JP2644825B2 - 加工糸調の織編物 - Google Patents
加工糸調の織編物Info
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- JP2644825B2 JP2644825B2 JP63138122A JP13812288A JP2644825B2 JP 2644825 B2 JP2644825 B2 JP 2644825B2 JP 63138122 A JP63138122 A JP 63138122A JP 13812288 A JP13812288 A JP 13812288A JP 2644825 B2 JP2644825 B2 JP 2644825B2
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Description
本発明は,ポリエステル系マルチフイラメント糸を用
いて、スパンライクでソフトな風合いを有する加工糸調
の織編物に関するものである。
いて、スパンライクでソフトな風合いを有する加工糸調
の織編物に関するものである。
従来より、ポリエステル系マルチフイラメント糸を用
いてスパンライクな織編物を製造する方法としては、仮
撚加工方法が一般的である。たとえば、繊度・伸度・熱
収縮・染着差など物理的・化学的に異なる2種以上の糸
を引揃えて仮撚を同時加工し、糸の物理的な特性を利用
し糸条にループを与えたり、長さ方向に太さ斑を生じさ
せたりして、スパンライクな加工糸を得る方法がある。
また、仮撚加工時に2種以上の糸条を用い該糸条のそれ
ぞれの供給量を変えてその糸長差を利用してループ毛羽
を作る方法、空気処理をして毛羽を立てる方法等があ
る。 仮撚加工方法以外のものとしては、コンジユゲートな
どの潜在捲縮を付与した原糸を使用する方法又は異収縮
差を利用する方法等があるが、後加工である染色工程で
の潜在捲縮の発現力がいずれも弱く、仮撚加工方法の場
合に見られるような、ボリユーム感のあるスパンライク
な風合いを有する織編物を原糸の特性を利用するだけの
方法で製造するのは困難であった。
いてスパンライクな織編物を製造する方法としては、仮
撚加工方法が一般的である。たとえば、繊度・伸度・熱
収縮・染着差など物理的・化学的に異なる2種以上の糸
を引揃えて仮撚を同時加工し、糸の物理的な特性を利用
し糸条にループを与えたり、長さ方向に太さ斑を生じさ
せたりして、スパンライクな加工糸を得る方法がある。
また、仮撚加工時に2種以上の糸条を用い該糸条のそれ
ぞれの供給量を変えてその糸長差を利用してループ毛羽
を作る方法、空気処理をして毛羽を立てる方法等があ
る。 仮撚加工方法以外のものとしては、コンジユゲートな
どの潜在捲縮を付与した原糸を使用する方法又は異収縮
差を利用する方法等があるが、後加工である染色工程で
の潜在捲縮の発現力がいずれも弱く、仮撚加工方法の場
合に見られるような、ボリユーム感のあるスパンライク
な風合いを有する織編物を原糸の特性を利用するだけの
方法で製造するのは困難であった。
本発明は、仮撚加工方法を採用しないで、ポリエステ
ル系マルチフイラメント糸を用いて本来の加工糸使いに
見られるようなボリユーム感のあるスパンライクな風合
いを有する織編物を製造するのが目的である。すなわ
ち,本発明は原糸のもつ潜在収縮力を利用し、ソフトな
風合いをもつスパンライクな加工糸調の織編物を製造
し、原糸の特性を利用するだけの方法では得られなかっ
た高品質な風合いのものを、製造工程の合理化を図りな
がら得ようとするものである。
ル系マルチフイラメント糸を用いて本来の加工糸使いに
見られるようなボリユーム感のあるスパンライクな風合
いを有する織編物を製造するのが目的である。すなわ
ち,本発明は原糸のもつ潜在収縮力を利用し、ソフトな
風合いをもつスパンライクな加工糸調の織編物を製造
し、原糸の特性を利用するだけの方法では得られなかっ
た高品質な風合いのものを、製造工程の合理化を図りな
