JP3027394U - 空気供給ボックスを装備した枚葉紙案内装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 供給された枚葉紙にノズルより空気を供給し
て枚葉紙を円滑に運搬するための空気供給ボックスを、
枚葉紙運搬路の種々の要件に対応して配置構成できる枚
葉紙案内装置を提供する。 【解決手段】 印刷機用の枚葉紙案内装置はノズルの配
置された案内面（１）を有し、同案内面はモジュール構
造を有すると共に送風機（１５）が配置された空気供給
ボックス（４）により空気供給が行なわれる。モジュー
ルはノズルのサイズ、配置、形態、ノズル密度ならびに
案内面（１）の形状の点で相違し、印刷機の各部（３）
における枚葉紙案内に求められる条件を満たすようにし
てそれぞれのモジュールを構成することができる。これ
らのモジュールを適宜に条件に合わせて案内面（１）を
構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は案内面に配置されたノズルに空気供給を行なう空気供給ボックスを具 備した枚葉紙案内装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

この種の枚葉紙案内装置はドイツ出願公開明細書第４２ ０９ ０６７号によ り公知に属する。同枚葉紙案内装置については、印刷機内での配置と枚葉紙運搬 路の特定領域との構成の詳細は具体的に示されていなかった。実用新案公報は同 装置に関して一つの図解を含んでいるにすぎない。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の課題は、冒頭に記述した類の枚葉紙案内装置を簡単な方法で枚葉紙運 搬路の種々の要件に適応し得るように構成することである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

前記課題は本考案により、印刷機の案内面をモジュールで構成し、枚葉紙運搬 路の各領域の種々の要件に応じて、ノズルのサイズ、配置および形態、ノズルの 単位面積あたり密度ならびに案内面形状の点で異なる複数の空気供給ボックス・ モジュールを使用することにより解決される。

【０００５】 本考案による解決法の長所は枚葉紙運搬路の各領域および種々の要件に応じて 複数のモジュールが使用される点にある。これにより、簡単な方法で、それぞれ の要件に対応して枚葉紙に種々相違した空気吹き付けを行なうことを可能とする 枚葉紙運搬路を形成することができる。たとえば、渡し胴に応じて湾曲した案内 面を備えた第１の吸気／送気モジュールが使用され、これは渡し胴への枚葉紙進 入および渡し胴からの枚葉紙排出に対応した枚葉紙運搬路に配備される。第２の 吸気／送気モジュールが使用され、これは給紙胴および排紙胴のような小型の胴 に対応して湾曲した案内面を有する。このモジュールは、したがって、これらの 小型の胴のすべてに使用することが可能である。渡し胴部において、空気吹き付 けのみが行なわれる必要がある箇所には第１の枚葉紙案内部モジュールが設けら れる。第２の枚葉紙案内部モジュールは、大きな垂直方向の分力を有する空気吹 き付けを行なう、枚葉紙運搬に対して斜めに向いたノズルを有する。同モジュー ルは乾燥機と向かいあって設けられる。こうして一定数のモジュールが必要とさ れ、各モジュールは印刷機の各箇所に適用される。したがって、印刷機の各箇所 の要件を最適に満たす空気吹き付けを可能とする枚葉紙案内装置を非常に経済的 且つ簡単な方法で構成することができる。

【０００６】 別途の構成において、案内面は打ちぬきされたノズル、たとえばスリットノズ ルを備えた薄板から製作される。こうした案内面は簡単且つ安価な方法で製作す ることが可能であり、しかも枚葉紙運搬路への空気吹き付けに求められる要件を 満たすこともできる。これから真直な案内面を備えたモジュールを製作すること も可能であり、あるいはまた、種々の胴の枚葉紙案内のため適切に湾曲された案 内面を備えたモジュールを製作することも可能である。その際、湾曲した案内面 は前以て打ちぬきされた薄板を適切に折り曲げることにより簡単な方法で製作す ることができる。また、支持モジュールに取り付ける際に同モジュールの湾曲に 合わせることのできる、ノズルを具備した薄い柔軟な材料たとえば金属薄板製の 板を使用することもできる。

