JP3029035B2 - ポリオキシメチレン組成物 - Google Patents

ポリオキシメチレン組成物

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JP3029035B2
JP3029035B2 JP01112208A JP11220889A JP3029035B2 JP 3029035 B2 JP3029035 B2 JP 3029035B2 JP 01112208 A JP01112208 A JP 01112208A JP 11220889 A JP11220889 A JP 11220889A JP 3029035 B2 JP3029035 B2 JP 3029035B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (発明の属する技術分野) 本発明は、ポリオキシメチレン組成物に関するもので
ある。
さらに詳細には、本発明は、特定の単一相の微小粒子
(C)を相溶化剤として配合することにより、ポリオキ
シメチレンが本来有している、優れた機械物性、疲労特
性、摩擦磨耗特性を損なわずに、ポリオキシメチレン以
外の熱可塑性樹脂が有する耐衝撃性、耐候性等の優れた
機能を合わせ持つ、ポリオキシメチレン組成物に関する
ものである。
(従来の技術) ポリオキシメチレンは、機械物性や摩擦磨耗特性など
に優れているために、近年エンジニアリングプラスチッ
クとしての需要が益々増大する傾向にある。
このポリオキシメチレンに、さらに高機能性を付与す
るために、ポリオキシメチレン以外の熱可塑性樹脂をポ
リオキシメチレンに添加する方法が数多く検討されてい
る。
例えば、このポリオキシメチレンは耐衝撃性、ノッチ
付衝撃強度が小さく、成形時の残留応力や小さな傷など
が存在すると破壊しやすいという欠点を有している。
そのため、ポリアセタールの耐衝撃性を改善する方法
として、例えば、不飽和ゴム類を添加する方法(特公昭
45−12674号公報、特公昭45−18023号公報)、オレフィ
ン重合体やα−オレフィン重合体を添加する方法(特公
昭41−2730号公報、特公昭42−19498号公報、特公昭43
−20376号公報、特開昭48−15954号公報、特開昭49−40
346号公報、特開昭50−103556号公報)、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体など
の極性基含有のα−オレフィン重合体を添加する方法
(特公昭43−22669公報、特公昭45−26231号公報、特公
昭45−18023号公報)などが知られている。
また、ポリオキシメチレンからなる成形体に表面光沢
性、真珠光沢性を持たせる試みとして、アクリル系樹脂
とポリカーボネート樹脂を添加する方法(特公昭54−37
186号公報)、アクリル系樹脂とスチレン−アクリロニ
トリル系樹脂を添加する方法(特開昭51−39746号公
報)等が報告されている。
然しながら、これらの方法において使用されているオ
レフィン重合体やα−オレフィン重合体、又はアクリル
系樹脂やポリカーボネート樹脂等の非晶性重合体と高結
晶性重合体であるポリオキシメチレンとは本来相溶性に
欠けるため、これらの混合物を溶融、混練しても、得ら
れた組成物は層状に剥離しやすく、十分な機械的強度は
得られない上に、成形品の外観も不良になるのを免れな
い。
また、ポリオキシメチレンの耐衝撃性を改良するため
に、それと相溶性の高い熱可塑性ポリウレタンを添加す
る方法(特開昭59−155452号公報、特開昭59−155453号
公報等)がよく知られており、現実に耐衝撃性を付与し
たポリオキシメチレンとして実用化されているが、得ら
れる組成物は、成形機内での滞留着色、長期放置による
変色、またはウエルド強度の低下、成形性の低下等の問
題点を有している。
さらに、その熱可塑性ポリウレタンを添加したポリオ
キシメチレン組成物については、微小粒子として、内部
に架橋構造を有した2相構造からなるアクリル系の多相
インターポリマーを併用する方法(特開昭62−36451号
公報)も知られている。
しかし、この方法において得られる組成物では、微小
粒子の併用により熱可塑性ポリウレタンの分散状態は改
良されず、成形機内での滞留着色、成形性の低下、ウエ
