JP3072281B2 - 触媒コンバーター - Google Patents

触媒コンバーター

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JP3072281B2
JP3072281B2 JP10114230A JP11423098A JP3072281B2 JP 3072281 B2 JP3072281 B2 JP 3072281B2 JP 10114230 A JP10114230 A JP 10114230A JP 11423098 A JP11423098 A JP 11423098A JP 3072281 B2 JP3072281 B2 JP 3072281B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、触媒コンバーター
に関するものであり、詳しくは、主に自動車に使用され
る触媒コンバーターであって、特定のモノリス保持材に
よってモノリスを安定的に固定し且つモノリス外周から
の排気ガスの漏洩を確実に防止した触媒コンバーターに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】触媒コンバーターは、周知の通り、内燃
機関の排気ガス中に含まれる一酸化炭素、炭化水素、窒
素酸化物などの有害成分を貴金属触媒によって除去する
装置である。特開平9−946号公報には、多数の排気
ガス通路が設けられた円筒状モノリス担体(以下、「モ
ノリス」と言う。)に触媒金属を担持させて成るいわゆ
る一体型触媒を使用し、耐久性の向上および小型化を企
図した図3〜図5に示す様な触媒コンバーターの技術が
開示されている。
【0003】図3は、触媒コンバーターの一般的な構造
を示す組立斜視図であり、図中のモノリスは一例として
の金属製モノリスを示している。図4は、モノリスに対
するモノリス保持材の一般的な巻回要領を示す斜視図で
ある。図5は、従来の触媒コンバーターにおけるモノリ
ス保持材の巻回状態を示す正面図であり、図中のモノリ
スは一例としてのセラミックス製モノリスを示してい
る。
【0004】上記の公報に記載の触媒コンバーターは、
筒状に形成され且つ排気ガス浄化用触媒を担持するモノ
リス(1)と、モノリス(1)を収容し且つその両端が
排気ガス導管に接続される金属製のケーシング(2)
と、モノリス(1)に巻回されて当該モノリスとケーシ
ング(2)との間隙に介装されるモノリス保持材(3)
とから構成される。
【0005】モノリス(1)は、排気ガス通過時の抵抗
を低減し且つ触媒効率を高めるため、通常、排気ガス流
路において一層大きな表面積を確保し得るハニカム構造
になされている。そして、モノリス保持材(3)は、有
機バインダーが含有されたアルミナ質繊維マットで構成
され、熱分解によってケーシング(2)内で復元するこ
とにより、適度な力でモノリス(1)を保持する機能を
備えている。
【0006】モノリス(1)とケーシング(2)との間
隙に上記の様なモノリス保持材(3)を介在させる第1
の理由は、ハニカムの熱が金属製のケーシング(2)に
直接伝わるのを防止し、アイドリング時のモノリス
(1)の温度低下を防止するためである。そして、第2
の理由は、モノリス(1)を適切に固定することによ
り、モノリス(1)の脱離やずれを防止するためであ
る。従って、モノリス保持材(3)は、常温から稼働時
の高温に亘り所定の保持力を持続する必要がある。すな
わち、排気ガスの通過によるモノリス(1)やケーシン
グ(2)の熱膨張に起因した間隙の変化に追随する必要
がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、特開平9−
946号公報に記載の触媒コンバーターにおいては、図
5に示す様に、円筒状のモノリス(1)にモノリス保持
材(3)を巻回した場合、モノリス保持材(3)の厚さ
に応じて内周側にシワ(3d)が生じ、モノリス(1)
とモノリス保持材(3)の間に微小な隙間が形成される
ため、排気条件によっては、僅かながら排気ガスが漏洩
する虞がある。また、不均一なシワ(3d)の形成によ
り、保持材が不均一に充填される虞がある。
【0008】本発明は、上記の実情に鑑みなされたもの
であり、その目的は、特定のモノリス保持材によってモ
ノリスを安定的に固定し且つモノリス外周からの排気ガ
スの漏洩を一層確実に防止し得る様に改良された触媒コ
