JP3027289B2 - 中通し釣竿とその製造方法 - Google Patents

中通し釣竿とその製造方法

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JP3027289B2 JP5343104A JP34310493A JP3027289B2 JP 3027289 B2 JP3027289 B2 JP 3027289B2 JP 5343104 A JP5343104 A JP 5343104A JP 34310493 A JP34310493 A JP 34310493A JP 3027289 B2 JP3027289 B2 JP 3027289B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱硬化性樹脂や熱可塑
性樹脂をマトリックスとして強化繊維によって強化形成
し、内部に釣糸案内部材を設けた中通し釣竿とその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】釣糸の滑り性の向上や竿管内面の摩耗損
傷防止等の観点から、竿管内面に単一繊維の釣糸案内環
状体を一体化させる方法が特開平4−341133号に
開示されている。即ち、マンドレルの外周面に単一繊維
を適数箇所巻き付け、この上からプリプレグを巻回して
常法に従って竿管を一体形成する。またマンドレルに段
差部を設け、この段差部に釣糸案内環状体を位置決めし
てプリプレグを巻回する方法等が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、釣糸案内
環状体は、その内面がマンドレル外面によって規制され
ているため、外側からプリプレグを巻回すると、該プリ
プレグは釣糸案内環状体近傍が外方に凸状になり、その
他の部分がマンドレルの表面に沿ってマンドレルに接触
する。即ち、プリプレグによる竿管の成形では該竿管内
面と釣糸案内環状体の内面とが面一になり、釣糸案内環
状体が竿管内面から内方に突出することができない上、
加熱成形時にプリプレグから樹脂がマンドレル表面に流
れて釣糸案内環状体が樹脂に埋もれてしまうため、釣糸
案内環状体は竿管内面の内方に露出できない。
【0004】また釣糸案内環状体の内面を一部露出する
ことがあってもその周囲に樹脂がバリ状に貼り付いてい
ることが多く、この状態で釣糸を案内するとそのバリ状
樹脂によって釣糸が損傷することがあり、安定した釣糸
案内機能を発揮できない。マンドレルに位置決めの段差
部を設けた場合も、単一繊維の大きさでは同様に樹脂に
よって埋没する。
【0005】こうした問題の他、前述のようにプリプレ
グは釣糸環状体の近傍で外に凸状態になり、繊維が蛇行
して竿管の強度が低下するという問題もある。
【0006】依って本発明は、竿管表面から安定して露
出し、釣糸を円滑に案内して釣糸の挿通抵抗を小さくで
きる中通し釣竿や、竿管強度や釣糸案内部材との一体化
強度の向上した中通し釣竿とその製造方法の提供を目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑みて請求項
1では、樹脂をマトリックスとして強化繊維によって強
化形成された竿管内に釣糸を挿通させる中通し釣竿の製
造方法であって、マンドレルに釣糸案内部材を装着する
と共に、該釣糸案内部材の前後とマンドレルとの間に
脂が流入することを防止する樹脂流入阻止部材を配設
し、その後、前記釣糸案内部材の上に前記樹脂を含浸又
は混合した繊維強化プリプレグを巻回して加圧、加熱し
て成形し、前記マンドレルを引き抜くと共に、前記樹脂
流入阻止部材を除去することを特徴とする中通し釣竿の
製造方法を提供する。
【0008】請求項2では、隣接した釣糸案内部材間に
亘って前記樹脂流入阻止部材が配設されているよう構成
する。また請求項3では、樹脂をマトリックスとして強
化繊維によって強化形成された竿管内に釣糸を挿通させ
る中通し釣竿の製造方法であって、弾性部材か又は粘土