ルド強度の低下等同様な問題点を有している。即ち、微
小粒子を併用することによる相乗効果は発現できない。
また、特開昭60−219253号公報には、ポリオキシメチ
レン(A)の耐衝撃性改善剤としてゴム弾性核と硬質の
グラフト殻からなるゴムグラフト共重合体微粒子(B)
を用い、且つ必要に応じてポリウレタン等の熱可塑性樹
脂をも併用することが記載されているが、これらの微粒
子(B)では、硬質のグラフト殻のTgが高くても、ゴム
弾性の単一相核のTgが低いため、ポリオキシメチレン
(A)と溶融混練する際に、その殻部が破壊され易く、
加工条件によっては殻部の軟質重合体の影響により、粒
子が凝集を起こし、必ずしも微分散できなかった。
(発明が解決しようとする課題) 本発明の目的は、上記従来技術における欠点を克服
し、ポリオキシメチレンの有する優れた機械物性、疲労
特性、摩擦磨耗特性を保持したまま、本来ポリオキシメ
チレンと相溶性の低い他の熱可塑性樹脂が、ポリオキシ
メチレンマトリックス中に均一微分散した組成物であっ
て、層状剥離がなく、表面外観の優れた成形体を提供す
ることにある。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは鋭意検討の結果、ポリオキシメチレンと
は本来相溶性が低くて、ポリオキシメチレンに混合し溶
融、混練して得られる樹脂組成物及び成形体が、層状剥
離を起こしてしまうようなポリオキシメチレン以外の熱
可塑性樹脂を、特定の単一相の微小粒子と併用すること
によって、驚くべきことに前記熱可塑性樹脂をポリオキ
シメチレンマトリックス中に均一微分散させることに成
功し、得られた組成物が層状剥離のない良好な表面外観
を有する成形体を与えることを見出し、本発明を完成す
るに至った。
即ち、本発明は; ポリオキシメチレン(A)100重量部、 ポリオキシメチレンと相溶性の低い他の熱可塑性樹脂
(B)5〜100重量部、 (B)と相溶性の高い樹脂であり、Tgが25℃以上の単
一相の微小粒子(C)5〜100重量部とからなる組成物
であって、 しかも本組成物中の(C)成分が0.01〜2.0μmの粒
径で(B)の中に分散している、ポリオキシメチレン組
成物を提供する。また、 成分(B)100重量部に対して成分(C)が20〜500
重量部の量で存在し、且つ成分(B)と成分(C)の合
計量が成分(A)100重量部に対して100重量部以下であ
る点にも特徴を有する。また、 微小粒子(C)が、その内部に架橋構造を有した架
橋重合体粒子である点にも特徴を有する。また、 微小粒子(C)がスチレン系重合体で構成されてい
る点にも特徴を有する。また、 微小粒子(C)が塩化ビニル系重合体で構成されて
いる点にも特徴を有する。また、 微小粒子(C)を構成する重合体の重合単位(繰返
単位)が、成分(B)の重合単位の、少なくとも一つ以
上と同一である点にも特徴を有する。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明に用いられるポリオキシメチレン(A)とは、
ポリオキシメチレンホモポリマーまたは主鎖の大部分が
オキシメチレン連鎖よりなるポリオキシメチレン共重合
体であり、詳しくはホルムアルデヒドもしくはホルムア
ルデヒドの環状オリゴマーであるトリオキサン、テトラ
オキサンなどを単独に、またはこれらと共重合可能な1
種以上のコモノマー(例えばエチレンオキサイド、1,4
−ブタンジオールホルマールなど)をさらに組合せて、
重合または共重合して得られたものを末端基からの分解
に対して安定化したものを言う。
使用に際しては、通常の熱安定剤、酸化防止剤および
公知の添加剤を添加することができる。
また、一度熱安定剤等の添加剤を加えた後、粉末状に
粉砕したものも使用できる。
本発明に用いることのできるポリオキシメチレン以外
の熱可塑性樹脂(B)は、ポリオキシメチレンとの相溶
性が低いものであれば特に限定はない。
例えば、上記(B)をポリオキシメチレンと混合後、
溶融、混練して得られる組成物及び成形体において、上
記(B)が最大方向約1μm以上の大きさで分散してい
るか、上記(B)の分散状態が不安定、かつ不均一であ
り、局部的に変形を伴っているか、或いは得られる組成
物及び成形体が剥離現象を生じてしまう程度に、ポリオ
