JP3025445B2 - 触媒コンバーター及びその製造方法 - Google Patents

触媒コンバーター及びその製造方法

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JP3025445B2
JP3025445B2 JP8242656A JP24265696A JP3025445B2 JP 3025445 B2 JP3025445 B2 JP 3025445B2 JP 8242656 A JP8242656 A JP 8242656A JP 24265696 A JP24265696 A JP 24265696A JP 3025445 B2 JP3025445 B2 JP 3025445B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、触媒コンバーター
に関するものであり、詳しくは、主に自動車に使用され
る触媒コンバーターであって、特定のモノリス保持材に
よって金属製の筒状モノリスを安定的に固定した触媒コ
ンバーターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の排気系には、排気ガス中の一
酸化炭素、各種炭化水素などの有害成分を処理するた
め、重金属や貴金属などを触媒とする各種の触媒コンバ
ーターが排気ガス浄化装置として使用される。触媒コン
バーター(排気ガス浄化装置)は、触媒の形態によって
次の二種に分類される。(1)セラミックス等の粒状担
体に触媒金属を担持させて成るペレット状触媒、およ
び、当該ペレット状触媒を収容する金属製ケーシングか
ら構成された触媒コンバーター。(2)円筒体内部に多
数の排気ガス通路を有する筒状モノリス担体(以下、
「モノリス」と言う。)に触媒金属を担持させて成る所
謂一体型触媒、および、当該一体型触媒を収容する金属
製ケーシングから構成された触媒コンバーター。
【0003】上記の触媒コンバーターのうち、(2)の
触媒コンバーターは、金属製ケーシング内の触媒の保持
方法が適切である限り、(1)の触媒コンバーターの様
に、稼働時におけるペレット同士の衝突による摩耗がな
く、装置自体を比較的小さくし得ることから広く普及し
ている。
【0004】一方、(2)の一体型触媒を構成するモノ
リスは、排気ガス通過時の抵抗を低減し且つ触媒効率を
高めるため、排気ガス流路において一層大きな表面積を
確保し得るハニカム構造とされ、そして、耐熱性の観点
から、現時点では、セラミック製のものが主流である。
【0005】上記モノリスは、排気ガス導管に接続され
る金属製ケーシングに保持材を介して固定される。セラ
ミック製モノリスの場合は、通常、モノリスと金属製ケ
ーシングで形成されるクリアランス(間隙)にシート状
保持材を装入している。また、金属製ケーシングの構造
としては、保持材が巻回されたモノリスを半割り状の金
属製ケーシングによって両側から挟む様に収容し、金属
製ケーシングの接合部分を溶接したクラムシェル構造、
または、保持材が巻回されたモノリスを筒状の金属製ケ
ーシングに装入したスタッフィング構造が採用される。
【0006】一体型触媒を使用する触媒コンバーターに
おいては、上記クラムシェル又はスタッフィングの何れ
の方式を採用するにしても、モノリス外周面とケーシン
グ内周面のクリアランスに対して同等または若干厚い厚
さの保持材を使用し、組み立て時に適切に装入、固定で
きる様に配慮する必要がある。その理由は、万一、保持
材の保持力が低下してモノリスの固定が不十分になる
と、稼働時に金属製ケーシングからのモノリスの脱離、
ずれが起こり、また、モノリス外周部から排気ガスが漏
れる等の不具合を生ずるからである。
【0007】従って、保持材は、常温から稼働時の高温
に亘り所定の保持力を持続する必要があり、更には、個
々のモノリスの寸法のばらつきによるクリアランスの変
動、および、稼働時の排気ガスの通過によるモノリス及
び金属製ケーシングの熱膨張に起因したクリアランスの
変化に追随する必要がある。
【0008】特に、セラミック製モノリスを使用した触
媒コンバーターにおいては、モノリス自体の熱膨張が少
なく、その外周の金属製ケーシングが大きな熱膨張性を
示すことから、稼働時にはクリアランスが拡大し、その
結果として、保持材の保持力が低下する傾向がある。ま
た、モノリスの外径寸法のばらつきが比較的大きく、極
端にモノリスが小さい場合には、組み立て時から所定の
保持力が得られない場合もある。
【0009】そこで、保持材としては、耐熱性、クッシ
ョン性を考慮してセラミック繊維をシート化した部材、
または、保持力を補う意味でバーミキュライト等の熱膨
張材をセラミック繊維に混入してシート化した部材が使
用される。例えば、特公昭58−17335号公報、特
開平1−240715号公報、特開平7−127443
号公報などには、一体型触媒のセラミック製モノリスを
金属製ケーシングに固定する際に、モノリスの外周をセ
ラミック繊維の成形体およびセラミック製の熱膨張性シ
ート材によって被覆する技術が開示されている。
【0010】コーディエライトを主成分としたセラミッ
ク製モノリスは、比較的安価で熱的寸法安定性に優れる
ことから最も広く使用されているが、排気ガス規制が強
まる中、温度特性を上げ、触媒効率を高めるためにハニ
カムの壁厚を薄くして表面積を高め、かつ、熱容量を小
さくする努力がなされている。
【0011】しかしながら、セラミック製モノリスは、
製造上の制約や構造上の強度面から壁厚に限界があるた
め、金属製モノリスの優位性が認識されつつある。金属
製モノリスは、一般に、50〜100μmのアルミニウ
ム含有フェライト系ステンレス箔にて構成される。その
理由は、フェライト系以外のステンレス箔のうち、例え
ば、オーステナイト系ステンレス箔は熱膨張が大きく、
また、マルテンサイト系ステンレス箔は曲げ加工が難し
い等、実用に適していないからである。
【0012】フェライト系ステンレス箔のモノリスは、
平箔とコルゲート加工した波箔をロール状に巻回し、端
面をロウ付けして円筒状に形成される。斯かる金属製モ
ノリスは、セラミック製モノリスに比べ、その壁厚が1
/2〜1/3以下であるため、セラミック製モノリスと
同じ大きさであるにも拘らず、開口率および表面積が格
段に大きく、かつ、熱容量も小さいため、高い排気ガス
浄化効率が得られる。更には、製作時の寸法精度に優
れ、割れ難いこと等の利点もあることから、今後のモノ
リスの主流として定着するものと考えられている。
【0013】ところで、金属製モノリスを使用した触媒
コンバーターの構造としては、ロウ付け等でモノリスを
接合し得るため、外周の金属製ケーシングに対して一体
的に接合する構造が採用されている。しかしながら、上
記の構造は、セラミック製モノリスを採用した構造に比
較し、触媒用担体として前述の如き種々の利点を持つ反
面、ハニカムの熱が直接外周の金属製ケーシングに伝わ
るため、アイドリング時に冷却し易いと言う課題があ
る。
【0014】また、実開平1−80620号公報には、
被覆管と金属製モノリスの間に熱膨張シート材を配置し
た排ガス浄化用触媒担体が開示されている。しかしなが
ら、金属製モノリスは、排気ガスに晒されて温度が80
0℃以上になると、耐熱強度が極めて低くなり、上記の
公報の担体においては、モノリスの外周に巻回された熱
膨張シート材による膨張の圧力により、ハニカム体が容
易に座屈してしまうと言う問題がある。
【0015】そこで、特開平6−126191号公報に
は、金属製モノリスを使用した触媒コンバーターにおい
て、モノリスにセラミック製モノリスと同様の保持材に
よる固定方法を適用して上記課題を解決せんとした技術
が記載されている。斯かる公報に記載された触媒コンバ
ーターは、金属箔から成る平板および波板をロール状に
巻回して形成されたモノリス(ハニカム体)と、当該モ
ノリスの外周面に接合された短軸の金属製リングと、モ
ノリスを収容するケーシング(容器)と、リングとケー
シングのクリアランスに介装された熱膨張性シール材と