がら得ようとするものである。
本発明は、共重合成分としてイソフタル酸を含むポリ
エチレンテレフタレートで、単糸繊度が2.0デニール以
上、熱水収縮率が25%以上のフイラメント糸条Aとポリ
エチレンテレフタレートが主成分で単糸繊度が1.0デニ
ール以下、熱水収縮率が10%以下のフイラメント糸条B
とが混繊されており、該混繊糸条の熱収縮のピーク応力
が250mg/デニール以上、熱収縮応力のピーク温度が140
℃以上であるマルチフイラメント混繊糸条を経糸もしく
は緯糸又は経糸と緯糸に用いたことを特徴とする加工糸
調の織編物である。 以下、本発明に係る加工糸調の織編物(以下「本発明
の織編物」という)について詳細に説明する。 本発明の織編物は、先に述べた所定の高収縮糸条Aと
低収縮糸条Bとを混繊して得た異収縮混繊糸を用いて製
造した加工糸調の織編物である。 本発明の高収縮糸条Aとは、ポリエステルの酸成分に
イソフタル酸が混合されたポリエチレンテレフタレート
の共重合物を溶融紡糸して得たマルチフイラメント糸で
ある。このイソフタル酸はポリエステルの基本特性を失
わないために、全酸成分中4〜20モル%が好ましい。ま
た本発明の低収縮糸条Bとはポリエチレンテレフタレー
トが主成分のマルチフイラメント糸であり、両者を適度
に混繊した糸条を用いることにより、本発明の織編物が
得られるのである。 なお、混繊の方法としては高収縮糸条と低収縮糸条を
別々に紡糸後、延伸工程で混繊する方法や高収縮糸と低
収縮糸を同時に溶融紡糸し、続いて延伸する方法であっ
てもよい。いずれの場合も必要に応じて交絡処理をする
ことがある。 さらに詳しく説明すると一般的な異収縮混繊糸の場合
は、熱水収縮率が低収縮サイドは10%以下程度、高収縮
サイドは25〜35%程度の糸条を混繊して得られているが
その混繊された糸条の熱収縮応力は、通常のポリエステ
ル糸に比較して低いものである。すなわち、熱水収縮率
の大きな高収縮糸条は、熱収縮応力は小さい傾向になり
やすく、熱収縮応力の比較的大きな低収縮糸条と混繊し
た場合でも高収縮糸条の影響でさほど熱収縮応力は大き
くならない。熱水収縮率は比較的大きく熱収縮応力が小
さい上記のような混繊糸条を織編物に用いると、後工程
の染色加工で十分なボリユーム感を得ることは困難であ
り、スパンライク調の風合いものが得られても、ボリユ
ーム感に乏しく風合いの薄い原糸ライクな織編物しか得
られないのである。なお、熱水収縮率が極端に大きな、
例えば50%前後の混繊糸条を用いれば染色加工での巾入
りも大きく風合いは厚くなるが、布帛が硬化するという
欠点があり、ソフトなボリユーム感のある織編物は得ら
れ難い。 本発明者等はこのような知見をもとに鋭意研究した結
果、高収縮糸条Aと低収縮糸条Bを混繊して得た異収縮
混繊糸の熱収縮応力を通常のポリエステル糸条よりも大
きくし、この混繊糸条から得られた織編物の風合をソフ
トでボリユーム感のあるものにし得たのである。 なお、上記の該異収縮混繊糸の熱収縮のピーク応力は
250mg/デニール以上、熱収縮応力のピーク温度は140℃
以上が必要であり、好ましくは300mg/デニール以上のも
のがよい。250mg/デニール以下の場合は、後加工の染色
工程での熱収縮応力が弱く、目的とするボリユーム感の
ある布帛は得られず、熱収縮応力のピーク温度が140℃
以下になると布帛が硬化し、風合いが硬くなり、本発明
の目的とするボリユーム感のあるソフトな加工糸調の織
編物は得られない。 また、高収縮糸条Aの単糸繊度は2.0デニール以上が
よく、2.0デニール以下になると布帛の張り腰が失なわ
れるという欠点がある。 低収縮糸条Bの単糸繊度はソフトな風合いを得るため
に1.0デニール以下でなければならない。好ましくは0.5
デニール以下がよい。 なお本発明において単糸繊度とはモノフイラメントの
繊度を意味し、糸条の繊度を意味しない。 本発明にいて糸条の熱水収縮率は高収縮糸条Aが25%
以上、また低収縮糸条Bが10%以下でなければならな