状部材の受け部材層を介してマンドレルに釣糸案内部材
を装着し、該釣糸案内部材の上から前記樹脂を含浸又は
混合した繊維強化プリプレグを巻回して加圧、加熱して
成形し、前記マンドレルを引き抜くと共に、前記受け部
材層を除去することを特徴とする中通し釣竿の製造方法
を提供する。
【0009】また請求項4では、樹脂をマトリックスと
して強化繊維によって強化形成された竿管内に釣糸を挿
通させる中通し釣竿の製造方法であって、弾性部材のチ
ューブの外側に釣糸案内部材を装着し、該釣糸案内部材
の上から前記樹脂を含浸又は混合した繊維強化プリプレ
グを巻回し、この巻回プリプレグ層の上から外型を被
せ、前記チューブ内に圧力を作用させて加熱成形し、前
記外型を外すと共に、前記チューブを除去することを特
徴とする中通し釣竿の製造方法を提供する。請求項5で
は、樹脂をマトリックスとして強化繊維によって強化形
成された竿管内に釣糸を挿通させる中通し釣竿であっ
て、竿管内部に一体的に加熱成形された釣糸案内部材が
バリの発生を防止された状態で突出していると共に、該
釣糸案内部材の前後に亘って竿管の強化繊維の蛇行が防
止されていることを特徴とする中通し釣竿を提供する。
請求項6では、樹脂をマトリックスとして強化繊維によ
って強化形成された竿管内に釣糸を挿通させる中通し釣
竿であって、竿管内部に突出するよう一体的に加熱成形
された釣糸案内部材と竿管本体層との間に、樹脂材の層
が介在していることを特徴とする中通し釣竿を提供す
る。
【0010】
【作用】上記第1の方法では、釣糸案内部材の前後とマ
ンドレルとの間に樹脂流入阻止部材を配設し、その後に
プリプレグを巻回するため釣糸案内部材はプリプレグの
樹脂によって埋もれることは無い。この焼成後に樹脂流
入阻止部材を除去するため、釣糸案内部材の前後に空間
が生じ、焼成竿管内面から釣糸案内部材が安定的に露出
する。また樹脂流入阻止部材が焼成時に粉末状等にな
り、マンドレルの引き抜き時に一部が自然に除去され、
残りが釣竿使用中等に徐々に除去される場合等において
も特許請求の範囲において述べる樹脂流入阻止部材の除
去である。
【0011】請求項2の方法では、マンドレルには釣糸
案内部材間に亘って樹脂流入阻止部材が配設されている
ため、これらの上から繊維強化プリプレグを巻回して加
圧焼成しても、竿管の成形後にマンドレルと樹脂流入阻
止部材を取り出せば、釣糸案内部材は樹脂流入阻止部材
の厚さ分に応じて竿管の内方に安定的に突出する他、加
圧成形時に、釣糸案内部材は樹脂流入阻止部材の厚さ分
を差し引いた分だけしか竿管本体用繊維強化プリプレグ
を押圧しないから、それだけプリプレグが釣糸案内部材
の位置で外に凸状態になり難く、繊維が蛇行して竿管の
強度が低下するということを防止できる。上記請求項3
の方法では、釣糸案内部材はマンドレルに直接ではな
く、弾性部材か又は粘土状部材の受け部材層を介在させ
て装着しているため、装着状態で釣糸案内部材は少なく
とも横断面の一部分がこの受け部材層内に埋もれる。従
って、この上に繊維強化プリプレグを巻回して加熱成形
して樹脂が流れても、釣糸案内部材の前記埋もれた部分
の残り部分が繊維強化プリプレグと一体化するだけであ
り、竿管の成形後にマンドレルと当該受け部材層を取り
出せば、釣糸案内部材は受け部材層に埋もれていた部分
だけ竿管内方に安定的に突出する。また、釣糸案内部材
弾性部材か又は粘土状部材の受け部材層を介在させて
いるため、プリプレグが釣糸案内部材の近傍で外に凸状
態になり難く、繊維が蛇行して竿管の強度が低下すると
いうことを防止できる。
【0012】請求項4の方法では、弾性部材チューブの
外側に釣糸案内部材を装着していると共に、巻回プリプ
レグ層の外側を外型によって覆っているため、チューブ
内に圧力を作用させると、釣糸案内部材は巻回プリプレ
グ層の内周に押し付けられた状態で加熱成形されるが、
巻回プリプレグ層の外周面は外型の内面に沿っており、
外方には拡径できない他、圧力は釣糸案内部材のみなら
ずチューブ全体に均一に作用するため、押し付けられた
