JP2834270B2 - スエード調布帛の製造方法 - Google Patents

スエード調布帛の製造方法

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JP2834270B2 JP2104992A JP10499290A JP2834270B2 JP 2834270 B2 JP2834270 B2 JP 2834270B2 JP 2104992 A JP2104992 A JP 2104992A JP 10499290 A JP10499290 A JP 10499290A JP 2834270 B2 JP2834270 B2 JP 2834270B2
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佳久 岡本
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はスエード調の外観と風合を有する布帛の製造
方法に関するものである。
従来の技術 従来から単糸繊度が1.5デニール以下の極細繊維を用
いてスエード調風合を有する布帛を製造するに際し、布
帛に腰を与えるため剛性の大きい繊維と組み合わせて製
織または製編することが行なわれている。
発明が解決しようとする課題 この場合、両繊維を単に引揃えるかあるいは合撚して
使用するのが一般的な方法であるが、特に後者の場合、
加撚による糸条の形態からくるいわゆる杢斑が出やす
く、また得られた布帛の表面には両繊維が露出しやすく
なるという欠点があった。かかる布帛の表面を起毛する
と剛性の大きい補強用繊維が起毛しにくいため起毛性が
悪く、得られた起毛布帛の風合も悪くなる。
また、布帛表面に極細繊維のみを露出させる方法とし
て、両繊維をエアー交絡により複合糸とする方法が行な
われている。例えば特公昭61−40778号公報には、エア
ー交絡により補強用繊維を芯部に、極細繊維を鞘部とし
た複合加工糸にし、布帛となした後起毛する方法が提案
されている。しかし、布帛表面に極細繊維のみを位置さ
せるため、交絡度を強くすると、製編織して布帛となし
た後も交絡が残り、製品の品質低下を生じる。また、交
絡が残らない程度に交絡を付与すると、極細繊維だけを
布帛表面に位置させることは困難であり、布帛表面に極
細繊維と補強用繊維との染色性の差による“イラツキ”
が生じるなどの欠点があった。
本発明はこのような課題を解決するもので、従来困難
とされていた合撚法で、布帛の表面に杢調の欠点がな
く、かつ均一に極細繊維を露出させ、補強用繊維が露出
しないようにして、起毛しなくても風合良好なスエード
調布帛を得ることができるようにすることを目的とする
ものである。
課題を解決するための手段 本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討
の結果、比較的、汎用性が高く、かつ操作も簡単でコス
ト的にも有利な合撚法で後で述べる特定の高収縮マルチ
フィラメントと仮撚捲縮加工糸からなる低収縮マルチフ
ィラメントを用いることにより、十分なスエード調風合
と外観を有する布帛を得られることを見い出し、本発明
に到達した。
すなわち本発明は、沸騰水収縮率が20%以上、最大熱
応力値が0.4g/d以上の特性を有する高収縮マルチフィラ
メントと、この高収縮マルチフィラメントとの沸騰水収
縮率の差が10%以上、最大熱応力値の差が0.1g/d以上有
する仮撚捲縮加工糸からなる低収縮マルチフィラメント
とを、合撚数50〜500T/Mの範囲で合撚した糸条を用いて
製織または製編し、しかる後熱処理することを要旨とす
るものである。
本発明における低収縮マルチフィラメントは、沸騰水
収縮率が高収縮マルチフィラメントより10%以上低く、
最大熱応力値が高収縮マルチフィラメントより0.1g/d以
上低い仮撚捲縮加工糸である。単糸繊度は1.5デニール
以下で、特に単糸繊度0.1〜1.5デニールの極細繊維が好
ましい。極細繊維の製造方法としては、ポリマー紡糸液
を紡糸口金から吐出して紡糸する際に極限状態に細化さ
せる方法、海島型複合繊維の海成分を溶解除去する方
法、接合型複合繊維を割繊する方法などをあげることが