キシメチレンとの相溶性が低い熱可塑性樹脂であれば、
本発明に使用することができる。
例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ABS樹脂、A
AS樹脂、AES樹脂、AS樹脂、MBS樹脂、ポリスチレン、耐
衝撃性ポリスチレン、塩化ビニル樹脂、エチレン−塩化
ビニル共重合樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビ
ニル樹脂等の汎用樹脂がある。
また、通常、ポリスチレンと溶融、混練して使用され
るポリフェニレンオキサイド等のエンジニアリング樹
脂、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アク
リルゴム、エチレン−プロピレンゴム等の合成ゴム、熱
可塑性エラストマー等も使用することができる。
本熱可塑性樹脂(B)の添加量は、ポリオキシメチレ
ン100重量部に対して5〜100重量部が必要である。添加
量が5重量部より少なければ本熱可塑性樹脂(B)によ
る改質効果が発現できず、100重量部を越えるとポリオ
キシメチレンの有する優れた機械物性、摩擦磨耗特性、
疲労特性等を損なってしまう。本熱可塑性樹脂(B)の
添加量は、好ましくは10〜50重量部がよい。
本発明に用いることのできる微小粒子(C)は、ポリ
オキシメチレン以外の熱可塑性樹脂(B)と相溶性が高
く、本組成物中の(C)の粒径が0.01〜2.0μmの間に
あり、粒子形状を保持したま上記(B)中に分散するTg
が25℃以上の単一相の粒子である。
例えば、ポリオキシメチレンと混合後、溶融、混練を
行う通常の温度条件下において、微小粒子(C)が軟化
しても粒子形状を保持する熱可塑性樹脂である架橋重合
体粒子、または上記温度条件下では溶融しない高融点、
高軟化温度を有する熱可塑性樹脂である粒子、または熱
硬化性の粒子等が挙げられる。
好ましくは、(B)と(C)が相互に高い相溶性を示
すためには、ポリオキシメチレンとの溶融、混練条件下
で、(C)は少なくともその一部が軟化する熱可塑性樹
脂がよい。
このような代表的な微小粒子(C)としては、その内
部に架橋構造を有した架橋重合体粒子が挙げられる。架
橋重合体粒子としては、単一相のみから構成される単独
架橋重合体粒子を用いることができる。
架橋重合体粒子は、次に挙げるモノマーを重合させる
ことによって形成することができる。2種類以上のモノ
マーからなる共重合体でもよい。
使用可能なモノマーとしては、例えば、スチレン、ビ
ニルトルエンなどの芳香族ビニルモノマー;塩化ビニ
ル、塩化ビニリデンなどのハロゲン化ビニルモノマー;
アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル
系モノマー;メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチ
ル、メタクリル酸ヒドロキシエチルなどのメタクリル酸
エステル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アク
リル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリ
ル酸ヒドロキシエチルなどのアクリル酸エステル;酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル;ア
クリルアミド、メタクリルアミドなどの不飽和アミド;
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニル
ブチルエーテルなどのビニルアルキルエーテルなどを挙
げることができ。
また、これらビニル重合性モノマーに、例えばブタジ
エン、イソプレンなどの共役ジエンを加えて共重合させ
てもよい。
本発明で言う架橋重合体粒子(C)は、次に示す慣用
の乳化重合技術を用いて製造することができる。
具体例として、架橋重合体粒子の製法を開示する。
乳化剤などの乳化重合に必要な添加剤を含む水の中へ
モノマーと重合開始剤を加え、攪拌しながら重合を行
う。
乳化剤としては、ジオクチルスルホコハク酸ソーダ等
のアルキルスルホコハク酸塩;ドデシルベンゼンスルホ
ン酸ソーダな等のアルキル芳香族スルホン酸塩などを使
用することができる。