ンバーターを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の触媒コンバーターは、筒状に形成され且つ
排気ガス浄化用触媒を担持するモノリスと、当該モノリ
スを収容し且つ排気ガス導管に接続される金属製のケー
シングと、前記モノリスに巻回されて当該モノリスと前
記ケーシングとの間隙に介装されるモノリス保持材とか
ら構成された触媒コンバーターにおいて、前記モノリス
保持材は、厚さ方向に圧縮された結晶質アルミナ繊維マ
ットと当該アルミナ繊維マットに均一に含浸され且つ熱
分解によって消失する有機バインダーとから構成され、
しかも、前記モノリスに接触する側の前記モノリス保持
材の表面には、当該モノリス保持材の巻回方向に直交
且つ巻回状態で閉塞する溝が多数設けられていることを
特徴とする。
【0010】上記の触媒コンバーターにおいて、モノリ
ス保持材は、これに含有された有機バインダーが熱分解
によって消失した後において、モノリスやケーシングの
温度変化に基づくモノリス外周面とケーシング内面との
間隙の変化に追従し且つその復元弾性力によりモノリス
を支持する。また、特定の溝が設けられたモノリス保持
材は、モノリスに巻回された状態においてシワの発生が
なく、モノリス外周面に対して高い密着性を発揮する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を図面に基づい
て説明する。図1は、本発明の触媒コンバーターに使用
されるモノリス保持材を示す斜視図である。図2は、本
発明の触媒コンバーターにおけるモノリス保持材の巻回
状態を示す正面図であり、図中のモノリスは一例として
のセラミックス製モノリスを示している。なお、実施形
態の説明においては上記の図3及び図4を併用する。
【0012】本発明の触媒コンバーターは、図3に示す
様に、概略、筒状に形成され且つ排気ガス浄化用触媒を
担持するモノリス(1)と、モノリス(1)を収容し且
つ排気ガス導管に接続される金属製のケーシング(2)
と、モノリス(1)に巻回されて当該モノリスとケーシ
ング(2)との間隙に介装されるモノリス保持材(3)
とから構成される。
【0013】モノリス(1)としては、コーディエライ
ト等を主成分とするセラミックスによって構成されたモ
ノリスの他、金属箔素材によって構成されたモノリスを
使用することも出来る。特に、Fe、Cr、Al又はS
iを基本成分とするフェライト系ステンレス箔は、触媒
を担持させる際のコート材および触媒との馴染みが良
く、しかも、触媒担持後の熱的変化が比較的少ないた
め、金属製モノリスを構成するのに好適な素材である。
モノリス(1)には、通常、Pt、Ph等の貴金属層を
担持させることにより、触媒としての機能を付与され
る。
【0014】ケーシング(2)は、当該ケーシングの上
半分を構成するケーシング部材(2a)及び下半分を構
成するケーシング部材(2b)の2つ部材を合わせて一
体化する2分割のクラムシェル構造を備えている。ケー
シング部材(2a)及び(2b)は、各々、フランジ部
(21a)、(21b)を有し、フランジ部(21
a)、(21b)は、ケーシング部材(2a)及び(2
b)を溶接する際の接合面として機能する。また、一方
のケーシング部材(2b)の両端部には、排気ガス導管
へ接続するための接続口(4)、(5)が設けられる。
図3中、符号(22a)及び(22b)は、自動車の車
体などに固定するためのボルト穴を示す。なお、金属製
のケーシングとしては、予め筒状に形成されてモノリス
が装入されるスタッフィング構造のケーシングを採用す
ることも出来る。
【0015】本発明の一つの特徴は、特定のモノリス保
持材(3)を採用した点にある。すなわち、モノリス保
持材(3)は、厚さ方向に圧縮された非膨張性の結晶質
アルミナ繊維マット(以下、「マット」と略記する。)
と当該マットに均一に含浸され且つ熱分解によって消失
する有機バインダーとから構成される。上記マットは、
モノリス(1)外周面とケーシング(2)内面との間隙
に相当する厚さに圧縮した際に特定の復元力を示し、モ
ノリス(1)を破壊することなく且つ当該モノリスに対
する支持効果を十分に発揮する。
【0016】具体的には、上記マットは、モノリス
(1)外周面とケーシング(2)内面との間隙に相当す
る厚さの圧縮状態において、好ましくは0.1〜10.