から構成される。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上記の特開平6−12
6191号公報などに記載された触媒コンバーターにお
いては、温度上昇により、モノリス側の熱膨張の方が金
属製リング等の保持材より大きくなるため、金属製リン
グ等の保持材が一時的に高い締め付け力を発生し、しか
も、セラミックウールから成る熱膨張性シール材が金属
製リングを介してモノリスを一層圧縮するため、モノリ
スの座屈を惹起し易く、その結果、稼働時にモノリスが
金属製ケーシング内で遊動し易いと言う問題がある。
【0017】本発明は、上記の実情に鑑みなされたもの
であり、その目的は、特定の保持材を使用することによ
り、排気ガス導管に接続される金属製ケーシングに対
し、触媒を担持した金属製モノリスを簡易に且つ安定的
に固定することが出来る触媒コンバーター及びその製造
方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る触媒コンバーターは、筒状に形成され
且つ排気ガス浄化用触媒を担持する金属製のモノリス
(1)と、モノリス(1)を収容し且つその両端が排気
ガス導管に接続される金属製ケーシング(2)と、モノ
リス(1)外周面と金属製ケーシング(2)内面とのク
リアランス(D)に介装されるモノリス保持材(3)と
から構成された触媒コンバーターにおいて、モノリス
(1)は、フェライト系ステンレス箔から構成され且つ
ハニカム構造を備え、しかも、モノリス保持材(3)に
よって直接支持され、モノリス保持材(3)は、厚さ方
向に圧縮されたアルミナ質繊維マットと当該アルミナ質
繊維マットに均一に含浸され且つ熱分解によって消失す
る有機バインダーとから成り、有機バインダーがゴム弾
性を有するバインダーであり、モノリス保持材(3)の
常態厚さ(C)がモノリス(1)外周面と金属製ケーシ
ング(2)内面とのクリアランス(D)に対して1.0
〜1.7倍の範囲であり、そして、モノリス保持材
(3)は、モノリス(1)外周面と金属製ケーシング
(2)内面とのクリアランス(D)に相当する厚さの圧
縮状態において、有機バインダーを熱分解した際、0.
1〜4.0kg/cm2 の復元面圧を有していることを
特徴とする。
【0019】上記の触媒コンバーターにおいて、モノリ
ス(1)を直接支持するモノリス保持材(3)は、これ
に含有された有機バインダーが熱分解によって消失した
後に発揮される弾性力により、モノリス(1)や金属製
ケーシング(2)の温度変化に基づくモノリス(1)外
周面と金属製ケーシング(2)内面とのクリアランス
(D)の変化に追従する。
【0020】また、本発明に係る触媒コンバーターの製
造方法は、筒状に形成され且つ排気ガス浄化用触媒を担
持する金属製のモノリス(1)と、モノリス(1)を収
容し且つその両端が排気ガス導管に接続される金属製ケ
ーシング(2)と、モノリス(1)の外周面と金属製ケ
ーシング(2)の内周面で形成されるクリアランス
(D)に装着されるモノリス保持材(3)とから構成さ
れ、しかも、モノリス(1)は、フェライト系ステンレ
ス箔から構成され且つハニカム構造を備え、かつ、モノ
リス保持材(3)によって直接支持される触媒コンバー
ターの製造方法であって、モノリス保持材(3)は、
(I)アルミナ質繊維マットに有機バインダー液を含浸
させる第1工程、(II)有機バインダー液が含浸され
たアルミナ質繊維マットを厚さ方向に圧縮する第2工
程、(III)圧縮されたアルミナ質繊維マットの厚さ
を維持したまま有機バインダーの媒体液を除去する第3
工程を経て製造され、かつ、有機バインダーがゴム弾性
を有するバインダーであり、モノリス保持材(3)の常
態厚さ(C)がモノリス(1)外周面と金属製ケーシン
グ(2)内面とのクリアランス(D)に対して1.0〜
1.7倍の範囲であり、そして、モノリス保持材(3)
は、モノリス外周面と金属製ケーシング内面とのクリア
ランス(D)に相当する厚さの圧縮状態において、有機
バインダーを熱分解した際、0.1〜4.0kg/cm
2 の復元面圧を有していることを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。図1は、本発明の一実施形態としての触
媒コンバーターの組立斜視図である。図2は、金属製モ
ノリスに対するモノリス保持材の巻回要領を示す説明図
である。図3は、モノリス保持材に至るまでのアルミナ
質繊維マットの厚さの変化を示す模式的な説明図であ
る。また、以下の説明においては、モノリス保持材を単
に「保持材」と略記し、図3中の符号(A)〜(D)を
併用する。
【0022】なお、図3(a)中の符号(A)は、厚さ
方向に圧縮力が全く加えられていないアルミナ質繊維マ
ットの厚さ(常態厚さ)を示す。図3(b)中の符号
(B)は、圧縮されたアルミナ質繊維マットの厚さ(圧
縮厚さ)を示す。図3(c)中の符号(C)は、触媒コ
ンバーターに装着する前のモノリス保持材の厚さ(モノ
リス保持材の常態厚さ)を示す。図3(d)中の符号
(D)は、モノリスの外周面と金属製ケーシングの内周
面で形成されるクリアランス(間隙)を示す。
【0023】先ず、本発明の触媒コンバーターについて
説明する。本発明の触媒コンバーターは、図1に示す様
に、概略、筒状に形成され且つ排気ガス浄化用触媒を担
持する金属製のモノリス(1)と、モノリス(1)を収
容し且つその両端が排気ガス導管に接続される金属製ケ
ーシング(2)と、モノリス(1)外周面と金属製ケー
シング(2)内面とのクリアランス(D)に介装される
保持材(3)とから構成される。
【0024】本発明の特徴の一つは、特定の保持材を採
用した点にある。すなわち、本発明で使用するアルミナ
質繊維マット(以下「マット」と略記することがあ
る。)は、前述した通り、セラミックハニカム触媒(モ
ノリス)の保持材として特開平7−127443号公報
に記載されているが、この場合、セラミック製モノリス
は、金属製ケーシングに比して熱膨張が小さく且つ金属
製ケーシングは熱膨張率が大きいため、モノリス外周面
と金属製ケーシング内面とのクリアランスが著しく大き
くなり、アルミナ質繊維マットから成る保持材の支持効
果は十分に発揮されていない。
【0025】一方、上記のセラミック製モノリスを金属
製モノリスに単に変更した場合は、モノリス外周面と金
属製ケーシング内面とのクリアランスが著しく小さくな
り、アルミナ質繊維マットから成る保持材は、モノリス
の座屈を惹起する。そこで、本発明は、モノリス(1)
外周面と金属製ケーシング(2)内面とのクリアランス
(D)に相当する厚さに圧縮した際に特定の復元力を有
するアルミナ質繊維マットから成る保持材(3)を採用
することにより、モノリス(1)の座屈を防止すると共
にその支持効果を十分に発揮させることに成功した。
【0026】また、本発明の特徴の他の一つは、アルミ
ナ質繊維マットから成る保持材(3)によってモノリス
(1)が直接支持された構造を採用した点にある。すな
わち、特開平6−126191号公報に記載された触媒
コンバーターの様に、金属製モノリスの外周面に短軸の
金属製リングを接合した構造を採用した場合は、熱膨張
率の大きな金属製モノリスに対する金属製リングの一時
的な締め付け力によりモノリスが座屈する恐れがある。
そこで、本発明においては、金属製モノリスの熱膨張を
制限する手段を講じることがない様に、アルミナ質繊維
マットから成る保持材(3)によってモノリス(1)が
直接支持された構造を採用したのである。
【0027】すなわち、本発明の触媒コンバーターにお
いて、モノリス(1)は、フェライト系ステンレス箔か
ら構成され且つハニカム構造を備え、しかも、保持材
(3)によって直接支持され、そして、保持材(3)
は、厚さ方向に圧縮されたアルミナ質繊維マット中に熱
分解によって消失する有機バインダーが均一に含有され
て成り、モノリス(1)外周面と金属製ケーシング
(2)内面とのクリアランス(D)に相当する厚さの圧
縮状態において、有機バインダーを熱分解した際、0.
