JP3028727B2 - 光沢トルク加工糸 - Google Patents

光沢トルク加工糸

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JP3028727B2 JP6033306A JP3330694A JP3028727B2 JP 3028727 B2 JP3028727 B2 JP 3028727B2 JP 6033306 A JP6033306 A JP 6033306A JP 3330694 A JP3330694 A JP 3330694A JP 3028727 B2 JP3028727 B2 JP 3028727B2
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敏昭 清水
久夫 犬山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、織編物にした時に豊か
な光沢感とトルク発現によるふくらみを与え得る光沢ト
ルク加工糸に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年特にスポーツ衣料分野を中心にスピ
ード感や躍動感を表現するひとつの手段としてカラフル
なデザインやシャープな光沢感が求められており、これ
らを具体化するために従来より光沢感を有する合成繊維
フィラメント織編物用に透明度の高いポリマーからなる
原糸や異形断面を有する原糸が使用され、ある一定の評
価を得ている。
【0003】しかしながら、従来のように織編物に原糸
をそのまま直接用いると、織編物にふくらみがなくペー
パーライクなものしか得られず、またスナッキングやピ
リングといった原糸使い織編物に特有の欠陥が生じやす
い。
【0004】一方で織編物にふくらみを付与するため
に、いわゆるウーリー加工糸を用いたり、高収縮糸と低
収縮糸とからなる異収縮混繊糸を用いることも知られて
いる。しかしながら、前者は糸に2次元や3次元のケン
縮があるため織編物としたときの表面形態が梨地調とな
り光の吸収や乱反射の発生が強いため実質的に光沢度が
大幅にダウンし充分な光沢感を表現できず、また後者は
多少の効果はあるものの充分なふくらみを付与できない
ばかりか、いわゆる生糸感を拭い切れない欠点を有して
いた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは上記した
問題に鑑み、光沢レベルを維持しつつ原糸使いの欠点を
改善し、光沢感に優れ、かつ充分なふくらみを有する織
編物が得られる加工糸を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明は、次の構成からなるものである。
【0007】ポリエステルマルチフィラメント糸からな
る加工糸であって、平均鏡面反射強度が800%以上、
平均拡散反射強度が200%以上、トルクヨリ数が50
T/m以上400T/m以下、対比光沢度が2.0以上
2.7以下であって、かつ伸縮復元率が2%以下である
ことを特徴とする光沢トルク加工糸である。以下、本発
明を詳しく説明する。
【0008】まず本発明の加工糸は、ポリエステルマル
チフィラメント糸から成り、高い光沢感を織編物に付与
するために、加工糸の平均鏡面反射強度が800%以
上、かつ加工糸の平均拡散反射強度が200%以上であ
ることが重要である。
【0009】これは、加工糸の反射強度の強さが直接的
に織編物の光沢感の高さに反映することに加え、平均鏡
面反射強度がいわゆる金属調光沢の強さを代表し、平均
拡散反射強度がいわゆる乱反射光沢の強さを代表してい
るものであるから、シャープな光沢感という意味では金
属調光沢が高い(すなわち平均鏡面反射強度が強い)こ
とが必要となるが、金属調光沢のみが強いとキラツキ感
というマイナス面も現われるため、全体的な光沢感を表
現するためにある一定以上の乱反射光沢(すなわち平均
拡散反射強度)が必要となるのである。
【0010】拡散反射強度に対する鏡面反射強度の比を
表す対比光沢度が、光沢感としてのバランスやダル感を
防ぐ観点から2.0以上であることが重要であり、また
光沢感としてのバランスやキラツキ感を防ぐ観点から
2.7以下であることが好ましい。
【0011】なお、本発明でいう平均鏡面反射強度と
は、糸をミニセリプレンを用いて隙間のないように0.