重合開始剤としては、ジイソプロピルベンゼンヒドロ
パーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等の過酸化
物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物などを
使用することができる。
重合体粒子に架橋構造を持たせるために、主成分のモ
ノマーと多官能性架橋剤を共重合させる。
多官能性架橋剤としては、ジビニル化合物、ジアリル
化合物、ジアクリル化合物、ジメタクリル化合物などの
一般に使われる架橋剤を用いることができ、ジアクリル
酸エチル、ジアクリル酸−n−ブチルが好ましい。
多官能性架橋剤の添加量は、重合体の全重量に基づい
て0.1〜5.0重量%が好ましく、更には0.1〜2.5重量%が
より好ましい。
重合が終了した時点で、架橋重合体粒子の重合を終了
とする。乳化重合は、通常50〜90℃の温度で行われる。
上記乳化重合によって得られた架橋重合体粒子は、慣
用の手段、例えば、塩析、凍結融解、あるいはスプレー
ドライなどの方法を用いて、粒子の形態を保ったまま水
を分離することができる。塩析は、塩化アルミニウム、
塩化ナトリウムなどの電解質溶液を用い、沈殿をろ別す
る。更に、洗浄、乾燥工程を経て本発明で言う架橋重合
体粒子を得ることができる。
本発明で用いる架橋重合体粒子を構成する重合体は、
ガラス転移温度(以下Tgと略す)の高い硬質重合体であ
ることが好ましい。
Tgの低い軟質重合体の場合、この架橋重合体粒子をポ
リオキシメチレンに混合後、押出機を用いて融解混練す
る際に、架橋重合体粒子同志がお互いに凝集を引き起こ
し、本発明で得られる均一微分散した状態を保てなくな
ってしまう。架橋重合体粒子のTgは、25℃以上が好まし
く、更には50℃以上がより好ましい。
架橋重合体粒子は、ポリオキシメチレンを分解する傾
向のある酸等の部位を含有していなければ好ましく、重
合時に使用した過酸化物等の触媒、不純物は極力取り除
いた方が好ましい。
微小粒子(C)の本組成物中の粒径は、微分散を確実
にするためには、0.01〜2.0μmの間にある必要があ
る。粒径が0.01μmより小さければ、本発明でいう優れ
た効果が得られず、2.0μmより大きければポリオキシ
メチレンの有する機械物性等の優れた特徴を損なってし
まう。
微小粒子(C)の本組成物中の粒径は、0.05〜0.5μ
mの間にある方が好ましい。また、(C)の形状につい
ては、極力球状に近い方が好ましい。
微小粒子(C)の添加量は、ポリオキシメチレン100
重量部に対して5〜100重量部が必要である。5重量部
より少なければ、本発明でいう層状剥離のない良好な表
面外観を有する成形体が得られないし、100重量部を越
えるとポリオキシメチレンの優れた機械物性等を損なっ
てしまう。微小粒子(C)の添加量は5〜50重量部が好
ましい。
好ましい組合せとしては、ポリオキシメチレン以外の
熱可塑性樹脂(B)は、微小粒子(C)との相溶性が高
いことが必要であり、例えば(C)を構成する重合体の
重合単位(繰返し単位)が(B)の重合単位と少なくと
も1つ以上は同一である方が好ましい。
本発明で得られる組成物を射出成形等を行った際に、
元来微小な粒子形状を有する微小粒子(C)は、ポリオ
キシメチレンマトリックス(A)中に容易に均一微分散
可能であり、この均一微分散した微小粒子と相溶性の高
いポリオキシメチレン以外の熱可塑性樹脂(B)も微小
粒子に相溶するような形で微分散する。よって、本組成
物は、基本的に上記(B)の中に(C)が分散したモル
フォロジーを形成する。
但し、本発明で得られる成形体の部位によっては、部
分的に上記モルフォロジーに若干乱れが生じ、微小粒子
(C)が単独でポリオキシメチレンマトリックス(A)
中に分散する場合もあるが、全体に対して極めて僅かな
領域であり、基本的には(C)は、(B)中に分散して
いると言うことができる。
即ち、微小粒子(C)がポリオキシメチレン(A)以
外の熱可塑性樹脂(B)が微分散するための核粒子、換
言すれば相溶化剤として働いているものと予想される。
本発明で言う表面外観の優れた組成物を得るには、ポ
リオキシメチレン以外の熱可塑性樹脂(B)100重量部
に対して、微小粒子(C)は20〜500重量部が好まし