1〜4.0kg/cm2の復元面圧を有する。
【0028】上記の金属製ケーシング(2)は、当該ケ
ーシングの上半分を構成するケーシング部材(2a)及
び下半分を構成するケーシング部材(2b)の2つ部材
を合わせて一体化する2分割のクラムシェル構造を備え
ている。ケーシング部材(2a)及び(2b)は、各
々、フランジ部(21a)、(21b)を有し、フラン
ジ部(21a)、(21b)は、ケーシング部材(2
a)及び(2b)を溶接する際の接合面として機能す
る。また、一方のケーシング部材(2b)の両端部に
は、排気ガス導管へ接続するための接続口(4)、
(5)が設けられている。図1中、符号(22a)及び
(22b)は、自動車の車体などに固定するためのボル
ト穴を示す。なお、金属製ケーシングとしては、予め筒
状に形成されてモノリスが装入されるスタッフィング構
造のケーシングを採用することも出来る。
【0029】モノリス(1)は金属箔素材によって構成
される。斯かる金属箔素材としては、高温酸化、低熱膨
張などの高温熱サイクルによる素材変化が少なく、か
つ、触媒を担持させる際のコート材および触媒との馴染
みが良く、しかも、触媒担持後の熱的変化の少ない素材
から選定される。通常は、Fe、Cr、Al又はSiを
基本成分とする熱膨張率の小さいフェライト系ステンレ
ス箔が使用される。
【0030】上記ステンレス箔に含まれるCrは、通常
20%程度であり、また、Alは、少ない方が良いが、
耐酸化性を考慮して通常5%程度添加される。その他、
La、Ce、Y、Ti等の微量金属を少量添加してもよ
い。ステンレス箔の厚さは、低圧損、昇温特性面からは
極力薄い方がよく、通常、セラミック製モノリスよりも
薄い100μm以下とされるが、耐酸化性を考慮する
と、20μm以上であることが好ましい。
【0031】モノリス(1)は、上記ステンレス箔から
成る平板とコルゲート加工を施した波板との積層体にて
構成される。具体的には、平板とコルゲート加工を施し
た波板を交互に積層し、高温熱サイクルに耐え得る様に
接合して円筒状に形成したハニカム構造、または、平板
と波板を交互に重ねて巻回して接合し、円筒状に形成し
たハニカム構造を備えている。モノリス(1)の加工に
おける接合は、ロウ付け、拡散溶接など、何れの方法を
使用してもよい。上記の様に成形されたモノリス(1)
には、アルミナコート層の形成後、Pt、Ph等の貴金
属層を担持させることにより、触媒としての機能が付与
される。
【0032】保持材(3)は、圧縮された非膨張性であ
るアルミナ質繊維マットと、当該マットに均一に含浸さ
れ且つ熱分解によって消失する有機バインダーとから構
成された成形体であり、上記のマットは、モノリス
(1)外周面と金属製ケーシング(2)内面とのクリア
ランス(D)に相当する厚さの圧縮状態において、0.
1〜4.0kg/cm2の復元力を有していることが重
要である。
【0033】上記の復元力は、マットに均一に含浸され
た有機バインダーが熱分解によって消失した後に発揮さ
れ、斯かる復元力により、保持材(3)は、モノリス
(1)や金属製ケーシング(2)の温度変化に基づくモ
ノリス(1)外周面と金属製ケーシング(2)内面との
クリアランス(D)の変化に追従してモノリス(1)を
弾性的に直接支持する。
【0034】そして、上記の復元力は、モノリス(1)
外周面と金属製ケーシング(2)内面とのクリアランス
(D)に相当する厚さにアルミナ質繊維マットを圧縮す
るのに要する力(圧縮力)に相当する。従って、本発明
の実施形態においては、マット形成時の圧縮力によって
上記の復元力の指標としている。
【0035】すなわち、保持材(3)は、内燃機関から
排出される高温の排気ガスによって有機バインダーが分
解されることにより、その厚さを復元する性質を有し、
斯かる性質によってモノリス(1)と金属製ケーシング
(2)とのクリアランス(D)を完全に塞いで排気ガス
の漏れを防ぐと共に、排気ガスによっても逸散すること
なく、金属製ケーシング(2)内にモノリス(1)を所
定の力で保持する機能を有する。
【0036】保持材(3)の基材を構成するマットと
は、厚さ方向にほぼ均一に積層したアルミナ繊維の集合
体を言い、所謂ブランケット又はブロックと呼ばれるも
のを包含する。アルミナ繊維としては、通常、繊維径が
1〜50μm、繊維長が0.5〜500mmのものが使
用されるが、繊維径が1〜10μm、繊維長が0.5〜
300mmの繊維が好適である。
【0037】上記アルミナ繊維の組成としては、アルミ
ナ−シリカ系結晶質短繊維であって、シリカ含有率が5
重量%以下のアルミナ、すなわち、アルミナが95重量
%以上の高アルミナの他、アルミナが70〜95重量%
で且つ残余がシリカで構成される一般的なものが挙げら
れる。特に、アルミナ72重量%のムライト繊維は、高
温安定性および弾力性に優れており、好ましいアルミナ
繊維である。
【0038】結晶質アルミナ繊維は、同じアルミナ−シ
リカ系の非結晶質セラミック繊維と比較して耐熱性に優
れ、セラミック繊維の様に軟化収縮などの熱劣化が極め
て少ないため、圧縮して成るマットとした場合に弾力性
に富んでいる。すなわち、マットは、低い嵩密度で高い
保持力を発生し且つその温度変化が少ないと言う性質を
持つ。従って、モノリス(1)が熱膨張して金属製ケー
シング(2)とのクリアランス(D)が狭まり、その嵩
密度が上昇した場合にも、モノリス(1)に対する保持
圧が急激に上昇することがなく、金属製モノリス用保持
材として最適な素材である。
【0039】しかも、上記アルミナ繊維基材は、温度に
よる保持力変化が少ないため、従来装置にて採用されて
いた様な金属製リング、金属製ネット等の保持材を必要
とせずに、金属製モノリスを座屈させることなく有効に
支持する。更に、結晶質アルミナ繊維のマットは、繊維
自体の上記の特徴により、高温の排気ガスに晒されても
繊維の逸散が少ないと言う特徴を有する。従って、斯か
る観点からも、結晶質アルミナ繊維は、保持材(3)を
構成する成形体の繊維として優れている。
【0040】マットの厚さは、弾力性、モノリス(1)
外周面と金属製ケーシング(2)内面とのクリアランス
(D)、その熱変化量、ガスシール性およびモノリス
(1)の座屈強度によって決定されるが、本発明におい
ては、モノリス(1)外周面と金属製ケーシング(2)
内面とのクリアランス(D)に相当する厚さに圧縮した
際に0.1〜4.0kg/cm2の圧縮力を有する様に
選定することが必要である。通常、常態厚さ(A)に対
し1/1.25以下、好ましくは1/2〜1/8の範囲
で圧縮されたマットと有機バインダーによって構成され
た成形体は、有機バインダーの熱分解による消失後にお
いて、上記の圧縮力の条件を満足する。
【0041】有機バインダーは、圧縮されたマットの厚
さを常温下において維持でき、熱分解による消失後に上
記マットの厚さを復原し得るものであれば特に制限なく