い。 高収縮糸条Aの熱水収縮率が25%未満になると異収縮
混繊糸全体の収縮差が少なくなり、織編物に適度なボリ
ユーム感は得られずやはり良好な織編物とはなし得な
い。また、低収縮糸条Bの熱水収縮率が10%を超える場
合には異収縮混繊糸全体に適度の熱収縮差が得られず張
り腰のない嵩高が残って良好な織編物とはなし得ない。 このような本発明の織編物の構成においては使用する
高収縮糸Aおよび低収縮糸Bの熱水収縮率・熱収縮のピ
ーク応力・熱収縮応力のピーク温度・単糸繊度の要素が
満足されてはじめてなし得るのである。なお、熱水収縮
率とは、綛上機で糸条を一定長だけ捲き上げ、その初荷
重1g/デニール下での長さがl0であって、次にフリーに
してこれを沸騰水中で15分間処理し、それを自然乾燥し
て後、再び初荷重1g/デニールをかけ、その長さがl1で
あったとき、次式によって算定される値である。 そして本発明の熱収縮のピーク応力とは、市販の熱収
縮応力測定器を用いて試料を15cm径の輪とし、その初張
力を60mg/デニールに設定し、昇温速度300℃/60秒のも
とで測定を行い、その発現された最大応力値(g)を用
いて次式により求めた値である。 さらに熱収縮応力のピーク温度とは上記の最大応力値
を示すときの温度である。
エチレンテレフタレートで、単糸繊度が2.0デニール以
上、熱水収縮率が25%以上のフイラメント糸条Aとポリ
エチレンテレフタレートが主成分で単糸繊度が1.0デニ
ール以下、熱水収縮率が10%以下のフイラメント糸条B
とが混繊されており、該混繊糸条の熱収縮のピーク応力
が250mg/デニール以上、熱収縮応力のピーク温度が140
℃以上であるマルチフイラメント混繊糸条を経糸もしく
は緯糸又は経糸と緯糸に用いたことを特徴とする加工糸
調の織編物である。 以下、本発明に係る加工糸調の織編物(以下「本発明
の織編物」という)について詳細に説明する。 本発明の織編物は、先に述べた所定の高収縮糸条Aと
低収縮糸条Bとを混繊して得た異収縮混繊糸を用いて製
造した加工糸調の織編物である。 本発明の高収縮糸条Aとは、ポリエステルの酸成分に
イソフタル酸が混合されたポリエチレンテレフタレート
の共重合物を溶融紡糸して得たマルチフイラメント糸で
ある。このイソフタル酸はポリエステルの基本特性を失
わないために、全酸成分中4〜20モル%が好ましい。ま
た本発明の低収縮糸条Bとはポリエチレンテレフタレー
トが主成分のマルチフイラメント糸であり、両者を適度
に混繊した糸条を用いることにより、本発明の織編物が
得られるのである。 なお、混繊の方法としては高収縮糸条と低収縮糸条を
別々に紡糸後、延伸工程で混繊する方法や高収縮糸と低
収縮糸を同時に溶融紡糸し、続いて延伸する方法であっ
てもよい。いずれの場合も必要に応じて交絡処理をする
ことがある。 さらに詳しく説明すると一般的な異収縮混繊糸の場合
は、熱水収縮率が低収縮サイドは10%以下程度、高収縮
サイドは25〜35%程度の糸条を混繊して得られているが
その混繊された糸条の熱収縮応力は、通常のポリエステ
ル糸に比較して低いものである。すなわち、熱水収縮率
の大きな高収縮糸条は、熱収縮応力は小さい傾向になり
やすく、熱収縮応力の比較的大きな低収縮糸条と混繊し
た場合でも高収縮糸条の影響でさほど熱収縮応力は大き
くならない。熱水収縮率は比較的大きく熱収縮応力が小
さい上記のような混繊糸条を織編物に用いると、後工程
の染色加工で十分なボリユーム感を得ることは困難であ
り、スパンライク調の風合いものが得られても、ボリユ
ーム感に乏しく風合いの薄い原糸ライクな織編物しか得
られないのである。なお、熱水収縮率が極端に大きな、
例えば50%前後の混繊糸条を用いれば染色加工での巾入
りも大きく風合いは厚くなるが、布帛が硬化するという
欠点があり、ソフトなボリユーム感のある織編物は得ら
れ難い。 本発明者等はこのような知見をもとに鋭意研究した結
果、高収縮糸条Aと低収縮糸条Bを混繊して得た異収縮
