請求項3の発明では、第一の緯糸群は三本
の部分筬打ちされる緯糸を含み、第二の緯糸群は二本の
部分筬打ちされる緯糸と一本の完全筬打ちされる緯糸と
を含んでいる。
【0010】請求項4の発明は、浮きの繰り返し及び緯
糸筬打ちの繰り返しのうちの少なくとも一方が奇数本の
緯糸を含んでいる。
【0011】請求項5の発明では、浮きの繰り返し及び
緯糸筬打ちの繰り返しが五本の緯糸を含んでいる。請求
項6の発明では、浮きの繰り返し及び緯糸筬打ちの繰り
返しが七本の緯糸を含んでいる。
【0012】
【0013】
【0014】請求項の発明では、浮きの繰り返しが三
つの緯糸群を含んでいる。
【0015】請求項の発明では、地経糸及びパイル経
糸の少なくとも一方の浮きの繰り返しが部分的な群に組
み込まれるとともに織前にて筬打ちされる。請求項
発明では、浮きの繰り返しにおける地経糸の織り込み
自由に選択される。
【0016】請求項10の発明では、ループが片側ある
いは両側にて形成される。請求項11の発明では、ルー
プが片側ずつ交互に形成される。請求項12の発明で
は、BV法による織り方の変更が第一の緯糸群における
浮きの繰り返しに提供され、パイル変化における四本緯
法による織り方の変更が第二の緯糸群において提供され
る。
【0017】請求項13の発明では、奇数本の緯糸が二
つの緯糸群にて順次製織された後に、共に筬打ちされる
テリー織物を製造するための方法が提供される。請求項
14の発明では、織前にて緯糸群が筬打ちされた後、付
随的な緯糸が挿入されるとともに織前にて同様に筬打ち
され、地経糸に通されるテリー織物を製造するための方
法が提供される。
【0018】請求項15の発明では、緯糸群は互いに対
して、かつ織前に対してそれぞれ製織されることにより
同一の高さを有する一対のループが形成されるテリー織
物を製造するための方法が提供される。
【0019】各発明によって達成されるテリー織物の利
点は、同テリー織物が均一のループを有し、かつ模様の
輪郭が際だって美しい点にあり、パイルの方向を変更す
ることにより、より良好な経糸の通りが得られる。
【0020】
【発明の実施の形態】図2(a)、2(b)、2(c)
及び3を参照すると、同図2(a)、2(b)及び2
(c)は、本発明に従うテリー織物の好ましい実施形態
の製織時における過程を示す。織物は、地経糸G1及び
G2、緯糸、更には、例えば異なる色を有するパイル経
糸F1及びF2からなる。織物は、織り方が同一の両側
に別々のループを備えた両面テリー織物であり、パイル
経糸は表部あるいは裏部のいずれか一方に織られる。織
物は、いわゆる七本緯(7-schuss-)テリー織物、即
ち、七本の緯糸からなる浮きの繰り返し及び緯糸筬打ち
の繰り返し(Schussanschlagrapport)に基づく織物で
ある。同織物において、緯糸筬打ちの繰り返しは、緯糸
群と、筬打ち(部分筬打ち及び完全筬打ち)の性質と、
筬打ちの距離、即ち織前からの緯糸群の距離及び緯糸の
互いに対する距離とを定義する。
【0021】図2(a)は、製織工程における状態を示
す。筬打ち距離VD1にて製織された、三本の部分筬打
ちされた緯糸1,2,3からなる第一の緯糸群A、並び
に部分筬打ち距離VD2にて製織された、二本の部分筬
打ちされた緯糸4,5と一本の完全筬打ちされた緯糸6
とからなる第二の緯糸群Bは、織前に対して筬打ち可能
となる。図2(b)は二つの緯糸群A及びBが筬打ちさ
れた後の状態を示す。その後、付随的な緯糸7が挿入さ
れ、筬打ちされる。図2(c)は、付随的な緯糸7が筬
打ちされた後の状態を示す。
【0022】上述の七本緯テリー織物における浮きの繰
り返しを図3に示す。図4は、異なるパイル・パターン
を備える七本緯テリー織物を示すが、同織物の更なる記
載は省略する。
【0023】図5は、点線で示されたパイル経糸F1及
び二点鎖線で示されたパイル経糸F2より認識され得
る、交互に形成されたループを備えた七本緯テリー織物
を示す。このようなテリー織物において、パイル経糸
は、織物の一方の側から他方の側へと交互に通される。
この目的のために、織り方の変更(Bindungswechsel)
が提供され、実際には、ブルクハルト−フォーセン(Bu
rkhart-Vossen)法による織り方の変更(Burkhart-Voss
en-Bindungswechsel)(BV)あるいは四本緯法による
織り方の変更(Vierschuss-Bindungswechsel)(VS)
が提供される。図から明らかなように、BV法による織