使用できるが、モノリス(1)の使用温度以上でも分解
しない様なもの、更には、有機バインダーを含浸させる
ことによってマットの柔軟性および復元面圧特性を阻害
し、モノリス(1)の座屈を助長する様な性質を持つ有
機バインダーの使用は、避ける必要がある。
【0042】本発明において、有機バインダーとして
は、各種のゴム、水溶性有機高分子化合物、熱可塑性樹
脂、熱硬化性樹脂などを使用できるが、特に、マットの
常態厚さ(A)への復元を抑えつつ、かつ、マットの性
質を変化させない様なゴム弾性を有するバインダーであ
って、モノリス(1)が600〜1000℃で使用され
ることから、600℃以下で短時間に分解されるものが
好適に使用される。
【0043】上記のゴム類としては、天然ゴム;エチル
アクリレートとクロロエチルビニルエーテルの共重合
体、n−ブチルアクリレートとアクリロニトリルの共重
合体、エチルアクリレートとアクリロニトリルの共重合
体などのアクリルゴム;ブタジエンとアクリロニトリル
の共重合体のニトリルゴム;ブタジエンゴム等が挙げら
れ、水溶性有機高分子化合物としては、カルボキシメチ
ルセルロース、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、アクリル酸、アクリル酸エステ
ル、アクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリル
酸、メタクリル酸エステル等の単独重合体および共重合
体であるアクリル樹脂;アクリロニトリル・スチレン共
重合体;アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重
合体などが挙げられ、また、熱硬化性樹脂としては、ビ
スフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹
脂などが挙げられる。
【0044】上記の有機バインダーを有効成分とした水
溶液、水分散型エマルション、ラテックス、有機溶媒溶
液(これらを総称して「バインダー液」と言う)が市販
されており、これらのバインダー液は、そのまま水など
の溶媒で希釈して使用することが出来るため、比較的安
価に適用し得る。なお、有機バインダーは一種である必
要はなく2種の混合物であってもよい。
【0045】上記の有機バインダーの中では、アクリル
ゴム、ニトリルゴム、カルボキシメチルセルロース、ポ
リビニルアルコール及びアクリルゴム以外のアクリル樹
脂の群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、特に、
アクリルゴム、ニトリルゴム等の合成ゴムのうち柔軟性
のあるゴムが有効である。
【0046】成形体中の有機バインダー含有量は、特に
限定されるものではなく、マットを構成する繊維の種
類、形状、マットの絶対厚さ、成形体の厚さ及び反発力
によって決定される。有機バインダー含有量は、通常、
アルミナ繊維100重量部に対して有機バインダーの有
効成分が3〜30重量部にするのがよい。有機バインダ
ーの含有量が3重量部未満の場合は、マットの反発によ
って成形体の厚さを維持出来ない恐れがあり、30重量
部を超える場合は、コスト高になる他、成形体の柔軟性
が損なわれる恐れが生ずる。斯かる観点から、有機バイ
ンダーの上記割合は5〜20重量部(以下「重量%」と
も言う。)の範囲が好ましい。
【0047】本発明において、上記の保持材(3)は、
後述する様に、マットに有機バインダー液を含浸させる
工程、有機バインダー液を含浸させたマットを厚さ方向
に圧縮する工程、圧縮したままの状態で有機バインダー
液の溶媒分を除去して成形体を得る工程を経て製造され
る。得られた成形体は、保持材(3)として、図2に示
す様に、モノリス(1)の外周に巻回されて金属製ケー
シング(2)に収容される。
【0048】図1に例示する触媒コンバーターおいて
は、ケーシング部材(2a)のフランジ部(21a)と
ケーシング部材(2b)のフランジ部(21b)を接合
面として合わせ溶接する2分割構造の金属製ケーシング
(2)を採用しており、モノリス(1)外周面と金属製
ケーシング(2)内面とで形成されるクリアランス
(D)に対し、保持材(3)が同じ厚さを有する必要は
なく、僅かに厚いものまで装着が可能である。しかしな
がら、厚すぎた場合や金属製ケーシング(2)との滑り
が悪い場合には、フランジ部(21a)、(21b)の
接合面にはみ出し、溶接が不可能となる等の不都合を生
ずることから、その厚さは上記のクリアランス(D)の
1.0〜1.7倍に設定するのが好ましい。
【0049】保持材(3)として使用される成形体の嵩
密度は、モノリス(1)の高温時における「座屈」の防
止と言う観点からは小さい方がよいが、小さすぎると保
持力が低下するため、適度な嵩密度に設定される必要が
ある。具体的には、保持材(成形体)(3)の常態嵩密
度は、モノリス(1)の箔厚さが60〜100μmの場
合、0.45g/cm3以下とされ、箔厚さが20〜5
0μmの場合、0.2g/cm3以下とされるのが好ま
しい。また、斯かる常態嵩密度の下限は、高温熱サイク
ル試験において、モノリス(1)の抜け出しが発生しな
い様に0.06g/cm3以上とするのが好ましい。そ
して、モノリス(1)外周面と金属製ケーシング(2)
内面とのクリアランス(D)に対する保持材(3)の装
着嵩密度、すなわち、装着された状態における初期嵩密
度は0.10〜0.45g/cm3が好ましい。
【0050】本発明の触媒コンバーターは、主に、自動
車の排気ガス管に取り付けられる。本発明の触媒コンバ
ーターにおいては、内燃機関から排出される高温の排気
ガスを通過させた際、モノリス(1)、金属製ケーシン
グ(2)及び保持材(3)が昇温し、保持材(3)は、
マットに含浸された有機バインダーが熱分解によって消
失し、その厚さの復元によってモノリス(1)を固定す
る。すなわち、本発明の触媒コンバーターにおいては、
有機バインダー消失後の保持材(3)の復元面圧によっ
てモノリス(1)が保持される。
【0051】具体的には、保持材(3)の装着時の初期
面圧は、0〜4.5kg/cm2であるのが好ましい。
そして、有機バインダーが熱分解した際、クリアランス
(D)における保持材(3)の復元面圧は、0.1〜4
kg/cm2で且つ装着時の初期面圧の50〜90%で
あるのが特に好ましい。斯かる条件下では、高温でクリ
アランス(D)が狭くなって保持材の面圧が一時的に増
加するが、バインダーが熱分解すると面圧が下がるた
め、座屈を効果的に防ぐことが出来る。有機バインダー
が熱分解した際の保持材(3)の復元面圧は、0.1〜
4kg/cm2で且つ初期面圧の110〜150%であ
ってもよい。
【0052】また、保持材(3)の上記の復元性は、保
持材(3)の厚さ(C)に対するバインダー分解後の両
面開放状態での厚さ、すなわち、両面開放状態での厚さ