1g/d の張力下で黒台紙にならべ、これを3次元光沢計
を用いて糸の光沢度を光の入射角45°−反射受光角4
5°で測定したときの最大値と最小値の平均を表わすも
のであり、平均拡散反射強度とは、同様の測定において
光の入射角45°−反射受光角0°で測定したときの最
大値と最小値の平均を表わしたものである。また対比光
沢度とは、鏡面反射強度の最大値を拡散反射強度の最大
値で割ったものである。このときの反射強度は酸化マグ
ネシウム標準白板の測定値を基準として求めるものであ
る。
【0012】次に、本発明の加工糸は50T/m以上4
00T/m以下のトルクヨリ数を有することが重要であ
る。これは糸の持つトルクによって織編物の拘束をトル
ク発現方向に微妙に歪ませることでふくらみを付与する
ためである。トルクヨリ数が50T/mに満たないと織
編物がいわゆるペーパーライクな物になり充分なふくら
みを表現できないし、また400T/mを越えると編み
立て等の後工程においてヨリつきやビリの発生が著しく
取扱い性が大幅に悪くなる。
【0013】なお本発明でいうトルクヨリ数とは、図1
に示したように1mの長さにサンプリングした加工糸の
両端を横方向に固定し加工糸の中央に0.5mg/dの荷重
を吊した状態で徐々に両端を近づけ完全に両端が一致し
た時にヨリ合った数を50cmあたりのトルクヨリ数とし
て測定し1mあたりに換算して求めたものをいう。
【0014】また、本発明の加工糸は優れた光沢を得る
観点から糸の伸縮復元率が2%以下であることが重要で
ある
【0015】本発明の加工糸を構成する糸は、ポリエス
テルマルチフィラメント糸であれば特に限定されず、異
形断面糸であったり、繊度ミックス糸、異収縮混繊など
の複合糸であってもさしつかえない。なお、酸化チタ
ン、炭化カルシウム、酸化ケイ素などの艶消剤の添加は
光沢に影響するが、本発明においては優れた光沢を得る
観点からポリエステルマルチフィラメント糸に対して
0.1重量%以下であることが好ましい。
【0016】本発明の加工糸を構成する糸のデニール
は、0.1デニール以上10デニール以下のものを好ま
しく用いることができる。
【0017】また、本発明の加工糸は、糸の密度が1.
385g/cm3 以上であれば織編物とした時の寸法安
定性が良いことに加え、織編物にする際に他の糸と組合
わせて使用しても低収縮のため本加工糸が比較的表層に
位置し光沢感を効果的に表現できるため好ましい。
【0018】本発明の加工糸の製造方法としては特に限
定されないが、糸に安定したトルクを付与するために仮
ヨリ加工を流用することが望ましく、仮ヨリヨリ掛け方
法としてはスピンドル、フリクション、旋回ノズル、自
己摩擦仮ヨリ、ケンネル等のいずれも採用できる。なか
でも工程安定性、加工糸の品質などの観点から、特公昭
47−44467号公報などに記載の自己摩擦仮ヨリ方
法が特に好ましい。
【0019】ただし加工の際には糸に2次元や3次元の
捲縮をつけると大幅に光沢度が低下するため注意が必要
である。
【0020】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。
【0021】なお、実施例における糸特性は次の方法に
より求めたものである。
【0022】<平均鏡面反射強度、平均拡散反射強度>
糸をミニセリプレンを用いて隙間のないように黒台紙に
糸をならべ、株式会社城南製作所製の3次元変角光沢計
を用い、日立計測器サービス社製酸化マグネシウム標準
副白板の測定値を基準として、光の入射角45°−反射
受光角45°で測定したときの最大値と最小値の平均か
ら平均鏡面反射強度を求めた。また、その測定法におい
て光の入射角45°−反射受光角0°で測定したときの
最大値と最小値の平均から平均拡散反射強度を求めた。
【0023】<対比光沢度>上記方法により求められた
鏡面反射強度の最大値を拡散反射強度の最大値で割るこ
とにより対比光沢度を算出した。
【0024】<トルクヨリ数>図1に示したように1m
の長さにサンプリングした加工糸の両端を横方向に固定
し加工糸の中央に0.5mg/dの荷重を吊した状態で徐々
に両端を近づけ完全に両端が一致した時にヨリ合った数
を50cmあたりのトルクヨリ数として測定し1mあた
りに換算して求めた。
【0025】<伸縮復元率>加工糸の伸縮復元率は、J
IS L1090に準じて求めた。
【0026】<糸密度>加工糸の密度は、四塩化炭素と