【０００７】 この場合、前以て打ちぬきされた種々の薄板、つまり、単位面積あたりノズル 密度の高いモジュール用の薄板および単位面積あたりノズル密度の低いモジュー ル用の薄板を使用することが可能である。またこの場合、案内面のノズル分布を 均等もしくは不均等にすることもできる。ノズル分布を不均等にするとは、たと えば、案内面中央部のノズル密度を高くし、周縁部のノズル密度を低くするよう にできることである。適切な空気吹き付けを行なうため、案内面のノズルの方向 を枚葉紙の運搬に対して垂直または斜めに向けることができ、あるいはまた、基 本的に枚葉紙の運搬面に対して平行に空気吹き付けを行なうノズルを設けること も可能である。枚葉紙の両脇にたるみが生じないようにするため、基本的に枚葉 紙運搬路の中心から外縁に向かって空気吹き付けが行なわれるようにすることも できる。

【０００８】 空気供給ボックスは種々の方法で給排気を行なうことができる。たとえば、必 要に応じて回転方向を切り換えて給気／排気を行なうことのできる軸流送風機を 空気供給ボックスに装備することが可能である。こうした切り換えにより、表刷 り運転中に特定部を排気に切り換えることができる。これにより、圧胴への引渡 し部に前置された枚葉紙案内胴箇所において、排気運転は枚葉紙に案内面での摩 擦力を与えるように作用し、こうして枚葉紙のたるみが防止され、圧胴への良好 な引渡しが可能となる。枚葉紙案内胴の進入部では枚葉紙の端が支えられ、これ により、印刷機停止時に枚葉紙の端が垂れ下がり、こうして枚葉紙が折り返され て使用不能となり、本刷り前に機械から取り除かれなければならない事態の発生 が防止される。

【０００９】 種々の空気供給ボックスの空気量を調節し得るようにすることが合理的であり 、これにより給気運転時に枚葉紙の浮上案内を調節し、あるいは排気運転時に枚 葉紙のたるみを防止するための保持力を調節することができる。

【００１０】 一つの印刷機において多重使用可能な種々のモジュールを設けることがもっと も合理的である。こうした方法で枚葉紙案内装置を特に経済的に構成することが 実現可能となる。

【００１１】

【考案の実施の形態】

以下に図面に示した実施の形態に基づき本考案の説明を行なう。

【００１２】 図面１は本考案による枚葉紙案内装置の実施例を備えた印刷機の概略図を示し ている。同印刷機においては図を単純化するため２つの印刷ユニット２０および ２０’しか表わされていないが、この種の印刷機は通例４つないしそれ以上の印 刷ユニットを備えている。各印刷ユニット２０、２０’は一つの圧胴８、８’、 ゴム胴９、９’、版胴１０、１０’ならびに図示されてはいないがインキ装置を 備えている。印刷ユニット２０と２０’との間で渡し胴６が印刷される枚葉紙の 転送を行なう。印刷機が複数の印刷ユニットを備えている場合には、２つの印刷 ユニット間には常に渡し胴６が配置されている。ただし一つの渡し胴６に代えて 複数の枚葉紙運搬胴を配置することも可能であることは言うまでもない。図示し た印刷機において枚葉紙運搬路１７が記入されており、その際、矢印２４は枚葉 紙運搬方向を示している。枚葉紙は給紙パイル１９から取り出され、図示されて いない給紙装置を介して給紙胴５に引き渡され、同胴はグリッパーで枚葉紙をく わえ、印刷のため枚葉紙を圧胴８に引き渡す。圧胴８から枚葉紙は渡し胴６の図 示されていないグリッパーにくわえられて別の圧胴８’に供給され、こうしてさ らに別の印刷が行なわれる。図示した印刷機において圧胴８’は枚葉紙を排紙装 置２１の排紙胴７に引き渡す。排紙胴７はグリッパーへの渡し胴であり、同グリ ッパーは排紙チェーン２２に配置されており、くわえた枚葉紙を排紙装置２１の 終端まで搬送し、枚葉紙は同所において排紙パイル２３に積み重ねられる。