復元率で規定することも出来る。保持材(3)の厚さ復
元率は、有機バインダーを熱分解する前後の厚さを各々
0mmおよびdmmとしたとき、下記の(I)式とし
て定義され、斯かる厚さ復元率としては、1.25〜8
倍に設定されいるのが好ましい。
【0053】
【数1】厚さ復元率 =d/d0 ……(I)
【0054】更に、保持材(3)の引張強度は、1〜3
0kg/cm2、引張弾性率は150〜600kg/c
2であるのが好ましい。なお、引張弾性率Eは、試料
片の長さをl0 、試料片の伸びをΔl、引張強度をP
n、試料片の断面積をAとしたとき、次式から求められ
る。
【0055】
【数2】E=(Pn/A)/(Δl/l0 ) 単位引張強度Pa=Pn/A
【0056】特に、排気ガスに直接晒されるモノリス
(1)は、金属製ケーシング(2)に比べて高温とな
り、一層熱膨張する結果、モノリス(1)外周面と金属
製ケーシング(2)内面との間隔が狭くなる。これに対
し、上記の物性を有する保持材(3)は、モノリス
(1)や金属製ケーシング(2)の温度変化に基づくモ
ノリス(1)外周面と金属製ケーシング(2)内面との
クリアランス(D)の変化に追従し、金属製ケーシング
(2)内において弾性的にモノリス(1)を固定するこ
とが出来る。
【0057】すなわち、保持材(3)は、圧縮されたマ
ットに有機バインダーを均一に含浸させて構成され、組
立の際、有機バインダーの結合力によって厚さの復元性
が抑えられるため容易に装着することが出来、また、稼
働させた際、有機バインダーが熱分解によって消失し、
その厚さを復元して弾性力を発揮するため、極めて安定
的にモノリス(1)を固定することが出来る。
【0058】次に、本発明に係る触媒コンバーターの製
造方法を説明する。本発明の製造方法は、筒状に形成さ
れ且つ排気ガス浄化用触媒を担持する金属製のモノリス
(1)と、モノリス(1)を収容し且つその両端が排気
ガス導管に接続される金属製ケーシング(2)と、モノ
リス(1)の外周面と金属製ケーシング(2)の内周面
で形成されるクリアランス(D)に装着される保持材
(3)とから構成され、しかも、モノリス(1)は、フ
ェライト系ステンレス箔から構成され且つハニカム構造
を備え、かつ、保持材(3)によって直接支持される上
述の触媒コンバーターの製造方法であり、特に、保持材
(3)の製造方法にその特徴を有する。
【0059】すなわち、本発明の製造方法において、保
持材(3)は、(I)アルミナ質繊維マットに有機バイ
ンダー液を含浸させる第1工程、(II)有機バインダ
ー液が含浸されたアルミナ質繊維マットを厚さ方向に圧
縮する第2工程、(III)圧縮されたアルミナ質繊維
マットの厚さ(B)を維持したまま有機バインダーの媒
体液を除去する第3工程を経て製造される。そして、保
持材(3)は、モノリス外周面と金属製ケーシング内面
とのクリアランス(D)に相当する厚さの圧縮状態にお
いて、有機バインダーを熱分解した際に0.1〜4.0
kg/cm2の復元面圧を有する。
【0060】保持材(3)の製造において、上記(I)
の第1工程は、アルミナ質繊維マットに有機バインダー
液を含浸させる工程である。基材であるマットとして
は、嵩密度0.05〜0.2g/cm3 、好ましくは
0.05〜0.15g/cm3であって且つ上述の常態
厚さ(A)のマットが使用される。また、有機バインダ
ー液としては、上述した様に、アクリルゴム、ニトリル
ゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコ
ール、アクリル樹脂を有効成分とする水溶液、水分散型
のエマルション、ラテックス、または有機媒体液溶液が
好適に使用される。そして、有機バインダー液中のバイ
ンダー濃度は、基材マットへの含浸方法、含有量等によ
り適宜に決定することが出来るが、通常2〜50重量%
とされる。
【0061】有機バインダー液の含浸方法は、有機バイ
ンダー液にマットを浸漬する方法、または、マットに有
機バインダー液を噴霧する方法を採用することが出来
る。マットの常態厚さ(A)が厚い場合は浸漬法を採用
し、常態厚さ(A)が薄い場合は噴霧法を採用するのが
よく、噴霧法の場合、有機バインダー液は噴霧時に糸引
き現象の少ないエマルションタイプのものが適する。
【0062】また、他の含浸方法としては、バルク状の
アルミナ質繊維を出発原料とし、これを有機バインダー
液の中に分散、懸濁させ、この懸濁液よりアルミナ質繊
維の偏平な集積物を網目状平板または多孔性平板上にろ
過または抄造技術により捕集する方法が挙げられる。こ
の方法では、アルミナ質繊維を分散して懸濁させる際に
繊維の切断が起こり易いので、分散、懸濁操作には注意
が必要であり、有機バインダー液は粘度の低い液を使用
するのが好ましい。
【0063】上記(II)の第2工程は、有機バインダ
ー液が含浸されたマットをその厚さ方向に圧縮する工程
であり、この工程において、目的とする保持材(3)の
厚さ(C)が規定され、有機バインダーの含有量が制御
される。アルミナ質繊維マットは、その厚さ方向に1/
2〜1/15に圧縮される。
【0064】圧縮手段としては、プレス板またはプレス
ローラーを用いて押圧する方法が挙げられる。プレス板
としては、2枚の透液性板状体、典型的にはパンチング
メタル、樹脂ネット、金網(メッシュ)、多孔板または
通気性の良い板状体などが挙げられる。圧縮手段には、
バインダー液の吸引手段を併用するのが好ましく、ま
た、圧縮方法に遠心脱液を併用するのも好ましい。すな
わち、圧縮されたマット表面の脱液を促進することによ
り、圧縮マット表面への有機バインダーの偏在を防止
し、当該有機バインダーに起因する各種の不都合、例え
ば、次の媒体液除去工程における乾燥の際、乾燥器材へ
の固着等を効果的に防止できる。
【0065】上記(III)の第3工程は、未乾燥状態
での一時的な厚さの復元を防止して有機バインダーの偏
在を回避するため、第2工程で得られた圧縮マットの圧
縮厚さ(B)を維持したまま有機バインダー液の媒体液
を除去する工程である。第3工程は、有機バインダーが
変質や分解を引き起こさない温度条件下、高温熱風によ
り迅速に行うのが好ましい。何故ならば、有機バインダ
ー液中の有機バインダーの沈降が防止され、有機バイン
ダーの遍在が一層回避される。その結果、大きな復元面
圧を有する保持材(3)が得られる。
【0066】続いて、上記の様に製造された保持材
(3)は、組立工程において、例えば、上述のクラムシ
ェル方式の金属製ケーシング(2)に収納される。すな
わち、組立工程は、(a)筒状のモノリス(1)の外周
面に保持材(3)を巻き付ける巻付け工程、(b)上半
分のケーシング部材(2a)および下半分のケーシング
部材(2b)から成る2分割構造の金属製ケーシング
(2)に対し、保持材(3)が巻き付けられたモノリス
(1)を収容した後、上半分のケーシング部材(2a)
と下半分のケーシング部材(2b)を合わせてその当接