できる。極細繊維の材料としては、ポリエステル,ポリ
アミドを使用することができる。特にポリエステル繊維
を用いると風合、耐シワ性、耐洗濯性、寸法安定性など
の機能性が良好で好ましい。
一方、高収縮マルチフィラメントとは、沸騰水収縮率
が20%以上、最大熱応力値が0.4g/d以上の特性を有する
繊維であり、布帛に適度な張り、腰を与える意味から単
糸繊度が1.0〜5.0デニールで低収縮マルチフィラメント
の単糸繊度より大きく、トータル繊度が低収縮マルチフ
ィラメントの60%以下にすることが好ましい。トータル
繊度を60%より大きくすると、布帛表面に高収縮マルチ
フィラメントが露出したり、布帛の風合が硬くなり好ま
しくない。高収縮マルチフィラメントの材料としては、
ポリエステル、ポリアミドなどの熱可塑性合成繊維が用
いられる。特に重合体連鎖中の85モル%以上の構造単位
がポリエチレンテレフタレートであり、残りの15モル%
以下の構造単位が他のポリエステル単位である共重合ポ
リエステルは、沸騰水収縮率、最大熱応力値が大きく好
適である。
高収縮マルチフィラメントと低収縮マルチフィラメン
トとの沸騰水収縮率の差が10%以上、最大熱応力値の差
が0.1g/d以上で、高収縮マルチフィラメントの沸騰水収
縮率が20%以上、最大熱応力値が0.4g/d以上ないと、合
撚後布帛となし熱処理しても布帛表面を低収縮マルチフ
ィラメントで完全にカバーするに至らない。布帛となし
た後の熱処理により高収縮マルチフィラメントを充分に
収縮させるためには、沸騰水収縮率だけでなく、加熱さ
れたとき収縮する力である「熱応力」も充分に大きいこ
とが必要である。
次に、低収縮マルチフィラメントと高収縮マルチフィ
ラメントを、合撚数50〜500T/Mの範囲で合撚する。特に
100〜450T/Mの合撚数が好ましい。合撚数が50T/Mより少
ないと、布帛表面を低収縮マルチフィラメントだけで完
全にカバーするに至らず、500T/Mより多くすると布帛の
風合が硬くなり好ましくない。
かくして得られた合撚糸を製織または製編して布帛と
した後、リラックス、精練、プリセット、染色などの通
常の染色加工工程中で熱処理を行なう。
本発明の方法によれば起毛しなくてもスエード調の風
合と外観を有する布帛が得られるが、さらに起毛しても
よく、起毛すればよりスエード調の風合と外観を有する
布帛となる。
本発明における沸騰水収縮率の測定方法は次の通りで
ある。
糸条の一端を固定し、他端に糸条の1/10g/dの初荷重
として吊し、正しく500mmの間隔を計って両端に印を付
け、初荷重を取り、これを沸騰水中に30分間浸漬した
後、取り出して軽く吸取紙または布で水を切り、水平状
態で自然乾燥後、再び初荷重を掛けて前記両端間の長さ
lmmを計り、次式により沸騰水収縮率を算出する。
また、最大熱応力値は、カネボウエンジニアリング社
製の熱応力測定機にて、初荷重10gの条件で得られた熱
応力値の最大値である。
作用 本発明は、従来においてこのような商品を得るには不
適とされた高収縮マルチフィラメント、低収縮マルチフ
ィラメントを合撚により得んとするものであり、その作
用は次の通りと考えられる。すなわち本発明は、極細糸
からなる低収縮の仮撚捲縮糸と、その捲縮糸とは先に述
べた一定差以上の沸騰水収縮率および熱応力差を有する
高収縮マルチフィラメントとの合撚により始めて実施可
能となるものである。すなわち、かかる構成からなる合
撚糸を布帛となし、熱処理を施すことにより、高収縮マ
ルチフィラメントは与えられた撚数からなる一定の撚角
度は有しつつも十分に収縮し、極細糸からなる仮撚捲縮
糸を十分締め付けた形態となると共に、一方の仮撚捲縮
糸は前記高収縮マルチフィラメントとの糸長差を増大す
ると共に、そのトルクの発現、捲縮の発現により高収縮
マルチフィラメントを被覆する構造となり、十分に収縮
させた布帛上の外観からは、いわゆる高収縮マルチフィ
ラメントが低収縮マルチフィラメントに螺旋状に捲きつ
いた形態が看取されなくなることにより、始めて本発明
の目的が達成されるものである。
実施例 以下、本発明の実施例について説明する。
実施例1 30デニール12フィラメントで沸騰水収縮率が25%、最
大熱応力値が0.5g/dのイソフタル酸成分が12モル%の共