く、更には40〜250重量部がより好ましい。
また、ポリオキシメチレンの有する優れた特徴を損な
わず、かつ本発明でいう良好な効果を得るには、(B)
と(C)を合わせた全添加量は、ポリオキシメチレン10
0重量部に対して100重量部以下が好ましく、更には70重
量部以下がより好ましい。
なお、本発明の組成物には、上述の成分のほかに、そ
の用途に応じて難燃化剤、離型剤、耐候性付与剤、酸化
防止剤、帯電防止剤、耐熱剤、着色剤、補強剤、界面活
性剤、無機充填剤、滑剤などの常用の補助的成分を添加
することができる。
なお、本発明の組成物を用いて成形品を製造する方法
としては、例えば射出成形、押出成形など慣用の成形手
段を採用することができる。成形は通常170〜300℃の加
熱条件下で行われる。以下、実施例及び比較例を挙げて
本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの
例によってなんら限定されるものでない。
なお、使用したポリオキシメチレンは表−1のものを
用いた。
*1:MI値は、ASTM D1238−57Tに従って測定(190
℃、2.16kg荷重)。*2:トリオキサン98重量%、エチレ
ンオキサイド2重量%のランダム共重合体。
また、組成物の分散状態は、ASTM D−638に準じた
引張物性評価用の試験片を作製し、樹脂流れ方向に対し
て平行断面の中心部付近を透過型電子顕微鏡(日本電子
(株)製 JEM100SX)を用いて観察した。
(実施例1) (架橋重合体粒子(B−1)の製造) かきまぜ機、コンデンサーを備えた10ビーカーに蒸
留水5.7、乳化剤としてジオクチルスルホコハク酸ソ
ーダ20g、還元剤としてロンガリット1.2gを加え、均一
に溶解する。
次に、スチレン220g、ジアクリル酸ジエチレングリコ
ール2.0g、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキシド
0.2gの均一溶液を加え、80℃で重合した。約15分で反応
は終了した。
次いで、温度を95℃に上げ、1時間保持した。得られ
た乳化剤を0.5%塩化アルミニウム水溶液中に投入して
重合体を凝集させ、温水で5回洗浄後、乾燥して白色フ
ロック状の成形材料を得た。
この架橋重合体粒子をB−1とし、本発明で言う微小
粒子(C)として用いる。
次に、ポリオキシメチレン(A−1)1kgに、架橋重
合体粒子(B−1)0.2kg、更に市販のポリスチレン
(旭化成工業(株)製、スタイロン686)0.4kgを配合
し、この混合物をヘンシェルミキサーを用いて十分混合
し、30mφの口径を有する二軸押出機を用いて、シリン
ダー温度200℃の下で溶融混練し、ペレット状のポリオ
キシメチレン組成物を得た。
このペレットを十分乾燥させた後、シリンダー温度20
0℃の下で射出成形し、ASTM D−638に準じた引張物性
評価用の試験片を作製した。
試験片の表面は、剥離も見られず外観は良好であっ
た。試験片にカッターで切り目を入れた後、曲げ折った
破断面は、均一に破断しており、層状に剥離を生じてい
る様子はなかった。
本組成物の分散状態は、ポリオキシメチレンマトリッ
クス中に分散しているポリスチレンの中の架橋重合体粒
子(B−1)が0.08〜0.15μmの間にある粒径で分散し
ていた。
(比較例1) 実施例1において、架橋重合体粒子(B−1)を配合
しなかったこと以外は、実施例1と同様に評価を行っ
た。
得られた試験片は、剥離状態を示しており、良好な表
面外観は得られなかった。
(実施例2〜12) 実施例1において、ポリオキシメチレンの種類と架橋
重合体粒子、ポリスチレンの配合割合を変えたこと以外
は、実施例1と同様に評価を行った。その結果を表−
2、3に示す。
実施例1と同様に、幅広い組成範囲内で良好な結果が
得られた。
(実施例13〜17) 実施例1の架橋重合体粒子(B−1)の製造におい
て、乳化剤であるジオクチルスルホコハク酸ソーダの添
加量を変え、製造する架橋重合体粒子の粒径を変えた以
外は、実施例1と同様にしてスチレンからなる架橋重合
体粒子(B−2〜6)を製造した。実施例1と同様にし
て評価を行った。その結果を表−3に示す。
表−3に示すように、本組成物中の架橋重合体粒子の
粒径は幅広い範囲において剥離のない良好な表面外観を