0kgf/cm2 、更に好ましくは0.1〜8.0kg
f/cm2 の復元力を有している。斯かるの復元力は、
モノリス(1)がセラミックス製の場合で0.5〜1
0.0kgf/cm2 程度、好ましくは0.5〜8.0
kgf/cm2 程度とされ、モノリス(1)が金属製の
場合で0.1〜4.0kgf/cm2 程度とされる。
【0017】上記の復元力は、マットに均一に含浸され
た有機バインダーが熱分解によって消失した後に発現す
る。マットの復元力は、モノリス(1)外周面とケーシ
ング(2)内面との間隙に相当する厚さにマットを圧縮
するのに要する力(圧縮力)に相当する。従って、本発
明においては、マット形成時の圧縮力によって上記の復
元力の指標としている。
【0018】すなわち、マットの厚さは、弾力性、モノ
リス(1)外周面とケーシング(2)内面との間隙、そ
の熱変化量、ガスシール性およびモノリス(1)の破壊
強度によって決定されるが、モノリス(1)外周面とケ
ーシング(2)内面との間隙に相当する厚さに圧縮する
際に上記の復元力に相当する圧縮力となる様に設定され
る。
【0019】モノリス保持材(3)の基材としてのマッ
トとは、厚さ方向にほぼ均一に積層したアルミナ繊維の
集合体を言い、所謂ブランケット又はブロックと呼ばれ
るものを包含する。アルミナ繊維としては、通常、繊維
径が1〜50μm、繊維長が0.5〜500mmのもの
が使用されるが、復元力および形状保持性の観点から
は、繊維径が3〜8μm、繊維長が0.5〜300mm
の繊維が特に好ましい。
【0020】上記アルミナ繊維の組成としては、アルミ
ナ−シリカ系結晶質短繊維であって、シリカ含有率が5
重量%以下のアルミナ、すなわち、アルミナが95重量
%以上の高アルミナの他、アルミナが70〜95重量%
で且つ残余がシリカで構成される一般的なものが挙げら
れる。特に、アルミナ72〜85重量%のムライト組成
の繊維は、高温安定性および弾力性に優れており、好ま
しいアルミナ繊維である。
【0021】結晶質アルミナ繊維は、同じアルミナ−シ
リカ系の非結晶質セラミック繊維と比較して耐熱性に優
れ、セラミック繊維の様に軟化収縮などの熱劣化が極め
て少ないため、圧縮マットとした場合に弾力性に富んで
いる。すなわち、マットは、低い嵩密度で高い保持力を
発生し且つその温度変化が少ないと言う性質を持つ。従
って、モノリス(1)と金属製のケーシング(2)との
熱膨張の差によってモノリス(1)とケーシング(2)
との間隙が変化し、その嵩密度が上昇した場合にも、モ
ノリス(1)に対する保持圧が急激に変化することがな
い。
【0022】有機バインダーは、圧縮されたマットの厚
さを常温下において維持でき、熱分解による消失後に上
記マットの厚さを復元し得るものであれば特に制限なく
使用できるが、モノリス(1)の使用温度以上でも分解
しない様なもの、更には、有機バインダーを含浸させる
ことによってマットの柔軟性および復元面圧特性を阻害
し、モノリス(1)の破壊を助長する様な性質を持つ有
機バインダーの使用は、避ける必要がある。有機バイン
ダーとしては、各種のゴム、水溶性有機高分子化合物、
熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などを使用できる。
【0023】上記ゴム類としては、天然ゴム;エチルア
クリレートとクロロエチルビニルエーテルの共重合体、
n−ブチルアクリレートとアクリロニトリルの共重合
体、エチルアクリレートとアクリロニトリルの共重合体
などのアクリルゴム;ブタジエンとアクリロニトリルの
共重合体のニトリルゴム;ブタジエンゴム等が挙げら
れ、水溶性有機高分子化合物としては、カルボキシメチ
ルセルロース、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、アクリル酸、アクリル酸エステ