釣糸案内部材はこの巻回プリプレグ層内に全体が埋没す
ることはなく、せいぜい部分的な埋没に留まる。従っ
て、一体成形後にチューブを取り出せば、釣糸案内部材
は竿管の内方に安定的に突出している。また、外型を被
せると共に弾性部材チューブを介在させているため、プ
リプレグが釣糸案内部材の近傍で外に凸状態になり難
く、繊維が蛇行して竿管の強度が低下するということを
防止できる。請求項5の釣竿は、バリの発生を防止され
た釣糸案内部材が竿管内方に突出しているため、釣糸の
案内時において、該釣糸を損傷させたり糸抵抗を増大さ
せることを防止して釣糸を円滑に案内できる。しかも、
釣糸案内部材の前後に亘って竿管の強化繊維の蛇行が防
止されているため、従来の、釣糸案内部材近くの繊維が
蛇行した竿管に比べ、竿管強度が大きく向上する。請求
項6の釣竿は、釣糸案内部材と竿管本体層との間に樹脂
材の層が介在しているため、釣糸案内部材と竿管本体層
との一体化強度が向上する。
【0013】
【実施例】以下、本発明を添付図面に示す実施例に基づ
き、更に詳細に説明する。図1は中通し釣竿の第1の製
造方法を示す。マンドレル10の外表面10Sは軟質の
ゴムチューブ12によって覆われていると共に、このゴ
ムチューブ12の外側には、長手方向に適宜な間隔でリ
ング状の釣糸案内部材14が装着されている(a)。こ
の釣糸案内部材14の装着はゴムチューブ12をマンド
レル10に装着した後にそれぞれ装着してもよく、ま
た、ゴムチューブ12に予め装着した状態でこのゴムチ
ューブ12をマンドレル10に套嵌してもよい。
【0014】この釣糸案内部材14は、ボロンやセラミ
ックスの単一繊維でもよく、また、その他の滑り性の良
い材料から成るリング部材、例えばセラミックスリング
等でもよい。また、離散的なリング部材ではなくて、1
又は2以上の螺旋状案内部材であってもよい。更には、
目の粗い、例えば目の大きさが数ミリ程度のネットをゴ
ムチューブ12に巻回し、該ネットによって複数の釣糸
案内部材14を同時に形成することもできる。この場合
のネットの材料はセラミックス、金属、撥水性の樹脂材
等任意である。
【0015】上記ゴムチューブ12の代りにゴムテープ
を巻回してマンドレル10の外表面10Sを覆ってもよ
い。また、軟質のゴムのような軟質の弾性部材ではなく
て、粘土状の部材によってマンドレル10の外表面10
Sを覆い、これに釣糸案内部材14を装着してもよい。
何れにしても釣糸案内部材14の横断面の一部分(半分
程度が好ましい)がこれらゴムチューブ12等に埋没す
ることが必要である。軟質弾性部材としてはシリコン等
でもよい。
【0016】このように釣糸案内部材14の横断面の一
部分がゴムチューブ12に埋没した状態で、この上に、
好ましくは下記のプリプレグの樹脂と同じ樹脂材のシー
トを巻回して樹脂材シート層16を形成する(b)。そ
の後、強化繊維に熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を含浸又
は混合したプリプレグを必要回数巻回して巻回プリプレ
グ層18を形成する(b)。
【0017】この層18は1種類のプリプレグで形成す
るとは限らず、例えば内層と外層は繊維を主に周方向に
引き揃えたプリプレグにより、中層は繊維を主に長手方
向に引き揃えたプリプレグによって3層構造に形成して
もよい。また、図1(b)では樹脂材シート層16と巻
回プリプレグ層18とが同じ程度の厚さに描かれている
が、これは判り易く描いたためであり、実際には樹脂材
シート層16は巻回プリプレグ層18よりも相当薄い。
【0018】上記樹脂材シート層16が存在すると、釣
糸案内部材14と巻回プリプレグ層18との一体化が容
易になるが、本発明ではこの層16を設けることは必須
ではない。
【0019】こうして巻回プリプレグ層18を形成した
後、緊締テープか又は金型等の外型によって加圧しつつ
加熱し、釣糸案内部材14を巻回プリプレグ層18に一
体化させ、それを冷却してマンドレル10を引き抜き、