重合ポリエステル繊維糸条を高収縮マルチフィラメント
とし、55デニール168フィラメントで沸騰水収縮率が5
%、最大熱応力値が0.1g/dのポリエステル仮撚捲縮加工
糸を低収縮マルチフィラメントとして用い、合撚数30,2
00,400,600T/Mの4種の合撚糸を、石川製作所製リング
撚糸機にて合撚した。得られた合撚糸と75デニール36フ
ィラメントのポリエステル仮撚捲縮加工糸とを交編し、
二重緯編地を得た。次いで、液流染色機を用いて100℃
で精練熱処理後、130℃で染色を実施した。得られた編
物の外観、風合を評価した結果を第1表に示す。合撚数
30T/Mの編物は外観がイラツキのため不良であり、合撚
数600T/Mの編物は風合が硬く不良であった。合撚数200,
400T/Mの編物は外観、風合共良好なスエード調編物であ
った。
比較例1 30デニール12フィラメントで沸騰水収縮率が40%、最
大熱応力値が0.3g/dのポリエステル繊維糸条を高収縮マ
ルチフィラメントとして用い合撚数を300T/Mとした以外
は実施例1と同様にして得た編物は風合に腰がなく、外
観もイラツキがあり不良であった。評価結果を第1表に
示す。
比較例2 60デニール24フィラメントで沸騰水収縮率が23%、最
大熱応力値が0.5g/dのイソフタール酸成分が12モル%の
共重合ポリエステル繊維糸条を高収縮マルチフィラメン
トとして用い、合撚数を300T/Mとした以外は実施例1と
同様にして得た編物の評価結果を第1表に示す。編物の
外観はイラツキが強く不良であった。
実施例2 実施例1の合撚数400T/Mの合撚糸を経,緯糸として用
い平織物を得た。実施例1と同様な方法で精練、染色し
て得られた織物は、風合、外観とも良好なスエード調織
物であった。評価結果を第1表に示す。
発明の効果 以上のように本発明によれば、特定の高収縮マルチフ
ィラメントと低収縮マルチフィラメントを合撚数50〜50
0T/Mで合撚し、製編織後熱処理することにより、高収縮
マルチフィラメントが収縮して、張り腰の良好な布帛に
なるとともに、布帛表面は極細繊維である低収縮マルチ
フィラメントでカバーされるため、ソフトな感触を有し
イラツキのないスエード調布帛を得ることができるもの
である。
フロントページの続き (72)発明者 高橋 妻木 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ 株式会社中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭51−133573(JP,A) 特開 平3−294544(JP,A) 特開 昭55−16927(JP,A) 特開 昭61−40778(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D03D 15/04 D03D 25/00 D03D 15/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】沸騰水収縮率が20%以上、最大熱応力値が
    0.4g/d以上の特性を有する高収縮マルチフィラメント
    と、この高収縮マルチフィラメントとの沸騰水収縮率の
    差が10%以上、最大熱応力値の差が0.1g/d以上有する仮
    撚捲縮加工糸からなる低収縮マルチフィラメントとを、
    合撚数50〜500T/Mの範囲で合撚した糸条を用いて製織ま
    たは製編し、しかる後熱処理することを特徴とするスエ
    ード調布帛の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101684582B (zh) * 2008-09-22 2013-04-03 东丽纤维研究所(中国)有限公司 一种麂皮绒织物及其生产方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN101684582B (zh) * 2008-09-22 2013-04-03 东丽纤维研究所(中国)有限公司 一种麂皮绒织物及其生产方法

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