【００１３】 印刷機の３で表わされた部分にはモジュール１１、１２、１２’、１３、１４ 、２６として構成された空気供給ボックス４が配備され、これらは図面２、３、 ４および５に俯瞰図の形で示されている。これらはそれぞれ軸流送風機１５によ って給気／排気が行なわれる。モジュール１３は本印刷機において４つが使用さ れ、そのうち２つは給紙胴５の部分に、その他の２つは排紙胴７の部分に使用さ れている。給紙胴５の部分では、それぞれ、給排気運転可能な軸流送風機１５が 使用された。矢印２５が示している方向に給気と排気を行なうことのできるこの 種の軸流送風機１５は排紙胴７の進入部にも配置された。同進入部モジュールに 隣接するモジュール１３は、同箇所にあってはそれで十分なことから、給気運転 だけを行なう軸流送風機１５を備えている。別なモジュール１１は渡し胴６に応 じて湾曲した案内面１を有している。同モジュール１１は給排気運転用の軸流送 風機１５を備え、渡し胴６の進入部と出口部に使用された。進入部のモジュール は印刷機の停止時に枚葉紙端を支えるのに使用され、出口部のモジュールは枚葉 紙を圧胴８’に円滑に引き渡すための保持力を枚葉紙に与えるのに使用される。 これら両者のモジュールの中間部にはモジュール１２が設けられ、同モジュール はノズル密度が低く、給気運転のためにのみ配備されている。大きな垂直方向の 分力を有した空気吹き付けを行なうモジュール２６は乾燥機２７と向かいあって 配備されている。大きな垂直方向の分力を有した空気吹き付けは枚葉紙運搬路１ ７に対して斜めに向けられたノズル２、１８によって実現され、枚葉紙に対する 乾燥機２７の温風吹き付けによって惹起される力に対する反力をもたらす。

【００１４】 図面２はモジュール１１とモジュール１２で構成された枚葉紙案内装置を示し ている。同図には案内面１の平面図が表わされており、図中の線はモジュール１ １、１２のそれぞれ異なった空気供給ボックス４の区分を示唆している。スリッ トノズル１８として形成されたノズル２の単位面積あたり密度はそれぞれ相違し ている。本例は渡し胴６の部分に配備し得る類のモジュール構成に相当している 。モジュール１１は給排気運転用に装備され、そのノズル２、１８の単位面積あ たり密度は高く、これにより排気運転時に適切な保持力が確保される。中間にあ るモジュール１２のノズル２、１８の単位面積あたり密度は中心部において高く 、周縁部において低いものとなっている。これらの案内ゾーンは各領域に対応し ており、それら各領域においてはそれぞれの運転時に十分な給気が実現される。 図示したスリットノズル１８は外側に向いており、これにより枚葉紙の両脇にた るみが生じないようにすることができる。このためには、両脇に向かう気流をつ くりだすため、枚葉紙運搬路１７の中心部のノズル密度を高くすることが必要で ある。ただし、外側に向かっては同気流は確保維持されるだけでよいことから、 相対的に低いノズル密度でこれを実現することが可能である。吹き付け方向は矢 印１６で表わされている。

【００１５】 図面３は図面２に配置されたモジュール１１と１２に軸流送風機１５をいかに 配備し得るかを示している。ただし、図面４に示したようにしてモジュール１１ と１２’に軸流送風機１５を配備することも可能である。

【００１６】 図面５は、空気需要が少ない場合には細分を不要とし、モジュール１３と１４ で枚葉紙運搬路１７の全幅をカバーし得ることを示している。同じく図面６は、 たとえばこれらのモジュール１３と１４に設けることのできるノズルの配置を示 している。

【００１７】 図面７は、すでに図面２において示されていたノズル２の好ましい実施形態を 示している。これはスリットノズル１８であり、同ノズルは押しぬきにより案内 面１の薄板に簡単な方法で設けることが可能である。これにより、たとえば上述 した方法で枚葉紙のたるみの発生を防止するために必要とされる空気吹き付け方 向１６を簡単な方法で実現することができる。この種の押しぬきノズル１８ある いは──その他の形状のノズルであってもよいことは言うまでもない──を備え た面は多面的な加工が可能であり、それを真直なモジュール２６に使用すること も、折り曲げた後に湾曲したモジュール１１、１２、１３に使用することもでき る。またあらかじめ折り曲げる代わりに、支持モジュールに取り付ける際に同モ ジュールの湾曲に合わせることのできる薄い柔軟な材料、たとえば金属薄板を使 用することも可能である。また種々異なる要件に応じた適切なノズル密度のノズ ル２、１８を設けることも可能である。

【００１８】 上記はモジュール構成の一つの可能性を表わしているにすぎず、各種印刷機の 種々相違した要件に応じて別なモジュール構成を選択することもできることは言 うまでもない。重要な点は、モジュールの多重使用によっても、またこれらのモ ジュールを構成する際の押しぬきされた案内面用薄板の多重使用によっても、枚 葉紙案内装置を構成するためのきわめて経済的な解決方法を実現することができ ることである。