混繊糸の熱収縮応力を通常のポリエステル糸条よりも大
きくし、この混繊糸条から得られた織編物の風合をソフ
トでボリユーム感のあるものにし得たのである。 なお、上記の該異収縮混繊糸の熱収縮のピーク応力は
250mg/デニール以上、熱収縮応力のピーク温度は140℃
以上が必要であり、好ましくは300mg/デニール以上のも
のがよい。250mg/デニール以下の場合は、後加工の染色
工程での熱収縮応力が弱く、目的とするボリユーム感の
ある布帛は得られず、熱収縮応力のピーク温度が140℃
以下になると布帛が硬化し、風合いが硬くなり、本発明
の目的とするボリユーム感のあるソフトな加工糸調の織
編物は得られない。 また、高収縮糸条Aの単糸繊度は2.0デニール以上が
よく、2.0デニール以下になると布帛の張り腰が失なわ
れるという欠点がある。 低収縮糸条Bの単糸繊度はソフトな風合いを得るため
に1.0デニール以下でなければならない。好ましくは0.5
デニール以下がよい。 なお本発明において単糸繊度とはモノフイラメントの
繊度を意味し、糸条の繊度を意味しない。 本発明にいて糸条の熱水収縮率は高収縮糸条Aが25%
以上、また低収縮糸条Bが10%以下でなければならな
い。 高収縮糸条Aの熱水収縮率が25%未満になると異収縮
混繊糸全体の収縮差が少なくなり、織編物に適度なボリ
ユーム感は得られずやはり良好な織編物とはなし得な
い。また、低収縮糸条Bの熱水収縮率が10%を超える場
合には異収縮混繊糸全体に適度の熱収縮差が得られず張
り腰のない嵩高が残って良好な織編物とはなし得ない。 このような本発明の織編物の構成においては使用する
高収縮糸Aおよび低収縮糸Bの熱水収縮率・熱収縮のピ
ーク応力・熱収縮応力のピーク温度・単糸繊度の要素が
満足されてはじめてなし得るのである。なお、熱水収縮
率とは、綛上機で糸条を一定長だけ捲き上げ、その初荷
重1g/デニール下での長さがl0であって、次にフリーに
してこれを沸騰水中で15分間処理し、それを自然乾燥し
て後、再び初荷重1g/デニールをかけ、その長さがl1で
あったとき、次式によって算定される値である。 そして本発明の熱収縮のピーク応力とは、市販の熱収
縮応力測定器を用いて試料を15cm径の輪とし、その初張
力を60mg/デニールに設定し、昇温速度300℃/60秒のも
とで測定を行い、その発現された最大応力値(g)を用
いて次式により求めた値である。 さらに熱収縮応力のピーク温度とは上記の最大応力値
を示すときの温度である。
次に本発明を実施例および比較例によって具体的に説
明する。 酸成分にイソフタル酸を8モル%含むポリエチレンテ
レフタレートの共重合ポリマーを3200m/分で高速紡糸し
糸条を得た。別にポリエチレンテレフタレートを主成分
とするポリマーを3200m/分で高速紡糸し糸条を得た。次
に延伸工程においてイソフタル酸を含む上記糸条は熱処
理温度と延伸倍率を調整して高収縮糸条とし、ポリエチ
レンテレフタレートを主成分とする上記糸条はヒートセ
ット下で熱延伸を行い低収縮糸とし、続いて両者を混繊
して、第1表のように本発明の織編物に係る75デニール
異収縮混繊糸(No.1〜3)と本発明に係らない比較例の
75デニール異収縮混繊糸(No.4〜9)とを得た。高収縮
糸の糸条の繊度はNo.1〜 No.9までいずれも25デニールとしてフイラメント数は単
糸繊度から想到できるように3〜17フイラメントとし、
同様に低収縮糸は糸条の繊度を50デニールとして、フイ
ラメント数は50〜250フイラメントとした。そしてこれ
らの異収縮混繊糸をいずれも経緯糸に用い生機の状態で
経密度86本/吋、緯密度85本/吋の平織物を得た。ま
た、同上該糸条を100%使用して生機密度34ウエール/
吋、44コース/吋で組織がモツクロデイアの編地も得
た。 その後生機リラツクス工程や染色工程で通常の仕上加
工を施した。得られた本発明の織編物と本発明でない比
較例に係る織編物とに関してその風合い・ボリユーム感