ゴムチューブ12をも取り去り、竿管を成形する。こう
して成形した竿管は釣糸案内部材14が図1(a),
(b)に示したゴムチューブ12内に埋没していた分だ
け内方に突出して竿管内に固着されている。また、マン
ドレル10と釣糸案内部材14との間に軟質のゴムチュ
ーブ12等を介在させているため、プリプレグ層18が
外方に膨出することが防止低減できる。
【0020】受け部材層12の材料によっては、加熱成
形後に該受け部材層12が再使用できなく変化する場合
も有るが、このことは本発明の構成に影響しない。
【0021】次に、図2を参照しながら本発明に係る中
通し釣竿の第2の製造方法につき説明する。この実施例
ではマンドレル10を使用しているが、マンドレル10
は必須ではない。軟質弾性部材のゴムから成り、底22
Bを具備するゴムチューブ22の外側に所望の位置間隔
で釣糸案内部材14を装着し、これをマンドレル10に
套嵌させ、釣糸案内部材14の横断面の一部分(半分程
度が好ましい。)を埋没させる(a)。
【0022】この上から、第1の製造方法において説明
したのと同様に、樹脂材シートを巻回して樹脂材シート
層16を形成する。その上からプリプレグを巻回して巻
回プリプレグ層18を形成する(b)。樹脂材シート層
16は第1の製造方法の場合と同様に必須ではないが、
釣糸案内部材14と巻回プリプレグ層18との一体化を
容易にするために介在させることが好ましい。
【0023】この上から上型20Aと下型20Bとから
成る外型20を被せ、ゴムチューブ22の端部22Mか
ら該ゴムチューブ22の内部に油圧(水圧)や空気圧に
よって内圧を作用させる(c)。こうして巻回プリプレ
グ層18の外周を外型20の内面20Sに押し付ける。
従って、内圧の如何によらず巻回プリプレグ層18の外
形は規制されており、既述の公報開示の方法による場合
のように外側に凸状になることはない。
【0024】また、内圧は流体圧であるためゴムチュー
ブ22の内面に均等に圧力が作用して適切圧力で釣糸案
内部材14が樹脂材シート層16を介して巻回プリプレ
グ層18の内面に押し付けられる。従って、プリプレグ
層18の内面部が大きく外側に凸状に湾曲することが防
止される。
【0025】この状態で加熱して釣糸案内部材14を巻
回プリプレグ層18の内面と一体化させる。その後冷却
して圧力を下げ、マンドレル10とゴムチューブ22を
取り外す。軟質の弾性部材22として、ゴムチューブの
代りにシリコンチューブにすれば耐久性が向上する。釣
糸案内部材14は第1の製造方法の場合と同様な部材が
使用できる。
【0026】以上の軟質の受け部材層12や軟質弾性部
材チューブ22の存在は、釣糸案内部材14とマンドレ
ル10との間に樹脂が流入することを阻止する部材とし
ても作用するが、以下においてはこれらのような軟質部
材をマンドレルとの間に介在さることなく、単に釣糸案
内部材の前後とマンドレルとの間に樹脂流入阻止部材を
配設させる場合の中通し釣竿の他の製造方法について説
明する。
【0027】図3はその方法の1実施例としての途中過
程を示しており、まずマンドレル10の表面に焼成竿管
との分離性能を向上させる離型剤を塗布する。その後セ
ラミックス等のリング部材であって、図4に断面の拡大
図を示すように内周形状が円形であって外周形状が偏平
な釣糸案内部材14’を夫々の内径寸法に応じてマンド
レル10の先から留まる位置まで挿入する。ここでは僅
かに内径寸法の異なる3個の釣糸案内部材14’を夫々
の停止位置まで挿入した後、例えば前記離型剤をこれら
釣糸案内部材14’の前後であって、マンドレル10と
の隙間に充填する。この充填した離型剤を24で示す。
離型剤の他、樹脂流入阻止部材としてはろー材、シリコ
ン等のシーリング剤等も使用できる。
【0028】こうして準備した上に巻回プリプレグ層1
8を形成する。既述のように、この巻回プリプレグ層1
8は内層18A、中層18B、外層18Cから構成して
もよく、内層と外層は周方向に引き揃えられた強化繊維