り方の変更は第一の緯糸群(緯糸1,2,3)に提供さ
れ、四本緯法による織り方の変更は第二の緯糸群に提供
されている。図6は、図5の例と同一の地経糸の織り方
により実施される七本緯テリー織物における更なるパイ
ル・パターンを示す。図7(a)及び7(b)は、七本
緯テリー織物における地経糸の浮きの繰り返しの実施形
態を示す。
【0024】図8は、パイル織りの多様性及び更なる利
点を明確に示すパイル・パターンの例を備えた七本緯テ
リー織物を示し、同織物では、例えば、ある部分は織物
の上側のみにループを有し、別の部分は織物の下側のみ
にループを有する。
【0025】図9を参照すると、同図において、織物
は、地経糸G1及びG2、緯糸及び同色あるいは異なる
色のパイル経糸F1及びF2からなる。織物は、異なる
ループを有する両面五本緯テリー織物である。この織物
は、十本緯の浮きの繰り返し及び五本緯の浮きの繰り返
しに基づく。第一の部分筬打ちされた群Cにおいて、パ
イル経糸は、BV法により織り方を変更して、織物の他
の側へ通される。第二の部分筬打ちされた群Bにおい
て、パイル経糸は反対側へループを変更させることなく
織られる。
【0026】この織物において、浮きの繰り返しの各々
は二つの緯糸筬打ちの繰り返しを含む。二つの緯糸の筬
打ちの繰り返しの各々は、二本の部分筬打ちされた緯糸
1,2を含む第一の緯糸群Cと、二本の部分筬打ちされ
た緯糸3,4及び一本の完全筬打ちされた緯糸5を含む
第二の緯糸群Bとを含む。
【0027】図10(a)及び10(b)は、五本緯テ
リー織物におけるパイル・パターンの更なる例をそれぞ
れ示し、これらの図はパイルの織り方のみを示してい
る。図11(a)〜11(d)参照すると、織物は六本
緯テリー織物であり、同織物は六本の緯糸からなる浮き
の繰り返しと緯糸筬打ちの繰り返しに基づいており、図
11(b)及び11(c)の例における浮きの繰り返し
はそれぞれ二つの緯糸筬打ちの繰り返しを含む。この織
物において、浮きの繰り返し及び緯糸筬打ちの繰り返し
の各々は二本の部分筬打ちされた緯糸1,2を含む第一
の緯糸群Cと、二本の部分筬打ちされた緯糸3,4及び
一本の完全筬打ちされた緯糸5を含む第二の緯糸群B
と、付随的な緯糸6とを含む。この織り方における利点
は、第二の部分筬打ちされた群における織物の一方の側
から他方の側へ変更される(通される)パイル糸が四本
緯法による織り方の変更によって行われる点にある。
【0028】テリー織物は、地経糸、緯糸及びパイル経
糸からなる。同テリー織物は、第一及び第二の緯糸群を
含む浮きの繰り返し及び緯糸筬打ちの繰り返しに基づい
て製織される。第一の緯糸群の各々が部分的に筬打ちさ
れた緯糸を含む一方で、第二の緯糸群の各々が一本の完
全に筬打ちされた緯糸、及び、付随的な緯糸を含んでい
る。
【0029】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明により改良
された、レリーフ効果を有するテリー織物及びその製造
方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】公知のテリー織物の織物断面図及び織物におけ
る浮きの繰り返しを示す組織図である。
【図2】(a)〜(c)はそれぞれ、本発明に従う織物
の好ましい実施形態の織物断面図を示し、同図よりルー
プの形成が明らかにされる。
【図3】図2(c)に従う織物における七本の緯糸によ
る浮きの繰り返しを示す組織図である。
【図4】別のパイル・パターンを備えた図2(a)の織
物の織物断面図及び同織物における浮きの繰り返しを示
す組織図である。
【図5】更に別のパイル・パターン及びパイルの織り方
を変更した図2(a)に従う織物の織物断面図及び同織
物における浮きの繰り返しを示す組織図である。
【図6】更に別のパイル・パターンを備えた図2(a)
に従う織物の織物断面図及び及び同織物における浮きの
繰り返しを示す組織図である。
【図7】(a)及び(b)は、図6の織物における地経
糸の浮きの繰り返しの実施形態を示す組織図である。
【図8】更に別のパイル・パターンを備えた図2(a)
に従う織物の織物断面図及び同織物における浮きの繰り
返しを示す組織図である。
【図9】本発明に従う織物の第二実施形態の織物断面図
及び同織物における浮きの繰り返しを示す組織図であ
る。
【図10】(a)及び(b)はそれぞれ、図9に従う織
物におけるパイル・パターンの第一実施形態及びパイル
経糸における浮きの繰り返しを示す組織図である。