ル、アクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリル
酸、メタクリル酸エステル等の単独重合体および共重合
体であるアクリル樹脂;アクリロニトリル・スチレン共
重合体;アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重
合体などが挙げられる。また、熱硬化性樹脂としては、
ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ
樹脂などが挙げられる。
【0024】上記の有機バインダーを有効成分とした水
溶液、水分散型エマルション、ラテックス、有機溶媒溶
液(これらを総称して「バインダー液」と言う)が市販
されており、これらのバインダー液は、そのまま水など
の溶媒で希釈して使用できるため、比較的安価に適用し
得る。なお、有機バインダーは一種である必要はなく2
種の混合物であってもよい。
【0025】上記の有機バインダーの中では、アクリル
ゴム、ニトリルゴム、カルボキシメチルセルロース、ポ
リビニルアルコール及びアクリルゴム以外のアクリル樹
脂の群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、特に、
アクリルゴム、ニトリルゴム等の合成ゴムのうち柔軟性
のあるゴムが有効である。
【0026】有機バインダー含有量は、特に限定される
ものではなく、マットを構成する繊維の種類、形状、マ
ットの絶対厚さ、ケーシング(2)に組み込む前の有機
バインダーを含む成形体としての厚さ及び反発力によっ
て決定される。有機バインダー含有量は、通常、アルミ
ナ繊維100重量部に対して有機バインダーの有効成分
が3〜30重量部にするのがよい。有機バインダーの含
有量が3重量部未満の場合は、マットの反発によって成
形体としての厚さを維持できない虞があり、30重量部
を超える場合は、コスト高になる他、成形体の柔軟性が
損なわれる虞が生ずる。斯かる観点から、有機バインダ
ーの上記割合は5〜20重量部の範囲が好ましい。
【0027】本発明の最大の特徴は、モノリス保持材
(3)を特定の形状に形成した点にある。すなわち、モ
ノリス(1)に接触する側のモノリス保持材(3)の表
面には、当該モノリス保持材の巻回方向に直交する溝
(3c)が多数設けられる。溝(3c)の断面は、通
常、略V字状または略U字状に形成される。斯かる構成
により、モノリス(1)にモノリス保持材(3)を巻回
した際、モノリス保持材(3)の内周面におけるシワの
発生を防止でき、排気ガスの漏洩を一層確実に防止し得
る。
【0028】また、モノリス保持材(3)においては、
モノリス(1)に対する密着性を一層高めるため、溝
(3c)の深さがモノリス保持材(3)の厚さの1/3
0〜1/2であり、かつ、溝(3c)の幅(溝の開口最
大幅)がモノリス保持材(3)の厚さの1/30〜1/
2であるのが好ましい。更に、モノリス保持材(3)に
おいては、溝(3c)の配列ピッチがモノリス(1)の
曲率半径の1/20〜2であるのが好ましい。なお、モ
ノリス(1)の曲率半径は、通常、10〜80mmであ
る。
【0029】上記モノリス保持材(3)は、(a)マッ
トに有機バインダー液を含浸させる工程、(b)有機バ
インダー液を含浸させたマットを厚さ方向に圧縮する工
程、(c)圧縮したままの状態で有機バインダー液の溶
媒分を除去する工程を経て製造される。そして、モノリ
ス保持材(3)表面の溝(3c)は、上記(b)工程に
おいて、平滑な成形板をマットの一面にあてがい且つ溝
(3c)に相当する凸条を備えた成形板をマットの他の
面にあてがって圧縮することにより形成されるか、また
は、上記(c)工程を経た後、得られた成形体に溝切り
加工を施すことにより形成される。また、得られたモノ
リス保持材(3)には、図1に示す様に、組立時の捩れ
やずれを防止するため、モノリス(1)に巻回した際に
