JP3024791U - 完全燃焼式焼却炉 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】耐火材料の被覆によって耐火性能を持たせにく
い投入口扉への燃焼熱影響を制限しつつ完全燃焼を行わ
せることができる耐久性に優れた焼却炉を提供するこ
と。 【構成】本考案は投入口扉に通気穴を設けるとともに、
熱遮断板を併設して二重構造となし、通気穴からの炉内
に二次空気を流入させることにより扉への熱伝達を遮断
するとともに二次空気で不完全燃焼物を完全燃焼させ
る。したがって、投入口３に下部が上部より大きく外方
に突き出した口枠３０を介して一対の開き扉５、５が設
けられ、上記口枠３０の少なくとも下部顎板３１に複数
の通気穴６を設け、炉内に二次空気を供給可能となす。
他方、上記開き扉５を大勾配の傾斜外板５１の内面に上
記通気穴６から炉内に流入する空気の少なくとも一部が
分流する間隔をおいて対向し、外板より小勾配で傾斜す
る熱遮断板５２を設け、傾斜外板５１を断熱する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は産業廃棄物または家庭用廃棄物の完全燃焼式焼却炉の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

鉄製焼却炉に耐久性を持たせるには内壁を耐火材料で内張りする必要があるが 、ゴミ投入口には耐火煉瓦積みを行うのが不可能であり、投入口扉は燃焼熱で加 熱され、順次ゴミを投入するのが困難となる。 また、この種焼却炉は燃えにくい廃棄物を焼却する場合が多く、従来の灰出し 口からの空気の供給では不完全燃焼となり、煙突から排出される黒煙が多く、環 境を汚染し易い。 さらに、この種焼却炉では屋根部が熱によって破損しやすいが、煉瓦積みにて 耐火性を持たせにくく、焼却炉の寿命を短くしているのが現状である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

そこで、本考案の第１の目的は耐火材料の被覆によって耐火性能を持たせにく い投入口扉への燃焼熱影響を制限しつつ完全燃焼を行わせることができる耐久性 に優れた焼却炉を提供することにある。 また、本考案の第２の目的は熱影響を受けやすい屋根部に耐久性と交換性を持 たせ、更に優れた耐久性を有する焼却炉を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は投入口扉に熱遮断板を併設して二重構造となし、そこに二次空気を流 入させることにより冷却されるとともに完全燃焼を行わせることができることに 着目してなされたもので、 上部に煙突部２１を有する屋根部２と、中央にゴミ投入口３および下部に灰出 し口４を有する炉本体１とからなり、内壁が耐火材料により内張りされた焼却炉 において、 上記投入口３に下部が上部より大きく外方に突き出した口枠３０を介して一対 の開き扉５、５が設けられ、上記口枠３０の少なくとも下部顎板３１に複数の通 気穴６を設け、上記灰出し口４から流入する１次空気とは別個に２次空気を供給 可能に構成する一方、上記開き扉５が大勾配の傾斜外板５１の内面に上記通気穴 ６から炉内に流入する空気の少なくとも一部が分流する間隔をおいて対向し、外 板より小勾配で傾斜する熱遮断板５２を備え、傾斜外板５１を断熱するように構 成したことを特徴とする。

【０００５】

【作用及び考案の効果】

本考案によれば、図２に示すように投入口の口枠下部の顎板に複数の通気穴６ を設けたので、投入口３を遮蔽していても外部から二次空気が炉内に流入するこ とができ、灰出し口からの一次空気によって燃焼しきらず、黒煙として上昇する 燃焼ガスが二次空気により完全燃焼することになり、黒煙の排出量は極端に少な くなる。 他方、二次空気の一部は投入口３の扉５を構成する傾斜外板５１と熱遮断板５ ２との間を通って上方に移動するので、熱遮断板５２から傾斜外板５１方向に放 射される滞留熱を放熱でき、傾斜外板には炉内燃焼熱が殆ど伝達されない。した がって、傾斜外板が過熱されず、炉内燃焼時でも容易に開閉が可能であるととも に、過熱により破損することがない。 また、屋根部２は炉内燃焼熱を受けやすいが、内面に耐火材料としてコンクリ ートを鋲止めして付設することにより耐熱性を付与され、しかも炉本体１に対し 取り外し可能に接続されると、取替え可能であるから部分補修により焼却炉の耐 久性を持たせることができる。 なお、燃焼により生成される灰が下方に堆積すると、一次空気による燃焼の妨 げとなるので、上記灰出し口から投入口に至る内壁が下窄まりの階段形状に耐火 煉瓦を段積みして形成されると、長時間に渡り炉内完全燃焼を保障することかで きることになる。