部の外周を溶接する接合工程から成る。
【0067】上記(a)の巻付け工程においては、筒状
のモノリス(1)の外周面に保持材(3)を巻き付け
る。保持材(3)の巻き付け末端部は、一方が凹状で且
つ他方が凸状に形成され、巻き付け完了時には互いに嵌
合して閉じる様になされている。なお、保持材(3)
は、必ずしもモノリス(1)の全周面に装着する必要は
なく、その復元面圧により、モノリス(1)の長手方向
の中央部に帯状に巻回したり、両端部に帯状に2本巻回
することも出来る。
【0068】上記(b)の接合工程においては、巻付け
の完了した筒状のモノリス(1)を下半分のケーシング
部材(2b)の適所に収納した後、ケーシング部材(2
a)とケーシング部材(2b)を合わせてその当接部の
外周を溶接する。その際、保持材(3)の厚さ(C)が
クリアランス(D)の通常2倍以下、好ましくは1.7
倍以下、更に好ましくは1.6倍以下であると、保持材
(3)の一部がフランジ部(21a)、(21b)へ噛
み込むことがないので好ましい。
【0069】上記の様な製造方法によれば、組立工程に
おいて、保持材(3)が有機バインダーの結合力により
厚さの復元性が抑えられ、薄い厚さに保持されるため、
保持材自体を損傷させることなく容易に装着することが
出来る。なお、先に例示した触媒コンバーターは、その
金属製ケーシング(2)が二分割されているが、筒状の
一体型の金属製ケーシングの場合には、当該金属製ケー
シングの一端から、保持材(3)を巻き付けたモノリス
(1)を押し込むだけでよい。この場合、保持材(3)
の厚さ(C)は、クリアランス(D)に対して1.0〜
1.7倍程度とするのがよい。また、本発明の製造方法
における各要素は、上述した触媒コンバータにおける各
要素をそのまま適用することが出来る。
【0070】上記の説明から理解される様に、本発明は
次の様な優れた効果を備えている。すなわち、本発明の
触媒コンバーター及び本発明の製造方法によって製造さ
れる触媒コンバーターにおいては、保持材(3)が耐久
性の優れたアルミナ質繊維の圧縮体より構成されている
ため、内燃機関から排出される高い流速の高温の排気ガ
スに曝されても侵食や劣化がない。しかも、高温の排気
ガスによって有機バインダーが熱分解して消失し、保持
材(3)がその厚さを復元して弾性を発揮するため、モ
ノリス(1)と金属製ケーシング(2)のクリアランス
(D)が完全に塞がれて排気ガスの漏洩が防止されると
共に、保持材(3)が高い流速の排気ガスによっても逸
散することなく、モノリス(1)が所定の力で安定的に
保持される。
【0071】更に、保持材(3)がモノリス(1)や金
属製ケーシング(2)の温度変化に基づくクリアランス
(D)の経時的変化に追従し、金属製ケーシング(2)
内にて弾性的にモノリス(1)を固定することが出来、
しかも、基材としてのアルミナ質繊維マットの最初の厚
さに復元し得るだけの復元性を内在しているため、モノ
リス(1)が長期間に亘り安定的に保持される。
【0072】また、本発明の触媒コンバーター及びその
製造方法によって製造される触媒コンバーターは、上記
の特徴ある保持材(3)を使用するため、激しい振動や
衝撃を受けても長期間の使用に耐えることが出来、しか
も、保持材(3)の装着が簡単であるため、容易に製造
することが出来、コストダウンを図ることが出来る。
【0073】
【実施例】以下、本発明の実施例を具体的に説明する
が、本発明は、その要旨を超えない限りこれらの実施例
に限定されるものではない。なお、以下の記載において
は、図1〜図3の符号を引用し、実施例および比較例の
数値は表1〜表3に纏めて示す。また、特に記載のない
限り「%」は重量%を意味する。
【0074】[実施例1]基材として、厚さ12mm、
嵩密度0.1g/cm3、平均繊維径4μm、繊維長さ
20〜200mm、アルミナ成分72%、シリカ成分2
8%のマットを使用し、有機バインダー液としてアクリ
ルゴム系ラテックスを前記マットに含浸させ、厚さ方向
に圧縮して乾燥し、厚さ6.0mm、有機バインダー
(固形分)15%を含む、嵩密度0.23g/cm3
保持材(3)としての成形体を得た。
【0075】上記アルミナ繊維は、有機バインダーを添
加しない状態において、4.0mmまで圧縮するに要す
る圧力は2.1kg/cm2であり、有機バインダー含
浸後、得られた成形体も同様に4.0mmまで圧縮する
に要する圧力は2.2kg/cm2であり、有機バイン
ダーがマットの特性を阻害することなく厚さを抑えてい
ることが確認された。従って、以下の例においては、保
持材(3)の復元力の指標としてのマットの圧縮力は、
有機バインダーを含浸した状態で測定した。
【0076】次に、Cr20%、アルミニウム5%を含
有する厚さ60μmのステンレス箔から成る平箔と、波
高さ1.25mm、ピッチ2.5mmにコルゲート加工
した波箔を積層巻回した後、真空炉で拡散接合し、直径
89mm、長さ130mmのモノリス(1)を製作し
た。次いで、斯かるモノリス(1)に20μmの厚さで
アルミナコート層を塗布形成後、触媒成分としてPt、
Phを担持させた。そして、触媒を担持させたモノリス
(1)の外周に上記の保持材(3)を図2に示す要領で
巻回した後、これを図1に示す構造の金属製ケーシング
(2)に収容して触媒コンバーターを構成した。保持材
(3)と金属製ケーシング(2)とのクリアランス
(D)から算出した保持材(3)の厚さ及び装着嵩密度
は、それぞれ、4.0mm及び0.35g/cm3であ
った。
【0077】上記の組立において、保持材(3)の一部
がフランジ部(21a)、(21b)の間にはみ出すこ
となく、適切に装着されたことが確認された。続いて、
この触媒コンバーターをエンジン試験装置に取り付け、
常温から830℃の間で600回の高温熱サイクル試験
を実施した。その結果、モノリス(1)外周面からのシ
ール漏れはなく、また、試験後に分解してみたところ、
モノリス(1)のずれ及びモノリス(1)の座屈がない
ことが確認された。
【0078】[実施例2]基材として、厚さを15mm
とした他は、実施例1と同様の組成のマットを使用し、
実施例1と同様のバインダーを含浸させ、有機バインダ
ー(固形分)20%を含む、厚さ6.8mm、嵩密度
0.26g/cm3の保持材(3)としての成形体を得
た。得られた保持材(3)を4.0mmまで圧縮するに
要する圧力は4.0kg/cm2であった。次いで、実
施例1と同様の条件にて、触媒を担持したモノリス
(1)を製作し、金属製ケーシング(2)に収容して触
媒コンバーターを構成した。金属製ケーシング(2)内
における保持材(3)の厚さは4.0mm、装着嵩密度
は0.45g/cm3であった。
【0079】そして、実施例1と同様に高温熱サイクル
試験を実施したところ、モノリス(1)のずれ及びモノ
リス(1)外周面からのシール漏れはなかった。ただ