有する試験片が得られることが分かる。
(実施例18〜20) 実施例1において、ポリスチレン(旭化成工業(株)
製、スタイロン686)の代わりに、ABS樹脂(旭化成工業
(株)製、スタイラック200)、ポリフェニレンオキサ
イド/ポリスチレン(旭化成工業(株)製、ザイロン10
0V)、水添スチレン−ブタジエンゴム(旭化成工業
(株)製、タフテックH1041)を用いたこと以外は、実
施例1と同様にして試験片を作製した。
いずれの実施例も表面外観が良好で、かつ剥離のない
均一破断面を有する試験片を与えるものであった。
実施例19で示すように、ポリオキシメチレン以外の熱
可塑性樹脂が二種類以上の熱可塑性樹脂からなる混合物
であっても、相互に高い親和性を有し、相溶するもので
あれば、本発明の範囲内でのものであり、その効果は同
等の効果が得られることが分かる。
(比較例2〜4) 実施例18〜20において、架橋重合体粒子(B−1)を
配合しないこと以外は、同様な方法において各試験片を
得たが、どれも簡単に剥離を生じてしまい、表面状態の
良好な試験片は得られなかった。
(実施例21) 実施例1の架橋重合体粒子(B−1)の製造におい
て、スチレンの代わりに塩化ビニルを用いた以外は、同
様な方法で架橋重合体粒子(B−7)を製造した。
次に、ポリオキシメチレン(A−1)1.0kg、架橋重
合体粒子(B−7)0.2kg、市販の塩化ビニル樹脂(日
本ゼオン(株)製、ゼオンEP−8)を0.4kg配合し、実
施例1に従って試験片を作製した。他の実施例と同様
に、剥離のない表面外観が良好な試験片が得られた。
(比較例5) 実施例21において、架橋重合体粒子(B−7)を配合
しなかったこと以外は、同様な方法で試験片作製した
が、得られたものは、曲げただけで容易に剥離し、破断
面も剥離気味の試験片であった。
(発明の効果) 本発明のポリオキシメチレン組成物は、ポリオキシメ
チレンの優れた機械物性、疲労特性、摩擦摩耗特性を保
持したまま、本来ポリオキシメチレンと相溶性の低い他
の熱可塑性樹脂がポリオキシメチレンマトリックス中に
均一微分散でき、層状剥離のない良好な表面を有すると
言う利点がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−219253(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 59/04

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオキシメチレン(A)100重量部、ポ
    リオキシメチレンと相溶性の低い他の熱可塑性樹脂
    (B)5〜100重量部、 (B)と相溶性の高い樹脂であり、Tgが25℃以上の単一
    相の微小粒子(C)5〜100重量部とからなる組成物で
    あって、 しかも本組成物中の(C)成分が0.01〜2.0μmの粒径
    で(B)の中に分散していることを特徴とする、ポリオ
    キシメチレン組成物。
  2. 【請求項2】成分(B)100重量部に対して成分(C)
    が20〜500重量部の量で存在し、且つ成分(B)と成分
    (C)の合計量が成分(A)100重量部に対して100重量
    部以下であることを特徴とする、請求項1記載の組成
    物。
  3. 【請求項3】微小粒子(C)が、その内部に架橋構造を
    有した架橋重合体粒子であることを特徴とする、請求項
    1又は2記載の組成物。
  4. 【請求項4】微小粒子(C)がスチレン系重合体で構成
    されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
    記載の組成物。
  5. 【請求項5】微小粒子(C)が塩化ビニル系重合体で構
    成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    に記載の組成物。
  6. 【請求項6】微小粒子(C)を構成する重合体の重合単
    位(繰返単位)が、成分(B)の重合単位の、少なくと
    も一つ以上と同一であることを特徴とする、請求項1記
    載の組成物。
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