【図面の簡単な説明】

【図１】モジュールで構成した枚葉紙案内装置を備えた
印刷機の概略図である。

【図２】複数のモジュールの組合せ例を示す図である。

【図３】種々のモジュールの軸流送風機配置を示す図で
ある。

【図４】種々のモジュールの軸流送風機配置を示す図で
ある。

【図５】種々のモジュールの軸流送風機配置を示す図で
ある。

【図６】種々のモジュールのノズル配置を示す図であ
る。

【図７】スリットノズルを示す図である。

【符号の説明】

１： 案内面 ２： ノズル ３： 枚葉紙運搬路の各部 ４： 空気供給ボックス ５： 給紙胴 ６： 渡し胴 ７： 排紙胴 ８、８’： 圧胴 ９、９’： ゴム胴 １０、１０’： 版胴 １１： モジュール １２、１２’： モジュール １３： モジュール １４： モジュール １５： 軸流送風機 １６： 吹き付け方向 １７： 枚葉紙運搬路 １８： スリットノズル １９： 給紙パイル ２０、２０’： 印刷ユニット ２１： 排紙装置 ２２： 排紙チェーン ２３： 排紙パイル ２６： モジュール ２７： 乾燥機

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 ギュンター シュテファン ドイツ連邦共和国 69168 ヴィースロッ ホ−バイエルタール ハーゼンエッカーシ ュトラーセ 24

Claims (14)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 案内面（１）ならびに案内面（１）に配
   置されたノズル（２、１８）に空気供給を行なう空気供
   給ボックス（４）を装備した印刷機用の枚葉紙案内装置
   において、案内面（１）をモジュール（１１、１２、１
   ２’、１３、１４、２６）より組立てることができ、印
   刷機の各部（３）の異なる要件に応じて、ノズル（２、
   １８）のサイズ、配置および形態、ノズル（２、１８）
   の単位面積あたり密度ならびに案内面（１）の形状の点
   で相違する複数のモジュール（１１、１２、１２’、１
   ３、１４、２６）が使用されることを特徴とする枚葉紙
   案内装置。
2. 【請求項２】 案内面（１）が押しぬきされたノズル
   （２、１８）を備えた金属薄板で製作される請求項１に
   記載の枚葉紙案内装置。
3. 【請求項３】 真直ぐな案内面（１）や各胴（５、６、
   ７）での枚葉紙案内のため適切に湾曲した案内面（１）
   を有するモジュール（１１、１２、１２’、１３、１
   ４、１５、２６）が使用される請求項１または２に記載
   の枚葉紙案内装置。
4. 【請求項４】 湾曲した案内面（１）がノズル（２、１
   ８）を備えた板の折り曲げによって製作される請求項１
   ないし３のいずれか１項に記載の枚葉紙案内装置。
5. 【請求項５】 モジュール（１１、１２、１２’、１
   ３、１４、２６）がノズル（２、１８）の高いおよび／
   または低い単位面積あたり密度を有する請求項１ないし
   ４のいずれかの項に記載の枚葉紙案内装置。
6. 【請求項６】 モジュール（１２、１２’、１３、１
   ４、２６）の案内面（１）のノズル（２）の分布が不均
   等である請求項１ないし５のいずれか１項に記載の枚葉
   紙案内装置。
7. 【請求項７】 中心部のノズル密度が高く、周縁部のノ
   ズル密度が低い案内面（１）を設けるためのモジュール
   （１２、１３、１４）を有する請求項６に記載の枚葉紙
   案内装置。
8. 【請求項８】 枚葉紙運搬路（１７）に対して斜めに向
   いた空気吹き付け方向を備えたノズル（２、１８）を有
   する請求項１ないし７のいずれか１項に記載の枚葉紙案
   内装置。
9. 【請求項９】 枚葉紙運搬面に対して基本的に平行な空
   気吹き付け方向（１６）を備えたノズル（２、１８）を
   有する請求項１ないし７のいずれか１項に記載の枚葉紙
   案内装置。
10. 【請求項１０】 空気吹き付け方向（１６）が基本的に
    枚葉紙運搬路（１７）の中心部から外縁側に向かってい
    る請求項９記載の枚葉紙案内装置。
11. 【請求項１１】 空気供給ボックス（４）に軸流送風機
    （１５）が装備される請求項１ないし１０のいずれか１
    項に記載の枚葉紙案内装置。
12. 【請求項１２】 軸流送風機（１５）の回転方向が切り
    換えられる請求項１１記載の枚葉紙案内装置。
13. 【請求項１３】 空気量が調節され得る請求項１ないし
    １２のいずれか１項に記載の枚葉紙案内装置。
14. 【請求項１４】 モジュール（１１、１２、１２’、１
    ３、１４、２６）が一つの印刷機において多重に使用さ
    れ得る請求項１ないし１３のいずれか１項に記載の枚葉
    紙案内装置。