を主体とし、中層は長手方向に引き揃えられた強化繊維
を主体とする。こうして巻回したプリプレグ層18は図
4に示すように、釣糸案内部材14’の存在位置が幾分
外方向に膨出しているが、加圧する際に図2の(C)で
示すような外型を使用すれば、この膨出を防止すること
もできる。
【0029】緊締テープによって加圧する場合は、前記
膨出が残るが、釣糸案内部材14’の断面形状を円形で
なくて外周側の形状を偏平に設定したのもこの膨出を低
く押さえるためであり、その膨出の程度は図1のような
円形断面の釣糸案内部材の場合と比べて少量となる。従
って、図1を用いて説明した第1の方法の場合において
もこのような偏平な釣糸案内部材14’を用いれば、そ
の膨出量は更に低減できる。
【0030】また、釣糸案内部材14’の断面形状が図
4のように三日月形状であれば,断面における前後端部
の存在によって焼成竿管内面に一体的に食い込み、竿管
と釣糸案内部材14’との結合をより強固にすることが
できる。
【0031】こうして竿管を焼成した後マンドレル10
を引き抜き、その後、溶剤によって離型剤24を溶解さ
せて除去でき、釣糸案内部材14’の前後は竿管の内面
との間に空間を生じて安定的に露出している。また、マ
ンドレル10の外表面に沿っていたので、釣糸案内部材
14’の最内周は該釣糸案内部材14’の近傍を除いた
竿管内面の延長上にあり、殆ど面一状態である。この場
合でも釣糸案内部材14’の前後が竿管内面から安定露
出した状態に形成されているため、釣糸を損傷させるこ
となく円滑に案内できる。
【0032】また離型剤24は溶剤によって溶解されな
くとも、焼成で粉末状になっているため、マンドレル1
0の引き抜き時にその一部分は落下し、残部は釣竿の使
用に従って徐々に落下して自然除去される。この場合も
本発明における樹脂流入防止部材の除去の範囲である。
樹脂流入阻止部材は加熱によって粉末状にしたり、溶剤
によって溶かしたり、或いは機械的に擦って除去したり
できる。
【0033】次に図5は、図3の場合と異なり釣糸案内
部材14’の最内周が竿管の内面に対して突出すると共
に、釣糸案内部材の前後で竿管の内面に凹凸が少なくな
るよう形成されて、釣糸案内部材14’の位置が外面方
向に膨出しないように形成されるべく、離型剤を各釣糸
案内部材14’の前後のみならず、各釣糸案内部材間の
マンドレル表面にも層状に厚く塗布した状態を示す。
【0034】こうして準備した上にプリプレグを巻回し
て加圧焼成し、マンドレル10を引き抜き、内面の離型
剤の掃除をすれば竿管の内面から内方に突出した釣糸案
内部材14’を有する中通し釣竿が提供できる。
【0035】図6は図5で説明した離型剤の代りに、緊
締テープ(ポリプロピレンテープ)を用いる場合につい
て説明する。まずマンドレル10に離型剤を通常の場合
と同様に塗布する。次に、このマンドレル10に所定の
釣糸案内部材14’を套嵌させ、その状態のマンドレル
10に緊締テープ26を巻回する。その後、セロハンテ
ープのような接着剤を含むもので釣糸案内部材14’の
前後近くの緊締テープ26の領域Z1を仮固定し、次
に、釣糸案内部材14’の上部Z2の緊締テープ26等
を除去すべくナイフ等でカットする。これによって釣糸
案内部材14’の前後とマンドレル10との間は、残り
の緊締テープによって塞がれる。
【0036】こうして釣糸案内部材14’の外周面を露
出させ、更にはこの露出面をマスキングして緊締テープ
26の上に離型剤を塗布する。そうしてマスキング部材
を除去してプリプレグを巻回し、緊締テープや外型によ
って加圧しつつ焼成する。その後、マンドレル10を引
き抜き、更には、竿管の内周から緊締テープ26を除去
する。これによって釣糸案内部材14’は竿管内面から
内方に突出でき、釣糸を円滑に案内できる。
【0037】この場合、前記領域Z1のみの緊締テープ
26を残し、他部分を除去すれば図3や図4に示した場
合と同様に、釣糸案内部材14’の最内周は該釣糸案内
部材14’の近くを除いた竿管の内面と面一となるが、