・張り腰についての官能検査を行い、その結果を第2表
に示した。 第2表に示す織編物の風合い・ボリユーム感・張り腰
の官能検査の結果から明らかなように、本発明の織編物
に係るNo.1〜3においては風合い(ソフト感)・ボリユ
ーム感・張り腰に優れた加工糸調のスパンライクな織編
物として満足すべき結果を示している。 これに対して比較例であるNo.4〜No9においては以下
のとおりである。 高収縮糸条の熱水収縮率が25%以下のNo.4を使った織
編物では張り腰はあるが、風合いとボリユーム感におい
て満足なものが得らない。低収縮糸条の熱水収縮率が10
%以上のNo.5を使った織編物においてはボリユーム感は
あるが風合いと張り腰において劣ることを示している。
No.6は高収縮糸条と低収縮糸条を混戦した異収縮混繊糸
の熱収縮のピーク応力が250mg/デニール以下の糸条であ
り、No.7については異収縮混繊糸の熱収縮応力のピーク
温度が140℃以下の糸条である。No.6は風合い、ボリユ
ーム感および張り腰のいずれも満足したものが得られ
ず、No.7はボリユーム感は得られるものの風合い、張り
腰が不満足なものしか得られないことを示している。N
o.8は高収縮糸条の単糸繊度が2.0デニール以下の糸条で
ありNo.9は低収縮糸条の単糸繊度が1.0デニール以上の
糸条である。No.8は高収縮糸条の単糸繊度が細く張り腰
に劣るという欠点があり、No.9は低収縮糸条の単糸繊度
が大いため張り腰はあるが風合いが硬くなるという欠点
があった。
明する。 酸成分にイソフタル酸を8モル%含むポリエチレンテ
レフタレートの共重合ポリマーを3200m/分で高速紡糸し
糸条を得た。別にポリエチレンテレフタレートを主成分
とするポリマーを3200m/分で高速紡糸し糸条を得た。次
に延伸工程においてイソフタル酸を含む上記糸条は熱処
理温度と延伸倍率を調整して高収縮糸条とし、ポリエチ
レンテレフタレートを主成分とする上記糸条はヒートセ
ット下で熱延伸を行い低収縮糸とし、続いて両者を混繊
して、第1表のように本発明の織編物に係る75デニール
異収縮混繊糸(No.1〜3)と本発明に係らない比較例の
75デニール異収縮混繊糸(No.4〜9)とを得た。高収縮
糸の糸条の繊度はNo.1〜 No.9までいずれも25デニールとしてフイラメント数は単
糸繊度から想到できるように3〜17フイラメントとし、
同様に低収縮糸は糸条の繊度を50デニールとして、フイ
ラメント数は50〜250フイラメントとした。そしてこれ
らの異収縮混繊糸をいずれも経緯糸に用い生機の状態で
経密度86本/吋、緯密度85本/吋の平織物を得た。ま
た、同上該糸条を100%使用して生機密度34ウエール/
吋、44コース/吋で組織がモツクロデイアの編地も得
た。 その後生機リラツクス工程や染色工程で通常の仕上加
工を施した。得られた本発明の織編物と本発明でない比
較例に係る織編物とに関してその風合い・ボリユーム感
・張り腰についての官能検査を行い、その結果を第2表
に示した。 第2表に示す織編物の風合い・ボリユーム感・張り腰
の官能検査の結果から明らかなように、本発明の織編物
に係るNo.1〜3においては風合い(ソフト感)・ボリユ
ーム感・張り腰に優れた加工糸調のスパンライクな織編
物として満足すべき結果を示している。 これに対して比較例であるNo.4〜No9においては以下
のとおりである。 高収縮糸条の熱水収縮率が25%以下のNo.4を使った織
編物では張り腰はあるが、風合いとボリユーム感におい
て満足なものが得らない。低収縮糸条の熱水収縮率が10
%以上のNo.5を使った織編物においてはボリユーム感は
あるが風合いと張り腰において劣ることを示している。
No.6は高収縮糸条と低収縮糸条を混戦した異収縮混繊糸
の熱収縮のピーク応力が250mg/デニール以下の糸条であ
り、No.7については異収縮混繊糸の熱収縮応力のピーク
温度が140℃以下の糸条である。No.6は風合い、ボリユ
ーム感および張り腰のいずれも満足したものが得られ