し、ごく僅かにモノリス(1)の変形が確認されたこと
から、保持材(3)の装着嵩密度は上記の値が上限と推
定された。
【0080】[実施例3]基材として、厚さを8mm、
嵩密度0.05g/cm3とした他は、実施例1と同様
の組成のマットを使用し、実施例1と同様のバインダー
を含浸させ、有機バインダー(固形分)5%を含む、厚
さ6.0mm、嵩密度0.07g/cm3の保持材
(3)としての成形体を得た。得られた保持材(3)を
4.0mmまで圧縮するに要する圧力は0.1kg/c
2であった。次いで、実施例1と同様の条件にて、触
媒を担持したモノリス(1)を製作し、金属製ケーシン
グ(2)に収容して触媒コンバーターを構成した。金属
製ケーシング(2)内における保持材(3)の厚さは
4.0mm、装着嵩密度は0.105g/cm3であっ
た。
【0081】そして、実施例1と同様に高温熱サイクル
試験を実施したところ、モノリス(1)の座屈およびモ
ノリス(1)外周面からのシール漏れはなかったが、僅
かにモノリス(1)のずれが確認されたため、保持材
(3)の装着嵩密度は上記の値が下限と推定された。
【0082】[実施例4]基材として、厚さを6mmと
した他は、実施例1と同様の組成のマットを使用し、実
施例1と同様のバインダーを含浸させ、有機バインダー
(固形分)20%を含む、厚さ5.5mm、嵩密度0.
13g/cm3の保持材(3)としての成形体を得た。
得られた保持材(3)を4.0mmまで圧縮するに要す
る圧力は0.6kg/cm2であった。
【0083】次に、Cr13%、ケイ素2%を含有する
厚さ40μmのステンレス箔から成る平箔と、波高さ
1.25mm、ピッチ2.5mmにコルゲート加工した
波箔を積層巻回した後、真空炉で拡散接合し、直径89
mm、長さ130mmのモノリス(1)を製作した。次
いで、実施例1と同様の条件で触媒を担持させた。そし
て、触媒を担持させたモノリス(1)の外周に上記保持
材(3)を図2に示す要領で巻回した後、これを97m
mの内径の金属製ケーシング(2)に収容して触媒コン
バーターを構成した。保持材(3)の厚さは4.0m
m、装着嵩密度は0.18g/cm3であった。
【0084】そして、実施例1と同様に高温熱サイクル
試験を実施したところ、モノリス(1)のずれ及びモノ
リス(1)外周面からのシール漏れはなく、また、モノ
リス(1)の座屈も確認されなかった。
【0085】[比較例1]厚さが5.5mm、嵩密度が
0.61g/cm3の市販の熱膨張性マットを基材とし
て使用した他は、実施例1と同様の条件で触媒コンバー
ターを製作し、同様の高温熱サイクル試験を実施したと
ころ、50サイクルでモノリス(1)がずれて抜け出し
た。また、抜け出したモノリス(1)は、外周全面が座
屈しており、装着時に89mmであった直径が86mm
に減少していた。
【0086】
【表1】 ─────────────────────────────────── 基材マット 圧縮厚さ バインダー 保持材 厚さ 嵩密度 B(mm) 量(重量部) 厚さ 嵩密度 A(mm) (g/cm3) C(mm) (g/cm3) ─────────────────────────────────── 実施例1 12 0.1 5.5 15 6.0 0.23 実施例2 15 0.1 5.5 20 6.8 0.26 実施例3 8 0.05 5.5 5 6.0 0.07 実施例4 6 0.1 5.5 20 5.5 0.13 比較例1 5.5 0.61 5.5 15 6.0 − ───────────────────────────────────
【0087】
【表2】 ─────────────────────────────────── クリアランス 装着時の 装着時の 燃焼後の 燃焼後の D(mm) 初期面圧 嵩密度 復元面圧 嵩密度 (kg/cm2) (g/cm3) (kg/cm2) (g/cm3) ─────────────────────────────────── 実施例1 4.0 2.2 0.35 2.1 0.30 実施例2 4.0 4.0 0.45 3.8 0.38 実施例3 4.0 0.1 0.11 0.1 0.10 実施例4 4.0 0.6 0.18 0.6 0.15 比較例1 4.0 (モノリスの脱落、座屈あり) ───────────────────────────────────
【0088】
【表3】 ─────────────────────────────────── 保持材の厚さ比率 単位引張強度 引張弾性率 厚さ C/B A/C C/D (kg/cm2) (kg/cm2) 復元率 ─────────────────────────────────── 実施例1 1.1 2.0 1.5 28 540 2.0 実施例2 1.2 2.2 1.7 23 370 2.2 実施例3 1.1 2.3 1.5 3 170 1.3 実施例4 1.0 1.1 1.4 19 360 1.1 比較例1 − − − − − − ───────────────────────────────────
【0089】
【発明の効果】本発明の触媒コンバーターにおいては、
保持材が耐久性の優れたアルミナ質繊維の圧縮体より構
成されているため、内燃機関から排出される高い流速の
高温の排気ガスに曝されても保持材の侵食や劣化がな
い。しかも、高温の排気ガスによって有機バインダーが
消失し、保持材がその厚さを復元して弾性を発揮するた
め、モノリスと金属製ケーシングのクリアランスが完全
に塞がれて排気ガスの漏洩が防止されると共に、モノリ
スが所定の力で安定的に保持される。
【0090】更に、保持材がモノリスや金属製ケーシン
グの温度変化に基づくクリアランスの経時的変化に追従
し、金属製ケーシング内にて弾性的にモノリスを固定す
ることが出来、しかも、基材としてのアルミナ質繊維マ
ットの最初の厚さに復元し得るだけの復元性を内在して
いるため、モノリスが長期間に亘り安定的に保持され
る。
【0091】また、本発明の製造方法によれば、組立工
程において、保持材が有機バインダーの結合力により厚
さの復元性が抑えられ、薄い厚さに保持されるため、保
持材自体を損傷させることなく容易に装着することが出
来る。従って、上記の触媒コンバーターを容易に製造す
ることが出来、コストダウンを図ることが出来る。
【0092】すなわち、本発明によれば、バインダーの
熱分解により厚さ方向に復元する特定のモノリス保持材
を使用することにより、排気ガス浄化効率の高い金属製
モノリスを簡易に且つ安定的に固定することが出来る触
媒コンバーターを実用化でき、産業上、大きな効用を発
揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての触媒コンバーター
の組立斜視図である。
【図2】金属製モノリスに対するモノリス保持材の巻回
要領を示す説明図である。
【図3】モノリス保持材に至るまでのアルミナ質繊維マ