釣糸案内部材の前後のみは竿管の内面から露出する。こ
の場合も釣糸が円滑に案内できることは前記例の通りで
ある。この緊締テープ26に代えて、釣糸案内部材1
4’の前後とマンドレル10との隙間を型取った成形チ
ューブを該釣糸案内部材の前後に配設して樹脂の流入を
阻止しても良い。
【0038】以上においては釣糸案内部材14’は個別
のリング部材として説明したが、長い針金状の部材をマ
ンドレル10に螺旋状に巻回して、その前後のマンドレ
ル10との間に離型剤や他のワックス等を充填する等し
てもよい。また、第1や第2の製法の場合と同様に樹脂
材シートを使用した方が釣糸案内部材14と巻回プリプ
レグ18との一体化を容易にすることも同様である。
【0039】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本第1の
発明によれば、釣糸案内部材の前後とマンドレルとの間
に樹脂流入阻止部材を配設し、その後にプリプレグを巻
回して焼成するため、釣糸案内部材がプリプレグと一体
化されると共に、プリプレグの樹脂によって埋もれるこ
とは無く、この焼成後に樹脂流入阻止部材を除去するた
め、釣糸案内部材の前後に空間が生じ、バリ状物によっ
て囲まれることなく焼成竿管内面から釣糸案内部材が安
定的に露出する。従って、釣糸が損傷すること無く円滑
に案内され、釣糸挿通抵抗が小さくなる。
【0040】請求項2によれば、マンドレルには釣糸案
内部材間に亘って樹脂流入阻止部材が配設されているた
め、これらの上から繊維強化プリプレグを巻回して加圧
焼成しても、竿管の成形後にマンドレルと樹脂流入阻止
部材を取り出せば、釣糸案内部材は樹脂流入阻止部材の
厚さ分に応じて竿管の内方に安定的に突出する他、加圧
成形時に、釣糸案内部材は樹脂流入阻止部材の厚さ分を
差し引いた分だけしか竿管本体用繊維強化プリプレグを
押圧しないから、それだけプリプレグが釣糸案内部材の
位置で外に凸状態になり難く、繊維が蛇行して竿管の強
度が低下するということを防止できる。 請求項3によれ
ば、弾性部材か又は粘土状部材の受け部材層を介してマ
ンドレルに釣糸案内部材を装着するため、少なくとも
糸案内部材の横断面の一部分が受け部材層に埋没し、こ
の上にプリプレグを巻回して巻回プリプレグ層を形成し
て一体焼成すると、前記埋没部分にはバリの付着が防止
され、成形後に受け部材層を除去すれば竿管内面から内
方に突出し、釣糸を損傷させることなく円滑に案内して
釣糸の挿通抵抗を小さくできる。成形時には、受け部材
の存在のために釣糸案内部材の存在によって巻回プリ
プレグ層に無理な押圧力が作用しないため、竿管が外に
凸状態に形成されることが防止できる。即ち繊維の蛇行
防止され、高強度で高品質の釣竿が成形される
【0041】請求項4によれば、弾性部材チューブの外
側に横断面の少なくとも一部分が埋没しつつ装着してい
る釣糸案内部材を、該弾性部材チューブ内面に作用する
均等圧力によって釣糸案内部材には適切な圧力が作用
し、一体焼成すると一体化が確実になると共に、チュー
ブを除去すれば、前記埋没部分が竿管内面から内方に突
出する。また、外型の存在によって巻回プリプレグ層は
外側に突出することがない。従って、成形時に繊維の蛇
行が防止され、成形された竿管は高強度であると共に品
質が向上する。また、釣糸案内部材の、少なくともその
一部が弾性部材のチューブに埋没しているため、その埋
没部にはバリの発生が防止され、釣糸を損傷させること
なく円滑に案内して釣糸の挿通抵抗を小さくできる。請
求項5の釣竿は、バリの発生を防止された釣糸案内部材
が竿管内方に突出しているため、釣糸案内時において、
該釣糸を損傷させたり糸抵抗を増大させることを防止
し、釣糸を円滑に案内できる。しかも、釣糸案内部材の
前後に亘って竿管の強化繊維の蛇行が防止されているた
め、従来の、釣糸案内部材近くの繊維が蛇行した竿管に
比べ、竿管強度が大きく向上する。請求項6の釣竿は、
釣糸案内部材と竿管本体層との間に樹脂材の層が介在し