n−ヘプタンとの混合溶液からなる密度勾配管を用いて
測定した。
【0027】[実施例1、比較例1]100デニール4
8フィラメントの3角断面を有するポリエステルマルチ
フィラメント糸(艶消剤の含有なし)を供給糸として用
い、特公昭47−44467号公報に記載の自己摩擦仮
ヨリ方法により、仮ヨリ数896T/m、仮ヨリ温度2
00℃、リセット温度180℃の条件で加工を行った。
【0028】得られた糸の糸特性を表1に示す。
【0029】この糸を用いて平編地を作成し染色加工後
編地かさ高度を測定したところ、供給糸をそのまま平編
地に用いたもの(比較例1)に比べてみかけかさ高度が
1.3倍という良いふくらみを有し、また編地は非常に
良い光沢感をもっていた。
【0030】
【表1】 [実施例2]エチレンテレフタレートを主たる構成単位
とし、第3成分としてポリエチレングリコールと5−ナ
トリウムスルホイソフタル酸ジメチルを共重合して得ら
れた75デニール36フィラメントの3角断面を有する
ポリエステルマルチフィラメント糸(酸化チタン0.0
7重量%含有)を供給糸として用い、特公昭47−44
467号公報に記載の自己摩擦仮ヨリ方法により、仮ヨ
リ数1020T/m、仮ヨリ温度180℃、リセット温
度150℃の条件で加工を行った。
【0031】この糸の糸特性を表1に併記した。この糸
を用いた平編地も実施例1と同様にふくらみと良い光沢
感を合わせ持っていた。
【0032】[比較例2]実施例1と同じ供給糸を用い
スピンドル仮撚装置で仮ヨリ数2100T/m、仮ヨリ
温度180℃、リセット温度180℃の条件で加工を行
った。
【0033】この糸の糸特性を表1に併記した。この糸
は伸縮復元率が5.1%と高く、明らかに3次元の捲縮
を有するものであった。この糸を用いた平編地は良いか
さ高性をもっていたが、光沢性は供給糸使いのものに比
べ大幅にダル化したものであった。
【0034】[比較例3]実施例1と同じ供給糸を用い
インターレースノズルによって交絡処理を行った。
【0035】この糸の糸特性を表1に併記した。原糸を
用いているのでトルクヨリ数が1.7T/mと低いもの
であった。この糸を用いた平編地は、供給糸使いのもの
に匹敵する光沢感を持っていたが、ややキラツキ気味
で、またふくらみがなくいわゆるペーパーライクな風合
いのものであった。
【0036】
【発明の効果】本発明の加工糸は、糸が良い光沢特性と
トルクを有しているため豊かな光沢感を保ちながら充分
なふくらみをもつ織編物を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トルクヨリ数測定方法の概念図である。
【符号の説明】
1:測定サンプル 2:ヨリ合った状態のサンプル 3:荷重
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D02G 1/02 D02G 3/02 D02G 3/26 Fタームテーマコード4L036

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステルマルチフィラメント糸からな
    る加工糸であって、平均鏡面反射強度が800%以上、
    平均拡散反射強度が200%以上、トルクヨリ数が50
    T/m以上400T/m以下、対比光沢度が2.0以上
    2.7以下であって、かつ伸縮復元率が2%以下である
    ことを特徴とする光沢トルク加工糸。
  2. 【請求項2】糸密度が1.385g/cm3 以上である
    ことを特徴とする請求項1に記載の光沢トルク加工糸。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6142619A (en) 1992-12-04 2000-11-07 Canon Kabushiki Kaisha Apparatus and method for manufacturing ink jet printed products and ink jet printed products manufactured using the method

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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