【０００６】

【実施例】 以下、本考案の好ましい実施例を添付図面に示す具体例に基づき、詳細に説明 する。 図１は本考案に係る焼却炉の投入口扉の一方を開放した状態を示す斜視図、図 ２は図１のＡ−Ａ線断面図である。 図示の焼却炉は、上部に煙突部２１を有する鉄製屋根部２と、中央にゴミ投入 口３および下部に灰出し口４を有する鉄製炉本体１とからなる。 炉本体内壁は耐火煉瓦１１積みにより内張りされるとともに、投入口３から灰 出し口４に至っては下窄まりの階段形状に耐火煉瓦１１を段積みして灰置き部分 １２が形成され、最下部に鉄格子１３を置いて炉内を構成する。他方、上記屋根 部２は屋根板内面に多数の鋲打ち２２を行い、そこにコンクリート２３を塗り込 めて耐火層２０を形成してなり、炉本体１の上端に重ね合わせて必要があれば、 取り外し可能となっている。 上記投入口３に下部が上部より大きく外方に突き出した顎部３１を形成した口 枠３０が付設され、該口枠３０を介して一対の鉄製開き扉５、５が設けられる。 上記口枠３０の下部顎板３１に複数の通気穴６を設け、上記灰出し口４から流入 する１次空気とは別個に２次空気を供給可能に構成されている。 他方、上記扉５は口枠３０の外縁に沿って左下がりに傾斜した鉄製外板５１と その内面に外板５１より小さな勾配で左下がりに傾斜する鉄製熱遮断板５２を所 定の間隔をおいて対向するように４隅の脚５３で結合して二重構造をなし、上記 通気穴６から炉内に流入する空気の少なくとも一部が外板５１と熱遮断板５２の 間に分流するように構成されている。尚、上記外板５１には上記通気孔６に代え 、又は上記通気孔６とともに第２通気孔５４を設けて二次空気が流入するように してもよい。 この実施例においては、投入口３から廃棄物を炉内に投入して燃焼させると、 灰出し口４からの一次空気により燃焼し、不完全燃焼物は燃焼ガスとともに上昇 するが、投入口３の下部近傍から通気穴６を介して外部空気が二次空気として炉 内に流入するので、この空気により二次燃焼が行われ、完全燃焼する。 燃焼した灰分は上記階段状をなす灰置き部分１２を段階的に下方に落下するこ とになるので、一次空気の供給を遮断することなく、予熱を有効利用することが できる。 上記二次空気の一部は外板５１と熱遮断板５２の間に分流し、熱遮断板５２か ら傾斜外板５１方向に放射される滞留熱を上方に放熱することになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案に係る焼却炉の投入口扉の一方を開放
した状態を示す斜視図である。

【図２】 図１のＡ−Ａ線断面図である。

【符号の説明】

１ 炉本体 ２ 屋根部 ３ 投入口 ４ 灰出し口 ５ 二重扉 ６ 通気穴

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上部に煙突部２１を有する屋根部２と、
   中央にゴミ投入口３および下部に灰出し口４を有する炉
   本体１とからなり、内壁が耐火材料により内張りされた
   焼却炉において、 上記投入口３に下部が上部より大きく外方に突き出した
   口枠３０を介して一対の開き扉５、５が設けられ、上記
   口枠３０の少なくとも下部顎板３１に複数の通気穴６を
   設け、上記灰出し口４から流入する１次空気とは別個に
   ２次空気を供給可能に構成する一方、上記開き扉５が大
   勾配の傾斜外板５１の内面に上記通気穴６から炉内に流
   入する空気の少なくとも一部が分流する間隔をおいて対
   向し、外板より小勾配で傾斜する熱遮断板５２を備え、
   傾斜外板５１を断熱するように構成したことを特徴とす
   る完全燃焼式焼却炉。
2. 【請求項２】 上記傾斜外板５１に少なくとも１つの通
   気孔５４を設けてなる請求項１記載の焼却炉。
3. 【請求項３】 上記屋根部２が炉本体１に対し取り外し
   可能に接続され、内面に耐火材料としてコンクリートを
   鋲止めして付設したことを特徴とする請求項１記載の焼
   却炉。
4. 【請求項４】 上記灰出し口から投入口に至る内壁が下
   窄まりの階段形状に耐火煉瓦を段積みして形成されてい
   る請求項１記載の焼却炉。