互いに噛合わせ可能な接続部が巻回方向の両端部に裁断
加工などによって設けられる。
【0030】上記の工程によって得られたモノリス保持
材(3)は、図4に示す様に、モノリス(1)の外周に
巻回される。その場合、モノリス保持材(3)の内周側
に相当する一面に多数の溝(3c)が設けられているた
め、極めて簡単に且つ正確にモノリス保持材(3)を巻
回できる。また、モノリス保持材(3)を巻回した場
合、図2に示す様に、モノリス保持材(3)の厚さによ
って生じる外周と内周の長さの差異が多数の溝(3c)
によって補完されるため、モノリス(3)に対してシワ
のない密着した状態に巻回できる。そして、モノリス保
持材(3)が巻回されたモノリス(1)は、図3に示す
ケーシング(2)に収容される。
【0031】図3に例示する触媒コンバーターおいて
は、ケーシング部材(2a)のフランジ部(21a)と
ケーシング部材(2b)のフランジ部(21b)を接合
面として溶接する2分割構造のケーシング(2)が採用
されている。ケーシング(2)にモノリス(1)を収容
する場合、モノリス(1)外周面とケーシング(2)内
面とで形成される間隙に対し、モノリス保持材(3)が
同じ厚さを有する必要はなく、僅かに厚いものまで装着
が可能である。しかしながら、厚すぎた場合やケーシン
グ(2)との滑りが悪い場合には、モノリス保持材
(3)の繊維の一部がフランジ部(21a)、(21
b)の接合面にはみ出し、溶接が不可能となる等の不都
合を生ずるため、その厚さは上記の間隙の1.0〜2.
0倍に設定される。斯かる設定値の上限は、好ましくは
1.7倍、更に好ましくは1.6倍とされる。
【0032】図示する様に、本発明の触媒コンバーター
においては、結晶質アルミナ繊維マットから成るモノリ
ス保持材(3)によってモノリス(1)が直接支持され
るのが好ましい。すなわち、上記の様な特定のモノリス
保持材(3)によってモノリス(1)を直接支持した構
造においては、モノリス(1)に対して適切な締め付け
力を発揮でき且つモノリス(1)を破壊する虞もない。
【0033】本発明の触媒コンバーターは、主に、自動
車の排気ガス管に取り付けられる。本発明の触媒コンバ
ーターにおいては、内燃機関から排出される高温の排気
ガスを通過させた際、モノリス(1)、ケーシング
(2)及びモノリス保持材(3)が昇温し、モノリス保
持材(3)は、マットに含浸された有機バインダーが熱
分解によって消失し、その厚さの復元によってモノリス
(1)を固定する。
【0034】すなわち、排気ガスの通過により、モノリ
ス(1)がセラミックス製の場合には、モノリス(1)
に比べて金属製のケーシング(2)の熱膨張が大きいた
め、モノリス(1)外周面とケーシング(2)内面との
間隔が大きくなる。他方、モノリス(1)が上記の様な
金属製の場合には、金属製のケーシング(2)に比べて
モノリス(1)の熱膨張が大きいため、モノリス(1)
外周面とケーシング(2)内面との間隔が狭くなる。こ
れに対し、上記の特定のモノリス保持材(3)は、モノ
リス(1)やケーシング(2)の温度変化に基づくモノ
リス(1)外周面とケーシング(2)内面との間隙の変
化に追従し、ケーシング(2)内にて弾性的にモノリス
(1)を直接固定する。
【0035】換言すれば、モノリス保持材(3)は、圧
縮されたマットに有機バインダーを均一に含浸させて構
成され、組立の際、有機バインダーの結合力によって厚
さの復元性が抑えられるため容易に装着でき、また、稼
働させた際、有機バインダーが熱分解によって消失し、
その厚さの復元弾性力を発揮するため、極めて安定的に
モノリス(1)を固定できる。
【0036】しかも、モノリス保持材(3)は、モノリ
ス(1)側の表面に多数の溝(3c)が設けられている
ため、モノリス(1)に巻回された状態においてシワの
発生がなく、モノリス(1)の外周面に対して高い密着
性を発揮する。その結果、モノリス(1)とケーシング