ているため、釣糸案内部材と竿管本体層との一体化強度
が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係る第2の発明の説明図であ
る。
【図2】図2は本発明に係る第3の発明の説明図であ
る。
【図3】図3は本発明に係る第1の発明の説明図であ
る。
【図4】図4は図3の部分拡大図である。
【図5】図5は第1の発明の他の実施例を示す部分縦断
面図である。
【図6】図6は第1の発明の更に他の実施例を示す部分
縦断面図である。
【符号の説明】
10 マンドレル 12 受け部材層 14,14’ 釣糸案内部材 16 樹脂シート層 18 巻回プリプレグ層 20 外型 22 軟質の弾性部材チューブ 24 樹脂流入阻止部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−304836(JP,A) 特開 平5−276853(JP,A) 特開 平6−14677(JP,A) 実開 平5−88259(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01K 87/00 610 - 630 A01K 87/04

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂をマトリックスとして強化繊維によ
    って強化形成された竿管内に釣糸を挿通させる中通し釣
    竿の製造方法であって、 マンドレルに釣糸案内部材を装着すると共に、該釣糸案
    内部材の前後とマンドレルとの間に樹脂が流入すること
    を防止する樹脂流入阻止部材を配設し、 その後、前記釣糸案内部材の上に前記樹脂を含浸又は混
    合した繊維強化プリプレグを巻回して加圧、加熱して成
    形し、 前記マンドレルを引き抜くと共に、前記樹脂流入阻止部
    材を除去することを特徴とする中通し釣竿の製造方法。
  2. 【請求項2】 隣接した釣糸案内部材間に亘って前記樹
    脂流入阻止部材が配設されてなる請求項1記載の中通し
    釣竿の製造方法。
  3. 【請求項3】 樹脂をマトリックスとして強化繊維によ
    って強化形成された竿管内に釣糸を挿通させる中通し釣
    竿の製造方法であって、 弾性部材か又は粘土状部材の受け部材層を介してマンド
    レルに釣糸案内部材を装着し、 該釣糸案内部材の上から前記樹脂を含浸又は混合した繊
    維強化プリプレグを巻回して加圧、加熱して成形し、 前記マンドレルを引き抜くと共に、前記受け部材層を除
    去することを特徴とする中通し釣竿の製造方法。
  4. 【請求項4】 樹脂をマトリックスとして強化繊維によ
    って強化形成された竿管内に釣糸を挿通させる中通し釣
    竿の製造方法であって、 弾性部材のチューブの外側に釣糸案内部材を装着し、 該釣糸案内部材の上から前記樹脂を含浸又は混合した繊
    維強化プリプレグを巻回し、 該巻回プリプレグ層の上から外型を被せ、 前記チューブ内に圧力を作用させて加熱成形し、 前記外型を外すと共に、前記チューブを除去することを
    特徴とする中通し釣竿の製造方法。
  5. 【請求項5】 樹脂をマトリックスとして強化繊維によ
    って強化形成された竿管内に釣糸を挿通させる中通し釣
    竿であって、 竿管内部に一体的に加熱成形された釣糸案内部材がバリ
    の発生を防止された状態で突出していると共に、該釣糸
    案内部材の前後に亘って竿管の強化繊維の蛇行が防止さ
    れていることを特徴とする中通し釣竿。
  6. 【請求項6】 樹脂をマトリックスとして強化繊維によ
    って強化形成された竿管内に釣糸を挿通させる中通し釣
    竿であって、 竿管内部に突出するよう一体的に加熱成形された釣糸案
    内部材と竿管本体層との間に、樹脂材の層が介在してい
    ることを特徴とする中通し釣竿。
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