ットの厚さの変化を示す模式的な説明図である。
【符号の説明】
1 :金属製モノリス 2 :金属製ケーシング 2a :ケーシング部材(金属製ケーシングの上半分) 2b :ケーシング部材(金属製ケーシングの下半分) 21a:フランジ部 21b:フランジ部 3 :モノリス保持材 4 :接続口(入口) 5 :接続口(出口) A :アルミナ質繊維マットの厚さ(常態厚さ) B :圧縮されたアルミナ質繊維マットの厚さ(圧縮厚
さ) C :モノリス保持材の厚さ(モノリス保持材の常態厚
さ) D :クリアランス(間隙)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 糟谷 雅幸 愛知県東海市高横須賀町宮ノ脇18番地9 −404 (56)参考文献 特開 平7−197812(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 53/86 B01D 53/94 B01J 21/00 - 38/74 F01N 3/28

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状に形成され且つ排気ガス浄化用触媒
    を担持する金属製のモノリス(1)と、モノリス(1)
    を収容し且つその両端が排気ガス導管に接続される金属
    製ケーシング(2)と、モノリス(1)外周面と金属製
    ケーシング(2)内面とのクリアランス(D)に介装さ
    れるモノリス保持材(3)とから構成された触媒コンバ
    ーターにおいて、モノリス(1)は、フェライト系ステ
    ンレス箔から構成され且つハニカム構造を備え、しか
    も、モノリス保持材(3)によって直接支持され、モノ
    リス保持材(3)は、厚さ方向に圧縮されたアルミナ質
    繊維マットと当該アルミナ質繊維マットに均一に含浸さ
    れ且つ熱分解によって消失する有機バインダーとから成
    り、有機バインダーがゴム弾性を有するバインダーであ
    り、モノリス保持材(3)の常態厚さ(C)がモノリス
    (1)外周面と金属製ケーシング(2)内面とのクリア
    ランス(D)に対して1.0〜1.7倍の範囲であり、
    そして、モノリス保持材(3)は、モノリス(1)外周
    面と金属製ケーシング(2)内面とのクリアランス
    (D)に相当する厚さの圧縮状態において、有機バイン
    ダーを熱分解した際、0.1〜4.0kg/cm2 の復
    元面圧を有していることを特徴とする触媒コンバータ
    ー。
  2. 【請求項2】 有機バインダーがアクリルゴム、ニトリ
    ルゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアル
    コール及びアクリルゴム以外のアクリル樹脂の群から選
    ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の触媒コン
    バーター。
  3. 【請求項3】 モノリス保持材(3)の有機バインダー
    含有率が3〜30重量%である請求項1又は2に記載の
    触媒コンバーター。
  4. 【請求項4】 モノリス保持材(3)の常態嵩密度が
    0.06〜0.45g/cm3 である請求項1〜3の何
    れかに記載の触媒コンバーター。
  5. 【請求項5】 モノリス(1)外周面と金属製ケーシン
    グ(2)内面とのクリアランス(D)に対するモノリス
    保持材(3)の装着嵩密度が0.10〜0.45g/c
    3 である請求項1〜4の何れかに記載の触媒コンバー
    ター。
  6. 【請求項6】 モノリス(1)が20〜100μmの厚
    さの平板とコルゲート加工した波板との積層体から成る
    請求項1〜5の何れかに記載の触媒コンバーター。
  7. 【請求項7】 モノリス(1)が平板と波板との積層体
    を巻回して構成される請求項6に記載の触媒コンバータ
    ー。
  8. 【請求項8】 装着された状態におけるモノリス保持材
    (3)の初期面圧が0〜4.5kg/cm2 である請求
    項1〜7の何れかに記載の触媒コンバーター。
  9. 【請求項9】 有機バインダー消失後のモノリス保持材
    (3)の復元面圧によってモノリス(1)が保持されて
    いる請求項1〜8の何れかに記載の触媒コンバーター。
  10. 【請求項10】 有機バインダーが熱分解した際、クリ
    アランス(D)に相当する厚さの圧縮状態におけるモノ
    リス保持材(3)の復元面圧が0.1〜4kg/cm2
    で且つ初期面圧の50〜90%である請求項1〜9の何
    れかに記載の触媒コンバーター。
  11. 【請求項11】 有機バインダーが熱分解した際、クリ
    アランス(D)に相当する厚さの圧縮状態におけるモノ
    リス保持材(3)の復元面圧が0.1〜4kg/cm2
    で且つ初期面圧の110〜150%である請求項1〜9
    の何れかに記載の触媒コンバーター。
  12. 【請求項12】 筒状に形成され且つ排気ガス浄化用触
    媒を担持する金属製のモノリス(1)と、モノリス
    (1)を収容し且つその両端が排気ガス導管に接続され
    る金属製ケーシング(2)と、モノリス(1)の外周面
    と金属製ケーシング(2)の内周面で形成されるクリア
    ランス(D)に装着されるモノリス保持材(3)とから
    構成され、しかも、モノリス(1)は、フェライト系ス
    テンレス箔から構成され且つハニカム構造を備え、か
    つ、モノリス保持材(3)によって直接支持される触媒
    コンバーターの製造方法であって、モノリス保持材
    (3)は、(I)アルミナ質繊維マットに有機バインダ
    ー液を含浸させる第1工程、(II)有機バインダー液
    が含浸されたアルミナ質繊維マットを厚さ方向に圧縮す
    る第2工程、(III)圧縮されたアルミナ質繊維マッ
    トの厚さを維持したまま有機バインダーの媒体液を除去
    する第3工程を経て製造され、かつ、有機バインダーが
    ゴム弾性を有するバインダーであり、モノリス保持材
    (3)の常態厚さ(C)がモノリス(1)外周面と金属
    製ケーシング(2)内面とのクリアランス(D) に対し
    て1.0〜1.7倍の範囲であり、そして、モノリス保
    持材(3)は、モノリス外周面と金属製ケーシング内面
    とのクリアランス(D)に相当する厚さの圧縮状態にお
    いて、有機バインダーを熱分解した際、0.1〜4.0
    kg/cm2 の復元面圧を有していることを特徴とする
    触媒コンバーターの製造方法。
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