ず、No.7はボリユーム感は得られるものの風合い、張り
腰が不満足なものしか得られないことを示している。N
o.8は高収縮糸条の単糸繊度が2.0デニール以下の糸条で
ありNo.9は低収縮糸条の単糸繊度が1.0デニール以上の
糸条である。No.8は高収縮糸条の単糸繊度が細く張り腰
に劣るという欠点があり、No.9は低収縮糸条の単糸繊度
が大いため張り腰はあるが風合いが硬くなるという欠点
があった。
本発明は、織編物に使用する混繊糸として、高収縮糸
Aと低収縮糸Bの組み合わせ・熱収縮のピーク応力・熱
収縮応力のピーク温度・単糸繊度などの要素を工夫した
ものであるので、加工糸調の織編物として必要な風合
い、ポリユーム感および張り腰のすべてを備えているも
のであり、品質においては原糸の特性を利用するだけの
従来法よりも優れ、製造原価面においては仮撚加工方法
から得るものよりも有利である。
Aと低収縮糸Bの組み合わせ・熱収縮のピーク応力・熱
収縮応力のピーク温度・単糸繊度などの要素を工夫した
ものであるので、加工糸調の織編物として必要な風合
い、ポリユーム感および張り腰のすべてを備えているも
のであり、品質においては原糸の特性を利用するだけの
従来法よりも優れ、製造原価面においては仮撚加工方法
から得るものよりも有利である。
Claims (1)
- 【請求項1】共重合成分としてイソフタル酸を含むポリ
エチレンテレフタレートで、単糸繊度が2.0デニール以
上、熱水収縮率が25%以上のフイラメント糸条Aとポリ
エチレンテレフタレートが主成分で単糸繊度が1.0デニ
ール以下、熱水収縮率が10%以下のフイラメント糸条B
とが混繊されており、該混繊糸条の熱収縮のピーク応力
が250mg/デニール以上、熱収縮応力のピーク温度が140
℃以上であるマルチフイラメント混繊糸条を経糸もしく
は緯糸又は経糸と緯糸に用いたことを特徴とする加工糸
調の織編物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63138122A JP2644825B2 (ja) | 1988-06-03 | 1988-06-03 | 加工糸調の織編物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63138122A JP2644825B2 (ja) | 1988-06-03 | 1988-06-03 | 加工糸調の織編物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01306642A JPH01306642A (ja) | 1989-12-11 |
JP2644825B2 true JP2644825B2 (ja) | 1997-08-25 |
Family
ID=15214483
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63138122A Expired - Fee Related JP2644825B2 (ja) | 1988-06-03 | 1988-06-03 | 加工糸調の織編物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2644825B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2560170B2 (ja) * | 1992-01-29 | 1996-12-04 | 帝人株式会社 | 高反撥性ウールライク織物の製造方法 |
-
1988
- 1988-06-03 JP JP63138122A patent/JP2644825B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01306642A (ja) | 1989-12-11 |
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