(2)との間隙を完全に封止でき、モノリス(1)外周
からの排気ガスの漏洩を一層確実に防止できる。
【0037】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の触媒コンバ
ーターによれば、バインダーの熱分解により厚さ方向に
復元する特定のモノリス保持材を使用しているため、モ
ノリスを簡易に且つ安定的に固定できる。しかも、モノ
リスに接触する側のモノリス保持材の表面に多数の溝が
設けられているため、組立の際にモノリスに対してモノ
リス保持材を容易に巻回でき、そして、モノリスに対す
るモノリス保持材の密着性を一層高めることが出来るた
め、モノリス外周面とケーシング内面との間隙からの排
気ガスの漏洩を一層確実に防止し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の触媒コンバーターに使用されるモノリ
ス保持材を示す斜視図
【図2】本発明の触媒コンバーターにおけるモノリス保
持材の巻回状態を示す正面図
【図3】触媒コンバーターの一般的な構造を示す組立斜
視図
【図4】モノリスに対するモノリス保持材の一般的な巻
回要領を示す斜視図
【図5】従来の触媒コンバーターにおけるモノリス保持
材の巻回状態を示す正面図
【符号の説明】
1 :モノリス 2 :ケーシング 2a :ケーシング部材(ケーシングの上半分) 2b :ケーシング部材(ケーシングの下半分) 21a:フランジ部 21b:フランジ部 3 :モノリス保持材 3c :溝 4 :接続口(入口) 5 :接続口(出口)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 21/00 - 38/74 B01D 53/86 B01D 53/94 F01N 3/28

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状に形成され且つ排気ガス浄化用触媒
    を担持するモノリス(1)と、モノリス(1)を収容し
    且つ排気ガス導管に接続される金属製のケーシング
    (2)と、モノリス(1)に巻回されて当該モノリスと
    ケーシング(2)との間隙に介装されるモノリス保持材
    (3)とから構成された触媒コンバーターにおいて、モ
    ノリス保持材(3)は、厚さ方向に圧縮された結晶質ア
    ルミナ繊維マットと当該アルミナ繊維マットに均一に含
    浸され且つ熱分解によって消失する有機バインダーとか
    ら構成され、しかも、モノリス(1)に接触する側のモ
    ノリス保持材(3)の表面には、当該モノリス保持材の
    巻回方向に直交し且つ巻回状態で閉塞する溝(3c)が
    多数設けられていることを特徴とする触媒コンバータ
    ー。
  2. 【請求項2】 溝(3c)の深さがモノリス保持材
    (3)の厚さの1/30〜1/2であり、溝(3c)の
    幅がモノリス保持材(3)の厚さの1/30〜1/2で
    ある請求項1に記載の触媒コンバーター。
  3. 【請求項3】 溝(3c)の配列ピッチがモノリス
    (1)の曲率半径の1/20〜2である請求項1又は2
    に記載の触媒コンバーター。
  4. 【請求項4】 モノリス保持材(3)を構成するアルミ
    ナ繊維マットは、モノリス(1)外周面とケーシング
    (2)内面との間隙に相当する厚さの圧縮状態におい
    て、0.1〜10.0kgf/cm2 の復元力を有して
    いる請求項1〜3の何れかに記載の触媒コンバーター。
JP10114230A 1997-04-10 1998-04-09 触媒コンバーター Expired - Lifetime JP3072281B2 (ja)

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