【図11】(a)〜(d)はそれぞれ、本発明に従う織
物における第3実施形態の織物断面図及び同織物におけ
る浮きの繰り返しを示す組織図である。
【符号の説明】
G1,G2…地経糸、F1,F2…パイル経糸、〜
…緯糸。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−8350(JP,A) 特開 平4−194055(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D03D 27/00 - 27/18

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】地経糸、緯糸及び少なくとも一本のパイル
    経糸、即ちループ経糸より形成されるとともに、第一及
    び第二の緯糸群が供給され、かつ共に筬打ちされる予め
    定められた浮きの繰り返し及び緯糸筬打ちの繰り返しに
    基づくレリーフ効果を有するテリー織物であって、 前記浮きの繰り返し及び前記緯糸筬打ちの繰り返しは、
    地経糸中に通されるとともに完全筬打ちされる付随的な
    緯糸を含むことを特徴とするテリー織物。
  2. 【請求項2】前記第一の緯糸群は二本の部分筬打ちされ
    る緯糸を含み、前記第二の緯糸群は二本の部分筬打ちさ
    れる緯糸と一本の完全筬打ちされる緯糸とを含むことを
    特徴とする請求項1に記載のテリー織物。
  3. 【請求項3】前記第一の緯糸群は三本の部分筬打ちされ
    る緯糸を含み、前記第二の緯糸群は二本の部分筬打ちさ
    れる緯糸と一本の完全筬打ちされる緯糸とを含むことを
    特徴とする請求項1に記載のテリー織物。
  4. 【請求項4】記浮きの繰り返し及び前記緯糸筬打ちの
    繰り返しのうちの少なくとも一方が奇数本の緯糸を含む
    ことを特徴とする請求項1に記載のテリー織物。
  5. 【請求項5】前記浮きの繰り返し及び前記緯糸筬打ちの
    繰り返しが五本の緯糸を含むことを特徴とする請求項4
    に記載のテリー織物。
  6. 【請求項6】前記浮きの繰り返し及び前記緯糸筬打ちの
    繰り返しが七本の緯糸を含むことを特徴とする請求項4
    に記載のテリー織物。
  7. 【請求項7】前記浮きの繰り返しが三つの緯糸群を含む
    請求項1乃至のいずれか1項に記載のテリー織物。
  8. 【請求項8】前記地経糸及びパイル経糸の少なくとも一
    方の浮きの繰り返しが部分的な群に組み込まれるととも
    に織前にて筬打ちされることを特徴とする請求項1乃至
    のいずれか1項に記載のテリー織物。
  9. 【請求項9】前記浮きの繰り返しにおける地経糸の織り
    込みが自由に選択されることを特徴とする請求項1乃至
    のいずれか1項に記載のテリー織物。
  10. 【請求項10】前記ループが片側あるいは両側にて形成
    されることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項
    に記載のテリー織物。
  11. 【請求項11】前記ループが片側ずつ交互に形成される
    ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載
    のテリー織物。
  12. 【請求項12】BV法による織り方の変更が前記第一の
    緯糸群における浮きの繰り返しに提供され、パイル変化
    における四本緯法による織り方の変更が前記第二の緯糸
    群において提供されることを特徴とする請求項1乃至
    のいずれか1項に記載のテリー織物。
  13. 【請求項13】奇数本の緯糸が二つの緯糸群にて順次製
    織された後に、共に筬打ちされることを特徴とする請求
    項1乃至12のいずれか1項に記載のテリー織物を製造
    するための方法。
  14. 【請求項14】織前にて前記緯糸群が筬打ちされた後、
    付随的な緯糸が挿入されるとともに織前にて同様に筬打
    ちされ、地経糸に通されることを特徴とする請求項13
    に記載の方法。
  15. 【請求項15】前記緯糸群は互いに対して、かつ織前に
    対してそれぞれ製織されることにより同一の高さを有す
    る一対のループが形成されることを特徴とする請求項
    あるいは14に記載の方法。
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